文部科学委員会

2020-05-22 衆議院 全92発言

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会議録情報#0
令和二年五月二十二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 橘 慶一郎君
   理事 池田 佳隆君 理事 白須賀貴樹君
   理事 田畑 裕明君 理事 馳   浩君
   理事 村井 英樹君 理事 川内 博史君
   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君
      青山 周平君    安藤  裕君
      石川 昭政君    上杉謙太郎君
      小此木八郎君    大串 正樹君
      上川 陽子君    小寺 裕雄君
      佐藤 明男君    櫻田 義孝君
      柴山 昌彦君    高木  啓君
      谷川 弥一君    出畑  実君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      野中  厚君    古田 圭一君
      宮路 拓馬君    務台 俊介君
      吉良 州司君    菊田真紀子君
      中川 正春君    牧  義夫君
      村上 史好君    山本和嘉子君
      吉川  元君    笠  浩史君
      國重  徹君    鰐淵 洋子君
      畑野 君枝君    森  夏枝君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    青山 周平君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        三又 裕生君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小柳 誠二君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 吉田 博史君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     竹村 晃一君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          浅田 和伸君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          丸山 洋司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            村田 善則君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    瀧本  寛君
   政府参考人
   (文化庁次長)      今里  讓君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           小笠原陽一君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君
   文部科学委員会専門員   吉田 郁子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     務台 俊介君
  福井  照君     小寺 裕雄君
  船田  元君     佐藤 明男君
  高木 陽介君     國重  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  小寺 裕雄君     福井  照君
  佐藤 明男君     野中  厚君
  務台 俊介君     神山 佐市君
  國重  徹君     高木 陽介君
同日
 辞任         補欠選任
  野中  厚君     船田  元君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)
     ――――◇―――――
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橘慶一郎#1
○橘委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府知的財産戦略推進事務局長三又裕生君、警察庁長官官房審議官小柳誠二君、総務省大臣官房審議官吉田博史君、総合通信基盤局電気通信事業部長竹村晃一君、文部科学省総合教育政策局長浅田和伸君、初等中等教育局長丸山洋司君、高等教育局長伯井美徳君、研究振興局長村田善則君、スポーツ庁次長瀧本寛君、文化庁次長今里讓君、経済産業省大臣官房審議官小笠原陽一君及び中小企業庁事業環境部長奈須野太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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橘慶一郎#2
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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橘慶一郎#3
○橘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。畑野君枝君。
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畑野君枝#4
○畑野委員 おはようございます。日本共産党の畑野君枝です。
 著作権法改正案では、違法にアップロードされた録音、録画のダウンロードを違法化、刑罰化する規定と、それ以外の著作物全般を対象とする規定とに区別されています。
 改正案では、録音、録画のダウンロード違法化、刑事罰化に新たにつけ加えられた内容があると思いますが、それは何でしょうか。どのような趣旨から明文化されたのですか。
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今里讓#5
○今里政府参考人 本法案におきましては、音楽、映像のダウンロードに関しましては、著作権法第三十条第二項に、前項第三号の規定は、特定侵害録音録画であることを重大な過失により知らないで行う場合を含むものと解釈してはならないとの規定を追加しております。これにより、重大な過失、すなわち著しい不注意があったとしても、侵害コンテンツであることを知らずに録音、録画を行った場合は違法とならないということを明確化してございます。
 また、刑事罰に関しましても、第百十九条第四項に同様の規定を追加してございます。
 これは、今回、侵害コンテンツのダウンロード違法化の対象を全ての著作物に拡大するに当たり、従来から対象だった音楽、映像分野についても、国民の正当な情報収集等の萎縮防止に万全を期す観点から、知りながらという文言の解釈を明らかにする規定を新たに設けることとしたものでございます。
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畑野君枝#6
○畑野委員 明文化されたということを確認いたしました。
 萩生田光一大臣にも伺いたいと思います。
 本法案について、一昨日の参考人質疑では、著作権の保護と利用のバランスを考えたときのぎりぎりの妥結点との発言もございました。権利者側、利用者側双方から見れば決して百点満点ではなく、双方の立場から要望や懸念が残されているのも事実だと思います。
 昨年秋のパブリックコメントには、四千四百三十七件の、個人と五十一件の団体から意見が寄せられ、特に個人からの意見では、文化庁当初案に寄せられた千十三件のうち五百七十八件、五七%が、要件にかかわらず侵害コンテンツのダウンロード違法化自体を行うべきではないという意見でした。
 そこで確認ですけれども、これまで以上に、国民の法案への理解を広げるための啓発や著作権教育が必要だと考えます。録音、録画のダウンロード違法化の際にもこうしたことが附則に盛り込まれましたが、これまでどのような取組をしてきたのか。また、今回の法改正を踏まえ、今後どのような取組を進めていくお考えでしょうか。
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萩生田光一#7
○萩生田国務大臣 御指摘のとおり、平成二十四年の著作権法改正による音楽、映像の違法ダウンロードの刑事罰化の際にも、附則において、国民に対する啓発等、関係事業者の措置について規定がされました。
 これに基づきまして、文科省としては、改正内容をわかりやすく解説したQアンドAの作成、公表や、スマホなどの利用に関する小中学生向けリーフレットへの掲載、週刊少年漫画雑誌への広告の掲載、政府広報によるテレビやラジオ番組の放送、教職員を対象とした講習会を始めとする各種会議等での周知など、さまざまな普及啓発活動を展開してまいりました。
 また、関係事業者においても、映画館で有名なノーモア映画泥棒のCMを改定して、違法ダウンロードの刑事罰化に関する注意喚起メッセージを追加するとともに、STOP!違法ダウンロード広報委員会を設立し、キャンペーンサイトの作成やユーチューブの動画共有サイトへの広告掲載、啓発用グッズやポスターの作成、配布など、さまざまな措置が講じられてきたものと承知しています。
 本法の附則にも、国民に対する啓発等、関係事業者の措置について規定をされているところ、侵害コンテンツのダウンロード違法化については幅広い国民の行動に影響するものであるため、録音、録画の際の取組を参考にしながら、充実した普及啓発、教育を進めていく必要があると考えております。
 具体的な手法については今後検討していきますが、法整備の内容をわかりやすく整理したガイドラインやQアンドAなどを作成した上で、関係省庁や関係団体とも連携しながら、漫画雑誌等への掲載や、CM、SNSの活用など、若者、子供たちにも届きやすい手段の活用を含め、効果的な対応を行ってまいりたいと考えております。
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畑野君枝#8
○畑野委員 もう一つ質問です。
 海賊版対策の本筋はアップロード対策の抜本強化にあると思います。法案では、附則第七条でも、検討や、あるいは必要な措置を講ずるものとしております。参考人質疑でも、海外のサーバーを使った海賊版サイトのアップローダーを見つけることの困難さとともに、プロファイリングやオンラインプロファイリング等の対策を講じる必要があるが莫大な費用がかかるとの指摘がありました。
 大臣に伺いますが、政府として、今後、アップロード対策としてどのような取組を行っていくのか。アップロード対策に取り組む関係事業者の取組を財政的にもこれまで以上に支援する必要があると考えますが、いかがですか。
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萩生田光一#9
○萩生田国務大臣 本法案に盛り込んだ侵害コンテンツのダウンロード違法化も海賊版対策としても重要なものですが、御指摘のように、言うなら本丸であります違法アップロードへの対策を強化することは極めて重要だと思います。
 違法アップロード対策については、本法案の附則において、より一層充実していくことについて規定しており、政府全体としてさまざまな取組を進めていく必要があると認識しております。
 海賊版サイトの収入源を断つための広告出稿の抑制や、情報検索サービスにおいて海賊版サイトが表示されないようにする検索サイト対策、国際連携、国際執行の強化、民間組織との共同など、インターネット上の海賊版に対する総合的な対策メニュー及び工程表に掲げられた施策を中心に、関係省庁と連携しながら実効的な対策を推進してまいりたいと思いますし、法の実行のために必要な予算も今後しっかり確保していく必要があると認識しております。
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畑野君枝#10
○畑野委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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橘慶一郎#11
○橘委員長 次に、山本和嘉子君。
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山本和嘉子#12
○山本(和)委員 おはようございます。立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの山本和嘉子でございます。
 きょうの質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきますけれども、このたび、学びの継続のための学生支援緊急給付金が創設をされました。新型コロナの影響で世帯収入やバイトの収入が激減した学生のために現金給付をする政府支援策ということでございます。対象が約四十三万人、給付額は十万円若しくは二十万円ということでございまして、所要予算は五百三十億円ということでございます。
 ここで一点だけ確認をさせていただきたいんですけれども、留学生の支援ということで、支援への要件が幾つかありまして、成績が優秀な者であること、成績評価係数が二・三以上であること、一カ月の出席率が八割以上というような要件があります。それぞれ要件をつけた理由については、外国籍の留学生の対象を限定しなければ国民の理解が得られないからというふうな報道もございます。
 これはどういうことなのか、まずお聞きしたいと思いますが、これは、生活のためのというよりか、学びのための給付金というふうに聞いております。しかし、まずは留学生の生活もしっかり確保してあげなければならないというふうに思っています。この給付金の創設で、留学生の中で成績上位三割しか支給されないのではというような報道もございますけれども、大臣、これについての御所見をお願いしたいと思います。
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萩生田光一#13
○萩生田国務大臣 今般創設をしました学びの継続のための学生支援緊急給付金につきましては、外国人留学生の学びの継続も我が国にとって重要な要素になり得るという観点から、その支援の対象といたしております。
 本給付金は学びの継続を支援することを目的とする給付金であり、国費による支援であることも踏まえて、日本人であるか外国人留学生であるかにかかわらず、支援の趣旨に鑑みて、それぞれ一定の要件を設けることとしております。
 留学生の場合、我が国で学ぶ意欲のある外国人留学生を支援するため、その確認として、一定の出席率や成績といったものを要件としているところであり、これらの要件は、外国人留学生向けの奨学金制度である日本学生支援機構の学習奨励費を踏まえたものです。
 原則としてはお示ししている要件を満たすことを求めていますが、これらの要件を考慮した上で、大学等が特に必要と認める者は対象とすることとしており、最終的には、一番身近で学生等を見ている大学等において、その実情に沿って総合的に判断をしていただきたいと思います。
 支援を必要とする学生等に速やかに支援が行き渡るよう、各大学、学校とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
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山本和嘉子#14
○山本(和)委員 学び続けたいと思う留学生、できれば皆さんに行き渡るような、成績の要件の緩和もぜひとも考えていただきたいというふうにも思います。最終的に大学が判断するということでございますけれども、今、世界でコロナ禍ということでもございますので、ぜひとも要件の緩和ということも考えていただければというふうに思います。
 続いて、全国高校野球選手権が中止になったという報道がございます。春に続いて夏も中止ということでございますけれども、全国の高校球児が輝くチャンスが失われたということで大変残念にも思いますし、連日そういう、高校生が落胆する様子なんかも報道されているというふうに思います。
 将来プロ野球を目指す、そういった子たちもいるのではないかなというふうに思いますけれども、夏の大会に向けて、地区予選、そして本大会などは、生徒がぐっと、能力といいますか、伸びる時期であるというふうにも思います。それで本番を迎えて甲子園、その様子を見てスカウトがプロを目指す子をスカウトする、そういうタイミングであるのかなというふうに思います。
 野球を、将来、職業と決めている、なりたい、そういう希望がある生徒にすれば、よきライバルと切磋琢磨する、そういうチャンスの場であったのではないかなという思いでもございますし、暑い夏、その前にもうこれが終わってしまったというのは本当に高校生にとっては悲しい出来事なのではないかなというふうに思います。
 高校野球だけではなくて、高校総体、そしていろいろな文化系の、音楽の合唱コンクールであったりとか吹奏楽のコンクールであったりとか、そういうことも中止にするというような傾向にある中で、そういうときこそ、私たち、政治家としても、そして大人としても、かわりとなるような集大成の場をつくってあげる必要もあると思いますし、しっかり寄り添ってあげないといけないというふうにも思います。大臣として、そのあたり、御所見をお願いしたいと思います。
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萩生田光一#15
○萩生田国務大臣 夏の甲子園や、また、今先生御披露いただきましたけれども、高校総体、インターハイなど、部活動に熱心に取り組んできた生徒にとって憧れの夢の舞台であった全国大会が春だけでなく夏も中止になったことは、私としても断腸の思いです。
 大会の中止は生徒の健康と安全を第一に考慮した結果であると理解しておりますが、特に三年生にとってはこれまでの練習の成果を発揮する機会すら失ったこととなり、生徒を思いやると、もう本当にかけるべき言葉が見当たらないほど心が痛みます。
 部活動に熱心に取り組んできた生徒の心情に配慮すると、私としては、各地域において、感染状況も見きわめつつ、何らかの形で三年生がこれまでの成果を競い合う集大成の場が設けられることが望ましいと考えております。
 また、例えば、スポーツ推薦での大学進学を希望する生徒にとっては、三年時の大会成績は非常に重要な意味を持っており、このような生徒の進路選択の可能性を広げる観点からも、何らかの大会の開催は有意義であり、このような場で発揮をされた努力の成果が何らかの形であかしとなることを考えていきたいと思っております。
 既に先に中止の決まったインターハイにつきましては、都道府県やブロックごとでそれにかわる記録会のようなものを開催していただけるならば、文部科学省として大臣杯のようなもので顕彰したい、また、それをAO入試や推薦入試などに活用いただくことを大学にお願いをさせていただきました。
 高校野球も、おととい、こういう結果になりましたので、できれば同様のサポートをしてさしあげたいなと思っています。
 高野連は地方の大会は開催する予定で準備をしているやに聞いておりますので、生徒の皆さんの希望を十分酌み取りながら、各地域において検討を進めていただき、文科省として関係団体と連携協力をしてまいりたいと考えております。
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山本和嘉子#16
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 大きな目標を失った生徒たち、今、大臣がおっしゃっていただいたいろいろな可能性、各地方での大会や大臣杯ともおっしゃっていただいた、そういった、目標を失った子たちに対して寄り添った支援をぜひ引き続きお願いしたいというふうに思います。
 そうしましたら、法案に関しての質問を進めさせていただきたいと思います。
 今回の著作権法に関してちょっといろいろ細かく聞いていきたいというふうに思いますけれども、海賊版サイトは常に数百以上存在して、上位十サイトに限っても月間延べ六千五百万人が利用しているというような業界調査もありまして、根絶にはほど遠いとか、本当に野放しそのものというふうにも言われています。
 被害の実態や取締りの全体状況について聞いていきたいと思うんですけれども、例えば、海賊版サイトの数、そして検挙数、被害額などの推移や、そもそも海賊版サイトの著作権侵害はなぜ取締りが難しいのか、警察庁にお伺いをしたいと思います。
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小柳誠二#17
○小柳政府参考人 お答えいたします。
 令和元年中、警察では、著作権侵害事犯を百四十一事件検挙しておりまして、そのうち、いわゆる海賊版サイトを含みます公衆送信権侵害事犯は八十三件を検挙しております。
 捜査上の課題につきましては、今後の捜査に支障が生じるおそれもございますので、詳細にお答えすることは差し控えさせていただきますが、例えば、権利者が海賊版サイト運営者を探索する際の障害として挙げておられます、いわゆる防弾ホスティングや中継サーバーによる分散化などの問題は、捜査にも影響があるものと認識をしております。
 いずれにいたしましても、警察としては、これまでも関係機関等と連携しながら著作権侵害事犯の取締りに努めてきたところであり、悪質な事犯に対しましては、引き続き厳正に対処してまいりたいと考えております。
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山本和嘉子#18
○山本(和)委員 コンテンツ海外流通促進機構のCODAは、海賊版サイトの削除件数はことしの三月で約七万件というふうにも言っています。こういうことからも、海賊版を取り締まることは本当に容易ではないなというふうにも思います。やはり、違法サイトのダウンロードをこの法律でもってしっかりと規制していくということが本当に大事なんだなというふうに改めて思います。
 続いて、ダウンロードの違法化についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正案の一つである侵害コンテンツのダウンロード違法化、除外規定というのがありまして、軽微なものについて、文化庁の説明資料にもありました、軽微なものの典型例というのがありまして、数十ページで構成される漫画一こまから数こまとサムネイルの画像、軽微なものの典型例以上だけれども、それ以下、軽微なものとは言えない例、漫画の一話の半分程度、高画質の写真、これらは軽微なものとは言えないということなんですけれども、その間というのがちょっとわかりにくいなというふうに思います。これはちょっとグレーゾーンというのかなというふうにも思いますけれども。
 こうした分量基準や画質基準は法案成立後に政令や省令で、例えば全体のページ数の、こま数の何割以下とか、画素数でこの値以下とか、具体的な数値を定める方針はあるのか、そのあたりを教えていただければと思います。
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今里讓#19
○今里政府参考人 軽微なものが違法対象から除外されているということで、今先生御指摘のとおりに、典型例として、こういう場合には軽微なものである、また、こういった場合には軽微なものとは言えないという、それぞれの典型例を示しているところでございます。
 このように、現時点では、軽微なものと認められる典型例、軽微なものとは言えない例、ホワイトリストとブラックリストといいますか、といったものを示しているために、中間領域、グレーゾーンとおっしゃいましたけれども、が存在することは、全く委員の御指摘のとおりでございます。
 この点につきましては、今後、国会での審議等を踏まえて、更に詳細な内容を示すことも含めて取扱いを検討していきたいと考えておりますが、ただし、著作権法におきましては、かねてから、明確性と柔軟性のバランス、これが重要、こういった考えのもとで法整備を進めてきておりまして、今回の、軽微なものという要件につきましても、柔軟な解釈の余地を残すことが望ましいという意見もあるというふうに承知をしてございます。
 そうしたことも踏まえながら、具体的にどこまでの内容を示すべきかについてはよく精査をしたいと考えております。
 なお、本要件の内容につきまして、政令や省令に委任されているわけではございませんので、政令や省令ではなく、法解釈、ガイドラインとして考え方を示していくということを考えてございます。
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山本和嘉子#20
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 今、明確性とか柔軟性とかとおっしゃいましたけれども、グレーゾーンならグレーゾーンのままにならないような線引きを具体的に示していただきたい、そんなふうにも思いました。
 そこで、次の質問に入りますけれども、今回違法化される侵害コンテンツのダウンロード行為は、具体的に、どのような手順で、どのくらい取締りが行われるイメージなのかをお教えいただければと思います。
 また、条文上、海賊版を継続的に又は反復してダウンロードすると刑事罰の対象というふうにされますけれども、どのくらいの期間、何回ぐらいだと継続、反復に当たるのか。法案の中身を見ておりますと、単発的なダウンロードは対象外との記載もございました。一回だけならいいのか、明確な指針があるのか、教えていただければというふうに思います。
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今里讓#21
○今里政府参考人 まず、取締りの関係でございますけれども、侵害コンテンツのダウンロード違法化、今回の法案にございますけれども、主として抑止効果を狙ったものでございますので、現時点において、どの程度取締りが行われるかについて、予断を持って申し上げることはできません。
 ただ、昨年十月に文化庁が行った国民アンケートにおきまして、違法化、刑事罰化がされた場合にはダウンロードをやめるとか減らすというふうに回答した方の割合が九割以上となっているところでございます。ですので、実際の摘発に至らずとも、大きな抑止効果が、この法案によって、改正によって期待できるのではないかというふうに考えてございます。
 また、継続的に又は反復しての要件でございますけれども、これも、脱法的な行為を誘発しかねない懸念がございますので、期間や回数についての具体的な基準をお示しすることはなかなか困難でございます。単発的なダウンロード行為を除外して、一定の期間にわたって複数回、繰り返し行う場合に限定するということでございます。
 なお、この継続的に又は反復してという要件は、刑事罰の対象を絞り込むために追加で課している要件でございます。民事上は、その他の要件を満たした場合、単発的なダウンロード行為であっても違法となるということでございます。
 この点を含めまして、国民の皆様に丁寧に周知を行っていきたいと考えてございます。
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山本和嘉子#22
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 もう一つの法改正の柱であるリーチサイトについてもお聞きをしたいと思います。
 改正案のもう一つの柱として、リーチサイト、リーチアプリ対策で、これを刑事罰化したということでございますけれども、これを、著作権侵害の幇助ではなくて正犯としたのはどのような論理構成によるのかというのを聞きたいなと思います。
 従来、リンク設定行為はURLの送信でございまして、著作物を送信する公衆送信権を侵害するわけではない、個々の権利について限定的な解釈を採用するという著作権法上、権利侵害に当たらないというふうにされて、また、共犯とは、正犯の実行行為を介して結果の発生を促す必要があり、正犯の実行行為はアップロードの時点で終了していて、その後のリンク設定では共犯は成立しない。すなわち、リンク設定行為単独では、正犯にも幇助にもなり得ないとされてきたと思います。改正案の論理構成とでは何がどう違うのか、確認させていただきたいというふうに思います。
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今里讓#23
○今里政府参考人 まず、現状でございます。現行法におきましては、委員御指摘のように、侵害コンテンツへのリンク提供は、公衆送信権を直接侵害する行為ではない。そして、一定の悪質の場合に、公衆送信権侵害の幇助に該当する可能性がある。なり得ないという見解とお話しでございましたけれども、これは裁判例で判断が分かれているところでございまして、私どもの方といたしましては、幇助に該当する可能性があるにとどまっているという状態だということでございます。
 そして、その幇助を行う者に対しては、当然のことながら、民事上の差止め請求が幇助を行う人に対してはできない、つまり削除請求などは幇助の方に対してはできないということですし、刑事上も、アップロードをするという、いわば正犯の立件ができない場合は立件が困難な場合が多い。つまり、対応に限界があるというのが現行法の状況でございます。
 また、みずからは侵害コンテンツへのリンク提供を行わずに、それに用いられるウエブサイトを運営しているだけ、こういう場合には、現行法上、幇助にならない場合もあり得るというところでございます。
 今申し上げましたように、現行法上の解釈、運用では、こうしたリーチサイトの規制について対応に限界があるというのが私どもの認識でございます。
 そこで、今回の法案では、海賊版対策をより実効的なものとするために、悪質なリーチサイトに関して新たな法規制を設けることとした、こういうことでございます。
 そして、なぜそこが、じゃ、法規制を設けているのかという理屈でございますけれども、まず、リーチサイトというのはどういうものかといいますと、リンクの集約、提供を通じて侵害コンテンツの拡散、利用に直結する場である、こういう非常にいわば肝の部分であるということでございますので、そのリーチサイトを運営する行為は、著作権者に極めて深刻な不利益を及ぼす悪質な行為である、こういうふうに評価できることから、独立した犯罪行為と位置づけて刑事罰を科す、こういうことにしているところでございます。
 また、そうしたリーチサイトという場で侵害コンテンツへのリンクを提供する行為、こちらにつきましては、直接の著作権侵害行為と同視すべき不利益を著作権者に与えるもの、こういうふうに評価できることから、著作権侵害とみなすという旨の規定を設けまして、民事上の差止め請求、つまり削除請求や刑事罰の対象としている、こういうことでございます。
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山本和嘉子#24
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃった、悪質なリンクの提供行為は著作権の侵害ということでございましたけれども、この法案でしっかりとリーチサイト対策ができる、していかなくてはならないというふうに思います。
 その後ですけれども、海賊版サイトの運営者は、個人の特定を恐れて、さっきも話が出ておりましたが、防弾ホスティングなど素性を隠すのに適した通信会社を利用することも多く、対抗するには、著作権者以外の法整備や、そのほか技術の導入も必要というふうにも思います。
 例えば、プロバイダー責任制限法の発信者情報の開示請求というのは、氏名、住所、メールアドレス、IPアドレス等を対象としておりますけれども、電話番号が含まれないということでございます。電話番号は、ツイッターやフェイスブックやLINEとかで利用開始の認証や利用者確認に使われて、実在する番号が必要であります。
 プロバイダー責任制限法を改正して、電話番号情報が入手できれば、海賊版サイトの運営者特定に役立つというふうに思いますけれども、そのあたりの御見解を教えていただきたいというふうに思います。
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竹村晃一#25
○竹村政府参考人 プロバイダー責任法におきましては、インターネットにおける情報発信により被害を受けた者が、発信者を特定して損害賠償請求などの責任追及ができるよう、プロバイダーなどに対して発信者情報の開示を請求できることとしております。現在、総務省令において、発信者情報開示の対象として、住所、氏名、IPアドレスなどを定めております。
 電話番号は、現時点では発信者情報開示の対象にはなっておりませんけれども、委員御指摘のとおり、海賊版コンテンツの発信者の特定に役立つ場合があるというふうに考えております。
 総務省においては、インターネットにおける情報発信によるトラブルが増加していることを踏まえ、発信者情報開示のあり方について検討を行うため、本年四月に有識者会議を立ち上げたところでございます。
 現在、有識者会議において、電話番号を発信者情報開示の対象として省令に追加することを含めて検討しているところでございまして、今後、有識者会議の提言を踏まえて必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
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山本和嘉子#26
○山本(和)委員 ぜひ検討していっていただきたいというふうに思います。
 続いてですが、現在、サイト開設のドメイン取得に際して本人確認は必要とされていないということでございますけれども、その結果、海賊版サイトのドメイン登録情報には、一見して実在しない虚偽の住所が登録されているというふうにも聞いております。
 これを、携帯電話の契約のように、本人確認を要件とするということに変更して、また、電話番号による利用者確認も同様に必要とする制度へと変更すれば、ドメイン登録から海賊版サイトの運営者特定の可能性が広がるのではないかという意見もあります。
 我が国としてドメイン取得についてどのような対応が考えられるのか、教えていただければと思います。
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竹村晃一#27
○竹村政府参考人 ドメイン名の管理、運用のルールは、政府、民間事業者、アカデミアなど、さまざまなプレーヤーで構成されるICANNと言われる国際団体において議論され、定められております。
 ドメイン名登録に係る手続については、電気通信事業法などの国の手続は及んでおらず、ドメイン名を管理、販売する事業者は、ICANNで定められたルールに基づき、登録に係る所要の手続を約款などにより定めているところでございます。
 例えば、我が国の国別トップレベルドメイン名であるドットジェーピーなどにおいては、ドメイン名登録に当たって、本人確認など、審査を行っております。
 一方、海外事業者が管理するドメイン名については、ドメイン名登録に当たって十分な審査が行われていないものもあり、海賊版サイトの運営者は、このようなドメイン名を用いて情報発信を行う傾向があるという認識をしております。
 このため、総務省としましては、国内の事業者に対しドメイン名登録の手続の適正化を働きかけるとともに、ICANNを始めとした国際的な協議の場において必要に応じて議論をしてまいりたいというふうに考えております。
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山本和嘉子#28
○山本(和)委員 もう一つ総務省さんにお聞きしたいんですけれども、二〇〇八年に成立した、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律というのがございました。
 その中では、携帯電話事業者に対して、保護者が不使用を申し出ない限りフィルタリングの提供義務を課し、プロバイダーに対しても、利用者の求めに対するフィルタリングの提供義務を課すという、ネット上で青少年に有害なものを評価、判別し、選択的に排除することなどが定められております。
 この有害サイトへのアクセス制限と似た発想で、利用者の同意を得た上で海賊版サイト等への接続をとめるフィルタリングの普及、その可能性についてお考えがあるか、お聞きしたいと思います。
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竹村晃一#29
○竹村政府参考人 携帯電話事業者などが提供する青少年向けのフィルタリングでは、一般に、アダルトサイト、暴力的サイトなどのほか、海賊版サイトを含む不法なサイトも閲覧制限の対象としておりまして、海賊版サイトの対策の観点からも、フィルタリングは有効であるというふうに考えております。
 総務省では、青少年インターネット環境整備法を踏まえ、携帯ショップなどにおけるフィルタリングの説明の徹底や、フィルタリングの解説を含むインターネットの安全な利用に関する啓発活動の推進などを進めておりまして、これらにより、最近の携帯電話の契約時におけるフィルタリングの加入率は増加をしているところでございます。
 さらに、新たに出現する海賊版サイトが速やかにフィルタリングによる閲覧制限の対象になりますよう、出版業界及び通信業界が連携して、海賊版サイトのリストを迅速に共有する枠組みづくりを進めているところでございます。
 こうした取組によって、フィルタリングによる海賊版対策が更に効果的に進められることを期待しているところでございます。
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