建設委員会

1990-12-18 参議院 全201発言

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会議録情報#0
平成二年十二月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         矢田部 理君
    理 事         井上 吉夫君
    理 事         石原健太郎君
    理 事         青木 薪次君
    理 事         山田  勇君
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                松本 英一君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  綿貫 民輔君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       建設政務次官   金子原二郎君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     青木 保之君
       建設省建設経済
       局長       鈴木 政徳君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省河川局長  近藤  徹君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   藤森 泰明君
       大蔵省主計局主
       計官       林  正和君
       農林水産管農蚕
       園芸局果樹花き
       課長       上原 達雄君
       自治省財政局地
       方債課長     嶋津  昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (公共投資基本計画に関する件)
 (公共事業の執行に関する件)
 (建設産業の構造改善に関する件)
 (長良川河口堰建設問題に関する件)
 (住宅建設に関する件)
 (家賃補助に関する件)
 (多摩川水害訴訟最高裁判決に関する件)
    ─────────────
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矢田部理#1
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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矢田部理#2
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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矢田部理#3
○委員長(矢田部理君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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井上吉夫#4
○井上吉夫君 本日は建設功労者に対する褒章の伝達があるそうでございまして、どうか関係者の功績をたたえるために大臣が直接その褒章を伝達していただき、その功をたたえ労をねぎらっていただきたい、このように考えておりますので、冒頭若干の時間、大臣に御見解をお伺いして、二十分前後のところで大臣はその方にお出向きいただき、後は局長の皆さん方を中心として細かい質問を展開してまいりたいと思っております。
 私は、まず日米構造協議に基づく公共投資基本計画に関連をしてお尋ねいたしたいと思います。
 我が国は世界に冠たる経済大国としてその豊かな経済力を誇りながら、実はその豊かさがなかなか国民の一人一人に実感されていない、そういうぐあいに言われております。
 その大きな理由の一つが社会資本の立ちおくれにあるというぐあいに言われているわけであります。アメリカからの指摘をまつまでもなく、日本みずからの政策課題としてこのことに立ち向かっていかなきゃならぬということはもとよりのことでありまして、当然のことながら日本自身の判断によってこれらの対策は進めていかなきゃならぬ問題であるというぐあいに私は思うわけであります。
 この計画で、ともすれば生活関連という言葉がどうも先に走ってひとり歩きしている感じを受けます。大変狭い意味でこのことがよく言われて、例えば下水道であるとか都市公園であるとかあるいは住宅という、そういう分野に代表されて、都市機能や都市環境問題に集中してこれからの公共投資をやっていかなきゃならぬというとらえ方がついつい言われているわけであります。言うまでもありませんが、我が国の最も大きな内政上の課題は、私は四全総に言われる多極分散、東京一極集中ではなくて日本の国土がつり合いのとれた発展を遂げていくという、そのことが一番大事な内政上の課題だというぐあいに考えるわけであります。
 このような私の認識に対し大臣もそう大きな違いはないと考えておりますが、言われる公共投資を今後進めていくに当たりまして、どういうような基本姿勢でもってこれらの事業を実施していくというぐあいにお考えであるか、まず大臣の基本的な所信をお伺いしたいというぐあいに思うわけであります。よろしくお願いします。
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綿
綿貫民輔#5
○国務大臣(綿貫民輔君) お答えいたします。
 この生活関連ということに関しましていろいろと御意見がございましたが、私も今御指摘のように生活関連という考え方は、建設省のやっておりますものは全部生活関連だと私は申し上げておるわけであります。
 例えば、アメリカでは洪水のはんらん区域の中に人口の一割も住んでいないということでございますが、日本では五割以上の人が住んでおるということでありまして、河川行政一つとりましても、これはアメリカ流にいうと生活関連かどうかということになりますが、日本からいいますと、すべてが整いましても洪水によってむちゃくちゃになれば、これはもう元も子もないわけでございますから、これはまさに生活基礎関連といっても過言ではないというふうに考えておりまして、私どもの行政をすべて生活関連というふうに理解しながら今後進めていきたいと考えております。
 それから、今四全総のお話がございましたが、私も国土庁長官のときに四全総を策定させていただきまして、自来私は設計施行だと、こう言っておるわけでございますが、この趣旨にのっとりまして多極分散型の国家の形成のために公共投資も当然その線に沿ってやるべきだというふうに考えております。
 この公共投資の仕方についてでございますが、私は、昔は日本は貧乏でございましたから、乏しい財源でやるときにはやはり効率的に公共事業をやる。効率的とは、人間の多いところを中心にしてやるということであったと思います。しかし、これからの公共事業拡大の中ではむしろ人口の少ないところも重視しなければならない。今まで下水道にいたしましても人口百万人以上のところでは普及率は八六%でございますが、人口五万人以下のところではわずかに八%ということでございまして、非常に大きなアンバランスがあります。また、例えば今後リゾートというようなことになりますと、人のいなかったところに人が行く。そこで垂れ流しをすればたちまち自然破壊になるわけでありますから、これは人がいてもいなくてもやらなきゃならぬというような形に変えていくべきだと考えております。
 また、高速道路にいたしましても、今までなるべく料金が上がるような人口の密集地帯を中心にして高速道路はつくられるべきでありましたけれども、これからはむしろそういう日本の国土の末端までもこれが延びていくような方向で努力をしなければならない、このような基本方針を考えております。
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井上吉夫#6
○井上吉夫君 大臣の御答弁を聞きながら、もう基本的認識において私は全く変わりのない国土政策の基本を、全国的にやっぱりつり合いのとれた発展を遂げていくその手法としても、どちらかといえば、今人口密集地帯に対策を打つということ以上に、むしろ過疎に悩むような地域、そういうところに先行的に投資を進めていくという、そういうとらえ方が大臣の答弁の中からうかがえたと思うんです。
 となれば、日本全国できるだけいわば多極分散型の国土をつくるということになりますというと、高規格幹線道路をできるだけ早く整備するということはこれらの課題にこたえるどうしても欠かすことのできない大事な政策手段だというぐあいに思うわけでありますが、今言われております高速道路の計画、その進め方がこの公共投資の大幅な増によってどういうぐあいにその進度が速められるのかという、そのような期待を関係の地域は非常に大きく持っておると思いますし、このことをできるだけ早く仕上げるということはまさに多極分散の効果というものをできるだけ早く現実のものにするという、そういう立場から大変大事なことであるというぐあいに考えております。
 そこで、高規格幹線道路を中心とするいわば交通ネットワークをどういうぐあいに進めていくかという、その取り組みについての大臣の所信をお伺いしたいと思います。
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綿
綿貫民輔#7
○国務大臣(綿貫民輔君) 現在、高規格幹線自動車道は四千八百キロということで計画の三五%にしかすぎない開通率でございます。これにつきましては、ただいま実行しております第十次道路整備五カ年計画の終わります平成四年度までに六千キロの開通を目標にいたしておりますし、二〇〇〇年を目標に九千キロと。従来、高速自動車道の年間の完成は二百五十キロということでございましたが、最近は三百五十キロ、こういうペースでやっておりますが、さらにできるだけピッチを上げて、これらのネットワークが早期に完成されるよう努力していきたいというふうに考えております。
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井上吉夫#8
○井上吉夫君 従来の二百五十キロからペースを上げて三百五十キロを目標に進めていきたいという、具体的な数字を挙げての取り組みの姿勢をお示しいただきました。さらに大臣の努力によって、できるだけ早くこれらのことができ上がっていくように期待をいたしたいと思います。
 もちろん、この言われる公共投資のテーマの中で、目の前にあります住宅、下水道、公園等の生活環境の整備というのが国民の日常生活に直接結びつく分野でありますから、大事なテーマであることは当然であります。
 さて、平成三年度の予算の編成作業がいよいよ大詰めに差しかかってまいりました。概算要求基準において御承知のとおり新たに設けられた総額二千億円の生活関連重点化枠というのは公共投資基本計画実施のいわば初年度に当たりまして、これをどれだけ我が事業展開のために予算獲得しながら頑張っていくかという、そういうことをいわば占う大事な初年度としての試金石でもあると思うわけであります。省を挙げて大変頑張っていただいておることを承知しておりますが、今申し上げましたように、初年度としての極めて重大な意義を持ちますだけに、平成三年度予算に向けて大臣の本問題についての取り組みを聞きたいと思います。
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綿
綿貫民輔#9
○国務大臣(綿貫民輔君) 先般の概算要求におきましては生活関連二千億ということに対しまして、私ども建設省は二千億全部要求させていただいたわけでございます。
 今後、来年度からの予算を執行するに当たりまして五カ年計画をやはり基軸にしていきたいと考えておりまして、例えば下水道等につきましては従来の五カ年計画では十二兆二千億というのを十九兆ということで五割増で今度は要求させていただく等々、公園その他もそのような形で取り組んでいきたいというふうに考えております。これから本格的な予算編成に当たりまして、この基軸を基本にいたしまして頑張っていきたいというふうに考えております。
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井上吉夫#10
○井上吉夫君 大臣が極めて適切な答弁を要領よくやっていただいておりますので、私は実は大臣にはさっき申し上げましたようなこともありまして四つの基本的問題をお尋ねして、その後はどうぞ褒章伝達のためにお出かけくださいという予定でおりました。どうも予定よりも少し早くなりそうでありますが、次なる質問が終わりましたらどうぞ授与式の方にお出かけをいただきたい。そして、今申し上げました基本的なお答えの中から、さて公共投資というのは、言われる四百三十兆円というのを実現するについてはどういう年間の伸びが必要なのか、そのことが本年度予算との関係で一体どのくらいに当たるのか等の中身の話は後で局長等にお尋ねをいたしたいと思います。
 そこで第四番目は、実は公共事業の平準化の問題であります。
 従来、私どもが地元県から一番強い要求を受ける項目というのは何かといえば、必ずしも経済が豊かでない地域であればあるほど実は公共事業に依存する。その地域経済というのは極めて公共事業への依存度が高い。したがって、地域発展のための社会資本整備の諸事業は、その都市にとりましては即その地域経済を左右する大変な要因になっておりますだけに、できるだけ傾斜配分をしてほしい、目いっぱい公共事業でその地域経済が引っ張っていかれるような、そういう配分に心がけてほしいという、そのような要請がどちらかといえば主流でございました。
 ところが、最近の地元の関係者の要請の一番主なものは何か、第一番手は何かといえば、実は公共事業の平準化ということを希望する声が一番高うございます。
 公共事業を円滑に進めるためには、いわゆる端境期に仕事がないという時期のあるのも困りますし、年度末に仕事が集中して、それこそ夜間作業をやっていかなきゃならぬ、そういう状況に置かれるという、そのような事情も非常に困るわけでありまして、できるだけ年間通して事業が平均的に実施される、そういうことであってほしいということを願うのは当然のことでありますが、その要請が最近とみに強くなったというのは、私は、従来よりもずっとずっと労働事情というのが厳しくなったということではないかなと思います。したがって、労働力の問題であるとかそればかりでなくて、建設資材等の手当ての問題もあります。建設業従事者の労働条件の問題も今触れましたようなことでありまして、これらの幾つかの問題を考えてみますと、どうしても平準化ということをさらに一歩進めなきゃならぬ。
 何が平準化の隘路になっているのかということは、第一にはやっぱり単年度主義という予算の性格から見て、どうしても年度初めにはなかなか予算が通過しない限り発注ができないということになり、ついつい年度後半に仕事が偏るという、そういう状況下にあると思いますが、とりわけ技能労働者の払底というのは大変なものでありますだけに、特に端境期になりまして、ちょうど仕事がなくて失業保険でつなぐというようなときあたりが出てまいりますと、優秀な技能労働者をついつい中央大手に引っ張っていかれる。そういうことになりますと地方の抱える問題というのは、同じ厳しい労働状況の中でもさらに問題はより深刻になっている、そこら辺で今私どもの地域からも陳情の主流が公共事業の平準化として大変強い要望が出ているということではなかろうかなと思うわけであります。
 以上のようなことから、工事の計画的な発注の推進、あるいはゼロ国債を含むその解決手段としての国庫債務負担行為の積極的な活用、このようなことが一つの有力な手段ではなかろうかなと思うんですが、公共事業の平準化のためにどういうぐあいにこのことの解決に取り組むかという基本的な大臣の考え方をここでお伺いをしておきたいと思います。
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綿
綿貫民輔#11
○国務大臣(綿貫民輔君) 最初に傾斜配分の御質問でございましたが、現在三大都市圏と地方との公共事業の建設省関係の割合は大体三対七でございます。二十年前は四対六ということでございまして、その分、地方の分がふえておるということになっております。
 それから、私は大臣に就任いたしましてから、とにかく地元が反対で公共事業ができないというところに予算をつけても、これはいつまでもできないじゃないか、賛成するところに回しなさい、こう言っております。そういうことと、あるいは公共事業の中に土地代が八割も九割も入るようなものは民活でやってもらうようにしなさい、こういう二つの方針を出しておりまして、これは即やはり地方の方にもある程度シフトしていくのじゃないかというようなことを頭に入れながら、そういうお話もさせていただいております。そういう方向を今確認しつつあります。
 ただいま御指摘のゼロ国債の問題につきましては、この平準化を含めまして、人手不足の現在、各地からの非常に強い御要請がございます。この問題につきましては昨年度の補正におきまして六千億の枠を確保したわけでございますが、今回も昨日成立いたしました補正予算におきまして同様六千億の確保をさせていただきました。建設省関係におきましては四千百十一億ということで、今後これを適正な配分によりましてこの目的が平準化その他に十分活用されるように努力をしていきたいと思います。
 なお、各地方に対しましてもゼロ県債というものについても御協力いただくようなお願いもしておるところでございまして、ただいま御指摘の趣旨に今後ともこたえていきたいと考えております。
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井上吉夫#12
○井上吉夫君 どうもありがとうございました。
 公共投資の基本計画に関連する基本的な大臣の見解を若干お伺いをし、さらに事業の平準化のためにということについてもお答えをいただきました。
 それでは、これらの問題につきましてさらに少し細かく質問をいたしてまいりたいと思いますので、関係局長からひとつお答えをいただきたいと思います。
 まず第一は、公共工事の平準化に関連をいたしまして一体実態がどういうぐあいになっているのかなという、そのことを説明いただき、さらにその必要性というものをお互いに認識し合う必要があるというぐあいに感じております。
 特に四—六月の第一・四半期は、先ほどもちょっと触れましたように予算の成立等の関係がありましてどうしても発注がおくれるという性格があると思います。さらに、どちらかといえば一番ピーク時を第四・四半期に迎えるということが通例かなと思うわけでありますが、この一番事業の少ない時期並びにピーク時期、その倍率が民間工事の場合は一・二倍と言われておるようでありますが、公共工事の場合はちょうど二倍に当たるというぐあいに聞いているわけでありますけれども、それらの事情がどうなっているのか。このことは、公共投資の基本計画に基づいて事業が増大すればするほど問題がより深刻になってくるのではないかなというぐあいに考えますので、それらの事情も考えつつ、とりあえず公共工事の出来高なり契約発注の事情なりが一体年間通してどういう姿になっているかという実態についてまず御説明をいただきたいと思います。
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望月薫雄#13
○政府委員(望月薫雄君) お話のように、今後公共投資基本計画に則した所管事業あるいは国の公共事業を的確に実施していくためには、先生御指摘のような問題点に対する配慮というものは大変重要であると、こう考えておるところでございます。
 とりわけ現下の状況を見てまいりますと、御指摘のように予算単年度主義という前提のもとでいろいろと公共事業について施行のゆがみがといいますかひずみがあるわけでございまして、第一・四半期と第四・四半期あるいは第三・四半期を比べますと、年度初めはどうしても少な目に、あるいは第三、第四・四半期が多目にということで、私ども承知している限りでは一対二ぐらいの施行の格差が出ております。
 このことがまた、労働者、働く方々一カ月当たりの実態を見ましても、例えば四月—六月は一カ月平均で二十日ぐらい働いているのが、十月—十二月になりますと二十七日余り、こういうことで労働現場においても非常に集約してくる。こういった跛行的な施行状態というものは何としても克服しておかないと安定的施行体制ができない、こういうふうに考えておるところでございまして、そういった観点から先ほど大臣も御答弁申し上げ、その前に先生から御指摘いただいたような、いわゆる平準化に寄与するようなゼロ国債、あるいはさらに言えば地方公共団体におきますゼロ県債、こういったものについても非常に今重要なシステムとして私ども重視してきているところでございます。今後ともこういった努力をさらに続けていく必要がある、こう考えているところでございます。
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井上吉夫#14
○井上吉夫君 先ほどの大臣の答弁にもありましたように、去年六千億のゼロ国を発行し、今年も今度の予算で措置をされました。とりわけ去年のゼロ国が非常に多くの地域に喜ばれているということを私はいろんなところで聞きました。確かに、このことによって平準化に大きな何というか前進を見せた。したがって、関係の皆さん方からも平準化という一般的な用語を使うだけでなくて、ぜひともことしもゼロ国債をというような言い方がされるようになってまいりました。したがって結局、ゼロ国ないし国庫債務負担行為という、国庫債務負担行為の場合は必ずしもその年に全く財源を必要としないというのではなくて、二年にまたがるというものだと思いますけれども、ともあれこのことが非常に平準化のために役立っているということだけは間違いないと思います。
 今にわかに会計年度独立の原則なり予算成立まではなかなか発注ができないという事情を切りかえるということは容易ではないと考えますので、平準化のための手段、方法というのは、やっぱり決め手はゼロ国債かなというぐあいに思うわけでありますが、そのほかに考えられる平準化のためのやり方があるのかなと。もちろん契約の早期実施とか発注の実施というようなことなどについて気を配ってもらわなきゃならぬわけでありますけれども、平準化のために考えられる中身について御説明をいただくと同時に、たしかこのゼロ国債というのは昭和五十七年度から始まったと思うわけでありますが、今日に至るゼロ国債発行の姿というのを御説明いただきたい。そして、現在に至るまでずっとゼロ国債というのがどういうねらいでまず発行されたのか、そのいきさつもあわせて御説明をいただきたいなと思います。
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望月薫雄#15
○政府委員(望月薫雄君) 御指摘のような予算制度の中でできるだけ発注を平準化しようという工夫といたしまして、先ほど来出ていますゼロ国債というものが五十七年度から導入されて今日にきているわけでございますが、厳密に言うと五十七年度にゼロ国債制度が導入されたときは、やはり景気対策、地域経済対策という側面が非常に強かった経過がございます。
 ちょっと今経過をという御指摘でございますので申し上げさせていただきますと、五十七年度が国全体の話でございますけれども四千億円、五十八年度四千五百億円、五十九年度三千億円、六十年度六千億円、六十一年度三千億円、六十二年度は実は実額補正でございましたのでございませんが、六十三年度三千億円、そして平成元年度は六千億円、今般平成二年度六千億円、こういった経過をたどっておりますが、五十七年度以降しばらくの間は総合経済対策あるいは地域経済対策というような観点からの視点が強かったわけでございますが、とりわけ昨年度、今年度のこのゼロ国債補正につきましては、むしろ私ども、先ほど来出ていますような、いわば労働力の需給の観点も考慮しての本当に適正安定的施行、こういった観点を重視してこの辺も加味されてのもの、こういうふうに受けとめさせていただいております。
 そういった意味で、今後このゼロ国債制度というものは、くどいようですけれども、単年度予算制度のもとで平準化するための一つの有力な手段として私どもは今後とも着目してまいりたい、かように考えております。
 なお、御指摘のこのゼロ国債しか平準化する方策はないのかということでございますが、先生いみじくも御指摘いただきましたけれども、当然のように工事の国庫債務負担行為、これが大変大きく役に立っております。建設省所管事業で言いますと、平成二年度におきましては一兆二千億円余りの国庫債務負担行為を持っておりますが、こういったものも有効に活用するということは、当然のように工事の平準化に非常に寄与している。また同時に財投事業につきましても債務負担を活用していく、こういったようなことで、私どもあらゆる手だての中で労働力の需給問題等も念頭に入れての平準化努力というものは非常に重要であり今後とも努めていく、こういう考え方に立っております。
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井上吉夫#16
○井上吉夫君 そこで、平準化のための最大の決め手がこのゼロ国だとするならば、一体どの程度のゼロ国債があればその要請が十分満たされるのか。例えば、今年度の場合は災害復旧等がこの時期に予算化されましたので、これから先の事業の発注等がかなり、もちろん災害を受けた箇所に固まるとは思いますけれども、総枠から見れば、これまた六千億余りの災害復旧の対策が実施をされる、それに加えてゼロ国でつなぐということになりますとことしの場合は事情が少し違って、一兆を超すゼロ国債が発行されただろう、もし補正の災害対策がなかったとすれば。そういうぐあいに見られると思いますけれども、通常の年は平準化のために、ちょうど端境期を補うためにはゼロ国というのが大体どのくらいあればこれからやっていけるのか、そういうことについての建設省の見解を聞きたいんです。
 というのは、今説明をいただいたように、昭和五十七年度から始まりましたゼロ国債は、その大部分の期間というのは景気の持続的展開であるとかあるいは持続的拡大であるとか総合経済対策とか、そういうことのために発行しますというぐあいに説明がなされており、まさにそのとおりだったと思います。しかし去年からは、明記してありますように、今官房長の答弁にもありましたように、どちらかといえば事業の平準化という、そのことの必要性が非常に大きくなったということが説明をされて、まさにそのとおりだと思うんです。
 となれば、これから先もいろんな諸条件、問題点を解決する有力な手段として事業の平準化、そしてそのことがゼロ国債ということに帰着するとすれば、大体どのくらいあればこの問題が解消するのかなと。細かい数字は別として、例えば二カ月分であるとか一・五カ月分であるとか、その辺の粗っぽい数字でも結構でございますが、平準化のためにどの程度のゼロ国債が必要か、問題をこの手段に絞った場合にどう考えるかということをお聞かせ願いたいと思います。
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望月薫雄#17
○政府委員(望月薫雄君) 率直に申しまして大変難しい御質問を賜ったわけでございます。
 今お話にもございましたように、例えばことしの例を見た場合に、災害復旧関係の補正でもかなり大きい額のものをお願いできたということ等を見たときに、その関係の事業がどう展開されていくかということも念頭に入れて、私ども平成二年度については六千億が適正な額と考えております。
 では、これはどのぐらいの実額がいいのか、あるいは全体の所管事業予算の中であるいは公共事業予算の中でどのぐらいの比率を持ってやるべきかということは、正直申しまして私どもまだ確信を持てるようなところに至っておりませんが、ただ昨年度の六千億円の実行、これを実際に実施した公共団体あるいは業界等の実態というもの等を踏まえてみたときに、あるいは今年度のこれを実施してみたときに多分かなりのやっぱり適切な評価をいただけるものと思っております。そういった意味で、いろいろの前提条件等々ございますけれども、六千億円というものは一つの適正な規模として私どもは重視していく必要がある数字かなと、こんなふうに考えております。
 もう一つ大事なことは、今国のレベルでのゼロ国債という議論をさせていただいておりますが、片方でやっぱり地方公共団体におきましてももろもろの面でのこういった類似の制度というものが大事な問題として最近は認識いただいております。それをいわゆるゼロ県債というような言葉で私ども言わせていただいておりますが、こういったものの導入も公共団体レベルでは地域経済あるいは地域労働力需給の問題、こういったこと等々を総合的に踏まえながらかなり真剣に取り組んでいただいている状況でありますので、そこらとの相関を総体的に考えましても、私どもはやっぱりこの六千億程度の規模というものは今後とも必要であるし、あるいはそれが適正規模の下限かなと、こんなふうな感想を持っている状況でございます。
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井上吉夫#18
○井上吉夫君 先ほど大臣の答弁の中にもちょっとありましたし、今官房長からゼロ県債の話が出ました。確かにこのことは、県の事情によりましては県単独でやっぱりゼロ県債によってできるだけその関係地域の問題に対処するということが必要でもありましょう。しかし、これは建設省が進めるというだけではなかなか、地方財政を所管する自治省のやっぱり指導も受けなきゃならぬという分野あるいは許可を受けなきゃならぬという面もあろうと思いますので、きょうは自治省は出席を求めておりませんが、官房長が言われるようにあるいは先ほどの大臣の答弁にありましたように、ゼロ国債だけでなくて地域間によってやっぱり多少その県自体で可能な限りの手当てをするということを建設省としても進めていきたいというのであれば、どうかひとつ事業執行という立場からあるいは関係業者の円満な経営の前進という立場から自治省とも十分その辺については御協議をいただいて、今言われたような県債も含めて問題に対処するということをさらに充実するようにしていただきたいなと思います。これは希望です。
 もう一つは、従来はどちらかといえばちょうど第三・四半期、一番仕事がたくさんあってこれからだというときに、とりわけ積雪寒冷地帯はついつい仕事は受けたけれども、なかなか天候の都合で仕事ができない。そして、ようやく春になっていよいよこれから仕事ができるというときに全く予算がないというようなことなどに逢着するという、一番そういう面では厄介な地域であったと思うんです。だから、これらの手当てもどちらかといえば積雪寒冷地帯に対する対策というのが重点として執行されたのではないかなと思うんです。
 しかし、先ほど来申し上げておりますように最近の労働情勢というのは、もうそういう地域に限らない。全国どこも端境期をなくして事業が平準化されるという必要がどうしてもあるという、そういうぐあいに変わってきたと思うんです。もう今改めてどういうことのためにと言う必要もございますまい。熟練労働者あるいは多くの労働者全員の問題あるいは労働条件の問題、資材の問題、ひいてはそれらの事業者の経営体質の問題に当然帰着するわけでありますから、地域をしっかりと守っていくという側面からもどうしてもこのゼロ国の執行、配分等については十分目配りをして、いずれの地域もこのことによって年間を通して仕事が実施されるという、その配慮を持っての配分の仕方が必要だと考えておりますので、このことについて、言うまでもないことだと思いますが十分の配慮をお願いしたいと希望いたしますので、考え方をお伺いしたいと思うんです。
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望月薫雄#19
○政府委員(望月薫雄君) ゼロ国債について先生から多面的な御指摘を賜っておりますが、おっしゃったようにこの制度はいろいろな要素を持って経過しております。いずれも大事な要素である、こう認識しております。
 その中の一つに、雪寒地域のいわゆる雪解け時期における施行が的確にできるようにということは大変重要な柱である、これは一点私ども踏まえなきゃなりません。また同時に、全国的にこれはむしろ一般化しているとまで言えるようないわゆる技能工不足、こういった問題への対応、さらにそのことが建設業の構造改善をいかに今後進めていくかという大変重要な問題とのかかわり、こういったこと等々を踏まえながら、私ども公共事業というものが景気対策も含めて的確に進められるということのためにはどう配分があるべきかということは御指摘のとおり本当に重要だと思っております。
 そういった観点から、今年度も補正予算が成立したわけでございますので、私ども早急に地域配分等をさせていただきますが、そのときの視点はやはり広く全国的にそういった要素を考慮しての配分に努めたいということが一点ございますが、やはり基本的に雪寒地域におきます特殊事情、こういったことは重視すべきもの、こう考えておりまして、今年度のことはこれから早速決めさせていただきますが、最近では雪寒地域には大体四〇%台後半くらいの比率でもって配分させていただいてきているところでございます。
 ともあれ、私ども雪寒地域に対する十分な考慮と同時に、いわゆる技能工不足等に対応しての、さらに言えばもろもろの課題を踏まえての全国的な適切な配分ということは、先生の御指摘を受けとめながら十分に注意し実施してまいりたい、こう考えているところでございます。
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井上吉夫#20
○井上吉夫君 私の質問の骨子は、従来はどちらかといえば積雪寒冷地対策というとらえ方が主流であったけれども、今やまさにさま変わりをして、これは全国的な現象になってきているんです。私自身の出身であります九州一帯についてもこのことの必要性というのが最大の問題として論じられ一番の願いになっているという、そのことを今までの間で述べてきたつもりでありますから、そのことを十分配慮してこれから先のゼロ国等の執行については当たっていただきたいということをもう一遍申し上げておきたいと思います。
 次は、公共投資基本計画の実施に当たって若干の質問をいたしたいと思います。
 過去十年間の公共投資の総額は二百六十三兆円と言われております。今回の二〇〇〇年に至る十年間で四百三十兆円という投資規模は、さきの十年間に比べて一・六倍に当たると思います。過去十年間の公共投資の平均伸び率というのは一・七%であったと言われておりますから、それに対しまして今回は六・三%の年間伸び率ということになりますだけに、やっぱり目標達成のためには容易ならざる努力を必要とすると思います。しかし、このことは日本のおくれている社会資本をできるだけ早く充実するという、そのことの必要性は当然のことでありますが、一方から言えばいわゆる国際公約でもあります。
 そこで、この計画を着実に実現していくために、さて平成三年度は一体今度の二千億を丸々建設省にというわけにはなかなかだと思いますが、仮に二千億、丸々生活関連というのが上乗せされたとして何%に当たるのか。仮置きですが、例えば一千億とか一千五百億とかいう数字をはめ込んだら一体どのくらいになるのか。数字の比較の必要があり、そしてこのことを実施する初年度でありますだけに、一体どのくらいでスタートするのかなということについても私どもは関心を持たざるを得ないと思いますので、少し数字も検討してお答えをいただければと思います。
 同時に、このことを進めていきますと、これを実際にやっていく建設業界の一体現状は、そしてその中でわけても建設技能労働者の不足が大変深刻化しているというぐあいに言われておると思うんですが、その状況は一体どういうぐあいになっているのか。例えば、もし率で不足率は何ぼということが説明できるものであればそのこともお聞かせを願いたいし、同時にまた、これらの諸事業が順調に進んでいかない理由の一つに用地の確保というのがついついおくれがちであるということが言われております。用地のストック率が一年を下回っているというぐあいに聞いているわけでありますが、今後の公共事業の拡大に向けて、もうそのかぎとも言うべき建設労務者の対策ないしは用地対策を一体どういうぐあいに打っていくつもりか、このこともあわせてお伺いをしたいと思います。
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望月薫雄#21
○政府委員(望月薫雄君) 前段について私の方から御答弁させていただきます。
 今、先生いみじくもお話ありましたように、現在予算の編成作業真っただ中でございまして、そういった意味で三年度の姿はまだ申し上げるべき状況にございませんが、前提というか概算要求のときの数字をちょっと申し上げさせていただきますと、生活関連枠二千億円というものはすべて建設省にお願いしたいということがもし実現したという仮定でございますが、概算要求の数字では国費ベースで二千億円は全部建設省関係という前提のときに六%の増ということに相なりますが、それを踏まえて財投事業等も伸ばしながら、私どもは事業費で七%増の予算要求をさせていただいております。これがこれからの予算編成作業の過程でどういうふうに決着するかということについては私ども最大限の努力をさせていただいているさなかでございます。
 ただ、申し上げるまでもありませんが、公共投資基本計画四百三十兆円というのは平成二年度の公共投資を前提にして、先生お話しのように六・三%ずつ毎年伸ばしていかなきゃならぬ、こういったものとの関連をどう見るかということは大変大事な問題だと思います。言うまでもありませんけれども、公共投資基本計画の描く道筋というものはこの国費事業によるものばかりでなくて財投事業もあれば地方単独事業もあるという、それらの総体として実現を図るべきものとは思いますけれども、いずれにしましてもそういった中で、いわゆる補助事業、直轄事業等国費がかかわる事業が改めて大事である、こういった認識に立って私どもは予算要求に臨ませていただいているところでございます。
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鈴木政徳#22
○政府委員(鈴木政徳君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、これから四百三十兆円の公共投資基本計画を実施していく上で労働力対策をどうするか、それから用地の確保をどうするか、これは大変基本的な重要な問題でございまして、この問題につきましては建設省も省を挙げて取り組んでいる問題でございます。
 まず、労働力の不足についてでありますが、建設投資も昭和六十年代に入りましてから幸いに大変増大いたしました。昭和六十年に約五十兆円であったものが平成元年度で七十二兆円ぐらいに建設投資がふえておりますが、この間、建設労働者、建設業に従事する労働者の方々が約五十万人ふえまして、現在約五百八十万人が建設業に従事しているところでございます。建設投資の拡大をこの増大で賄ってきたというのが現況でございます。
 しかしながら、これまた御指摘のように、ただいま相変わらず民間建設需要を中心にいたしまして旺盛な建設投資が行われております。したがいまして、首都圏を中心に型枠工とか鉄筋工を中心にいたしまして技能労務者の不足というものが続いていることは御指摘のとおりでございます。数字で申しますと、型枠工とか鉄筋工、もちろん毎月いろいろ波動がございます。私ども毎月労働力需給調査というものを行っておりまして、多いときでは五%の上の方まで不足率が上がっていることもございますが、大体私ども調査しております主要業種では現在三%から四%の上ぐらいを動いているという状況が続いているところでございます。
 これに対してどういう対策をとるかということでございますが、基本的には私ども現在、昨年の三月から建設業の構造改善推進プログラムというものを立てまして官民挙げて一生懸命やっているところでございます。具体的には、建設従事者の雇用条件、労働条件を改善することによりまして建設労働者を確保する必要がある、あるいは生産工程におきましてプレハブ化、ロボット化というようなことを導入しまして施工の合理化を図る、そういうようなことを基本的にやりながら魅力のある建設業、活力のある建設業、そして若者の入ってくるような建設業にしようということで現在取り組んでいるところでございます。
 ただ、当面の対策といたしましては、現在業者が業者間で労務者を融通し合ったり、あるいは工期とか工法というものに対していろいろ工夫しながら対応しているというのが現況でございまして、これに対して国も建設専門工事業団体と一緒になりまして建設労働需給情報サービスということで、地域ごとにいわゆるミスマッチがないかどうか、そういうものがあれば足りないところに余っているところから労働力を移動できないかというようなことを現在官民挙げてやっているところでございます。
 しかしながら、これまた先ほど来先生が御指摘いただいておりますように、公共投資の拡大を今後限られた労働力で実施していかなければならないわけですので、今後ともゼロ国債の活用であるとかあるいは工期の適正な設定であるとか、先ほど申しました機械化の施工の促進というような公共事業施工上のあらゆる工夫を凝らしながら今後取り組んでいかなければいけないと思っているところでございます。
 もう一つ、用地の問題でございますが、事業を実施していく上で当然用地を確保しなければいけないわけでございますが、そのためにはまず何といいましても総合的な地価対策を講じることによって地価の安定を図るということが前提かと思います。そして、事業量の確保の中で必要な用地費をまた確保していくということも必要かと思います。
 そのほかの対策といたしましては、国庫債務負担行為等を活用しました先行取得制度を積極的に今後ともやっていく。あるいは最近被補償者から要求がふえております代替地対策を積極的に行う。さらには、地価の高い都市部におきましてはなるべく用地に負担のかからない、例えば幹線道路と沿道整備を一体で行うような区画整理事業であるとか建物と立体的に道路をつくるとか、そういうような効率的な方法、事業手法というものを今後とも取り入れていかなければいけない。さらには必要に応じて土地収用制度を的確に活用する、そういうことを総合的に活用しながら今後とも用地の確保に努めていきたいと考えております。
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井上吉夫#23
○井上吉夫君 用地取得については先行取得などにもっと思い切って予算を投入する等して、用地の問題にけりがつかないためになかなか仕事ができないというようなことのないようにさらに一段の御努力をいただきたいと思います。
 恐らく最後の質問になろうと思いますが、この公共投資基本計画も経企庁が出したのを見ますと、必ずしも都市的環境の問題だけではなくて、「多極分散型国土の形成に向けて、交流ネットワークや経済基盤の整備等の施策の一層の充実を図り、」等の文言が幾つか強調をされております。たまたま一等最初の文章のところに、「下水道、都市公園、廃棄物処理施設、住宅・宅地の整備等に加え、」という、記述の順番は差がありますけれども、全体としては冒頭大臣にお答えを願ったように、我が国にとってやっぱり多極分散というのがどんなに大事かということはこの公共投資の問題の中でもしっかりととらえているというぐあいに私は読んだわけであります。
 そこで、国土庁にお伺いをしたいのでありますが、四全総の現状というのは一体どうなっているのか。時間もありませんので、とりわけ最大のねらいとする東京の一極集中ではなくて、日本のやっぱりつり合いのとれた発展のためには多極分散というのが一番大事だと。私は端的に国土庁の役割は何かといえば、一言で言えばやっぱりこのことをどう達成するかということにかかっていると言っても言い過ぎではないと思うんです。もろちんそれらの仕事の中に、例えば離島対策がありあるいは半島対策があり山村対策があり、いろんなことがありますけれども、総じてこれをひっくるめて言えば、私は日本の国土が均衡のある発展を遂げるためにどうやっていくのか、それはやっぱりどうしても多極分散だということに帰着すると思うんです。このことに向けての国土庁の四全総は一体順調に進んでいるのかという、そのことについてお伺いをしたいんです。
 時間があれば、目標に対してどの程度どういうぐあいに進んでいると見るのか、今後の取り組みをどうするのか等々、細々お伺いをしたいのでありますが、取りまとめて今申し上げましたように、四全総に取り組んでいる国土庁として多極分散という、いわば至上の命題ともいうべきこの項目でどのような成果を上げているとごらんになっているか。そして、今後そのことをさらに大きく推進していかなきゃならぬ、これが私は日本の国内政治の最大のテーマだというぐあいに考えておりますだけに、このことを強く要請しながらお答えをいただきたいと思うんです。
 これらの立場からいたしまして、私の九州の場合に、今東回りの道路であるとかあるいは南九州西回りであるとかあるいは横断道路であるとか、多くのものが既に計画に乗っており、あるいは事業に着手をしておりますが、一つだけこれから先の問題として、既にこのことの要請にこたえて若干の調査段階に入っていると聞いているわけでありますが、長崎県の島原半島から熊本県の天草を橋でつないで、そして天草を南下して天草の南端から鹿児島県の長島に結ぶ、俗に三県架橋と言いますが、橋は二つですけれども三つの県が結ばれる。九州の一番西海岸の方の大きないわば観光の路線であると同時に産業経済は大きな活力をもたらす大プロジェクトの一つではないか、残された大きなテーマはこのことではないかなというぐあいに考えておりますので、この調査の現状あるいはこれから先どうやっていこうかということについてあわせお伺いをいたしたいと思います。
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長瀬要石#24
○政府委員(長瀬要石君) 四全総が昭和六十二年六月に綿貫大臣のもとで策定されましてから三年半が経過いたしているわけでありますが、四全総が抱えております一極集中を是正し多極分散型国土を形成することはなお今日最大の国土政策上の課題である、このような認識を先生とともに一にするものでございます。
 そのような中にありまして、政府といたしましても地域主導の地域づくりということを基本にしながら、建設省を初め関係省庁一体となりまして四全総推進連絡会議のもとにこれに対して取り組むということで対応いたしているところでございます。
 一つは人口でございますけれども、これにつきましてはなお東京圏への集中という傾向はございますけれども、昭和六十二年をピークといたしまして東京圏への流入超過が減少に転じるというような傾向があるわけでありまして、このような中で地方への人口分散の兆しというものも出てきたのではないか、これを育てていくということが大変重要な視点だという認識を持っております。そういう中にありまして、地方圏におきましては比較的地方の中枢中核的な都市を中心として人口の集積が進んでおりますとともに、産業の面におきましても交通基盤が整備されたような地域を中心として工場の展開というようなことがなされているところでございまして、大学を初め生産機能の地方展開ということも進んでいるところでございます。
 そのような中にありまして、基盤整備の面におきましても高規格幹線道路を初め着実に進展がなされているものと考えておりますが、先生から御指摘がございましたような公共投資基本計画の中におきましても、まさに四全総の基本的な目標といたします多極分散型国土形成ということを中心に据えておりまして、このような考え方のもとに国土基盤の整備をこれから進めていく必要があると考えております。
 こういう中で三つのポイントということになりますと、一つはいかに東京圏への集中を抑制するかということでございますし、第二は東京圏からの移転分散をどう図るかということでありますし、第三は地方圏におきまして農村の多面的な機能の発揮を図り、そして地方の都市の整備を図り、さらには全国一日交通圏をつくっていく、こういうことが重要な課題だと認識をしております。
 先生からお尋ねのございました三県架橋の件につきましては、平成元年度それから本年度、二年度にわたりまして関係六省庁によります総合的な調査を目下進めているところでございます。九州中西部地域、御案内のように有明海、八代海というような地域を中心といたしまして五つの県がこれを囲んでいるわけでありますが、自然資源が豊富であります反面で、地理的、自然的な制約もあるわけでありますが、こういう中で地域を一体的に結ぶ社会基盤の整備ということが重要だと考えております。
 それらの中で多面的な調査というものを関係省庁一体となってやっておりまして、平成元年度には地域の現況を調査いたしまして、地域の問題点なり課題の抽出を行っております。続きまして本年度におきましては、各施設の整備計画についての検討というようなことも含めまして、地域振興のための整備計画に向けての調査を鋭意進めているという状況でございますので、御理解を賜りたいと思います。
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井上吉夫#25
○井上吉夫君 ありがとうございました。
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青木薪次#26
○青木薪次君 私は、主に公共投資基本計画というものを重点にいたしまして質問をいたしたいと思います。
 まず質問に入る前に、今同僚委員の井上先生からも話があったわけでありますが、生活関連重点化枠の二千億円の配分問題について、新聞はこれを大々的に実は取り上げているわけであります。平成三年度予算において、公共事業予算を生活重視型に変えるために設けられた生活関連重点化枠の二千億円については、大蔵省とか建設省など政府主導で独自の判断で配分するものと考えていたし、そういうように報じられていたところでありまするが、自民党の十人委員会に全部任せちゃうというようなことが言われているわけであります。
 旧来の省庁のシェアにこだわらずに配分するという当初の目的もかけ声倒れになりそうだと。これでは特別枠をつくったところの価値はないということになるわけであります。重点化枠の二千億円の配分については、いわゆる自民党の中の分捕り合戦になりそうだということが、自民党の席が閑散だからちょっと困るんでありまするけれども、私はそういう点にひとつ警鐘を乱打したい気持ちでいっぱいであります。
 生活重視の観点に立って決められるべきものでありますけれども、そうすることがさきの日米構造協議の合意内容に沿うものと考えているけれども、建設大臣とそれから大蔵省の御所見をお伺いいたしておきたいと思います。
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綿
綿貫民輔#27
○国務大臣(綿貫民輔君) この生活関連二千億の枠につきましては、先ほど井上先生の御質問にもお答えいたしましたように、我々建設省は二千億の枠いっぱいの要求を概算要求でさせていただきました。私どもの所管するものはすべて生活関連であり、しかも二千億いただいてもまだ足りないぐらいだと、こう思って要求しておるところでございます。
 いろいろと今非公共事業とか公共事業とか、この際その枠の中に入り込もうというようないろんな動きがあるようでございますが、私ども建設省といたしましては、ただいま申し上げましたように、この枠目いっぱい要求させていただいた精神に基づきまして、できるだけ公共事業の枠の拡大に全力を投入していきたいというふうに考えております。
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林正和#28
○説明員(林正和君) 先生御案内のとおり、平成三年度の概算要求基準におきましては、生活関連重点化枠二千億円を設けまして、生活に密接に関連する投資的経費につきましては、各省庁からの要望を踏まえて予算編成終了時までにその範囲内で調整を行うというようにしたところでございます。
 現在、公共投資基本計画等に示されました考え方を参考といたしまして、既に公共事業等の実績のあるものを基本として、真に国民の日常生活の質の向上に結びつき、直接の効果の上がる事業というものに厳に限ることといたしまして、各省庁の要望の内容を念査いたしまして、いわば実質的な公共事業の公開財源のようなものとして与党を含む関係諸方面とも調整しながら、大蔵原案の内示までに総額二千億円の範囲内で調整を現在行っているところでございます。
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青木薪次#29
○青木薪次君 これは、新聞報道が共通して言っていることは、大臣と大蔵省の答弁があったわけでありますが、政治的な力に左右されない、旧来の省庁別シェアにこだわらずに配分するという生活関連枠の当初の目的を果たさずに終わる公算も出てきたと、こう書いてある。新聞が書いている、新聞が。私も実はそう思っているんですがね、大臣。
 そこで、今大蔵省の答弁は、公開で各省や皆さんの意見を聞いているんだと、こういう格好いいことを言っていますけれども、実際は自民党に生活関連枠の配分権限を奪われ、蚊帳の外に置かれた形の大蔵省だけれども、意外なほど挫折感がない。何でないか。この点は、大蔵省の協力なしにほどうせ配分は決まらないだろうということが一つ。生活関連分野に重点配分するのだから、省庁間のシェアが変わってきて当然としていたけれども、ここへ来て威勢のよい言葉は聞かれなくなってきたというような、そういうようなことをいろ
いろ言われているのであります。これは、我々だって建設委員ですから、与党の十人委員会で決められてしまって、この取りっこをされたんじゃ、これが基礎となって将来四百三十兆円の問題がリードされていく可能性があるために我々は重視しているから、その点についてそういうことは絶対させないという決意のほどを綿貫建設大臣から聞きたいと思います。
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