文教委員会

1997-05-08 参議院 全143発言

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会議録情報#0
平成九年五月八日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 五月七日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     梶原 敬義君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         清水嘉与子君
    理 事
                小野 清子君
                鹿熊 安正君
                石田 美栄君
               日下部禧代子君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                馳   浩君
                菅川 健二君
                林 久美子君
                山下 栄一君
                梶原 敬義君
                本岡 昭次君
                阿部 幸代君
                江本 孟紀君
                堂本 暁子君
                長谷川道郎君
       発  議  者  馳   浩君
       発  議  者  石田 美栄君
       発  議  者  山下 栄一君
       発  議  者  本岡 昭次君
   委員以外の議員
       発  議  者  南野知惠子君
       発  議  者  木宮 和彦君
       発  議  者  上山 和人君
   国務大臣
       文 部 大 臣  小杉  隆君
   政府委員
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省生涯学習
       局長       草原 克豪君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省教育助成
       局長       小林 敬治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青柳  徹君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○学校図書館法の一部を改正する法律案(南野知
  恵子君外七名発議)
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清水嘉与子#1
○委員長(清水嘉与子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、山本正和さんが委員を辞任され、その補欠として梶原敬義さんが選任されました。
    —————————————
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清水嘉与子#2
○委員長(清水嘉与子君) 学校図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小野清子#3
○小野清子君 自由民主党の小野清子でございます。
 教育問題が連日新聞をにぎわしておりまして、特に子供たちの、書いたものを読むといいますか、テレビ等を見ることと違って、書いたものを、本を読むということからの離れが大変大きく問題になっております。一方、大臣からもお話がありますように、自分が自分の世界の中で書を読み心を膨らませていくということは、やはり個の確立あるいは想像力豊かな子供たちの発達の中に欠くことができない分野ではないかと思います。そういった観点から考えまして、学校図書館法の一部を改正する法律案、議員立法でいろいろ御苦労をされ御提出をされましたことに心から敬意を表する次第でございます。
 今回提出されました法律案は、過去に提出をされました学校図書館法の一部改正を踏まえながら関係者の協議の上にでき上がったと伺っておりますけれども、この法案提出までの経緯について少々お伺いをしたいと思います。
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木宮和彦#4
○委員以外の議員(木宮和彦君) ただいま小野先生から図書館法につきまして大変御理解のあるお言葉をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 実は、この学校図書館法というのは、昭和二十八年に議員立法で議員が発議いたしまして成立した法律でございます。そして、学校図書館の整備充実を目途とした画期的な法律と言われております。
 ただ、この学校図書館法では、学校図書館に欠くことのできない司書教諭の設置について、第五条の第一項には置かなくちゃならないと書いてあるのでございますが、附則の第二条に当分の間置かないことができると、こう書いてございまして、その猶予措置が附則で規定されていまして、今日までそれが約四十年間改正されないで、置かなくてもいいということになっております。そこで司書教諭の設置率が極めて低い率にとどまっているのが現状でございます。
 この司書教諭の設置が進まなかったことにつきましては、この附則の存在のほかに関係者の意識の低さやその他の要因が考えられますが、いずれにいたしましても、このような現状を打破して学校図書館の再生を目指すべく法案をきょう提出した次第でございます。
 そのために、過去の一部改正法案が廃案になつた経緯等を十分に研究し、実はこれは五回にわたって法律案が提出されましたが、一度は衆議院だけ可決され、また参議院だけで可決されたこともございますが、法律そのものは可決するに至りませんでしたので、平成七年から各党各会派からの調整を進めていろいろと検討を行ってまいりました。
 平成八年の第百三十六国会において、連立与党に属する議員を発議者として今回と同様の法案を提出しましたが、趣旨説明を行ったままで継続審議となり、同年の九月二十七日には衆議院の解散がありまして廃案になっております。
 今回は、前回の提出会派以外の方々にも法案の趣旨に御理解をいただいて、ともに国会提出に至ったわけでございます。本法律案が学校関係者や教育委員会関係者、文部省等の意識改革の契機となることを強く期待しております。
 以上でございます。
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小野清子#5
○小野清子君 大変な御苦労の積み重ねの中で今参議院の中でこのように審議が行われるということに、心から改めて御労苦を多としたいと思います。
 今回の法案では司書教諭は兼任となっているようでございますけれども、他の教科を指導しながら学校図書館の仕事に携わるということはかなりの負担になるのではないかというふうな感じがいたします。片や、教員の削減の問題がこれも連日行財政改革の中で出ておりますけれども、将来、いわゆる専任の司書教諭を制度化すべきという意見ももちろんあるわけでございますが、現状等をかんがみながら、どのようにこの点をお考えになっていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
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木宮和彦#6
○委員以外の議員(木宮和彦君) ただいまの問いにお答えをいたしたいと思います。
 司書教諭が教諭として授業を担当するか否かということにつきましては、法制上の規定は全くございません。各学校が校務分掌の上で工夫をして、司書教諭の授業時間数をなしにして図書館に専念されているという例も、数は少ないんですが現在でも幾つかの学校において見られております。しかし、制度としてすべての学校で司書教諭を学校図書館専任とすることについては、現在の段階ではいろいろな困難があると思います。
 まず第一に、学校においてはどの校務分掌も子供の教育指導と深いかかわりを持っておりますので、教職員の協力体制を確保する必要があることから、教務主任あるいは学年主任という校務分掌がございますが、なども校務分掌によって学校の運営が行われている状況であり、他の校務分掌との関係で十分な検討が必要だと思います。
 さらに、教職員にかかわる教職員としての免許資格あるいは養成制度、人材確保、国の厳しい財政事情等、多く問題があると思いますので、直ちに専任ということは難しいと思います。
 また、私の考えといたしまして、私の経験からも、司書教諭は専任よりもむしろ多少でも授業を持った方が生徒から尊敬もされるし親しまれるので、私はその方が望ましいと思いますが、いずれにいたしましても今後の問題だと思います。したがって、今回は専任化を前提としない形で法改正を行うこととしたものでございます。
 なお、今後、学校図書館が充実され、専任の教職員なしては運営できないほどの大きな機能と役割を現実に果たすようになった際には、司書教諭の専任化についても検討する必要があろうかと思います。
 一方、先ほど述べましたけれども、司書教諭を教育活動と切り離すことの適否、他の主任等との均衡、教職員全体で校務を遂行することの必要性という観点から慎重に検討をする必要があろうかと私は思っております。
 以上でございます。
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小野清子#7
○小野清子君 ありがとうございました。
 児童生徒の読書活動というふうな最初に私も私なりの意見を申し述べましたけれども、その意義というものをどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、やはり読書というものは楽しいものであるという認識の上では、環境整備というものも大変大事ではないかと思います。
 また、私は個人的に、学校図書というものを地域のコミュニティーの核として、例えば休日を利用できるような開かれたものにすべきであり、またその雰囲気づくりというものも大変読書というものを楽しくする上で大事なことではないかと思うんですけれども、この辺のお考えはどのようになっておるのでしょうか。
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南野知惠子#8
○委員以外の議員(南野知惠子君) もう先生のお説のとおりでございます。先生もいろいろと御活動をしておられるところでございますが、やはりこれからの学校教育というものにつきましては、みずから学び、自分が考えて、そしてよりょく問題を解決する、そういうような能力をつける、またさらに、人間性を豊かにして生きる力をはぐくんでいくということがやはり必要ではないかなというふうに思っております。
 活発な読書活動というものが子供たちの知的な好奇心、また興味や関心を高めてさまざまな感動を呼び起こす、そういったものを味わわせるということが一番大切になってくるのではないかなと。また、それが子供の人格形成や情操をはぐくむ上でも大きな意義を示すものだというふうに考えております。
 このような重要な意義を有する児童生徒の読書活動を活発にしていくためには、学校図書館というものを子供にとっての心のオアシスの場とするということが一番必要ではないかなと思っております。日々の生活の中で子供がくつろげるような環境をつくる、そして進んで読書を楽しむ、そして図書館を訪れて読書活動の拠点としていけるような環境整備が必要ではないかというふうに思っております。
 そのようなためにどのような環境整備かといいますと、やはり学校図書館が自発的で自由な読書を行う場となるように、狭いところではなく、ゆったりとしたスペースを設けたり、談話室を隣に設けたり、またそういったことをすることによって読書センターとしての機能を充実させていくということがやはり必要ではないか、そのようなことが期待されるわけでございます。
 以上でございます。
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小野清子#9
○小野清子君 ありがとうございました。
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馳浩#10
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩でございます。
 本改正案が学校図書館の充実、ひいては児童生徒の読書離れを解消する上で大きな第一歩となることを確信しております。
 しかし、本改正案だけで十分かといえばそうではありません。司書教諭の配置に伴う校内の協力体制をどうするか、いわゆる学校司書をどう位置づけていくか、学校図書館をどう情報化社会に対応させていくかなど問題は山積しており、この点の解決を見て初めて十分なものとなります。この点を踏まえるならば、司書教諭の配置と同時並行的に推進していかなければならないあるべき諸政策を文部省に問いただし、さらには提案していく必要があると考えます。
 そこで、本改正案の発議者ではありますが、むしろ発議者であるからこそその責任の重さから文部省に質問すべきと考え、今回質問させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
 まず最初に質問申し上げます。司書教諭の設置の現状はどうなっているのでしょうか。司書教諭の有資格者の数、公立学校での割合、さらには発令の人数、発令のなされている学校の割合を詳しく教えてください。
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辻村哲夫#11
○政府委員(辻村哲夫君) 司書教諭の設置の現状でございますが、まず司書教諭有資格者の数でございますけれども、平成六年度の公立学校につきまして見てみますと、トータルで一万二千五百六十九人となっております。内訳は、小学校が六千七百八十五人、中学校が三千五百八人、高等学校千八百九十七人、特殊教育諸学校三百七十九人で、トータル一万二千五百六十九人でございます。
 学校種別の割合でございますけれども、小学校で一九・九%、中学校で二八・一%、高等学校で二七・三%、特殊教育諸学校で二六・三%でございます。これが司書教諭有資格者数の現状でございます。
 それから、発令状況でございますけれども、平成八年度の国公私合わせての状況でございますが、トータルで五百二十四人、率といたしまして一・二五%でございます。内訳といたしましては、小学校で七十二人、〇・三%。中学校で百十一人、一・〇%。高等学校で三百三十六人、六・二%。特殊教育諸学校で五人、〇・五%、こういう現状になってございます。
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馳浩#12
○馳浩君 有資格者一万二千五百六十九人中五百二十四人にしか発令されていない、つまりわずか四%の有資格者にしか発令されていないことになります。さらに、私立も含めて司書教諭は百校に一人しか配置されていません。小学校では三百校に一人だけであります。この状態が四十数年放置されたわけでありますが、なぜ司書教諭の発令がこうまで実施されなかったのか、お教えください。
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辻村哲夫#13
○政府委員(辻村哲夫君) 私ども、平成四年になぜ司書教諭が発令されていないのかという理由について調査をいたしておりますが、その調査の結果を見ますと、こうした回答が寄せられております。
 小中学校におきましては、学校の規模等からして図書係等の校務分掌で担当することで足りる、あるいは有資格者がいるが学校図書館でなく他の校務分掌を担当しているといった理由が上位を占めております。それから高等学校につきましては、事務職員等が学校図書館事務を担当しているので司書教諭の発令は不要である、あるいは有資格者がいるが学校図書館でなく他の校務分掌を担当しているといった理由が上位を占めております。また共通に、その他といたしまして、小規模校のため、あるいは学級担任をしているため、あるいは学校図書館法附則第二項があるからといった理由を主な理由として挙げてございます。
 これらを見ますと、当分の間置かないことができるという学校図書館法附則第二項の規定の存在、あるいは学校図書館に関する学校におきます認識の問題、あるいは司書教諭に対します認識の問題、あるいは司書教諭を引き受けるということに対します新たな負担増に対する抵抗感等が理由として考えられるのではないかというふうに考えてございます。
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馳浩#14
○馳浩君 以上のような理由を踏まえまして、これまで文部省はどのような施策をとってこられたのでしょうか。
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辻村哲夫#15
○政府委員(辻村哲夫君) ただいま数字で申し上げましたように、司書教諭の資格を持っている方々、この方々は学校全体を見渡しますと二、三割の方がいらっしゃるわけでございます。ただ、実際の発令ということになりますと五百数十人という少ない数になっているというわけでございます。
 そこで、私ども、先ほどの理由の調査等を踏まえまして、学校図書館あるいは司書教諭の重要性に対します認識の変革、それから新たな職務負担増に対する抵抗感の問題等を主要な要因と分析をいたしまして、これまで司書教諭の発令促進に取り組んできたわけでございますが、まずは学校におきます学校図書館あるいは司書教諭の重要性についての認識を促すという観点から、読書指導研究指定校というようなものを設けまして取り組んでいただく、あるいは各種の広報等による啓発活動というような施策を推進してまいりました。
 また、平成七年八月に児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議の報告をちょうだいしたわけでございますが、その報告を踏まえまして各都道府県教育委員会に対しまして指導通知を発しまして、司書教諭講習の積極的な受講の促進、司書教諭の発令の促進、養成・発令計画の作成等、積極的かつ計画的な取り組みについて指導、要請を行ったところでございます。また一方、国といたしましても司書教諭講習実施大学数というものの拡充に努めてまいったところでございます。
 このように、私どもといたしましては、国、地方公共団体、各学校、それぞれが取り組む中でこの司書教諭の設置の促進に努めてきたわけでございますけれども、現状は先ほど申し上げましたような数字にとどまっているということでございます。
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馳浩#16
○馳浩君 読書指導研究指定校あるいは啓発活動、指導通達とありますけれども、例えばこの通達の内容にいたしましても、学校図書館法に司書教諭を置くようにと定めているのであるから置きなさいといった印象のある、形式面での強調でしかありません。今回の附則第二項の改正につきましても同様な側面があります。通達が法律に変わっただけとも言えます。法律での命令、強制であるだけに司書教諭は配置されるでありましょうが、学校の校務分掌の図書担当のいわゆる係教諭が司書教諭に変わるだけで、実態の改善が何ら見られなければ仏つくって魂入れずになってしまうおそれが多分にあります。
 問題は、教師全体が司書教諭の重要性、必要性について本当に理解しているかどうかにあります。この点の指導、研修等をどうしているのでしょうか。各学校、教育委員会の取り組みのほか、文部省の取り組みも教えてください。
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辻村哲夫#17
○政府委員(辻村哲夫君) ただいま御指摘のあったとおりでございまして、平成七年八月に出されました児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議の報告におきましても、各学校においては、すべての教師が子供と子供の本及び学校図書館について理解を深め、校長のリーダーシップのもと全教職員が協力して学校図書館を充実させていくことが重要であると、こういった趣旨の精神に基づきまして種々の提言がなされているわけでございます。
 私ども、読書指導についての専門的な知識等を持って学校図書館の利用指導、あるいは読書指導におきます校内の協力体制の中心となることが期待されております司書教諭の重要性ということにつきまして、学校全体がこれを評価する、あるいは教育委員会もこれをバックアップするということが大変重要であろうというふうに思いますが、ただその職務が重要である、重要であると言っておるだけでは十分でないわけでございまして、学校全体としてそういう認識の高揚ということが大事なわけでございます。
 そこで、各教育委員会の段階におきましてもさまざまな取り組みが行われているわけでございますけれども、文部省といたしましては、先ほど一つ御紹介いたしましたけれども、読書指導研究指定校というようなものを学校にお願いをいたしまして、校内協力体制のあり方に対する研究をお願いする、こういった事業を行っておりますが、それ以外にも、校長、教頭あるいは教育委員会の職員等を対象といたしました学校図書館活用指導者講座といった事業を実施しまして、関係者の理解の促進に努めているところでございます。
 そのほか、先ほど申し上げましたような協力者会議の報告を御通知し、司書教諭の発令促進をお願いしている、こういったこともあわせて行っていることは先ほど御説明したとおりでございます。
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馳浩#18
○馳浩君 法改正なしでも、現在司書教諭の担当する授業時間数を軽減したり、さらには全くなくしていわば専任状態にすることはできるのでしょうか。
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辻村哲夫#19
○政府委員(辻村哲夫君) 学校図書館法の第五条第二項には「司書教諭は、教諭をもつて充てる。」というふうに規定してございますけれども、司書教諭が教諭としての授業を担当するか否かということについては直接の規定はございません。授業を担当する場合におきます授業時間数の軽減、あるいは全く授業を担当しないか否かということは各学校の校務分掌上の工夫において行い得るというふうに考えております。
 これは平成四年の十月に私ども調査をいたしました。その結果で見ますと、各学校におきまして校務分掌のさまざまな工夫をする中で、小学校の場合一・四時間、中学校の場合一・五時間、高等学校で十一・八時間平均いたしまして司書教諭の先生方の授業時間の軽減が図られているというような結果も出てございますし、また、学級担任を持っております司書教諭の先生は全体の三九・二%というような数字も出ているところでございます。
 いずれにいたしても、司書教諭の発令をされた方の勤務のあり方というものは各学校におきます校務分掌のあり方として決められるものであるというふうに解しておるところでございます。
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馳浩#20
○馳浩君 学校の裁量によって専任状態にもできますし、授業時間数も軽減したりできるということでありますが、この場合にほかの教諭にしわ寄せが来ますが、司書教諭が適切に当該職務を果たすためには、教諭全体の理解のほかに、さらに校内の協力体制が不可欠であります。この点を各学校、教育委員会に任せただけでは文部省としては無責任であります。そうかといって教員の加配をするのは、人さえ充てればよいというような安易な解決方法であり、国家の非常事態である財政難の折、非現実的な方法とも言えます。
 そこで、制度的な工夫が必要であり、文部省はこの点をどう考えているのでしょうか。例えば、宮崎県の延岡市にはこういう方式がありまして、公立図書館と学校図書館をコンピューターでネットワーク化して資料の収集を効率化、迅速化し、公立図書館の司書に各学校を巡回してもらって協力を求めるという、こういう工夫もしておられるようでありますし、参考になるとは思うんですが、さて文部省はどのように考えておられるのでしょうか。
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辻村哲夫#21
○政府委員(辻村哲夫君) 学校図書館を単に学校図書館だけでとらえるんではなくて、教育委員会全体としてサポートする、あるいは公共の図書館との連携を図る中でその機能の活性を図っていくということは大変重要なことであるというふうに認識をいたしております。
 そこで、ただいま先生の方から一つの事例が御紹介されたわけでございますけれども、私どもも、他の地域におきましても公共の図書館から学校図書館に巡回訪問を実施している例、あるいは教育委員会に学校図書館の指導のできる専門的な知識を持った職員が置かれ、あるいは地域のボランティアというような方々が学校図書館に対してさまざまな形で協力をするというような取り組みも承知をしているところでございます。
 私ども、先ほど研究指定校を設けているということを申し上げたわけでございますけれども、そうした研究指定校での取り組みの報告の中でもこうしたさまざまな工夫の事例が報告されております。
 一、二御紹介させていただきますと、例えば大阪府の羽曳野市の例でございますけれども、ここでは公共図書館とのネットワークを形成いたしまして図書資料を活発に交換し合う、そして学校図書館活動の充実に寄与している例が報告されてございますし、また千葉県の市川市では、退職された学校経験者を嘱託の読書アドバイザーというような形で配置をいたしまして体制の充実を図っているところでございます。
 文部省といたしましても、こうした取り組みは学校図書館の充実強化に資するものということで、平成七年度から学校図書館情報化・活性化推進モデル地域指定といった事業を発足いたしまして、学校図書館と他の機関の連携を密にする中で、学校図書館の充実強化を図る、そういった取り組みを促す事業を始めているところでございまして、今後ともこうした事業につきましては積極的に取り組んでまいりたいというふうに思います。
 このことが先生御指摘の一単に学校図書館を学校の中だけで考えるのではなく、さまざまな支援体制の中でこの活性を図っていく、その施策にも資するものではないかというふうに考えております。
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馳浩#22
○馳浩君 司書教諭の資格について質問いたします。
 七科目八単位、実務経験によっては一科目二単位の講習の履修で資格が取れることについて、その専門性からいって不足、不十分との意見をよく耳にいたします。この点、文部省はどう考えておられるのでしょうか。
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辻村哲夫#23
○政府委員(辻村哲夫君) 司書教諭の資格取得の点でございますけれども、司書教諭の資格を取るためには、教諭の普通免許状を持っている方が一定の講習を受けるということになってございまして、原則として七科目八単位ということになってございます。
 七科目の内訳といたしましては、学校図書館通論、学校図書館の管理と運用、図書の選択、図書の整理、図書以外の資料の利用、児童生徒の読書活動、学校図書館の利用指導、この七科目につきまして八単位を履修していただくということで司書教諭の資格が取得し得るということになってございます。
 加えまして、学校図書館についての実務の経験を持っておられる場合には、二年以上の実務経験を評価いたしまして、図書の整理、図書以外の資料の利用、学校図書館の利用指導の四単位を修得すれば司書教諭の資格が得られる。また、四年以上の実務経験を有する先生の場合には、図書の整理の二単位を修得するということによって司書教諭の資格が取得し得るというようなことになってございます。
 このような司書教諭の養成方法が現在とられているわけでございますけれども、いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、長年の経験に基づきましたこうした司書教諭養成のあり方につきましては、基本的にはおおむね妥当なものではないかなというふうに考えてございます。
 ただ、先ほども御紹介いたしましたけれども、平成七年八月の児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議の報告の中でも、その内容の見直しを含めまして、この司書教諭講習のあり方につきましては適宜見直し、検討を行っていくべきであるというような御指摘もございます。そのような御指摘も踏まえまして私ども、講習内容のあり方あるいは科目免除のあり方、あるいは講習の方法等につきまして今後見直し、検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
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馳浩#24
○馳浩君 おおむね妥当というような意見もありましたけれども、学校図書館を取り巻く状況というのは、例えば情報化社会に対応するということでありますとか、あるいは図書館が保健室と同様にある意味では心のオアシスとなるというふうな観点もありますので、そういう意味では、講習の内容が現代的なものに対応できますようにより一層充実されますことを御要望申し上げます。
 次に、現在、教育職員免許状取得前の大学在学中に司書教諭の資格を取ることはできませんが、これをできるようにすべきではありませんか。さらに、これと関連して、司書教諭の資格が採用時に考慮されるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 こう考えますのも、本改正案では平成十五年三月三十一日までに小規模校を除き大学以外のすべての学校に少なくとも毎年六千人、計三万六千人の司書教諭を発令、配置しなければならず、そもそも有資格者自体のさらなる増加が喫緊の課題であるからであります。いかがでしょうか。
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辻村哲夫#25
○政府委員(辻村哲夫君) まず、司書教諭の科目取得のあり方の問題でございますけれども、現行の制度では、先ほど御紹介いたしましたように、学校図書館法の第五条第二項におきまして、司書教諭は「司書教諭の講習を修了した者でなければならない。」と原則が定められておりまして、それを受けました学校図書館司書教諭講習規程におきまして受講資格が書いてございますが、そこでは「講習を受けることができる者は、教育職員免許法に定める」「教諭の普通免許状を有する者」でなければならないというように規定されてございます。したがって、現在の制度におきましては、教諭の免許状をまだ有していない在学中の段階で司書教諭の講習を受講することはできない、そういうルールになってございます。
 しかし、先生ただいま御指摘にありましたとおり、今後全国的に司書教諭の養成を拡充して学校図書館の充実を図っていく、このことが要請されているわけでございますが、その際、学校の先生を目指そうとする意欲のある学生に学校図書館の重要性あるいは児童生徒の読書指導の意義を学ばせるということは大変大きな意味のあることと考えます。そういう意味で、この司書教諭講習のあり方、受講資格の問題も含めまして、今後鋭意検討をさせていただきたいというふうに思います。
 それからまた、第二の点でございますけれども、こういった形で司書教諭の資格を持っていることが採用において考慮されるべきかということにつきましても、大変重要な御指摘であろうかと思いますが、採用は各任命権者が総合的な観点から判断すべきものでございまして、文部省として一律に指導するということはなかなか難しいことでございますが、そういう呼びかけは教育委員会の方にしつつ、各教育委員会の適切な判断を待ってこれに対応していくということが至当ではないかなというふうに考えております。
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馳浩#26
○馳浩君 次に、いわゆる小規模校の取り扱いについて質問いたします。
 今回の改正で、例外的に政令で定める規模以下の学校については司書教諭の設置が改正前同様に猶予されます。政令ではどの程度の規模を対象にする考えでしょうか、その理由もあわせてお聞かせください。
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辻村哲夫#27
○政府委員(辻村哲夫君) この政令の定めにつきましては、この法改正に対します国会での御議論あるいはこれまでの法案作成の御議論というようなものを踏まえまして、これから検討していく事項であろうかというふうに思っているわけでございますけれども、この法律では平成十五年三月三十一日という期限を限って一定規模以上には司書教諭を設置するということになってございますので、この養成確保という観点も大変重要なことだろうというふうに思います。
 そういったことや、あるいは学校につきましては現在、規模で申しますと、小中学校を通しまして十二学級以上十八学級以下を標準とするというような学校の適正規模の規定もございますので、こういった規定等を勘案しつつ検討をしていきたいと思っておりますが、一つの目安としてこの十二学級というようなものも考えられるのかなというような気持ちでございますが、いずれにいたしましても、今後の法案作成の過程での御議論あるいはこの国会での御審議等を踏まえながら我々十分検討して政令を作成していく、そういうような段取りになろうかというふうに思っております。
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馳浩#28
○馳浩君 学校教育法施行規則第十八条によりますと、分校は、小学校は原則五学級以下、中学校は二学級以下であることから、この五学級または二学級以下を小規模校として当該政令で定め、六学級以上または三学級以上では司書教諭の配置を義務づけることはできないのでしょうか。できないのであるならば、その算定根拠を明らかにしつつ説明をしてください。
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辻村哲夫#29
○政府委員(辻村哲夫君) ただいま御答弁申し上げましたように、この政令の定めは、この国会での御審議等を踏まえながらこれから私ども検討していかなければならないわけでございます。
 先ほど標準規模である十二学級というのを一つの目安として考えてはどうかなということを申し上げましたのは、設置を義務づけるということであれば、学校規模として標準規模とされている、それを下回るということはいかがかという観点と同時に、平成十五年三月三十一日までに一定規模以上の学校には必ず司書教諭を設置するという義務づけが発効するわけでございますので、そのためには、これからの六年間でどのように司書教諭の資格を持った方々を養成し、そして実際に各学校で司書教諭を発令していただくかという観点も重要なことだろうと思います。余りにも高いレベルで設定をいたしまして平成十五年三月三十一日までにこの養成確保が間に合わないということでありますれば、これは法律に反するというような状況になってございまして、決して許されることではございません。そういうことでぎりぎりの努力をいたすわけでございますけれども、こういった点も勘案しなければならないと思っております。
 そこで、ちょっと話が長くなるわけでございますけれども、仮にということで十二学級以上ということで私ども試算をいたしますと、現在、特殊教育諸学校を含めまして小中高等学校、全国で四万二千校ございますけれども、そのうちの十二学級以上ということになりますと、三万七千五百校余に必要になってございます。
 そこで、各学校に一人の資格を持った方ということでありますと、これは人事異動の関係等さまざまに難しいことがございますので、各学校に二人の有資格の方を配置するということにいたしますと四万八千人の先生が必要になります。冒頭御説明いたしましたように、司書教諭の資格を持つた方は現在一万二千余ございますので、差し引きいたしますと三万六千名の司書教諭の資格を持つた方が必要になるということになります。それを六年間ということですと、毎年六千名の司書教諭の養成、そして実際の発令ということが平均でならしますと必要になってくるわけでございます。
 毎年六千名の養成確保ということは、現在の実施大学校は五十九校でございますけれども、それにこのたびの法改正によりまして大学以外の教育機関におきましても講習が実施し得るというようなルールになりますと、実施可能でございますけれども、それをさらにふやすということになりますと、これはかなりさまざまな講習会の実施の対応その他困難が生じてくるという面もあろうかと思います。
 そういうことで、私どもといたしましてはおおむね十二学級というような規模を想定しているということでございます。このことは、だから十一学級以下の学校には配置されなくてもいいのかといえば、そういうことではもちろんないわけでございますけれども、日限を限って司書教諭を設置するという実際の対応を実行していくということでございますので、そのくらいの規模のところが一つの目安かなというのが我々の今の考え方でございます。
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