建設委員会

1961-03-23 参議院 全138発言

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会議録情報#0
昭和三十六年三月二十三日(木曜日)
   午前十時三十三分開会
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  委員の異動
本日委員武内五郎君辞任につき、その
補欠として松永忠二君を議長において
指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理事
           田中 清一君
           松野 孝一君
           武藤 常介君
           内村 清次君
   委員
           岩沢 忠恭君
           小沢久太郎君
           小山邦太郎君
           米田 正文君
           木下 友敬君
           田中  一君
           藤田  進君
           松永 忠二君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
           村上 義一君
  衆議院議員
           井手 以誠君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   林野庁長官   山崎  齊君
   建設省河川局長 山内 一郎君
   建設省道路局長 高野  務君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   厚生省社会局施
   設課長     瀬戸新太郎君
   林野庁指導部長 大野 文夫君
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部施
   設課長     粕谷 逸男君
   日本国有鉄道施
   設局長     柴田 元良君
   日本電信電話公社
   保全局長    黒川 広二君
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  本日の会議に付した案件
○有明海開発促進法案(衆議院送付、
 予備審査)
○建設事業並びに建設諸計画に関する
 調査
 (静岡県由比町における地すべり防
 止対策に関する件)
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稲浦鹿藏#1
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。三月二十三日付、武内五郎君辞任、松永忠二君が選任されました。
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稲浦鹿藏#2
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に委員長及び理事打合会の結果を御報告申し上げます。
 本日は初めに、有明海開発促進法案の提案説明を聴取いたした後、地すべり防止対策について調査を行ない、続いて道路整備緊急措置法等の一部改正案の質疑を行なうことにいたしたいと思います。大体一時半ごろまでの予定です。
 なお二十八日は午前、午後続いて道路整備緊急措置法等に対する審査を行なうことに打ち合わせいたしました。以上御了承願います。
 それでは初めに有明海開発促進法案を議題といたします。発議者から提案理由を願います。衆議院議員井手以誠君。
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井手以誠#3
○衆議院議員(井手以誠君) 井手以誠でございます。
 有明海開発促進法案について提案の理由を御説明申し上げます。
 九州の中央部に深く湾入している有明海は、最大干潮時には海岸から遠く六・七キロまで干潟地となる広大な浅海でありますので、その湾口部を締め切り、水位を下げ、第二線の干拓堤防を築きますと、一挙に五万三千ヘクタールの新しい国土が造成されるのであります。ここに三万八千ヘクタールの干拓農業を展開し、埋蔵量四十億トンと推定される海底炭田を開発するとともに、この石炭と背後地の資源を組み合わせて臨海工業地帯を形成振興すれば、九州地域経済の停滞性と後進性を打開して、有業人口三十五万、年間四千二百億円の総生産を上げ、百万人をこえる人口を収容し得ることになるのでありまして、この有明海地域の総合開発は、狭い国土に、四十七番目の有明県を作り出そうとする世紀の大開発事業であります。すなわち、この総合開発によって、
 一、肥沃な干拓地三万八千ヘクタールに農家の二、三男、漁場を失う漁業者等二万戸を入植させ、水田酪農を取り入れた高度の農業経営によって、年間二百億円の農業生産と所得の増大が期待されます。これによって九州農業の低い就業構造を引き上げ、過剰農村人口を緩和することができるのであります。
 二、推定埋蔵炭量四十億トン、通産省調査による有明海東部の可採炭量は十六億トン、うち七十%は粘結炭という豊富貴重な地下資源を開発すれば、従業員数三万九千、年間出炭一千二十万トン、生産額五百数十億円に上り、これによって老衰化した筑豊、唐津・北松炭田の将来に備え、またほとんど輸入に依存する原料炭五百万トンをおおむね自給して巨額の外貨節約となります。最近鉱害をめぐって干拓計画と石炭開発の利害対立が伝えられております。もちろん個々の築堤干拓地には当然予想されるところでありますが、一時に行なう大干拓には鉱業用地を保留し、充填技術の採用、鉱害予防の措置を講ずれば、その多くは克服され、進んで干拓地の随所に堅坑を容易に開さくすることができ、坑道延長の宿命的難問題は同時に解決するという一大利便を得ることになります。もとより企業家の利潤評価よりも雇用、所得等広く国民経済的立場に立って判断すべきであり、地下資源は国民のものであります。従って、未開発炭田の開発は電源開発株式会社のごとき公けの機関によるべきでありましょう。
 三、相当面積の臨海工業地帯を造成、淡水化する干潮諸河川、内水湖の豊富な用水と、石炭を初め、背後地の資源を活用して重化学工業、肥料、窯業、火力発電、食料品加工、臨海関連工業等を振興すれば、就業人員十一万六千、その年生産三千五百億円の巨額を見込まれるのであります。従来九州の経済は原料工業に偏在している上、その設備は老朽化し、生産の成長は鈍化するとともに、狭隘な産業構造の外郭性、辺境性、後進性から社会的人口の滞留圧迫が加重されておりますので、地域経済を若がえらし、厚みをつけ、地域格差を是正して均衡ある成長と雇用の改善をはからねばなりません。
 四、いわゆる台風常襲地帯にある有明海地域は、洪水と満潮が重複して年平均七十二億円の大被害を受け、現在防災改修改良工事は五百億円を計画されておりますが、大締め切りによって水位を二・五メートル低下すれば、海岸堤防二百十五キロメートル、十河川を含む干潮地域十二万ヘクタールの保全効果は六百億円、既耕地の排水改良は八十億円の効果を見込まれます。
 五、流域三千ヘクタールに及ぶ九州第一の大河、筑後川は年平均流量二十七億トンに上っておりますが、その利用度はわずか九億トンにすぎず、貴重な水資源は、大半未利用度のまま放流され、一方北九州、福岡地方における工業用水、都市用水の需要は最近急増し、中下流の農業用水はますます不足を来たしているので、これら用水の確保は切実な問題となっております。従って筑後川の治水、利水を調整開発することは、当面の急務であり、その利便と経済効果は莫大なものがありましょう。
 六、一面締め切り築堤によって直接に漁場を失う人々には真に気の毒に堪えません。この沿岸漁業はきわめて集約的、停滞的で、所得が低いため、局面打開を迫られている窮境にあり、また半農半漁の立場もありますので、干拓への優先入植、第二次、第三次産業への吸収または淡水漁業、外海漁業拡大等によって解決をはかることが必要でありましょう。
 以上のように、優に一県に相当する事業効果が見込まれるとともに、財政面からの経済効果は、少なくとも堤防保全、排水改良に六百八十億円、土地造成に二千億円その他二十億円を加え、二千七百億円を期待され、一方これに要する経費は締切堤防八百四十億円、干拓堤防八百五十億円、地区内工事百三十億円、補償費三百五十億円、計二千百七十億円の見込みで、面接の経済効果よりも五百三十億円下回るのでありますから、この大事業は十分採算ベースに乗るものと推定されるのであります。この国土を守り、国土を開く大事業に自衛隊を活用すれば、工事費は大幅の節減をみるのでありましょう。
 すでに九州地方開発促進法による審議会に有明部会が設けられたほか、各方面で調査研究を進められておりますが、調査だけで十数億円を要する世紀の大事業を行なうのに、今日の調査は年間三千数百万円の小規模にすぎず、統一性を欠いております。すなわち有明海開発の緊急かつ重要性にかんがみ、有明海開発促進法を制定し総合的大がかりな調査を進め、早急に開発基本計画を決定、引き続き開発公団を設立して事業を実施推進しようとするものであります。
 次に法案の概要を申し上げますと、
 一、内閣総理大臣は有明海及びその周辺の地域の開発に関する調査について、その地域、行政機関、内容の基本計画を立案し、九州地方開発審議会の議を経て決定すること。
 二、内閣総理大臣は毎年調査の結果をまとめて認否を推進するが、事業の緊要性と愛知用水事業が本年度完工し、機械化公団の事業も著しく進捗している事情をも考慮して、この法律施行後五年以内(調査期間は三年)に開発基本計画を立案決定するよう努めねばならないこと。
 三、開発基本計画は内閣総理大臣が指定する区域における締め切り提防、土地の造成、土地及び水面の利用、用水の利用、これらに関連する諸施設の整備その他総合的な計画の基本を定めること。
 四、政府は開発基本計画を実施するために必要な資金の確保をはかること。
 五、政府は事業の実施により失業した者の就業、生活再建または環境整備のため特別の措置を講ずるとともに、失業した漁民を造成された土地に優先入植させるよう努めること。
 六、開発基本計画に基づく事業を実施するため別の法案によって有明海開発公団を設置すること。
 以上がおもなる内容であります。ここに有明海開発公団法案要綱を添え御提案申し上げますので、何とぞ著しい効果が約束されるわが国随一の、この国土開発計画に格別の御理解を賜わり、本法律案をすみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。
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稲浦鹿藏#4
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案の審議は本日はこの程度にいたします。
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稲浦鹿藏#5
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査といたしまして、ただいま静岡県由比町に起こっております地すべりによる実情と、その対策、経過について関係当局から順次説明を願います。
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大野文夫#6
○説明員(大野文夫君) 静岡県由比町の寺尾地区に起こりました地すべりにつきまして、その経過と対策についての概要を御説明申し上げます。
 この由比町の地すべりは地内の中之沢及び寺尾沢の間にあります地区に起こりましたものでありまして、発生の時期は三月の十四日の未明でございます。その地区の地質を申し上げますと第三紀層に属しまして、下部は泥岩と砂岩の互層になっておりまして、上部は礫岩と集塊岩より成っております。そして今回地すべりいたしました頭部におきまして、二列にわたりまして破砕地帯があるというようなところでございまして、この地区は往年から地すべりの地帯でございます。遠くは天明の地震のときにも大崩壊があったというふうな記録も残っております。その後もしばしば地すべりがあったわけでございますが、最近におきましては昭和十六年の七月にかなり大きな地すべりがありまして、死者六名、負傷者十数名というような被害がございました。続いて昭和二十三年の九月アイオン台風によりまして山腹が崩壊いたしまして、国鉄及び東海の国道が七時間余にわたりまして一時途絶をしたというような経過があるわけでございます。
 で、今回の地すべりの原因というものにつきましては目下調査中であるのでございますが、一応の誘因と考えられますものは、二月の中旬に静岡地区に小さな地震がありました。発生いたしました前日、十三日に十三ミリ程度の降雨がありました。これがまあ一応の誘因ではないかとただいま考えられておるわけでございます。現況は国鉄、国道及び人家がございますところから水平距離にいたしまして約七百メートル、標高約三百メートルのところを頂点といたしまして、そこから幅二百メートルを底辺といたします高さ百五十メートルの三角形にすべり出したわけでございます。で、従来の他の地区におきます崩壊と違いまして、この滑落の状況は非常に緩慢でありまして、先ほど申しました誘因というものにつきましても、十四日以前から多少ずつすべっていたのではないかというようなことも考えられるのでございます。で、この土砂が下段の地すべり地帯に重量と圧力をかけながら、約二百メートル活動いたしました。隆起やあるいは陥没を伴い、約六ヘクタールにわたりまして、ちょうど地すべりいたしました下で、農林省が昭和二十三年から三十年度までに直轄の治山工事をやっておりまして、また引き続きまして、三十一年から三十五年度、本年度まで県営の治山事業及び地すべり防止事業をやっておりましたが、これらの建造物を非常に大きくこわしたわけでございます。
 で、土砂の移動速度につきましては、発生直後におきましては、約二時間にわたりましては、毎時百メートルというような、驚異的な速さでございましたが、その後だんだんおさまりまして、十六日に至りましては中之沢におきましては毎時四十五ミリ、これは匍行の土砂の一番先端をはかっておるのでございますが、中之沢におきまして四十五ミリ、寺尾沢におきまして五百ミリ、十七日におきましては、中之沢におきましては二十ミリ、寺尾沢におきまして二百ミリ、十九日の夜半、この日は雨が相当降りました。十九日の夜半におきましては中之沢におきましては二十三ミリ、寺尾沢におきましては百十ミリ、昨日の早朝、二十二日の朝におきましては、中之沢におきましては二十ミリ、寺尾沢におきましては三十ミリ、だんだん落ちついて参ってきておるのが現況でございます。
 なお、先ほど申し上げました農林省の直轄治山工事につきまして御説明申し上げますと、これは先ほども触れましたように、昭和二十三年のアイオン台風によりまして、国道及び国鉄が七時間余にわたりまして途絶されたわけでございます。その当時、GHQから、国鉄幹線の輸送を背任をもって確保しろというような命令がございました。当時地すべり防止事業という本のの予算は林野庁のみにございました、そういうような関係で、二十三年から直轄の工事といたしまして林野庁が所管いたしまして、約工事費といたしまして一億一千万円の経費を投入しておるわけでございます。三十年に至りまして基幹の工事が終わりました関係上これを静岡県に移管いたしまして、その後においては県の補助工事といたしまして、本年まで約三千二百万円の工事をやっておるわけでございます。また御承知のように昭和三十三年に地すべり等防止法が施行されまして、これに伴いまして昭和三十四年の一月にこの地域十八ヘクタールを地すべり防止地区に指定しておるわけでございます。
 次に対策について申し上げます。事故が発生いたしまして由比町におきましては、十四日の午前九時に直ちに地元住民に対しまして避難命令を発しております。地元住民七十五世帯三百八十五名に対しまして避難命令を発しまして、その避難先は町の公会堂あるいは親類縁者というようなところに避難を命じました。続きまして十一時に由比町は対策本部を設置いたしまして、緊急の町会を召集いたしまして応急対策につきましての協議を行なっております。同時に静岡県といたしましても直ちに現地に関係者を派遣いたしまして、午後の六時に、県に対策本部を設置いたした次第でございます。本庁といたしましても直らに十六日の晩に係官を現地に派遣いたしまして、引き続きまして地すべりの権威でありまする建設省の土木研究所の谷口博士に調査を依頼いたしまして、十六日に同博士は現地に到着、調査をいたしました。また地質学の権威でありまする東京農業大学の小出博士にも調査を依頼いたしまして、十八日に同博士も現地に見えられまして、十九日は両博士と私どもの担当者であります治山課長が現地で県の責任者と立会いたしまして、応急の対策工事の樹立、検討をいたしたわけでございます。
 一方、本庁関係におきましてはいろいろ各省関連する問題もありますので、昨三月二十二日に関係各省の連絡会議の第一回を開催いたしまして、情報の交換、各技術の提供をいたしまして、今後の応急対策及び恒久対策につきましての協議をいたしたような次第でございます。一そこで県の対策本部といたしましては、十四日に自衛隊の富士学校に出動待機を要請しております。そして応急の対策といたしましては、どうしても排土と排水が必要であるというような観点から、十七日に同自衛隊の出動を要請しまして二百九十三名現地に参りまして、直ちに緊急の工事を十七日から開始しております。これが二十三日、本日までかかりまして、自衛隊は一応引き揚げるというような連絡があったわけでございます。
 そこで緊急の対策といたしましては、先ほども申し上げましたようにだんだん落ちついては参りますものの、雨が降りました場合におきましてはその保水能力に限度がございますので、早急に排水路にたまりました土を排土して、同時にいろいろ各個所にございます遊水をその地域外に排水するということが、二つの大きな眼目と考えられまして、そのおのおのにつきまして現地で協議したわけでございますが、御承知かと思いますが、その現地に入ります個所が全部部落でございまして、現地に至ります入口が非常に小さいというような関係で、なかなかブルドーザーあるいはダンプというものがそのままでは入り得ないというような関係もあり、一方におきましてまず水を取り除くということに重点をおきまして、この出動いたしました自衛隊に依頼いたしまして、山腹の遊水及びその上流から流れて参ります流水をその地域外に排水するということに重点をおきまして、U字型の鉄板で山の口をとめまして、木皮あるいはビニールパイプ、それからじゃかごというようなものを利用いたしまして、上部の水を区域外に排水するという作業を現在やっておりまして、ほとんど本日をもってその応急の仕事は終わるわけでございます。しかし、これだけにおきましてはなかなかまだ応急としても完全でございませんので、昨日県の方にもまた連絡をいたしまして、どうして毛先ほど申しましたいろいろ工事材料を入れます進入路をあけなくてはなりませんので、町の方と十分に協議をしていただきまして二、三の人家の立ちのきをお願いするというような措置を目下講じているような次第でございます。それと同時に今申し上げましたことによりまして、一応流水路の排土、排水は今後それができますと直らに行なえるわけでございますが、それのみでは不十分でございますので、民家に接続いたしました山腹、これは現在くずれておらないところでございますが、そこもいつくずれるかもしれない危険もありますので、そこにじゃかごを設定いたしまして、応急にその万一くずれました場合にそれをとどめるいわゆる防御壁というものを設置することにしておるわけでございます。県の対策本部といたしましては、今明日中にその設定を終わるわけでございまして、設定を終わりまして直ちにただいま考えておりますような方向で応急の対策工事をしたいと、かように考えておる次第でございます。
 次に、恒久工事につきましては、やはり先ほど経過で申しましたように、非常に昔からの地すべり地帯でございますので、ざらにこの地質を十分に精査いたしませんと、この原因も推定の域を脱しないのでございますので、直ちにボーリングその他等によりまして、ボーリングあるいは遊水の試験、土質の方も化学的に試験いたしまして、これはすでにあるいは土質は現地より持ち帰りまして建設省の土木研究所に依頼いたしまして目下分析中でございますが、それとボーリング等によりまする物理的探査によりましてこの地質をより明確に把握いたしまして恒久の対策をやって参りたいと、かように考えております。
 以上が従来の経過、それに対する対策でございます。
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稲浦鹿藏#7
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に地すべりの総合対策、河川局の方の調査を、地すべりの対策を。
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山内一郎#8
○政府委員(山内一郎君) この地すべりを起こしました地域は先ほど農林省からもお話がございましたように、農林省関係の地すべり防止地域でございまして、建設省といたしましては、地すべりを防止する自体の問題につきましては農林省でおやりになっておりますので、建設省では現在何もやっておりません。ただ一級国道を控えておりますので、私の方といたしましては、まあ積極的に土木研究所の谷口博士の現地調査、並びにいろいろ今後協議会が開催されますが、協議会におきましていろいろこちらの考えているととを申し上げ、なおこちらでやった方がいいと、こういう点がございましたら建設省で実施をする、こういう方向で現在進んでおります。
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稲浦鹿藏#9
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは次に道路の現状を道路局長。
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高野務#10
○政府委員(高野務君) との地すべりの起こりました由比町、寺尾地先には、地すべりの起きましたところの数百メートル下に一級国道一号線が通っておりまして、さらに地すべりが増大いたしますと危険にさらされるわけでございます。建設省の中部地方建設局の静岡工事事務所といたしましてはパトロールの車を配置いたしまして、県対策本部、国鉄等と協力いたしまして観測、監視を続けておるとともに、国道に被害のありました場合に対処いたしまして、迂回路の調査、復旧資材、機械の準備を行なっております。迂回路につきましては二級国道の清水−上田線、県道の逢坂−芝川停車場線から主要地方道の芝川−万沢線を予定しておるのでありますが、この迂回路の一部に幅員が足りないところ及び荷重制限六トンの木橋があるのでございまして、この木橋につきましては県の土木におきまして補強をいたしております。また迂回路の指示標識等も準備しておる状態でございます。復旧機材につきましては沼津所在のブルドーザー三台、トレーラー一台を待機させておりますし、名古屋のモーター・プールにはべーリー橋を用意いたしまして必要に応じまして輸送できる態勢をとっております。
 以上が地すべりの今後さらに増大いたします危険に対しましての私どものとっております措置でございます。
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稲浦鹿藏#11
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に鉄道について国鉄施設局長。
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柴田元良#12
○説明員(柴田元良君) 運輸省から御答弁いたしたいと思いますが。
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粕谷逸男#13
○説明員(粕谷逸男君) 鉄道のとっております応急対策につきまして御説明いたします。御承知のようにこの由比地区を通っております東海道線は、日本における大幹線でございまして、一日の輸送量を申しますと、旅客におきまして片道五万人、貨物につきまして片道二千五百車、こういう大きな輸送量を受け持っておるわけでございまして、この東海道線が数時間でもとまりますと輸送上非常な大混乱を来たすということでございまして、国鉄といたしましては真剣にこの地すべりと取り組んでおる次第でございます。地すべりの起こりました十四日にさっそく現地の方に静岡管理局が緊急対策本部を設けまして、その日の十五時からはすべての列車を四十キロに徐行させております。そうしてこの列車を防護するために、この地すべりの成り行きを監視いたしております。その方法といたしましては、この地すべりの地域をはさみまして動かない点に二個所望楼を作りまして、この望楼に投光器あるいは測角用のトランシット、そういったものを設備いたしまして、以後寸時も休まずにこの地すべりの移動につきまして監視を続けております。なおこの地すべりのほぼ全域にわたりましてひずみ計といいますかこれを三個所、それから簡易の移動測定の支点を約三十個所設けまして、これらの測定を続けております。警戒といたしましては固定警戒、移動警戒、これを続行しております。なお異常のございましたときに、直ちにこの自動信号を変え得るように信号開閉機というものを設備いたしました。さらに地すべり全体がどういうふうに変形していくかということを測量を続けてやっております。
 それから災害時の応急態勢でございますが、現場にブルドーザーとかこれを運転する職員を待機さしております。また請負業者の待機あるいは資材の手配その他職員の待機、足どめ等を行ないまして緊急の事態に対処するようにいたしております。先ほど林野庁の方から詳しく現地のお話がございましたが、私どもの国鉄の方でやっております地すべりの測定結果から見まして、現在はほとんど動いていない状態でございますが、今後の長期にわたる雨降りあるいは集中的な豪雨が参りますと、土砂の流出が考えられますので、これに対して国鉄をクロスしております橋梁、その他につきまして水通しの、水通しといいますか、土砂の通りのいいような設計にかえようということで現在設計中でございます。
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稲浦鹿藏#14
○委員長(稲浦鹿藏君) 続いて、通信対策について電電公社の保全局長。
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黒川広二#15
○説明員(黒川広二君) 通信関係を申し上げます。通信関係といたしましては、地すべりのおそれのありまするところの旧国道に五十六対の東海道の市外ケーブル、百対の市内電話のケーブル、架空ケーブルでございますが、それが通っております。市外ケーブル五十六対、二条、これが旧国道に埋設してあるわけでございますが、ここには東海道の約市外電話回線六百五十回線が収容されております。しかし、東海道を通っておりますところの市外電話回線は全体で約二千回線ございまして、これはそのうちの一部の六百五十回線がここに収容されておるわけでございます。で架空ケーブルの方は由比の電話局の加入者約五十加入がこの架空ケーブルによりまして市内電話が加入されておりますが、地すべりが旧国道までに及びました場合の応急対策をいろいろ考えておりまして、市内加入電話に対しましては、簡単なアールディーワイアーと申しますもので、それから市内ケーブルに関しましては、応急対策といたしまして国鉄側の側柱に共架させていただくとか、あるいはさらに海岸寄りの護岸堤防にケーブルを布設いたしますとか、あるいはさらにひどいときには海底ケーブルをその区間だけ布設することといたしまして、仮り切りかえをするということをいろいろ考えておりまして、資材の確保をすでにいたしました。要員も地元の静岡通信部並びに東海通信局で確保いたしております。
 以上でございます。
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稲浦鹿藏#16
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、災害救助対策について厚生省社会局の施設課長。
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瀬戸新太郎#17
○説明員(瀬戸新太郎君) 厚生省の関係といたしましては、災害救助法に基ずきまする罹災民の応急救助ということになるわけでございますが、今回の地すべりに際しましてのさしあたりの対策といたしましては、危険地帯にある罹災民を避難所へ収容するという問題、それから避難所へ収容いたしました上でたき出し等の給与を行なう、こういうことが直らに考えられたわけでございます。
 そこで、先ほども御説明がありましたように、七十世帯、三百八十五名がそれぞれ避難いたしたわけでございますが、県といたしましては避難所を四カ所設けまして、そこに避難するよう勧奨いたしたのでございますが、これも住家に被害がなかった関係もございまして、それぞれ親戚縁者に避難をいたしまして、遂に避難所へは入るに至らなかったような状況でございます。しかし、まだ完全に落ちついたというわけでもございませんので、避難所をまだ現在四カ所準備をいたしまして、たき出しその他の措置が直ちにとれるような態勢を続けておる状況でございます。以上でございます。
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稲浦鹿藏#18
○委員長(稲浦鹿藏君) 一通り説明を聞きましたから、これから質疑を行ないます。
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藤田進#19
○藤田進君 大臣の方の対策本部から、今その大臣見えておるから……。
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稲浦鹿藏#20
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは建設大臣から一応対策の……。
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中村梅吉#21
○国務大臣(中村梅吉君) 実は御承知の通りこの地すべりが非常に心配される状態にありますので、われわれ閣僚間におきましても相談をいたしておったのでありますが、昨日、農林省の管轄しておりました地すべり指定地域でございまするので、農林省を中心に事務当局の連絡会議を持ってもらったわけであります。きのうも関係閣僚で集まりまして何か心配のない状態まで、根本的な解決をはかる必要があるということで集まりましたが、事務当局の連絡会議の結論を待って、きょうその会談をした方が順序としてよかろうということになりまして、さように延びたわけでございますが、あいにく農林大臣がかぜを引いて出てきませんので、午後四時にさらに集まって相談をしようということに今いたして、私こちらへ参ったようなわけでございます。これにつきましてはわれわれも専門的な知識がありませんから、相談をするにあたりましては現地の事情に明るいもの、われわれ建設省としましては谷口博士が当初から参りまして、現地事情を詳しく知っておりますから、こういう人とか農林省の関係官等をその会談の席に来てもらいまして、そういった専門家の知識の基礎の上に立って、一つ抜本的な方策を講じたい、かように考えておるわけでございます。
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岩沢忠恭#22
○岩沢忠恭君 林野庁の方にちょっとお尋ねするのですが、との地すべりの推進は、この地図に書いてある堆積しておる土砂は何立米くらいですか。
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大野文夫#23
○説明員(大野文夫君) 大体推測いたしますと、百ないし百二十万立米ではないか、かように考えております。
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岩沢忠恭#24
○岩沢忠恭君 こういう地すべりは全国的に相当現象が現われておると思うのですが、この図面で中之沢とかあるいは寺尾沢ですか、これに対して堰堤を作っておりますが、これはどういう意味でやっておるのですか。土どめですか、それとも排水ですか。
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大野文夫#25
○説明員(大野文夫君) 今御質問の堰堤は土どめ及び斜面をゆるくすると申しますか、それに流水路、この三つをかねております。
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岩沢忠恭#26
○岩沢忠恭君 それでは、結局は同じことを繰り返すようなことになりはしないかと私は考えるのですが、でありますから、恒久対策は地質を調査した上においておきめになるということでありますが、私どもの考えはもちろんこの恒久対策をやる場合においては、ただ従来のこういう堰堤とかあるいは土どめとかいうようなものではなくて、この地層の傾斜というものと、それから下層部における地質を十分検討して、その内部の排水というようなことを思い切って一つやってもらいたいと思うので、ただ単に応急的なものをやるということになればまた再び起こってきやしないか、従ってもし起これば旧国道とかあるいは東海道線というものが麻痺するというようなことに相なってきやしないかと思うのですが、どうもこの地すべり対策に対する農林省のやり方というものは非常に消極的だ、ただ表面に表われておるものだけをやるというように考えるのですが、その点は今後十分その注意をしてもらいたいと思うのですが、それだけ一つ注文しておきます。
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松永忠二#27
○松永忠二君 それじゃ二、三お尋ねしますが、まず最初に第一回の関係各省の協議会を持たれた、また大臣からは関係閣僚の間で協議をしていきたい、こういうお話があったのですが、これは協議された結果今後こういうことについてどういうふうな、たとえば現地に対策連絡の事務所を作るとか、あるいは常時しばらく協議会を定期的に開くとか、そういう結論を持たれたのかどうなのか、その点についてはいかがでありますか。
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大野文夫#28
○説明員(大野文夫君) 先ほど御説明いたしましたように、昨日関係各省、これは第一回でございましたので、建設関係、運輸関係、私ども農林関係のものが集まりましていろいろ情報交換あるいは技術の提供をやったわけでございまして、これは引き続き実施をする、第二回は一応昨日の会議におきましては来週の水曜日に開催をするということに決定しております。が、今日関係閣僚の懇談会が開かれますので、その結果によりましてはそれを繰り上げてまた開催をするというようなことを昨日決定しております。なお現地におきましては県庁内におきましてこの対策本部ができておりまして、出先の各関係者も常に横の連絡をとっているということを昨日確認をいたしました。また対策本部といたしましても、由比にその出先を設けてまた国鉄その他横の連絡をとっているということも確認いたしました。
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松永忠二#29
○松永忠二君 そこで今後恒久的な防止方法というようなものについては、関係者の協議した結果施行をするというようなことを考えておられるのか。それからまた恒久対策について明確になってくる時期というのは一体いつごろに考えておられるのか、この点を一つお聞きしたいと思います。
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