総務委員会

2001-11-20 衆議院 全158発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十三年十一月二十日(火曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 御法川英文君
   理事 荒井 広幸君 理事 川崎 二郎君
   理事 渡海紀三朗君 理事 平林 鴻三君
   理事 田並 胤明君 理事 松崎 公昭君
   理事 若松 謙維君 理事 黄川田 徹君
      赤城 徳彦君    浅野 勝人君
      伊藤信太郎君    河野 太郎君
      左藤  章君    佐田玄一郎君
      新藤 義孝君    高木  毅君
      滝   実君    谷  洋一君
      野中 広務君    林 省之介君
      林  幹雄君    宮路 和明君
      山本 公一君   吉田六左エ門君
      伊藤 忠治君    大出  彰君
      金子善次郎君    玄葉光一郎君
      島   聡君    武正 公一君
      中沢 健次君    中村 哲治君
      山村  健君    高木 陽介君
      山名 靖英君    佐藤 公治君
      春名 直章君    矢島 恒夫君
      重野 安正君    横光 克彦君
      三村 申吾君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   総務副大臣        小坂 憲次君
   総務大臣政務官      新藤 義孝君
   総務大臣政務官      山名 靖英君
   総務大臣政務官      山内 俊夫君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長
   )            鍋倉 真一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           加茂川幸夫君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    —————————————
委員の異動
十一月二十日
 辞任         補欠選任
  坂井 隆憲君     高木  毅君
  宮路 和明君     林  幹雄君
 吉田六左エ門君     林 省之介君
  荒井  聰君     島   聡君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  毅君     坂井 隆憲君
  林 省之介君    吉田六左エ門君
  林  幹雄君     宮路 和明君
  島   聡君     荒井  聰君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案(内閣提出第一五号)(参議院送付)

     ————◇—————
この発言だけを見る →
御法川英文#1
○御法川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官村田保史君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君及び文部科学省大臣官房審議官加茂川幸夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
御法川英文#2
○御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
御法川英文#3
○御法川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村哲治君。
この発言だけを見る →
中村哲治#4
○中村(哲)委員 おはようございます。民主党・無所属クラブの中村哲治でございます。
 私は、この法律は、民法七百九条の不法行為の要件を明確にするための法律だと考えております。公権力が表現に直接に規制を加えるというのではなく、民事上のルールを定めることにより、私的自治の範囲内でネットの世界の自主規制を誘導しようとするものだと考えます。そういう趣旨のもとで、基本的には賛成の立場で、参議院の審議に引き続きまして質問をさせていただきます。
 この法案では、参議院での大臣の御答弁や副大臣の御答弁にも見られるとおり、他人の権利を侵害する違法情報についてのルールづくりであって、有害情報については対象外だということですが、そのことをまず確認させていただきます。副大臣、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#5
○小坂副大臣 中村委員におかれましては、法案の趣旨を基本的に御理解いただきまして、ありがとうございます。
 御指摘のとおり、本法案は有害情報については対象外としております。本法案は、インターネットのウエブページや電子掲示板等で流通する情報によりまして個人の権利の侵害があった場合に、プロバイダー等の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利を定めているものでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#6
○中村(哲)委員 その上で、違法情報について、この法案について反対の人たちからは、他人の権利という概念はあいまいであり幅広く解釈されるおそれがあり、違法とは言えない情報に対してまで通信事業者の自主規制によって送信を防止する措置、三条一項、二項がとられるおそれがあるという批判があります。
 これに対しては、本法律における他人、権利、侵害という言葉、用語は、一般司法上の不法行為について定めた民法七百九条の、条文を読みますと、「故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」という条文の、他人の権利を侵害するという言葉と同義であるという回答があり得ると思います。つまり、本法律の他人の権利の侵害の法文解釈については、民法七百九条の法文解釈がそのまま当てはまり、従来からの解釈の積み重ねがそのまま適用されるので、反対派がおっしゃっているような幅広く解釈されるおそれはないということがあると思います。この点について確認させていただきます。
 本法律案の他人、権利、侵害は、民法七百九条に規定する他人、権利、侵害と同じものなのかどうか、総務省の見解を伺います。
この発言だけを見る →
小坂憲次#7
○小坂副大臣 中村委員御指摘のとおりでございまして、民法七百九条に言います他人の権利の侵害と同義であると考えられると思います。
この発言だけを見る →
中村哲治#8
○中村(哲)委員 さて、そうだとして、本法律案における他人の権利の侵害として考えられるものとしては、具体的に何があるのでしょうか。恐らく、名誉権、プライバシー、著作権の三つが考えられますが、いかがでしょうか。そのほかには何があるでしょうか。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
小坂憲次#9
○小坂副大臣 委員御指摘のとおりでございますが、本法案において対象とされております権利侵害は民法上の不法行為に該当するものでありまして、したがって、情報の流通によって生じた特定の個人の法益の侵害であれば該当するものであります。
 権利侵害の種類は、特に限定はいたしておりませんが、想定される権利侵害としては、御指摘のような名誉毀損、プライバシー侵害及び著作権侵害などが考えられると思います。
この発言だけを見る →
中村哲治#10
○中村(哲)委員 その三つ以外には具体的には、ほかには何があるかということに関してはございませんでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#11
○小坂副大臣 あとは、商標権とかそういった権利が考えられるかと思います。
この発言だけを見る →
中村哲治#12
○中村(哲)委員 さて、この法律案に対しては、発信者、被害者、特定電気通信役務提供者、すなわちプロバイダーの三者によって、それぞれの立場からの受けとめ方があると思います。それぞれの立場から、いろいろな思いでこの法律案については意見があることだと私は認識しています。
 そこで、総務省としては、この法律は最終的には何によって法の目的を担保するとお考えでしょうか。私の理解では、この法律の成立や施行後に、最終的には裁判所が判断すること、つまり、被害を受けた者が裁判所に訴え、三者それぞれが、権利侵害の局面や情報削除の局面など、その時々の局面でどのように判断したのか、その判断が適切であったのかということを裁判所が判断するということで被害者の利益と表現の自由との調整を担保していると考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#13
○小坂副大臣 最終的にはどうかということであれば、裁判所による判断ということになります。
 ただ、当省といたしましても、プロバイダー等が対応に困ることのないように、法律の解釈指針を示すという方法、あるいは業界団体等が事例の蓄積を行うことやガイドラインを作成することを支援するといったようなことを考えておるわけでありまして、御指摘のように、本法案の個々の条項についての具体的な解釈、適用については、最終的には、訴えを受けた裁判所において発信者の表現の自由と被害者の利益の調整を図りつつ判断が行われ、こうした判例の積み重ねによって解釈の明確化が図られていくものを期待しているところでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#14
○中村(哲)委員 小坂副大臣のその答弁を前提として、具体的に事例を設定してこの法律の条文の流れを考えていこうと思います。
 まず、仮に私が、自分に対する差別的な書き込みがあるホームページ、正確にはウエブサイトということになるのでしょうが、そういうホームページがあるということを発見したとします。そこで、まず私ができることがあるとすれば、そのホームページを管理している、法文では特定電気通信役務提供者となっております管理者に削除依頼をすることになると思います。そこで管理者としてはどうしようかと思い、判断が問われることになると思います。管理者としては、勝手に削除すれば書き込みをした発信者の方から、民法七百九条の不法行為責任や、契約関係とかにある場合には民法四百十五条の債務不履行責任を問われる可能性があります。だから、プロバイダーとしては、管理者としては、削除するのにちゅうちょするのではないか。
 そのときに、削除するかどうかの基準になるのが三条の二項だと思います。それはいいですね。それを前提に質問をさせていただきます。
 まず管理者は、三条二項一号の「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由」があるかどうかを検討することになると思います。しかし、この条文に基づいて削除した場合には、書き込みを削除された発信者の方から損害賠償請求を受けたときに、相当の理由があったのかどうか、その証明責任を負うのは管理者ですね。それはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#15
○小坂副大臣 お説のとおり、三条第二項第一号に規定される要件は、プロバイダー側の立証責任があるというふうに考えられます。
 本法の第三条第二項の各号は、プロバイダー等が特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害についての免責事由を定めるものでありますので、そのようになるということでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#16
○中村(哲)委員 それならば、やはり三条二項一号の方では、私の権利が不当に侵害されていると信じたという相当の理由というのを根拠にしては、プロバイダーなどの管理者は削除しづらいだろう。しかし、削除しない場合には被害者、この例では私からですけれども、私の方から民法七百九条に基づく不法行為責任、もしくは何らかの私との契約関係があれば四百十五条に基づく債務不履行責任の損害賠償請求を受ける可能性があります。
 そのときには、管理者の損害賠償責任を検討する上で、プロバイダーの損害賠償責任を検討する上で、三条一項の方の一号や二号の要件が問題となりますが、三条一項の方の一号や二号の要件の証明責任は管理者にあるのでしょうか、それとも被害者である私の方にあるのでしょうか。不法行為責任、債務不履行責任の場合で分けてお答えくださいますようお願い申し上げます。
この発言だけを見る →
小坂憲次#17
○小坂副大臣 委員の御質問は大変具体的でございまして、大変に、実際起こるであろうことをいろいろ想定されて御質問いただいているわけでございますが、委員のその事例に沿ってお答え申し上げますと、まず、第三条第一号の不法行為責任、不法行為による損害賠償責任が生じる場合でございますが、一般の不法行為の場合と同様にまず被害者側にその立証責任がある、こう考えられるわけでございます。本法案の第三条第一項は、特定電気通信による情報の流通によって権利侵害が生じた場合についてのプロバイダー等の損害賠償責任が生じる場合を明らかにしている規定でございますので、そういうふうになるわけでございます。
 それでは、被害者が債務不履行に基づく損害賠償責任を追及する場合はどうなるのかということでございますが、その場合は、プロバイダー等に対して債務不履行責任を追及する場合であっても、第三条第一項各号の証明責任は権利の侵害を受けたとする側にある、すなわち、今の事例で申し上げますと、私がとおっしゃっている側にあるということになるわけでございます。
 さらに詳しく申し上げますと、権利を侵害する情報の流通についてプロバイダー等が責任を問われる場合に、権利を侵害されたと主張する者とプロバイダー等が契約関係にあるときには、プロバイダー等が契約者たる被害者の権利侵害に配慮しなかったということで、被害者から債務不履行責任を追及されることはあり得るということでございます。一般に、債務不履行責任の場合には過失のないことの立証責任を債務者が負うこととなります。しかし、この場合のような契約の主たる義務とは別の付随的な義務違反を理由とする損害賠償請求の場合には、故意、過失の証明責任は一般の不法行為と同様に権利の侵害を受けたとする者の側にあると解されているところでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#18
○中村(哲)委員 続いて質問させていただきます。
 しかし、そのようなときに削除するのかどうかというのを管理者が判断するときに、当該書き込みが被害者である私の権利を侵害しているものなのかどうか、実質的な判断を強いられることになります。判断を迷うことになるだろうと。私の理解では、そのための手続として規定されているのが三条二項二号の照会の規定だと思います。その点についてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#19
○小坂副大臣 本条の、第三条第二項第一号において、ある書き込みについてそれが他人の権利を侵害するものであると通常考えられるようなものであれば、プロバイダー等において直ちに削除等の措置を講じても発信者からの責任を問われることはない旨規定をしているわけでありますが、また、第三条第二項第二号の要件を満たせば、相当の理由を判断せずにプロバイダー等が削除等の措置を講じた場合においても発信者に生じた損害について責任を問われることはない、こう規定しているところでございます。
 したがって、今おっしゃったように、第三条第二項の二号の規定がそれぞれ補完関係にあるということではなくて、各号はそれぞれ独立した免責要件を定めている、このように解していただきたいと思います。
この発言だけを見る →
中村哲治#20
○中村(哲)委員 その回答についてはちょっと私も今判断できませんが、具体的にさらに詰めて話をさせていただきたいと思います。
 その照会に対して、条文でありますとおり、当該発信者が当該照会を受けた日から七日間を経過しても当該発信者から当該送信防止措置、この場合では削除になろうかと思いますが、これを講ずることに同意しない旨の申し出がないときには三条二項二号で免責される、また、同意する旨の申し出があるときには司法の一般原則からして私的自治上当然に免責される。
 問題は、当該発信者が当該照会を受けた日から七日を経過するまでに当該送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申し出をした場合です。この場合には、管理者としては当該情報を削除した場合には三条二項二号によっては免責されません。免責されるには、やはり一号に戻ってと私は思っているのですけれども、相当の理由を証明しなくてはならなくなります。だから、同意しない旨の申し出があった場合には、管理者としてはなかなか削除に踏み切れないんじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。
 そこで、発信者から削除しない旨の申し出がある場合に、管理者が削除に踏み切れなかった場合には、管理者は逆に私から損害賠償を請求され得るのでしょうか。差別的な書き込みがあるような場合には、私の名誉が侵害されているわけですから、客観的には他人の権利が侵害されていることに当たるでしょう。だから、三条一項の方の一号または二号により故意、少なくとも過失は認められることになると思います。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#21
○小坂副大臣 私の理解が委員が御指摘のものと正しいかどうか、今回の御質問について、ちょっと自信がない部分があるのですが、とりあえず答えさせていただきたいと思います。
 発信者から送信を防止する措置に同意しない旨の、すなわち削除しては嫌だよ、こういうお話があったときにプロバイダー等が情報を削除しなかった場合であっても、その場合には本条の、第三条第一項の各号の要件を満たさない限り、すなわち、一項に掲げてある一、二の、二つの、「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある」という第二号、あるいは当然知っていたという場合、これらの場合でない限り、プロバイダー等が被害者からの責任を問われることはないというふうに解されております。
 また、単に差別的な表現、例えば権利を侵害されたというのが特定の個人の権利の侵害でないような差別的な表現とか、そういうような事例の場合には、他人の権利の侵害があったとはそれだけでは言えないわけでございまして、プロバイダー等が三条第一項により——ちょっと待ってくださいね。
 失礼しました。ちょっと勘違いをしていた部分があると思いますので、補正をさせていただきます。
 了解しないといった経緯で、第三条第一項第二号にいうところの「権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある」とは言えないような場合については、当該情報を削除しなくてもプロバイダーが責任を問われることはない、このように考えられます。
この発言だけを見る →
中村哲治#22
○中村(哲)委員 答弁が苦しいと私が感じるのは、削除依頼がプロバイダーに対してあるわけですね。そのときには少なくともプロバイダー、管理者の意識の上には、その違法情報が意識の上に上がるわけですよ。だから、具体的な検討をしないと、この一項の方の要件に当たらないということはなかなか言えないだろうと思うのです。
 だから、私が聞きたいのは、この法律では、プロバイダーなどの管理者が権利侵害を検討される場合にどういう行動指針をとればいいのか、そういう具体的な行動規範を示したものではない、そういうことを確認させていただきたいのですけれども、それでよろしいですね。
この発言だけを見る →
小坂憲次#23
○小坂副大臣 そのとおりでございます。行動指針を具体的に示したということではないわけです。
この発言だけを見る →
中村哲治#24
○中村(哲)委員 確認的になりますけれども、その管理者にとって当該書き込みなどの情報によって他人の権利が侵害されているかどうか判断しづらいとき、それにはどういうふうにすればいいのか。それは、今後のネットの世界での事例の積み重ねや裁判所による解決の事例の積み重ねが必要だということであって、それがゆえに、先ほど御答弁になられた、総務省においてもガイドラインなどを整備していかないといけない、そういうことだと理解しておりますが、それでよろしいですね。
この発言だけを見る →
小坂憲次#25
○小坂副大臣 そのとおりでございます。
 御指摘のように、実際に、どのような場合に他人の権利が侵害されているというふうにされるのかということにつきまして、必ずしも明確と言えないという場合が出てくることも考えられますので、今おっしゃったような法律の解釈指針を示すとともに、業界団体等が事例の蓄積を行うことやガイドラインを作成することを支援する、先ほど申し上げましたが、そういったことを講じていく、こういうことでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#26
○中村(哲)委員 プロバイダー、管理者の判断がその時々に問われるということを確認させていただいた上で、次に、第四条についてお聞きします。
 第四条は、発信者情報について被害者に開示請求権を認めた条文であると認識しております。もしこの条文がなければ、被害者が管理者に発信者情報を求めたとしても、その法的根拠が不確かであり、管理者としてはなかなか応じられない、お客様から文句を言われるかもしれないから応じられない。
 次に、被害者が裁判によって管理者に請求したとしても、それは人格権に基づく妨害排除請求という法律構成をとらなくてはいけない。つまり、物権よりも人格権の方が当然上位にあるので、物権に認められる妨害排除請求権は人格権にも認められるという法律構成をとるしかないのかなということになると思います。
 しかし、それでは裁判所の判断の結果次第ということになり、裁判所の判例による法創造機能といっても、それには限界があるだろう。だから、人格権に基づく妨害排除請求権を明文化するという趣旨でこの第四条の規定がある、そのように考えているのですけれども、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
小坂憲次#27
○小坂副大臣 大変詳しく解説をいただきまして、まさにそのとおりでございます。
 これまでに、発信者情報開示について、人格権に基づく請求を認めた裁判例は存在しておりません。また、実定法上の権利がない場合にこうした請求が認められる可能性は乏しい、このように考えられますことから、本法案において発信者情報の開示を求める権利を創設するというふうにしたわけでございます。
この発言だけを見る →
中村哲治#28
○中村(哲)委員 具体的な条文の検討に入らせていただきます。
 第四条一項一号の「明らかであるとき。」というのは具体的にはどういう場合でしょうか。小坂副大臣の浅尾慶一郎参議院議員への答弁では、要件への必要性が述べられた上でこのようにおっしゃっております。これは「明白であるという趣旨でありまして、単に権利の侵害の可能性が高いということでは足りない、」とおっしゃっております。
 しかし、これでは、プロバイダーは何をもって明白であるのか判断できないのではないでしょうか。もう一度具体的にお答えください。
この発言だけを見る →
小坂憲次#29
○小坂副大臣 具体的にというのはなかなか難しいのでございますが、本法案の第四条一項において「当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。」を要件としているものは、通常の訴訟上の証明の場合には、通常人から見て権利侵害があったと確信するに足る程度まで証明することというふうになるわけでございますけれども、本要件の場合にはそれよりもさらに一歩進んで、疑いを差し込む余地のないほどに明らかだということを証明することが求められるということになるわけでございます。
 発信者情報は、プライバシーや表現の自由、場合によっては通信の秘密にもかかわる問題でありまして、安易に開示が行われることのないようにこのような要件が定められることが必要だ、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →
← 戻る