外交防衛委員会

2012-08-28 参議院 全292発言

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会議録情報#0
平成二十四年八月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三十一日
    辞任         補欠選任   
     石川 博崇君     山口那津男君
 八月二十八日
    辞任         補欠選任   
     山口那津男君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         福山 哲郎君
    理 事
                風間 直樹君
                広田  一君
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                山本 香苗君
    委 員
                石井  一君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                榛葉賀津也君
                山根 隆治君
                猪口 邦子君
                宇都 隆史君
                岸  信夫君
                山本 順三君
                石川 博崇君
                佐藤 公治君
                小熊 慎司君
                山内 徳信君
                舛添 要一君
   国務大臣
       外務大臣     玄葉光一郎君
       防衛大臣     森本  敏君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  長浜 博行君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       外務副大臣    山根 隆治君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       国土交通副大臣  吉田おさむ君
       防衛副大臣    渡辺  周君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  加藤 敏幸君
       防衛大臣政務官  下条 みつ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       種谷 良二君
       内閣官房内閣参
       事官       國分 隆之君
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       次長       高橋 憲一君
       警察庁警備局長  西村 泰彦君
       法務省入国管理
       局長       高宅  茂君
       外務大臣官房審
       議官       武藤 義哉君
       外務大臣官房参
       事官       山野内勘二君
       外務省北米局長  伊原 純一君
       外務省欧州局長  小寺 次郎君
       農林水産省食料
       産業局長     針原 寿朗君
       国土交通省航空
       局安全部長    高橋 和弘君
       海上保安庁次長  桝野 龍二君
       防衛省防衛政策
       局長       西  正典君
       防衛省運用企画
       局長       松本隆太郎君
       防衛省人事教育
       局長       枡田 一彦君
       防衛省地方協力
       局長       山内 正和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (日米安全保障・防衛協力に関する件)
 (日朝協議に関する件)
 (竹島問題に関する件)
 (尖閣諸島をめぐる問題に関する件)
 (シリア情勢に関する件)
 (在日米軍基地へのMV22配備に関する件)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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福山哲郎#1
○委員長(福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。
    ─────────────
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福山哲郎#2
○委員長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官種谷良二君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福山哲郎#3
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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福山哲郎#4
○委員長(福山哲郎君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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風間直樹#5
○風間直樹君 おはようございます。よろしくお願いします。
 今日は二つの質疑をさせていただきたいと思います。一点目は、日米同盟の本質的な移り変わり、変遷について、そして二点目に、今回の尖閣への上陸に関しての中国海軍のアジア近海への進出について質疑をさせていただきます。
 まず、最初の日米同盟の本質的な変遷についてであります。
 お手元に配付資料として二枚、日米安保条約、一九六〇年の改定の条約と、二〇〇五年十月のいわゆる2プラス2で発表された「日米同盟・未来のための変革と再編」、この二枚を配付させていただきました。
 この二〇〇五年十月の2プラス2、当時の外務大臣は町村信孝議員、そして防衛大臣が大野功統議員でありました。この年二月に2プラス2の共同発表がありまして、十月にこの会合、会談があったという流れであります。この「日米同盟・未来のための変革と再編」、なかなか長い文書でありまして、一見すると、それまで日米間で合意あるいは公表されたものとどこがどう変わったのか、一見して容易には分かりません。ただ、これ注意深く読み込んでみますと、従来の日米安保条約と本質的に大きく変化していることに気付くわけであります。
 つまり、従来の日米安保条約は、日本に基地を持つ米軍がどう扱われるかというのが最大のポイントであります。一方、この、「未来」と略させていただきますが、「未来」では、日本自体がどう動くか、自衛隊が海外でどう活動するかが最大のポイントになっているように感じます。
 更に詳細に見ますと、この「未来」は日米安保条約と比べて二つの変化が見て取れます。まず一点目は、安全保障協力の対象の範囲、地理的範囲であります。端的に言いまして、日米安保条約での極東から、この「未来」では世界へと大きく変わっているように感じます。
 具体的には、この配付資料の安保条約の六条ですが、下線を引かせていただきました。「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」と、極東におけるということでいわゆる極東条項と呼ばれていますが、このように対象の範囲が限定されております。一方、「未来」の方を御覧いただきますと、二の「役割・任務・能力についての基本的考え方」というところで、下の方になりますが、「地域及び世界における共通の戦略目標を達成するため、」と、こう変わりまして、極東から地域及び世界におけるというふうに明確に変わっております。
 一方、もう一つの変化でありますが、これは日米間の安全保障に関する取決めの理念若しくは目的の大きな変化であります。安保条約を御覧いただきますと、まず前文の方で国連に関する言及が度々出てまいります。国際連合憲章の目的及び原則に対する信念等を再確認しという文章もございますし、さらに、第一条では、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束するという表現も出てきます。さらには、国際連合を強化することに両国が努力をすると、このように記述をされています。
 一方、この「未来」の文書では国連に関する言及はなくなります。その代わりに、先ほどの下線部でありますが、「地域及び世界における共通の戦略目標を達成するため、国際的な安全保障環境を改善する上での二国間協力は、同盟の重要な要素となった。この目的のため、日本及び米国は、それぞれの能力に基づいて適切な貢献を行う」、こう変わっております。
 私も、この二〇〇五年、2プラス2以降の衆参での質疑をいろいろ調べてみたんですが、この本質的な変遷に関する質疑はほとんどないのが現状のようでありまして、そこで今日、この外交防衛委員会でこのことを取り上げさせていただくことにいたしました。
 そこで、お尋ねでございますが、まず、安全保障協力の対象の範囲、地理的な範囲について、実質的に安保条約からこの2プラス2での文章に至って変わったのかどうか、この見解をそれぞれ外務大臣、防衛大臣にお伺いしたいと思います。
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玄葉光一郎#6
○国務大臣(玄葉光一郎君) 日米安保条約、いわゆる法的根拠に基づいた地理的範囲について変わったのかどうなのか、こういうことでありますけれども、私は基本的には変わっていないというふうに思っています。
 つまり、野田・オバマビジョンでもそうなんですけれども、世界の平和と安定に向けて責任を分担をしていくということは実は野田政権でも申し上げているところであります。それは、例えば海賊対策であるとかテロ対策であるとか、そういったことに対して言わば政治的な意図表明をしているわけです。そこに法的根拠は私は要らないというふうに思いますので、そういう意味で、いわゆる、私もかつて十数年前に外務委員会等でこの極東条項の質問を何回もしているので、できれば参考にしていただきたいと思いますけれども、基本的に、たしか昭和三十五年か何かに統一見解を出しておりますけれども、その部分について変更があったというわけではないというふうに思います。
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森本敏#7
○国務大臣(森本敏君) 一九六〇年に改定された現在の安保条約の基本的な構造というのは、安保条約の五条において、日本の施政下における日米いずれか一方に対する武力攻撃があった場合に日米で共同対処する。つまり、そのことは、法的に言うと、日本が他国から攻撃を受けた場合、アメリカが日本を守る、これを安保条約第六条の施設・区域の提供というアクセス、便宜を与えることによって相殺する、バランスを取るという構造になって安保条約ができているんだろうと思います。
 この当時の基本的な安保条約の目的は、あくまで冷戦期、西側同盟の一員として極東における東側の脅威を日米同盟でいかにして排除するか、そのために米軍が日本の施設・区域を使ってどこまで活動できるか、これが安保条約第六条に言う極東範囲、極東の範囲という議論でした。今もその考え方は変わらないと思いますが、ただ、これは安保条約に基づく米軍の活動の区域を議論しただけであって、冷戦が終わってから東西冷戦の構造がなくなって、日米同盟はむしろグローバルに、あるいはアジア太平洋地域の安定のために共に同盟を活用してこの地域の安定のために貢献して、そのために共通の戦略目標を決めようとしてできたのが今先生御指摘の二〇〇五年の2プラス2の合意であります。
 その目的は、安保条約に基づいて米軍がどういう地域に活動するかということとは別に、日米同盟が安保条約に基づいてどのような役割を世界の平和と安定のために、あるいは地域の安定のために果たすかということを、共通の価値観を求めて共通の戦略目標を定めてその下で日米協力をしていこうという、より広い地域におけるマンデート、理念を取り入れようとしたのがこの冷戦後の安保体制の在り方だと思うんです。
 条約の定義、条約の中身は変わらないんですけれども、取り組もうとしている方針とやり方が冷戦期と冷戦後と著しく変化していると、こういうことではないかと思います。
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風間直樹#8
○風間直樹君 ありがとうございます。
 ここで、日本外交にとっては非常に苦心の場面がいろいろ出てくるわけであります。今、防衛大臣、外務大臣おっしゃいましたように、冷戦後、米国から自衛隊の海外派遣について度々求められるケースが出てきています。私は、こうした状況は、この安保条約からこの2プラス2における「未来」の文章の変化に沿った動きだろうというふうに感じています。
 特に、イラク戦争時の自衛隊に対するイラク派遣の要請、これは当時の日本政府が非常に対応に苦心をしたわけでありまして、最終的には、御案内のとおり、非戦闘地域という言わばフィクション的な概念を構築した上で自衛隊を出したというのが私自身の理解であります。
 防衛大臣、今おっしゃいましたが、この六〇年改定の日米安保条約では極東という地域が決まっていて、ここにおける日米の協力というものが明記をされている。ところが、これが世界に広がった場合に、イラク戦争のような事象が起きた場合、日本外交としてどう対応するかは非常にこれは難しい問題が生じるわけであります。
 この点について、日本政府が、憲法を始め国益あるいは日本の安全保障戦略、そういったものを総合的に判断をした上で決断をしなければいけないわけですが、これは今後も多分、米国の外交方針、安全保障戦略によっては日本外交がイラク戦争時と同様の非常に難しい場面に直面することも出てくるんだろうと思います。そのときにどういう判断を国益と憲法にのっとってしていくべきなのか、この点について外相と防衛相のお考えをお伺いします。
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玄葉光一郎#9
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、仮定の質問なので答えにくいんでありますが、イラク戦争、結果として大量破壊兵器はなかったと言われる中で、あの戦争をどう評価するのか、また当時の日本外交をどう評価するのかということは、それぞれ委員によって恐らく見解が分かれるであろう、外務省としても検証しているということでございます。その上で、確かにそういった課題が今後突き付けられる可能性というのは非常に高いのではないかというふうに思います。
 ただ、同時に、私の問題意識では、むしろグローバルな中で憲法の制約上我が国の自衛隊がどこまで活動するかということよりも、この成長センターになって安全保障上不安定化しているこのアジア太平洋の中で、我が国自身が防衛力をどのような形で整備をし、そして日米安保条約に基づいてそれらをどのように深化をさせていくのか。憲法との関連でいえば、集団的自衛権の問題も含めてどのように考えていくのかというのは、私は時代の転換点ともいうべき今にあって、大変重要な課題であるというふうに考えております。
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森本敏#10
○国務大臣(森本敏君) 日本がいわゆるグローバルな平和と安定のために協力をするという範囲は、領域の中及び領域の外と両方場面があるわけでありますけれども、この種の日本の、特に領域外における日本の協力は、湾岸戦争の後、御案内のとおり、いわゆるPKO法を通して国際協力に出始めた。PKOが質的にも量的にも数の上においても格段に向上し広がって、この間における自衛隊の活動には現在のPKO法を手直しをしなければならないような事項が幾つか出てきた。これは、PKOをできるだけ自衛隊が質の良い活動をするために改正をする必要があるという問題意識が政府の中にずっとあって検討を続けてきたわけです。
 一方、日米協力については、旧ガイドラインは、はっきり申し上げると、どちらかというと、日本の領域の中において米軍にどういう協力ができるかということを主たるテーマとして作られたものを、一九九七年のガイドラインの改定のときに、日本の周辺、特に朝鮮半島事態に日本が何ができるかということをガイドラインで決め、それを法律の形にしたものが周辺事態法です。これも、九七年のガイドラインは今や十五年たっていて、ガイドライン及びそれに基づく周辺事態法を見直してどこまで日米協力を進めるか、この問題に、課題に我々は直面していると思います。
 つまり、広い意味での国際協力とそれから日米協力と、共に十五年以上やってきた実績を踏まえて、今新しい課題を抱えて我々はどういう見直しをして新しい同盟協力ができるのか、こういう状態に現在はあるのではないかというふうに私は認識しております。
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風間直樹#11
○風間直樹君 今、外相、防衛相から、それぞれ日本政府の立場と見解について御説明をいただきました。私も、国会論戦でこうした日本政府の考え方についてはいろいろお聞きをしまして、その思考方法には慣れ親しんできているんですが、一方で少し気になりますのは、米国政府のパースペクティブ、物の見方と日本政府のパースペクティブの間に随分大きな開きがあるという、こういう指摘、見解が出されている点であります。
 といいますのは、日本の国益上、憲法上、日本が何ができるか、あるいは何をすべきかというのは、おおむね今外相、防衛相がおっしゃった線なんだろうと思います。一方で、例えば、この「未来」の文書の中に、下線を引っ張った部分ですが、「国際的な安全保障環境を改善する上での」という表現が出てきます。これが何を意味しているのかということは非常に重要なんだろうと思うんです。
 具体的に言いますと、冷戦終結後、米国では超党派で、共和党、民主党の枠を超えて、冷戦後の米国の国家安全保障戦略が一定の期間を掛けて構築をされました。恐らく、ここで構築された戦略というものは、その後、ブッシュ・シニア政権、クリントン政権、それからブッシュ・ジュニア政権、そして現在のオバマ政権に至るまで、党派を超えて継承し実践されているものだろうと私は感じています。その中で、ブッシュ・ジュニア政権のときに、御記憶のとおり、いわゆる先制攻撃オプションというものが出てきた時期があります。これは言葉を換えれば予防外交ということになるだろうと思います。
 例えば、イラク、それからイラン、北朝鮮、悪の枢軸として、ブッシュ・ジュニアが当時、一般教書演説だったかと思いますが、名指しをしました。これは、この当時の米国の政権は明らかにこの三国に対して、いわゆる先制攻撃のオプション、予防外交を実践しようという意図があったんだろうと思います。その反映が、この「未来」の文書における「国際的な安全保障環境を改善する上での二国間協力」という点にどのように反映してくるのかなというのが私の一つの関心事であります。
 そこで、日本外交のなかなか困難さが出てくるんですが、例えば、今後、あのイラク戦争のようなことがまた起きた場合に、米国から様々な要請が日本政府に対して行われると思います。その場合、予防外交的な動きに対して日本政府がどこまで協力をするのかという問題、あるいは自衛隊の派遣にどこまで応じるべきなのかという問題、これは非常に大きいと考えております。現に、余り公表されてはいない、表向きにはなっていませんが、小泉政権から後の政権において、水面下でこれに類する打診が米国政府からあったのではないかと、具体的には福田政権のときでありますが、こういう指摘も出ております。
 こういった点について、つまり米国のパースペクティブと日本のパースペクティブとの間に実は大きな違いがあるのではないかという点と、将来これがまた顕在化した場合、自衛隊の派遣等について日本政府がどう判断すべきなのか、外相と防衛相のお考えをお伺いいたします。
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玄葉光一郎#12
○国務大臣(玄葉光一郎君) これも、申し訳ないんですけど、仮定の質問なのでなかなか具体的に申し上げるわけにはいかないと思うんです。実際は、実際の事態が起きたときに個別具体的な事情というものを勘案して総合的に判断をするということだと思います。
 ただ、我が国として、私が外相になってから、アジア太平洋地域以外で何を我が国ができるのかということで議論になったのはイランの問題だったと思いますね。このことについて、また具体的に事態が起きていないにもかかわらず、こういった公の場で発言するのはできるだけ控えた方がいいと思っているんです。
 ただ、当然ながら、その様々な事態にどういうふうに対応できるのかということについて検討しているということはそのとおりでございます。そのときに、我が国の憲法の制約といったものも併せて、当然ながら、言わばそれが重要な要素ということの中で検討を行い、同時に、そのときにパーセプションギャップが日米間等で起きないように、当然、様々な国々、これは日米間だけではありませんけれども、しっかりと調整を行う必要が仮にそういった場合においてはあるということだと思います。
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森本敏#13
○国務大臣(森本敏君) 外務大臣の御答弁で全て尽くされていると思いますが、少しだけ付言すれば、今のお話のように、何か事態があった場合、アメリカはグローバルパワーですが、御覧のとおり、アメリカの議会で国防予算も相当、これから十年間に五千億ドルに上る国防予算の削減を迫られており、兵器体系においてもアジア太平洋を重視するという方針を明らかにしていますが、なかなか今、中東、湾岸、イラン、例えば東アジア、二正面で作戦をする、同時に二正面で作戦する能力は少しおぼつかないのではないかと思います。その分を例えば日本に一部役割を分担してほしいという要望が出てくることは、これは現実政治の中であり得ると思います。
 その際、我が方が決断をしなければならないのは、今外務大臣のお話のように、結局、同盟を含む我が国の国益をどう考えるか、もう一つは、その国益を考えるために何をするかではなく、日本の法体系の中で何ができるのか、この二つの問題のトータルの答えとして我が国の個々の政策が決まっていくということだと思います。
 ただ、そういう抽象的な問題ではなく、日米が日ごろからどの程度のことができるのかということを日米で協議をしようということで、RMCといいますか、能力と役割と分担をどの程度、日米間でこれから賄っていくかという協議を日米でこのところずっと続けていると。その範囲の中で日本が、今申し上げたように、国益をどう考え、法的に何ができるかという二つの重要なクライテリアを基に我が国の個々の政策は決まるということなのではないかと、このように思います。
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風間直樹#14
○風間直樹君 時間がありませんので、次の質問に移らせていただきます。
 中国の海洋進出についてでありますが、お手元に、今日、地図を配付させていただきました。赤い線が中国海軍の目指す、中国海軍の言うところの第一列島線と第二列島線、青い線が日本の海上交通路であります。今日お尋ねをしたいのは、東シナ海、南シナ海における米軍と自衛隊との分担境界をどこにすべきかという点であります。
 このいわゆる第一列島線、第二列島線は、一九八五年に策定されました中国の劉華清提督によるいわゆる近海防御戦略に基づくものでありまして、二〇〇〇年までに中国沿岸の防衛能力を高め、二〇一〇年までに第一列島線の内側の制海権を確立すると。第一列島線というのは、九州、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオということであります。さらに、二〇三〇年までに複数の通常型空母艦隊を建設して、第二列島線の内側の制海権を確立する。これが小笠原諸島、グアム、サイパン、テニアン、パプアニューギニアということであります。そして、二〇四〇年までに複数の原子力空母艦隊を建設し、米海軍の西太平洋及びインド洋における制海権をそぎ落として、米国と対等の海軍国になるというのがこの戦略であります。
 米国が、この第一列島線と第二列島線の間のどこに米国が担当する防衛ラインを引くことを考えているのか。それが日本が逆にどこまでを担当するかに影響を与えるんだろうと思うんですが、この点について、防衛大臣はどんなふうにお考えでしょうか。
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森本敏#15
○国務大臣(森本敏君) 先生、今この地図をお示しになりながら、第一列島線、第二列島線の御説明をいただいたのですが、まさに先生のお言葉にあるように、これは中国が中国の理由で決めたもので、日米両国がこの線を決めたわけではありません。我々は、この第一列島線、第二列島線などというものを基準にして日米の役割を分担しようなどという計画を持っているわけではありませんし、また現実にそういう考え方もありません。
 日米が考えているのは、海洋の安定というものを図るためには、公海上は全ての国に開かれた海であり、航行の自由を確保するために、多国間の協力によってこの海域の安定をいかにして維持していくかという広い意味での国際協力を通じて、この海域の安定を図るためにどのような外交努力、防衛努力ができるか、これをやっているのであって、繰り返しになりますけれども、この第一列島線、第二列島線で書いた線の中で、この海域の中で日米が役割をどこかで分担しているということは全くございません。
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風間直樹#16
○風間直樹君 中国海軍としては、この第一列島線、第二列島線の間の海域を言わば中国が自由にコントロールできる海域にして、冷戦時のバレンツ海のように、ここで中国の潜水艦が一定の行動の自由を得ると、これが一つの目的だというふうにも言われているわけであります。
 日本から見た南西方面の防衛なんですが、明らかに日本の役割、あるいは今後のその責任というものが大きくなっていくんだろうと思います。その点について、防衛大臣、お考えございましたらお願いします。
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森本敏#17
○国務大臣(森本敏君) 確かに、日本の南西方面は約一千二百キロ、ここに点在する島々は、沖縄、鹿児島を含めて約一千という島がこの一千二百キロの中に点在しております。
 我が国領土の全体の長さの約三分の一を占めるこの海域に、最近中国が、少しずつ艦艇をこの中を通り抜けて日本の南海域で訓練をしたり、各種の活動をやっているということは事実であります。また、その活動海域が東の方に広がっているということも事実であります。その活動も毎年活発化しているということも事実であります。
 この南西方面の安全をどのようにして確保していくかということは日本の防衛力の大変重要な課題であり、我が国は、さきに決めた防衛大綱に基づいて、特に南西方面に対する動的防衛力というものを機能させ、同時に、この中心に存在しているアメリカ軍との日米協力、日米防衛協力によってこの南西海域の抑止力を高め、この海域の安全を維持する、これを現在我々は取り組んでいるというところでございます。
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風間直樹#18
○風間直樹君 ありがとうございます。終わります。
    ─────────────
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福山哲郎#19
○委員長(福山哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君が選任されました。
    ─────────────
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猪口邦子#20
○猪口邦子君 おはようございます。
 委員長、理事の先生方、本日は私のこの質問の時間をいただきまして誠にありがとうございます。また、両大臣、玄葉大臣そして森本大臣の日々の御努力に対しても感謝申し上げます。
 まず冒頭、通告していなかったことでございますけれども、丹羽大使の公用車が、丹羽大使自ら乗車している公用車が襲われまして、そして、けが人等はなかったとはいえ、外交ナンバー、大使車の国旗が持ち去られるという重大な事件が発生しました。
 誠に残念なことでありまして、これに対して、まず外務大臣の所見、これをお伺いします。
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玄葉光一郎#21
○国務大臣(玄葉光一郎君) 国旗ですから、国の言わば威厳の象徴、威厳を言わば尊重しなければならない、そのことに対して相当の注意を払うというのが一般国際法上の原則であるというふうに思います。あわせて、ウィーン条約にもございますように、大使、そして大使館というものは接受国が守らなければならないということでありますので、誠に残念という話がありましたが、誠に遺憾なことで、厳正に抗議をしました。
 昨日四時にその事案が発生をいたしまして、五時の時点で抗議をし、再発防止を求め、かつ刑事捜査というものを強く求めたところです。それに対して、中国政府としては、法に基づいて厳正に対処しますと、誠に遺憾だということで、これについては、まさに再発防止に全力を尽くすとともに、中国にいる日本人の安全確保も含めてしっかり取り組みたいという話があったところでございます。
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猪口邦子#22
○猪口邦子君 この車には大使が乗っていらっしゃったということでございますが、公使、次席公使は乗っておられたのでしょうか。また、この車は単体で移動中だったのでしょうか。二台目の車が確認車のような形で、このような時期ですから、念のため移動していたというようなことがあったでしょうか。二台目があったのか、公使が同乗していたのか、お答えください。
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玄葉光一郎#23
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと今、事実関係なので確認しましたけれども、どうも単体であり、次席公使は乗っていないということで、昨日、次席公使の方から抗議をしたということでございます。
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猪口邦子#24
○猪口邦子君 日々の活動、これはちょっと古い言葉ですけれども、よく行政学ではSOPと呼ばれまして、スタンダード・オペレーション・プロシージャーで、グラハム・アリソンの「決定の本質」などでよく開陳されています。そういうスタンダード・オペレーション・プロシージャーで対応するときと、緊急事態であればここは慎重に対応するということで大使車を、もちろん接受国が守るのが原則とはいえ、念のためのいろいろな工夫、これを指示するのは大臣のお仕事と考えます。地域によっては移動のときに乱数表を使って道をその日その日変えていくとか、いろいろな危機管理の発想からの対応をするのが暗黙の常識でもあります。
 国旗が、とにかく大使車の国旗が取られてしまうという、このことは実に重大なこととして受け止めていただき、今後危機管理について万全を期していただきたいと、ここを強く申し入れておきます。
 それでは、通告申し上げましたことを順々にお伺いしてまいります。
 本日は少し時間をいただきましたので、まず竹島関連のこと、日韓関係のことですね、それから二番目には北朝鮮関連のこと、三番目には国家安全保障会議、長年、私はこれを設置しなければならないということを申し上げておきましたが、ついにそれやっていただけていない状況の問題、それから尖閣諸島の問題、それから、現在はPIF、パシフィック・アイランド・フォーラムが展開されていますけれども、それについて、それからオスプレイの問題、また、もし時間がありましたら、一か月ほど前に質問いたしました中国への農産物不正輸出のその後のこと、また、ロシアのWTO加盟のことなどを順次質問いたしてまいります。
 まず、竹島関連でございますけれども、政府は、十七日、李明博大統領に対して、大統領が最近竹島に上陸した、また日韓関係に関する、これは天皇陛下に対する失礼な発言も含めてでしょうけれども、種々の発言について遺憾の意を伝える、このような親書を伝達したと聞いております。
 まず、この親書は局長から公使に手渡されたということですけれども、この内容の重要性に鑑み、かつ、親書は一般的に国家元首から、あるいはそれに相当する立場の方から相手国の同格の人に自分の署名を付して出すものですので、この特に今回の親書の重要性に鑑み、そのレベルで手交したことは判断ミスであり、慎重さを欠いたのではないかと考えます。特使を立てて送る、持っていってもらう、あるいは大使を呼んで大臣自ら手交する、あるいは現地にて大使から相手方、大臣相当、外交通商部長に手交するなどの方法が適切だったと思いますけれども、大臣のお考えはどうですか。
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玄葉光一郎#25
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず親書でありますが、これは明確な定義はありませんが、猪口先生がおっしゃったように、通常は元首の、言わば首脳などの要人間の言わばやり取りということだと思います。つまり、カウンターパートに発出する書簡だというふうに、明確な定義はないですけれども、そう考えてよいのだろうというふうに思います。
 今回の親書の重要性に鑑みと、こういうお話でありました。ただ、これはもう先生も御存じのとおり、親書というのは機微な内容から様々あるわけであります。先生の場合は、今回の重要性に鑑みて高いレベルからやれと、こういうお話だったのかなというふうに思いますけれども、通常、親書のやり取りというのは、例えば野田首相からオバマ大統領、あるいはオバマ大統領から野田首相、あるいは日中間でもそうなんですけれども、大概は在京の大使館を通じて行っているというのがこれまでだったと思います。
 ですから、今回どう考えるのかということでありますけれども、今回についても通常の親書のやり取りで行ったということでございます。
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猪口邦子#26
○猪口邦子君 大臣、そこがやはり大臣としての働きではなかったでしょうか。政治主導というのであれば、ここは特別に大事な局面であると、重々しく、とりわけ隣国については、丁重にプロトコールの最善を尽くし、瑕疵がないようにするのがやり方ではないですかという御指導が事務方に下ることが私は大臣らしい仕事であったのではないかと思いますので、今後そのような場面が、まあ余りしょっちゅう重大な場面で総理親書がそのような内容を含んで送られるということがないことを願っていますけれども。
 しかし、親書は念には念を入れ、何といっても一国の、我が国総理大臣からの署名入りの書簡ですから、今、野田総理からオバマ大統領へという話がありましたけれども、自民党の時代はどうしていたのかと申し上げますと、例えば、やはりオバマ大統領あてに麻生総理が、核廃絶の取組に我が国は全力を尽くす、協力申し上げるという内容の親書を伝達したことがございます。これもひとしく我が国として大事な内容でございますね。これは麻生総理の時代でしたけれども、安倍元首相に託してこれを伝達したというやり方ですから、やはり親書はその内容との関係で大事に扱うというのが政治の判断ということではないかと思います。
 ところで、この親書の中に天皇陛下への失礼な発言について謝罪、撤回の内容は入っていたんですか。
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玄葉光一郎#27
○国務大臣(玄葉光一郎君) 親書の内容をつまびらかにするわけにはまいりませんけれども、その点については、御存じのように、申ガク秀大使に対して私から謝罪と撤回を求め、またそれ以前の段階で言動を改めるべきであるということを直接伝えているということでございます。
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猪口邦子#28
○猪口邦子君 遺憾の意を伝えたと理解しておりますけれども、謝罪、撤回、これは累次の自民党外交部会での我々の指摘、また国会での我々の指摘によってその後大臣が適切な行動を取ってくださったということは評価しますけれども、本来政府において、外交は政府の専権事項でございますので、総理親書の中にそのような判断が政府の側から自発的になされていることが好ましかったと思います。
 いずれにしても、このような局面での隣国に対するプロトコールの在り方ということを改めて考え、そして改善して、それが突き返されるということは、また韓国側の非礼でありますけれども、その全てのやり取り全体がアジアにおけます外交儀礼、外交制度の発展のある種の問題を世界に示すことのないように我が国は手本を示し、どのような対応をその相手方がしようとも本来外交はこのレベルでということを示すべきではないかと思います。
 そこで、韓国の側の大使館員が外務省にこの親書の受け取れないという戻しをする場面で門前払いをされて、ニュースでもたくさん出まして、あのような場面ですね。私、大臣がどうお考えか分かりませんけれども、そのような映像が世界に流れるということ自体が余り適切な政治判断ではなかったと思います。まず敷地内に招き入れて、それで断固として差し戻すのは駄目であるということをやればいいわけですね、そこは映像として公開されないわけですから。今はインターネットの時代でもあり、報道の時代でもあり、全ての人の外交を知る権利の時代でもあり、それだけに我が国のイメージがどのように形成されていくかということについての細心の注意を求めたいと思いますが、何か今のことについてコメントございますか。
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玄葉光一郎#29
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先生おっしゃること分かります。それで、私、あのときに、たしか答弁中だったんですよね、委員会に張り付いてですね。恐らく外務省の次官以下、私が受け取らないことも含めて検討するというふうに答弁したことを受けてあのような対応を取ったのだろうというふうに思います。たしか、午後ずうっと夕方まで答弁中だったものですから。私がその後、外務省に戻って、まあ、もうこういうことをやっているのは外交の品位にかかわるので受け取ると。で、再び送らないという判断をしました。そうしたらば、どうも郵送したというのを後から聞きまして、じゃそれは郵送は受け取ろうと、再び送ることはしない、それは外交の品位にかかわるからと、こういう判断をしたということです。
 ただ、先生おっしゃるのが分かるというのは、確かに、映像で流れるということの影響というのをやっぱり今後、私も含め、また外務省の職員全体がもっとそういったことに対するセンスというものを磨かなきゃいけない、そのことは私もそう思いますね。
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