経済産業委員会

2001-03-30 衆議院 全158発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十三年三月三十日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 青山  丘君 理事 岸田 文雄君
   理事 新藤 義孝君 理事 馳   浩君
   理事 田中 慶秋君 理事 中山 義活君
   理事 久保 哲司君 理事 達増 拓也君
      伊藤 達也君    石原 伸晃君
      小此木八郎君    梶山 弘志君
      高木  毅君    中馬 弘毅君
      萩野 浩基君    林  義郎君
      松野 博一君    松宮  勲君
      茂木 敏充君    保岡 興治君
      山口 泰明君    北橋 健治君
      後藤 茂之君    後藤  斎君
      鈴木 康友君    中津川博郷君
      肥田美代子君    松本  龍君
      山内  功君    山田 敏雅君
      赤羽 一嘉君    石井 啓一君
      土田 龍司君    大森  猛君
      塩川 鉄也君    大島 令子君
      西川太一郎君    宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   経済産業副大臣      中山 成彬君
   経済産業副大臣      松田 岩夫君
   経済産業大臣政務官    西川太一郎君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   興  直孝君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   高原 耕三君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 林  良造君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境
   局長)          日下 一正君
    —————————————
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  山口 泰明君     萩野 浩基君
同日
 辞任         補欠選任
  萩野 浩基君     山口 泰明君
    —————————————
三月三十日
 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五号)
同日
 台湾への原発輸出に対する外為法上の許可反対に関する請願(佐々木秀典君紹介)(第八三一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第八三二号)
 同(金田誠一君紹介)(第八六四号)
 同(阿部知子君紹介)(第一〇一八号)
 脱原発への政策転換に関する請願(金田誠一君紹介)(第八六三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九〇六号)
 出版物再販制の廃止反対に関する請願(岩永峯一君紹介)(第八九一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

     ————◇—————
この発言だけを見る →
山本有二#1
○山本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房長林良造君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君、内閣府政策統括官興直孝君及び総務省政策統括官高原耕三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
山本有二#2
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
山本有二#3
○山本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田敏雅君。
この発言だけを見る →
山田敏雅#4
○山田(敏)委員 民主党の山田敏雅でございます。
 最初に総務省にお伺いいたします。
 きょうは高原政策統括官がお見えだと思います。この基盤技術センターの基盤技術について出資をし、融資をしてきたわけですが、総務省のお考えで、まず、その基盤技術というのは何なのか、それをちょっとお答えいただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
高原耕三#5
○高原政府参考人 先生のお尋ねでございます基盤技術というのは、大体基礎技術とほぼ同様のものではないか。基礎から応用に少しかかる面もあろうかと思いますけれども、大体基礎技術というふうに私どもは理解いたしております。
この発言だけを見る →
山田敏雅#6
○山田(敏)委員 まさに基礎技術、すなわち国民の生活とか経済がその技術ができることによって大きく変わっていくとか革新を起こすとか、そういう技術のことだと思います。
 さて、まず出資の件ですが、百九件ございます。約二千七百億円出資をされました。そして、これは総務省と昔の通産省と分けてやったわけですが、総務省の方の御担当の出資のリストがここにございます。その金額と主な出資企業について書いてございます。これを見ますと、情報システムの開発というのがたくさんございます。この一ページだけを見ても、高崎、鹿児島、福島、長野、山口、久留米市、熊本県、松江市、旭川市、新潟、伊万里市。伊万里市などは三億一千万円の出資をされて情報システムの開発をやる。大分、岡山、上田、田辺、ずっと永遠に続くわけですね。恐らく十数件あると思います。
 さて、先ほどの、基盤技術というのは基礎的な技術である、これを開発することによって大きく応用が広がって国民生活が変わっていく、そういう技術であるということを言われました。これだけ全国何十カ所にばらまいて、二億円とか十億円とかいく、これは本当に基盤技術の開発を目的にしてこういうことをやられたのか。あるいは、単に鹿児島もやったから福島もお願いします、松江もやったから岡山もお願いしますというように、地方にお金をばらまいている、本来の基盤技術の開発とは趣旨が全く違うのではないかと思いますが、その点について、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
高原耕三#7
○高原政府参考人 今委員お尋ねのいろいろ地域の名前がついたプロジェクトは、多分、基盤センターから出資をいたしておりますテレトピア関連の出資法人だというふうに私どもは理解いたします。
 それで、委員お尋ねの、似たような名前あるいは地域名がついたものがいっぱいあるではないかということでございます。
 それぞれのこういうテレトピア関連の出資法人におきましては、例えば、主にキャプテンシステムを使ったものもございますけれども、地元の観光情報とかあるいはイベント情報についていろいろな画面表示の技術をそれぞれの地域の特性に合わせて開発していくといったようなこともございます。地域特性がそれぞれ違いますので、それぞれに合わせた技術開発あるいは研究開発をしていくということがございますので、似たような情報センターとかそういう名前がついているのもございますけれども、それぞれの特性を持った開発をするということで非常に必要だというふうに考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#8
○山田(敏)委員 先ほど申しましたように、この基盤技術センターの目的は基盤技術の強化である。そして、日本の基礎技術を高めようというのが趣旨でございます。
 このように数億円ずつばらまいていくと、何をやっているのか、本来の趣旨から離れてしまう。しかもこの制度は、出資をして、株式が成功してその配当を受ける、リターンを最初は目的としてやってきたわけですね。
 ですから、その目的からいうと、二千七百億使ったわけですけれども、こういうのをまとめて五百億円とか六百億円とか、そして本当に日本が世界をリードする技術を開発した方がはるかにこの基盤技術センターの設立趣旨に沿うものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
高原耕三#9
○高原政府参考人 今委員、まとめてやってはどうかというお尋ねでございました。
 先ほど申し上げましたように、このテレトピアのいろいろな推進法人につきましては、それぞれ地元あるいは地域に密着した情報技術の開発という面もございますので、そういう面もあわせてやる必要があるということで一件一件は少ない出資金額ということになっているものでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#10
○山田(敏)委員 これは後で議論いたしますけれども、我が国の基礎技術、基盤技術は外国に比べて非常におくれている。しかも、それをキャッチアップしなきゃいけないという趣旨で貴重な税金を使われたわけですが、これがその本来の趣旨から外れて、今おっしゃった地域の事情に合わせてやるということは一種の応用編でございまして、基礎的なものがあって、それについて高崎ではこんな情報だ、岡山ではこうだ、そういうふうなやり方だと思いますので、これは明らかに本来の趣旨からは外れているというふうに思います。
 続きまして、経済産業省にお伺いいたします。
 この際、この基盤技術センターを見直すということでございますので、我が国の技術開発をもう一回レビューしてみて、本当に正しく効率的に行われたかどうか、少し議論させていただきたいと思います。
 御承知のとおり、我が国の競争力は一九九二年には世界第一位だったのですが、二〇〇〇年には世界第十七位、二〇〇一年には、あるところが試算しましたら二十二位になったということで、我が国の競争力がどんどん落ち込んでいっています。そして、長期的な傾向としては、民間の設備投資も減少傾向にある、さらに政府はこういう財政危機でございますので、非常に大きな伸びはないというところでございます。
 それからさらに、日本とアメリカの政府の研究開発の姿勢を示す一つの数字がございますので、御紹介します。
 政府の研究開発の投資額があります。情報通信分野について、日本は四百億円、アメリカは千八百億円。環境技術について、日本は一千億円、アメリカは三千億円。ライフサイエンスについては、日本は三千億円、アメリカは一兆七千億円という数字がございます。アメリカは、明らかに政府の額は日本と比べ物にならないほど大きいわけです。さらに、戦略的選択と集中ということが行われているわけですね。明らかに、ライフサイエンスについて一兆七千億、日本はそれに対して三千億ということでございます。
 そこで、大臣にお伺いします。今までの日本の技術開発の方向、通産省はそれなりにやってきたわけですが、これからの方向について少しコメントをいただければと思います。
この発言だけを見る →
平沼赳夫#11
○平沼国務大臣 これまでの我が国の技術開発というのは、市場や目標が明確であったキャッチアップ型の時代には比較的有効に機能してきたと思っております。しかし、新事業、新市場を創出するプロダクトイノベーションが必要となる昨今、制度の細分化やふくそう化に伴う資源配分の硬直性等から、総合的戦略性や市場化までを視野に入れた一貫性が欠如するなどの問題が顕在化してきていると思っています。
 このため、経済産業省といたしましては、研究開発の出口までを見据えた対応を図り、戦略的な研究開発を推進していくため、効果的、効率的な研究開発の企画、実施、評価システムの構築をこれから図っていく、このように思っております。
 具体的に申し上げますと、研究開発による技術的ブレークスルーを主たる手段として達成すべき政策目標について、その政策目標のもとに複数の研究開発や普及導入策等他の施策との連携を含め、統合されたプログラムというパッケージのもとで研究開発を実施しようとしているところでございます。十三年度予算においては、情報化、高齢化、環境、材料ナノテクノロジーといった分野においてこのような研究開発の取り組みを進めることにいたしております。
 例えば、情報化については、高度情報化社会の実現に必要な情報通信機器の共通基盤である半導体LSI技術について、半導体の微細化に対応した基盤技術を確立し、我が国の半導体の競争力を取り戻すべく、筑波に建設されるスーパークリーンルームにおいて、産学官の能力を結集して、集中的に研究を実施することにいたしております。
 また、材料ナノテクノロジーについては、物質の構造をナノレベルという超微細で制御することによりまして、従来の加工技術では達成できなかった高強度かつ軽量な材料を開発したり、高密度の記憶デバイスや三次元の光回路といったITデバイスを製造するための基盤技術を確立する研究開発を実施するとともに、ナノレベルの技術が広範な分野において活用可能となるような知識基盤を体系化する、こういうこともやっております。
 こうした産学官の総力を結集した大規模な研究開発を効果的に運営していくため、国と運営機関の役割を明確化して、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOが統合的に研究開発の運営管理を行っていくことにいたしております。
 また、国立研究所につきましても、山田先生御承知のように、従来十五ございました工業技術院の研究所を、日本最大の公的研究機関として、独立行政法人産業技術総合研究所として統合して、産業競争力強化や新産業の創出に向けた研究を効果的に実施していくことにいたしております。
 このように、経済産業省といたしましては、議員の御指摘がございましたように、こうした取り組みを進めることによって、重点的かつ効果的、効率的な研究開発の実施に努めてまいる所存であります。
 あわせて、このような取り組みは、本年一月に発足をいたしました総合科学技術会議のイニシアチブのもとで、科学技術基本計画を踏まえて、政府が一丸となって各省庁が連携しつつ取り組んでいくべきものと認識しており、経済産業省といたしましても、全力でこれに協力をしていきたいと思っています。
 山田委員御指摘のとおり、やはりこれからは集中的にそして効率よくそして資金も有用に活用できる、そういう形で私どもは取り組んでいかなければならない、このように思っております。
この発言だけを見る →
山田敏雅#12
○山田(敏)委員 私がお尋ねしたかったのは、過去三十年間に通産省がやってきた国の技術開発というものがどういう点で今時代に合わなくなったのか、それを具体的に総括されたのかどうかということでございます。現実に、技術競争力の評価は、今各国で出ているものを見ましても、日本の相対的な低下は非常に著しいものがあります。先ほど申し上げましたように、国際競争力についてはもうどんどん低下の一途をたどっております。
 そこで具体的に、もう一回、今までやってきたことが果たしてうまくいったのかどうか、そして、それを引き継ぐ形で今回の法改正によってそれがうまくいくのかどうかをちょっと考えてみたいと思います。
 基盤技術センターは、御承知のように、二千七百億円の出資をしました。年間約二百六十億円を毎年使い続けました。それによって回収された資金は皆無、ゼロでございます。それから、現在十五社の成果管理会社、すなわちもう終わったという会社ですが、百九十六億円の欠損金、さらに、ほとんどの事業が成功しておりませんので、二千七百億円の出資のうちのほとんどが欠損金として出てくるという状況であると思います。この制度は、そもそも出資をすることによって利潤とか配当を得よう、そしてさらに基盤技術の投資を広げていこうというのが趣旨でございましたが、当初の目的と違って、今申し上げましたように、センターの回収資金はゼロでございます。一体全体何が起こったのか。
 今総務省に指摘をしましたように、基盤技術をやって、これを起業化して回収していくという方向ではなくて、全国にお金をばらまいてそれで終わり、それで全部それは欠損金になって上がってくる、こういうことが行われたわけであります。これは経済産業省にいただいた資料で、多少成果は上がったじゃないかというのがございます。しかし、毎年二百六十億円もお金を使って、それはマネジメントはどうであれ、多少の成果が上がらなければおかしいので、このセンターが正しく機能してこのような成果が上がったとは私は言いがたいと思います。
 それからもう一つ、研究開発組合というのがございます。研究開発組合は、サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画で進められたものでございます。今度の改正後、NEDOは、この研究開発組合に委託をして研究を続けていくという予定でございます。
 大臣にお伺いしたいのですが、研究開発組合は、過去三十年間約百十三の研究組合ができました。八十七は既に解散しております。この三十年間の研究開発組合の成果について何かコメントがございましたら、お願いいたします。
この発言だけを見る →
中山成彬#13
○中山副大臣 技術研究組合についてのお尋ねでございますけれども、昭和三十六年に制定されましてから、これまで百五十七件の技術研究組合が創設されました。
 例えば、半導体製造技術の基礎を確立した超LSI技術研究組合や、金属並みの導電度を有し、安定的かつ加工の可能な機能的高分子材料の研究開発を実施した高分子基盤技術研究組合、原子、分子レベルでの観察、操作技術等の研究を行い、ナノテクノロジーの地歩を築いた技術研究組合オングストローム研究機構等が活動してまいりました。
 他方、アメリカにおきましても共同研究開発を支援する制度に対する期待が高まりまして、一九八四年に国家共同研究法を成立させましたけれども、これは日本におきます研究組合の考え方を導入したものだ、このように言われておりまして、アメリカの産業界は素早くこの法律を上手に利用いたしまして百以上の共同研究コンソーシアムを設立させた、このように聞いております。
 このようなことから、限られた資金や研究人材を最も効率的に活用して技術水準の向上を図るためには、研究組合形態を含む共同体制による試験研究を推進することは適切な方法の一つ、このように考えておるところでございます。
 もちろん、その場合におきましては、適切なテーマの設定とか、あるいは役割の分担、責任体制、成果帰属、全体のマネジメント等が研究開発の成否を決することは明らかでございまして、今後の民間基盤技術研究支援制度におきましても、テーマの選定時等におきまして、研究体制についても十分勘案した見きわめがなされるべきものだ、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#14
○山田(敏)委員 私がお尋ねしたかったのは、今までのことを、成功したのか失敗したのか、その原因は何かという分析をされたことはございますかという質問なんですが。
この発言だけを見る →
中山成彬#15
○中山副大臣 今回の基盤センターの改正等におきまして、民間の方々も入れましてそういった評価についての検討を行いまして、その結果、今回提案しております改正をお願いした、こういうことでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#16
○山田(敏)委員 では、今まで余りうまくいかなかったということを今お認めになったと思うんですが、実は、経済産業省の担当者の方に何回もお伺いしました。研究開発組合についてその評価はどうなんだ、成功したのか失敗したのか、うまくいったのか、そのいかなかった原因は何なのかということを何人にもお尋ねしました。答えはございません。これについて省内で総括が行われておりません。
 したがいまして、やむを得ずいろいろ探しました。後藤晃先生という一橋の先生が、「日本の技術革新と産業組織」という本をお書きになっております。この中で、日本の研究組合というのはどういうことが行われたのか、そしてそれは結果としてどういう評価があるべきなのかということが詳しく書いてございます。経済産業省の方から今全然お答えがいただけませんので、これについて多少御紹介いたします。
 まず、共同研究をするということがどういうふうに行われているのかという実態のアンケートをされました。企業は、ライバルの会社、すなわち同じ業界の会社と共同研究するということはまずやらない。一般的な共同研究の場合一九%しかない。それから、たくさんの、五社以上でやるというのが五・八%しかない。すなわち、ライバル企業を入れないで、自分のライバルでない会社、しかも少数の会社でやるというのが、今まで日本の会社が、民間が行ってきた共同研究の実態であります。
 こういう特殊さです。これはもう明らかに考えればわかることですね。会社にとって、技術を開発されるとそれによってマーケットが一変しますので、できるだけライバルには知らせないように、そして身内の、関連の会社だけでやろう、そういう傾向があるわけですね。
 通産省を初め国が行ってまいりました研究開発組合について、いろいろ分析をされたわけですけれども、そのような中で、結論として、これは政府の補助金の受け皿である、要するに方便で技術研究開発組合ができている、そのチャネルにすぎないという点、それから、非常に成功の見込みの少ない、商業的な研究を納税者の負担で実行することの正当性が問われなければならないというふうに結論されております。
 簡単に申し上げますと、ここにいろいろなケースがあります。技術研究組合に入っている会社、今国が行っている研究組合は、民間の実態とは違って、ライバル同士の会社が集まってやっているわけですね。会社が研究組合に入る目的は、他社のライバル企業はどの程度開発が進んでいるかということを探りたい、それから第二の目的は、自分の会社でやっている研究開発についてはできるだけ相手に知らせたくない、こういう企業が集まって技術研究開発組合というのをやって、政府から補助金を受けてやってきたわけですね。ですから、出発する時点から、この研究開発組合によって目標を持ってこれを必ず開発するというところを逸しているわけでございます。これがこの先生の分析でございます。
 今経済産業省からその分析についてお答えいただけませんでしたので、お答えさせていただきます。
 実際どういうことが起こったかといいますと、例えば風力エネルギーでございます。これは新エネルギーでやられましたけれども、二十一年間共同研究という形でやられました。
 それから、燃料電池は、いろいろな燃料電池があるんですが、十八年間、これは技術研究組合でございます。約五百億円。このケースでは、電力会社九社、すなわち今言いましたようにライバル会社がみんな入ってやったわけですね。ガス会社が三社、そのほかにたくさんの会社がこの研究組合に参加している。この分野について、当初目的とした世界をリードする研究成果というのは恐らく十八年間の中で出てきていないと思うんですが、そういう評価でございます。
 今の点について、大臣、何かコメントがございましたらお願いいたします。
この発言だけを見る →
平沼赳夫#17
○平沼国務大臣 確かに分析という中でそういう評価もあるかもしれませんけれども、やはりライバル会社が組合をつくってやるから効果が上がらないということは一概に言えないと私は思います。
 したがって、今燃料電池なんかを例にとられて、余り見るべきものはなかった、こういう御指摘ですけれども、しかし、それだけの期間一生懸命そういう形で研究をしたということは、やはり基盤技術の強化には役立っているし、それが、燃料電池もいよいよ実用化になりまして、燃料電池の実用化推進協議会、こういうものが今般発足をいたしました。ここには八十七社が参画をして、これから本格的に取り組んでいこうと。これは、やはり日本のそういう燃料電池の技術というものが非常に確立をされてきつつあるという中で、海外からの企業も参画をする、こういう形に相なってきておりますし、私は、全くゼロ、こういうことじゃなくて、やはりその中で、技術ですから、一生懸命蓄積したものがだんだん固まってきて、そしてこれから花を開いていく、そういうものもあると思います。
 ただ、山田先生が御指摘のように、そういう意味で、やはり地方に分散したりでなかなか思った成果が上げられなかったりという側面はあるかもしれませんけれども、全体的に見れば、それをどぶに捨てるようなものではなくて、やはりそこで技術者が最先端ではまじめに取り組みつつ全体のレベルアップにはつながっている、そういうふうに私は思っております。
この発言だけを見る →
山田敏雅#18
○山田(敏)委員 ここに、ニューサンシャイン計画、大型風力発電システム開発、これの産業技術審議会評価部会の評価委員会の報告書がございます。すなわち、大型風力発電システムの評価、今まで研究開発が行われてきた評価がされているわけでございます。私、この評価を読みまして、改めて評価委員会の評価をしなきゃいけないと、要するに、ここに書かれている評価が正しい評価が行われていないということでございます。簡単に申し上げます。
 まず、運営、マネジメントはどうだったのか。今言いましたように、非常に長期間にわたって風力発電が研究されたわけですが、プロジェクトの運営はおおむね妥当であったと判断されると書いてございます。それから、いろいろな評価については、目的は達成された、妥当であったというのが評価なのでございます。
 しかし、今、御存じのように、風力発電については、日本の技術レベルはヨーロッパに比べて約十年間おくれております。今北海道で行われようとしております日本鋼管のウインドファームなんかも、この間ヒアリングいたしましたが、この技術、材料はすべて、一〇〇%オランダ製でございます。日本の技術では太刀打ちできる部分はもう何もないという状況でございます。さらに、このプロジェクトで目標といたしました発電コストでございますが、ヨーロッパの技術では既に五円とか七円とか、数カ月の間にさらに二〇%コストダウンができたとか、もう既に日本ははるかかなたにおくれていってしまったわけですね。
 それがこの評価委員会の評価であるべきで、そこに何が原因でこういうことになったのか、巨額な国の税金が使われて、その結果何が原因であったのかというのが書かれているのがこの評価委員会だと私は思って読んだんですが、今申し上げましたように、おおむね妥当であったという結論でございます。
 そこで、風力発電を例にとりまして、では日本の技術開発は何で十年間ヨーロッパにおくれたのかというのは、大臣御存じのとおり、ドイツでは十年前に電力の買い取り義務というのを法律で決めたわけですね。その時点では、確かに、ここに書かれた、目標とされた風力のコストとか設備投資のコストとかいうのは高かったわけですが、電力の買い取り義務というのを導入してどんどん下がっていったわけですね。その結果が、御存じのように、ドイツでは七百万キロワットという非常に大規模な、オランダ、デンマークもそうですが、産業としても三千億円から四千億円のマーケットができて、数万人の新たな雇用が生まれて、そして今やデンマークなんかは国際的な大企業ができまして、風力ビジネスとして、アメリカ、日本、大変な産業として成長しております。
 この段階に来て初めて、このサンシャイン計画でやった研究開発の方式というのを、どんどん世界が進んでいっているときにこれをやり続けたわけですが、やっている間に、こういうものは詳しく読むとわかるんですが、ああ、どんどんヨーロッパに比べておくれているな、五百キロワットのものをやろうと思ったら、もう既にヨーロッパでは商業化されている、日本では今から研究開発をやるというようなことが書かれております。
 ですから、このやり方そのものが、やること自体が、どんどんお金を使うだけで、結果的にここにできた成果は世界的にも日本の中でも通用しない、何にも役に立たないものになってしまったわけですけれども、その時点でやはりマネジメントというのが非常に大事だったんじゃないか。そして、日本ではそういう政策をとられなかったわけですから、これはもうやめよう、幾らやってもだめだ、あと三百億使ってもドイツやデンマークにかなわないというのは早い段階でわかったわけですから、普通のマネジメントでしたら、これはもうやめた方がいいというところでございます。しかし、これはずっと続けられてこういう結果になったわけです。
 大臣、今我が国がやろうとしている技術開発は、ほとんど国際競争力から見て、国際的な競争ができるかどうかということでやっているわけですから、国の政策がこういうふうにしっかりバックアップされていないと、ただ研究開発をやりましょう、重点的にやりましょうということであればほとんど成果はない、それからもう一つ、やはり勇気のある迅速な決断をやらないと大きな税金のむだ遣いを起こしてしまうということがあると思うのですが、その点についてはいかがお考えでしょう。
この発言だけを見る →
平沼赳夫#19
○平沼国務大臣 風力発電のことで大変詳しい山田先生からの御意見を承りました。ただ、これまでサンシャイン計画でやってきた、それが全くゼロであったというような御評価というのは、私は非常に残念な気持ちで聞いているわけであります。
 確かに、ドイツでありますとかデンマークというのはそこのところを非常にインセンティブを与えるような政策で、現実は今おっしゃったように五百万キロワットを超えるような実用化になっております。しかし、我が国といたしましても、それなりに一生懸命にやってまいりまして、そしてこれからそういう成果というものを今まで培った土台の上に強力にやっていこう、こういう段階に今あるわけであります。
 確かに、御指摘のような、インセンティブを与えるというような面ではヨーロッパに比べていろいろな事情からおくれていたということは私は認めざるを得ないと思います。しかし、冒頭に申し上げましたように、全くそれがむだであったということではなくて、現実に北海道を中心として、まだゼロが一つ少ないけたでございますけれども、日本もこれからそこのところに力を入れていくという基盤はできてきているわけであります。
 そういう反省の上に立って、御指摘の点も踏まえて、これから新エネルギーというものは力強く開発していかなければなりませんから、我々としてもそこのところは力を入れてやってまいりたい、このように思っています。
この発言だけを見る →
山田敏雅#20
○山田(敏)委員 風力エネルギーについては一言だけ最後に申し上げますが、風力発電は日本ではこれから進んでいくという見通しは今ほとんどなくなってしまいました。原因は、電力会社が買い取りを拒否する。ですから、法律で買い取り義務をつけて、総括的に自然エネルギーの開発をやらないと日本の風力発電はこれから先伸びないというふうに思います。
 それでは次に、今研究開発組合のことについてお尋ねいたしました、基盤技術センターのことについてもう少し総括をお願いしたいと思います。
 今申し上げましたように、当初この基盤センターというのは、基礎技術を日本の民間企業にどんどんやってもらおう、そして成果を上げて、その出資に対して配当を受け取るとか利潤を受け取るという方向でやっていったわけですが、現実には、先ほど申し上げましたように、二千七百億円の出資のうち回収資金はゼロである、さらに欠損金がどんどんこれからふえていくということでございます。この点について経済産業省の所感をお願いいたします。
この発言だけを見る →
中山成彬#21
○中山副大臣 基盤技術センターのこれまでの仕事に対する評価の質問でございますけれども、過去十五年間の基盤センターの出資プロジェクトの総括的な評価ということにつきましては、これまでセンターは、民間が取り組むべき基盤技術研究に対しまして、出資や融資等によります支援を通じて、さまざまな研究成果や波及効果をもたらし、新たな市場創出にも貢献してきた、このように考えておるところでございます。
 具体的には、国際電気通信基礎技術研究所、ATRや生物分子工学研究所、BERI等の世界的に評価の高い研究所の輩出とか、あるいは約二万件の論文、約二千件の特許登録等の知的資産も形成されました。また、プロジェクトに参加した研究者によるベンチャー企業の創業とか、あるいはポスドクの受け入れ等による人材の育成、産学連携の促進、そしてまた特許権の実施許諾等を通じた製品化等の成果をもたらしておりまして、総括的に見まして、我が国の基盤技術の向上の観点から有形無形の成果を上げてきた、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#22
○山田(敏)委員 ただいま申された成果は、先ほど申しましたように、年間二百六十億円も使い続ければ、これはセンターでやらなくても、どこでやっても、私がやってもその程度の成果は出ます。
 そうではなくて、今申し上げたのは、当初、二千七百億円の出資金に対して、研究開発会社をつくってやったわけですが、それについてリターンを得て、それでさらに基盤技術を広げていこうというのがこのセンターの趣旨でございます、これについて全く回収がゼロであったということ、それについてどう思われますかという質問です。
この発言だけを見る →
中山成彬#23
○中山副大臣 全くなかったということではございませんで、約二十五億というような帰属もあったわけでございます。それは少ないではないかと言われれば確かにそうでございますけれども、先ほど答弁いたしましたように、やはり全体としてそういう基盤が広がった、そういう意味の評価をしている、このように考えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
山田敏雅#24
○山田(敏)委員 それでは、今の御答弁では、当初の目的は全く達成されなかったというようにうかがうことができますが、それでよろしいでしょうか。
この発言だけを見る →
中山成彬#25
○中山副大臣 お答えいたします。
 この評価につきましてはいろいろな御意見もあろうかと思いますけれども、当初、日本の基盤的な技術水準を高めよう、あの当時、アメリカに比べまして相当おくれているな、あるいはまた基盤的な技術につきましてただ乗り論とか、そんなことがあったわけでございまして、全体として底上げをしようということが一つのテーマであった、そういう面からは効果があった、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#26
○山田(敏)委員 わかりました。それでは、出資をして回収するということでは全くだめだったけれども、基盤技術の底上げには多少貢献した、こういう理解をさせていただきます。
 今、基盤技術に非常に貢献したということでございますが、個々のプロジェクトを一回ちょっとごらんになっていただきたいと思います。百七、そして八百億円の融資をされたわけですが、恐らく数百のプロジェクトがあったと思います。このプロジェクトリストというのがございますが、これをごらんになっていただければわかると思うのですが、ほとんどが大企業でございます。そして、非常に少ない企業の共同研究に使われております。
 このような基盤技術というのは、大企業が中心になっていることでございますけれども、実は、中小企業、あるいは全く会社を持っていない方が非常に革新的な特許を持っていらっしゃったり、それからいいテーマを持っていらっしゃるということでございます。実は、この基盤技術センターの制度では、そのような中小企業や、あるいは会社というものを持っていらっしゃらない方については、全くこれは取り上げられないシステムになっております。
 これは、出資をする場合に、ある程度財務的に、経理的に確立された会社でないとだめ、あるいは、融資をされる場合には全額担保を出してください、五千万借りるときは五千万の担保を出してください、こういう制度でございます。
 たくさんの応募がございました。数字は手元にありますが、その中の、今申し上げました基盤技術、基礎技術について、これは大企業だけではなくて中小企業も大変あるわけですけれども、結果的にこのような会社は全部制度的に外されて、せっかくの技術が行われなかったという点がございます。その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
日下一正#27
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 このセンターの、最初の法律の制度をつくるときの国会での議論にも御指摘がありますが、もちろん中小企業を制度として排除したものではなくて、中小企業の研究能力が活用できれば活用したいという考え方であったわけでございます。
 ただ、先ほどからございますように、対象は基礎技術、応用技術、基盤技術でございますので、中小企業側の持っている研究能力との関係で、先生御指摘のように、中小企業の方が参加したプロジェクトの採択が非常に限られていたというのは事実でございます。
 私どもの調べたところによりますと、四百社ほど参画しているわけでございますが、その中で三十社ほど中小企業に当たる社が株主として参画され研究に当たられているようでございますが、非常に限られているということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、基盤技術でございますので、ここで出てきた成果を利用していくということで中小企業も受益してくるということを期待していたところでございます。
この発言だけを見る →
山田敏雅#28
○山田(敏)委員 実質的に成果を上げてそれを中小企業に及ぼしていこうという今御答弁でございますが、実態的には成果が上がらなかった。上がっていれば、そのような売り上げも、出資金の利益も配当もあったわけですから、実際十五年間そのようなものはなかったということでございます。
 それから、このリストで一つ一つ見てみますと、大企業に研究開発の一つのテーマを出して、それに対してお金を上げる。最初に申し上げましたように、ほとんどの会社が既に今整理、清算をするという状況になっておりまして、出資金がほとんど全部欠損金になるわけですが、ということは、大企業は、出資金として受け取ってそれを使ってしまった、そして欠損金になりました、それで今成果は余りございませんという状況になっております。今後、この欠損金が恐らく二千億近くになると思います、どんどん広がっていくと思いますが、それについてどういうふうに処理するお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
日下一正#29
○日下政府参考人 センターの累積の欠損について、あるいはその処理についてお尋ねでございます。
 もちろん会社をつくりました際には、民間の方からプロジェクトの提案があって、センターの方は七割でございますが、民間の方も三割出資をして、その両方の出資が経済的価値として研究に使われて実態がなくなっているケースが多いというのが私どもの直面している実態であるわけでございます。
 今までの解散しました十五社の成果管理会社の残余財産からの回収によりまして、今まででございますと、センターからの出資金額の二百三億のうち七億円が回収されてきているところでございます。今後、この研究開発会社を解散させることによりまして、残余財産の回収を行うこととしております。
 残余財産の中身を見てみますと、もちろん社会にとって重要な研究成果があるわけですが、経済的な成果ということで申しますと、御指摘のように特許権が主体でございます。このような特許権を客観的に評価して適切な価格で売却を行うとともに、その他の保有資産につきましても同様に売却処分などを進めることにしまして、資金回収に努めていきたいと考えております。
 その結果につきましては、先ほどちょっと御紹介しました、従来の既に解散しました十五の会社の事例から見ましても、出資金の大半が欠損金として計上される可能性も考えられるところでございます。
 このように、欠損金ということになりましたら、これはセンターに対する政府及び政府以外の者からの出資金を減資して処理することになろうかと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る