商工委員会

1985-05-21 衆議院 全106発言

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会議録情報#0
昭和六十年五月二十一日(火曜日)
    午前九時三十七分開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 城地 豊司君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    尾身 幸次君
      奥田 幹生君    加藤 卓二君
      梶山 静六君    久間 章生君
      高村 正彦君    佐藤 信二君
      椎名 素夫君    仲村 正治君
      長野 祐也君    野上  徹君
      林  大幹君    原田昇左右君
      松野 幸泰君    水野  清君
      奥野 一雄君    上坂  昇君
      浜西 鉄雄君    水田  稔君
      横江 金夫君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    木内 良明君
      草野  威君    西中  清君
      福岡 康夫君    青山  丘君
      横手 文雄君    工藤  晃君
      野間 友一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  村田敬次郎君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      杉山  弘君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  児玉 幸治君
        通商産業大臣官
        房審議官    山本 雅司君
        通商産業省立地
        公害局長    平河喜美男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  木下 博生君
        資源エネルギー
        庁長官     柴田 益男君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   高橋 達直君
        特許庁長官   志賀  学君
        特許庁特許技監 梅田  勝君
        特許庁総務部長 小川 邦夫君
        特許庁審査第一
        部長      廣重 博一君
 委員外の出席者
        特許庁審査第五
        部長      竹内 英人君
        特許庁審判部長 小花 弘路君
        商工委員会調査
        室長      朴木  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  奥田 敬和君     久間 章生君
  野田  毅君     長野 祐也君
同日
 辞任         補欠選任
  久間 章生君     奥田 敬和君
  長野 祐也君     野田  毅君
    ―――――――――――――
五月二十日
 中小企業行政の一元化に関する陳情書
 (第四〇四号)
 中小企業対策の充実に関する陳情書外一件
 (第四〇五号)
 産業廃棄物対策に関する陳情書
 (第四〇六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四六号)(参議院送付)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部
 の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承
 認第三号)
 通商産業の基本施策に関する件(三菱石炭鉱業
 株式会社南大夕張炭鉱の災害)
     ――――◇―――――
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粕谷茂#1
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 議事に先立ちまして申し上げます。
 去る十七日の三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱災害により多数の犠牲者が出ましたことは、まことに痛恨のきわみであります。心からお悔やみ申し上げます。
 この際、殉職者の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じますので、御起立をお願い申し上げます。——黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
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粕谷茂#2
○粕谷委員長 直れ。御着席願います。
    —————————————
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粕谷茂#3
○粕谷委員長 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。
 水災害について、政府から説明を聴取いたします。村田通産大臣。
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村田敬次郎#4
○村田国務大臣 昨年一月の三池炭鉱坑内火災事故、先月の高島炭鉱ガス爆発事故に引き続き、今月十七日の南大夕張炭鉱の事故と、ほぼ一年半の間に三たび重大な災害が発生し、多数の罹災者が出ましたことは極めて遺憾でございます。鉱山保安行政を担当してい各通商産業大臣といたしまして、この事態を極めて深刻に受けとめているところでございます。
 政府といたしましては、今次災害の甚大さにかんがみ、災害の発生した翌日の十八日、災害対策関係省庁連絡会議を開催するとともに、閣議決定を得て私を本部長とする南大夕張炭鉱災害対策本部を設置いたしました。また同日、私は政府調査団団長として関係省庁の職員とともに現地に急行し、事故の状況をつぶさに調査いたしました。
 さらに、同日の第一回災害対策本部会合において、一、罹災者の方々の対策に万全を期すこと、二、徹底した原因の究明のため、専門家で構成された事故調査委員会を速やかに派遣することを決定しております。
 通商産業省としては、既に同日付で事故調査委員会を設置し、同調査委員会は本日、現地調査に赴いたところであります。
 政府は、以上の決定に基づき関係省庁間の密接な連絡のもとに施策を講ずることとしていますが、通商産業省としても、今後再びかかる事故が起こることのないよう適切な鉱山保安対策を講ずるべく全力を挙げてまいる所存でございます。
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粕谷茂#5
○粕谷委員長 続きまして、山本通産大臣官房審議官。
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山本雅司#6
○山本(雅)政府委員 南大夕張炭鉱の事故につきまして、その概要を報告申し上げます。
 今月十七日午後、三菱石炭鉱業株式会社南大夕張炭鉱において、大規模な災害が発生しました。
 災害の原因等については、現在調査中でありますが、とりあえず事故の概要と政府の対応等について、簡単に御説明申し上げます。
 まず、事故の概要を申し上げます。
 十七日午後三時三十五分ごろ、坑口より約四キロメートルほど入った一卸六片ないし八片付近において、ガス爆発の可能性が高いと思われる事故が発生したものであります。同時刻は、折から一番方、二番方交代時であったため、約千二百八十名が入坑していました。このうち、一卸八片の二つの採炭切り羽に就業していた方々等を中心として六十二名が死亡し、十名が入院する事態に至ったものであります。
 事故発見の端緒は、同時刻ごろ、坑内において圧風が生じるとともに集中監視センターにおいても異常を検出したことであります。その後直ちに、すなわち三時四十分から四十三分ごろにかけて、全坑退避命令が発せられました。
 救護隊は、三時五十分に招集され、五時から逐次入坑し、罹災者の救出に当たり、その結果、翌朝八時までに死亡者全員の坑口収容が完了しました。
 次に、事故の原因等について申し上げます。
 坑内の状況は、一部の戸門が完全に破損しており、また、横転した炭車があることや、罹災者の方々の死因及び負傷状況等から見てガス爆発が発生したことはほぼ疑いのないところでありますが、なぜ、ガスがあったのか、また、ガス突出、異常湧出があったのかどうか、また、着火源は何か等については、今後の調査を待たなければなりません。
 次に、政府の対応等について御説明申し上げます。
 まず、通商産業省としては、十七日直ちに札幌鉱山保安監督局から鉱務監督官等を現地に急行させるとともに、同局に対策本部を設置し、さらに当日中に本省から保安担当参事官を急行させたところであります。
 また、災害が大規模であることにかんがみ、翌十八日朝、国土庁において、災害対策関係省庁連絡会議が開催されるとともに、総合的な災害対策を速やかに実施するため、持ち回りの閣議決定によって通商産業大臣を本部長とする南大夕張炭鉱災害対策本部が設置されました。
 さらに同日、通商産業大臣を団長とし、通商産業省、国土庁、労働省の職員から成る政府調査団が現場に赴き、関係者からの事情聴取等を行いました。
 同日夕刻には、その調査結果も踏まえ、第一回の災害対策本部会合が開催され、罹災者及び遺族について、医療対策、遺族援護対策等に遺漏なきを期すこと、原因の究明について、これを徹底的に行うため、通商産業省に設置した専門家による事故調査委員会を速やかに派遣することが決定されております。
 今後、この政府対策本部を中核とし、関係省庁間の密接な連携を図りつつ、所要の対策に万全を期すことといたしています。
 なお、通商産業省は既に、房村早稲田大学教授を委員長とし、学識経験者等から成る南大夕張炭鉱事故調査委員会を設置し、調査活動を開始しているところであります。
 以上、簡単ではございますが、御報告を終わります。
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粕谷茂#7
○粕谷委員長 これにて政府の説明は終わりました。
     ————◇—————
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粕谷茂#8
○粕谷委員長 次に、参議院送付、内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案並びに内閣提出、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。
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和田貞夫#9
○和田(貞)委員 法案の審議に入る前に、今、政府対策本部長の村田通産大臣の方から、南大夕張炭鉱の事故の問題について詳細な報告を受けました。内容は、これからなお事故調査を本格的にやられるわけでございますが、これから以降、政府としての抜本的な対策を講じられることであろうと思います。
 私は、この機会に、国民の皆さんはまたかという、こういう悲惨な大規模な炭鉱事故が相次ぐ中で、関係者だけじゃなくて多くの国民の皆さんが、政府の対応の仕方について非常に深い関心を持っておられるのではなかろうかと思うわけであります。
 私は端的に言いまして、確かにこの鉱山保安法の改正を含めて対策を立てていかなくちゃならないと思う。しかし企業でございますから、どうしてもできるだけ安上がりということを考える向きがあると私は思うのです。これは、そういうことはなるならぬにかかわらず、いわば鉱山の経営者の社長さんなりあるいは重役さんなり、直接その鉱山の奥底に、採炭される労働者の皆さんと毎日同じように入って、そしておれが入っておるんだから大丈夫だというくらいの心構えで、抜本的な対策をこれ以降立ててもらわないと、自後自後ということを何回も繰り返してまいりましても、やはり相次ぐ事故に国民の信頼度というものは、まして鉱山で働く多くの労働者の不安あるいはその家族を含めた皆さん方の不安というものが、非常に解消しないというように思うわけであります。
 また、これを通じまして、逆に国内エネルギー資源を、この機会にこれを方向転換をして、外にまた石炭を求めるというような安易な、そういう政策に肩がわりされるということは、これまた炭鉱に従事されている多くの労働者や家族の皆さんが非常に心を配っておられると思うのです。速やかに再開ができるようにやってもらわなくちゃならぬし、これを逆用して、炭鉱に関係する皆さん方の不安を一掃するということを含めて、政府対策本部として金輪際こういう大規模な大事故が起こらない、そういう対策をぜひとも講じてもらいたい、こういうように私は思うわけですが、改めてもう一度、本部長である通産大臣の方から、ひとつ決意のほどを述べてもらいたいと思います。
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村田敬次郎#10
○村田国務大臣 和田委員にお答えを申し上げます。
 先ほども御報告申し上げましたように、長崎県の高島炭鉱事故に引き続きまして、北海道南大夕張炭鉱におきまして非常に大きな災害が発生いたしましたことにつきまして、極めて遺憾に存じておるところでございます。
 現在、極力原因の究明に調査を急いでおりますので、一日も早くそれについての結果が出ますことを期待いたしておるわけでございます。
 今、和田委員が御指摘になりました石炭政策の問題でございますが、現在は、御承知のように、第七次石炭政策が昭和六十一年度末までということで、二千万トン体制をとっておるわけでございます。
 私は早速十八日に現地に赴きまして、先ほど御報告のように、現地の三菱石炭鉱業株式会社の森本社長、また保安統括者である神谷所長、さらに労働組合の代表の方々、関係当局等からつぶさに被害の状況を聴取いたしまして、また坑口に赴いて、罹災をなさいました方々に対しまして献花をして心からの御冥福をお祈りし、御遺族の方々に対するお見舞いの意を表明した次第でございます。
 原因の究明がまだはっきりいたしておりませんので、この段階で南大夕張炭鉱の今後の再開時期等について、それを申し上げることは適切でないと思いますが、現地のいろいろな声を聞き、そしてまた現地の雇用の情勢、さらにこの夕張市におきまして南大夕張炭鉱の占めておる大きな位置を考えてみますと、閉山というような事態を起こさないという前提に立ってひとつ調査を進め、今委員御指摘のように、再開の問題につきましても調査の結果を待って検討すべきではないか、このように考えておるのでございます。
 第七次石炭政策全体につきましては、六十一年度末まででございますから、第八次石炭政策についての諮問、そしてまた答申を待つということになりますが、現在の段階におきましては、今引き続いて行われております二千万トン体制というものを前提として考えるべきではないか、このように私は感じております。
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和田貞夫#11
○和田(貞)委員 この問題につきましては、石炭対策特別委員会なり災害対策特別委員会で議論がされることであろうと思いますので、そう深く言う必要はないと私は思いますが、関係の遺族の皆さん、あるいは従事される労働者の皆さん、家族の皆さんの安心が持たれるようなきょう以降の対策、さらには国民の皆さんが政府の鉱山保安対策についての信頼度をこの大事故を契機に回復できるような政府対策というものをぜひとも立てていただきたいということを強くこの機会に要望しておきたいと思います。
 それでは、特許法の改正案につきまして質問をいたしたいと思います。
 工業所有権制度につきましては、既に百年という長い歴史があるわけでございます。このことは我が国の産業の発展あるいは工業技術の水準の向上に大きな役割を果たしてまいったことは紛れもない事実であろうと思うのであります。特許庁におきましてもこの制度の百年史の刊行も行われたらしいのでありますが、私、まだ拝見しておらないわけでございますが、恐らく立派なものが編さんされたことだと思います。
 いよいよこの工業所有権行政の国際化に伴って、これに対応した国際出願制度の利用の促進を図るための今回のこの改正案であるわけでございますから、この内容につきまして私は何ら異論を差し挟むものではございません。しかし、このことを通じまして、あるいは今この百周年の事業としてペーパーレス化あるいはその他いろいろな出願者に対するサービスの向上等を考えておられることであるのですが、さきに特許料の値上げ、恐らくまた来年度あたりにも再度の値上げ等が予測されるわけであります。
    〔委員長退席、田原委員長代理着席〕
 特にこのペーパーレスシステム化によって出願者に対しまして、特許料の値上げがどのようにサービスとして還元されることになるのか、あるいは、特に今、国内的にも国際的にも、日本の特許庁における審査期間が極めて長いという問題が議論されておるわけでありますので、それに対する解消、あるいは国内特許の情報や国際特許の情報の提供体制というものが、確かに中央の資料館の充実が図られることは聞いておりますけれども、いわゆる全国的に百八カ所に網羅されております情報提供体制というものを、このままでいいのか、あるいはそれを、これを機会にもっとサービスの充実、サービスの還元という意味で、そのような地方における情報提供体制の充実ということが考えられておるのか、こういうような点につきまして、ひとつお答え願いたいと思います。
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志賀学#12
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 大変広範な御質問であったわけでございますが、私ども、最近の工業所有権関係の出願が非常にふえてきている。それから内容も、特に特実関係を中心にして非常に難しくなってきている。そんなことを背景にいたしまして、審査処理期間が長期化の方向に向かいつつあるというようなこと、そんなことを踏まえまして、それに対する対策といたしましてペーパーレス計画の実施等、総合的な工業所有権政策を転換しなければいけない。そのためには安定した財源が必要である。こんな考え方から、国会の先生方の御支援もいただきまして、昨年特許特別会計をつくっていただいたわけでございます。
 特許特別会計を御審議いただきます際に、私ども、今後十年ぐらいの間の特許特別会計の歳入あるいは歳出両面からいろいろ検討いたしました。歳出として当然大きな項目としては、ペーパーレス計画の関係の費用がございます。あるいはそのペーパーレス計画をさらに有効なものにするために、特許庁の庁舎の新設もしなければいけない。そういったような歳出が大きな項目としてあるわけでありますけれども、そういった歳入歳出両面からいろいろ検討しました結果、五十九年度においてやはり値上げが必要であろうということで、実は昨年の八月に五割の値上げをしていただいたわけであります。ただ、同時に、その後の歳出の増加等を勘案いたしますと、当時の私どもの推定といたしまして、昭和六十二年度にもう一度五割程度の値上げが必要ではないか、そのような見方をしておったわけでありまして、現在もそのような見方でおるわけでございます。したがって、次の値上げはいつかというお尋ねでございますけれども、現時点においては、私ども、六十二年度において五割程度の値上げが必要ではないかという判断をしているわけでございます。
 そこで、次の問題でございますが、そのように値上げをする以上はサービスの改善をすべきではないか、このようなお尋ねでございます。お説のとおりでございます。私どもが特許特別会計をつくり、料金の値上げもさせていただいた、それの最大の理由というのはペーパーレス計画を実現していかなければいけない、そこにあるわけでありますけれども、その場合に、ペーパーレス計画というのは、出願から特許庁の中での審査あるいは公報類の打ち出し、一貫してエレクトロニクス化を図っていこう、こういう計画であるわけでございますが、そのペーパーレス計画のねらいは、当然のことながら、一つは特許庁の中の審査事務の効率化ということがございます。それによって審査処理期間の、もちろん、それ以外にも適正化指導だとかいろいろな施策を絡ませるわけでありますけれども、審査処理期間の長期化を抑えていこう、こういうことが大きなねらいであるわけであります。
 私どもの見通してございますと、何もしなければ恐らく十年後ぐらいには七年ぐらいになってしまうのではないか、このようなおそれもあるわけでございまして、そういったことを防いでいこうというのが一つ大きなねらいであるわけですが、同時に、ペーパーレス計画を構築してまいりますと、そこにいろいろデータが蓄積されるわけであります、電子化されたデータが蓄積されるわけでございます。そこにペーパーレス計画によってできますデータベース、これを民間の方々にできるだけ迅速に的確に流していく、これが私どもペーパーレス計画のもう一つの大きなねらいであるわけでございます。
 それは企業にとってみますと、出願人にとってみますと、大変大きなサービスというのか、フェイバーになるわけでございます。特許情報というのは重要な技術情報として会社の経営上の判断等々に大いに役に立つ、そういうものでございます。したがって、そういう面でサービスのリターンということが可能になってくるというふうに思います。ただ、同時に、その特許情報を会社に、出願人に流していくこと自身、これは出願人が特許の出願をする際に自己審査がやりやすくなるわけでありまして、そのことはまた適正化にもつながってくるということで、それはまた特許庁としても大変ありがたいことであるというふうに思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、情報の提供ということが、これは工業所有権制度の一つの大きなねらい、目的の一つでございまして、ペーパーレス計画によってそれが充実されるということでございます。
 ただ、さらに先生からのお尋ねでございますが、地方の閲覧所もあるではないか、その面でのサービス、情報提供サービスについてどうするんだというお尋ねが次のお尋ねであるわけでありますけれども、これは、現在地方の閲覧所と申しますのは百八ございます。この百八と申しますのは、地方通産局であるとか、あるいは公立の図書館、公立の試験所、商工会議所、発明協会の支部、そういったところでございまして、合わせて百八あるわけでございます。
 申し上げるまでもなく、この地方の閲覧所も地方の方々にとって特許情報の重要な入手源になるわけでございます。私どもとして、この地方の閲覧所を充実させていこうということで、実は地方通産局におきまして、今年度におきましては福岡、広島、名古屋、その三カ所の通産局の閲覧所について、スペースの拡充であるとか、あるいは施設の改善であるとか、そういったことで充実を図ることにいたしております。なお、この各通産局の閲覧所の充実につきましては、今後も引き続いて必要に応じてやってまいりたいというふうに思っているわけでございます。
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和田貞夫#13
○和田(貞)委員 ここ最近の我が国の特許、実用新案の出願件数というのは急激に増加しているわけですね。聞くところによりますと、全世界の出願件数の四二%程度を占めているというぐらい出願件数が非常に増加している。五十七年に四十四万件が五十九年では四十八万件というように増加しております。確かに今御説明がございましたペーパーレスシステム化によって事務処理等がスムーズにいくということが考えられるわけですが、しかし、最終的にはやはり審査官が審査をするわけで、機械が審査してくれないのです。そのことを見てまいりますと、特許と実用新案関係の審査官の定員というものは、特に五十五年には九百六人おったのが、五十八年には八百七十四人、五十七年と比べましても十二人の審査官が減少しておる。これでは幾らコンピューター化して事務の簡素化、合理化というものを図られても、肝心かなめの審査官がこれだけ減少していくというような傾向の中では、やはり審査期間が極めて長期化し過ぎる、こういう面についてのサービスを還元するということ、すなわち審査期間を短縮するということ、これにはなかなか応じ切れないのじゃないかと思うのです。
 私はやはりここにあると思うのです。これが根本的に解決をしない限りは、出願率の増加によりまして未処理件数がだんだんと積み重なっていってしまう、処理件数が少なくなっていくというようなことになるわけです。ここらあたりをやはり真剣に考えてもらわないと、せっかく出願者の皆さんから特許料の、今もおっしゃいましたように六十二年度ではさらに値上げをお願いしたいということを言っておるのですから、いわば出願手数料というのは倍になるのです。倍になって、特許庁の建物がよくなった、そして東京における、中央における資料室というものは充実された、そしてコンピューター化によりまして資料が十分に企業の方にサービスができるんだ、これだけでは出願者の、もっと審査期間を短縮してほしいという望みにこたえるような根本的なサービスの還元にはならないのではないか、こういうふうに私は率直に考えるわけであります。
 特に今後の問題といたしまして、これだけたくさんの審査官が減少しておるような傾向の中で、行政改革というような言葉をすぐに頭にちらつかせて、それに逆行するようなことになるのではないかというようなことで遠慮なさらないで、せっかく特別会計に移行したんですから、その経費は特許料の値上げによって、出願者の負担によって賄っていくのですから、おのずから審査官の増員ということをこの際考えるべきだ、こういうように思いますが、どうですか。
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志賀学#14
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございましたように、工業所有権制度の場合に最終的に判断をするのはやはり審査官ないし審判官、要するに人間でございます。ペーパーレス計画を実施することによりまして、エレクトロニクス化を推進して効率化を図ることは可能でございます。ただ同時に、おっしゃいますように、最終的な判断をするのは人である。そういう意味で、審査官、審判官の人員の確保というのは私も大変大切なことだというふうに思っております。量の確保とそれから質の確保ということは大変重要なことだと思っております。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、審査官の数が最近減少してまいっております。審査、審判官両方あわせて考えますと、五十九年度、六十年度というのは横ばいということにとどまっておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、過去の多かったときに比べますと減少してまいっておるわけであります。これは御案内のような非常に厳しい財政事情の中での話であるわけでございます。
 ただ、私どもとしてはその厳しい条件の中で最大限審査、審判官の定員を確保するように努力をしてまいっておるところでございまして、相対的に言えば、通産省の中で特許庁の人員、審査、審判官の定員については特段の配慮が払われていると思っているわけであります。ただ、いずれにいたしましても、私どもといたしまして今後この定員確保の問題につきましては最大限の努力を払ってまいりたいと思っておる次第でございます。
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和田貞夫#15
○和田(貞)委員 現在の要処理期間が二年五カ月ないし二年六カ月ですが、サービスを強めるということでこの要処理期間を大体どの程度まで短縮していこうと考えておられるのですか。
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志賀学#16
○志賀政府委員 五十八年度におきまして平均要処理期間は二年五カ月程度でございます。今後対策を何にも講じませんとどのくらいになるかということでございますけれども、これはいろいろな想定があるわけでありますが、私どもの想定としては十年後に七年ぐらいになってしまうのではないか、こういう見通しを持っているわけでございます。七年ぐらいに延びてしまうということはやはり大きな問題であるわけでありまして、私どもとしては、十年後において現時点程度の要処理期間にとどめることをめどにして対策を講じてまいりたいと思っているわけでございます。
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和田貞夫#17
○和田(貞)委員 十年後には七年くらいになりかねない、だからペーパーレス化を考えているんだということでありましたら、それじゃ具体的に、三年後にはどうなるんだ、四年後にはどうなるんだ、六年後にはどうなるんだ、七年後にはどうなるんだ、その間ずっとペーパーレス化の計画が進んでいくのですけれども、その間とうなるんだということになるわけです。今のままであれば二年五カ月というのが三年になり、四年になり、五年になり、六年になり、そしてペーパーレスシステム化が完了したときにはまた二年五カ月になるんだということなんですか。
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梅田勝#18
○梅田政府委員 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、このままの形で放置いたしますと六十八年で七年ということでございますけれども、それじゃ中間はどうなるのかという御質問だと思いますので、それについてお答えさせていただきます。
 例えば六十五年、ちょうど真ん中ぐらいでございますけれども、このまま放置いたしますと、この辺でこれが大体四年台ということになってまいりまして、同じく六十八年で七年台になるというカーブになります。ただ、今申し上げましたような諸施策を講じていきますと、それが例えば六十五年で三年台になりましていこの辺がピークでございますけれども、それからやや減少いたしまして、六十八年には二年台になるということでございます。
 その施策といたしましては、先ほどペーパーレスの話が出ておりますが、私どもといたしましては、ペーパーレスが完了するまでの段階も含めまして、出願適正化の指導の強化あるいは審査の周辺業務に対する民間の力の利用というような総合的な施策を織りまぜながらやっていくということを考えておりまして、先ほど先生御指摘のような増員問題というのも、もちろん大きな問題であろうかと存じております。
 以上でございます。
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和田貞夫#19
○和田(貞)委員 審査期間を短縮していかなくちやならぬということは、あなた方も御案内のとおり、特にハイテク産業の場合は非常に進歩が速いわけですから、設備が新しく改善されてもすぐに役に立たぬというような問題が出てくるわけですね。だから急を要するわけなんです。だから、コンピューター化によりまして十年後もやはり現状の二年五カ月を維持できるのだというような消極的なことじゃなくて、審査期間を短縮してほしいという出願者の願望を十分に聞き入れた、そういうサービスの還元というのがなされなければ、特許料を倍にしてなお現在の審査期間の状況を保ち得るだけだ、こういうことでは何にもサービスの還元にはならないじゃないですか。今、長官も部長も言われましたように、審査官の充実が必要であるということは現実に認められておるわけです。約三十人以上の審査官が減少しておるわけですが、それじゃ具体的に何年計画で今まで減少した審査官をもう一度充足していくことを考えておられるのか、お答え願いたい。
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志賀学#20
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 私ども審査、審判官の定員の確保の重要性については重々認識をしているわけでございまして、私どもとしては特段の努力を払って今後も定員の確保に努めてまいりたいと思っております。
 処理期間の問題でございますけれども、一応十年後ぐらいにおいて現状ぐらいの要処理期間を維持したいと申し上げたわけでございますけれども、私どもの気持ちとしては、先生おっしゃるように、これは当然短ければ短いほどよろしいわけでございまして、さらにそれを短縮できないかということで努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
 それからもう一つ、サービスの問題について若干申し上げますと、要処理期間の問題については今申し上げたとおりでありますけれども、ただ同時に、これは実際の出願人サイドからの特許庁に対するニーズでございますけれども、例えば審査にばらつきがあるとか、あるいは審査基準を明確にしてほしいとか、あるいは審査の向上を図ってくれとか、いろいろな要望がございます。あるいは特に急ぐものについては早くやってくれとかいろいろな要望があるわけでございます。私どもはそういった審査処理の早期化ということのほかに、いろいろ出願人サイドが持っておりますニーズ、そういうものについても積極的にそれにこたえていくように努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
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和田貞夫#21
○和田(貞)委員 これはひとつ、抽象的なことではなくて、せっかく大臣おられるわけでございますので、これは最終的には、幾ら機械化してもやはり人が審査するのですから、人が審判するのですから、だから六十二年度以降になればこれは特許料が倍になるのですから、それではサービスの還元という意味で、まず第一のサービスの還元としてこの審査期間を短縮していくという方向で、審査官あるいは審判官の充実というものをぜひとも行うべきであるというように思うのですが、大臣がおられるので特許庁長官あたりどうも遠慮ぎみでお答えになると思うのですが、ひとつ大臣の方から審査官の充実についての決意を述べてもらいたいと思います。
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村田敬次郎#22
○村田国務大臣 お答え申し上げます。
 工業所有権行政というのは、ことしで百周年に至りまして新たな世紀に入ったということでございますが、現在、一つの大きな転換期を迎えている、このように理解をいたしております。
 御指摘のとおり、出願件数の増大に対し、迅速的確な処理の要請が高まっておりまして、また国際化や情報化などの時代のニーズヘの対応が求められている一方で、審査官など特許庁の定員は減少しているという極めて厳しい事情にあることは私も十分承知をいたしております。
 かかる状況に対しまして、ペーパーレス計画の推進を中心とする工業所有権行政の総合的展開を図っていく上で、可能な限りの民間能力の活用を図るといたしましても、所要の定員を確保することが極めて重要と考えておりまして、委員御指摘の増員要求など最大限の努力を傾注してまいりたいと存じております。
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和田貞夫#23
○和田(貞)委員 大臣、ぜひともひとつ頑張ってもらいたいと思います。
 そこでもう一つ、これもサービスの還元でございますが、医薬品の権利所有期間が実質的には、厚生省の関係もこれあり、市販で販売をするというそういう時期までにはかなり、毒物性の問題とかあるいは安全性の問題だとか、無害性の問題だとかということが、これはどうしても医薬品ですから必要であるわけです。これは厚生省の責任じゃない。画一的に、そういうような経緯があるにもかかわらず、医薬品を含めて特許の所有期間が同じ十五年であるというところにやはり私は問題があると思いますが、これは明らかに厚生省、政府の規制によって工業所有期間が侵食される、こういうことになるわけですが、この点はやはり配慮した考え方というものがぜひ必要ではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、この点について何か考えておられるのかどうか、お答え願いたいと思います。
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志賀学#24
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 厚生省の調べによりますと、最近臨床試験期間あるいは薬事法によります審査期間、これが延びてまいっておりまして、その結果といたしまして、これは業界の調査でありますけれども、特許の平均残存期間というのがかなり短くなってまいっております。業界の資料によりますと、五十八年に売り出された薬の平均で六年二カ月が平均残存期間であるというような資料も出ているようであります。いずれにいたしましても、この医薬品につきましてこういった問題が出てきているということ、これは私どもよく承知をしております、
 この点につきまして薬品業界の方から、そういうことで権利の保護が十分でないと今後の開発にも支障が出るということで、権利期間の回復をしてほしいという御要望を私どもも何度か承ったことがございます。また他方、先生御案内のように、アメリカにおいても同じような問題がございまして、昨年アメリカにおきまして、この失われた特許の権利期間の回復というものが一部認められる、認める法律ができたわけでございます。私どもといたしまして、そういったような業界の動き、あるいは海外の動きなどをいろいろ検討しているところでございまして、現在私どもといたしましては、東京医薬品工業協会、大阪医薬品協会、そういった業界団体からいろいろ事情を聴取いたしております。
    〔田原委員長代理退席、委員長着席〕
 同時に、特許協会という出願人の団体がございます。特許協会というところにおきまして、いろいろこの問題についての検討をしていただいているところでございます。私どもといたしまして、そういった一連のいろいろな各方面での検討結果というものが出てまいりました段階において、これは厚生省ともいろいろ打ち合わせをしなければいけないわけでありますけれども、関係者のコンセンサスができた場合には、それに応じて私どもとしても必要な対応、対策をとってまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、現時点について言えば、この問題について、要するに薬だけではなくて同じような問題を抱えているほかの問題もあるわけでございまして、それとのバランスをどう考えるかとか、あるいは失われた期間について全部回復するのか、あるいは一部にするのか、その場合どういう考え方にするのか、いろいろな考え方があるわけでございまして、そういったことについて慎重に考えていきたいというふうに思っております。
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和田貞夫#25
○和田(貞)委員 これはやはり発売までに要した期間というのは発売後に権利を積み上げていくということは私は至当だと思うわけです。そうでなければ企業は企業として開発の利益を損なうことになりますし、また、そこで働いておる、研究をしておる労働者、研究員の研究意欲というのを極めて損なうことになるわけですから、これはぜひとも、当然のこと、当たり前のことですから、積極的にこの問題の解決についてひとつ努力をしてもらいたいということをつけ加えておきたいと思うわけであります。
 さて、新庁舎の建設がペーパーレスシステム化の導入のために必要であるということは、これは認めるわけでございますけれども、例えば、別の行政機関というよりも、これは司法機関でございますが、大阪の地方裁判所の中に大阪弁護士会に一定の部屋を貸し与えて、そして法律相談者のためにサービスをされておるという、そういうこともこれあり、またこの間、私、大阪の特許分室に行ってきました。この特別分室でもやはり、大阪の弁理士会の皆さんによって、交代で出願者の相談サービス、簡単な事務処理のサービスというのが行われておるわけなんですが、この新しい庁舎ができる計画の中に、これまたせっかく立派な庁舎ができるのですから、出願者のサービスのために、出願者の相談あるいは出願者の簡単な書類作成等がそこでできるような、そういう相談室といいますか、そういうようなスペースというのを新しい庁舎計画の中に考えられておるのかどうか、お答え願いたいと思います。
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小川邦夫#26
○小川政府委員 御質問の点につきましては、先日の御審議でも御指摘のあったところでございますが、裁判所の場合と特許庁の場合と若干仕組みの違いという点は一つ御理解いただきたい点がございます。裁判所の場合は、訴訟につきましては口頭審理ということで、原告なり被告なり当事者と弁護人が裁判所に出頭して審理を受けるという建前になっておりますのに対しまして、特許庁の特許の審査というものは書面審理を原則にしておる。つまり書面だけが特許庁に送られておれば、それを審査官あるいは審判官が審査をするのを原則としておって、例外的に特許庁に弁理士あるいは出願人本人が出てくることがある。そこの仕組みの違いというものが実はございますものですから、裁判所は必ず弁護士及び当人が出るという仕組みを前提として、裁判所内にそういうための下打ち合わせ的な部屋を持つというのとはやや必然性において仕組み上違いはあると思います。そういう意味で、必ずしも同じようなものをつくるという考え方はとりにくいと考えております。
 しかし、御質問の御真意が、そうは言っても弁理士と出願人に不便があってはならぬではないか、仮に例外的にしろ特許庁に出てくることがあった場合に不便であってはならぬではないかということかと理解いたしまして、私ども、裁判所と同じかどうかというとそこは同じというわけにはまいりませんけれども、何らかのそういう便宜のためのスペースというものを持つということで考えていきたい。現実に設計はことし四月から取りかかったところでございまして、今年度内にその設計を完了するプロセスでそういった問題は検討してまいりたいと考えております。
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和田貞夫#27
○和田(貞)委員 これは弁理士さんのサービスじゃなくて出願者のサービスのために、今も言われましたように弁理士が交代でそこに駐在をするということで代理業務をやっておられるわけでございますから、やはり相談や簡単な事務処理ができるような、そういうスペースをぜひともひとつ確保してもらいたいということを要望しておきたいと思うのであります。
 そこで、いわゆる情報提供体制でありますけれども、特許庁内における資料館というのは、先ほどから言われているように充実した資料提供場所にはなるわけでございますが、問題は地方であります。
 特許庁公報に載っておりますけれども、先ほど御説明がございましたように百八カ所の地方の通産局あるいは商工会議所あるいは公立の図書館等々を利用されておるわけですが、現実にはこれは全く資料が寝ております。寝かされておる。十分に閲覧場所を確保して資料室を充実して、飛び込んでいっても出願者に利便を与えるというようなことにはなり切っておらないと私は思うのです。
 比較的進んでおる大阪の分室を見てまいりましても、通産局へ行って分室はどこにあるんだと言ったら知らぬと言うのです。それは特許庁の分室じゃなくて、大阪通産局の大阪特許分室、こういうことになっておるわけです。だから特許行政、工業所有権行政という、そういう支流の分室じゃないわけですから、本流の通産局に行ったらそんなものどこにあるのかなというふうな、私が行った窓口でそういうことです。あなた方はここに全国に百八カ所の情報提供箇所があるということを言われておるけれども、比較的充実しておる大阪でさえもそんなことです。何とかそこへ行きました。そこへ行きましたら、分室長、確かにあなたの方から派遣されておる特許庁の職員一人、あと大阪通産局からそこへ手伝わせに行っている事務職員二人、あとは隣にあります発明協会の大方のお世話になっておる、そういう程度の分室です。これが百八カ所の中で一番進んだ分室の実態なんです。
 そこで、私はもう一つの大阪の情報提供場所に行きました。府立の夕陽丘図書館です。あなたの方の出店でもなければ通産局の出店でも何でもない、大阪府立夕陽丘図書館。ここに参りましたら、この夕陽丘図書館の予算総額というのは五十九年度で一億七千四百六十五万円。このわずかなそういう予算規模の中で、府民、住民に対しまして貸付図書の閲覧、そういう社会教育の場所になっておる。そういう限られた予算の中で、実は特許庁から一文の補助金もない中で、大阪特許分室よりもはるかに充実した資料提供場所になっておる。その予算の中で十人の人たちがサービスに従事しておる。事特許の問題について、工業所有権の問題だけで十人がかってこのサービス行政をやっておるのです。この図書館の司書の数は三十九人。三十九人の中で七人が工業所有権行政に協力する立場に立たされておるわけです。
 そしてまた閲覧室あるいは書庫、この全体の中で特許関係の資料が四分の一を占めておる。図書館の三分の一までをこの特許関係の資料提供の場所に使っておる。一文の補助金もないのですよ。片方では行革、行革ということで、全くあなた方の方から一文の補助金もないので、地方に押しつけてそういうことをさせておる、そんなことでいいのかどうか。そういうことに甘んじて、百八カ所の地方の資料提供場所がありますが、これで出願者に十分なサービスをやっているのですということが言えますか。
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小川邦夫#28
○小川政府委員 お答えいたします。
 百八カ所ある中で地域、地域で工業所有権情報に対する需要の強いところ、それほどでもないところ、いろいろございます。そういうことで東京のほかに、先生御指摘のとおり大阪が非常にそういったニーズの強いところでございますので、例えば百八カ所の中でも御指摘のような大阪府立夕陽丘図書館とか通産局特許室閲覧室、大阪商工会議所図書館等がそれぞれ閲覧サービスをするということで、全体として何とか大阪なら大阪地域でのそういった需要に対応しようということできておるわけでございます。
 そして、それぞれの充実度にはいろいろ差がありまして、まさに御指摘ございましたように、夕陽丘図書館は全国的にも非常にすぐれた整備体制だということで知られておるところでございまして、通産局の場合、八通産局の中では大阪通産局が一番整っておる、それでも今御指摘のような規模じゃないかというお話でございます。ただそこは、通産局が主たる工業所有権情報提供者であるというふうに集中管理的にするよりは、各閲覧所がそれぞれの特徴あるいは地理的条件等を踏まえて、より充実していく、そして、その全体がその地域での工業所有権情報需要に対応するということかと思います。
 大阪の夕陽丘図書館につきまして、私ども確かに余り補助金等といった支援はできておりませんが、ただ資料提供につきましては予算計上しておりまして、夕陽丘図書館を含みます全国の地方閲覧所には特許関係資料を送っておるということで資料関係の支援はやってきております。ただ、現状で満足しておるかということでございますが、それは率直に申し上げて、私どもも地方閲覧所の充実度はまだ非常に不十分だと思っておりまして、今年度、六十年度の予算におきましても、例えばスペースが狭隘であるという観点からは特に狭いと言われておりました福岡、広島、名古屋といったところをまずスペースの拡充に努めるということを始めておりますし、また資料につきましては、予算も昨年度の予算に対して大幅増をすることによって各閲覧所への資料提供もより厚みを増そうということをしております。
 そういうふうに資料充実もやっておりますのに加えて、マイクロフィルムの整備もまだまだ十分でないというおしかりはあろうかと思いますが、手がけたところでございまして、これもさらに充実していこう。確かに不十分な実態にございますことは私どもも自覚しておりますので、その充実に六十年度予算も努めてまいりましたし、今後もその努力を払っていきたいと考えております。
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和田貞夫#29
○和田(貞)委員 大阪特許分室では閲覧の件数が五十八年度で八万二千三百五十八件です。夕陽丘図書館では七十八万三千四百三十二件。問題にならぬです。資料提供しているから勝手にやったらいいんだというのは無責任じゃないですか。出願のための特許料を上げているのですよ。また上げるのですよ。府立の図書館は大阪府の自治体の施設ですよ。特許庁の施設じゃない。特別会計として約六千万円の地方に対する助成、補助は予算化されておるけれども、これはみんな発明協会の方に行くのでしょう。そして、発明協会の方にいろいろ業務を委託したりサービスを要請しているわけでしょう。府立図書館には一文の金も行ってないのですよ。片方では行革で人減らせ、何減らせということを自治体は別の官庁から押しつけられているのですよ。資料提供したところで、出願者のサービスのために、検索を十分にしてもらうために資料の編さん等はだれがやるのですか。先ほど申し上げた十人の方々がやっているんじゃないですか。一文の補助金もないじゃないですか。そんなことで十分に資料提供しておるんだと言えますか。これは考える必要がある。日本一の夕陽丘図書館ということを認めている。あなた方は一文の金も出しておらぬ。それを出して初めて日本一の資料提供場所だと言いなさい。このことをやはり考えなければいかぬ。これが一つ。
 もう一つは、その出願者の全体の三〇%が大阪で占めておる。中小企業です。このことを言いますと、あなた方は必ず、いや、今の特許の申請は国際出願の場合は到達主義であるが、国内出願の場合は発信主義だから、別段東京に一カ所そういう申請の受付場所があっていいんだというように言うかもわからぬ。しかし、これだけたくさんの出願者が、自治体がこれだけ頑張って出願者のためのサービスをやっておる。せめて西の大阪に今のような形式的な大阪特許分室じゃなくて、特許庁の出店として特許庁の大阪分室あるいは特許庁の出店としての大阪特許局というものをつくって、そして何回も言いますけれども、せっかく特許料を値上げして、これを還元して出願者にサービスを強めていくというのであれば、ぜひともそのような方向で努力し、この際大阪特許局をつくるというような考え方に立ってもらいたいと私は思うわけですが、大臣、どうですか。
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