農林水産委員会

1978-02-10 衆議院 全280発言

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会議録情報#0
昭和五十三年二月十日(金曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 中尾 栄一君
   理事 片岡 清一君 理事 羽田  孜君
   理事 林  義郎君 理事 山崎平八郎君
   理事 竹内  猛君 理事 馬場  昇君
   理事 瀬野栄次郎君 理事 稲富 稜人君
      江藤 隆美君    加藤 紘一君
      金子 岩三君    久野 忠治君
      熊谷 義雄君    倉成  正君
      國場 幸昌君    佐藤  隆君
      玉沢徳一郎君    平泉  渉君
      福島 譲二君    堀之内久男君
      森   清君    森田 欽二君
      小川 国彦君    柴田 健治君
      島田 琢郎君    新盛 辰雄君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      日野 市朗君    武田 一夫君
      野村 光雄君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    津川 武一君
      菊池福治郎君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 中川 一郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  今井  勇君
        農林大臣官房長 松本 作衞君
        農林省農林経済
        局長      今村 宣夫君
        農林省構造改善
        局長      大場 敏彦君
        農林省農蚕園芸
        局長      野崎 博之君
        農林省畜産局長 杉山 克己君
        農林省食品流通
        局長      犬伏 孝治君
        食糧庁長官   澤邊  守君
        林野庁長官   藍原 義邦君
        水産庁長官   森  整治君
        水産庁次長   恩田 幸雄君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局審議官    田中誠一郎君
        大蔵省関税局企
        画課長     勝川 欣哉君
        農林大臣官房審
        議官      小島 和義君
        農林省農蚕園芸
        局果樹花き課長 畑中 孝晴君
        通商産業省貿易
        局農水産課長  篠浦  光君
        運輸省船員局労
        政課長     松木 洋三君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 白井晋太郎君
        自治省税務局固
        定資産税課長  吉住 俊彦君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ————◇—————
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中尾栄一#1
○中尾委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
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馬場昇#2
○馬場(昇)委員 私は、農畜産物の輸入枠拡大の問題と自由化の問題にしぼって、大臣の姿勢をただしたいと思います。
 五十二年九月以降、白米通商問題で協議が行われまして、去る一月十三日にストラウス代表と共同声明の発表があって一応の決着を見たところですが、この交渉を見ながら農民は、減反という新生産調整の物すごい心の痛手、傷を受けた、その傷口に塩ではなくてコショウを振りかけられるような気持ちだ、こう表現をした人もおるわけですが、非常に大変な気持ちでこれを見守っておったわけでございます。
 そこで、まず最初は、整理する意味で素朴な質問ですけれども、何で牛肉とかオレンジの輸入枠の拡大というのをアメリカが要請してきたんですか。牛肉とオレンジ、それからジュース、そういうものの枠を拡大しろとアメリカが要求してきた理由、それについてまず聞いておきたいと思うのです。
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中川一郎#3
○中川国務大臣 一番の背景は、やはりドル関係が日本は黒字である、これを少し調整すべきだという背景があったことは事実でございます。その中において牛肉とオレンジがなぜ出てきたか。これはまた一般的なことでございますが、アメリカにおいて、非自由化すべきだという勢力と、それからやはり自由化であるべきで保護貿易はいかぬ、特に鉄とかああいうグループは保護貿易議員がいるわけでございます。ところが、農産物を中心とする議員は、やはり自由貿易だ、というのは、アメリカは日本にずいぶん穀類を売っておりますから、自由貿易の立場を主張する。ところが、農村議員の中にも、日本は一体農産物において自由貿易しているんだろうかという素朴な意見が出てまいりまして、工業製品についてはアメリカも保護貿易はしない、自由化しておくから、農産物についてもひとつもっと自由化してもらったらどうかという一般的な議論が一つ出てくるわけです。特に牛肉とオレンジ関係は、生産過剰といいますか、アメリカでは市場を求めているというので、日本についていい肉をもう少し買ってもらってもいいじゃないかという強い要請が出てくる。それからオレンジ関係の議員も、季節自由化、アメリカも日本の事情は知っておりまして、農業がある程度保護貿易であるということは、アメリカ自体も保護貿易をいたしておりますから、それほどむちゃではない、柑橘類も、オレンジの競争品目であるミカンが枯渇して全くない六月から八月まで季節自由化をしても農民に支障を与えないではないか、御同様な趣旨で、ブレンド用のジュースも農民に被害を与えるものではないんじゃないか、牛肉についても、別枠でということではなくて、いい牛肉を買う仕組みをひとつ考えてくれ、こういうことになって、農産物の牛肉とオレンジが非常に表面に出てきた、こういうのが背景でございます。
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馬場昇#4
○馬場(昇)委員 新聞報道等によりますと、ストラウスさんなんかは、いま大臣が言われましたように、アメリカが日本の集中豪雨的な輸出によって物すごく被害を受けて保護貿易主義の動きがある、特に繊維とか鉄鋼、金属食器の各業界から自動車業界まで波及しつつある、これを抑えるため日本の協力を求める、これに関連して農産物の輸入で門戸を開放せよ、こう言ってきておるということをいわれておるわけでございます。
 いま言われましたけれども、やはりアメリカというのは、日本を農産物の有力な潜在市場と基本的に考えているのじゃないか、こういう点も考えられるわけでございますし、さらに、工業が日本は非常に強いのだから農業も体質が強いのじゃないか、こういうぐあいにも考えておるのじゃないか。その辺に基本的にちょっと認識の違いがあるのじゃないか、こういうことを私感ずるわけでございますし、さらにこれは政治的に、とにかくアメリカの下院議員の選挙が近くある、農産物がだぶついておる、それでここで少し門戸を開放したら選挙にも有利になるのじゃないか、こういういろいろな問題があって、犠牲をひとり日本の農業に押しつけておるのじゃないかというような感じが私はするのです。こういう点についてはどうですか。
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中川一郎#5
○中川国務大臣 日本人がアメリカの理解がないのと同じように、やはりアメリカの議員でも日本の農業の実態がどうなっておるかということの認識のない人があることは予想されるわけです。そういう意味で、昨年の暮れ、党から二組の交渉団が行き、特に年末から農業団体が行ってそういった方々と話し合った、こういうことは非常にいいことだったと思うわけで、最近はかなり、今度の問題を契機にして、日本の農業が零細で、もし自由化でもしたならばたちまち大変なことになるということは大方の人が知ってくれたものだ、こう思っておるわけでございまして、今度の交渉は日本の農業を知ってもらうという意味でむしろよかったなあという感じを持つぐらい非常な接触が持たれた、こう評価しておるわけでございます。
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馬場昇#6
○馬場(昇)委員 まあ、日本の農業を知らない、いろいろな認識不足もあると思うのですけれども、基本的には、最初大臣が言われましたように、やはり問題は日米貿易の不均衡、黒字減らしというところにあるのはもうわかっておるわけでございますけれども、ここでまた素朴な質問になりますけれども、貿易不均衡や黒字の原因がどこにあるかということは、もう大臣も御承知と思うのですけれども、結局これは、工業製品が高度経済成長の中でどんどん向こうに入っていって、だからそこで黒字が出たということはもう御承知のとおりでございますし、また、わが国は、総輸入量の二七%は大体農林水産物で、アメリカからの総輸入量の半分は農林水産物ですね。そういうことを考えてみますと、不均衡とか黒字の原因は農業にはないとはっきりしておるわけでございますが、その原因がないところにしわ寄せを持ってくるという考え方は私はおかしいと思うのです。そういう点で、貿易の不均衡だとか黒字を是正する、こういうものはそれを出した原因のところでやってもらいたい、貢献しておる農林水産業にそのしわ寄せを持ってきてもらっては困る、こういうぐあいに思うのですが、どうですか、大臣の見解は。
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中川一郎#7
○中川国務大臣 まさにそのとおりでございます。日本とアメリカとの総体的な貿易のアンバランスはありますけれども、その原因者は自動車とか鉄鋼とかいういわゆる工業製品によって赤字、日本にとっては黒字ができたものであって、農業が原因であることは全くないわけなんです。その点はアメリカも知っておりますし、これも福田総理が言ったのですが、黒字減らしのために農産物輸入をやるのではない。結局、言ってみれば、六十億ドル調整するとすれば、大部分、九〇%以上、九五%以上になりましょうか、恐らく一%程度じゃないかと思うのです。六十億ドルのうち最高いって五、六千万ドル、その程度のものですから、黒字減らしの効果もあらわれないんです。ですから、このことによって黒字減らしをするんだというのではなくて、姿勢の問題として、保護貿易に過ぎているのではないだろうか、よく見たら、農産物は保護貿易で仕方がないが、もっと買ってもらえる姿勢がありはしないか、こういうことになってまいりまして、私も、黒字減らしの責任を農業が負うというのじゃなくて、先ほど言ったように農村はいま作付転換の非常にきついときですから、それに故障であったり支障であったりしてはならない、そういうことにならない範囲内の協力はできるものがあるかな、こういう判断でこれに対処することにして、ああいうような結果になった、こういうわけで、黒字減らしそのものを農業でかせごう、こういうところから向こうも発想いたしておりませんし、こっちもそれで対応はできない、こういうことでこの問題をとらえておったわけでございます。
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馬場昇#8
○馬場(昇)委員 農民はやはりその辺を非常に心配し、また怒っているわけですね。結局、工業製品で輸出をやってドルがたまった、その黒字減らしとか貿易の不均衡を農村に押しつけるのじゃないか、農民に押しつけるのじゃないか、物すごく農民は怒っておられるわけですけれども、そこで大臣に確認する。
 くどいようですけれども、工業でできた不均衡あるいは黒字の解消という、たとえば貿易交渉ですね、こういうものはやはりそこでやるべきであって、不均衡とか黒字減らしとかそういうものを、全然影響のない関係のない農業なんかに持ってくるという原則はおかしい、だから今後あらゆる交渉の場合も、工業で黒字が出て不均衡ならばちゃんと工業で解決しなさい、それを農業に持ってくることをやってはいかぬ、こういう政治姿勢でこういう問題に対処していかれるかどうか、大臣の姿勢をまず聞いておきたい。
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中川一郎#9
○中川国務大臣 もう御指摘のとおりでございまして、そういう姿勢で臨んでまいりましたし、結果としても、いま申し上げたように六十億ドルからの調整をやる、それで農業の受け持ったのは一%程度の六千万ドル程度になるかならないかくらいでございます。したがって、九九%は工業でやるという姿勢をとったし、そういう結果になっておるわけでございます。
 なお、それでは農業は一切知らぬのだ、工業でやればいいんでおれらはあずかり知らぬところだ、こうまで言えることかなということになると、もし今度の折衝が決裂をして工業で保護貿易にでもなるということになれば、やはり日本の経済の中に日本の農業もあることであって、経済全体がおかしくなれば、ひいては失業の問題、大変な問題も出てまいりますし。そのことが農村経済にも大きく影響してくる。直接は関係なくても、間接的にはともどもにやはり国の経済というものはバランスがとれて成立をしているものでありますから、全くそっちのことだ、おれら全く知らないということで処することが農家のためになるか、この辺も考えなければいけないところである。しかし、農業がそのことによって傷がつくようなこと、悪影響が起きるようなことだけは避けなければいかぬということで、先日来御議論がありますように、牛肉についても、畜産農家には悪影響を与えない、またオレンジについても、量あるいは入れる時期等を十分配慮して実質与えない、こういう対処の仕方、しかも、もし万が一これに支障を与えるようになれば国内政策でこれをカバーをする、こういうことで、農業が責任を持つものではないけれども、もちろんそうではあるが、できるだけ傷のつかない範囲内で協力できるものがあったらやろう、こういう態度で臨んだ、こういうわけであります。
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馬場昇#10
○馬場(昇)委員 少し具体的な質問をいたしますけれども、この共同声明を見てみましても、はっきりしないところがございまして、牛肉とオレンジとジュース、これは五十二年度どれだけ枠を増大したのか、五十三年度はどうなるのか、これをきちんと数字をお示しいただきたいのです。これは事務局からでもいいし、大臣からでもいいのですけれども。
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今村宣夫#11
○今村(宣)政府委員 日米経済協議に関連して講ずることといたしました輸入枠の拡大の措置の内容でございますが、一つは牛肉につきまして、ホテル枠は従来一千トンでございましたものを五十二年度は一千トンふやしまして二千トンにする、それから五十三年度以降は三千トンにする、こういうことでございます。
 それから次にオレンジでございますが、これは内地枠は従来一万五千トンであったのでございますが、これを五十二年度に一万八千トンにする、それから五十三年度以降は四万五千トンにしますが、そのうち年間枠と申しますか、年間に枠を設定いたしておりますものが二万二千五百トンでございます。それから季節枠ということで六−八月に割り当てを行いますのが二万二千五百トンで、合わせまして四万五千トンでございます。
 それから果汁は、従来一千トンであったわけでございますが、五十二年度にはオレンジ果汁、グレープフルーツ果汁込みで一千トンを増加しまして計二千トンにする。それから五十三年度以降はオレンジ果汁は三千トン、グレープフルーツ果汁は一千トンで、合計四千トンとする。オレンジ果汁はブレンド用であるというのが内容でございます。
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馬場昇#12
○馬場(昇)委員 大臣に聞きたいのですけれども、はっきりわかりましたけれども、この共同声明に五十二年度分は書いてありませんね。そして五十三年度分だけ書いてあるわけです。何で共同声明に五十二年度分をお書きにならなかったわけですか。
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今村宣夫#13
○今村(宣)政府委員 共同声明は、ストラウスが参りましてそれで農林大臣と協議をいたしました最終的な事項を書いてございます。したがいまして、現行の一千トンから五十三年度以降の三千トンというふうになっておりますが、もちろん、交渉の過程におきまして、五十二年度の枠を二千トンにするということは年明けの交渉以前に合意をいたしておったことでございまして、この中間の数字をいろいろ書くということはいかにもくどくどしく相なりますし、また、これは対米的に見ましても、一千トンから三千トンになったということは、アメリカとしては国内的にも非常に説明をしやすいような状況でございますから中間を抜いてあるわけでございまして、別にこれは他意があってそのようにしたわけでは全然ございません。
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馬場昇#14
○馬場(昇)委員 共同声明というのは、決まったことを皆書いてあるわけですね。ところが、くどくどしくなるとか、中間を抜いたとか、こういうことならば、きのうもちょっと問題になったのですけれども、ちゃんとメモを渡してあるわけでしょう。五十二年度分と五十三年度分を一緒にして、こういうことですよというメモをわざわざ渡してありますね。メモを渡してあるのには、ちゃんと五十二年度はこうだ、五十三年度はこうだというぐあいにきちんと出してあるわけです。日本国民に対しても、政府としては、物すごくこれは畜産農家とか果樹農家も心配している問題だし、事実をあからさまに出す。これは、五十三年度これだけであって五十二年度は何もないのだというような共同声明ですね、共同声明だけ読みますと。だから、隠してあるという感じがいたしますし、だから、そのメモを渡したのを、新聞なんかには秘密メモ、五十二年度分もあったのを隠してある、こういうようなことになっているわけですね。
 こういう点で、大臣、私が考えても、五十二年度分は故意に日本国民にも隠してある、五十三年度分だけ出してある、そして譲歩しなかったのだ、そういうような政府の宣伝というか、ごまかしというか、こういうような感じがしてならないわけです。そういう意味で、やはりどうしてもおかしいと思うのですけれども、何で大臣は五十二年度はきちんと決めておりながらこういう共同声明に出さなかったのですか。
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中川一郎#15
○中川国務大臣 御承知のように、私が農林大臣になりましてこの問題がにわかに出てまいりました。そこで、ストラウスさんが十二月中に来るとか、あるいは一月になるかもしれない。そこでストラウスさんが来るまでもなく牛場さんが行って地ならし交渉をすべきだ。そこで、対米折衝で農業問題はどの程度協力できるかということになりまして、持っていった案が、いまお話のあったように、五十二年度分については、牛肉について二千トン五十二年度からやっていく、こういう考え方だったわけです。それからオレンジについては、年内は三千トン、それから五十三年度は五割増しで二万二千五百トン。五十二年度は三千トン増しですから一万八千トン。ジュースも五十二年度から、たしかグレープフルーツを含めて千トンぐらいなら五十二年度から結構です。こういう案を持っていきまして、それでこれじゃちょっと足りないな、もう少し努力できないかなということになり、その後いろいろ検討してみたら、ホテル枠ならば三千トンぐらいまでは買える、五十三年度以降ですね。
 それから、いよいよ向こうから来た回答が、牛肉については二万トンぐらいにしてくれないか、それからオレンジについては季節自由化をどうしてもやってもらいたい、オレンジジュースについては五万トンやってもらいたい。こっちに五万トンしかありませんのに、五万トンというメモが来たわけです。そこで、ぎりぎりこちらで詰めてみた結果、なかなかそんな季節自由化もできないし、ジュース五万トンもできない、さあいかに対応するのかということで、先ほど言ったように、江藤先生や皆さんが向こうへ行って対米折衝してくれる、農業団体も行ってくれる、だんだん向こうも理解してくれて、いよいよストラウスさんが来たときには、一万トンというのは買えと言われても買えません、需要のないところに買えと言われても無理じゃございますまいかと言ったら、それではホテル枠は三千トンは買えるのだな、それ以外は新規開発になるから、ひとつ努力をして、いい肉で買えるものがあるならばアメリカに行くかもしれない、これもグローバルでございますから、何もアメリカから三千トンプラスアルファ、そして二万トン、こういう約束ではなくて、アメリカから入りやすい——豪州も競争力があれば豪州にも行くわけですから、アメリカというわけには約束もできない、グローバルとして二万トンに近いものを三千トンを含めてということになり、オレンジについては、二万二千五百トンをふやすわけにいかぬ、季節自由化はもちろんできない。そこで、いろいろ交渉の結果、四、五は無理だということを向こうも認めてくれて、きのう来説明申し上げたように、六、七、八ならば年間入れております二万二千トンと同じぐらい入れても支障がない。いろいろ研究した結果支障がなかろう。ジュースについては、五万トンなんと言われても困る……(馬場(昇)委員「簡単に、五十二年をどうして共同声明に入れなかったかということです」と呼ぶ)そういういきさつがあって数字が決まり、最終的には五十二年度、五十三年度というような細かいことではなくて、そして五十三年度の最終一番大きいといいますか、アメリカが五十二年度、五十三年度と要求してきたわけではありませんから、これから五十三年度以降はこういう姿になります。こういうものだけがアメリカは欲しかったのであって、特に五十二年度に何ぼ入れろということではなくて、日本の姿勢として出してあったものの中から、一番アメリカの関心の深いといいますか、長期的といいますか、一番大事なところだけが共同声明に入っておりましたが、五十二年度の分はそれ以前の交渉段階においてすでに決まったことである。しかも、国民に心配をかけていると言っておりますが、これは新聞にもその当時から隠したことでもありません。全部第一回折衝は五十二年度はこう、五十三年度はこう、第二回目のストラウスさんが来たときにはこうということでやったのであって、決して隠しても何でもない。秘密に五十二年度をやったわけではない。堂々と発表もしておりますし、多くの方々は知っておられる。ただ、共同声明になかったから、後で見たら何かこれはプラスじゃなかったかと、振り返って言われればそうなりますけれども、交渉経緯では隠しても何でもなかった、こういうことでございます。
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馬場昇#16
○馬場(昇)委員 ぼくらが見た場合でも、やはり共同声明を見て、五十二年度分を書いてない、それで秘密メモと言われるものを見ますと——秘密じゃないけれども、渡したメモを見ますと、ちゃんと帯いてあるわけですね。そういう点でおかしいなと思ったのですけれども、問題は、今度はこれだけでも、五十二年度もそれだけふやしているわけですから、五十三年度以降またふやすわけですから、きのうもちょっとほかの委員の質問でも聞いておったのですけれども、これで日本の畜産農家とか果樹農家には全然影響ないと大臣は考えておられるわけですか。それが第一点ですね。この枠拡大で日本の果樹、畜産農家に影響はないと考えておられるかどうかということですね。
 それからもう一つは、この決定によって、アメリカのすべての工業関係も保護貿易主義になろうとしておるのですが、こういうものは解消されたと思っておられるのかどうか。あるいは今後、日本の農畜産物に対してさらにこういうことをアメリカが言うてくる可能性があるのかないのか、そういう点を聞いておきたいと思うのです。
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中川一郎#17
○中川国務大臣 まず肉について申し上げますと、いつも申し上げていますように、五十三年以降であれ、五十二年分であれ、日本の肉の必要な量にプラスしてしゃにむに入れて日本の国内の牛肉を圧迫しようという考え方から発想しておりませんで、日本の国内の肉と輸入の肉とによって需給のバランスがとれる範囲内での高級牛肉のグローバルの枠の設定ということでございますから、肉の総量について国内に影響を与えるようなことはまずまずないだろう。特に、御承知のように、肉につきましては畜産物価格安定法というもので、値段が下がれば買い上げる、上がれば冷やす、そしてしかも、へそ価格を守っていくという姿勢をとっておりますから、しかも、この肉は大部分畜産振興事業団に入りまして、ここで手持ちを放出しなければ価格に影響を与えないという制度、仕組みはそのままになっておりますので、まずまず牛肉については国内に影響を与えるようなことはないだろう、それでもなおかつ与えるようなことがあったら、いまの畜産物価格安定法の仕組みを発動して価格を正常なものにするし、また生産対策についても、さらに飼料を安くするとかいろいろな仕組みを講じて影響を与えないようにしていく、こういう考え方でございます。
 それからオレンジについては、これもずいぶん研究したのでございますが、三月になりますと、まずまず普通のミカンというものはなくなってしまう。ところが、タンカンが四、五月に出る、これに影響を与えてはならぬというので、まず柑橘類のない六月、七月、八月、この時期に入れるならば、日本の国民、消費者の胃袋からしてまだまだ果物の欲しい時期である、しかも、これを二万二千五百トン入れましても、月七千トン程度でありますので、まず柑橘には影響を与えないが、ハウスミカンに影響があるか、あるいはまたスイカ、メロン等に影響があるか、これらも研究いたしました。スイカ、メロンなんというのは大変な量でございますから、しかも、消費者などのあれが違いまして、本当の高級のもので大体あれはデパートでみやげ品ぐらいに流れるだけなんです。ですから、一般市場に流れるものには影響を与えない、量からいっても時期からいっても、こう思ってやりましたし、これもまた同じように影響があるならば調整保管で買い上げるとか、いろいろな政策を講じて、影響を与えないようにしていきたい、こう判断したわけでございます。
 ジュースについても、前から申し上げたように、ブレンド用という枠を与えて、果汁業者がブレンド用として必要な場合に限り三千トンまでいい、こういうことにしたのであって、きのうも御質問がありまして、果汁業者は、おれは要らないんだという場合は申請してこなければ、通産省もアメリカも押しつけるわけじゃないということでございますので、ブレンド用によって消費が拡大するならばな、こう思うわけでございます。
 このようなことで、仕組みそのものは影響を与えないようになっております。ところが、いま言った交渉経緯あるいは今後どうなるのだろうかということからいって、あるいはたくさん来るんだ、被害が大きくなるんだというようなことが大きく伝わって、むしろそのことによって牛価格はこの先々暗いんだぞというような宣伝に乗って、芝浦では下がっておらないけれども現地で下がってしまうというような異常な傾向にある。この方の被害の方が大きいのではないか。必要以上の不安感が流れることによっての動揺ということをむしろ私は心配しておりますから、影響ありません、影響がありましたならばこれを処置してまいる、このことが農家のためになる、こう思って、しばしば被害がない、そして実態がこうであるということをあらゆる機会を通じて申し上げておるところでございます。
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馬場昇#18
○馬場(昇)委員 いま大臣の答弁を聞いていますと、淡々として、農民の痛みというか心配というのは、そっちの方が心配するのが間違っているのだというふうにほとんど私には聞こえるのです。これは水かけ論になるかもしれませんけれども、まあ霞ケ関農業には影響ないかもしれませんがね、大臣。ところが、実際農民にとってみれば、本当に心配なんですよね。だからこれは、たとえばことしでも牛肉だって千トンふえておるわけですし、オレンジでも三千トンふえているわけですし、果汁も千トン五十二年度でもふえておるし、来年度からオレンジとか果汁とかは三倍とか四倍になるわけですよ。これが影響ないとは全然言えないのではないかと私は思う。これだけふえているんですよ。これは水かけ論ですから、結論としてさっき言われましたように影響があれば措置をするということですので、もうこれ以上追及いたしませんけれども、やはりそんな霞ケ関農業で、影響ないということではない、私はそういうぐあいに思います。しかし、これはもう、影響があれば措置をするとおっしゃいましたから、これ以上追及いたしません。
 そこで、さっき質問したのに答弁がなかったのですけれども、結局、日本の農業がアメリカの犠牲になる必要はない、これはもうさっき大臣も言われたとおり、私と同意見ですけれども、本当にアメリカとの農産物の貿易によりまして、いろいろ日本の政策の問題は言いませんけれども、結果として大豆とか小麦とか飼料作物とかというのはどちらかというともう全滅の状態にいまなっていますよね。そしてこれもアメリカなんかから来ているわけですけれども、そうしてそういうものが全滅になっているときに残っているのが果樹、畜産ですが、これがまたどんどん入ってきて、これが全滅になったら、日本農業はもうなくなってしまう、こういうことも考えられるわけです。そして、いま日本は減反をしておりながらも、減反をするからと、米のことで外国に門戸を開放せよなんて一つも言ってないわけですし、アメリカの今後のこういう圧力というものに日本農業が犠牲になることはない。もうそうすると日本の農業は全滅するんだ、その辺についての御決意のほどを聞きたい。たとえば牛肉なんかどんどん入れてきたら日本の畜産が全滅します。飼料作物を千六百万トンも買っているわけですからね。飼料作物をとるのか牛肉をとるのか、本当にアメリカに開き直りたいという気もするわけです。そういう点で、絶対日本農業はアメリカ等の犠牲にはならないという信念でやっているんだ、こういうことをはっきり農民に言明しておかれないと、影響ない影響ないということでは、農民は安心しないと思うのですが、いかがですか。
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中川一郎#19
○中川国務大臣 実は肉の問題をもうちょっと申し上げますと、確かにアメリカからは千トンよけいに買うことにしましたが、アメリカ枠といいますか、アメリカの関心品目ですね。実は五十二年度の下期四万トン入れることを世界にも通知してあるわけなんです。ところが、最近の肉の需要が非常に伸びてきたというので畜産振興事業団の手持ちがなくなって、この枠は五千トンふやさなければ国内の消費に対応できないということで、ストラウスとの交渉のときにも、五十二年度の下期に総体枠として五千トンふやし四万五千トンとする、それから五十三年度もすぐ来ます上期については三万五千トン買う予定を世界に約束しておりましたけれども、これも四万トン買わなければ大体間に合わない、こういうことでありますから、総枠五千トンずつふやしていかなければならぬという中で、アメリカの関心品目である牛肉が千トンふえたからといって、これで大変だ大変だと騒ぐ方が——五千トンふやした。しかし、五千トンはもう畜産振興事業団の手持ちがなくなったからふやすんです。その枠の中で千トンいい肉を買うということですから、これが大変だ大変だと言われることはいかがかなと私は思うのです。しかし心配されますから、心配もあることでしょうというので、手当てもいたします。
 しかし、そこで今後どうなるかというと、私は、もうアメリカはこれ以上のことは、仮にドルが黒字になる、赤字がどうなるということになりましても、少なくとも農産品についてもっとドル減らしに買えと言うようなことは、今度の交渉経過から見てない。ただ一ついやなのは、きのうも話がありましたように、季節自由化の問題については、私は突っぱねたのですけれども、被害がないなら買ってもいい、被害がないなら買いますけれども被害があるから買えません、ある、ないだから、それじゃ共同調査してみましょう。今後は、これは突っぱねるつもりでございます。ちょっとその調査の結果によってその問題がまた火がつくかもしれませんけれども、これも断固として、いまのミカンの事情からして、私は職を賭しても、季節自由化なんということには応ぜられない。
 そういうことで、対米関係は、まあ十年先のことはわかりませんけれども、まずまず二年、三年、四、五年の間はこれ以上農業で来ることはないだろう。
 ただ、もう一つは、ニュージー、豪州から、今度の東京関税あるいは二百海里の問題に関連して、もっと買ってもらいたいという要請が来ております。でありますから、この次の波はニュージー、豪州、ECを含めた東京ラウンドの波がある。この波についても、私は、アメリカと交渉した姿勢でもって国内の農業に悪影響を与えない、特にニュージーには、魚は魚、農業は農業ということで、粘り強く交渉して、日本の農業には絶対悪影響を与えるような譲歩はしない、こういう姿勢でいきたいと思っておるわけでございます。
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馬場昇#20
○馬場(昇)委員 ストラウスさんは、この交渉で、最初は評価で言えばCぐらいかと思ったらAだったというぐあいに語っておられます。どこがAだったんですか。今度の交渉で、A、B、Cで言ってAだったと言われるのは、一番いいできだったと思っておられるんでしょうけれども、何がAだったんですかね。
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中川一郎#21
○中川国務大臣 ここはなかなかアメリカのいいところだと思うのです。交渉する段階は非常に厳しくありますけれども、決まったらからっとして、君の努力に感謝する、非常に評価があったと、われわれもああいう態度をとりたいものだな、いつまでもじめじめしないで、みやげ物は少なくても大きかったと言えるような国民性になりたいなと、非常に勉強させられたところでございます。
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馬場昇#22
○馬場(昇)委員 この共同声明を見て、ほかのところにAの原因があるのかもしれませんが……。
 次に移りますが、いまもちょっと触れられたんですけれども、あと心配なのは、東京ラウンドの問題とか、さっき言われました豪州とかニュージーランドの問題、ECの問題だろうと思うのです。結論的な決意のほどは言われたわけでございますが、アメリカでも季節自由化の問題を持ち出すかもしれぬとおっしゃいましたけれども、いろいろ関税の問題その他で、東京ラウンドの突破口としてこれはAだった、東京ラウンドに対する基盤づくり、そういう点ではAだったと言われたんじゃなかろうかと私は思うのですよ。そういう点も考えまして、さらにストラウス氏も、今後は二国間とか多国間ベースで要求を出していくというようなことを語っておられますね。こういう点について、いまアメリカからはもうこの農産物の問題についてはここ四、五年はないかもしれぬと言われましたけれども、本当にそう考えていいのか。ストラウスさんは二国間とか多国間の問題でこれを出すということを言っておられるんですから、念のためにそのことをもう一つ質問しておきたいと思うのです。
 それから、ECの問題も非常に大切な問題でございまして、これも黒字問題としてアメリカにひけをとらない、五十億ドルぐらいの出超になっておるわけです。この間七日のブリュッセルのEC外相理事会で話し合いしている報道が行われておるんですけれども、その中で、こちらは、たとえば牛場さんとストラウスさんの話とはECは全然別個だ、当然のことですけれども、そういうことを言っておるわけですし、特に農産物についてもバターとかチーズとか豚肉のかん詰めとかビスケットとか、こういう農産加工品を日本に買ってもらいたい、そういう要求を出すというぐあいにも伝えられておるわけですから、そういう点についてアメリカから東京ラウンドその他のところでも今後要求が来ないのか、ECのこういう態度に対してはどうお考えになっておるのかということについて御説明願いたい。
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今村宣夫#23
○今村(宣)政府委員 ECの従来までの交渉におきましては、ECの主張としては、第一点は、日米間の話し合いと同様に日・EC間においても密接な話し合いをしてもらいたい、必要であるということを言っておるわけでございます。これに対して、日本側といたしましては、日米共同声明というのは日米間だけの合意といった性格ではございませんで、日米双方が世界経済全体の運営という共通の目的に向かってとるべき政策を述べたものであって、したがってこれらの措置はすべてグローバルなものであって、いささかも第三国を差別するものではないという立場をとっております。
 それから第二点は、マクロ的な政策は効果の発現に時間がかかるので日本政府はミクロ的な措置をとってもらいたいという要請がございます。これに対しては、いまお話のございました農産物も含めまして、ECの関心事項についてミクロ面で直ちにその効果のあらわれるような特別措置をとることは、日本の国内事情等の関係もあってきわめてむずかしい事情にあるということを言っておるわけでございます。
 それから第三番目は、日本の経常収支の黒字の方向を短期に転換させるためには黒字が早急に削減されるようにしてもらいたいという話でございまして、これにつきましては、日本政府は内需拡大による黒字削減に真剣に取り組んでおるのだ、そういう主張をいたしておるわけでございます。
 農産物につきましては、いま申し上げました第二点のところのミクロ面ということで、酪農品、これは小口包装バターでありますとかあるいは直接商標のナチュラルチーズの関税の引き下げ等でございます。それから食肉加工品、菓子類等のミクロ的な関税引き下げあるいは枠の拡大の要請がございます。
 私たちとしましては、現段階においてMTNがすでに本格交渉の事態に入っておるわけでございますから、MTNの場でこれを交渉すべきものであるということで従来も主張をいたしておりますし、今後も主張いたしたいと思いますが、今月の十三日からECの対日関係の局長が参り、さらにまたその上層部が参るというふうなことで、四月ごろまでECの交渉が続くという状態にございます。
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馬場昇#24
○馬場(昇)委員 大臣、ECがバターとかチーズとか豚肉のかん詰めとかあるいはビスケットとか、こういうものを挙げて日本に増大を要請してくると報道されておりますが、これについてはどう対処されますか。
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中川一郎#25
○中川国務大臣 これはECのほかに、またニュージー、豪州の関心品目でもあるわけです。ですから総合的に判断していかなければなりませんが、先ほど言った、この前の対米調整というのは何もアメリカだけのものではない。いま局長からお話があったように、グローバルで、全世界に日本の姿勢を示した、こういうことでございますから、この点は今度のMTNでも評価をしてもらうように取り組みたいし、そのほかまた、追加でありますとかそういった問題についても、これから、外交交渉ですからどうなるかわかりませんが、国内生産に支障を与えるようなことはない、調整があるならば調整もしなければならぬ。何でもかんでもだめだという姿勢ではなくて、どの程度譲歩できるか、話し合いでございますから、これから相手と話し合って、最大限支障を与えないように、ぎりぎりの粘り強い外交をしてみたい、こう思っておるわけでございます。
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馬場昇#26
○馬場(昇)委員 私は、日本の農業は保護政策をとっていない、こういうぐあいに思うのです。そして残存の輸入制限品目も外国に比べてそう多くはない。ECなんか少ないのですけれども、やはり輸入制限法上の効果を持つ可変課徴金制度なんかつくっておるわけですし、アメリカだって十六品目について輸入割り当て制をとっているわけですから、そういう意味で、私は日本の農業は決して保護政策をとっておるとは思いません。だから、これ以上もう他国に譲歩する必要はないと私は思うのです。いまECその他に対する交渉の態度も申されたので、そういう考え方でやっていただきたいと思うのですが、特に最後に念を押して言っておきたいのは、これは農民が皆心配しておりますけれども、オレンジなんかの自由化は絶対なさらないでしょうね。保護政策をとっていない、だからもうこれ以上譲る必要はないということと、特にオレンジ等についての自由化は絶対にしないという決意であるかどうかということを尋ねておきたい。
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中川一郎#27
○中川国務大臣 わが国の農業が世界に比べて保護貿易が度が過ぎているかと言えば、それほどではない、そう変わらぬぐらいだ、どこの国でもやっているじゃないかという気持ちは私も持っております。特に日本は、北海道から沖繩まで、地域の特性によって非常に作物が違うわけですから、それだけにほかの国とは違って品目が多くなるのも仕方がなかろう、こういうことも申しておるところでございます。ただ、東京ラウンドというのは日本も積極的にこれをやるのだ、こう言っておりますから、一切何でもかんでも農業に関してはだめです。そういうことでは国際間は通らぬだろう。協力できるものがありましたら協力しましょうということでございますが、基本的には、いま言った農村に影響を与えるようなことは絶対しない、特にオレンジの季節を含めての自由化ですね、ミカンに直接打撃を与える季節自由化を含めてこれは断じてしない、こういうつもりでございます。
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馬場昇#28
○馬場(昇)委員 日米共同声明の柑橘業界研究グループが十一月一日までに柑橘事情の調査報告書を両国政府に出す、こういうぐあいになっているようですが、これの中身はどういうことですか。
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中川一郎#29
○中川国務大臣 これも、先ほど来申し上げたし、当時も新聞記者発表でしたわけでございますが、あの短い時期に、季節自由化をやれ、やらないということになって、そんなことをしたら大変だよ、大変だと言うのならそれはできないだろう、しかし、大変であるかないか、一回それぞれ調査してみようじゃないかということになりましたから、調査することを阻むわけにはいかぬ。少し早い時期だったのですけれども、そんな早い時期でも困る、十一月ごろまで時間をかけてもらわぬと困るということで、調査はしてみようという決着を見たわけでございますが、わが国としては、最近のミカンの貯蔵技術なり、あるいは先ほど来議論のありますハウスミカンの現状なり、ミカンだけじゃなくてブドウや桃等にも影響があるということも指摘をして、自由化は絶対お断りする、こういうつもりでございます。
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