日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会

1997-04-07 衆議院 全212発言

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会議録情報#0
平成九年四月七日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
  委員長 野中 広務君
   理事 甘利  明君 理事 杉浦 正健君
   理事 鈴木 宗男君 理事 中谷  元君
   理事 高木 義明君 理事 二見 伸明君
   理事 村井  仁君 理事 前原 誠司君
   理事 穀田 恵二君
      飯島 忠義君    石崎  岳君
      臼井日出男君    遠藤 利明君
      小此木八郎君    大野 松茂君
      嘉数 知賢君    河井 克行君
      瓦   力君    岸本 光造君
      栗原 裕康君    河野 太郎君
      桜田 義孝君    下地 幹郎君
      砂田 圭佑君    滝   実君
      玉沢徳一郎君    虎島 和夫君
      浜田 靖一君    林  幹雄君
      松本 和那君    茂木 敏充君
     吉田六左ヱ門君    渡辺 博道君
      青木 宏之君    東  祥三君
      一川 保夫君    神田  厚君
      佐藤 茂樹君    達増 拓也君
      永井 英慈君    西田  猛君
      西野  陽君    西村 眞悟君
      平田 米男君    川内 博史君
      菅  直人君    北村 哲男君
      玄葉光一郎君    近藤 昭一君
      山元  勉君    志位 和夫君
      東中 光雄君    古堅 実吉君
      伊藤  茂君    上原 康助君
      前島 秀行君    粟屋 敏信君
      新井 将敬君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  橋本龍太郎君
        外 務 大 臣 池田 行彦君
        大 蔵 大 臣 三塚  博君
        運 輸 大 臣 古賀  誠君
        建 設 大 臣 亀井 静香君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 久間 章生君
        国 務 大 臣
        (沖縄開発庁長
        官)      稲垣 実男君
 出席政府委員
        内閣審議官   及川 耕造君
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        内閣法制局第二
        部長      宮崎 礼壹君
        地方分権推進委
        員会事務局長  東田 親司君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  山崎隆一郎君
        防衛長官官房
        長       江間 清二君
        防衛庁防衛局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁長官 諸冨 増夫君
        防衛施設庁総務
        部長      伊藤 康成君
        防衛施設庁施設
        部長      首藤 新悟君
        防衛施設庁建設
        部長      竹永 三英君
        防衛施設庁労務
        部長      早矢仕哲夫君
        沖縄開発庁総務
        局長      嘉手川 勇君
        外務大臣官房領
        事移住部長   齋藤 正樹君
        外務省総合外交
        政策局長    川島  裕君
        外務省アジア局
        長       加藤 良三君
        外務省北米局長 折田 正樹君
        外務省条約局長 林   暘君
        大蔵省主税局長 薄井 信明君
        大蔵省関税局長 久保田勇夫君
        通商産業省貿易
        局長      伊佐山建志君
        運輸省航空局長 黒野 匡彦君
        建設大臣官房長 小野 邦久君
        建設省建設経済
        局長      小鷲  茂君
        自治省行政局長 松本 英昭君
 委員外の出席者
        安全保障委員会
        調査室長    平川 日月君
    ─────────────
委員の異動
四月七日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     岸本 光造君
  大野 松茂君     飯島 忠義君
  河井 克行君     松本 和那君
  玉沢徳一郎君     虎島 和夫君
  北村 哲男君     菅  直人君
  近藤 昭一君     川内 博史君
  古堅 実吉君     志位 和夫君
  前島 秀行君     伊藤  茂君
同日
 辞任         補欠選任
  飯島 忠義君     大野 松茂君
  岸本 光造君     渡辺 博道君
  虎島 和夫君     玉沢徳一郎君
  松本 和那君     茂木 敏充君
  川内 博史君     近藤 昭一君
  菅  直人君     北村 哲男君
  志位 和夫君     古堅 実吉君
  伊藤  茂君     前島 秀行君
同日
 辞任         補欠選任
  茂木 敏充君     河井 克行君
  渡辺 博道君     稲葉 大和君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び
 安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び
 に日本国における合衆国軍隊の地位に関する協
 定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八一
 号)
     ────◇─────
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野中広務#1
○野中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。二見伸明君。
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二見伸明#2
○二見委員 新進党の二見伸明でございます。
 いわゆる特措法に関連いたしまして、総理大臣を中心に若干の質疑をさせていただきたいと思います。
 政府は、今回の特措法改正につきまして、沖縄における十三の米軍施設、三千人余の駐留軍用地の強制使用に係る県の土地収用委員会の審理が来る五月十四日の使用期限までに間に合わないことが確実となったため、国による不法占拠状態を回避するための必要最小限の処置だと説明をされております。
 しかし、私は、この問題はそのような単純で簡単なものではないと思います。むしろ、日米安保体制を堅持するということはどういうことなのか、日米安保条約上の義務を忠実に履行する一方、日本国土のわずか〇・六%という狭い沖縄に在日米軍基地の七五%が集中しているという事実をどうするのか、そして、沖縄の置かれている現実を打開し、沖縄の基地を整理縮小してもらいたいという沖縄県民の悲痛な願いをだれが真っ正面から受け取り、取り組み、最終的な責任をとるのかという極めて大変重い大きな課題を改めて我々が問われ、突きつけられているものだというふうに私は思っております。
 その意味で、四月三日の第二回小沢新進党党首と橋本総理との会談での合意は軽いものでは決してありません。
 安保を容認している沖縄に住んでいる私の知人は、この橋本・小沢会談での合意について、私に率直にこう語ってくれました。「在沖縄米軍基地問題は、日米の関係を円滑にし、絆を強化するとともに、沖縄県民の負担を全国民が担うという考え方に基づいて解決すべきである。」といういわゆるこの二項目めです。これについては、特に沖縄県民の負担を全国民が担うということは、沖縄県民が絶えず訴えてきたことだと彼は私に言いました。
 そして、三項目めに、「沖縄の基地の使用に係る問題は、県民の意思を活かしながら、基地の整理・縮小・移転等を含め、国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備するものとする。」この三項目については、彼は、沖縄返還のときに核抜き・本土並みという言葉を信じた、沖縄の未来に大きな希望と期待を抱いたけれども、返還二十五年後、その期待は完全に裏切られたという気持ちが強い、沖縄の基地縮小というお題目は耳にたこができるほど聞かされてきた、それだけに、この第三項目のが忠実に履行されるのであればあすの沖縄に希望のともしびを見ることができるけれども、もし言葉のみあって事実行動がない場合には、沖縄県民の政府、政党、政治に対する不信感は頂点に達すると、感情を抑えた淡々とした語り口で私に語ってくれました。
 この合意は、提案した我々新進党も重く受けとめ、責任を持たなければなりませんけれども、合意された橋本総理大臣も、この合意を実現すべく政治生命をかける、そのぐらいの勢いでもって重い受けとめ方をすべきだと思いますが、総理大臣の御感想はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#3
○橋本内閣総理大臣 私は、今の議員の最後の部分についてからお答えを申し上げたいと思います。
 それぞれの党首とお話をしてまいりました。その間に、御党の党首とも十分時間をとって、むしろ十分とり過ぎて誤解を生ずるぐらいの時間をとってお話し合いをいたしました。そして、それぞれの党首とのお話し合いというものは、私はすべてが重いものだと思っております。
 そして、議員は今、日米安全保障条約というものから論議を起こされたわけでありますが、私は、間違いなしに、日米安保条約というものの義務の履行、これは日米関係の維持にとりまして必要なことだけではなく、我が国の安全の確保という点にとって不可欠なものであると思っておりますし、国家存立にかかわる重大問題であると思っておりますし、使用権原のない状態というものは何としても生じてはならないということから、今回、必要最小限度の法律案を提出をさせていただきました。
 国際社会において、引き続き不安定な状況というものが現実に存在をしております中において、日米安保体制というのは、我が国の安全の確保及びアジア・太平洋地域の平和と安定の上に不可欠なものであります。そして、政府はこの条約上の義務をきちんと履行していく責任を持つことを初めとして、今後とも、日米安保体制の信頼性の維持向上に努めていく責任があります。
 同時に、議員も述べられましたように、米軍の施設・区域が県土に七五%という非常に大きなウエートを占めてしまって、正確に申し上げますなら、国土の〇・六%しかない沖縄県に米軍基地の七五%が集中してしまっているという現実もそのとおりでありまして、これを少しでも整理、統合、縮小していく、その努力をしていくことは、沖縄県民の方々が背負ってこられた重荷を少しでも国民全体で分かち合っていく、そういう姿勢が必要であることも御指摘のとおりであります。政府としても、最重要課題と位置づけをいたしまして、SACOの最終報告の着実な実施に全力を挙げてまいらなければなりません。
 さらに、駐留軍用地の取得に関する事務、これは現在一つの仕組みを持っているわけでありますけれども、我が国の生存と安全を確保する上から、重要かつ高度の公共性を有する米軍の活動の基盤にかかわるもの、さらには我が国が日米安保条約上負う義務の履行に関するものでありますから、本来国が執行責任を負うべき性格のものでございます。そういう認識も持っておりますし、かつて本院におきまして、山口那津男議員の御質問に同様の趣旨のお答えを私はいたしております。
 その上で、そのあり方につきましては、現在、地方分権推進委員会が調整中としておられる事務の一つでございます。政府の責任者として、分権推進委に審議をお願いをし、そのお答えを待つというのがその立場でありますから、地方分権推進委からの御意見なども見ながら幅広く検討していくべきことと考えております。
 御党党首との会談におきましても、私からはこうした考え方をるる申し述べてまいりました。
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二見伸明#4
○二見委員 私は、やはり安保条約上の義務を忠実に履行しながら沖縄の現状を打破する、そのために今回の合意は非常に重要な意義を持つと思いますし、その具体的な行動としての第三項目め、「沖縄の基地の使用に係る問題は、県民の意思を活かしながら、基地の整理・縮小・移転等を含め、国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備するものとする。」というこの発言は非常に重いものだと思いますし、これを忠実に履行できなければ、沖縄の県民の失望というのはより深く大きいものになるだろうというふうに思っております。
 ところで、合意第一項目は、「日米安全保障条約は、我が国の安全保障を確保するという国の根幹に関わるものであるという共通の認識に立ち、政府が同条約上の義務の履行に最終的責任を負う。」こう宣言しました。私は非常に大事な合意だと思います。条約上の義務の履行とは具体的に何を指すのか。私は、米軍に基地を安定的に提供するということが義務の履行の中核に据えられているのではないかと思いますけれども、総理大臣の御見解はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#5
○橋本内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、我が国は、日米安全保障条約のもとにおきまして、米軍の我が国への駐留のために必要不可欠であります基地、区域というものを提供する義務を負っております。仮に、我が国がこの義務の履行に支障を来す、あるいは米軍による施設・区域の安定的な使用が困難な状態になり得るような事態が生ずることになりますならば、米軍の運用にこれは支障を生じる、日米安全保障条約自体の信頼性が大きく損なわれる事態となりかねない、そのように私どもは思います。
 こうした意味から、施設・区域の提供というものは我が国が負っている極めて重要な責任でありますし、施設・区域として提供をいたしております土地の使用権原が失効する事態、こうした事態はどんなことがあっても避けなければならないと考えております。
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二見伸明#6
○二見委員 一部政党は日米安保反対をしております。他の政党は日米安保堅持を主張しております。かつて自衛隊違憲論を党の基本政策として反安保の主張をしてきた社会党が、村山政権誕生と引きかえに基本政策を百八十度転換しました。
 平成七年一月のクリントン・村山共同記者会見で、村山総理大臣は、日米安保体制を堅持する重要性は共通認識である、アジア・太平洋地域の平和と繁栄のため、日米両国が一層の協力を推進していくことを改めて確認した、こう述べられました。大変格調の高い立派な言葉であります。その具体的な行動は、今総理の御答弁がありましたように、例えば基地の安定的提供がその大きな役割であります。
 政府が責任を持って、安全保障問題は我が国の根幹にかかわることである、場合によっては、つらいことではあるけれども、政府が最終責任をとる、こう言い切った政党がどこにあるのかと私は申し上げたいと思います。
 アジア・太平洋地域の平和と繁栄のため、日米両国が一層の協力を推進していくことを改めて確認したと高らかにうたいとげた政党が、じゃ、具体的に基地の問題で体を張っているかと私は言いたいんです。それが政党のつらいところであり、政治家のつらいところなんです。
 特に基地の問題で、日米安保条約上の義務を履行するということは、履行に最終的な責任を負うということは、必ずしも人気のいい、口当たりのいいことではありません。不人気ではあっても逃げずにやるというのが、これが政治の立場なんです。そうすることによって、日本が国際社会で信頼、信用されることになるし、日本の平和と安全が守られることになる。
 政党や政党のリーダーはテレビ番組のタレントじゃないんです。国民の人気取りだけを考えて判断、行動するならば、二十一世紀の日本は惨たんたるものになってしまうと私は憂えておりますけれども、橋本総理の御所見はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#7
○橋本内閣総理大臣 私は、他の政党がそれぞれにさまざまな御主張をかざしておられることを批判するつもりはございません。
 ただ、私から繰り返し申し上げたいことは、日米安全保障条約というものが、我が国にとりまして一番大切な外交関係である日米関係の基盤をなしているという事実は、どなたもお認めがいただけることだと思います。
 そして、その日米安全保障条約の目的を達成していくために、我が国に駐留する米軍に対し、施設・区域を円滑かつ安定的に提供する、そしてその条約上の義務を我が国が果たす、これは、日米関係の維持はもちろんのことでありますけれども、我が国自身の安全の確保にとっても不可欠なことであり、我が国の存立基盤そのものにかかわる重大な問題だ、私はそう考えております。
 去る三月三十一日に記者会見をいたしましたときにも、私は同様の趣旨を申し上げてまいりましたが、政府として、そうした事態を踏まえた上で、必要最小限度の措置を今回御審議をいただいておるわけであります。
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二見伸明#8
○二見委員 私は、沖縄の基地の問題で、今日こういう状況に追い込まれたことについて、若干過去にさかのぼって検証しながら述べたいと思います。
 村山総理大臣が使用認定をしたのは平成七年五月九日だったと思います。日時に間違いがありましたら失礼いたしますけれども。防衛施設局長が直ちに裁決申請の書類作成に入りました。平成七年六月三日、四日に、所有者等の立ち会い、署名押印が行われた。平成七年六月十二日から七月七日にかけて、一都市町村長による署名押印が行われた。
 ところが、九月四日にあの極めて不幸な事件が起きた。アメリカ軍兵士による野獣のようなあの蛮行、今でも思い出すたびにはらわたが煮えくり返るような、血が逆流するような思いが今でも私はいたします。
 新進党は、この事態に対して、直ちにこの部分に関する地位協定の見直しを要求しました。これは私と鹿野道彦さん、二人で官邸に行ったんです。よく覚えています。そのときの村山内閣の反応は、非常に鈍いというか、冷たいものを感じました。
 当然、沖縄県も直ちに上京して、この問題についての厳しい申し入れをされました。私は後日沖縄の関係者から聞いたんですけれども、そのときの内閣の対応は、これが同じ仲間の日本人かと思うほど冷たいものだった、こう言っておりました。これが、本来ならば順調に作業が進められたかもしれないけれども、沖縄の県民感情に火をつけたというか、今日の事態に追い込まれた最大の原因はこの日の政府の対応にあった、これは否定できません。
 九月二十九日、大田知事が署名押印を拒否した。しかも、条件闘争ではないと大田知事は言い切った。その瞬間、政府のやるべきことは何か。村山さんにとっては、つらいことだろうけれども、総理大臣勧告など法の定める手続を着々と進める以外になかったんだと私は思う。もちろん大田知事やあるいは沖縄の方々と話し合うことは、これは大事なことです。だけれども、事務手続は着々とやるべきだったんだろうと私は思います。
 ところが、村山さんは、何もやらないだけではなくて、絶対に代理署名はしない、政府の命運をかけて話し合う、こう言った。これでは間に合いませんよ、むしろ法の手続に従って着々と作業を進めてくださいと忠告をした政府高官を十月十九日、おまえの言うことは政府の方針と違う、やめろと事実上首にしたんです。
 そして、首にしてから三十五日後の十一月二十二日に、やめろ、昔でいえば切腹だ、切腹を命じた人が、切腹させられた人の忠告をそのとおりやらざるを得なくなった。十一月二十二日、村山総理大臣は大田知事に勧告を出さざるを得なくなった。
 政権の、政府の命運をかけて話し合う、最後までそれをずっと履行すればいい、それが政治家でしょう。変えるなら変えて構わない、首にした人はどうするんです。あなたの言うとおりだった、申しわけなかった、大臣として入ってくれと言うならわかるよ。首をたたっ切っておいて、おれは知らぬ、こんなばかな政治をやっているから日本は笑われる。これでは、正しいことを言って、忠言耳に逆らって切腹をさせられた人は浮かばれませんわ、これは。
 私は、こういう無責任なことが今日の事態に至っているんだし、それはまた、別のところで三つの点からやはり大きな問題を投げかけていると思う。
 命運をかけて話し合うという言葉を信じた沖縄県民、これは失望以外の何物でもない。
 アメリカの立場からすれば、超法規ではなくて、法律で定められた手続をたんたんとやれない日本とはどういう国なのか、こういう不信を与えることになる。
 もう一つ。国民に法律を守ってもらう最高責任者、それが総理大臣だ。法律で総理に課せられた行政手続という職務を、一部の反発をおそれ、つらいことだからといってやろうとしないことは、これはどういうことなんだ。結局、法律でどういうことを決めても、口当たりのいいことはやるけれども、口当たりの悪い、人気の悪いことはやらぬ、そういうことになるじゃありませんか。
 この一連の事件はまだ総理も御記憶に新しいと思います。だれかれを責める、言いにくいでしょうけれども、これが今日の事態を招いた大きな原因の一つだと私は思いますけれども、総理の御見解を承りたい。
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橋本龍太郎#9
○橋本内閣総理大臣 多少違いますのは、私の記憶では、村山内閣の際、この問題についての手続を開始したのは七年の三月三日からであったと存じます。
 ところが、今議員が御指摘になりましたように、九月に至りまして、大変不幸な事件が発生をいたしました。そして、私は、当時政府がとりました対応が万全であったと申し上げるつもりはありません。殊に、発生した問題について、地位協定の見直しまで求められました県側の関係者の声に対し、その地位協定の範囲内でできるかできないか、できなければ地位協定の見直しまで含めてやらなきゃならぬという思いが全く伝わらず、現行地位協定は動かさないという意思の方が先行した形で県に伝えられましたことは、その後の事態
を非常に複雑なものにしたことを、省庁こそ別であれ、閣内におりまして心配をいたしておりました私どもとしても痛感をいたしております。
 そして、その後、でき得る限りの努力をし、軌道に乗せようとし、また県側もある程度その姿勢を変えていただき、協力もいただきましたけれども、最近に至りまして、収用委員会の作業日程から、どうしても五月十四日には使用権原の取得が可能になり得ないという判断の中で、必要最小限の今回改正法を提出させていただかざるを得ない羽目に至りました。
 そのプロセスにおいて政府として反省すべき点のあることは議員の御指摘のとおりでありますが、同時に、七年三月に手続を開始いたしました時点で、九月に不幸な事件というものが起こるという予測を持って日程を決めてはいなかった、過去三回の実績というものから、十分な余裕を持ってスタートしたものであるということはお認めをいただきたいと存じます。
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二見伸明#10
○二見委員 私は、結局今日の事態に立ち至った大きな原因は、村山内閣の無責任な態度以外の何物でもないというふうに今でも思っております。当時、村山内閣の閣僚として協力していた人、あるいは村山内閣を支える政党の幹部として協力してきた人も、その責任を厳粛に受けとめてもらわにゃ困る。この無責任な態度に関係がなかったのは、恐らく新進党と太陽党と日本共産党だけだ。そして、今大臣を出していないから、閣外に去ったからといって気楽なことを言っているようでは、沖縄の前進はないと私は思っております。
 ところで、今回の合意が誠実に履行されると、沖縄の基地は整理縮小に向けて具体的に動き出すことになります。と同時に、日米間のきずなは深まり、日本の平和と安全、アジア・太平洋の平和と安全に一層寄与することになります。沖縄のためにもいい、日米間のきずなは深まる、これが今回の橋本総理と小沢党首との合意の大きな流れであり、考え方だというふうに私は思います。
 当然、民主社会ですから、この合意内容についてさまざまな意見があって当たり前、賛否両論、いろいろな意見があって当たり前であります。私は、日本の平和と安全、沖縄基地の整理、縮小、本土移転、こうした観点からの活発な意見を伺いたいし、厳しい御批判も期待をしているわけでありますけれども、ところが、私は四日の新聞を見てびっくりした。御党の一部の中には、自社さ連立の枠組みを壊すから反対だ、随分低次元な物の見方しかできないんだなというのが私の率直な印象であります。
 単に党利党略、派利派略、小沢は嫌いだ、新進党は嫌いだ、そういう貧しい発想で、それでしか物を見られない、それでしか考えられない。もしか政治がそういうものであったならば、二十一世紀の日本なんというのはつまらぬ国になってしまうと私は思う。日本の将来を見据えた各党間の議論が当然あってしかるべきだ。
 総理、どう思います。よし、ここはむしろこういうふうに補強をしょう、ここはこういうふうにした方がいいだろう、いろいろな建設的な意見が出てくるならともかく、自社さ連立の枠組みが崩れるから、これは次元が低いな。自社さ連立の枠組みよりも、日本の国、日本の社会、その方が何十倍も大事だと私は思います。総理の御見解をいただきます。
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橋本龍太郎#11
○橋本内閣総理大臣 私は、従来から、本当に重要な政策課題について基本的な考え方を一つにするならば、党派、会派、個人を問わず、ともに仕事をすべき道を閉ざすべきではないということは、何回も申し上げてまいりました。まさに今、日米安全保障条約上の義務の履行、それがどういう姿になるかという点で大変大事な議論をお願いをしているわけでありますし、私自身、各党各会派の御理解を得るように最大限努力をしてまいりましたし、また、これからもお願いを申し上げていきたいと思います。
 私は、マスコミにさまざまな報道があることを存じておりますけれども、どこの政党にもありがちなそうした問題を、特定の政党だけの名前を挙げて嘆じてみても始まらない、お互いがそれだけのレベルでの議論をしていきたい、そう思います。
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二見伸明#12
○二見委員 安保を容認しながら、不法状態、失権状態になってもよいと考えている方がいます。特措法に反対だという人であります。沖縄の基地を失権状態に置くことによって、基地縮小など沖縄県が期待する方向で新しい展望が開けるでしょうか。これは防衛庁長官。
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久間章生#13
○久間国務大臣 失権状態になりますと、土地の明け渡し、あるいはまた立ち入りの要求、いろいろな問題が出てまいりまして、大変混乱する危険もあるわけでございます。そういうふうになりましたときに、現在私どもは、SACOの最終報告を受けて、できるだけ基地の整理、統合、縮小、こういった方向に努力しなければならないとやっておりますけれども、こういう混乱が起きてまいりますと、またそこに新たな問題が起きることになるわけでございまして、決してそういう意味ではいいことにならない、そういうような気がいたします。
 したがいまして、どうしてもその失権状態だけは避けなければならない、そういう中で今回の提案をさせていただいたわけでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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二見伸明#14
○二見委員 四月四日の衆議院の本会議でもって社会党の某議員が代表質問に立ち、この特措法について、憲法に違反し、民主主義を破壊する暴挙だ、こうお述べになった。
 政府は、別に内政干渉する気はありませんけれども、憲法違反の法律を出したと言われているところとこれからも連立を組むというのは、大変勇気のある……ヤジ支離滅裂な行動だなと思います。私は、反対することはいろいろあっても構わない。憲法違反だと決めつけられて、それで連立を組むその神経の太さというか、寛容さというか、私は大変不思議に思っているわけであります。
 内政干渉にならないようにお尋ねをしたわけですけれども、多少内政干渉になったかもしれぬけれども、その点はお許しいただいて、御答弁いただきたいと思います。
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久間章生#15
○久間国務大臣 今回の法律案につきましては、私どもも十分に内部で検討して、決して憲法のどの条項にも違反するものではないという確信を持って出しております。議会で質問があります場合にも、その旨答弁したとおりでございます。
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二見伸明#16
○二見委員 それはわかっている。ところが、連立を組んでいる一つの党から憲法違反だと言われて平気な顔をしている。それは私はおかしいと思う。総理はいかがですか。
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橋本龍太郎#17
○橋本内閣総理大臣 今、平気な顔と言われましたが、憲法違反と言われて平気な顔をしているほど私は無表情ではないだろうと思います。
 その上で、どう政党対政党の間の関係が形づくられるか、それは、現在内閣として御審議をいただいている法案のその内容についての問題とは別のことでありましょう。
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二見伸明#18
○二見委員 特措法というものは、沖縄の基地を使用するためのものであって、沖縄の基地を縮小する、整理する、まして、沖縄の負担を全国民が担うという立場から基地を本土に移転することを可能にする法律ではありません。したがって、今回の改正のみでは、政府は否定しているのですけれども、沖縄の基地の固定化につながるおそれは十分にあるのです。そんなことありませんというふうにもうずっと聞いているが、実際には、それはある。固定化につながらないためには別の手だてをしなければならないんだ。これだけでは基地は固定化するんだ。決まっているのですよ。固定化させないためには別の手だてが必要なんだ。
 それで、防衛庁長官、今回の措置は必要最小限度と言っている。ということは、まだ改正したい点は多々あるということですね、これは。どうでしょう。
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久間章生#19
○久間国務大臣 その前に、この特措法は沖縄に適用する法律だというように委員おっしゃられましたけれども、これは昭和二十七年にできた法律でございまして、沖縄復帰前から我が国全体に、要するに駐留軍地として提供する施設がいわゆる賃貸借契約で同意を得られない場合に、その残った方々の土地を強制使用できる法律としてできた法律でございまして、今回の改正もその法律の改正を行っているわけでございますから、沖縄だけに適用する法律でないということは重ねて申し上げておきたいと思います。
 なお、今委員、必要最小限と言っているからには、それ以外のことがいろいろあるんじゃないか、そういうふうにおっしゃられました。
 確かに、私どもも、行政を執行する上において現在の法律だけでいいかどうかいろいろ勉強はしてまいりました。しかしながら、そういういろいろな勉強をしながらも、法律は最終的には国会においてつくっていただくわけでございますから、国会の議論の行方あるいはまた国民世論の動向、そういったものもいろいろとしんしゃくしなければならないわけでございます。
 そういう中で、五月十四日のこの期限切れだけは、やはりどうしても無権原状態にはするべきでない、これは我が国のために大変なことになるということで、これ一点に絞りまして、しかも、収用委員会に今かかっておるわけでございますから、その収用委員会の権限を侵すものではなく、また、その間における市町村あるいはまた県、こういったところの権限等にも触れることなく、ただこの一点だけに絞って、その期間中だけは無権原状態をクリアさせてもらいたい、そういうことでしたわけでございます。
 では、ほかにどんなのが、いろいろなことあったかとおっしゃられるかもしれませんけれども、勉強の過程においてはいろいろございました。
 例えば、今回、やれ三千名の反対がおるじゃないかとおっしゃられますけれども、これは五十七年までは一人もいらっしゃらなかった。要するに、百十数名の在来地主の方がいらっしゃいましたけれども、六十二年に申請をしましたときにはこれがとにかく膨大な数に上っておった。
 それはなぜかといいますと、強制収用じゃなくて強制使用がこの法律の原則になっておりますために、土地は幾らでも共有をすることができることになっております。
 こういう状態になりますと、この次、今度例えばこの五年後とか十年後になりましたときには、これが一万人になるあるいは二万人になる、そういうことだって理論的にはあるじゃないか、こういうことで一体いいのだろうかといういろいろな議論はいたしましたけれども、ここでは少なくとも収用委員会あるいは県あるいは市町村、そういった権限その他についてはとにかく触れないで、とにかく我々としては、五月十四日のこの現在の状況をやはり無権原状態で迎えたならば大変なことになるというこの一点に絞って出させていただきましたので、必要最小限だということで言ったわけでございます。
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二見伸明#20
○二見委員 その限りで必要最小限だということは、再三の御説明でよくわかっています。これですべてオーケーではないでしょう。当座はそうだけれども、本当はもっとやらなきゃならないことがあるのでしようと私は申し上げたいのです。いいですね。
 実は、今回は必要最小限の措置であるけれども、中長期的には、沖縄の立場から考えれば、基地の整理、縮小、本土移転も含めたそうした仕組みをつくらなければならない、そういうことを今本気になって考えなければならないときが来ていると思うのです。だから、橋本・小沢会談の三項目めでは、「沖縄の基地の使用に係る問題は、県民の意思を活かしながら、基地の整理・縮小・移転等を含め、国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備する」こういうことになったんだ。
 私、きのうの各社のテレビを見ていました。びっくりした。御党の加藤幹事長は法律をつくることではないと。沖縄の基地の整理、縮小、本土移転、こんな大きなことを法律の裏づけのない仕組みでできるわけないでしょう。法律をつくればそれですべて解決ではない、しかし法律の裏づけのない仕組みなんていうものは沖縄県民が信用するわけありませんよ。それをてんから、法律は要らない、法整備要らない。これはやらないというのと同じじゃないか。
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久間章生#21
○久間国務大臣 いえ、決して法律をつくらないと決めつけたわけではございませんで、私もあれを見ておりましたが、この三項目が法律をつくるということだというふうに言われると、必ずしもそうではないというようなことであの発言をしておられたというふうに私は受けとめました。
 これは、これから先、各党各会派いろいろな議論があろうかと思いますけれども、そういうのをやはり参考にさせてもらいながら、政府としても、どういう形で沖縄のいわゆる基地の整理、統合、縮小等についてやっていけばいいか。これから先も私どもも一生懸命努力していきたいと思いますけれども、法律ができたからといって、逆に言えば、今委員がおっしゃられましたとおり、やはりいろいろなまた御理解がなければできない点があるわけでございますので、これが即法律である、そういうふうに必ずしもとれないんだということを発言されたというふうに伺っております。
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二見伸明#22
○二見委員 法律が万能ではありません。しかし、法律も必要です。そのために知恵を出すのが我々の使命だろうというふうに私は思います。
 ところで、もう一点、非常に基本的なことをお尋ねしますけれども、今回の改正で明らかになった問題点というのは、国の根本である防衛問題が知事や県収用委員会の対応に左右されることの妥当性なんです。四月三日の予算委員会の集中審議で我が党の村井議員がこの問題を提起した。四日の衆院本会議でやはり我が党の坂口議員がこの問題を提起した。これはまさに大きな、根本にかかわる本質的な問題だと私は思います。この問題はあいまいにはできない。
 一切の形容詞、修辞句を捨てて結論的に言いますと、選択肢は二つしかない。一つは、国と県で話し合ったけれども、立場の違いを埋めることが最終的にできなかった。その場合に、県の立場に立って判断をする、こういう選択が一つあります。もう一つは、国と県でとことん話し合った。どうしても立場が埋められない。その場合には、安全保障にかかわる問題は我が国にとって最も基本的な大問題であるので、安全保障上の義務の履行を優先せざるを得ない、最終的には国が判断しなければならない。わかり切ったことだけれども、これは意外と大事なんだ。いかがですか。
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橋本龍太郎#23
○橋本内閣総理大臣 議事録をちょっと使うことをお許しをいただきたいと思うのでありますが、私自身がそうした御論議を最初に受けましたのは、やはりこの衆議院の予算委員会、御党の山口那津男議員の御質問でありました。そのときに、私は実はこういうふうなお答えをしております。
 私は、こういう問題は法律制度として仕組みをつくればそれで全部解決するという種類の問題ではないという思いがいたします。なぜなら、かつて、成田空港に関連する自治体の土地収用委員の方々が総員辞退をされ、補欠が選任できないという状況が生じたことがございました。仕組みをつくりましても、そこに人が要るという意味では、私は、必ずしも法律制度だけの問題だとは思っておりません。
 しかし同時に、国の行わなければならない業務、そして地方にお願いをすべき業務、いわゆる地方分権の議論の中から、本来条約の義務を履行していく責任は国でありますから、そうした場合に対応し得るような法的な方途を検討しておくべきであったし、これからも検討をすべきであるという御指摘に対しては、私も素直にそのとおり、そうした必要性を排除するものではないということだけはお答えをしておきたいと思います。
 この問題について私が最初にお答えをしたこれが答弁であります。
 そして、まさに駐留軍用地特措法に基づく駐留軍用地の取得に関する事務、これは、先ほど来申し上げておりますように、我が国の生存と安全を
確保する上で極めて重要かつ高度の公共性を有する米軍の活動の基盤にかかわるものであります。さらには、我が国が条約上負う義務履行に関するものでありますから、本来国が執行責任を負うべき性格のものだと私も思いますけれども、それは現在の仕組みにおいては機関委任事務になっていることも議員御承知のとおりであります。
 そして、そのあり方につきましては、地方分権推進委で既に第一次勧告の際に検討中とされている項目でございますから、この地方分権推進委員会からの御意見も見ながら幅広く検討していきたいと考えておる、先ほどお答えを申し上げたとおりです。
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二見伸明#24
○二見委員 私は、四月三日のあなたの村井さんへの御答弁の中で、総理の答弁で、条約上の義務を履行する責任は国にあるという視点を持つことを否定するものではない、その視点から法制度を整備せよとの意見には耳を傾けたい、今後、地方分権推進委員会からの答えを待って行動する、こういうふうに答弁されました。非常に示唆に富んだ答弁だなと思っております。そうすると、機関委任事務というのは廃止の方向で検討されているのか。
 実は、機関委任事務が廃止されたときどういうことになるかというと、まだ中間的な段階なのでそうなるかどうかわからないけれども、国が直接執行するということと、もう一つは、法定受託というのですか、国と地方自治体が話し合いをしてこれをやってくださいと、これは一種の契約だ、そういうものでやる場合と二つに分かれる。その場合に、安全保障の問題にかかわることが法定受託というのになじむのかどうか。
 もちろん、直接執行するというふうに決めたからといって、何でもかんでも、地元の意見を何も聞かない、お上の言うことはすべてなんだという、そんな強権的なことは、幾ら国が直接執行するとしてもそんなことはできるものじゃない。やはり総理がきちんととことんまで話し合いをするんだろう、せざるを得ませんけれども、過程の、そういう中間的ないろいろなことは別として、機関委任事務が廃止されたときには、法定受託というのではなじまないのではないか。県民の意思を踏みつぶすという意味では全くないけれども、直接執行というふうにならざるを得ないのではないかというふうに考えておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#25
○橋本内閣総理大臣 私は、少なくとも地方分権推進委に仕事をお願いをしている、そのお願いをした責任者であります。どちらか一方に御議論を誘導するつもりもありませんし、分権委が責任を持ったお答えをお出しをいただき、その上で、その結論を最大限尊重しながらそれを現実のものにしていく責任者として、ここでそれについての意見は控えるべきであると存じます。そうした立場は、どうぞこれは御理解をいただきたい。
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二見伸明#26
○二見委員 税の議論を前、予算委員会でよくやりましたよね。税制については、必ず総理大臣は、これは税制調査会で、税調で議論をするものですからということで答えられなかった。しかし、この国会での、この場での議論が税調の答申に反映はされますよということも、その時々の総理はおっしゃられた。最終的にどこが責任を持つのかというある面では非常に厳しい問いかけは、我々が逃げるのではなくてここで議論をする以外にはない、この国会での議論が推進委員会の方の勧告に反映されてくるものだというふうに私は思っております。
 いずれにいたしましても、この特措法の改正案というのは、よく言えば必要最小限度、悪く言えば、これを改正したからといって沖縄の基地の現状は何ら変化はない、好転はしない、沖縄の県民が期待するような方向での展開はない。それは先ほど、くどいようですけれども、橋本・小沢会談での合意事項を忠実に履行することによって沖縄に新しい未来が開けてくるものだというふうに私は思っておりますし、いろいろ御意見は、どこでもこの問題は御意見はある。しかし、この合意を結んだときの原点というものをお互いに思い起こしながら、安保条約上の義務を忠実に履行すると同時に、基地の中に島があると言われた沖縄の現状を本気になって変えていく仕組みをつくる必要があるということを申し上げたいと思います。
 最後に、やはりこの沖縄の基地の問題で海兵隊の削減問題がよく出てまいります。私は、この問題を整理して申し上げたい。
 私は、海兵隊の削減、撤退、現時点での判断と中長期的な判断と、これは区別されるべきだ、今はこうだけれども中長期的にはこうなる、判断は変わることは当然あり得るというふうに思っております。また、あり得るようにしなければならないとも思っています。
 まず、私は、現時点での日本を取り巻く不安定な国際情勢下では、海兵隊の存在は必要だと考えています。もし直ちに海兵隊を削減しろというのであれば、その穴を埋めるために日本が何をやるかということを明らかにしなければなりません。今、日本にその準備もないし、そういう要請もありません。現時点では海兵隊の存在は必要だと思います。
 しかし、現在の国際情勢が今後中長期にわたって固定的に推移すると決めつけるべきでもありません。例えば、米軍のプレゼンスを現時点が一〇だとする。しかし、日本を初めとする各国の外交努力によって、アメリカのプレゼンスは五でもって十分軍事バランスがとれるという国際情勢になったときには、海兵隊三個のうち一個をあの地域に置いておく必要があるのか、当然アメリカ国内でも出てまいりますし、日本でも具体的な問題としてアメリカと協議できる。削減、撤退は、そういう状況になれば、これは私は可能だと思います。
 それは、何年何月というふうに日限の切れるものではない。ということは、海兵隊の問題を論ずるときには、急がば回れではないけれども、まず現時点での不安定要因を消していく努力、なかんずく朝鮮半島での不安定な情勢を解消する、これを最優先でやらなければ、海兵隊の削減、撤退は、口で言うことはできるけれども、アメリカと協議する、土俵にのせる、そのための十分なこちら側の理論武装はできないと思います。
 そうなると、やはり大事なのは、この地域の不安定要因を本気になって消していくという日本の地道な、真摯な外交努力以外にないと思います。そして、もし何年か後にそういう事情になり、ここに海兵隊を置かなくて済むような状況になった場合には、普天間は要らないし、あるいは海兵隊が使っていたキャンプ・ハンセン等々多くの基地が不必要になってぐると私は思います。それは、時間はかかるし、きょうあすのことではないけれども、それに向けて努力するのもやはり我々政治家の役目ではないかというふうに考えているところでございます。
 大変漠とした質問、漠とした話になりましたけれども、最後に、橋本総理の御見解を伺って、あるいは外務大臣の御見解を伺って、じゃ、外務大臣に御見解をいただいて、それから、結論的に同じようなことになると思うけれども、総理大臣の御答弁を。
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池田行彦#27
○池田国務大臣 委員御指摘のとおり、これからの中長期的な国際情勢、とりわけ我が国の周辺地域の安全保障をめぐる状況はどうなるか、これによりまして、当然、それに備える我が国のあるいは米国その他この地域に関心を持つ国の態勢というものも、それは変化はあり得るわけでございます。そしてまた、その変化があり得る、情勢がどう推移するかを見るだけではなくて、主体的にこの地域の情勢を安定化させるための努力をしなくちゃいけない、そのとおりだと思います。
 そういった意味で、私どもといたしましても、バイラテラルの関係でまず日米でよく協議しながら、それを踏まえてさらにこの地域内の国々と機会のあるごとにその安定化のための努力をしているところでございますし、また、多国間の仕組みとしても、ASEAN地域フォーラムなんというものが今信頼醸成の仕組みとして、さらに進んで予防外交の場所としての役割を増してきているところでございますので、今後ともいろいろ努力はしてまいりたいと存じます。
 そして、当然駐留米軍の問題につきましても、そういった中長期的な情勢の変化に応じて、どのような防衛政策あるいは軍事態勢が適切であるかということについては日米間で協議していくものでございまして、このことは、昨年の四月の首脳会談で出されました日米安保共同宣言においても、あるいは年末の2プラス2の際にも明確に書いておるわけでございますし、我々もそういったことを進めてまいりたいと存じます。
 ただ、現時点では、委員も御指摘になりましたけれども、この地域の情勢の不安定要因あるいは不確定要素というものを考えますと、海兵隊も含めまして今日本に駐留いたします米軍の態勢なりレベルというものを、今それを削減とかそういったことを提起するというのは、これは適切でない、こう考えている次第でございます。
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橋本龍太郎#28
○橋本内閣総理大臣 池田さんが今述べられたことを繰り返すことになりますけれども、まさに昨年クリントンさんと話し合い、その上で日米安全保障共同宣言を発出をいたしました。そして、その中には、国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応し、両国の必要性を最もよく満たすような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢について、米政府と緊密かつ積極的に協議を継続していくという文言が入っております。
 そして、我々は、本当にそういう対話ができるような状況、そして、アジア・太平洋地域の情勢の安定、改善を図るべく、当然ながら、二国間対話、多国間の枠組みにおける外交努力を一層強化してまいりますし、各種の安全保障対話や地域協力の促進を図るなどといった努力をしながら、この今申し上げました共同宣言の文章に沿った論議ができる状況をつくることに全力を尽くしていきたいと思います。
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二見伸明#29
○二見委員 沖縄振興策について若干承りたかったのでありますが、時間も参りましたので、これで終わります。
 この問題、沖縄振興策につきましては、後日、新進党の白保議員、仲村議員がここで総理並びに関係大臣にお尋ねをいたす予定でございますので、どうか真っ正面から沖縄の声を受けとめていただき、具体的なお答えをいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
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