法務委員会

2000-11-17 衆議院 全235発言

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会議録情報#0
平成十二年十一月十七日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 長勢 甚遠君
   理事 太田 誠一君 理事 杉浦 正健君
   理事 山本 有二君 理事 横内 正明君
   理事 佐々木秀典君 理事 野田 佳彦君
   理事 漆原 良夫君 理事 藤島 正之君
      岩屋  毅君    河村 建夫君
      小島 敏男君    後藤田正純君
      左藤  章君    笹川  堯君
      武部  勤君    林  幹雄君
      平沢 勝栄君    福井  照君
      望月 義夫君    森  英介君
      森岡 正宏君    渡辺 喜美君
      枝野 幸男君    永田 寿康君
      日野 市朗君    平岡 秀夫君
      水島 広子君    山内  功君
      山花 郁夫君    上田  勇君
      高木 陽介君    木島日出夫君
      保坂 展人君    上川 陽子君
      土屋 品子君
    …………………………………
   法務大臣         保岡 興治君
   法務政務次官       上田  勇君
   最高裁判所事務総局民事局
   長
   兼最高裁判所事務総局行政
   局長           千葉 勝美君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    細川  清君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    鶴田 六郎君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  町田 幸雄君
   政府参考人
   (労働省職業能力開発局長
   )            日比  徹君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    —————————————
委員の異動
十一月十七日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     森  英介君
  加藤 紘一君     望月 義夫君
  河村 建夫君     小島 敏男君
  武部  勤君     林  幹雄君
  枝野 幸男君     永田 寿康君
  肥田美代子君     水島 広子君
  上田  勇君     高木 陽介君
同日
 辞任         補欠選任
  小島 敏男君     河村 建夫君
  林  幹雄君     武部  勤君
  望月 義夫君     福井  照君
  森  英介君     岩屋  毅君
  永田 寿康君     枝野 幸男君
  水島 広子君     肥田美代子君
  高木 陽介君     上田  勇君
同日
 辞任         補欠選任
  福井  照君     加藤 紘一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民事再生法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)(参議院送付)
 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律案(内閣提出第一二号)(参議院送付)

    午前九時三十分開議
     ————◇—————
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長勢甚遠#1
○長勢委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、民事再生法等の一部を改正する法律案及び外国倒産処理手続の承認援助に関する法律案の両案を議題といたします。
 お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁警備局長金重凱之君、法務省民事局長細川清君、法務省矯正局長鶴田六郎君、法務省入国管理局長町田幸雄君及び労働省職業能力開発局長日比徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長勢甚遠#2
○長勢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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長勢甚遠#3
○長勢委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所千葉民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長勢甚遠#4
○長勢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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長勢甚遠#5
○長勢委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山内功君。
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山内功#6
○山内(功)委員 民主党の山内功でございます。
 本日は、倒産二法の質問に入る前に、一点だけ確認をさせていただきたいことがございます。
 ことしの八月に当委員会で、名古屋刑務所からの受刑者リストの流出問題につきましてただしました。その後判明しました事実関係、そしてどのように対処してこられたのか、大臣あるいは矯正局長にお聞きしたいと思います。
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保岡興治#7
○保岡国務大臣 山内委員にお答え申し上げます。
 名古屋刑務所における受刑者リスト流出事件の調査結果等について御報告申し上げたいと思います。
 本事件は、平成十二年八月二日、新聞の取材を受けたことが端緒となって判明したものですが、名古屋刑務所では、同日以降、所長以下の職員合計二十二人による調査体制をとりまして、流出経路などの調査を開始するとともに、特別司法警察員など五名による専従班により内定調査を開始したものでございます。
 その結果、九月六日、名古屋地方検察庁が、元受刑者を本件受刑者リストの窃盗事実により逮捕し、同月十四日、名古屋刑務所特別司法警察員からも同地検に対して、元受刑者について事件送致し、同月二十六日、同地検は、この受刑者を本件受刑者リストの窃盗事実などにより公判請求をしたところでございます。
 本件受刑者リストは、同刑務所において、平成十年一月以降、受刑者に日用品等を交付する際に便宜上作成され使用されていたものでございますが、同刑務所受刑者のほぼ全員である合計二千人の称呼番号、それから氏名及び就業先工場名が記載されていたものでございます。
 今回流出した受刑者リストは、平成十二年四月十九日に作成され、同月二十日に同刑務所の工場等の担当職員四十三人にその写しが配付され、受刑者に対する日用品等交付事務に使用されたもので、使用後、各自において廃棄すべき旨幹部職員から口頭指示がなされていたところ、第四B工場の担当職員がこれを廃棄せず同工場内の担当台の上に置いたファイルの中に保管していたため、同月末ごろ、同工場で就業する受刑者により窃取されたものであり、担当職員の受刑者リストの取り扱いが不適切であったと認められます。
 また、受刑者は、工場内に持ち込みを許されていた訴訟関係記録の写しの中に同リストをとじ込んで舎房に持ち込み、さらに、同年の五月六日の釈放時に外部に持ち出したものであり、工場から舎房への移動の際の物品検査、釈放時の物品検査が不十分であったと認められます。
 同刑務所では、これらの調査結果等を踏まえ、本件受刑者リストの使用を中止した上、研修等により個人情報の保護、管理に関する職員の意識の高揚を図るなどの改善策を講じました。
 また、法務省矯正局においても、同年八月三日、全矯正施設長に対して、被収容者の個人情報の管理の徹底と出所時等における物品検査の徹底を指示した上、同月八日、全矯正施設を対象に、電子情報を含め、個人情報が含まれる文書等の調査を行ったところ、本件受刑者リストのように、矯正施設において作成、使用、保管及び保存している文書のうち、被収容者の個人情報を含んでいるものであって、法令等により当該文書等の作成根拠等が直接定められていないものが合計一万一千百二十八件存在することが確認されましたので、この結果をもとに、同年十一月十三日、電子情報を含めたこれらの文書等について新たに内部規定を定め、管理責任者を指名するなどして、その作成、保管、管理の徹底を図ることを内容とした通達を発出するなど、再発防止策を講じております。
 こういうことを教訓に、今後とも、このような事態の発生がないよう万全を期したいと考えているところでございます。
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山内功#8
○山内(功)委員 このような不祥事が二度と起こらないように対処していただきたいと思っております。
 では、倒産二法の問題について質問に入らせていただきます。ただし、参議院の法務委員会で随分詳しいやりとりをしておられますので、重複しない範囲でお聞きしたいと思います。
 まず、国際倒産法制についてお聞きいたします。
 法制審議会では、倒産法部会を組織して倒産法制全体の見直しを進めておられ、ほかにも多くの検討課題があるとお聞きしております。ところが、倒産法制全体の見直しの中で、今回、国際倒産法制の整備を前倒しされたのはなぜでしょうか。局長、お願いいたします。
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細川清#9
○細川政府参考人 倒産法制全体の見直しの中で、国際倒産法制の整備が他の検討課題から切り離されて前倒しされた理由でございますが、まず第一点といたしましては、厳格な属地主義を採用する現行の倒産法制では、最近急増しつつある国際的な経済活動を行う企業の倒産事例に的確に対処することができないという問題がございます。そして、この属地主義は、利害関係人の利益を損なう事態を生じさせておりまして、国際的にも強い批判にさらされていることから、これを早急に解消する必要があるということがあります。
 第二点といたしましては、平成九年に国連の国際商取引法委員会で国際倒産モデル法が採択されておりまして、以後、国連総会の勧告に基づきまして、各国においてモデル法を踏まえた法整備が進められております。このように、国際倒産法制の整備は世界的な潮流になっておりまして、我が国も、これに歩調を合わせて、早急な法整備を行う必要があるわけでございます。
 また、第三点目といたしまして、昨年の臨時国会で成立いたしました民事再生法におきましては、国際倒産に関して、緊急の措置として必要最小限の規定を設けることにとどめたため、再生手続の効力は国外の財産にも及ぶこととなっておりますが、外国の倒産処理手続の効力は日本の国内の財産には及ばないという内外手続の不平等を来しておりまして、この状態をできる限り早く解消いたしたい、このようなことが理由でございます。
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山内功#10
○山内(功)委員 今回の法案は法制審議会での議論を踏まえたものと承知しておりますが、審議会ではどのような議論が行われたのでしょうか。特に時間をかけて議論した論点についてお聞かせ願いたいと思います。
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細川清#11
○細川政府参考人 国際倒産法制整備について、法制審議会の倒産法部会においての議論の対象は、国際倒産管轄、国内倒産処理手続の対外的効力、外国倒産処理手続と国内倒産処理手続との相互関係、外国倒産処理手続の対内的効力、外国人または外国法人の倒産手続上の地位というものが論議の対象であったわけでございますが、とりわけ、国際倒産管轄について明文の規定を設けるかどうか、承認援助事件を東京地方裁判所の専属管轄とするかどうか、承認の決定によって当然に何らかの具体的な法律効果が生ずるものとすべきかどうか、承認援助手続に否認権に関する規定を設けるべきかどうか、日本国内で複数の承認援助手続が同時並行的に進行することを認めるかどうかなどの事項について、大変活発な議論がなされたわけでございます。
    〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
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山内功#12
○山内(功)委員 外国管財人は、日本国内における倒産処理の方法として、新しく創設されました承認援助手続を利用するほか、みずから破産手続や再生手続などを申し立てることもできるということですが、外国管財人にとって、二つの方法にはそれぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
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細川清#13
○細川政府参考人 外国管財人等が承認援助手続を選択した場合のメリットについてでございますが、まず第一点として、手続費用等の重複が避けられる、つまり外国の裁判所でも日本の裁判所でも両方手続費用を払うという、そういった重複が避けられるということが第一点でございます。次に、外国倒産処理手続において定まった方針に基づきまして日本国内での倒産処理を進めることが可能となりますので、手続間の調整に困難を来すおそれがないことがあります。第三点といたしまして、債権の届け出や債権者に対する配当等を外国倒産処理手続において一元的に行うことができますので、全債権者を公平に取り扱うことができまして、国際的に整合のとれた財産の清算あるいは経済的再生を実現しやすいということなどのメリットがございます。
 他方、承認援助手続については、これと国内倒産処理手続が競合した場合には、原則として国内倒産処理手続が優先することになります。また、国内債権者の利益を不当に侵害する場合には、国内財産の処分や国外への持ち出しが制限される場合があります。こういったことなどから、国内倒産処理手続及び国内債権者との関係で承認援助手続が一定の制約を受ける、こういうデメリットがございます。
 これに対して、外国管財人等が破産手続等の国内倒産処理手続を申し立てた場合、いわゆる並行倒産を選択した場合でございますが、この場合のメリットといたしましては、まず原則として国内倒産処理手続が承認援助手続に優先するために、手続遂行が他の手続によって制約を受ける可能性がないということが言えます。これがメリットでございます。
 他方、並行倒産を選択した場合のデメリットといたしましては、手続費用等の重複が必ず起きますし、我が国の管財人と外国管財人とが相互協力をすることになりましても、清算を行うか、あるいは事業再建を図るかなどの基本方針で対立して、調整が困難な場合が生じることがあり得るわけでございます。また、両手続に参加する債権者は必ずしも一致するとは限りませんから、全債権者を完全に公平に取り扱うということは難しい場合があるということでございます。
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山内功#14
○山内(功)委員 そうしますと、承認援助手続と破産手続や再生手続とが競合した場合には、どのように調整されるのでしょうか。
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細川清#15
○細川政府参考人 同一の債務者について、外国倒産処理手続の承認援助手続と、御指摘の破産手続や再生手続等の国内の倒産処理手続とが同時に係属して、並行して手続が進行した場合には、それぞれの手続で矛盾した処分が行われることによって法律関係が混乱する可能性があります。
 そこでこの法案では、外国倒産処理手続の承認援助手続と国内倒産処理手続とが競合した場合には、原則として国内倒産処理手続が優先して進行するものとしておりまして、こういうことによって両手続の調整を図っているわけでございます。
 もっとも、これには例外がございまして、外国倒産処理手続が外国主手続、つまり債務者の住所または主たる営業所等がある国で開始された手続であること、外国倒産処理手続について援助の処分をすることが債権者の一般の利益に適合すると認められること、外国倒産処理手続について援助の処分をすることにより日本国内において債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないこと、こういう三つの要件を満たしている場合には、外国倒産処理手続の承認援助手続を優先して進行させることといたしているわけでございます。
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山内功#16
○山内(功)委員 承認援助手続が国内手続に優先する要件の一つとして、「日本国内において債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないこと。」が掲げられております。日本国内において労働債権を含め各種債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないとは、具体的にはどのような場合を指すのでしょうか。
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細川清#17
○細川政府参考人 御指摘の条項は、端的に申し上げますと、国内倒産処理手続を進行させた場合と比較して不利益をこうむるおそれがあるということを意味しております。
 例えば、一般の優先権を有する労働債権者が国内に多数存在する外国企業の倒産事案におきまして、承認を申し立てられた外国倒産処理手続のもとでは労働債権に優先権がない、そういう場合には、承認援助手続を進行させて外国倒産処理手続において配当が実施されますと、国内の手続を進行させる場合よりも労働者への配当が少なくなります。そういうような場合には、この条項に言います日本国内の債権者が不利益をこうむるおそれがある場合に当たるわけでございます。
 また、手続的に申しますと、承認を求められた外国の手続において、例えば既に債権の届け出期間が過ぎてしまっているということから手続に参加できないとか、あるいは法律上は可能だけれども参加するのに費用、労力等の面で過重な負担を強いられるという場合には、やはり日本の債権者が不利益をこうむるおそれがある場合に当たると考えられるわけでございます。
 それが御指摘の条項の意味でございます。
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山内功#18
○山内(功)委員 最高裁判所にもお聞きします。最高裁としても、今述べられました立法趣旨、立法理由を踏まえた運用がされると聞いてよろしいんでしょうか。
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千葉勝美#19
○千葉最高裁判所長官代理者 個々の規定をどのように解釈、運用していくか、これは最終的には事件を担当する裁判所が判断する問題でございますけれども、一般論として申し上げますと、裁判所が法律を規定の趣旨に従って運用すべきことは当然のことでございます。適正な運用を確保するため、最高裁といたしましては、施行に当たりまして、国内債権者保護に関する規定も含めまして、本法の規定の内容について各裁判所に十分周知されるような必要な措置を講じていきたいと考えております。
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山内功#20
○山内(功)委員 外国倒産処理手続の承認の申し立てをすることができるのは外国管財人等に限定されておりますが、それはどのような理由によるものでしょうか。労働債権者や労働組合その他の利害関係人にも申し立て権を認める必要はないのでしょうか。
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細川清#21
○細川政府参考人 御指摘のように、申し立て権を外国管財人等に限っております理由は、承認援助の対象となる外国手続において業務及び財産の管理処分権を有する外国管財人等が、その手続の効力を日本における業務及び財産に及ぼす必要があると判断した場合に限って、これを承認し援助することが必要であり、かつ、それで十分であると考えられたからでございます。
 仮に、外国管財人等以外の、例えば労働者や労働組合等の利害関係人に申し立てを認めて、日本側で援助、協力の態勢を整えたといたしましても、外国手続において財産の管理処分権を有する外国管財人等が援助、協力を求める意思がないという場合には、結局、承認援助手続の円滑な進行は期待できないということになります。したがって、外国管財人等以外の人に申し立て権を認めないことといたしたわけでございます。
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山内功#22
○山内(功)委員 では、引き続きまして、個人債務者の民事再生手続についてお聞きしたいと思います。
 個人債務者の民事再生手続を創設することを内容とする民事再生法の一部改正法案は、その規定が、読んでもすごく難解ですし、法律の専門家にも理解が困難であろうと思うのですが、今回の法案が民事再生法の特則という立法形式を採用していることがその一因なのではないかと思われます。
 個人債務者の民事再生手続を民事再生法の特則という形で創設することとしたのはなぜでしょうか。
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細川清#23
○細川政府参考人 法案の条文がやや難解であることは、私どももそう思いますが、これは実体法でなくて手続法なものですから、細部にわたっても厳密に規定しなきゃならない、そういう理由によるもので、やむを得ないものだと思っています。これは、内容をよく理解できるようなパンフレット等、広報をぜひ進めさせていただきたいと思います。
 御指摘の、民事再生法の特則にすべきだったのか、あるいは別の法律にすべきだったのか、こういう御質問でございます。
 民事再生手続の特則にした理由でございますが、現行の民事再生法は、その利用対象者に法律上の限定はなくて、法人、個人、事業者、非事業者のいずれも利用できるものでございます。これに対して、個人債務者の民事再生手続は、その利用対象者を継続的な収入の見込みがある個人債務者に限定した再建型の倒産処理手続でありまして、これは、現行の民事再生手続を基礎にしていまして、個人債務者が利用しやすいように手続を簡素合理化したものでございます。したがって、個人債務者の再生手続は現行の民事再生手続の特則という位置づけになるわけでございます。
 これを別の法律で定めるといたしますと、総則に関する規定あるいは再生債権に関する規定、債権届け出に関する規定など、現行の民事再生法と同じ内容の多数の規定を新たに設けなければならないこととなります。また、どの規定が民事再生法の特則としての意味を持つのかというのがわかりにくくなります。これに対して、民事再生法の特則という立法形式にすれば、こういった問題はなくなりまして、通常の民事再生手続と異なる点が何であるかが明確になるわけでございます。
 また、我が国の法律の数につきましては、現在でも多過ぎるという指摘がなされておりますので、民事再生法の特則という立法形式を採用いたしますれば、似通った法律をふやすことを避けるということができるという利点もあります。
 こういったことを考えまして、民事再生法の特則手続といたしたわけでございます。
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山内功#24
○山内(功)委員 今、改正法案が出ているのですが、現行の民事再生法の制定時に一緒に提出することができたのではないかとも思われるのですが、それができなかったのはなぜでしょうか。
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細川清#25
○細川政府参考人 法制審議会では、平成八年十月から、大臣の諮問を受けまして倒産法制全体の見直しの作業を行っていましたが、いわゆるバブル経済の崩壊後、中小企業の倒産件数が激増したということに伴いまして、平成十年の九月から、主として中小企業以上の規模を有する事業者にとって利用しやすい再建型倒産処理手続について、他の検討課題と切り離して、最優先で集中的な検討を行うこととなりまして、その結果、昨年十二月に民事再生法が成立したわけでございます。
 この民事再生法は、ごらんいただければわかるとおり、条文数が本体だけで二百十五条に及ぶ非常に大きな法律でございますし、また、これと同時に関係法令の整備も多数に上りましたので、その立案につきましては大変労力がかかったわけでございます。時間も大変かかったわけでございます。
 個人債務者の再生手続は、利用対象者を個人債務者に限定した再建型倒産処理手続でございまして、一からすべて制度設計をしなければならないという問題でございます。また、法務省から、「倒産法制に関する改正検討事項」を平成九年に公表いたしまして、意見照会をいたしましたところ、個人再生手続の重要論点について関係団体の意見が大変多岐に分かれておりまして、その調整に多大の労力と時間を要するものであったわけでございます。
 したがいまして、民事再生法の制定の際に個人債務者の再生手続も一緒にできればよかったわけなんですが、そういったように多大の労力を要するものですから、それを一緒にいたしますと、結局民事再生法全体の制定をおくらせるということになりますので、結局このように二段階に分けて改正ということになったわけでございます。
    〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
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山内功#26
○山内(功)委員 法務大臣にお伺いいたします。
 今回の個人債務者の新たな民事再生手続のような緊急を要する立法課題について、破産者が十二万人を突破する事態になるまで法案を提出できなかったのは、立法作業についての法務省の人的な体制が十分でないこともその原因となっているのではないかと思われます。
 今後も、緊急の立法を要する課題を多数抱えている状況からいたしますと、法律案の立案に従事する法務省職員の増員が必要ではないかとも思えるのですが、大臣の所見を伺いたいと思います。
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保岡興治#27
○保岡国務大臣 今、山内委員のお尋ねは、立法のスピード、あるいは時代の変化と状況に対応する的確な立法というものをお考えでの質問かと思います。
 倒産法制の見直しについても、実は、当初は五年かけてという方向でございましたが、今局長などから申し上げたように、バブルの崩壊後の不況が非常に急速に進行した、あるいはそういったいろいろなことで、倒産法制の見直しを緊急にしなきゃならぬという状況が生じたので、民事再生法は二年半前倒し、そして、今日提出させていただいた二法については一年半の前倒しをして、五年の期限を経ないで成案を得て国会に提出させていただいた。そのために、民事局は、その他の立法ニーズにも対応するための準備もありまして、実は死ぬような思いをして必死で対応しておるところでございます。
 そこで、私は、やはりこういう時代というものをきちっと認識して政府も立法体制をつくらなきゃいけないという考え方に立ちまして、実は、国の定員管理については総務庁が責任を持っているところでございますが、総理や官房長官にも御相談をして、政府全体としてそういう方向をとることについての御理解をいただいて、総務庁とよく相談をして、おっしゃるその立法体制を担う、企画立案をする、特に中心部分を担うそういった職員の増強について、横並びの定員管理から一歩踏み出す、立法ニーズにこたえ得る増員要求をする努力をしてきたところでございます。
 とりあえず、この十一月の八日に、法務大臣を中心とする経済関係の民刑基本法整備の推進のプロジェクトチームを、今申し上げました企画立案機能を担当する部分において十七名の体制を、実は通産省から参事官補佐のクラス二人を派遣していただいて、そういう緊急な立法体制をとりまして、さらに、要求してあるところの定員、機構あるいは予算というものが認められた来年の四月からは、推進本部と名を改めまして、このプロジェクトチームよりかはるかに規模を超えた、立法ニーズにこたえ得る体制をとるつもりでおるところでございます。
 また、国会でも、十分こういった点についての必要性について御理解をいただいて、力になっていただきたいと存じているところでございます。
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山内功#28
○山内(功)委員 次に、最高裁判所の方にお伺いいたします。
 今回の個人債務者の民事再生手続を利用する債務者の数は、参議院法務委員会における法務省の答弁によりますと、一年間に三万人から四万人にも及ぶことが見込まれるという御発言がありました。このような多数の債務者に迅速なセカンドチャンスを与えるためには、多くの裁判官と書記官を配置することが必要ではないかと考えています。また、裁判所は、倒産事件のほかに多数の訴訟事件なども抱えており、その適正かつ迅速な解決も要請されている状況にあります。
 したがって、この際、裁判官及び書記官の相当な増員も必要なのではないかと考えるのですが、どうお考えでしょうか。
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千葉勝美#29
○千葉最高裁判所長官代理者 裁判所といたしましては、これまでも、倒産事件の新受件数の増加に対応いたしまして、いろいろ、OA機器の配備、それから事件の急増する繁忙庁に対しまして人員の増配置等の施策をやってまいりまして、事務処理体制の整備を図ってきたところでございます。
 この法案が成立いたしますと、多数の事件が裁判所に来るということは予想されるところでございます。この事件だけではございませんけれども、この事件、さらにそれ以外の倒産事件、執行や破産、それから通常の訴訟も迅速な処理が望まれているわけでございます。
 こういう状況を踏まえまして、我々といたしましては、十分な人的、物的体制の整備を考えております。今、増員の点の御指摘がございましたけれども、増員につきましても、裁判官、書記官を含めた増員を前向きに検討していきたいと考えております。
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