環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会

2016-12-09 参議院 全93発言

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会議録情報#0
平成二十八年十二月九日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     高野光二郎君
     柘植 芳文君     平野 達男君
     藤木 眞也君     足立 敏之君
     石上 俊雄君     杉尾 秀哉君
     舟山 康江君     川合 孝典君
     宮沢 由佳君     相原久美子君
     吉良よし子君     井上 哲士君
     武田 良介君     山添  拓君
     石井  章君     高木かおり君
     山本 太郎君     福島みずほ君
     中山 恭子君     中野 正志君
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     野田 国義君
     松沢 成文君     行田 邦子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                石井 準一君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                三宅 伸吾君
                山田 修路君
                小川 勝也君
                大野 元裕君
                浜田 昌良君
                紙  智子君
    委 員
                足立 敏之君
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                進藤金日子君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                滝波 宏文君
                中西  哲君
                中西 祐介君
                平野 達男君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                相原久美子君
                江崎  孝君
                杉尾 秀哉君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                野田 国義君
                浜口  誠君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                平木 大作君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
                山添  拓君
                儀間 光男君
                高木かおり君
                福島みずほ君
                行田 邦子君
                中野 正志君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣     麻生 太郎君
       外務大臣     岸田 文雄君
       農林水産大臣   山本 有二君
       国務大臣     石原 伸晃君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣府大臣官房
       審議官      大塚 幸寛君
       内閣府食品安全
       委員会事務局長  川島 俊郎君
       消費者庁次長   川口 康裕君
       外務省経済局長  山野内勘二君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○環太平洋パートナーシップ協定の締結について
 承認を求めるの件(第百九十回国会内閣提出、
 第百九十二回国会衆議院送付)
○環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関
 係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会
 内閣提出、第百九十二回国会衆議院送付)
    ─────────────
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林芳正#1
○委員長(林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、中山恭子君、大沼みずほ君、柘植芳文君、吉良よし子君、武田良介君、山本太郎君、石井章君、宮沢由佳君、舟山康江君、石上俊雄君及び藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として中野正志君、高野光二郎君、平野達男君、井上哲士君、山添拓君、福島みずほ君、高木かおり君、相原久美子君、川合孝典君、杉尾秀哉君及び足立敏之君が選任されました。
 また、本日、松沢成文君及び川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君及び野田国義君が選任されました。
    ─────────────
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林芳正#2
○委員長(林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。
 この際、岸田外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸田外務大臣。
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岸田文雄#3
○国務大臣(岸田文雄君) これまで度々政府側から、また私自身も、TPP協定の発効要件について、原署名国のGDPの八五%以上かつ六か国以上の締結が必要である旨説明しておりましたが、唯一、十一月二十四日の本委員会における蓮舫委員との質疑においては、私は、GDPの八五%以上あるいは六か国以上の締結が必要と答弁しておりました。このあるいはは、かつの誤りでありました。この場をお借りして訂正させていただきたいと存じます。
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林芳正#4
○委員長(林芳正君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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平野達男#5
○平野達男君 自民党の平野達男でございます。
 締めくくり総括ということでございまして、時間も限られておりますので、早速質疑に入りたいと思います。
 TPPは全体としては日本経済にプラス、これは間違いのないことだと思います。ただ、二十一分野の中で関税の引下げの対象になるもの、特に農産物につきましては、生産者、消費者の方々に不安があるのも事実です。ただ、今回のTPPが発効したといって急激に食品の輸入が増えるかというがごとき議論をされているということについては、私はちょっと違うのではないかというふうに思っています。今日は、この一点に絞ってしばらく議論をさせていただきたいと思います。
 まず、米につきましては、御案内のとおり、国家貿易維持、それから枠外税率、これは三百四十一円ですね、これも維持でありまして、ミニマムアクセス米の枠外として最大で約八万トンのSBS米を設定するということでありますが、これは委員会でも何回でも議論になりましたけれども、このSBS米については不調になる可能性もあると。不調になっても追加の輸入はないということでありまして、米全体に対する、生産に対する影響というのは私もほとんどないと思っています。
 それから、麦につきましては、これはWTOの枠を上手に利用しましたね。これ、今のWTOの枠というのは、国内産の麦を優先させてその残りの部分をカレントアクセスとして、五百四十万トンぐらいでしたか、その枠を設定して輸入するという、そういう仕組みなんです。今回はその輸入の枠内でTPP参加国にちょっと優位な場所を、位置を与えるということですから、総量輸入の枠は変わりませんけれどもその構成が変わるということで、繰り返しになりますけど、この考え方が守られている限りにおいては国内産の麦に影響は出ません。
 ただ、問題は、問題といえば、麦に関して言えば、マークアップは、これを九年ぐらい掛けて今のマークアップ分を、事実上の関税ですね、これ四五%まで削減しますから価格は下落しますと思います。ただし、価格下落は悪いことではありません。これは消費者にとってはメリットですから、消費者余剰としての、消費者に還元されるということでありまして。繰り返しましたように、このカレントアクセス、WTOの枠内が守られている限りにおいては国内産に対する影響はないということです。
 砂糖については、糖価調整制度、これ守られていますから、基本的に麦と同じような考え方であります。ただ、これも価格に影響が出ますから、この価格影響対策はしなくちゃならないということだと思います。
 あと、少量でありますけれども、大豆でありますとか小豆でありますとか、そういったものについても基本的には国内産に影響は、国内産を先に優先してその残りを輸入するという仕組みになりますから、余り影響は出てこないということだと思います。
 それから、果物については、リンゴ、ミカン、これは国内下での差別化ができていますから、これから関税が下がったとしても国内産が私は負けるということはまずないのではないかなと思っています。
 で、畜産です。畜産は、牛肉はかつて関税が七〇%ぐらいありました。これが今三八・五%まで下がって、これを十六年間で九%まで下げるということになりましたけれども、この間、国内産の七〇%から三八・五%になるときに、国内産の牛肉の生産量というのは少なくとも過去十年間を見ますとほとんど変わっていません。BSEがありましたから牛肉の生産量がどんと落ちましたけれども、落ちた分は外国産の輸入量が減るということで調整されてきたんです。むしろ、二、三年前までは国内産の牛肉の生産量は増えていました。ただ、ここに来てちょっと減っていますね。このことは後でちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 それから、豚肉につきましては、差額関税制度の骨格は守りまして、例の分岐点価格維持、これも、五百二十四円でしたか、これも守りました。ですから、当面の間、これは影響は出ないと思います。詳しい話はちょっとここ省きます。
 それから、鶏に至っては国内産の生産数は増えています。関税は元々高くないです。下げたとしても、輸入国のブラジルが入っていませんから、これはほとんど影響がないだろうということでありまして、国内産全体に対しての影響の、輸入という枠については余り心配する必要が私はないんだろうと思っています。
 ただ、価格は下がります。下がった分だけ、特に麦なんかそうですし、砂糖もそうなんですけれども、今の麦の制度は、生産価格の差、生産価格と販売価格の差額を埋めるという制度になっています。販売価格が更に下がって、なお下がるということは、その埋めなくちゃならない価格差が広がることになります。
 それからもう一つ、マークアップが四五%減ってしまいますから、この財源も減ってしまうという意味において財政負担はちょっと増えます。増えますが、政府の試算によると、TPPの効果は十七兆とか十六兆とか言っています。この数字が正しいかどうか、私はよく分かりませんが、仮にその一〇%が国税に入るということであれば一・六兆ぐらいの税収が増えるということでありますから、優にその枠内に入る財源にもなるということであります。
 ちなみに、一般論でありますけれども、日本の農産物、特に土地利用型農業については内外価格差があるということが大きな問題であって、これを外国との競争から守るためにはどうするかというと、二つの手段があると。
 一つは高関税を掛けるということですね。高関税を掛けて、一つが今、米がいい例ですが、高関税を掛けてそれを壁にして外国産のものが入ってこないようにすると。ただし、そうやりますと、国内産の農産物の価格が高くなります。それは、生産費の見合った販売価格が設定されないと生産は維持されませんから、それを消費者がお金を、農産物を買うときにその価格で買うことでその農業を守っているということになります。
 もう一つは関税を下げるということになります。関税を下げる、あるいは撤廃するということになると、国内の販売価格は国際価格に近づくはずです。そうしますと、生産価格と販売価格の中に逆転現象が起きますから、その差額を埋めるのが不足払い若しくは直接支払ということで、世界の潮流というのはどちらかというと後半の潮流で来ていて、これだと、関税を下げますから若干農産物は入ってきますけれども、国内の農業は守られるということでありまして、その流れの中で今回のTPPも交渉がされてきているということは御承知のとおりであります。
 それでは、何でこんなにTPPと農産物というのが大きな騒ぎになったんだろうかなというふうに思うんですが、実は米については毎年毎年八万トンずつ消費が減っています。かつて一千万トンあったのが今八百万トンで、国内の消費について言えば、消費というか、主食用については七百四十万トンぐらいになるんですかね。まだ減ります。これをどうするかということに対する不安があるかと思います。
 それから、牛肉に関しては、今度は全く別な問題が起きていまして、子牛価格については物すごい今高いですね。一頭当たり百万の価格も出てきてしまいました。さらに、牛肉の価格も最高値を更新しようとしています。これはなぜかといいますと、生産者が減っているからです。先ほどちょっと言いましたけれども、牛肉の生産量はここ来てちょっと減り始めています。圧倒的にこんなに高くても後継者が出ないという、生産者不足なんですね。これはTPPに関係のない構造問題だと思います。
 そして、人口減少に伴うマーケット縮小、それから担い手の縮小。こういう状況の中で、TPPどうなるか分かりませんけれども、国内の農業構造改革、団体問題も含めてなんですけれども、これは待ったなしだと思いますけれども、山本大臣の御認識をちょっと伺っておきたいと思います。
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山本有二#6
○国務大臣(山本有二君) おっしゃるように、日本の農業の構造改革は待ったなしでございます。特に、農業の転換を図って、求める目的は農業者の所得向上、これを目指さなければなりません。その中で、農地の問題、あるいは御指摘のお米の問題、さらに団体の問題、あるいは中山間の営農の問題等々、我々にとりまして過酷な課題が山積しております。このTPP特別委員会でも、総合的なTPP関連政策大綱に基づく体質強化と経営安定、御議論をいただきました。しかし、まだまだそれでも足りない部分が多くあろうと思っております。
 そんな中で、我々は、農業競争力強化プログラムというものを合意させていただきました。これによりますと、生産資材の価格の引下げ、農産物の流通加工構造の改革、生乳流通改革、収入保険制度、これからの日本の農業についてかなり競争力が付くであろう施策を明示いただきました。
 我々にとりまして、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決することによりまして、成長産業化を図り、所得の向上が実現できるようにしていきたいと思っております。本プログラムの施策の実現に全力を挙げ、先生御指摘の国際競争力の強化やあるいは効率的な流通加工構造、そういった強い農業を実現してまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
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平野達男#7
○平野達男君 TPPの発効がどうなるかというのはちょっと不透明な状況でありますけれども、この交渉をまとめるのに、日本が入って大体五年、六年ぐらいでしょうか、相当長い時間と本当に人的資源を掛けてやっとまとまりました。
 私は、ここに入っているものについては、この委員会の中で幾つかの問題も指摘されました。例えば課税の問題とかそれから食品の安全の問題等々、これは、しかし、実はTPPの問題にかかわらず、これからの国際貿易の中で避けて通れない問題だろうと思います。そういう問題はあるんですけれども、冒頭言いましたように、TPPは、これは本当に満足のいく内容ではなかったかというふうに思っています。
 これを発効させるというのが私は一番いいと思いますけれども、仮にそうでなかったとしても、今回のTPPの考え方それから基本的枠組み、こういったことは、環太平洋地域だけではなくて、これから世界にやっぱり広めていくということも大事ではないかなというふうに思っています。
 そのことに対しての総理の認識をお伺いしたいというふうに思います。
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安倍晋三#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もうまさにそれは委員が御指摘になったとおりでありまして、たとえこの発効が不透明になったとしても、まさにTPPにおける成果であるルール、そしてフェアで公正な経済圏をつくっていくという戦略的、経済的な意義を世界に対して発信していくことは大いに意味のあることだと、このように思います。
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平野達男#9
○平野達男君 二〇一一年の三月十一日の十五時から、これは、私が当時内閣府の副大臣のときに、TPPのタスクフォースを立ち上げたときの第一回の会議でした。冒頭の一分、私が開会の挨拶をしたときにもう揺れに揺れていましたから、今日はやめようといって、それでその会合の第一回タスクフォース、二十一分野ごとのタスクフォース終わりました。そこから私はTPPの仕事と離れることになったんですが、このTPP、いろんな思いありますけれども、何とかこれを発効させなくちゃならないと思いますし、そのためにも今参議院は堂々と承認することを強く訴えまして、私の問題を終わらせていただきたいというふうに思います。
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大野元裕#10
○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。
 会派を代表して、締め総的な質疑に臨むに当たり、まずは会派の考え方を述べさせていただきたいと思っております。
 本協定については問題が多く、国民の理解も得られていない中、次期米国大統領のTPP離脱表明等もあり、本来であれば、協定、法案共に取り下げ、一旦立ち止まってアメリカの説得をする等、政府が責任を果たしてから国会に諮るべきと考えています。しかしながら、政府がかかる責任を放棄したまま、参議院の審議も三十日を迎え、自動成立の日を残念ながら迎えることになりました。
 遺憾ではありますが、協定については会派としての意思をしっかりと示させていただくつもりながら、関連法案については、国民の理解を最大限に得るために、少なくとも本国会の会期末までは審議を継続するべきであると考えてまいりました。それにもかかわらず委員長の判断で採決まで行う意向と聞いており、再三再四にわたり数の力による暴挙が行われるとなれば、遺憾を通り越してあきれ返るばかりでございます。このことを最初に表明をし、質問に移らさせていただきます。
 本日の締め総的な質疑をさせていただくに当たり、本委員会の議事録、改めて読み返させていただきました。その中で、与野党を問わず多くの議員が取り上げておられたのがトランプ次期大統領によるTPP離脱表明についてでありました。アメリカという原署名国の中で最大の経済規模を有する国が協定から離脱すれば、微妙なバランスが崩れる、あるいは総理のお言葉によれば意味がなくなる、こういった議論も理解はできます。しかし、その一方で、この委員会室に座っている中でただ一人、総理だけがトランプ氏と自由貿易についても議論をした方で、トランプ氏の考え方を踏まえてTPPへの対応の可否を判断できる唯一の存在だと私は思っています。
 そんな中で、アメリカが離脱をし、総理の言葉どおりTPPが意味がないものになる、あるいは発効すらしないということになれば、この国会でのTPP協定の承認のための審議は無意味なものになる、あるいは国税に基づく資源も浪費される。そもそも、どこぞの党が掲げられたTPP断固反対というスローガンも意味がないことになります。多くの委員から一旦立ち止まって考えるべきとの指摘がありながら、総括審議を迎えるに当たってもなおこのような議論をしなければならないということは、国会としては情けない姿であります。
 改めて、TPP協定が無意味なものになる場合の総理の御責任、TPP協定発効の見通しについてのトランプ氏の対応を判断できる唯一の存在としての総理の御責任を問わせていただきます。なお、自由貿易の重要性や署名国としての責任といった議論は、今TPP批准の議論を行わなければならない理由にはならないことを踏まえて御答弁を賜りたいと思います。
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安倍晋三#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もとより、国政全般に対する判断についての責任は、私に、総理大臣たる私にあるのは当然のことでございます。
 そして、TPPについてトランプ次期大統領の発言があったにもかかわらず、なぜ十一か国が立ち止まって国内手続をやめるということにならないのか。そういう国は一か国もないわけであります。それは、まさにこのTPPが持つ価値、戦略的そして経済的な価値について、しっかりとそれぞれの国が国会においても承認を得て、国会の意思も含めた国家意思として示していくことこそが今求められている。アメリカの政権が移行期にあり、そして保護主義が台頭している中において、フェアでそして自由な貿易圏、しっかりとしたルールを定めていく、高い水準の求められるルールを高めていくことの必要性について認識しているからであろうと、このように思うわけであります。
 立ち止まって考えることはリスクがないように聞こえるわけでありますが、現実にはTPPの可能性を失わさせていくものであり、私はむしろそれは無責任であろうと、こう考える次第でございます。
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大野元裕#12
○大野元裕君 全くもって、原署名国の一か国として、この国内手続を今まさに進めなければその可能性が失われるといった議論については、くみできません。
 その意味で、総理、実はこの参議院では、既にお気付きになったと思いますけれども、そのような状況にもかかわらず、我々は、大臣の不用意な発言の追及などではなく、しっかりと中身のある議論を行ってまいりました。山本大臣への質問も優しかったと私は思います。それにもかかわらず、今のような御答弁では納得のしようがありません。
 トランプ氏が一月にTPP撤退を大統領として表明することが明らかになった。そして、そんな中で、不思議なことに、与党も予算編成大綱まとめられたようですが、TPPの文字はもはやありません。総理に付き合うことはおやめになられたようです。もはやこのような総理の御答弁はどうも道化師の寂しい独り舞台にすぎないようにしか見えません。その独り舞台に付き合わされているこの国会の審議の意味は、問い直しても見えてこないというのが現状だと思っています。
 総理は、アメリカ抜きのTPPは意味がない、かつ、米国が脱退すれば現実にTPPの発効は難しくなるとのお考えをお持ちのようですが、トランプ氏がそのとおりTPPから脱退を宣言する際には、国民に対する責任からも、一つ目は、TPP政策大綱は取り下げ、その時点で未執行の予算は返納させ、あるいはTPPを見据えて組み上げた農業の体質強化等の施策は真に必要なものについてゼロから見直すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
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安倍晋三#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 参議院における当委員会、大野委員も含めた皆様の真摯な緻密な御議論に対しましては、敬意を表するところでございます。
 昨年十一月、TPPの効果を真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるとともに、TPPの影響に関する国民の不安を払拭するため、総合的なTPP関連政策大綱を決定しました。これまで、政策大綱を踏まえ、海外展開を行おうとする中小企業等への支援や我が国の農林水産業の体質強化が待ったなしの状況の中で、農林水産分野において緊急に実施していくべき体質強化策などの各種施策を実施してきたところであります。
 これらはTPP協定の発効を見据え、これに備えることをきっかけとはしておりますが、いずれもTPPにかかわらず我が国にとって必要な政策であり、執行を停止することは想定していないところであります。
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大野元裕#14
○大野元裕君 TPPをきっかけとして中小企業等を支援する、そのTPPが発効しない。あるいは、TPPを踏まえ、若しくは前提として、例えば、これまでも閣僚の皆様がおっしゃっておられました、価格下落時の収入補填緊急対策費、緊急対策費ですよね、経営所得安定対策の中の収入減少影響緩和対策、何のために収入が減少するんでしょうか、経営所得安定対策の中の収入減少影響の緩和対策、加工施設再編等の緊急対策事業、畜産クラスターを後押しする草地の整備事業、転作助成などの短期的、中期的TPP対策費を積む必要、懸命に答弁されてこられました。これらは全てTPPが前提ではなかったんでしょうか。あれは何のための答弁だったんでしょうか。
 他方で、皆様のお手元にも配っておりますけれども、この予算額、多額であります。しかしながら、その一方で、一・九兆円規模の税収減が予測をされ、赤字国債の発行を余儀なくされるとの見方も出ています。これまで自民党政権が膨らませてきた借金を更に膨らませる赤字国債に安易に頼るよりも、本当に必要な対策はやればいいんだと思いますよ。これからの農業を強くしなければならないと思います。
 しかし、TPPを前提にして積んだものを私は見直す勇気も必要だろうと思います。これを役所ではしばしば焼け太りというんでしょうか。役所をコントロールすることができないで納税者に対していかに強弁をしても、我々は政治家として、義務を果たしていただいている納税者の皆様に対して、一円でも無為に使うようなことは許してはならないと思います。
 改めて総理にお伺いをさせていただきますが、少なくとも基金化されたようなもの、これは返納させるべきではないんでしょうか。いかがでしょうか。
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安倍晋三#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御質問の中において、税収について、一・九兆円、一・九兆円ほど税収の見込みよりも下がるのではないかという御指摘がございましたが、これは党首討論の際にも申し上げたところでございますが、大宗は為替の結果でございます。大切なことは、累積債務のGDP比でございますが、これは着実に、まさにこれが一番大切なんですが、着実に安倍政権になってこれは縮小しているということは一応申し上げておきたいと思います。
 そして、御質問の件でございますが、そうした基金も併せまして、基本的には、先ほど申し上げましたように、我が国農業あるいは中小企業の生産性を上げていく、体質の強化を図っていくために必要なものでございまして、また、TPPのみならずRCEPの交渉も進んでいくでしょうし、日EUのEPAについて大枠の合意を目指して今交渉をしているわけであります。また、このRCEPの先にはFTAAPがあるわけであります。
 いずれにせよ、そういう事態に備えていくことが、なるべく早く、なるべく早く備えていくことが大切であろうと、このように思う次第でございます。
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大野元裕#16
○大野元裕君 なるべく早く備えて農業の体質強化を図ることについて、私はノーとは言っていません。緊急対策費や、あるいはTPPを契機としてこれから行うための中小企業、これはやはり名目としてもおかしいじゃないですか。是非このことは指摘させていただいて、納得する前にちょっと時間もないので次の質問に移らさせていただきますけれども。
 TPP関連諸法案の多くは、TPP協定が日本国について発効する日が発効日となっています。ところが、唯一、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律、いわゆるGI法改正案のみが公布後二か月を超えない範囲で政令が定める日を発効日としています。
 農水大臣に伺います。
 我が国がこれまで締結しているマルチ及びバイのいずれの条約や協定にも、GI制度に基づく相互保護主義の取決めを含んでいるものは存在しません。そして、一月に米国が脱退してTPPが事実上発効しなくなれば、GIリストの交換を行うべき国は出てきません。つまり、二月頃にGI法を施行したとしても相手がいない、どんな条件で行うかも見えません。
 かつて、横畠法制局長官は、立法事実がないということは立法の必要性がないということでございますので、立法において立法事実が必要であるということは当然であると思いますと答弁をされています。つまり、法律を作るためには立法事実が必要になります。
 TPP協定の発効が前提となっている、立法事実となっているこのGI法の改正について、この協定発効を、総理も発効は現実の問題として難しくなってきていると御答弁されました。そんな中で、立法事実なきこのGI法の改正、立法が成立してしまう。
 農水大臣、そのような法律を制定するということについて所管大臣としてどのような意味をお持ちでしょうか。
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山本有二#17
○国務大臣(山本有二君) いや、立法事実は私は存在するというように思っております。
 まず、この協定において、二国間の個別の国際協定によってGIを保護する場合の事前異議申立て手続が定められたということを踏まえて、TPP整備法案において地理的表示の改正を行うということとしていることは御存じのとおりでございます。
 また、GI保護の手続ルールにおいて、TPP協定の大筋合意の日以降、すなわち、今後、我が国が締結するGIの保護に関する全ての国際協定に適用されるということになっておりますし、また、この国際協定には我が国がTPP非参加国と締結する国際協定が含まれることというのが特別に規定をされております。
 このため、今後、我が国が締結するGIの保護を含む国際協定におきまして、TPP協定上のルールとの整合性を確保するために、地理的表示法の改正についてはTPPの発効を待たず改正法を速やかに施行するということとしたところでございますが、この地理的表示の保護に関する制度を有する国は、TPP参加のうちでは六か国でございますけれども、百か国を世界はもう数えるようになりました。これらの国と国際協定によってGIの相互保護をすることによりまして、我が国のGI産品のブランド化が促進、推進されますし、現実にGIを取ったものが各市場で従来の売上げよりも相当の販売価格の増加を見ているわけでございます。そんな意味で、輸出促進につながるというメリットがございます。
 このようにTPPとの整合性を図りつつ、また、TPPが発効しなくとも、その発効しないということと関係なしに、我が国のGI制度を輸出促進につなげていくという意味におきましては、私は十分この立法事実があるというように思っております。
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大野元裕#18
○大野元裕君 大臣、お読みになっている中身を御理解されていますか。TPP協定を契機として二国間協定を特別に定める、TPP協定の発効以降は全ての、これ全てTPP協定が前提じゃないですか。
 だとしたら、教えてください、たった今で、GIリストを交換する国、どこにありますか。
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山本有二#19
○国務大臣(山本有二君) これは、GIリストは、既に世界各国、百か国、そしてそれぞれの国が、日本は二十四でございますけれども、日本以上にGIの保護をしております。
 また、現実に二十四のGIを保有している皆様方がそれぞれの国に相互保護を求めるときに、申請手続を個別になさっておられます。その意味におきまして、この法律が成立することによって、相互主義でございますから、国同士が締結すれば個々の申請が必要なくなるという大きなメリットがございます。
 そんな意味で、私は早くこの法律を成立させる必要があるというように思っております。
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大野元裕#20
○大野元裕君 大きなことを言いましたよ、今、国同士が締結すれば。締結すればなんです。今はないんです。締結する相手がいないんです。もちろん、向こうに制度がある国もあります。しかしながら、大臣、御存じですよね、大平三原則。つまり、なぜ国会に協定の承認を求めるか。それは、その中身を示して法律事項が変わるからなんです。先にどんな協定の中身かも分からないで法律事項だけ定めたら、国会の意味なんかないじゃないですか。だからこそ申し上げているんです。
 TPP協定が契機として、TPP協定を前提として、発効以降は全部、大臣、TPP協定が前提なんです。だとしたら、TPP協定の発効の日がもちろん法律の施行日なら、これは当然つじつまが合いますよ。しかしながら、TPP協定が発効するのが現実的に難しくなったと総理が認めている中でこれだけ先に行ってしまったら、空っぽの法律が、何の立法事実もなしに、そしてそれ以降の法律が、仮に協定が結ばれても、国会には諮らないということになるんじゃないですか。
 私は、農水大臣、改めて申し上げますが、立法事実が必要とおっしゃった横畠長官のお言葉、もしもそれを真摯に受け止めるのであれば、大臣、この法律は立法事実がない法律として認められないと思いますが、いかがですか。
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山本有二#21
○国務大臣(山本有二君) まず、GI法で既に相互保護に達したところもございまして、例えばチリ、酒類のみ、お酒のみ、これで相互保護をしておりますし、メキシコ、これも酒類のみ保護を相互でこれは取決めを交わしているわけでございまして、こうした意味におきましては、徐々にこの協定の締結が進んでいくだろう、相互保護が進んでいくだろうと。それを一日も早くすることによって一日も早い日本産品が外国でブランド化できるというように思っているところでございます。
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大野元裕#22
○大野元裕君 だとすれば、この協定と一緒に関連法案を出したとおり、チリについてもメキシコについても同時に出してください。どうぞ。
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山本有二#23
○国務大臣(山本有二君) チリあるいはメキシコ、これは改定交渉で相互保護を行う予定でございます。また、相互保護を現実にこれは手続をしているところでございまして、早急にそれをお示ししたいというように思います。
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大野元裕#24
○大野元裕君 法律事項の変更があるときには我が国会に対して承認を求めることは当然の話です。今の予定で、我が国会が承認もしていないものを前提として、こんな法律議論できないじゃないですか。大臣、おかしいです、それは。そんな予定のものであれば、将来、EUとも、RCEPだって、みんなありますよ。そんな答弁では納得できません。もう一度お願いします。
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山本有二#25
○国務大臣(山本有二君) 我が国の産品のブランド価値を高めるということは間違いなくございます。そして、GIの海外での保護が重要であるということも委員御存じのとおりでございます。
 国際協定によるGIの相互保護に向けた交渉を進めるということは、我々にとりまして何より重要なことでございます。将来TPPが発効した際に、GI保護の手続ルールについて……ヤジはい。
 国際協定は国際協定でもって、言わば条約でございますから、国会が批准していく、また、国会にお諮りをするということは間違いないわけでございまして、その手続を、整々とこれを、手続を進めていくということはお約束をさせていただくところでございます。ヤジ
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林芳正#26
○委員長(林芳正君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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林芳正#27
○委員長(林芳正君) 速記を起こしてください。
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山本有二#28
○国務大臣(山本有二君) もう一回整理して申し上げますと、TPP発効をまず断念はしていないという、そういう前提でございます。
 そして、このTPP協定合意の中身の中で、批准をし発効を目指すこの段階で、GIの保護の相互主義がこの国際協定の中に、非TPP参加国でもこれが適用になるという意味において、このTPP合意が実に初めて、特にイレギュラーな形でこの合意内容が示されているということで、今までと違うそうしたルールに基づくものであるという理解の下に、ただし、委員御指摘のような国際協定における問題につきましては、必ず国会にお諮りするというルールに変わりはありません。
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大野元裕#29
○大野元裕君 分かりません。
 協定が前提であること、それは分かりました。GI自体はすばらしい話だと私は思っています。しかしながら、立法事実が必要だという中で、これだけは、これだけは、総理も、先ほど申し上げたとおり、TPPの発効は現実的に難しくなって困難になってきていると答弁がある中で、二月でということは一月とか二月でしょう、そのときにはこの法律だけ施行されてしまう。立法事実なき法律だけができてしまう。
 これはおかしいし、国会との関係でもおかしいし、それから、これまでの政府の、法制局長官が述べたとおり、立場とも全く違うので、これについては、大臣、そごがあるんじゃないんですかと、ここまで丁寧に申し上げているので、是非もう一度整理して御答弁ください。
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