法務委員会

2023-05-17 衆議院 全337発言

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会議録情報#0
令和五年五月十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊藤 忠彦君
   理事 谷川 とむ君 理事 藤原  崇君
   理事 牧原 秀樹君 理事 宮崎 政久君
   理事 鎌田さゆり君 理事 寺田  学君
   理事 沢田  良君 理事 大口 善徳君
      青山 周平君    東  国幹君
      五十嵐 清君    石川 昭政君
      石橋林太郎君    岩田 和親君
      上田 英俊君  英利アルフィヤ君
      奥野 信亮君    加藤 竜祥君
      神田 潤一君    熊田 裕通君
      杉田 水脈君    鈴木 馨祐君
      田所 嘉徳君    高見 康裕君
      中川 郁子君    鳩山 二郎君
      平口  洋君    深澤 陽一君
      山下 貴司君    鈴木 庸介君
      中川 正春君    馬場 雄基君
      山田 勝彦君    吉田はるみ君
      米山 隆一君    阿部 弘樹君
      漆間 譲司君    日下 正喜君
      平林  晃君    鈴木 義弘君
      本村 伸子君
    …………………………………
   法務大臣         齋藤  健君
   内閣府副大臣       和田 義明君
   法務副大臣        門山 宏哲君
   厚生労働副大臣      羽生田 俊君
   法務大臣政務官      高見 康裕君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 畠山 貴晃君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 親家 和仁君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房審議官)          野村 知司君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 山碕 良志君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       上原  龍君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    松下 裕子君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    花村 博文君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    宮田 祐良君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           里見 朋香君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           安彦 広斉君
   政府参考人
   (スポーツ庁審議官)   星野 芳隆君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮本 悦子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    辺見  聡君
   法務委員会専門員     白川 弘基君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  五十嵐 清君     神田 潤一君
  岩田 和親君     杉田 水脈君
  田所 嘉徳君     青山 周平君
  吉田はるみ君     馬場 雄基君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     石川 昭政君
  神田 潤一君     上田 英俊君
  杉田 水脈君     岩田 和親君
  馬場 雄基君     吉田はるみ君
同日
 辞任         補欠選任
  石川 昭政君     中川 郁子君
  上田 英俊君     五十嵐 清君
同日
 辞任         補欠選任
  中川 郁子君     田所 嘉徳君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出第五八号)
 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案(内閣提出第五九号)
     ――――◇―――――
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伊藤忠彦#1
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官畠山貴晃君、警察庁長官官房審議官親家和仁君、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君、こども家庭庁長官官房審議官野村知司君、総務省大臣官房審議官山碕良志君、法務省大臣官房政策立案総括審議官上原龍君、法務省刑事局長松下裕子君、法務省矯正局長花村博文君、法務省保護局長宮田祐良君、文部科学省大臣官房審議官里見朋香君、文部科学省大臣官房審議官安彦広斉君、スポーツ庁審議官星野芳隆君、厚生労働省大臣官房審議官宮本悦子君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#2
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#3
○伊藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。
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大口善徳#4
○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
 今日は、この二法につきまして質疑をさせていただきます。
 二〇一七年六月に、平成二十九年改正がございました。そのときには、性別を問わない被害者ということで、強姦罪について、また構成要件も変える、非親告罪化する、下限を五年に引き上げる、そしてまた、監護者性交等罪を設ける、この大きな改正がございました。それから、附則によって見直し規定がなされ、今回、被害者団体等からの強い要請もあって、法務省におきまして検討会が持たれ、そして、法制審議会で一年四か月、精力的な審議がなされ、井田部会長、また山本潤さん等、あるいは心理の専門家等、当事者やそういう方々も入っての充実した審議で、この法律案が、閣議決定を経て、提出されたわけでございます。
 私どもは、性犯罪被害者に寄り添った、また後押しできるような、そして、性犯罪を撲滅する法案となるよう、全力を挙げてまいりたいと思っておるところでございます。
 本年三月に、性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省庁会議で決定された性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針は、その冒頭で、性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、決して許されないものである、相手の同意のない性的な行為は性暴力であるとしています。
 また、法制審議会におきましても、今回の議論で、本人の同意のない性的行為が性犯罪の処罰対象であることが繰り返し共有されていたということでございます。
 まずは法整備をして社会の意識を変えていくということで、参考人、昨日も御意見でございました。この法案に対する法務大臣の思いをお聞かせください。
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齋藤健#5
○齋藤(健)国務大臣 御審議いただいております性犯罪に関する二つの法案は、提案理由説明の際にも申し上げましたとおり、平成二十九年改正法の附則で検討が求められた被害の実情や事案の実態に即した対処ができる施策を実現するため、所要の法整備を行うものであります。
 性犯罪は、被害者の尊厳を著しく傷つけ、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けるものであって、決して許されるものではありません。こうした性犯罪への適切な対処が喫緊の課題であり、そのための法整備を行うこれらの法案は、大変重要な意義を有するものと考えています。
 今後の審議におきましても、引き続き、これらの法案の趣旨や内容をしっかりと説明してまいります。その上で、十分に御審議いただき、速やかな成立を切に願っています。
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大口善徳#6
○大口委員 現行法の強制性交等罪においての暴行、脅迫の要件は、その暴行、脅迫が被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものと解されていることから、この著しく困難ならしめる程度というところに引きずられて、暴行、脅迫についても限定的な解釈がなされたりしておりまして、実際に被害者が抵抗したのかどうか、抵抗できたのかどうかを問われることになってしまっていると指摘されています。
 改正法案では、現行の強制わいせつ罪や強制性交等罪における暴行又は脅迫を用いてとする規定や、また、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせてとの現行の規定を、八つの行為、事由を掲げ、それにより、同意しない意思を形成し、表明し、著しく全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じてと改めて、構成要件も変更するわけであります。
 その趣旨と、それから、この構成要件が変更されることによってどういう違いが出てくるのか、お伺いします。
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松下裕子#7
○松下政府参考人 お答えいたします。
 現行の強制わいせつ罪、強制性交等罪の暴行又は脅迫を用いてとの要件や、準強制わいせつ罪、準強制性交等罪の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じといった要件につきましては、ただいま御紹介いただきましたとおり、判例上の解釈として、抗拒を著しく困難にさせる程度であることを要するとされていることなどから、個別の事案におきまして、これらの罪の成立範囲が限定的に解されてしまう余地がある、また、安定的な運用を確保する観点からは、処罰すべき行為を的確に捕捉しつつ、構成要件該当性の判断にばらつきが生じない規定とすることが重要であるといった指摘がなされております。
 そこで、本法律案は、現行刑法の強制性交等罪や準強制性交等罪などについて、暴行又は脅迫、心神喪失、抗拒不能という要件の下で、その解釈によって成否が決せられるという状況であるのを改め、より明確で判断のばらつきが生じない規定とするために、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態という文言を用いて統一的な要件として規定し、その状態の原因となり得る行為、あるいは原因となり得る事由を具体的に列挙することとするものでございます。
 これにより、現行法の下でも本来なら処罰されるべき同意していない性的行為がより的確に処罰されるようになると考えておりまして、その意味で、性犯罪の処罰が強化されることになるものと考えております。
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大口善徳#8
○大口委員 また、この改正法案では、「婚姻関係の有無にかかわらず、」こういうふうに明記をされているわけです。やはり今、DV被害の方、また、デートDVに苦しんであられる方もいらっしゃいます。婚姻関係にあるだけでなく、恋人、同棲しているパートナー、性的マイノリティー同士のパートナーなどについても、性犯罪の成立範囲が限定されることがないようにするべきである、こう考えております。
 この規定の趣旨について、大臣にお伺いします。
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齋藤健#9
○齋藤(健)国務大臣 現行の刑法の下におきましても、行為者と相手方との間に婚姻関係があるか否かは強制わいせつ罪及び強制性交等罪の成立に影響しないとする見解が一般的でありまして、実務におきましてもそのように理解をされているところでありますが、もっとも、この点は条文上明示されておりませんで、学説の一部には、婚姻が破綻している場合にのみ強制性交等罪が成立し得るなどとして、配偶者間における性犯罪の成立を限定的に解する見解もございます。
 そこで、本法律案におきましては、配偶者間における性犯罪の成立範囲を限定的に解する余地をなくして、改正後の不同意わいせつ罪及び不同意性交等罪が配偶者間においても成立することを条文上明確にするため、改正後の刑法第百七十六条第一項及び第百七十七条第一項において、婚姻関係の有無にかかわらずこれらの罪が成立し得ることを確認的に規定することとしたわけであります。
 その上で、婚姻関係の有無にかかわらずという文言は、法律上の婚姻関係が存在する場合であると存在しない場合であるとを問わずということを意味しておりまして、婚姻関係がある場合に限って性犯罪の成立を肯定する趣旨のものではないし、法律上の婚姻関係がある場合ですら性犯罪の成立に影響しないことを確認的に明示するものでありますので、この文言が、法律上の関係ではないその他の関係、例えば交際関係等にある場合に、性犯罪の成立を限定的に解する根拠ともならないことは当然であるというふうに考えています。
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大口善徳#10
○大口委員 それで、この改正法案の不同意性交等罪、そして不同意わいせつ罪において、暴行若しくは脅迫を用いること又はこれらを受けたことの規定における暴行、脅迫というのは、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものと解されている現行法の暴行、脅迫と異なり、暴行についていえば、有形力の行使で足りる、その程度は問わないということを確認したいのとともに、この要件を改めることにした趣旨についてもお伺いします。また、暴行、脅迫以外に掲げられた他の行為又は事由についても、その程度を問わないものであることの確認をしたいと思います。
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松下裕子#11
○松下政府参考人 お答えいたします。
 まず、暴行、脅迫の程度の点でございますけれども、改正後の刑法第百七十六条第一項第一号の暴行とは、御指摘のとおり、身体に向けられた不法な有形力の行使を、脅迫につきましては、他人を畏怖させるような害悪の告知をいうものでございまして、いずれもその程度は問いません。この点で、現行の規定とは異なるものとなっております。
 また、お尋ねの二点目でございますけれども、そうすることとした趣旨でございますけれども、現行の暴行又は脅迫を用いてとの要件などにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、判例上の解釈といたしまして、抗拒を著しく困難ならしめる程度の、させる程度のというふうに言われているようなことから、個別の事案におきまして、犯罪の成立範囲が限定的に解されてしまう余地がある。また、安定的な運用を確保する観点からは、処罰すべき行為を的確に捕捉しつつ、構成要件の該当性の判断にばらつきが生じない規定とすることが重要であるといった指摘がなされていますので、本法律案においては、より明確で判断にばらつきが生じない規定とするために、性犯罪の本質的な要素である性的行為が自由な意思決定が困難な状態でなされたという点を、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態という文言を用いて統一的な要件とした上で、その状態となり得る行為や事由を具体的に列挙することとしているところでございます。
 また、お尋ねの三点目ですけれども、暴行、脅迫以外の要件につきましてでございますが、これらの行為又は事由でございますが、これは、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にあるかどうかの判断を容易かつ安定的に行い得るようにするため、その状態に陥る原因となり得る行為、事由を列挙しているものでございまして、いずれにつきましても、程度を限定する文言を加えてはおらず、程度は問わないものとしております。
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大口善徳#12
○大口委員 改正法案は、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態としております。これは法制審で、試案の段階で、拒絶困難、拒絶の意思を形成し、表明し又は実現することが困難な状態ということから変更しているわけであります。
 これは、審議会の御議論において、非常に真摯な議論の結果、そうなったというふうに思いますが、その経緯等についてお伺いします。
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松下裕子#13
○松下政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、法制審議会の部会におきましては、当初の試案においては、性的行為が、拒絶困難にさせるなどの要件を規定していたわけでございますけれども、この要件の文言に対しましては、複数の委員から、同意のない行為が処罰対象であるはずなのに、拒絶困難でなければ認められなくなってしまう、また、拒絶という言葉からは、相手からの働きかけに対して、被害者が何らかの行為をしなければならないように感じられてしまうといった御意見が述べられたところでございます。
 これらを踏まえまして、試案を改訂するということとなりまして、その際、拒絶という行為が求められると受け止められるような文言を用いないようにしつつ、被害者が性的行為をしない、したくないという発想をすること自体や、性的行為をしない、したくないということを言うことが難しい、あるいは、性的行為をしない、したくないと思い、そのように言ったものの、そのとおりにならない状態で行われる性的行為を処罰するという趣旨を表すために、拒絶の意思との文言に換えまして、同意しない意思とすることが適当であると考えられたことから、同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態に改められたものでございます。
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大口善徳#14
○大口委員 この同意しない意思が入ったことについて、昨日も、山本参考人が、非常に画期的なこと、こういうふうに評価をしていただいているところでございます。同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態のその意義を伺います。
 そしてまた、現行法では、抗拒を困難にする程度については、著しくとするのが解釈、判例であります。改正法案における、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態の要件について、著しく困難と限定しなかった理由をお伺いします。
 さらに、例えば、同意しない意思を言葉とか態度で示したにもかかわらず、押し切られて性的行為をした場合、改正法の刑法百七十六条一項、百七十七条の一項で処罰されることになるのかも確認したいと思います。
 昨日の橋爪参考人は、こういうふうにお話をしていただいています。
 本罪の中心的内容は、同意しない意思の形成、表明、全うが困難な状態ですが、この状態の存在の判断を安定的に行うために、自由な性的意思決定が困難になる原因となり得るものを広く拾い上げて、具体的に列挙しています。さらに、現実の事件においては、列挙した原因行為には厳密には該当しないが、同様の影響を与える行為も想定し得ることから、改正法では、さらに、その他これらに類する行為も原因行為に含めています。
 このような改正法案の規定ぶりは、行為態様によって処罰を限定することはなく、処罰の隙間が生じないように、意思に反する性行為を網羅的に罰しようとする態度の表れと評価できようかと思います。
 また、恐怖によるフリーズ、虐待による心理的反応、地位、影響に基づく不利益の憂慮などを明示した点も、これらが性犯罪の深刻な手段たり得ることを明確に規定したという意味において、重要な意味があります。
 こういうお話もされました。
 以上の点についてお伺いします。
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松下裕子#15
○松下政府参考人 お答えいたします。
 まず、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態の意義でございますが、同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかの判断、選択をする契機、きっかけですね、契機や能力が不足し、性的行為に同意しないという発想をすること自体が困難な状態を指します。
 次に、同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を形成すること自体はできたものの、それを外部に表すことが困難な状態を、そして、同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を形成したものの、あるいはその意思を表明したものの、その意思のとおりになるのが困難な状態をそれぞれ意味するものとして規定しております。
 改正後の刑法百七十六条第一項、百七十七条第一項におきましては、暴行又は脅迫という行為によって成否を画する要件ではなく、このように、被害者の意思決定過程とそれから客観的な状態に着目をして犯罪の成否を画することとしておりまして、被害者がただいま申し上げた状態にあること自体によって、その困難さの程度が著しくなくても、性的行為に同意しない意思を有していることが当然に確信できることから、著しく困難であることまでは必要としていないということでございます。
 また、お尋ねのように、同意しない意思が表明されたものの、これを押し切って性的行為をした場合については、先ほど申し上げました、同意しない意思を全うすることが困難な状態ではないかどうかが問題となりますが、例えば、性的行為をしたくないという意思を表明したものの、体を押さえつけるなどの暴行を受けたこと。あるいは、性的行為をしたくないと言えばやめてくれると予想して、その意思を表明したものの、予想と違ってやめてくれなかったため、このような状態に直面して恐怖、驚愕したこと。あるいは、性的行為をしたくないという意思を表明したものの、雇用主の立場にある者から、性的行為に応じなければ仕事を辞めてもらうなどと言われ、経済的、社会的関係の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮したことなどによってこの状態に陥り、性的行為をされた場合には、処罰対象となり得ると考えられます。
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大口善徳#16
○大口委員 また、例えば、しあわせなみださんからも御要望をいただきました。
 障害児者、他者の援助を必要とする立場の方は、反対の意思を、相手の意思に反対、反する表明ができないという状況に置かれている方もいらっしゃるわけであります。そういう点で、施設の職員や援助者、利用しておられる方々が被害者のこともあるわけでございます。こういう障害に着目した規定についても、この法律案において、それに応えられるような内容になっているのか、お伺いをします。
 それから、改正法の百七十六条の一項二号に規定する心身に障害があることには、障害の種類や程度に限定がないと考えますが、いかがか。
 また、法制審におきまして、急性解離反応について、これは入れるべきだ、こういう御意見がございました。これにつきましてもお伺いしたいと思います。
 大臣、お願いします。
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齋藤健#17
○齋藤(健)国務大臣 改正後の刑法第百七十六条第一項、第百七十七条第一項におきまして、例えば、心身の障害があること、あるいは経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること、こういったことによりまして、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態で性的行為が行われればこれらの罪が成立し得るということを明確にしている規定であります。
 したがって、これらの規定の下では、例えば被害者が心身の障害を有している場合や、障害を有する方を監護する立場にある行為者が地位、関係性を利用する場合などについて、より的確に処罰することができると考えております。
 また、改正後の刑法第百七十六条第一項第二号の心身の障害とは、身体障害、知的障害、発達障害及び精神障害でありまして、一時的なものを含むものであり、程度に限定はございません。
 そして、お尋ねの急性解離反応も、これに含まれ得ると考えているところであります。
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大口善徳#18
○大口委員 今回の改正法案には、現行の強制わいせつ罪に該当していた、「膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの」が性交等とされ、不同意性交等罪で処罰されることとなりましたが、その意義について。
 そしてまた、この改正によって、いわゆる痴漢行為の中でも悪質なものがございます、これについて不同意性交等罪の適用の余地があると考えますが、その点についてもお伺いします。
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松下裕子#19
○松下政府参考人 お答えいたします。
 現行法上、性交等は性交、肛門性交又は口腔性交とされておりまして、強制性交等罪として重い処罰の対象とされておりますが、それ以外のわいせつな行為は、強制わいせつ罪による処罰の対象とされております。
 しかしながら、心理学や精神医学の見地から、膣又は肛門に体の一部又は物を挿入されることを強制されることは、それらがどのようなものであっても、性交等を強制される場合と比較して、被害者の精神的反応に差がなく、臨床上も、重篤なPTSDを示すことに差異はないという知見が示されていること、また、犯罪被害者の立場からも、被害者にとっては、挿入される体の部位や物の種類を問わず、同意なく身体に異物を挿入されること自体がレイプである旨の御意見が示されていることなどに鑑みますと、膣又は肛門に体の一部又は物を挿入する行為は、それが陰茎でなかったとしても、同等の法益侵害を生じさせ、同等の当罰性を有するものと考えられます。
 そこで、改正後の刑法第百七十七条第一項におきましては、膣又は肛門に陰茎以外の体の一部又は物を挿入する行為であってわいせつなものを新たに性交等に含めることとしております。
 したがいまして、例えば、御指摘のように、膣に指を挿入する行為などの膣又は肛門に陰茎以外の身体の一部又は物を挿入する行為であってわいせつなものについては、それが痴漢行為と称されるものである場合でありましても、改正後の刑法第百七十七条第一項の罪が成立し得ると考えております。
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大口善徳#20
○大口委員 次に、公訴時効の延長等についてお伺いします。
 性犯罪の被害を受けたからといって、被害者がすぐに被害を警察等に申告するものではありません。被害者が被害を受けたことを認識するのにも時間がかかりますし、それを開示すること、そしてまた、それを捜査機関に申告することに大変な時間を要するということは、昨日の参考人である齋藤さん、あるいは山本さん、そしてSHELLYさん等々からもお話があったわけでございます。
 法制審議会でも、子供の性虐待に関する調査では、誰かに話せるようになるまで、オーストラリアでは平均二十三・九年、アメリカでは二十一・四五年かかったことが報告されております。当事者等からは、四十になるまで、三十代をカバーできるような公訴時効としてほしいという意見も強くございます。
 また、この改正法案で、性犯罪に係る公訴時効をそれぞれ五年延長することとしており、またさらに、被害者が十八歳未満であるときは、十八歳に達するまでの期間に相当する期間を延長することになっていますが、例えば、不同意性交等罪においては三十三歳までということになっているわけでございます。
 昨日の参考人の御意見でも、五年ということについて、これはもっと長くすべきだ、こういう御意見もあったわけでありますが、公訴時効の延長幅を五年とすることの根拠についてお伺いしたいと思います。
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松下裕子#21
○松下政府参考人 お答えいたします。
 本法律案におきましては、一般に、性犯罪については、その性質上、恥の感情や自責感などによりまして被害申告が困難であるということなどから、ほかの犯罪と比較して類型的に被害が潜在化しやすいことを踏まえて、公訴時効期間を延長することとしております。
 そして、延長する期間につきましては、一般的、類型的に、被害に遭ってからどれだけの期間がたてば被害を表に出すことができるようになるのか、被害申告の困難性といった性犯罪特有の事情が解消されると言えるかということを可能な限り実証的な根拠に基づいて定めるという観点から、内閣府の調査におきまして、無理やりに性交等をされたことがあって、被害を誰かに相談した方のうち、被害に遭ってから相談するまでにかかった期間が五年以内であった方が大半であったことを踏まえて、五年としているものでございます。
 また、若年者につきましては、心身共に未熟なため、大人の場合と比較して類型的に性犯罪の被害申告が困難であると考えられますので、その上で、十八歳未満の者については、実態として、一般的に見て、性的な行為や事後の対応を含めた社会生活上の知識経験が十分に備わっているとは言い難く、性犯罪の被害に遭ったとしても、それが性犯罪の被害であることを認識したり、適切に事後の対応をすることが困難である。また、法律上の取扱いとして民法上の親権の対象となっていることなどから、社会的に重要な行為について親権者等の保護者の指導監督を受けることになるところ、性犯罪の被害については保護者等に相談しにくいことなどに鑑みますと、一般的、類型的に、十八歳以上の者が被害に遭った場合と比較して被害申告がより困難であると考えられます。
 そこで、本法律案におきましては、被害者が十八歳未満である場合については、その者が十八歳に達するまでの期間に相当する期間、性犯罪の公訴時効期間を更に延長することとしているものでございます。
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大口善徳#22
○大口委員 ただ、その根拠となった内閣府の調査では、被害を相談したり被害を打ち明けたりできない人が、女性が六割、そして男性は七割ということが明らかになっています。大多数の人が五年以内に被害の相談すらできないことが指摘されているわけです。
 政府として、本改正案成立後速やかに、このような被害申告ができていない人々を考慮した被害申告の実態を的確に把握するため、調査を実施していただきたいと思いますが、大臣、お願いいたします。
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齋藤健#23
○齋藤(健)国務大臣 御指摘のような観点も含め、性犯罪の被害の実態を把握することはもちろん重要であると認識をしています。
 本法律案が成立した場合には、その施行状況も踏まえつつ、実態調査の対象や方法なども含め、関係府省庁とも連携して必要な検討を行ってまいりたいと考えています。
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大口善徳#24
○大口委員 次に、いわゆる性交同意年齢についてお伺いします。
 現行は十三歳ということでございますが、これが低過ぎるということで、今回、十六歳に引き上げるということでございます。そしてまた、十三歳以上十六歳未満の方については、年齢差要件ということで、五歳差要件にしているわけでございます。
 このような引上げの根拠、理由と、そして、五年差ということについての理由をお伺いしたいとともに、年齢差を五年とする根拠についてもお伺いしたいと思います。
 昨日も、参考人からは、このことについて、二、三歳でもこれは対等とは言えない、こういう御意見もあったところでございます。御説明をお願いします。
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松下裕子#25
○松下政府参考人 お答えいたします。
 強制わいせつ罪、強制性交等罪は、性的自由、性的自己決定権を保護法益としております。性的行為に関する自由な意思決定の前提となる能力がそもそもない場合には、暴行等の意思決定に影響を及ぼすような状況がなかったとしても保護法益が侵害されると考えられるところ、その能力がないと言える年齢として、現在は十三歳未満、すなわちおおむね小学生の年齢層の者は行為の性的意味を認識する能力が一律に欠けるということから、現行法では十三歳未満がいわゆる性交同意年齢とされていると考えられます。
 もっとも、性的行為に関して有効に自由な意思決定をするための能力の中身といたしましては、行為の性的意味を認識する能力だけではなく、行為の相手方との関係において、行為が自分に及ぼす影響について自律的に考えて理解したり、その結果に基づいて相手方に対処する能力が必要であると考えられます。
 そして、十三歳以上十六歳未満の者はおおむね中学生の年齢層でありまして、性的な意味を理解する能力が一律に欠けているというわけではないことから、一律に相手方や状況を問わず性的行為に関する自由な意思決定の前提となる能力に欠けるとまでは言えない一方で、先ほど申し上げた後者の能力は十分に備わっておらず、対等な関係の下でなければ性的行為について有効に自由な意思決定をする前提となる能力に欠けると考えられるところでございます。
 そして、相手方が年長である場合には、一般に、その年齢差が大きくなるほど、両者の間の社会経験や知識の差異などによりまして、その年齢差自体から対等な関係にあるとは言えなくなると考えられるところ、この性交同意年齢の問題は、性的行為をしたこと自体で直ちに性犯罪が成立するとするものとする規定でありますことから、刑罰の謙抑性の観点から、双方の年齢が要件を満たすだけで例外なくおよそ対等な関係はあり得ず、有効に自由な意思決定をする前提となる能力に欠けると言えるものであるものとすることが必要であると考えられます。
 本法律案におきましては、そのような観点から、心理学的、精神医学的見地も踏まえまして、いわゆる性交同意年齢を十六歳未満とした上で、十三歳以上十六歳未満の者に対する性的行為について処罰対象となり得る者を、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者としているところでございます。
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大口善徳#26
○大口委員 これについてはいろいろと議論がございます。橋爪参考人も、今局長が答弁された御趣旨のことをお話をされております。
 また、実質要件というのを今回外したということもございますけれども、これについては、参考人の御意見ということもしっかり考えていかなきゃいけない、このように思っております。
 それから、インターネットを介して若年者が性的被害に遭うということで、いわゆる性的なグルーミング、懐柔行為が問題となっています。改正法案では、わいせつの目的で十六歳未満の者に対しての面会要求等々の規定が、百八十二条の一項で規定されています。
 この面会要求等罪について、どういう問題意識があり、そして、どういう行為を処罰しようとしているのか、その保護法益は何なのか、説明をお願いしたいと思いますとともに、十六歳未満から十三歳以上については五歳差要件を必要としたことについても、簡単にお答えいただきたいと思います。
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松下裕子#27
○松下政府参考人 お答えいたします。
 まず、改正後の刑法第百八十二条の罪の新設の趣旨と保護法益、処罰対象行為について申し上げますと、十六歳未満の者が性被害に遭うのを未然に防止し、その性的自由、性的自己決定権の保護を徹底させるためには、性犯罪に至る前の段階でも、性被害に遭う危険性のない保護状態を侵害する危険を生じさせたり、これを現に侵害する行為を処罰することが必要であると考えられます。
 そこで、本法律案におきましては、十六歳未満の者が性被害に遭う危険性のない状態、すなわち性的保護状態を保護法益とした上で、まず、対面状態で行われる性犯罪を防止するため、改正後の刑法第百八十二条第一項におきまして、わいせつの目的で十六歳未満の者に対し不当な手段を用いて面会を要求する行為を、また、その二項におきまして、このような面会の要求をし、よって面会する行為をそれぞれ処罰対象としております。また、離れた状態、隔離状態で行われる性犯罪の防止のため、同条第三項におきまして、十六歳未満の者に対し性的な姿態をとってその映像を送信することを要求する行為を処罰対象としております。
 御指摘のとおり、同条におきましては、行為の客体が十三歳以上十六歳未満である場合につきましては、行為の主体を五歳以上年長の者としておりますが、その理由は次のとおりでございます。
 まず、これらの規定が性犯罪の未然防止などの、先ほど申し上げた観点からの規定を設けようとしているものであることを踏まえまして、仮に同条一項、二項におきまして十三歳以上十六歳未満の者に対して年齢差が五歳に満たない年長者がわいせつの目的で面会要求や面会をすることを処罰することとした場合には、わいせつの目的というのがそれ自体として必ずしも犯罪を構成するものには限られないことから、行為者がその目的のとおりにわいせつな行為や性交等に至ったとしても、それだけでは処罰されないにもかかわらず、その準備的な行為をすれば処罰されることとなり、また、仮に同条第三項におきまして十三歳以上十六歳未満の者に対して年齢差が五歳に満たない年長者が性的な姿態をとってその映像を送信する行為を要求することを処罰することとした場合、同様に、要求した行為が実現したとしても、それだけでは処罰されないにもかかわらず、その要求行為をすれば処罰されることとなるということになってしまいまして、そのような帰結は整合性を欠くと考えられることから、不同意わいせつ罪等と同様の年齢要件としているところでございます。
    〔委員長退席、藤原委員長代理着席〕
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大口善徳#28
○大口委員 次に、改正後の刑訴法三百二十一条の三についてお伺いをしたいと思います。
 この三百二十一条の三を設けて伝聞法則の例外とするわけでございますけれども、この件につきまして、三百二十一条の三の一項では、「その供述が第二号に掲げる措置が特に採られた情況の下にされたものであると認める場合であつて、聴取に至るまでの情況その他の事情を考慮し相当と認めるとき」というのは証拠とする、第二号に掲げた措置が取られるということが書かれているわけです。現在行われている、要するに司法面接的手法を用いた代表者聴取を念頭に置いた規定だと思います。
 これによって供述者の負担を軽減し、また、信用性の情況的保障ということからこれは置かれているわけでございますが、拡大解釈される懸念を示されることが、法制審議会においても出されております。この趣旨、どのような措置を講ずることを想定しているのか。
 そしてまた、やはり、これは国際的な実証研究に基づき開発されたプロトコルにのっとって適切に司法面接を行うべきであるというふうに考えますが、この点についての、法務省の実施に向けての取組についてお伺いをいたしたいと思います。
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松下裕子#29
○松下政府参考人 お答えいたします。
 改正後の刑事訴訟法第三百二十一条の三は、被害状況等を繰り返し供述することによる心理的、精神的負担の軽減を図るため、いわゆる司法面接的手法がそれにより得られる供述について信用性の情況的保障を担保し得ることから、このような手法による聴取の結果を記録した録音、録画記録媒体を公判に顕出するための新たな伝聞例外を設けるものでございます。
 司法面接的手法は、できる限り正確に多くの事実を聴取するために開発された手法でございまして、様々な具体的なプロトコルがありますが、いずれにおきましても、その中核的な要素は、供述者の不安又は緊張を緩和することその他の供述者が十分な供述をするために必要な措置、また、誘導をできる限り避けることその他の供述者の供述の内容に不当な影響を与えないようにするために必要な措置が取られることがその中核でございます。そこで、改正後の刑事訴訟法第三百二十一条の三第一項におきましては、これらの措置が取られたことを要件としているところでございます。
 お尋ねの、国際的な実証的研究に基づき開発された司法面接の手順ということにつきましても、その中核的な要素はこれと同様のものとなると考えられます。
 その上で、現在運用されている代表者聴取の取組における聴取では、先ほど申し上げた措置が、一般的な通常の配慮を超えて、供述者の特性に応じた特段の配慮の下に取られているものと承知しておりまして、このような供述者の特性に応じた特段の配慮の下に所定の措置が取られたものであれば、改正後の刑事訴訟法第三百二十一条の三第一項の措置要件は満たすと考えられます。
 本法律案による改正後も、引き続き、適切に代表者聴取の取組が実施されるよう、改正の趣旨、内容について周知するとともに、必要な研修の実施に努めてまいりたいと考えております。
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