社会労働委員会

1973-07-17 衆議院 全318発言

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会議録情報#0
昭和四十八年七月十七日(火曜日)
    午前十時六分開議
 出席委員
   委員長 田川 誠一君
   理事 伊東 正義君 理事 塩谷 一夫君
   理事 竹内 黎一君 理事 橋本龍太郎君
   理事 八木 一男君 理事 寺前  巖君
      大石 武一君    大橋 武夫君
      加藤 紘一君    粕谷  茂君
      瓦   力君    小林 正巳君
      斉藤滋与史君    志賀  節君
      住  栄作君    田中  覚君
      高橋 千寿君    戸井田三郎君
      登坂重次郎君    中村 拓道君
      羽生田 進君    増岡 博之君
      粟山 ひで君    枝村 要作君
      金子 みつ君    島本 虎三君
      田口 一男君    田邊  誠君
      塚田 庄平君    村山 富市君
      山本 政弘君    石母田 達君
      大橋 敏雄君    坂口  力君
      小宮 武喜君    和田 耕作君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      坪川 信三君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長兼内閣総
        理大臣官房審議
        室長      亘理  彰君
        内閣総理大臣官
        房総務審議官  宮崎 隆夫君
        大蔵政務次官  山本 幸雄君
        厚生政務次官  山口 敏夫君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        厚生省医務局次
        長       信澤  清君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        労働政務次官  葉梨 信行君
        労働省職業安定
        局長      道正 邦彦君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 桑原 敬一君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        任用局長    茨木  広君
        内閣総理大臣官
        房参事官    今泉 昭雄君
        警察庁刑事局保
        安部防犯少年課
        長       奥秋 為公君
        法務省刑事局刑
        事課長     根岸 重治君
        大蔵省主計局主
        計官      梅澤 節男君
        文部省初等中等
        教育局教科書検
        定課長     浦山 太郎君
        文部省大学学術
        局学生課長   遠藤  丞君
        特許庁審査第一
        部長      土谷 直敏君
        中小企業庁計画
        部振興課長   宇賀 道郎君
        運輸省船舶局首
        席船舶検査官  内田  守君
        運輸省自動車局
        参事官     真島  健君
        労働省労政局労
        働法規課長   岸  良明君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 加藤  孝君
        労働省職業安定
        局失業対策部企
        画課長     望月 三郎君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十三日
 辞任         補欠選任
  小林 正巳君     高見 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  高見 三郎君     小林 正巳君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  粕谷  茂君     大石 武一君
  山本 政弘君     塚田 庄平君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 武一君     粕谷  茂君
  塚田 庄平君     山本 政弘君
    ―――――――――――――
七月十二日
 看護職員の労働条件改善等に関する請願(安宅
 常彦君紹介)(第八四〇八号)
 同(石田幸四郎君紹介)(第八四〇九号)
 同外五件(枝村要作君紹介)(第八四一〇号)
 同(北側義一君紹介)(第八四一一号)
 同(住栄作君紹介)(第八四一二号)
 同(山本幸一君紹介)(第八四一三号)
 同外二件(和田貞夫君紹介)(第八四一四号)
 同(湯山勇君紹介)(第八五三九号)
 同(池田禎治君紹介)(第八五七六号)
 同(内海清君紹介)(第八五七七号)
 同(多賀谷真稔君紹介)(第八五七八号)
 生活できる年金制度の確立等に関する請願外一
 件(佐藤観樹君紹介)(第八四一五号)
 同(坂本恭一君紹介)(第八四一六号)
 同外二件(柴田睦夫君紹介)(第八五八五号)
 同(米内山義一郎君紹介)(第八五八六号)
 戦災被爆傷害者等の援護に関する請願(赤松勇
 君紹介)(第八四一七号)
 同(大橋武夫君紹介)(第八四一八号)
 同外二件(佐藤観樹君紹介)(第八四一九号)
 同(塩谷一夫君紹介)(第八四二〇号)
 同(横山利秋君紹介)(第八四二一号)
 同(伊東正義君紹介)(第八四六二号)
 同(海部俊樹君紹介)(第八四六三号)
 同(石野久男君紹介)(第八五二七号)
 同(枝村要作君紹介)(第八五二八号)
 同(太田一夫君紹介)(第八五二九号)
 同(河上民雄君紹介)(第八五三〇号)
 同(柴田健治君紹介)(第八五三一号)
 同(田口一男君紹介)(第八五三二号)
 同(辻原弘市君紹介)(第八五三三号)
 同(堂森芳夫君紹介)(第八五三四号)
 同(原茂君紹介)(第八五三五号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第八五三六号)
 同(村山富市君紹介)(第八五三七号)
 同(湯山勇君紹介)(第八五三八号)
 同(浦野幸男君紹介)(第八五七九号)
 同外一件(岡田哲児君紹介)(第八五八〇号)
 同(古川喜一君紹介)(第八五八一号)
 同(山本弥之助君紹介)(第八五八二号)
 優生保護法の一部を改正する法律案反対等に関
 する請願外三件(土井たか子君紹介)(第八四二
 二号)
 同(土井たか子君紹介)(第八五二四号)
 健康保険法等の一部を改正する法律案反対等に
 関する請願外一件(小濱新次君紹介)(第八四二
 三号)
 同(竹村幸雄君紹介)(第八四二四号)
 同(荒木宏君紹介)(第八五二五号)
 同(荒木宏君紹介)(第八五八三号)
 同(神門至馬夫君紹介)(第八五八四号)
 医療事務管理士法制定に関する請願(小平久雄
 君紹介)(第八四六四号)
 保育所事業振興に関する請願(北山愛郎君紹介)
 (第八五二六号)
 児童手当制度の改善に関する請願(松本忠助君
 紹介)(第八五五八号)
 社会福祉協議会の活動強化に関する請願外九件
 (羽田孜君紹介)(第八五八七号)
同月十四日
 看護職員の労働条件改善等に関する請願(塚本
 三郎君紹介)(第八六一二号)
 同(岡本富夫君紹介)(第八六五三号)
 同(山口鶴男君紹介)(第八六五四号)
 同(小川新一郎君紹介)(第八六八五号)
 同(小宮武喜君紹介)(第八六八六号)
 同(足立篤郎君紹介)(第八七一八号)
 戦災被爆傷害者等の援護に関する請願(野坂浩
 賢君紹介)(第八六一三号)
 同(山中吾郎君紹介)(第八六一四号)
 同(石母田達君紹介)(第八六四八号)
 同(武藤山治君紹介)(第八六四九号)
 同(粟山ひで君紹介)(第八六五〇号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第八六八八号)
 同(住栄作君紹介)(第八六八九号)
 同(塚田庄平君紹介)(第八六九〇号)
 同(小林進君紹介)(第八七一九号)
 優生保護法の一部を改正する法律案反対等に関
 する請願(久保三郎君紹介)(第八六一五号)
 同(山中吾郎君紹介)(第八六一六号)
 同(土井たか子君紹介)(第八六五二号)
 同外一件(土井たか子君紹介)(第八六九二号)
 同(土井たか子君紹介)(第八七六六号)
 戦傷病者の援護に関する請願(白浜仁吉君紹介)
(第八六五一号)
 建設国民健康保険組合に対する国庫負担増額に
 関する請願外一件(川俣健二郎君紹介)(第八六
 八七号)
 保育所事業振興に関する請願(田中武夫君紹介)
 (第八六九一号)
 同(小林進君紹介)(第八七六五号)
 児童手当制度の改善に関する請願(浅井美幸君
 紹介)(第八七二〇号)
 同(新井彬之君紹介)(第八七二一号)
 同(有島重武君紹介)(第八七二二号)
 同(石田幸四郎君紹介)(第八七二三号)
 同(小川新一郎君紹介)(第八七二四号)
 同(大久保直彦君紹介)(第八七二五号)
 同(大野潔君紹介)(第八七二六号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第八七二七号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第八七二八号)
 同(岡本富夫君紹介)(第八七二九号)
 同(沖本泰幸君紹介)(第八七三〇号)
 同(北側義一君紹介)(第八七三一号)
 同(小濱新次君紹介)(第八七三二号)
 同(坂井弘一君紹介)(第八七三三号)
 同(坂口力君紹介)(第八七三四号)
 同(鈴切康雄君紹介)(第八七三五号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第八七三六号)
 同(田中昭二君紹介)(第八七三七号)
 同(高橋繁君紹介)(第八七三八号)
 同(竹入義勝君紹介)(第八七三九号)
 同(林孝矩君紹介)(第八七四〇号)
 同(広沢直樹君紹介)(第八七四一号)
 同(伏木和雄君紹介)(第八七四二号)
 同(正木良明君紹介)(第八七四三号)
 同(松尾信人君紹介)(第八七四四号)
 同(松本忠助君紹介)(第八七四五号)
 同(矢野絢也君紹介)(第八七四六号)
 同(山田太郎君紹介)(第八七四七号)
 同(渡部一郎君紹介)(第八七四八号)
 生活できる年金制度の確立等に関する請願(兒
 玉末男君紹介)(第八七六七号)
同月十六日
 優生保護法の一部を改正する法律案反対等に関
 する請願(多賀谷真稔君紹介)(第八八一〇号)
 戦災被爆傷害者等の援護に関する請願(佐藤敬
 治君紹介)(第八八一一号)
 同(寺前巖君紹介)(第八八一二号)
 同(福岡義登君紹介)(第八八一三号)
 同(石田幸四郎君紹介)(第八八七五号)
 同外二件(海部俊樹君紹介)(第八八七六号)
 同外一件(早稻田柳右エ門君紹介)(第八八七七
 号)
 同(久野忠治君紹介)(第八九四六号)
 同(小林正巳君紹介)(第八九四七号)
 同(塚本三郎君紹介)(第八九四八号)
 同(羽生田進君紹介)(第八九四九号)
 同(村田敬次郎君紹介)(第八九五〇号)
 低所得者階層の生活確保に関する請願(小沢貞
 孝君紹介)(第八八二六号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第八八二七号)
 同(羽田孜君紹介)(第八八二八号)
 同(中澤茂一君紹介)(第八八八三号)
 同(井出一太郎君紹介)(第八九四一号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第八九四二号)
 頸肩腕症候群対策に関する請願(小沢貞孝君紹
 介)(第八八二九号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第八八三〇号)
 同(羽田孜君紹介)(第八八三一号)
 同(中澤茂一君紹介)(第八八八四号)
 同(井出一太郎君紹介)(第八九四三号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第八九四四号)
 原爆被爆者援護法制定に関する請願(西岡武夫
 君紹介)(第八八七八号)
 深夜労働の禁止に関する請願(石母田達君紹介)
 (第八八七九号)
 社会保険診療報酬の引上げに関する請願(岡田
 春夫君紹介)(第八八八〇号)
 同(塚田庄平君紹介)(第八八八一号)
 同(島本虎三君紹介)(第八九五五号)
 医療事務管理士法制定に関する請願(加藤陽三
 君紹介)(第八八八二号)
 看護職員の労働条件改善等に関する請願(島本
 虎三君紹介)(第八九四五号)
 保険診療経理士法制定に関する請願(田中覚君
 紹介)(第八九五一号)
 同(中垣國男君紹介)(第八九五二号)
 国民健康保険事業に対する財政措置に関する請
 願(床次徳二君紹介)(第八九五三号)
 生活できる年金制度の確立等に関する請願(栗
 田翠君紹介)(第八九五四号)
 失業対策事業賃金、生活保護費の引上げ等に関
 する請願(石母田達君紹介)(第八九五六号)
 同(寺前巖君紹介)(第八九五七号)
 保育所事業振興に関する請願(島本虎三君紹介)
 (第八九五八号)
 老後の保障確立に関する請願(田中美智子君紹
 介)(第八九五九号)
 同(寺前巖君紹介)(第八九六〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
七月十六日
 戦傷病者の援護に関する陳情書
 (第四八二号)
 難病救済対策の確立に関する陳情書
 (第四八三号)
 優生保護法の一部を改正する法律案の一部修正
 に関する陳情書
 (第四八四
 号)
 健康保険法の改悪反対等に関する陳情書外七十
 五件
 (第四八五号)
 健康保険制度の改善に関する陳情書
 (第四八六号)
 国民健康保険事業の運営健全化に関する陳情書
 外一件
 (第四八七号)
 老人医療費の公費負担制度拡充に関する陳情書
 (第四八八号)
 生活できる年金制度の確立等に関する陳情書外
 六十二件
 (第四八九号)
 老齢年金制度の充実に関する陳情書
 (第四九〇号)
 重度心身障害者の医療費国庫補助に関する陳情
 書外一件
 (第四九一号)
 身体障害者の雇用促進に関する陳情書
 (第四九二号)
 精神障害回復者の社会復帰施設設置に関する陳
 情書
 (第四九三号)
 公衆浴場の助成に関する陳情書外一件
 (第四九四号)
 未帰還者の援護対策等に関する陳情書外一件
 (第四九五号)
 水道事業に対する国庫補助等に関する陳情書外
 一件
 (第四九六号)
 大型廃棄物等処理施設整備事業費国庫補助に関
 する陳情書
 (第四九七号)
 週休二日制の早期実現等に関する陳情書
 (第四九八号)
 公共企業体等労働組合のストライキに関する陳
 情書
 (第四九九号)
 健康保険法の一部を改正する法律案反対に関す
 る陳情書(第五五
 九号)
 健康保険法の一部を改正する法律案等反対に関
 する陳情書(第五六
 〇号)
 国民年金制度の改善に関する陳情書
 (第五六一号)
 国民年金制度の改善等に関する陳情書
 (第五六二
 号)
 脊髄損傷者の障害年金増額に関する陳情書
 (第五六三号)
 高齢者の生活保障に関する陳情書
 (第五六四号)
 老人対策確立に関する陳情書
 (第五六五号)
 食品の安全性確保に関する陳情書
 (第五六六号)
 妊産婦、乳児及び重度心身障害児者の医療無料
 化に関する陳情書
 (第五六
 七号)
 進行性筋萎縮症の国立研究所設置に関する陳情
 書(第五
 六八号)
 献血事業の拡充強化に関する陳情書
 (第五六九号)
 社会福祉協議会の活動強化費増額に関する陳情
 書(第
 五七〇号)
 原子爆弾被爆者の援護強化に関する陳情書
 (第五七二号)
 原子爆弾被爆者援護法の早期制定に関する陳情
 書(第五七三号)
 失業対策事業賃金及び生活保護基準の再改定に
 関する陳情書(第五七
 四号)
 結核予防対策強化に関する陳情書
 (第五七五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案起草の
 件
 厚生関係の基本施策に関する件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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田川誠一#1
○田川委員長 これより会議を開きます。
 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件について、田中覚君より発言を求められております。これを許します。田中覚君。
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田中覚#2
○田中(覚)委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党委員の協議に基づく試案がございます。各委員のお手元に配付してありますが、四党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 本案は、最近における覚せい剤事犯の増加及び悪質化が保健衛生上及び治安上きわめて憂慮すべき問題を提起している現状にかんがみ、覚せい剤原料に関する指定、制限、取り扱い等に関する規定を整備するとともに、覚せい剤犯罪に対する罰則を麻薬取締法並みに引き上げることとし、もって覚せい剤犯罪の取り締まりを強力に推進し、その根絶をはかろうとするものであります。
 そのおもな内容を申し上げますと、第一は、覚せい剤原料の取り扱い及び監督の強化に関する事項であります。
 すなわち、覚せい剤原料輸入業者及び輸出業者の指定に関する制度を新設し、覚せい剤原料の輸入または輸出は指定を受けた者でなければこれを行なうことができないことといたしました。
 また、覚せい剤原料の製造、譲渡等につきましては、薬事法による許可を受けている者についても、原則的に覚せい剤原料製造業者または取り扱い者の指定を必要とするように改めることといたしました。
 さらに、覚せい剤原料の不正使用を防止するため、その譲渡、譲り受け、保管及び廃棄等の手続について、覚せい剤そのものと同様の規制を行なうことといたしております。
 第二は、覚せい剤犯罪に対する罰則を強化することであります。
 すなわち、現行の覚せい剤取締法違反の罪に対する最高刑である「一年以上十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金」を「無期又は三年以上の懲役及び五百万円以下の罰金」に引き上げるほか、以下それぞれの違反行為の段階に応じ罰則を強化することとし、また覚せい剤及び覚せい剤原料の密輸出入及び密造についてその予備を罰するとともに、これに要する資金、建物等の提供及び不正取引の周旋を独立罪として罰することとしようとするものであります。
 この際、私は四党を代表いたしまして動議を提出いたしたいと思います。
 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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田川誠一#3
○田川委員長 ただいまの田中覚君、八木一男君、大橋敏雄君及び和田耕作君提出の動議について御発言はありませんか。——御発言もありませんので、本動議について採決いたします。
 田中覚君外三名提出の動議のごとく、お手元に配付いたしました草案を成案とし、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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田川誠一#4
○田川委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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田川誠一#5
○田川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ————◇—————
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田川誠一#6
○田川委員長 厚生関係の基本施策に関する件及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。羽生田進君。
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羽生田進#7
○羽生田委員 私は、厚生省関係に、特に国民の命を守るというようなことで、実は総理大臣に特に御質問申し上げたい、こういうお願いをしておったわけでございますが、総理大臣も厚生大臣もお見えになれないということで、これから二、三御質問あるいは私の意見も差し加えましてお願い申し上げたいのですけれども、ぜひひとつ総理並びに厚生大臣にも伝えていただき、また御見解等もいただきたいというようにお約束をお願いしたいのでございますが、よろしゅうございますか。
 それでは、ことしは福祉元年、こういうようなことがいわれて、本格的に日本の行政も国民の福祉ということを重点に置いて、福祉国家の建設ということを目ざしてやっていこうという年でございますが、現在GNP世界第二位とか三位とかいわれておるくらい経済大国になっておりますのに、いわゆる福祉国家、福祉行政という面におきましては、世界第二十二位とか二十三位とか、こういう地位にあるわけですが、この点に関して将来どういうことをされるか、ちょっとお伺いしたいと思うのです。
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山口敏夫#8
○山口(敏)政府委員 ただいま羽生田先生の御見解のように、経済成長社会の中におきまして、やはり物質文明の中で国民的な連帯あるいは安定というものを求めるのは、ひとえに福祉の面でどういう政治があるいは行政が機能を果たすかということに尽きるわけでございますし、そうした意味からいいましても、一つの安心できる老後あるいは同時に医療福祉の面の整備充実、さらに赤ちゃんがじょうぶに、すこやかに育つ保育環境、そうした一つ一つの部門も含めまして、私どもかより豊かな福祉社会を国民の手の中にするための積極的な諸施策を推進していかなければならない、このように考えている次第でございます。
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羽生田進#9
○羽生田委員 私は、福祉行政と申しましょうか、あるいは福祉政策、これにつきましては、国民の健康あるいは命、これを守るというような意味におきまして保健福祉、それから暮らしを守る、あるいは生活を保障するというような面におきまして社会福祉、この二本立てで福祉行政は進めなくちゃならぬ、これは車の両輪である、このように考えておるのですが、この点はどうでしょうか、ひとつ教えていただきたいのですが、間違っておるでしょうか。そういう意味でよろしいのでございましょうか、ちょっとお伺いしたいのです。
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山口敏夫#10
○山口(敏)政府委員 羽生田先生の御指摘のとおり、保健福祉さらにまた生活の安定のための社会福祉、当然私どもが福祉の中で国民の皆さんに進めていかなければならない重大な諸施策は、先生御指摘のその二点に十分ウエートを置いていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
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羽生田進#11
○羽生田委員 ところが現在のわが国の福祉政策は、どちらかといいますと社会福祉のほうに重点を置かれておる、いわゆる保健福祉のほうが軽んぜられておる。車の両輪といいましたけれども、保健福祉のほうが車が小さくて社会福祉のほうが車が大きい。したがってどうしても命よりもお金のほうが優先するような現在の政治が行なわれているように私は思うのです。その一例が健康保険問題、いわゆる健康保険というのは、これはあくまでも医療費の支払い制度なんです。したがって医療行為が行なわれた後になって健康保険制度というものがあるいは健康保険というものが考えられるべきなんです。ところが現在は健康保険が優先しちゃって、命が、医療面があとについていく。そのいい例が中医協等におきますいわゆる医療行為の点数の決定というような、あの決定権が中医協にある。要するにお金のほうを優先して、がまぐちが先行して、命を守る医療制度がそれに追従していく、いわば本末転倒であると私は思うのですが、これらについてひとつぜひお考えをいただきたいと思うのですが、私どもが実際に患者を見ている場合には、特に若い人たちが死に直面いたしますと、家族の者たちが、お金は幾らかかってもいいのだ、ぜひなおしてほしい、助けてくれ、健康保険で使えない薬でも、どんな高い薬でも使ってくれといって、お金よりも命のほうが大切なんだ、これは人間のほんとうの叫びだと思うのですが、現状はそうでない。これに対して私は非常に不満を持っておるわけですが、これについてお伺いし、また将来の御見解をお伺いをしたいと思うのです。
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山口敏夫#12
○山口(敏)政府委員 羽生田先生の御見解のとおり、まさに国民の皆さんの健康と命にかえ得る重いものはないわけでございまして、そういう点からいいましても、医療福祉の体制というものが少しでも整備していかなければならない、その立場に立ちまして厚生大臣も当委員会でも再三申し述べておるわけでございますが、やはり医療の主体性を握っておられます診療者側のいわゆる医療の供給体制といいますか、そういう面での供給体制を整備充実をし、そうすることがまた患者の方々の医療福祉に大いに貢献できる、こういう立場からいいましても、いま中医協の問題を先生御指摘ございましたが、そうした協議会の意見も十分に参考にした上、国民の皆さんの健康確保のためのバランスを、金や物の中でのイニシアチブということではなくて、あくまで国民医療に徹した体制の整備充実をはならなければならない、たびたび大臣もこの席を通じて答弁をしておるとおりでございます。
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羽生田進#13
○羽生田委員 そういう御答弁は、いただいてけっこうなんですけれども、やはり現実はどうしても財政面が優先しちゃって、財政面の牛における医療というようなかっこうに置かれているのが現在だと思うのですが、その点がもっと生命尊重、命のほうが大事なんだというような考え方で、これからの医療行政あるいは厚生行政というものを私はどうしてもしていただかないと、生命軽視というようなかっこうになると思うのです。これは長年の習慣と申しましょうか、あるいは陋習といいましょうか、どうしても昔から、いわゆる健康保険制度ができた当時は生命軽視、命というものをあまり重要視しない時代でもあったのです。それがいまだに私はこの健康保険制度の中に大きな流れを持っている、ウエートを占めている、こういうことで、根本的にこれは転換をしていただかないとほんとうに生命を守るという、命のほうが大事なんだというような政治にならないと思うのです。そこを何とか転換するようなことはできないのでしょうかね。
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山口敏夫#14
○山口(敏)政府委員 いわゆるこの医療体制の制度や保健的な保険制度の一つのたてまえが整備されることによってのみ国民の医療福祉に貢献できるということではもちろんないわけでございまして、現実的な運用過程におきまして、ただいま羽生田先生が御指摘になりましたような、やはり現状の健康保険、いわば保険医療というような立場からのみ私どもも国民の医療福祉を考えておるということではございませんので、十分その辺の先生の御意見も尊重させていただきながら、現実に即応した、国民の日常生活に即応した医療供給体制、また国民の健康と命をいかに守り得るかという一つの医療福祉の点について十分前向きに検討したい、かように思っておる次第でございます。
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羽生田進#15
○羽生田委員 その一つの具体的な例として、今年の一般会計十四兆何がしという国庫予算ですが、その中で社会福祉関係として二兆一千幾らという予算があるわけです。また、厚生省関係がその中の二兆幾ら、そこでほんとうに健康保持、増進というものに一体幾ら使っておるか、あるいは疾病の予防というものに対してどのくらいの金をかけておるのか、さらには治療面、あるいはリハビリ、あるいは環境整備、これは厚生省だけではないと思うのですけれども、そういうような面についてどのくらいお金を使っておるのだろうか、これをお聞きしたいのです。私があっちこっち引っ張り出しましてやったのは、厚生省関係が大体一兆円くらい、その他が五、六千億程度で一兆五、六千億くらいじゃないかと思うのですが、私はこれじゃちょいと国民の命を軽視し過ぎていると思うのです。もっと国民の命というものにお金を使ってもらいたい、これをお願いしたいのですけれども、その数字は一体そんなものでしょうか、ちょっとお伺いしたいのです。
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山口敏夫#16
○山口(敏)政府委員 ただいま先生の計数のとおり、大体厚生省関係の医療費関係は一兆円前後でございますし、まあ環境庁その他いろいろ予防、治療等も含めますと、わが国の当面の医療費関係の予算は一兆五、六千億になろうと思います。まあ申し上げるまでもなく、今年度の厚生省関係予算二兆一千億でございましたか、その五〇%近い医療費ということは、まあパーセンテージから言いますると大きなウエートを占めておるわけでございますが、しかし、今日の社会状況や経済状況、近代日本の百兆円国家という立場から言いますると、確かに先生が御指摘のように、この国民の健康と命を守るというためには、まだまだ医療関係の福祉予算というものを充実していかなければならない、かように思っておる次第でございます。
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羽生田進#17
○羽生田委員 いまの私申し上げました区分ですね、これは数字的にも、その一兆五、六千億のうち、健康保持、増進には何%ぐらい、それから疾病予防にはどのくらい、あるいはほんとうに病気になったときの治療というものにはどのくらい、さらにはそのあとの社会復帰にどのくらい、あるいは環境の浄化ですか、これらにどのくらいというような数字はおわかりにならないでしょうか。
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信澤清#18
○信澤政府委員 先生のせっかくのお尋ねでございますが、いまお話しのようなぐあいに区分した数字をただいま手元に持ち合わしておりません。早急に整理いたしまして資料としてお届けいたしたいと思います。
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羽生田進#19
○羽生田委員 いま公害病の問題で、特に水俣病がまたけさの新聞にも出ておりますが、これは私の記憶が間違っておるかどうかわからぬですけれども、たしか水俣病が公害病であると厚生省が認定をされたのは、昭和三十四、五年ごろじゃないかと思うのです、いまから十何年か前。これは、水俣病に対する研究費等も当初は出ておったと思うのです。ところが途中で打ち切られてしまった。それが今日このように水俣病が非常に大きな問題、世界的な問題になってきておる。これはもう命を軽視していた問題じゃないかと思うのですよ。あの当時からほんとうに厚生省は、あれは公害病であるとたしか認定したと思うのです、もう十二、三年前ですか、十四、五年前ですか、そのころから本格的に水俣病の研究を進め、健康を守る、命を守るということに徹底しておったならば、いまこんなに大問題にならずに済んだと私は思うのですが、たしかそれは間違いないでしょうね、昭和三十四、五年ごろじゃなかったかと思いますが。
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信澤清#20
○信澤政府委員 私の不確かな記憶で申し上げますので、間違っておりましたらあとで訂正さしていただきたいと思いますが、いわゆる公害病として認定をいたしましたのは十数年前のことではないと思います。ただし、通常水俣病といわれるような一連の疾病が出てまいりまして、非常に原因も明らかでない、したがってそれに対する医療というものにつきまして、いわゆる医療研究費の形で実質的には医療費の援助をする、こういう措置を十数年来講じてまいったことは事実でございます。
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羽生田進#21
○羽生田委員 そこで私、先ほどからも生命尊重ということを盛んにお願いしておって、特に保健福祉、社会福祉の二本立てでということでお願いしておったのですが、その生命の尊重という意味におきまして、憲法で保障されております国民の健康を守るあるいは命を延長する、ライフエクステンション、あるいはほんとうに命を守るというような行政が実はばらばらじゃないかという気がするのです。
 一例をあげますと、生まれてから学校へ行くまで、あるいは幼稚園へ行くまで、これは厚生省が保健管理をしているわけです。学校へ入りまして大学を終わるまでは文部省が健康管理をしておる。学校を終えますと、今度は労働省が相当この健康管理というものに対してウエートを占めてきている。特に産業方面に行きますと、これは労働省がほんとうに指導しておる。そして定年退職あるいは老人になりますというと、また厚生省へ戻ってくる。そのほか、公害的な病気になりますと環境庁がこれは健康管理をするとか、その他各省各庁でそれぞれやっておるわけなんですが、何かばらばらというような感じがするのです。健康診断にいたしましても、母子手帳は厚生省が出す。学童の健康診断等は文部省がやっておるというような形で、また就職その他になりますと労働省がやるというような形で、これもばらばらなんですが、何とか命を守るということをもっと真剣に考えるならば、命というものに対して所管するところの、保健省とかりにいうわけですけれども、こういうようなものを独立さしてつくるべきではないか。特にこれからほんとうに福祉行政をやっていこうという時代ですから、ぜひひとつ保健省というものを新設する。各省各庁にまたがっております、国民の命を守り健康を保持し、増進もするというようなことを特に集めて保健省でやっていく、こういうような考えはないかどうか。これは特に総理大臣にお聞きをしたかったところなんですが……。
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山口敏夫#22
○山口(敏)政府委員 国民の健康と命、これがもうとにかく先ほど来の先生の御指摘のように、何ものにもかえがたい一番大切な基本認識でなければならないわけでございますから、ただいまの御提言も一つの考え方として私は大いに検討を進める余地は十分にあろうと思うわけでございますが、先生も御承知のとおり、健康と福祉の問題は、これはもうきわめて密接な関係にございますし、現状においてすぐ保健衛生部門だけを分離するということの妥当性もさらに検討を加える必要があるのではないか、こういうことで、当面は私ども厚生省といたしましては、保健衛生対策のそうした部門に対して、各省庁にまたがる問題も含めまして十分緊密な連絡をとりながら、先生の御提言の趣旨が現状においても十分生かせる、国民の健康福祉、医療福祉に十分現状に即応でき得るような機能を果たしつついろいろ問題点も検討するということがより大切なことではないか、このように考えておる次第でございます。
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羽生田進#23
○羽生田委員 これも私が世界各国調べたんですけれども、保健福祉と社会福祉を二本立てにして省を持ち、大臣は別々にしたというのがベルギー、ポルトガル、西ドイツ、イタリア、スウェーデン、ニュージーランド、これらだと思うのです。それから特に一本立てでも保健、いわゆるヘルス、これをその名前につけているというようなところが、フランスとかフィンランドとかアメリカとか、これははっきりヘルスということをデパートメントの名前に出しているわけです。こういう点で、これからほんとうに福祉行政に重点を置いていこう、国民の福祉を何よりも優先してやるというんだったら、やはり私は前向きに二本立てでやるということをぜひひとつ御検討いただきたい、重ねてこれはお願い申し上げます。
 それから、先ほど疾病の予防、治療あるいは健康増進についての国の費用の使い方についてお願いをしたんですけれども、もう少し具体的にお聞きしたいのですが、いま死亡率第一位が脳血管損傷、いわゆる脳卒中、脳出血。それから第三番目が心臓疾患だ、いわゆる循環器系統が第一位、第三位を占めている。ガンが第二位である。したがってこの循環器系統の疾病の予防あるいは今後の対策、これをどんなふうにお考えか、またどの程度のお金を使っておられるか。またガンに対しましても、ガンの予防あるいは集団検診、治療その他に関してちょっとお伺いしたいと思うのです。
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山口敏夫#24
○山口(敏)政府委員 国民の皆さま方の生命を守る、健康をはかる、こういう立場からの予算の充実というものは一そう進めていかなければならないわけでございますが、先生御指摘のように、脳卒中あるいは循環器系統の死亡率が非常に高いわが国の現状を十分考慮いたしまして、先生御承知のとおり、今年度国立の循環器センターが大阪に建設されるわけでございますが、その建設費も含めて十八億八千五百万円を循環器関係の予算として計上しておるわけであります。
 ガン対策につきましては、国立がんセンターの経費も含めまして七十九億二千四百万円計上しておるわけでございます。
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羽生田進#25
○羽生田委員 ガンにつきましては、特にまだ原因もはっきりしておらないというような状況なんですが、これも私はガン対策に七十九億なんという、こんな貧弱な金ではとても研究もできない。いまガン治療に対して若手の学者の中で全国的に相当りっぱな研究をされております。これが本格的になれば、ガンの治療という面に対して非常に大きな武器になると私は思うのです。それらに対しましても二千万とか三千万程度の研究補助しか出ておらぬと思うのです。このことに対して思い切って——こんな数字を言いますと笑われるかもしれませんが、一研究に対して百億くらいの金をつぎ込むくらいでないと、とてもできるものじゃないと思います。先ほどもちょっと話に出ました水俣病にいたしましても、金をもっとつぎ込みさえすればこんなものは幾らでも——環境の浄化、海をきれいにすること等は私はできると思う。そういう意味で、どうも少し命を守るのに金の使い方が少な過ぎる、こういう感じがするのです。
 それから昔、結核が日本の亡国病といって死亡率第一位を占めておった時分、財団法人結核予防協会ができて、いわゆる結核予防法ができる前ですが、非常に民間団体として活躍をいたしたわけです。その結果結核予防法もでき、結核というものに相当大きな成果をあげた。たまたまガンがちょうどそのような時期だと私は思います。これも民間団体のガン対策、たとえば日本対ガン協会というようなものもありますが、そのほかにもあります。しかしまだガンに対します法制化というようなものは全然できておらない。ちょうど結核予防協会ができたときと同じような時期だと思うのですが、これらに対して厚生省の、こういう民間のガン対策等をやっておるものに対しての助成が、ほんとうにスズメの涙ほどしかない。これはもっと真剣にガンというものを考えないと、死亡率が第二位というのが、へたをすると第一位になるかもしれない。そのくらいやって、何とか、原因がはっきりせぬでも、早くに見つけて早くに治療すればなおる、こういうことなのに、早くに見つける方法すら国が真剣にやっておらない、こういう点で、ぜひ私はもう一度お聞きしたいのです。
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山口敏夫#26
○山口(敏)政府委員 国民の皆さんの平均寿命が延びている中に、いわゆる脳卒中やあるいはガン等で貴重なかけがえのない命をなくす、それは単に御本人ばかりでなく、ある意味においては国家的な大きな損失にもなり得るわけでございますし、そういう点ではベテランの医学者の方々や若い学究の方々が、世界の医学界の中におきましても、ガン研究に対しましては積極的な学問的究明と実践的な研究をなさっておる。そういう医学界の前向きな努力に対して、これだけ経済社会の発展したわが国で、かりそめにも予算的な措置が足らないためにそういうガン研究が滞るということは、ある意味においては行政の大きな、政治の大きな責任の一つであると私は思いますし、先ほど来羽生田先生が、こうした大きな問題は厚生大臣あるいは総理大臣に直接、大いに施策の前向きな改善を促進をしたい、こういうお願いを御指摘になったわけでございますが、全く私も先生のお考えに同感でございまして、来年度の予算編成作業もこの国会が終わりますと直ちに進められると思います。その過程におきまして、先生のただいまの御意見、御提言を、私自身も積極的にこの予算の編成の過程においてひとつ推進をしたい、かような決意を申し上げておきたいと思います。
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羽生田進#27
○羽生田委員 それはもうぜひひとつ、いま政務次官お答えのとおり、何とか実現をしていただきたい、重ねてお願いします。
 それからもう一つ、いわゆる難病、奇病というような特殊疾患、あるいは心身障害児、これらに対して原因の究明やらあるいは発生予防やら、適正治療というようなことで、すでに厚生省でこれは検討されていると思うのですが、まだ成果が出ておらないと思うのですが、何か中間報告的なことでも、どんなことをやっておられるのか、簡単にひとつ聞きたいと思うのですけれども……。
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加倉井駿一#28
○加倉井政府委員 お答えいたします。
 難病対策につきましては、私のほうで特定疾患対策室を設けまして、現在の段階におきましては二十疾患に対します研究費の助成をいたしております。大体本年の七月におきまして、各研究班の編成がなされまして、今後の研究方針その他につきまして検討され、現在研究に入っておる段階でございます。御承知のように非常にむずかしい疾病でございまして、原因その他治療方法の解明という段階には達していないと思いますけれども、私どもといたしましては全力をあげてそれらの研究班の研究成果があがるように御援助を申し上げたいと思っております。
 なお、難病のために高額に治療費がかかるというような疾病につきましては、私どもの対象といたしまして、特定疾患対策懇談会の御意見に従いまして、若干の疾病について医療費の補助の制度も開きつつございますが、この問題は医療費の関係でございまして、健康保険法との密接な関連がございますので、今後はその問題も含めまして、それらの難病の方々の医療費につきまして検討を重ねてまいりたい、こう思っております。
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羽生田進#29
○羽生田委員 それから今度健康保険問題についてちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、いわゆる救貧政策として発足した医療費の支払い制度、これができましてから非常にばらばらに各業態あるいは各方面からたくさん出てきちゃっている。そこへもってきて最近、公費負担というようなことが非常に大きくあらわれてきております。いま健康保険のいわゆる請求明細書等を見ますと、健康保険の制度が八種類ございます。そのほか公費負担、これらを入れますと、請求明細書が四十二種類実はあるわけなのです。これが末端の医療機関に全部背負わされているわけなのです。これはこの委員会等でもちょいちょい出ているのですが、保険あって医療なし、こういうことばがよく出るのですけれども、まさにこの保険制度があって四十二種類もの請求明細書をわれわれに要求しておるのですから、われわれ医療を担当する側も、医療を真剣に、患者を見たり治療することに真剣になっている時間よりも、この請求明細書の書類をつくる時間のほうが多い。したがってどうしても保険があって医療がないというようなことばも、私のほうの面からも出てくるわけなのです。これに対してたしか日本医師会が五月三十日に厚生大臣に、この請求明細書等の統合というようなかっこうでお願いをしたところが、厚生省も六月八日の局長会議で、診療報酬事務に関するプロジェクトチームというものを設置してこれから検討しようというようなことになったそうでございますが、これは七月中くらいには結論をつけて、来年度予算に何とかひとつ持ち込みたい、こういうお話だそうでございますが、それにつきましてちょっとお伺いしたいと思うのです、どんな状況になっておるのか。
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