経済産業委員会

2018-03-30 衆議院 全158発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十年三月三十日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 城内  実君 理事 平  将明君
   理事 辻  清人君 理事 冨樫 博之君
   理事 吉川 貴盛君 理事 落合 貴之君
   理事 田嶋  要君 理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    石川 昭政君
      上野 宏史君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    大見  正君
      岡下 昌平君    勝俣 孝明君
      神山 佐市君    神田  裕君
      小林 鷹之君    國場幸之助君
      佐々木 紀君    佐藤ゆかり君
      田畑  毅君    穂坂  泰君
      星野 剛士君    松本 洋平君
      三浦  靖君    三原 朝彦君
      八木 哲也君    石川 香織君
      神谷  裕君    中谷 一馬君
      松平 浩一君    山崎  誠君
      浅野  哲君    吉良 州司君
      斉木 武志君    山岡 達丸君
      太田 昌孝君    國重  徹君
      菊田真紀子君    笠井  亮君
      谷畑  孝君
    …………………………………
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   経済産業大臣政務官    大串 正樹君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 杉本 和行君
   政府参考人
   (内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房総括審議官)     南部 利之君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 宮原  隆君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高橋 俊之君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房総括審議官)         飯田 祐二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           松尾 剛彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           上田 洋二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           前田 泰宏君
   政府参考人
   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       渡辺 哲也君
   政府参考人
   (経済産業省貿易経済協力局長)          石川 正樹君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (特許庁長官)      宗像 直子君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    安藤 久佳君
   参考人
   (株式会社国際協力銀行常務執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長)   弓倉 和久君
   参考人
   (日本銀行理事)     前田 栄治君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  神田  裕君     三浦  靖君
  中谷 一馬君     石川 香織君
  國重  徹君     太田 昌孝君
同日
 辞任         補欠選任
  三浦  靖君     神田  裕君
  石川 香織君     神谷  裕君
  太田 昌孝君     國重  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  神谷  裕君     中谷 一馬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 経済産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
稲津久#1
○稲津委員長 これより会議を開きます。
 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として株式会社国際協力銀行常務執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長弓倉和久君及び日本銀行理事前田栄治君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君、公正取引委員会事務総局官房総括審議官南部利之君、財務省大臣官房審議官宮原隆君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官高橋俊之君、経済産業省大臣官房総括審議官飯田祐二君、経済産業省大臣官房審議官松尾剛彦君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省通商政策局通商機構部長渡辺哲也君、経済産業省貿易経済協力局長石川正樹君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高科淳君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、特許庁長官宗像直子君及び中小企業庁長官安藤久佳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
稲津久#2
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
稲津久#3
○稲津委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉良州司君。
この発言だけを見る →
吉良州司#4
○吉良委員 おはようございます。希望の党、吉良州司でございます。
 きょうは、世耕大臣中心に、胸をおかりしながら、昨日から急に物議を醸し出していましたが、TPPのことについて、そしてインフラ輸出、その中でも特にベトナムを特出しして質疑をさせていただきたいというふうに思っています。
 まず、TPP11、取りまとめ、大変お疲れさまでございました。
 このTPP11の意義について、そして、TPP11が成立するという、取りまとめたことの意義について、そして、TPPの今後について、どうなっていくのか、どうしていくつもりなのか、このTPP11の今後の展開について、まずはお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
澁谷和久#5
○澁谷政府参考人 お答え申し上げます。
 TPP11は、二十一世紀型の自由で公正な新たな共通ルールをアジア太平洋地域につくり上げ、人口五億人、GDP十兆ドル、貿易総額五兆ドルという巨大な一つの経済圏をつくり出すものでございます。
 よく言われておりますのは、バイのFTA、二国間のFTAというのは、FTAを結んでいない国から貿易、投資を転換、シフトさせる、そういう貿易転換効果を持つと言われておりますが、それに対して、TPPのような多様な国と結ぶ広域的な経済連携は、貿易、投資を活発にするだけではなく、新しいグローバルバリューチェーンを構築する、これまでになかった製品やサービスの提供を可能とする、いわば貿易、投資の創出効果があるというふうに考えているところでございまして、アジア太平洋にとって非常に意義のあるもの、我が国が主導して、ほぼ半年でまとめ上げたということは大きな成果ではないかと思います。
 三月八日、チリの署名式で発表された閣僚声明にあるとおり、十一カ国としては、まずはTPP11の早期発効に全力を尽くす。その上で、TPPは、生きている協定、リビングアグリーメントということで、新しい国や地域の加盟を通じてTPPのハイスタンダードなルールを広めていくということが参加国共通の思いでございます。
 けさの新聞にも、タイの副首相が、TPPへの参加、年内に結論を出したいというような記事が載っておりましたが、さまざまな国や地域がTPPへの参加に関心を示していることを歓迎した上で、そうした国々に対して必要な情報提供を行っていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
吉良州司#6
○吉良委員 まず、私の立場を申し上げますと、TPP11をまとめ上げたこと、これを大変高く評価をしております。特に、米国が離脱する中で、ある意味、米国に逆らってでもこのTPP11を、今答弁にもありましたけれども、短期のうちにまとめ上げたこと、これは大変有意義だというふうに思っていまして、私自身、大変評価をしているところであります。
 意義についてるる説明がありましたけれども、答弁の中でもありましたが、FTAとかEPAというバイ、これは非常に重要ではあるんですけれども、実は、日本企業がこの間営々とつくり上げてきたバリューチェーン、サプライチェーンを考えると、線だけでは不十分、これは面が非常に重要でありまして、私自身が外務政務官のときにコロンビアの大統領就任式に出まして、そのときに日本企業の方々とお話をしました。コロンビアですよ。
 そのコロンビアに進出している日系企業の方が言ったことは、当時、日本・コロンビアのEPA交渉が進んでいたわけでありますけれども、でも自分たちのニーズとしてはこれでは実は不十分なんだ、というのは、自分たちの調達先というのは、日本企業が東南アジアに投資をしている先、そこから部品を調達してくるんだ、だから日本とだけEPAを結んでも効果というのは限定的だ、そういう意味では、東南アジアの国々、日本企業が投資をして、そこで部品をつくっている、また組立て工場をつくっている、そこを含めた、面でのこういう広域連携が必要なんだという話をしました。
 コロンビアですらそうでありますから、ましてや日本に地理的に非常に近い東南アジアを考えると、こういう、面で広域連携をしていくことは極めて重要だというふうに私自身は思っています。
 そして、二つ目として、資料一枚目、これをぜひごらんいただきたいと思っているんですけれども、TPPというのは、もちろん経済の広域的な枠組みではあるんですけれども、実は地政学的、地域戦略的に極めて重要な意味を持つというのが、これは一目でおわかりいただけると思います。
 断っておきますけれども、中国もロシアも大事な隣国であって、我々としては、南米に引っ越しができない以上、中国ともロシアとも末永く友好関係を築いていく、ウイン・ウインの関係を築いていく、いかなければいけないというのは、これは当然のことでありますけれども、ただ、今、現状を見た場合には、一方ではそうやって友好関係をより深めていかなければいけないという要素と、やはりリスクがある、又は安全保障上の潜在的な脅威であるということを考えたときに、その潜在的な、あえて野党だから脅威という言葉を使いますけれども、そういう部分も意識しなければいけない。
 その中国が、今、AIIBというファイナンスソースをバックにしながら、御承知のとおり、上海協力機構という枠組みをつくっている、それで、一帯一路という政策を進めようとしている。それをこうやって地図上に色分けすると、かつてのモンゴル帝国ではないですけれども、このユーラシアを覆うようなこういう枠組みをつくろうとしている。
 これは、ある意味ではランドパワーでありますけれども、一方、TPPが目指すもの、アメリカは薄く、そしてコロンビアを斜めの斜線であらわしていますが、このTPPというのは、まさに太平洋を挟んだ海洋国家が中心となった国々であります。
 海洋国家というのは、当然ながら、自由な投資、貿易、そして自由な海上輸送というものを必要とします。そういう意味では、このTPPというものをより強固なものにしていって、先ほど言いました中国、ロシア、大事な隣国ではあるけれども、ある程度このランドパワーに対抗し得るシーパワーという結束を強めた経済連携をつくっていかなければいけない。
 これが、私自身が考えるTPPの地政学的な意味合いであります。
 そういう意味で、このTPPというものは非常に重要で、私自身、大変高く評価しているということを念押しをさせてもらいたいと思いますが、先ほど、今後どうしていくのかということについては簡単にしか触れなかったのでありますけれども、この点について、今後どうなっていくのか、どうしていくのか、どういう展開になっていくのか、したいのかということで、もし見解があれば大臣の方からもお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
世耕弘成#7
○世耕国務大臣 今の地図、まとめていただくと、非常にランドパワーとシーパワーというのが地政学的にも明確になる。TPPというのは、単なる貿易協定ではなくて、地政学的な趣旨も持った協定なんだなということを改めて感じる次第であります。
 もう既に、私がアジア各国の貿易大臣と会談をしても、先ほどタイの副首相の話もありましたが、ぜひTPPに入りたいという声も複数、国や地域、聞こえてくるわけでありまして、そういう意味でも、このTPPのルールに入りたいというところがあれば、それは積極的に情報提供もして巻き込んでいくということも重要だというふうに思いますし、ある意味、今度は逆に、TPPに入っていないとなかなかメリットがないなと感じてもらうということも今後重要になってくるのではないかなというふうに感じております。
この発言だけを見る →
吉良州司#8
○吉良委員 ありがとうございます。
 今大臣のおっしゃった最後の段が非常に重要でありまして、TPPに入らないと不利になるという状況をもたらすことが非常に重要だと思っています。
 そういう意味で、もう当然政府としては大前提でやっていることだとは思いますが、まずはアメリカをもう一回招き入れること。私自身は、米国の中間選挙が終わったらトランプ政権のうちにでも入ってくる可能性があると思っていますし、ましてポスト・トランプにおいては間違いなく入ってくるだろうというふうに思っています。
 それに加えて、先ほど地図でもお示ししましたけれども、コロンビアというものをぜひ招き入れていただきたい。
 私は、ずっとコロンビアを招き入れるべしということを長年言い続けておりまして、コロンビアというのは、太平洋にも大西洋にも、もちろんカリブ海にも面した南米の大国でありまして、環太平洋といったときに、ペルー、チリが入っているのにコロンビアが抜けているというのは、本当に面で考えたときに違和感があります。
 そして、これも私よく言うことなんですが、少し古い情報で恐縮ながら、二〇一〇年、私がコロンビアに行ったときに当時の寺沢大使からお聞きしたことなんですけれども、当時、米国の本国派遣の外交官が世界で一番多かった国が実はコロンビアなんですね。日本から考えると、えっ、何でと。イラクじゃないのとか、そういうことは容易に想像つくんですが、コロンビアだったんです、当時は。今でも恐らく三番以内には入っていると思います。
 これはもちろん、さっき言った、コロンビアが太平洋にも大西洋にも面した重要な国、それから、米州というところを見ると、これも地政学的に、重心、へそになるんですよね。そのコロンビア経由麻薬がメキシコに、アメリカに入ってくる。それでメキシコもアメリカも悩まされている。その麻薬売買資金でもってゲリラが活発に活動していた。コロンビアの隣には、当時反米政権であったチャベス、その後もベネズエラは反米色が強いですけれども。また、チャベスに同調する、当時でいえばエクアドルのコレア政権があった。
 そういうコロンビアが反米というようなことになりますと、米州全体が一挙に、いろいろな意味で、安全保障も、それから経済も含めて、リスクが高まってくる。そういう意味で、米国にとってコロンビアというのは極めて重要であるからこそ、本国の外交官の派遣が最も多い国であった。
 私が申し上げたいのは、よく、日米関係が大事だ、日米同盟が大事だと言いますけれども、そういった議論をするときに、とかく太平洋だけを考えるんですよね。北米と東アジアしか考えない。だけれども、我々にとって大事なことは、アメリカが何を考えているかということは日米関係を考える上で極めて重要でありまして、そういう意味では、米国と一緒になってコロンビアの支援をしていく、経済発展に貢献していく、こういう発想も極めて重要だというふうに思っています。
 そういうインフラという意味でも、コロンビアをAPECに招き入れること……(世耕国務大臣「TPP」と呼ぶ)いや、まずはAPEC、そしてTPPに招き入れることが極めて重要だと思っておりますので、TPPの今後の展開という意味では、今回、日本主導でTPP11をまとめ上げたわけですから、発言権がかなり増していると思います。その日本の発言権でもって、コロンビアをぜひ招き入れていただきたい、こういうふうに思っています。
 それに加えて、先ほど地政学的な話をさせていただきましたが、まさに今の政府として力を入れているインド、インド洋、太平洋、これを重視するという観点から、このTPPを、一歩踏み込んで、太平洋インド洋経済連携にしていく、パートナーシップにしていくという試みも非常に重要だろうというふうに思っています。それは、当然ながら、インド洋、インドも絡むからであります。
 そういう意味で、大臣にお聞きしたいことが次にあるのは、大臣は、この前の所信の中で、「TPP11の早期発効と日EU・EPAの早期署名を目指し、これらを活用した中堅・中小企業の海外展開を積極的に支援します。また、RCEPについても、妥結に向けて一層努力してまいります。」こういうふうに書いています。
 これ自体、異を唱える気はないんですけれども、少々異を唱えさせていただくと、私自身は、世耕大臣というのは非常に戦略的な目を持っておられると思っていますし、ある意味では政治家として一番重要な優先順位が明確である方だというふうに思っています。そういう中で、このTPP11とRCEPを同列に扱っている。これは、原課から上がってきた短冊をこうやって並べただけではないかとちょっと思われてしまうんですね。
 TPP11とRCEP、どちらが大事でしょうか。
この発言だけを見る →
世耕弘成#9
○世耕国務大臣 どちらが大事と言われると、なかなか答えにくいんですけれども。
 やはりTPPは、極めてハイスタンダードな内容だということです。
 RCEPについては、これは先ほどからお話あるように、日本のいろいろな、特に製造業のサプライチェーンが広範に広がっているアジア地域をRCEPは面としてカバーをしているし、そしてまたインドが入っているということ、そしてまた、日本がFTA、EPAをまだ結んでいない中国や韓国が入っているという意味で、RCEPの価値はあるというふうに思っております。
 それぞれ私は役割があるのではないかというふうに思っています。
 ただ、我々、政府としては、まずTPPを妥結し、署名することをかなり力を入れて取り組んできたわけでありますので、今、署名に至ったという段階の中で、このTPPというハイスタンダードなものをしっかり見詰めながら、今、RCEPの交渉について、去年までは、まだ中身が十分じゃない、特にルール分野のレベルが低過ぎるということで、議論が全然されていないということで、私は、RCEPの中でどちらかというとやや孤立をしながらも、ハイスタンダードを目指すべきだということをずっと言ってきました。
 今、TPPが署名された段階において、今度は、少しTPPも横目で見ながらRCEPを、TPPほどのハイスタンダード、これはなかなか難しいんですけれども、RCEPも高いレベル、一定の質を目指しながら合意をしていこうということで、今努力をしています。
 TPPとRCEPはそういう関係性にあるというふうに思っています。
この発言だけを見る →
吉良州司#10
○吉良委員 政府としてはそう言わざるを得ないというのはもう十分承知しています。今大臣もおっしゃった、中国、韓国がいる、そしてインドが入っている、そことの協力関係も非常に重要である。レベルが現在違うので、高いレベルの、TPPレベルに近づけていきたい、これも全くそのとおりだというふうに思っています。
 ただ、先ほど言いました、経済のみならず地政学的な意味合いも含めて考えたときに、当然ながら、TPPのレベルに、まずは、東南アジアの国の中で、先ほどおっしゃったタイを含めて、日本が相当投資をしている国々をTPPに引き入れていく。
 RCEPが下手にまとまってしまいますと、そこで満足してしまう可能性がある。ましてや、今現在、十年、十五年の幅で考えますと、中国の影響力が圧倒的に強いということになれば、中国が入って妥結した低いレベルのRCEPで満足してしまう可能性があるし、中国にぐっと引き寄せられてしまう可能性がある。
 それを考えますと、今言った、中国も韓国もインドもいる、まだTPPに加盟していない東南アジアもいるということを考えれば、RCEPについても引き続き交渉はしていかなければいけない。
 ただ、極端な話をしますと、極端な話ですよ、たなざらしにしておいて、TPPの妥結をもちろん急いで、そのTPPにまずは東南アジア諸国の、タイであるとかネシアであるとかフィリピンであるとか、こういう日本にとって大事な国、投資先、バリューチェーンの重要な構成要素である国、ここをTPPに招き入れていくことの方が私は優先順位が高いと思っているんです。
 繰り返しますけれども、政府でそうだそうだと仮に本音ではそう思っていても、言えないのはわかっていますから、私はそういうふうに思っていまして、そういう意味では、本音のところでは、きちっと優劣をつけて、TPPを充実させ、そこに日本にとって重要な国を招き入れていく、そういう方針で臨んでいただきたいというふうに思います。
 いかがでしょうか、大臣。
この発言だけを見る →
世耕弘成#11
○世耕国務大臣 これはぜひ、私は両面作戦でいくべきではないかというふうに思っています。
 やはりハイスタンダードなTPPに入れるだけのキャパシティーを持っているような、そういう国、もうタイはみずから今表明しつつあるわけです。ほかにも何カ国か、地域も含めてありますから、そういうところはうまく招き入れていく。
 ところが、一方で、例えばカンボジアとかラオスのような国は、いきなりTPPはやはり難しい。これに関してはRCEPに入れる。RCEPも、高い目標は掲げておくんだけれども、いきなりそれは要求しないで、発展段階に合わせた国別の対応もしっかり織りまぜながら、しかし、一方で、RCEPに入ったことを契機に、日本としても、そういった国々のキャパシティービルディングに全面的に協力をして、その国々のレベルをどんどんどんどん上げていって、そしてやがてはTPPに入ってこれるようにするということが重要ではないかというふうに思っています。
 RCEPは、特に今、日本のサプライチェーンは非常に広がりを見せていて、例えば自動車産業ですと、タイはまさにサプライチェーンのハブになっています、タイでつくっている日本車の数というのは日本国内でつくっているのともうほとんど並ぶぐらいになっていますので。ところが、今、そこから今度は部品をカンボジア、ラオスでつくるというような動きも出てきているわけですから、そういったところは逆にRCEPでしっかりカバーをしていくということが重要ではないか。
 だから、TPPとRCEPをうまく両建てで使いながら、アジア地域における自由貿易の旗手として日本が主導権を持っていくということが重要だと思っております。
この発言だけを見る →
吉良州司#12
○吉良委員 失礼ながらというか、教科書的な、答弁としてはそれがベストだというふうに思いますので、その点については異を唱えませんけれども、私は、先ほど申し上げた、やはりある程度の優先順位をつけるべきであろうという思いは変わりません。
 質問通告でこういう形で質問するとは言っていないんですけれども、広く捉えたら質問通告していることなんですけれども、ベトナムが、今回のTPP11、もちろんTPPの段階からそうなんですけれども、非常に熱心にかかわってきた。そこにはどういう背景があると思いますか、大臣。
この発言だけを見る →
世耕弘成#13
○世耕国務大臣 私も、ベトナムのような国と言うとちょっと失礼なんですが、ベトナムが今回TPPに入る決断をした、アメリカが離れた後でも、これは我々が一生懸命説得したということもありますが、入る決断をしたというのは、これはやはり驚くべきことだと私は思っています。
 やはりこれは、ベトナムは今、発展段階で、恐らくこれから中進国のわなに入っていく。そういった中で、やはり、このTPPのようなハイスタンダードな貿易協定に入ることによって、国内の構造改革をしっかり進めていって、この中進国のわなから抜け出さないと、今後さらなる発展がない、それぐらい腹をくくって、私は、ベトナムはTPPに参加をしているのではないかというふうに考えています。
この発言だけを見る →
吉良州司#14
○吉良委員 全くそのとおりだというふうに思います。
 私自身の見解は、これに加えて、実は、日本外交の中で、御承知のとおり、チャイナ・プラスワンという政策がございます。私はこれが非常に大きいんだと思っています、ベトナムの背中を押している背景は。
 先ほども言いました、中国とは仲よくしていかなきゃいけないけれども、リスクのある国でもあります。だからこそ、我が国としても、中国に進出しようとするとき、リスクをとれないかもしれない、リスクがあるなと思うところに対しては、東南アジアの中で中国にかわる投資先を用意する、日本政府としてもそのためのインフラを整備していく。私は、これは非常に重要な政策といいますか、考え方だというふうに思っています。
 そういう意味で、TPPに入ると、私は、TPPの取決めの中で何が一番日本のサプライチェーン、バリューチェーンにとって大事かといいますと、これは原産地規則、原産地累積制度だというふうに思っているんです。
 今まで、メード・イン・ジャパン、メード・イン・ベトナムということで、それぞれのバイのEPAの中で初めて関税面でのメリットが得られた。これが、これからは、メード・イン・TPPということで、日本のマザー工場における主要部品が全体の中の付加価値の例えば二〇%であっても、でも、ほかの、例えばベトナムから三〇%、そしてマレーシアから二〇%、通算すると関税のメリットを受けられるレベルに達します、こういうことになれば、当然ながら、日本国内からわざわざ海外に工場を移す必要がなくなってくる。
 そういう意味では、日本の事業所、工場、そして雇用が維持できるというメリットがあるというふうに思っていますし、先ほど来言っていますけれども、日本企業はもはや、一国のみならず、幅広く、面でサプライチェーンをつくっておりますので、それぞれを合算して、それぞれの事業所、工場を生かせる、これが日本企業にとって最も重要な、私は、今回のTPPの取決め内容だというふうに思っているんですね。
 その際に、今まで、チャイナ・プラスワンということであれば、ベトナムを含めた東南アジアを考えていた。けれども、今後、では、日本企業で、仮にアメリカもTPPに入る可能性が高くなったとしたときに、投資先をどこに選ぼうか。先ほど、タイが検討中だということはありました。でも、タイがまだ入らないということになれば、今までだったら、中国の代替としては、タイが一番、二番がネシア、例えば三番がベトナムだったかもしれない。だけれども、タイもネシアもTPPには入っていない。ベトナムが入っている、TPPのメリットが得られる、ルールについても、そして今言った関税についても。ということであれば、チャイナ・プラスワンの中国にかわる投資先はベトナムを選ぼう、この可能性は極めて高くなるわけですよね。
 私は、ベトナムは明らかにこのことを意識していると思っていますし、私は、日本もこれがあるからこそ、借款供与ナンバーワンであったり、そして今回も、今大臣おっしゃったように、ベトナムの招き入れというのを最も重視したんだろうというふうに思っています。
 だから、そういう意味もあって、私は、TPPというものが、繰り返しますけれども、RCEPも大事なんだけれども、チャイナ・プラスワンという日本経済外交の大事な柱と照らし合わせても、TPPが優先するというふうに思っているんですね。
 もし、このチャイナ・プラスワンとTPPとの関係において、何か大臣、コメントがあればお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
世耕弘成#15
○世耕国務大臣 これは、おっしゃるように、ベトナムの立場に立てば、まさに、ベトナムとタイというのは自動車産業で競争しているというか、少しタイの方が先を行っているという状況の中で、このTPPにタイが入っていなくてベトナムが入ったということは、ベトナムの目で見れば、いろんな意味でベトナムの産業を育てる大きなチャンスだというふうに思っています。
 私も、TPP、締結して終わりではなくて、ベトナムにしっかりとした産業が、まさに日本のバックアップ、単なる借款とかだけではなくて、人材育成も含め、あるいはいろんなビジネスモデルを伝えていくことも含めて、ベトナムにそういう産業の根がしっかりと根づくことに関しては日本としてしっかり支援をしていかなければいけない、これがTPPの大きな意義だというふうに思っております。
この発言だけを見る →
吉良州司#16
○吉良委員 ありがとうございます。
 TPPについてはこれぐらいにして、次のインフラ輸出について話題を移させていただきたいと思います。
 大臣の所信の中ではインフラ輸出というのは言及がなかったんですけれども、日米関係の中で触れられてはおりましたが、今でもインフラ輸出というのは経済外交、日本経済の中で非常に重要な位置づけだというふうに思っています。
 そのインフラ輸出の現状と課題について、特に課題について簡潔にお答えいただければと思います。
この発言だけを見る →
石川正樹#17
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘ありましたとおり、インフラ輸出について、二〇二〇年に約三十兆円という目標を掲げておりまして、重要政策として推進をさせていただいております。
 そうした中で、課題につきましても、資金、コスト、人材、市場開拓など、さまざまな面がございます。
 例えば、資金面につきましては、新興国において、初期投資の規模が膨大になる一方、事業期間が長いといったような、事業投資リスクが高いといったような問題がございます。
 また、国際競争、コスト面におきましても、新興国の企業が低価格を武器に競争に参入をしてくる。また、欧米企業も、高い技術力を生かしながら、現地生産や第三国品の活用などを通じて競争力を高める戦略をとってきているという状況であると認識をしております。
 日本企業といたしましても、高い技術力の維持とともに、資金面、また事業、ビジネスモデルの面などの競争力強化に取り組んでいくことが必要になっているというふうに理解をしております。
この発言だけを見る →
吉良州司#18
○吉良委員 ありがとうございます。
 また改めて、課題一つ一つについて別の機会にゆっくり話をさせてもらいたいと思っていますが、今課題として答弁があった中で、初期投資が非常に大きいのに、事業期間、つまり回収期間が非常に長いという問題がある。これは言うまでもなくファイナンスの問題になってくるわけだというように思います。
 そのファイナンスについて、今TPPの中でも私は触れましたけれども、ベトナムにフォーカスして、少し、ベトナム向けのインフラ輸出、その課題とその課題解決ということについて話をさせていただきたいというふうに思っています。
 つい二カ月前に私はベトナムに行ってまいりました。そのときにお聞きした話として、ベトナムは、さっき大臣もおっしゃられたとおり、今後の発展を考えて、ベトナムとしてもインフラ整備、投資をしたいと。そういう意味では、需要は物すごく巨大なんですね。
 ところが、ベトナム政府としては、これまでの投資もあり、非常に政府債務が大きくなって、これ以上政府債務をふやすわけにはいかないと。したがって、借款も重要な支援要素ではあるんですけれども、それも政府債務を膨らませてしまう。
 また、PPPとかIPPとか電力では言われる事業型のインフラ整備についても、例えばJBICから、バイヤーズクレジット、借り入れる、そのときに、政府保証を求められても、その政府保証イコール政府債務の増大につながるということで、それはやりたくない。
 こういう状況があって、今、インフラ需要は旺盛、政府としても進めたいんだけれども、政府債務の増大とベトナム政府から見た上限がネックになって進まない、こういう状況がありました。
 そういう中にあって、私が、もうきょうはちょっと時間の関係もあるので、提案をさせてもらいたいと思っていますのが、実は去年の四月十九日の経産委員会で、頭出しだけさせてもらって、いずれちょっと突っ込んで議論させてもらいたいというふうに申し上げていた、米国証券市場におけるルール百四十四Aという、このルールを使った社債の発行、これをインフラの資金調達手段にできないか、こういう問題意識なんです。
 そこでまず、財務省になるんでしょうか、ルール百四十四Aというものについて簡潔に説明願います。
この発言だけを見る →
石川正樹#19
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の米国証券市場のルール百四十四Aでございますけれども、米国において証券を発行する際に、勧誘、販売対象を適格機関投資家に限定するなどの要件を満たす場合には、証券市場における一九三三年証券法上の登録規制、情報開示要請などの適用除外になるルールであるというふうに理解をしております。
この発言だけを見る →
吉良州司#20
○吉良委員 ありがとうございます。
 私は元商社に勤めておりまして、商社マンの特性というのは、何か課題があると、何か壁があると、あらゆる手段を駆使してその課題を解決するといいますか、壁を乗り越えようとするんですね。
 ですから、ビジネスチャンスとして、ベトナムにおいてのインフラ需要が旺盛だ、政府としてもやりたがっている、だけれども、政府としてはこれ以上の政府保証は出したくない、政府の債務は積み上げたくない、こういう壁があるわけですけれども、では、その壁を乗り越えられれば山のようにビジネスチャンスがありますね、こういう発想をしていくわけなんですね。
 そういう中で、実は私自身が、これも随分古い話ではありますけれども、商社に勤めていた一九九〇年代の後半というか末に、メキシコで大型ガスだきコンバインドサイクル発電、それは事業投資型のプロジェクトではあったんですけれども、そこに、スイスを本拠にしますABBという世界的に有名な重電会社と私が当時勤めていました日商岩井という会社で、五〇、五〇でスペシャル・パーパス・カンパニーをつくりまして、そして、トータルプロジェクトコストというのは三百三十五ミリオンだったんですけれども、そのうち百ミリオンはスポンサーによるエクイティー、出資ですね、残りの二百三十五ミリオンというものを、まさにこの米国証券市場の百四十四Aというルールを使って一日で社債発行して、一日で調達したんですよね。もちろん、社債ですから、ムーディーズとS&Pにプレゼンに行って格付をとる必要はあるんですけれども、それももちろん行いました。
 そのときの体験から、普通であれば、ファイナンスはどこか銀行団、銀行を連れてきてリスクを負ってやってくれということになるんですけれども、今の説明にもありましたように、やはり米国外の、途上国における高い利回りの債券、投資適格レベルなんだけれども高い利回りが欲しいという投資家がいっぱいいるわけです。そういうところは、ポートフォリオの中で多少のリスクがあっても、これだけの利回りがあれば投資できるという人たちがいるんですよね。だから、そういう投資家の資金を使わない手はないということで、今言いました、証券市場で発行した。
 だから、そういう意味で、ベトナムにおいても、さっき言った、政府保証を必要とするような、そういうファイナンスというのは今現在難しいかもしれない。ということであれば、ベトナムにおいてSPCをつくって、そのSPCが発行する社債をこの百四十四Aルールに基づいて調達できないか、これが私の問題意識なんです。
 これは誰になるかわかりませんけれども、このベトナムのインフラ案件において、この百四十四Aルールを使った社債発行でネックになると思われるものは何か、お答えいただけますか。
この発言だけを見る →
石川正樹#21
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 従来、日本企業が、ベトナムに限らず、百四十四Aを活用している度合いが小さいということにつきましては、いろいろ理由はあろうかと思いますけれども、例えば、従来は日本の金融機関から比較的長期かつ大規模な融資が受けられていたこと、また、債券発行に伴いまして格付の取得や契約書作成などの費用などが総体的にあるといったようなこと、また、従来、日本企業が間接金融による資金調達を中心に事業運営を行ってきており、比較的直接金融になじみが薄いといったようなことが一つの理由としてあると考えております。
この発言だけを見る →
吉良州司#22
○吉良委員 そういう意味で、先ほどの世界地図の次の二ページ目を見ていただきたいと思います。これは、最近の、発行時期が書いてありますけれども、ルール百四十四A債の主な発行例です。
 日本企業も、ここにあるように、三井不動産、去年七月五億ドルで、ことしになって三億ドル、日本生命も八億ドル、三菱UFJリースも五億ドル、このルールをもとに社債発行して資金調達しています。ただし、これは、今取り上げようとしているインフラ向けの事業投資にかかわる起債とは違って、いわゆるコーポレートリスク、その返済はその会社の信用力において行うというものであります。
 ただし、その下を今度は見てください。インドにおける太陽光発電事業の五億ドル、インドネシアの、二番目にあるパイトン、どでかい発電案件でありますけれども、これは二十億ドル。それ以外にも、例えば、アルゼンチンにおいて、五億ドル、それから一・六五億ドルのコンバインドサイクル発電事業、ペルーの三億四千万ドルの火力発電。それ以外にも、空港建設、それからコスタリカの道路建設等ありますけれども、私が資料で確認する限りは、これらは、今言った企業与信ではなくて、まさにプロジェクトファイナンス、プロジェクトが生み出すであろうキャッシュフローを唯一の返済原資とする事業投資型のインフラ案件に対する資金調達になっています。
 これがある以上、これが実際に行われている以上、ベトナムでもやってやれないわけではないんではないかというふうに考えるわけですね。
 先ほどの答弁でありますと、実際こういう事例はあるんだけれども、日本は間接金融になれている、こういうことを事業投資の中で活用する経験が乏しいということでありました。だからこそ、私には、この国会の場を通じて、こういう資金調達手段があるということをあえて公にさせてもらって、大臣始め、また経産省、それからJBICを含めて、ぜひこの活用を図っていただきたいというふうに思っています。
 実は、この百四十四Aルールに基づく起債については、去年、私、財務委員会で麻生大臣に紹介もして、実は、御承知のとおり、一昨年、JBIC法が改正されて、JBICはボンドを引き受けるということが新たな任務として加わりました。去年の財務委員会で、JBICがこの百四十四Aルールに基づく社債を引き受けることができますかということについては、何ら問題がないという回答でありました。もちろん、米国証券市場におけるクオリファイド・インスティテューショナル・バイヤーズという資格を持っているか、新たに得る必要がありますけれども。
 ということになれば、JBICがボンドを引き受ける用意があるという意思表明をしただけで、ほかの投資家が、ベトナムにおけるこの事業、その事業主体が発行するボンドを引き受ける可能性ができてくるわけですね。
 そういう意味で、ぜひ百四十四Aルールに基づく社債発行というものを政府としても前向きに検討いただきたいと思っていますが、大臣、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
世耕弘成#23
○世耕国務大臣 委員と私は大きな問題意識は全く一致していまして、今、アジアのインフラというのは、これを整備することは、もう援助ではなくて、十分リターンが望める、経済の発展段階からいってリターンが望める対象になってきているというふうに思います。
 そういう中で、今支援しているのはJBICとかADBとか、あるいはAIIBであっても、みんなBがついていて、バンクなんですね。銀行なんですね。そうすると、おのずとローンが主体になってくるわけなんですけれども、私は、ここはそろそろ、やはりきちっとした投資対象としてまとめていかなければいけないと思っています。
 今、欧米ではお金が余っていて、アジアのインフラは十分投資対象になるとみんな思っているわけですが、なかなかそれぞれ、案件の組成能力がない、案件を目ききする能力もなかなか欧米の機関投資家にはないということで、これは、例えば日本が間に入って、案件を組成しますよ、リスク、リターンも日本がきちっと明示をしていきますよ、場合によってはハイリスクのものとローリスクのものをパッケージにした投資商品をつくりますよ、そういうことをやって、欧米のお金を投資として呼び込んでいくということは、私は、これからアジアのインフラ整備のために非常に重要になっていますし、その中でまさに日本が中心的な役割が果たせるんではないかというふうに思っています。
 今議員御提案の一四四Aについても、そういった資金調達の手段の中の一つとして私は十分検討してまいりたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
吉良州司#24
○吉良委員 前向きな答弁、ありがとうございます。
 私の方から言うと、二点あって、一つは、決して悪いことではないんだけれども、日本の、例えば経産省にしても、財務省にしても、JBICにしても、日本企業を支援したいとなると、政府なり政府機関が直接何かしてあげることがすごくありがたいだろうというふうになってしまう傾向があるんですね。だけれども、今大臣がおっしゃったように、十分インフラでも事業として成り立っていく。であるならば、リスクは誰かにとってもらえばいいんです。事業リスクを事業投資者として日本の企業がとる、そしてそこに重要な機器をサプライする、そこで日本企業がメリットを得てもらう。資金供与についてのリスクは、言い方は悪いですけれども、他人のふんどしでやる、これが一番いいに決まっているんです。そういう意味で、ぜひこのルール百四十四Aの起債を活用してもらいたいと思っています。
 私の方から言いますと、二点目は、ただ、その際でも、では、私がアメリカの例えば機関投資家だったとします、ヨーロッパの機関投資家だったとします。では、ベトナムの発電事業で社債発行しますと。何の保証もなく買おうとするか、又は、その前に投資適格のレーティングが得られるかといったら、そこは難しいと思っているんです。
 というのは、ペトロケミカルみたいな外貨が稼げるプロジェクトと違って、発電事業とか鉄道事業というのは現地通貨でしか収入がありませんので、いろいろな機器調達、サービス調達が外貨でなされる以上、外貨で払うという保証がない限り、なかなかそこのリスクはとれません。そういう意味では、外貨転換保証、そして外貨による送金保証、これは必要になろうかというふうに思っているんですね。
 ただ、ベトナム政府からしてみると、発電所が回ろうが回るまいが、きちっと発電して、収入が、現地通貨でですよ、あろうがなかろうが、債務保証、返済責任を負う政府保証と、あくまでも現地通貨では収入があって、現地通貨だけで見ればプロジェクトが成り立っている、そこの現地通貨を外貨にする外貨保証というものだとレベルが随分違うわけですよね。そこについてはハードルが下がるわけですから、それでどうだというふうにベトナム政府にやはり働きかけていく。これが一点。
 それからもう一点は、JBICは、先ほど言いました、ボンドが引き受けることができるようになったのみならず、最近は、需要が出てきている現地通貨建てのファイナンスもやれるようになっているし、やっているわけです。それで、さっき言いました、では、ベトナム政府が外貨転換の保証もちょっと厳しいとなった場合、まず第一は、あくまでも、それぐらいは出してよと迫るのが一番。
 二番目としては、実は、現地通貨での収入がある限り、それを外貨に転換するところを、JBICが全部かその一部のリスクをとる、それも一案だと思うんです。
 なぜならば、その担保としては、例えば発電事業であれば、発電所から上がる現地通貨を担保にできますから、わざわざ現地通貨でほかで調達しなくても、そこからの調達ができるということが一点。それともう一点は、実は、社債発行、私がメキシコでやった案件もそうなんですが、通常のファイナンスであると、元利均等とか元本均等返済なので、十年間といっても相当な毎年毎年の返済金額になるんですよ。ところが、社債ですから、毎年毎年はクーポンというか金利だけ払えばいい。それで、プロジェクトライフが終わった時点で一括償還できるわけなんですね。
 ベトナムみたいに、将来的には必ず発展するというのが見込める、そういう国にあっては、毎年毎年の金利支払いというものは小さくして、将来、発展が確実になった時点で元本償還ができる、これであれば、毎年度毎年度の金利についての外貨転換の保証というのは十分できると思いますし、それから、さっき言った最後の元本償還のところも、JBICが全部又は一部の外貨転換のリスクを負うことで、この社債を使った事業が前に回るというふうに思います。
 もう時間が来たんですが、ちょっと一言、最後にお伺いして終わりたいと思います。
この発言だけを見る →
世耕弘成#25
○世耕国務大臣 今お話のあった委員の御提案も含めて、今ちょうど、私、最近、省内でちゃんと検討しろということを言っているんです。こういうインフラ案件の資金調達を、ローンだけじゃなくて、もう少し多様なものを組み立てられないか。それで、今おっしゃったようなことも含めて、やはり投資家から見て投資するに値するプロジェクトに仕上げていかなければいけない。
 そういうことを少し今省内で検討を始めさせていますので、今あった御提案も含めて、しっかり前向きに検討していきたいと思います。
この発言だけを見る →
吉良州司#26
○吉良委員 前向きな答弁、ありがとうございます。
 これで終わります。
この発言だけを見る →
稲津久#27
○稲津委員長 次に、浅野哲君。
この発言だけを見る →
浅野哲#28
○浅野委員 希望の党の浅野哲でございます。
 本日は、先日行われました世耕大臣の所信演説に対する質疑を行わせていただきます。
 先日行った所信演説、聞いておりますと、最初の一言目が人工知能、IoTの技術の登場というところで始まり、まさに今、日本が迎えている大きな産業転換を象徴するような、そこを強調されているような演説であったように私は聞かせていただきました。
 ことしは平成三十年、来年には年号が変わるということなんですけれども、先日、ちょっと、平成元年に世界の経済状況はどういう状態だったかということを調べましたところ、時価総額でいうと、世界の時価総額トップテンのうち八社が日本企業でありました。今どうかと申しますと、平成の最終段階である今日、そのトップテンどころかトップ五十にも入っている企業が数社しかないという状況でありまして、今、我が国の産業が置かれている状況というのは、この平成が始まったときと今とで大きく変わってしまったんだなというのを改めて感じているところであります。
 しかしながら、大臣が演説で触れていらっしゃったIoT、ビッグデータ、人工知能、こういった新しい技術をどう使っていくか、それによって我々の、我が国の産業がこれからまだまだ伸びていける、成長していける、そういうふうに考えておりまして、そういった思いを持ちながら、本日、時間の中で質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、一問目でありますが、第四次産業革命に入っていく前に、直近の状況について二、三、確認をさせていただきたいと思います。
 アメリカと中国によるいわゆる貿易摩擦、輸入制限をかけているという件についてであります。
 三月の二十三日、アメリカは、中国から輸入をしている鉄鋼製品及びアルミニウムに、それぞれ二五%、一〇%という関税をかけるという措置をするというふうに発表いたしました。この措置なんですけれども、EUや韓国といった国々は対象から外された一方で、日本というのは対象のままであったということも言われております。
 こういう状況に対して、国民あるいは産業の現場からは、これからどういった影響が国内産業に及んでくるのか、今一体どういう状況なのかといった情報に対するニーズというのが高まっているように思っております。
 そこで、一問目ですが、このアメリカと中国等による貿易摩擦が我が国にもたらす影響と、それに対する我が国の対応方針について、まずはお伺いいたします。
この発言だけを見る →
世耕弘成#29
○世耕国務大臣 米国の通商拡大法二百三十二条に係る関税、追加関税の措置に関して、日本が国として除外にならなかったということは、これは大変遺憾でありますし、私も、おとといもライトハイザー通商代表と電話会談を行いましたが、精力的に粘り強くこれからも除外に向けて働きかけをやっていきたいと思います。
 ただ、この問題は冷静に考えなければいけない、余り感情的に反応してもいけないというふうに思っています。
 今回除外された国々というのは、例えば、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン、こういった国々は、アメリカから見ると貿易黒字の国であります。あるいは、メキシコ、カナダ、これはもうNAFTA交渉を抱えているわけでありますが、ある意味、その交渉のてことしてこの除外というのが働いている可能性もある。
 韓国もそうですね。今、米韓FTA、KORUSと言われますが、これの見直し作業の中の一つの出来事として今回の除外があって、私ども報道で見ている限りでは、自動車の関税あるいは非関税の部分でも韓国が何らかのコミットをした、あるいは、鉄鋼の輸出数量に関しても、これはどういうスキームを使っているか、私もまだ詳しくは知りませんけれども、一定の約束をした。
 そういうことがあって除外ということでありますから、日本とその国と比べて日本が何かすごく不利になっているとか、そういうことはないんだろうというふうに思っていまして、冷静に対応していかなきゃいけない。
 ただ、同盟国である日本を安全保障上の理由でこの鉄鋼、アルミの輸入制限の対象にするということは、これはもうとんでもないことでありますから、引き続き求めていく。
 また、これは品目別除外というのもあります。日本のアメリカに出ていっている鉄鋼製品というのは、かなり、アメリカの例えば製造業あるいは石油産業から見ると、これは代替不能な商品が多いわけでありまして、品目別に適用除外というのも、これはまた別の手続で今進んでおりますので、これも出てくる可能性があるというふうに思っています。
 本当の日本の影響という意味でいきますと、一番警戒しなければいけないのは、まず一つは、今後、各国が対抗措置の応酬をし始めると、まさにこれは自由貿易体制の崩壊ということになります。
 そしてまた、アメリカで関税を課されることになったので、それからあふれた他国の鉄が例えばアジアとかそういう国に流れ込んでいってそこのマーケットが崩れることになると、これは日本の鉄鋼産業にとって影響がかなり出てくると思いますし、また、そういった国々が今度は逆にセーフガードだということでまた鉄鋼の輸入規制をかけ出すと、ドミノ倒しのように自由貿易が崩れていきかねないということでありますから、冷静に対応しつつも、そういうことがないように、きちっと日本としてやるべきことをやっていかなければいけないというふうに考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る