環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会

2016-12-08 参議院 全174発言

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会議録情報#0
平成二十八年十二月八日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     福島みずほ君     山本 太郎君
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     大沼みずほ君
     平野 達男君     柘植 芳文君
     相原久美子君     宮沢 由佳君
     藤末 健三君     舟山 康江君
     新妻 秀規君    佐々木さやか君
     岩渕  友君     吉良よし子君
     辰巳孝太郎君     武田 良介君
     藤巻 健史君     石井  章君
     中野 正志君     中山 恭子君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     松沢 成文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                石井 準一君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                三宅 伸吾君
                山田 修路君
                小川 勝也君
                大野 元裕君
                浜田 昌良君
                紙  智子君
    委 員
                大沼みずほ君
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                進藤金日子君
                高橋 克法君
                滝波 宏文君
                柘植 芳文君
                中西  哲君
                中西 祐介君
                藤木 眞也君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                石上 俊雄君
                江崎  孝君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                浜口  誠君
                舟山 康江君
                宮沢 由佳君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                平木 大作君
                三浦 信祐君
                吉良よし子君
                武田 良介君
                石井  章君
                儀間 光男君
                山本 太郎君
                行田 邦子君
                松沢 成文君
                中山 恭子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣     麻生 太郎君
       外務大臣     岸田 文雄君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   山本 有二君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松本  純君
       国務大臣     石原 伸晃君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣府規制改革
       推進室次長    刀禰 俊哉君
       財務大臣官房審
       議官       井上 裕之君
       財務省理財局次
       長        北村  信君
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○環太平洋パートナーシップ協定の締結について
 承認を求めるの件(第百九十回国会内閣提出、
 第百九十二回国会衆議院送付)
○環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関
 係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会
 内閣提出、第百九十二回国会衆議院送付)
    ─────────────
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林芳正#1
○委員長(林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、福島みずほ君、中野正志君、新妻秀規君、辰巳孝太郎君、岩渕友君、藤末健三君、相原久美子君、高野光二郎君、平野達男君及び藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として山本太郎君、中山恭子君、佐々木さやか君、武田良介君、吉良よし子君、舟山康江君、宮沢由佳君、大沼みずほ君、柘植芳文君及び石井章君が選任されました。
    ─────────────
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林芳正#2
○委員長(林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。
 本日は、TPPと農林水産業、食の安全等についての集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山田修路#3
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 今日、十二月八日は真珠湾攻撃の日であります。その日に、日米間で懸案になっているTPP協定の審議が行われるわけでございます。総理は近々、真珠湾に訪問されるというふうに聞いております。日米の友好関係が深まることを大いに期待をしているところであります。
 私にとってもこの委員会で三回目の質問ということになります。これまでの質問もまとめながらお伺いをしたいと思います。
 これまでこの委員会では、与野党共に参議院らしい専門的な、そして深い内容の質疑が行われてきました。その中で、与野党から、TPP協定に代わる選択肢があるのではないか、そういった質問がありました。この点について総理にお伺いをしたいというふうに思います。
 第一の選択肢は、トランプ氏が主張する日米二国間の交渉です。
 これについては、多分、本委員会のほとんどの委員の方は与野党を問わず反対なんではないかと思います。その理由は、第一に、日本の農林水産業に大きな影響があるのではないか、また、食の安全、安心、例えば食品の添加物であったり、あるいは遺伝子組換え食品であったり、あるいは食品の表示の問題であったり、そういった食の安全、安心に対する影響が大きいのではないか、また、国民皆保険制度や公的医療保険制度、こういったものが崩壊するのではないか、こういった懸念があるということでございます。
 しかし、実はこのような懸念、これはTPP交渉参加前に心配されていた事項と同じことなのであります。こういった心配、二国間で交渉をするということになると、アメリカ・ファーストということで標榜してきたトランプさんの下で二国間交渉をする、そうすると、こういったアメリカのむき出しの要求が表に出てくる。そういう意味では、この二国間交渉、大変危険なものではないかと私は思っております。そのような意味で、この日米の二国間交渉はやはり回避すべきものだと思います。
 第二の選択肢は、よく議論になっております、アメリカを除いて十一か国でTPP協定のような協定交渉をやったらどうだという話でございます。
 総理もこれまで述べておられますけれども、アメリカというTPP参加国のGDPの六割を占めるような国が抜けた協定というのはその価値が非常に小さくなるだろうということ、そしてまた、ガラス細工でできているこのTPP協定の大きなパーツであるアメリカを除いて本当に成り立つのかどうかという問題があります。そういう意味で、安易に十一か国でやればいいということでもないんだろうというふうに思います。
 そしてもう一つ、三番目の意見は、ここで少し立ち止まって考えたらどうかという意見もございます。
 立ち止まって考えるのもいいんですが、立ち止まったままでは止まったままになります。その後どうするのか、このことが大事でございます。立ち止まったままなら何もしないということになりかねないわけであります。TPP交渉、TPP協定も進めない、十一か国交渉も進めない、二か国交渉も進めない、つまり、これは日本とアメリカの間でEPA、FTAという、そういった自由貿易協定あるいは経済連携協定が何もない状態が続くということであります。我が国がアメリカの市場でほかの国よりも不利な条件で、例えば韓国などに比べて不利な条件で競争をしなくちゃいけない、そういった状況が続くということであります。我が国の経済にとってはマイナスであるということは間違いないと思います。
 そういった状況から抜け出すためということで、最も避けなければならない二国間協定に、その道に入っていくということはやっぱり最も回避をしなければならない。すなわち、立ち止まって何もしないということはやはり危険な選択肢だと思います。
 総理は、TPP協定の国会承認などこういった国内手続を進める意義について、自由貿易体制をしっかり守っていくという我が国の姿勢をはっきりさせる、あるいはTPP協定で結実した新しいルールを世界のスタンダードにしていくと、こういったことも強調されております。まさにそのとおりだというふうに思います。
 それに加えて、ほかの選択肢をいろいろ考えても、やはり今の時点では、このTPP協定について国内での手続を進めて諸外国にも発効のための働きかけをする、この今やろうとしている方針が一番いい方針であるというふうに思います。他の選択肢と比較するというのは、総理はなかなか難しいんだというお話もこれまでありましたけれども、是非総理の見解をお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#4
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山田委員から様々な選択肢について大変分かりやすく解説をしていただいたと、このように思います。我々は、今この委員会で御審議をいただいているTPPについて、もちろん状況は米国の政権移行に伴い厳しくなっているのは、大変厳しくなっているのは事実でありますが、我々はあくまでもこのTPPをしっかりと国内手続を進めていく、批准すべきだと、このように今でも強く確信をしているところでございます。
 二国間のこのFTAでいけばどうかという議論がございます。それについて、既に山田委員からもその点についての課題等についてお話をいただいたと思いますが、言わば多国間でやる意味については、今まさに、製造業においてはサプライチェーンが幾つかの国にまたがっているというのが今の現状であります。その中において、幾つかの国にまたがってサプライチェーンを構成をしている中において、こうしたTPPのような十二か国が参加する枠組みによってまさにこのサプライチェーンのコストを一気に引き下げていくという大きなメリットがあります。一国一国のFTAであればそれは望めないわけでございますし、また中小企業にとっても一々国別に煩雑で複雑な手続等に対応しなければならないわけでありますが、TPPであれば一つのこのルールで、これは中小企業にとっても大きな負担の軽減になっていくという利点もあるわけでございます。
 何よりも、この十二か国が、普遍的価値を共有するこの十二か国が集まって一つの言わば二十一世紀型の模範となるルールを作っていくというところに大きな意義があるんだろうと、こう思うわけでございます。
 そして、立ち止まって考えるべきかどうかと、こういう考え方もあるというお話もいただきましたが、ただ、立ち止まったままでは駄目でしょうと、まさにそのとおりでございますし、そして同時に、では十二か国、米国のトランプ次期大統領がああしたメッセージを発する中において、ではなぜ十一か国どこも国内手続を進めるのをやめようと言わないかといえば、それはやはり、このTPPのルールこそ二十一世紀の新しい貿易のルールとすべきだ、こういう固い信念があるからであろうと、こう思うわけでございます。その中で、まさに自由民主主義国家の中で第二位の経済力を持つ日本がこれをやめてしまえばそうした意思もくじかれてしまうと、こう思う次第でございます。
 TPPというのはまさに戦略的そして経済的な大きな価値があるわけでございます。そして、日本がTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるということを国家の意思として示すものであり、今後の我が国の通商戦略の基盤となると思います。これは他の交渉を加速させる力にもなっていくと、このように考える次第でございます。
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山田修路#5
○山田修路君 ありがとうございました。多国間協定の意義なりサプライチェーンの意味、お話しいただきまして、ありがとうございます。
 そして、今お話がありましたTPPの国内手続を進めているわけですけれども、トランプ氏がTPP交渉から離脱をすると言っていると。もう離脱をすると言っている以上、TPP協定はもう死んだのではないかと、死んだも同然だというようなことをおっしゃる方、無駄な国会審議じゃないかとおっしゃる方がおられますけれども、そうではないと私は思います。離脱の意味というのを少し明らかにしたいというふうに思います。
 TPP協定は、御存じのように、今年の二月に各国の閣僚が集まって、ニュージーランドで署名をいたしました。ここで、もう一字一句まできっちりとでき上がったということであります。しかし、まだ発効していない。これは、料理はでき上がったけれども冷蔵庫の冷凍庫に入れてあって、これを解凍して引き出して食べる、もうその段階、もういつ解凍して食べるかというような状況になっているということだと思います。
 大統領に就任されて、トランプさんが、その日かどうか分かりませんけれども、TPP協定から離脱をすると言っているけれども、そこで別に消滅してしまうわけではなくて、法律的に考えれば、まだ署名が終わっていないような段階であれば、交渉から離脱をする、交渉から席を立って出てくるということはあると思いますけれども、もう既に署名が終わっていると。そうすると、しかしまだ発効していない、発効していない協定から脱退することもこれまたできないというふうに思います。各国ができるのは、まさに発効のための国内手続をするか、あるいはしないかというだけの選択ということだと思います。
 外務大臣にこの点まず確認をしたいと思います。
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岸田文雄#6
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、TPP協定、各国の署名は終わっていますが、発効していない、この状況にあります。そして、TPP協定上、発効前の離脱、脱退に係る規定、これは存在しないというのが協定のありようであります。よって、TPPにつきまして、トランプ次期大統領、離脱を表明しているわけですが、この離脱ということがいかなる行為を意味するのか、この点について今予断を持って申し上げるのは困難だというのが実情だと思っています。
 ちなみに、米国が今後TPP協定を締結するために何が必要なのかということを確認いたしますと、今後、貿易促進権限法、TPA法に従って米国の上下両院でTPPの実施法案が承認され、大統領が同法案に署名する、こういった手続が必要であると承知をしております。
 いずれにしましても、我が国としましては、TPPの重要性、意義をしっかりと今後とも粘り強く訴えていきたいと考えます。
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山田修路#7
○山田修路君 ありがとうございました。
 もう一つ確認したいことがございます。
 TPP協定に署名をした十二か国が、今外務大臣からアメリカの国内手続のお話がありましたけれども、各十二か国が手続を終了しなければならない期限というものが協定上あるのかどうか。これは、私の理解ではないというふうに理解をしておりますけれども、その辺を石原大臣に確認したいと思います。
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石原伸晃#8
○国務大臣(石原伸晃君) 山田委員の御指摘のとおりであると私も考えております。
 協定の中にいつまでに期限を定めるというような規定はございません。あくまでTPP協定の第三十章の第五条に協定の効力発生の要件についての規定があるだけでございます。
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山田修路#9
○山田修路君 ありがとうございました。
 まさに、先ほど言いましたように、TPPという料理はできていて冷蔵庫の冷凍室に入っていると、これを各国が手続をして引き出して食べるかどうかということになっているということであります。TPPについてはもう議論する意味がないということではなくて、まさにそういう意味で、先ほど総理が言われたように、TPPの価値というのは十分ありますし、更に国会でよく議論をしていくということも大事なことだということでございます。
 前回、前々回質問したことも含めて、ちょっと総括をさせていただこうと思うんですけれども、まず第一に、TPP協定については我が国経済に大きなメリットがあるということ、そして国際経済についてもメリットがあるということ。
 そして二番目に、各党が心配をされているような様々な懸念、例えば農林水産業に大きな影響があるのではないかとか、あるいは食の安全、安心、あるいは国民皆保険制度、そういった様々な心配事についてはこれまでの交渉あるいは政府が取ろうとしている対策によって十分小さなものになったか、あるいは、全然関係のないTPP交渉、TPP協定以前の問題を心配されている方とか、そういうことはありますけれども、TPP協定自身には非常にそういった懸念はなくなっている状態だということです。これが二番目のことであります。
 そして三番目には、トランプ氏が離脱を宣言したとしても、そこでTPP協定が全くなくなるわけではなくて、これからまたアメリカなりに意見を変えてもらうことも必要ですし、各国に働きかけていくということも必要ですし、我が国が優先して、率先してこの国会で手続を終える、このことが大事なことだということであろうと思います。
 そして、もう一つ質問をしたいと思います。
 トランプ氏が大統領当選されて、TPPの発効、容易でなくなったということはありますけれども、しかしながら、だからといってTPP関連対策が必要なくなったのかというと、まさにそんなことはないというふうに思います。
 TPP交渉の結果、総合的なTPP関連政策大綱を決定をいたしました。この中身は三つあります。第一が新輸出大国になっていこうということ、第二番目がグローバルハブ、つまり貿易・投資の国際的な中核拠点を整備していこう、そして第三番目が農政新時代を開いていく、この三つであります。これらのことは、我が国の産業が海外に展開をしていく、あるいは事業拡大をする、そして生産性向上をしていく、あるいは農林水産業の成長産業化を促す、こういう意味で、TPPの発効が契機となりながらも、しかし新しい日本を築いていくと、そういった対策であると思います。こういったことについて基本的にしっかりと認識をして実施をしていくということが必要だと思います。
 総理のお考えをお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十一月に決定をした総合的なTPP関連政策大綱は、TPP協定を見据えて、輸出促進、対内直接投資の活性化、そして農林水産業の成長産業化といった、TPPによる貿易・投資促進の効果を真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるとともに、TPPに関する国民の不安を払拭するために必要な政策の目標を提示したものであります。
 これらは、いずれも我が国にとって経済の生産性を高め、我が国を新たな成長軌道に乗せるために必要な政策です。TPPはアジア太平洋の世紀の幕開けを告げるものでありまして、その先にはRCEP、さらにはFTAAPというアジア太平洋の国々とともにもっと大きな経済圏をつくり上げていくことが期待されています。したがって、政策大綱に基づく政策は言わば国家百年の計として中長期的な視点も含め実施していく必要があるものであります。
 今後とも、この政策大綱で示された政策目標に沿って政策を展開することで、各国との経済連携の効果を生かして経済再生に取り組んでいきたいと思います。
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山田修路#11
○山田修路君 ありがとうございます。中長期的な目標ということで取り組むというお話でございました。
 農林水産業についてもお伺いをしたいと思います。
 平成二十七年度、二十八年度の補正予算でそれぞれ三千億円余りの予算を確保して、農林水産分野での改革に取り組んでいくということになっております。地域でも非常に期待が高い政策でございます。また、今年の十一月には農業競争力強化プログラムというものも決定をされました。これから農業資材の価格の引下げや流通加工分野の改革に取り組んでいこうというような内容、あるいは収入保険制度の創設なども盛り込まれております。
 こういった施策を引き続きしっかり実施していっていただきたいと思いますが、農水大臣の決意をお伺いします。
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山本有二#12
○国務大臣(山本有二君) 委員おっしゃるとおり、TPP関連政策大綱に体質強化、経営安定、さらに成長産業化、こうした提案が盛り込まれておりまして、それを受けて補正予算が三千億以上、二十七年、二十八年にわたって獲得することができました。これによって我が国農業の体質強化がかなり図られてきたというような実感を得ているわけでございます。さらにその上に、この度、農業競争力強化プログラムを設定いただきましたので、これによって、農家それ自身では、その農家の御努力だけでは解決できない構造的な問題、この改革に取り組むことができたというように思っております。
 そんな意味で、本プログラムの施策の実現に全力を尽くしまして、農業や関連産業、国際競争力の強化、効率的な流通加工構造の確立、こうしたことによって新しい農業が実現できるように努力したいというように思っております。
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山田修路#13
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 このTPP交渉は、民主党政権の菅総理が検討開始をするということを表明されて、野田総理のときに交渉参加に向けた協議を開始したということです。そのバトンを受け継いで、安倍総理がゴールに到達したということだと思っております。こういった経緯も踏まえて、是非、今国会で承認そして可決をしていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
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徳永エリ#14
○徳永エリ君 お疲れさまでございます。民進党、北海道の徳永エリでございます。
 今日、まずはTPP対策、農家の強化策にもつながるんでしょうか、農協改革についてお伺いをいたしたいと思います。
 十一月十一日、悪名高き規制改革推進会議のワーキング・グループが農協改革に関する意見などをまとめました。今年の四月一日から改正農協法が施行されておりまして、農協の皆さんは農協の自己改革案に沿って今まさに改革を進めているそのさなかにあります。そこに、この規制改革推進会議農業ワーキング・グループは、それではまだ足りないんだと、もっとこれをやれ、あれをやれと、過剰介入というか異常な介入をしているんではないかというふうに私は感じております。
 そこで、これ質問通告していないんですが、答えられることですから、山本大臣にお伺いいたします。農協改革の目的は何でしょうか。
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山本有二#15
○国務大臣(山本有二君) 農家の所得が向上すること、これが最大の目的でございます。そのために、様々な観点からいろんな光を当てて、そして総合的に、客観的にこれを進めたいというように思っております。
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徳永エリ#16
○徳永エリ君 農家所得、生産者所得を一円でも増やしていくと、これが最大の目的ですよね。
 そこで、規制改革推進会議農業ワーキング・グループのこの農協改革の意見の中身にちょっと触れたいんですけれども、全農改革についてなんですが、農協の人員の配置転換、それから事業の譲渡、また売却にまで言及しているんですね。農産物販売に関しては、全農は、農業者のために、自らリスクを取って農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、一年以内に委託販売を廃止し、全量を買取り販売に転換するべきであるとか、あるいは、地域農協の信用事業の農林中金等への譲渡を積極的に推進し、自らの名義で信用事業を営む地域農協を三年後を目途に半減させるべきであるとか、それから、北海道とか一部の地域である制度なんですけれども、組合員勘定制度であります、この組勘制度に関しては、農業者の経営発展の阻害要因となっており、当該仕組みをいまだ有している農協は直ちに廃止するべきであるというふうにまとめているわけでありますね。
 これに対して、農業関係者の方々や与党の中からも相当これ反発の声が上がったというふうに聞いております。
 そこで、十一月の二十九日に政府と与党が取りまとめをしたということでありまして、この内容からは、政府・自民党がまとめたのは農林水産業・地域の活力創造プランでありますけれども、ある意味今お話しした非常に刺激的な内容は削除されていると、大幅に修正された形になっているんですね。
 しかし、先日、民進党の農林水産部門会議の中で、削除されたけれども、例えば地域農協の信用事業の半減、あるいは組勘の廃止、これはやるんですねというふうに内閣府の規制改革推進室の担当者の方に聞きましたら、はっきりとやりますと、こう言いました。これは大変に重たい発言だと思っています。
 総理も、十一月七日、規制改革推進会議農業ワーキング・グループの提言をまとめる過程の中で、規制改革推進会議において、本日打ち出した方針に基づき、真に農業者の立場に立った提言を早急にまとめていただき、そして、農協組織は真摯に受け止めて実行していただきたいと思います、皆さんからいただいた提案を私が責任を持って実行してまいりますと御発言されておられます。
 総理は、規制改革推進会議、この提言を農協改革集中推進期間、二〇一九年の五月までということでありますけれども、これ、七日の日はまだ提言もまとまっていない、それから、政府と与党の農林水産業・地域の活力創造プランもまとまっていないその段階で総理が、私が責任を持ってこの規制改革推進会議の農業ワーキング・グループがまとめたこの内容を実行していくというふうに言ったということは、これは大変に重たいと思うんですけれども、二〇一九年までに信用事業の半減も組勘の廃止も、それから五年後というふうになっているこの准組合員の利用規制も、これ総理はやるということなんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
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山本有二#17
○国務大臣(山本有二君) 委員御指摘の今回の農業競争力強化プログラムに盛り込まれました全農改革の内容につきましては、全農とも合意をさせていただきました。その上で定められたものでございます。
 政府としましては、全農がこのプログラムに従って自己改革を行うことを促すという立場にあるものでございます。その意味におきまして、様々なこの合意までの過程に交渉経過あるいは考えの相違というものが浮き彫りになったこともありますけれども、要はこれからでございます。一つ、これから農業者所得の向上に向かって、政府も全農も共にこの一致点を見出しながら推進していくということが大事であろうというように思っております。
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徳永エリ#18
○徳永エリ君 そうしますと、我々の農林水産部門会議の中で規制改革担当室のこの担当者が信用事業の半減も組勘の廃止もやると言ったのは、これはどういうことなんでしょうか。総理にお答えいただきたいと思います。
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山本有二#19
○国務大臣(山本有二君) まず、信用事業につきましてでございますが、代理店スキームを活用することについて二十六年六月に政府・与党取りまとめにおきまして方向性が出されました。そして、農協改革はあくまで自己改革であって、信用事業譲渡は単協自らが選択するものであるということに立って、二十六年六月のこの政府・与党取りまとめの方向に従って改革を促していくという政府の立場に変わりはありません。
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徳永エリ#20
○徳永エリ君 それでは、ちょっと質問の仕方を変えたいと思います。
 かつて総理に、規制改革会議、そのときは推進と付いていなかったんです、規制改革会議はどういう役割を担っているんですかというふうに伺ったことがあります。そのときに総理は、民間議員の方が規制改革について闊達に考えを述べていただく場所であると、そういうふうにおっしゃったんですね。
 ところが、このTPPと同時に交渉されていた日米の並行協議、この日米の交換文書の中に、これまでの議論の中でもありましたけれども、この規制改革会議というのが入っているわけですね。規制改革についてはこの規制改革会議がしっかりとこれを受け止めていくという形になっているわけでありますけれども、そうしますと、単なる総理の諮問機関というのではなくて、この規制改革、今、推進会議ですけれども、今はどういう役割というふうに受け止めたらいいんでしょうか。
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安倍晋三#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この規制改革推進会議は、これは今、徳永議員から私のかつての受け止め方を紹介をしていただいたわけでございますが、それは基本的にそうでございまして、まさに有識者の皆さんに集まっていただいて、自由闊達に有識者の立場から我々が進めていくべき規制改革について議論をしていただく機関でございまして、それを重く受け止めながら、しかし実際に行政の場で政策に移していく段階においては、関係者等との調整を重ねながら最終的に私が判断をしていく、与党と相談しながら判断をしていくということになるわけでございます。
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徳永エリ#22
○徳永エリ君 先ほどの規制改革推進会議の農業ワーキング・グループの提言については総理からはお答えをいただきませんでしたけれども、総理のコメントを見ておりますと、責任を持ってやるということでありますので、恐らくおやりになるんでしょう。今、自民党の北海道の衆議院の方々は、地元に帰って、自分たちが反対したから信用事業の半減もなくなった、それから組勘制度の廃止もなくなったと言っているようでありますけれども、これはやるんだというふうに私は受け止めております。
 そして、先ほどの二国間並行協議の中、交換レターの中にある規制改革会議ですけれども、投資というところで、両国政府は、コーポレートガバナンスについて、社外取締役に関する日本の会社法改正等の内容を確認し、買収防衛策について日本政府が意見等を受け付けることとしたほか、規制改革について外国投資家等からの意見を求め、これらを規制改革会議に付託することとしたということですから、これはどこからどう読んでもただの諮問機関ではないということだということも確認をしておきたいと思います。
 さて、時間がありませんので、漁業と水産業についてお伺いをしたいと思います。
 TPP協定では、この漁業、水産業に関してはどの章に規定されていますか。
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澁谷和久#23
○政府参考人(澁谷和久君) まず、水産品の関税など貿易に関する事項につきましては、第二章、物品の市場アクセス章に規定がございます。このほか、環境章、環境というチャプターが二十章にございますが、この環境章におきまして海洋における捕獲漁業に関する規定が設けられているところでございます。
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徳永エリ#24
○徳永エリ君 今、環境というお話がございましたけれども、我が国が締結済みのEPAにおいて環境に関する規定が設けられた例はこれまでもありますけれども、TPPでは環境に関して独立の章が設けられました。その中で、漁業の保存及び持続可能な管理に関するルールについて規定されていますが、山本農林水産大臣、なぜこの漁業、水産業が環境の章に設けられたというふうに受け止めておられますか。
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山本有二#25
○国務大臣(山本有二君) 今、世界の漁業資源の枯渇が問われております。そして、漁業の保存及び持続可能な管理の重要性がますます高まっているわけでございます。TPP参加国の共通認識の中に、水産資源の保護、これを確保しながら持続可能な漁業を実現したいという気持ちが込められております。
 他方、地域漁業管理機関における議論におきましても、水産資源の保護を強調した議論がなされることもございますけれども、我が国としましては、科学的根拠に基づいて管理していくべき、それが漁業であるというように位置付けておりまして、今後とも、関係国・地域と連携しつつ、この議論を主導してまいりたいというように思っております。
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徳永エリ#26
○徳永エリ君 水産業、漁業、資源管理ということで、国際的にルールを作って海洋資源をしっかり守っていこう、復活をさせていこうと、そういう流れの中で環境の章にこの漁業が入ったんだと思います。
 最近は魚群探知機の精度が上がったりとか、それから集魚装置なんかもありまして、大きな網で魚が集まっているところに行って一網打尽にしてしまうと。その中にサメが入ったりとか亀が入ってしまったりということもあって、こういった一網打尽に捕ってしまうという漁業にも問題があるんではないかとか、あるいは日本ではウナギが問題になってきていますけれども、違法、無報告、無規制、こういったIUU漁業というのも問題になってきています。それから、国によっては資源管理、漁獲規制が甘いと、海洋資源を国際的に守って持続的な水産業を確立していこうという流れの中でもっと厳しく資源管理をしていこうと、こういう意見もあるわけであります。
 TPPの第二十章の十六条なんですが、海洋における捕獲漁業の四項の(a)、「さめ類については、種別のデータの収集、漁業による混獲の緩和のための措置、漁獲量の制限及びひれのみを採取する漁の禁止」となっています。
 捕獲したサメから高価な食材であるひれだけを切り落として残りは捨ててしまうという、そういうフィニングというこのサメ漁に対して、残酷だとかそれから乱獲につながると国際的な批判が高まっています。
 日本では、サメ漁といえば宮城県の気仙沼が水揚げ日本一でありますけれども、気仙沼はサメを捕獲して全部を加工しているということですから、このフィニングには当たらないんですね。それでも、環境保護団体とか動物愛護団体から様々な圧力が掛かってきているという話も聞いています。
 捕鯨やイルカの漁など、我が国の特定の地域にとって歴史や伝統があって地域の食として根付いている沿岸漁業に対して、IWCの反捕鯨国など、こういったTPP締約国の中には非常に批判的な国が幾つかあるわけであります。シーシェパードや環境保護団体、動物愛護団体などが現地に入って、悪意を持った写真を撮ったり動画を撮って流したりして間違った世論を形成しようとしているところも最近は見られるということであります。
 日本はこのフィニングは大丈夫ということではなくて、TPP協定に抵触しないように、国としても、捕鯨もそうですけれども、TPP締約国に更なる、この沿岸漁業、歴史と伝統のある漁業なんだという理解を求めていく取組が必要だと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。
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山本有二#27
○国務大臣(山本有二君) 一言で言うと、委員おっしゃるとおりでございます。
 我が国は、これらの水産資源につきまして、食習慣など、国際会議の中で、多様性が尊重されるべきという主張をしてまいりました。また、地域漁業管理機関によって国際法や科学的根拠に基づいて管理していくべき、そういう主張もしてまいりました。TPP締約国に限らず、国際社会に今後とも丁寧に説明、浸透を図るべきというように考えております。
 なお、IWCの話が出てまいりましたが、持続的利用を支持するベトナム、このベトナムが捕鯨につきましてオブザーバーとして参加していただけることになりました。これは朗報でございます。また、ケニアは反捕鯨の立場を転換しまして、持続的利用支持の立場でまた参加していただきました。安倍総理の俯瞰外交がここに、ややこの水産の面でも結実しているのではないかというように思って、心強く思っている次第でございます。
 以上です。
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徳永エリ#28
○徳永エリ君 是非とも、日本のこの沿岸漁業は本当にしっかり守っていかなければいけないんだということと、それから、乱獲をしたりとか残酷な漁はしていないということをきちんと根拠を持って伝えていかなければいけないと思いますので、これまで以上の取組を捕鯨の方も是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。(資料提示)
 そして、こちらのパネルを御覧いただきたいと思いますけれども、日本は四方を海に囲まれていますから、水産業は非常に盛んだというふうに多くの皆さんが思っていると思います。かつては水産王国日本と言われた時代もありましたけれども、御覧のように、日本の水産資源は低位水準で推移しているんですね。
 TPPのこの条文ですけれども、この条の規定の適用上、ある魚類資源の水準が、最大持続生産量を実現する水準又は入手可能な最良の科学的根拠に基づく代替的な基準値に当該魚類資源を回復させることを可能とするために漁獲量を制限する必要が生ずる程度にまで低い場合には、当該魚類資源は乱獲されているものとするという乱獲の定義があるんですけれども、この乱獲の定義に日本の漁業が当たるのか当たらないのか、お伺いしたいと思います。
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佐藤一雄#29
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方から御質問がありました我が国水域内の主要魚種資源の中には、例えばスケトウダラ日本海北部系群などといったようなものが資源水準が低くて、TPP協定で定める乱獲された状態にある魚類資源に該当するものと考えております。
 なお、これらの資源につきましても、先ほど山本大臣の方からお話ありましたように、その回復を目指しまして、漁獲上限設定等の厳しい管理措置が導入されているところであります。
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