運輸委員会

1957-09-30 衆議院 全79発言

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会議録情報#0
昭和三十二年九月三十日(月曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 淵上房太郎君
   理事 山本 友一君 理事 井岡 大治君
      有田 喜一君    生田 宏一君
      中嶋 太郎君    永山 忠則君
      濱野 清吾君    眞鍋 儀十君
      池田 禎治君    小山  亮君
      下平 正一君    正木  清君
      松岡 駒吉君    山口丈太郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 中村三之丞君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   鹿野 義夫君
        大蔵事務官
        (理財局次長) 賀屋 正雄君
        大蔵事務官
        (理財局資金課
        長)      鈴木 秀雄君
        運輸政務次官  木村 俊夫君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 朝田 靜夫君
        運輸事務官
        (大臣官房文書
        課長)     木村 睦男君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      權田 良彦君
        日本国有鉄道副
        総裁      小倉 俊夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     小林 重國君
        日本国有鉄道常
        務理事     石井 昭正君
        日本国有鉄道参
        与
        (総裁室審議室
        長)      瀧山  養君
        専  門  員 志鎌 一之君
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七月四日
 委員永山忠則君辞任につき、その補欠として岡
 崎英城君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員原健三郎君辞任につき、その補欠として木
 崎茂男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
 委員岡崎英城君、木崎茂男君、木村俊夫君、堀
 内一雄君及び米田吉盛君辞任につき、その補欠
 として塚原俊郎君、原健三郎君、宮澤胤勇君、
 小泉純也君及び村上勇君が議長の指名で委員に
 選任された。
八月二日
 委員小泉純也君辞任につき、その補欠として平
 野三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員平野三郎君辞任につき、その補欠として小
 泉純也君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
 委員小山亮君辞任につき、その補欠として楯兼
 次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員村上勇君辞任につき、その補欠として丹羽
 兵助君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員丹羽兵助君辞任につき、その補欠として村
 上勇君が議長の指名で委員に選任された。
九月十六日
 委員楯兼次郎君辞任につき、その補欠として小
 山亮君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員池田禎治君辞任につき、その補欠として上
 林與市郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十日
 委員宮澤胤勇君辞任につき、その補欠として永
 山忠則君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員上林與市郎君辞任につき、その補欠として
 池田禎治君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 国鉄の経営等に関する件
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淵上房太郎#1
○淵上委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。
 運輸大臣から発言を求められております。これを許します。
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中村三之丞#2
○中村国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。私が運輸行政を担当いたしますことは今回が初めてでございまして、委員の皆様の格別の御指導によりまして遺憾なきを期したいと存じておる次第でございます。
 運輸交通は文化、産業、経済発展の動脈でございまして、交通の健全なる発達なくしては文化、産業、経済の発展は望み得ないのであります。運輸省といたしましては、この重要使命にかんがみまして今日まで種々の重要施策を策定いたしまして、これを推進して参ったのでありますが、情勢の推移によりまして次々と多くの問題を生じ、その解決に努力を続けておる次第であります。特に最近の国際収支悪化の実情にかんがみまして、これが対策といたしまして政府は、緊急総合政策の実施に努力いたしておるのであります。当省におきましてもこの方針に従って具体策を講じておりまするが、さらに積極的改善策として外貨獲得のため、外航船腹の拡充、国際航空路の整備充実、観光事業の振興等により、貿易外収支の増大、また船舶及び鉄道車両の輸出振興に努力いたす方針でございます。
 次に国内輸送力の整備強化には常に最大の努力を続けて参っておるのでありますが、その根幹をなしております国有鉄道につきましては、鉄道五カ年計画を推進して重要幹線の増強及び近代化を促進し、輸送力の飛躍的増加をはかりたいと考えております。国内輸送力の強化につきましては、高速自動車道の整備、その他国内航空路線の拡充強化及び飛行場の整備、海上輸送力の増強に努めて参っておりますほか、国内国際交通に重要使命を持つ港湾の整備を急速に実施いたしたいと考えております。また当省の所管であります海上の治安確保、海難の救助など海上保安の業務、及び海陸空を通じまして、交通安全の点からはもちろん、農業、漁業などに重大な関係のあります気象業務を充実し、予報制度の向上をはかりたいと考えておりますが、以上いずれも皆様の深い御理解と御協力なくしてはとうていよい成績を上げることはできないのでございまして、何とぞ皆様方のより一そうの御指導、御援助を重ねてお願いする次第であります。
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淵上房太郎#3
○淵上委員長 木村政務次官。
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木村俊夫#4
○木村(俊)説明員 長らく運輸委員といたしまして皆様にお世話になっておりましたととろ、先般運輸省の方へ政務次官として出向いたすことになりました。今大臣より御説明のありました重要諸政策推進のために、特に運輸委員会における従来の経験を十分生かしまして、最善の努力を払うつもりであります。今後とも一そうの御指導と御鞭撻とをお願いいたます。
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淵上房太郎#5
○淵上委員長 これより陸運に関しまして調査を進めますが、それに先立ちまして、官房長から昭和三十三年度運輸省重要施策要綱につきまして説明を求めます。
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木村俊夫#6
○木村(俊)説明員 私から概括的に明昭和三十三年度の運輸省の重要施策について御説明いたしたいと思います。お手元にただいま配付いたしました印刷物がございますが、これによってごらんを願いたいと思います。
 まず第一ページ目に大体重要施策を八つの項目に分けまして、「わが国経済の均衡的成長の確保と国力の増進に資するため、昭和三十三年度における運輸省所管行政について次の重要施策を確立し、これを強力に遂行するものとする。」こういう前書きのもとに、まず第一国際収支の改善第一に輸送力の増強、第三に交通安全と災害防止、第四に原子力商船の建造促進、第五に科学技術の振興、第六に中小企業の振興、これは船舶と鉄道車両のことでございます。七には雇用労働関係の改善、八には海上治安体制の強化、こういう八つの大きな柱を立てて今後重要施策の推進に当る考えでございます。
 ただいまより官房長からとの内容の詳細にわたって御説明を申し上げることでございまするが、非常に項目が専門的にわたっておりまするので、官房長からはできるだけ概括的に重点のみを御説明申し上げたいと思います。
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朝田靜夫#7
○朝田説明員 それではこれから私から昭和三十三年度運輸省重要施策要綱の概要につきまして御説明を申し上げます。お手元に差し上げてございまする重要施策要綱の刷りものの順を追って、御説明申し上げたいと思います。ただ最初にお断わり申し上げておきたいことは、この重要施策要綱を運輸省といたしまして、さしあたりこうした形でただいま政務次官が申し上げましたような八つの柱を立てて立案いたしたのでございますが、この要綱それ自体につきましても、あるいはこの施策の実施につきましても、諸先生方の御高説を拝聴いたしまして、その御指示に従ってわれわれも実施の万全を期して参りたい、こう考えておるような次第でございます。
 まず第一に国際収支の改善でございまするが、外航海運の整備拡充ということと、その次に国際航空の整備強化、第三に観光事業の振興、こういう問題を取り上げておるのでございまして、これがわが運輸省が所管いたしておりまする貿易外収支に大きく貢献をいたしておりまするインヴィジブルの部分でございます。四の船舶及び鉄道車両の輸出振興につきましては、これはむしろ商品貿易に属することでありますけれども、わが運輸省の所管に属する問題といたしまして、ヴィジブルにかかわる輸出振興の問題であります。第五番目に、貿易外とあわせて、それに続いてヴィジブルの車両輸出あるいは船舶輸出に関連を持ちまするところの、最近起って参りました新しい技術輸出の促進、こういう問題も取り上げておるのでございます。
 まず第一の外航海運の整備拡充でございますが、御承知のように最近の国際収支の状況が非常に悪くなって参りまして、その中で海運関係だけを考えてみますと、いわゆる為替収支のバランスでなしに、実質国際収支、われわれがIMF方式と称しておりまするところの実質の国際収支のバランスを海運関係についてながめてみますと、三十一年度において二億五千万ドルの支払い超過になっておる。こういう現状からいたしまして、依然として日本が海運サービスにおきまする外国からの輸入国になっておる。こういう状態でありますので、最近の国際収支の状況とも考え合せまして、引き続き外航船舶を計画的に拡充して参らなければならぬ、こういうふうに考えるのでございます。そこで積み取り比率につきましても、三十一年度におきましては、輸出が日本船で積み取りましたものが四九・七%、輸入が四七%、こういうことで依然として五〇%以下にあるというような状況でありますので、貿易規模と均衡のとれた船腹拡充を継続しなければならぬというふうに考えるのでございます。そこでこういった海運収支の実質バランスをできるだけ早く改善いたしますために、われわれは大体年間五十万トンずつ作っていかなければならぬというふうに考えておるのでありまして、そのうち計画造船を幾らにするか、こういったことにつきましては、現在海運合理化推進審議会に諮問をいたしまして、その答申を求めておるような次第であります。そこで船腹拡充計画に引き続きまして、この場合に財政資金を中心といたしまする計画造船は根本でありまするが、自主的に企業の充実を基礎といたしまして、自己資金によりまする建造も促進をして参らなければならぬということを後段に書いておるのでございます。とのために低利長期の融資を可能にいたしまするような資金源を得る態勢をどうしても恒久的に築き上げなければならぬということで、私どもは西独におきまして経済再建の住宅と商船隊の建造にとられましたような所得税法のいわゆる七D条、こういう一つの制度がございますので、そういったものにつきましても今検討を進めておるような次第でございます。
 その次の「海運企業の国際競争力の強化」でございますが、そこにありますように「海運企業の基盤の確立による国際競争力の強化を図るため、企業の内部蓄積を増大し、あわせて長期低利の造船融資を確保する目的をもって税制上の措置その他所要の措置を講ずる。」こういうことで、先ほど申し上げましたような西独の経済再建の一方策につきましても、わが国においてこれが適用できるかどうかということを、ただいま検討いたしておるようなわけでございます。企業の内部蓄積の増大につきましては、種々方法もございましょうけれども、建造留保金制度、こういったものにつきましても検討を進めておるわけであります。その次に「造船用鋼材の価格を国際水準に近ずけるため、材質、寸法等に対する特殊規格料の引下げに必要な特別の措置を講ずる等新造船船価の合理的低減を図る。」こういうことを書いておりまするが、この問題はきわめて重要でございまして、最近におきまする造船界の輸出船に対する努力は実を結びまして、非常に大きな実績を上げておるのでございます。三十一年度におきまして、三億一千一百万ドルという大きな外貨を獲得しておるという状況でありまするが、なぜ日本の造船界が、終戦後壊滅の状態から脱却いたしまして、世界一の造船国の実績を築き上げたか、こういうことを考えてみますると、内部におきまする企業努力、あるいは技術の革新、こういったものがパラレルに調子よく今日まで参ったということも事実であります。ただその際に、そういった船価の非常に大きな部分を占めておりまする鋼材というものが、今後の造船受注の必ずしも楽観を許さない状況と考え合せてみますと、なおざりにできない大きな問題を含んでおるのでございます。その点につきましては、今まで建造コストの低減をいろいろな方法でやって参りましたけれども、国際的に見て割高であり、しかもわれわれから考えますと非常に不合理だと考えられまする造船用の特殊規格割増料といった制度をなくす。国際水準から見て非常に高い割増料というものを取り払って、従来からの殷盛をきわめました造船界の状態をさらに向上させたい、こういうふうに考えるのでありまして、英国と比べてみますと、べース価格において一万九千二百円ばかりすでに高いのであります。なおその上に造船用として特殊の割増料を取られる。あるいは材質の割増料あるいは寸法の割増料、こういったものを平均いたしてみますと、トン当り八千四百円ばかり高くなる。べース価格一万九千二百円プラス八千四百円高くなっておる、こういう状態でありまするので、こういったべース価格の問題につきましては鋼材価格一般の問題でありまするけれども、今申し上げましたような造船だけが特に割増料を取られておるといったような不合理な制度を排除したい。その方法といたしまして、ここにあげておりまするような特別な措置、ということは具体的に申し上げますと、今申し上げた割増価格と国際価格の差を補助するという形でいきたいということで、予算にも要求をいたしておるようなわけであります。
 その次の「日本船舶の効率的利用を確保するため、貿易と海運との緊密な連絡調整を図るとともに、三国間輸送の促進のために税制上の措置その他所要の措置を講ずる。」こういうことを書いておりまするが、最近マーケットもだいぶ悪くなって参りました。その際に日本船舶の全幅的な活用をはかることは申すまでもないのでありますが、ここに特に取り上げておりますることは、米国の輸出入銀行からの借款あるいはその他の問題で米国船による積み取り条項、こういったものもございまするので、日本船をできるだけ活用ができるような折衝をその際にもすべきである。また三国間輸送も積極的な外貨の獲得になりまするので、そういった意味におきまする現在の水揚げの三%の輸出特別補助率の引き上げを、三国間輸送について特に強調いたしたいというふうに考えておるのであります。
 その次の「公正な競争の確保」でありますが、「運賃の安定を図り、日本海運の健全な発展を期するため、航路の調整その他公正な競争の確保に必要な措置を講ずる。」ということをあげておりまするが、これは最近ただいま申し上げましたような海運事情でもありまするので、不定期船から定期航路の中に割り込んできて、定期航路の秩序の安定が乱されるというような事態も起って参りまするので、その際に国際的な協調ということと、日本船同士の過当な競争というものをどうしても排除して参らなければならぬということで、ここで万全の行政指導を行なっていきたいという意味であります。
 その次に「移民船及び外航客船の建造促進」であります。移民船につきましては、御承知のように現在四隻あるのでありまして、十三次計画造船におきましてさらに一隻建造をすることにいたしておりまするが、来年度あたりの移民輸送力につきましては、大体今申し上げました五隻の船で七千四百五十人ばかり年間輸送できるということになっておるのであります。そのほかにオランダのロイヤル・インター・オーションというものが、やはり五隻ばかりの船で二千七百人の輸送力を持っております。従いまして日本側の輸送力とオランダの移民船の輸送力と合せまして一万百五十人の輸送力があるわけであります。ところが来年度の移民の見通しは、まだ最終的に確定はいたしておりませんが、大体一万三千三百人ぐらい輸送しなければならぬというようなことに聞いておるのでありまするが、これはまだ確定はいたしておりません数字であります。しかしこうなって参りますと、移住国策というものが、相当推進されて参りますると、それに即応しての輸送力というものにつきまして、やはり。パラレルに増強して参らなければならぬ。ところが現在のような状態で参りますと、貨物が、南米その他からそれに対応するだけの荷動きがない。またどんどん作って参りますと、私企業においてすでに限界に来ておるというようなことで、建造補助と運航補助をこの際取り上げて、移民におきまする隘路を打開しなければならぬとここで考えておるのであります。その次の「外航客船の建造及び運航に対して特別の助成措置を講ずる」ということにつきましては、移民といささかその事情が違うのでありますけれども、国際収支の改善に寄与いたしますると同時に、太平洋におきまする客船輸送の航権の維持あるいは確保といった点から、こういった客船の建造を始めなければならぬというような考え方をここでとっておるわけであります。
 その次の「国際航空の整備強化」でありますが、最初の「航空路線の拡充強化」は、現在の既存の路線を強化いたしますとともに、新しい有望な国際路線を開拓していく、またたとえば現在のバンコック線をシンガポールに延ばすとか、あるいは北太平洋の今就航いたしております日本航空の路線も線数をふやして参りますとか、そういったようなことをやりまして、すでに日本航空が発注いたしておりますDC7Cが四機、あるいはDC8Cが四機、こういった新型機の購入計画に即応して、幹線、新路線の拡充のためには膨大な資金があわせて要るわけでございます。こういうことのためにすでに政府は過去数年間において、毎年十億円ずつ日本航空会社に出資して参っておるのでありますが、今後も今申し上げましたような事情から、膨大な資金を必要といたしますために、政府出資を継続していく、こういうことの考えをここで明らかにしておるのであります。
 そとでその次の「航空従事者の養成強化」でありますが、これにつきまして、今いろいろ申し上げたような新型機の購入にパラレルにどうしても要員を確保していかなければならない。ところが御承知のように外人パイロットの給与は、日本人の給与に比較いたしますと五倍以上もかかる。すみやかにこういったことを脱却いたしまして、自主的な態勢に持っていかなければならぬ。そういうことのために航空大学校の養成規模を拡大いたしまして、現在木科生十人ばかりでやっておりますが、これを五十人ばかりに拡大していく、こういうような計画をもって当面の需要に対処していきますとともに、民間航空会社においても一人前のパイロットに仕上げるためにいろいろな養成計画を実施しておりますが、そういった方面においても養成を強化いたしまして、これをあわせて航空従事者の確保をはかっていきたいということであります。
 三番目の「国際空港の整備」でありますが、こういった新型機の出現、特にジェットの出現と、外国の航空機が非常に多くなって参りますので、羽田の国際空港を昨年に引き続きまして整備拡充すると同時に、伊丹の飛行場がことしの十一月一日から返還になりますので、この施設を日本側で自主的に運営して参らなければならぬという事態に即応いたしまして、関西経済界と緊密な連絡を持っております東南アジア、あるいは中共方面等に関連いたします国際空港としての整備を急速に実施しなければならぬ。そこで現在の滑走路に並行いたしまして、新設の一万フィートの滑走路をここで整備して参りたい、こういうことであります。
 その次の「観光事業の振興」でございますが、「海外観光宣伝の滲透強化」ということであります。この問題につきましては、まず第一に宣伝資料を充実するということ、あるいは海外宣伝事務所の増設、あるいは海外博覧会への参加、あるいはまた国際観光諸機関との提携をはかっていくということがこの内容になっておるのでございますが、米人がおもな観光客の大宗を占めておりますので、従来はここに主眼を置いてやって参ったのでありますが、来年度は一応欧州と東南アジア——欧州はパリ、東南アジアはバンコックに海外宣伝事務所を新設いたしたいということを考えておるのでございます。国際観光協会に対する毎年度の補助も続けて参りますけれども、今年度補助金が御承知のように一億四千五百万円であります。これに民間の醵出の六千万円を合せて約二億円の予算で実施してきておるのでありますが、そういった意味におきまして、さらにこの方面の助成措置も推進いたしますとともに、近隣諸邦との協力態勢を促進する。先ほど申し上げましたように、宣伝資料の相互交換をやりますとか、あるいは国際諸機関との連携を強化いたしまして、宣伝の浸透強化をはかっていきたいということであります。
 その次の「観光諸施設の整備拡充」ということでありますが、「主要観光地域における外客向宿泊施設、ユース・ホステルその他の観光施設の整備拡充を図るため、資金の確保に努めるとともに、法的措置その他所要の助成措置を講ずる。」ということを書いてございますが、これは具体的に何を言っているのかといいますと、現在の国際観光ホテル整備法を改正いたしまして、宿泊施設の新築あるいは増築といったものに対しまする税の減免措置をもって助成をしていきたいということを言っておるのであります。
 その次の「新観光資源の開発、紹介」であります。「外客の滞在期間の延長を目途とし、未開発の観光地、観光資源の開発、紹介を推進するとともに、わが国の固有産業、代表的近代産業の諸施設を広く観光外客に開放し、その製作工程等を視察せしめる等の便宜供与体制を整備し、産業観光(テクニカル・ツーリズム)の促進を図る。」というのであります。このテクニカル・ツーリズムは御承知のように欧州諸国で非常に成功をおさめているのであります。産業と観光とが直結したような形で行われているのでありまして、わが国におきましても、非常な魅力のある観光地、たとえば真珠のごときものにつきましても、そういった製作工程もあわせて視察させて、産業といいますか、あるいは貿易と観光との直結をはかっていきたい、あるいは観光の宣伝方法というものをここで実施していきたいということで、今具体的な実施計画も寄り寄り進めているような次第であります。
 最後に「外客接遇の充実改善」でありますが、毎回われわれが主張しておることに外国人の出入国手続の簡素化、それから通貨管理の合理化というようなことがありますが、すでに現在では十三カ国との間におきまして相互主義によっていわゆる査証、ビザを廃止しておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、観光客の大宗でありまする米国人あるいはカナダ人といったものにつきましては、なかなかそう簡単に参らないのでありますけれども、欧州ですでにやっておりまするように、もう一方的にこの査証を免除するという措置に出るべきだということであります。通貨管理の合理化につきましては、外客が一度日本の国内に入って参りますと、再び出国の際に外貨の再交換につきまして制限があるのであります。その際現在の百ドルという制限額を撤廃あるいは緩和するというようなことであります。旅行あっせん案内の充実あるいは観光教育の普及徹底といったようなものにつきましても、業者の育成指導あるいは旅行あっせん事業の監督を強化することによってもぐり営業を根絶する、こういうことをはかって参りまして、旅行経費の引き下げをするというような諸般の助成指導を推進しようというのであります。
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正木清#8
○正木委員 議事進行に関して。運輸当局の発言中でございますが、議会の中でも財政通の第一人者をもって任じておられる運輸大臣であり、海運行政についてもかつて運輸省の中でその方の専門を担当した新政務次官を迎えた当委員会でありますから、私は本日のこの運輸委員会に対しては大きな期待を持っておりました。従って大臣から、大臣としての運輸省所管について一二十三年度の行うべき新しい事業計画についての御発表があったわけです。それに基いて一から八までのこの重要施策要綱の書類が配付になったわけですが、お伺いしておると、運輸当局は一から八まで詳細にこの重要案件についての御説明を始めたわけです。御説明を始めた限りにおいては、私どもも一から八まで各項目についてこれは御質問を申し上げるということは、議会運営上の慣例なんです。その点については、私どもは当委員会の理事会においてさような決定を見たというようなことは承わっておらないわけです。本日、私どもは承わっておりませんが、委員長と当局との間で話し合いをつけて、さような議事運営の仕方をするとするならば、あらかじめ委員長からその旨をわれわれに明らかにしていただかなければならない、これが一点。
 第二点については、一から八までの要綱については当局から詳細のお話がある限りにおいては、この一から八までの中に、大臣としての新しい構想に基いた事業計画はあるけれども、大半は戦後十二カ年間当委員会において、毎年々々繰り返された重要案件が非常に関連して多い。だとするならば、当然一から八までの具体的な事業計画、それに伴う予算処置、そういう参考資料を配付すべきことはこれは当然なんです。それに対して、その上に立って、日数はどのようにかかろうとも、当局がそういうような処置で臨むのであるならば、われわれは一から八まで各項目に基いてその具体的な事業計画、予算の裏づけ、資金の裏づけ等について、これまた質問するのは当然の義務であり、また権利でなければならぬ。そういう点について委員長と事務当局の間に話し合いがついているのかついていないのか。つかないでただ単にこの要綱に基いて事務当局の方から御説明を承わっておったのでは、これだけできよう一日かかると思うのです。けさの委員長からの話では、でき得るならばきょう一日で当委員会は打ち切ってもらいたいということであった。私どもは一日では少いのではないか、少くともあすくらいはやるべきではないか、こういう意見の調整がついてこの委員会が開かれた。その点についてどういう一体打ち合せになっており、運輸当局としてはどのような書類上の準備があるのか、その点をあらかじめ私どもははっきり承わった上に立って、あなたのその具体的な説明を聞くことにしたいと思うのです。それでなければ、私どもはただこうして聞いておるだけでは、まあ失礼ですが大した意味がないような感じがするのです。説明をするのであるならばするように、詳細な事業計画及び資金の裏づけ、予算の処置、大蔵省との折衝の内容等も、場合によっては秘密会にしても聞かしてもらいたい、こういう感じを受けるのですから、その点どういうふうになっているか、委員長並びに運輸当局から一つお答えを願いたい。
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淵上房太郎#9
○淵上委員長 お答えいたします。三十三年度の重要施策要綱につきましては、参議院の委員会において説明がありましたそうです。そこで当委員会におきましても理事の方にいろいろ相談しまして、一応概要だけ聞こうじゃないかということで、一応説明を求めた次第であります。
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中村三之丞#10
○中村国務大臣 この重要施策は、当然予算措置の裏づけ、また資金措置がなければ意味をなしません。これはもう正木君のおっしゃった通り。そこで、たとえば国鉄の五カ年計画、そういう書類ほお出しいたします。あるいはまた予算書の内容につきましても、私は皆様に公開いたします。ただ今大蔵省との交渉は事務当局がやっておりまして、説明の程度でございます。いずれこれは大蔵大臣が帰りまして、各省の予算の査定が終りましたら、これは閣議におきましても最終の責任をもっ決定する、こういう順序でございます。そこで運輸省関係のものにつきましては、御要求がなくともできるだけこちらから進んで差し出します。これは私は最初ごあいさつ申し上げました通りでございます。
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正木清#11
○正木委員 大臣からただいまさようなごあいさつを兼ねた答弁があったわけですから、私どもは承わることについては一向差しつかえございませんから、運輸省所管の事業計画等についても、事務当局でできた成案を当委員会に御配付を願って、その上に基いて十分御説明を承わりたい、こういうようにしたいと思うので、委員長の方で適当に処置願いたいと思います。
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淵上房太郎#12
○淵上委員長 それではお諮りいたします。重要施策要綱につきましては、これに基く事業計画を提出願って、その機会に説明をさらに継続していただくということにして、きょうはこれで一応中止ということにして、事業計画を出し、そうしてそれに基いて説明を一緒にしてもらうということにしたらどうかということです。——それではさように取り計らうことにいたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。正木君。
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正木清#13
○正木委員 私はこの機会に国鉄にお伺いしたいのでございますが、今年度の国会で日本の産業の伸展、国民生活のもろもろの向上をはかるための一番隘路となっておった国鉄の輸送計画について、国鉄並びに政府は一三%に上る旅客、貨物の運賃の値上げを実施して、そしてこれらの大きな根本的な問題を解決するために、五カ年計画を今年度から実施することになって、三十二年度を第一年度としてその実施に入ったわけでございますが、そこで私のお伺いしたいのは、初年度である三十二年度におけるこの五カ年計画の進め方は、具体的に言うと、当面貨物輸送力の不足の緩和に重点を置いて諸般の処置を講ずる、一口に言うとこういうことになろうと思うのですが、この三十二年度の初年度における五カ年計画の進め方について、国鉄からまずお伺いしたいと思います。
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小倉俊夫#14
○小倉説明員 お答え申し上げます。運賃値上げをいたして、その際に輸送力の増強についてお約束いたしましたことは、私どもの責任と思いまして極力努力をして今日に至っております。ただ国鉄の輸送力を生み出すものは施設でございまして、施設はなかなか短日月では思う通りに参りませんので、これは長期の計画の五カ年計画によりまして、その線でいたしていきたい、こう考えておりまするが、運賃値上げを国民の各位に御了承願った以上、できるだけすみやかにその成果を一部でもお示ししたいということが私どもの念願でございまして、工事費が従来五百億でありましたのを一千億のべースに乗りましたので、設計、調査等に遺漏があって工事がおくれるということがありましては、まことに相済まないということで、例年になく設計陣の強化、あるいは調査の進行ということを年初に特に一般に命令いたしまして、遺憾なきを期した次第でございます。実績から申し上げますと、実はそういういろいろな数字は、この九月一ぱいで上半期が終りまして、一応のめどがつきますので、その集計を待って一般に御披露申し上げたい、かようには考えておりましたが、手元の数字で、七月までの分で申し上げますると、乗車人員としてお運びしました数子を申し上げますると、乗車人員では対前年度累計といたしまして五・八%増でございます。それから発送トン数で申しますと、対前年度七・七%ふえております。このほかに明日時刻改正をいたしまして、輸送力をつけたいと思っております。御承知の通りに国鉄の輸送力は主として時刻改正によってつくのでございまして、それを目当てに諸工事をいたして参りました。たとえて申しますると、裏縦貫の輸送力を割強いたしますのに、線増は一部かしか間に合いませんでしたが、各駅の有効長の延伸でありますとか、あるいは信号の改善でありますとか、さような割合に簡単にできる工事をいたしまして、このために約三、四十億の投下資本を使ったと思っておりますが、それと同時に米原−敦賀間の電化を完成いたしまして、明日それを機会に全国的に時刻改正をいたします。この時刻改正によりまして、年初よりも旅客列車といたしましては一・三%の増発をいたしております。八千キロでございまして、一・三%。それから電車列車といたしましては六千キロを増発いたしまして二・八%の増加になります。貨物列車は特に力を入れまして二万五千キロを増発して、年初に対しまして七・二%増強いたすことになっております。そのような点につきましては、最初に申し上げましたように長大隧道といったようなものは間に合いません。あるいは長い区間の線増も間に合いませんでしたが、でき得る限り早く輸送力が上る手段といたしまして、本年度は特に車両に力を入れまして、貨車あたりも今までに約四千両近くができておりまして、年度内には六千両近くが竣工いたすと思います。それからまた電化も比較的に工事の進捗率がよろしゅうございますので、ずいぶん無理な工事ではございましたが、予定通り米原−敦賀間の交流電化を完成いたしましたし、ただいまお約束の岡山までの電化、宇都宮までの電化を極力努力中でございます。かようにいたしまして、輸送力の増強には、お約束した点を特に責任を感じまして努力いたしておる次第でございます。
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正木清#15
○正木委員 重ねて国鉄にお尋ねをするのですが、私のお尋ねせんとする中心は、議会に提出された五カ年計画の中で、初年度は緊急的な応急処置を講じて、滞貨に悩む輸送を緊急措置として解決したい、それから第二年目以降は国の五カ年計画と相待って、国鉄としても根本的な輸送のための諸般の改善をする、大きく分けてこういう二つに分けることができると思うのです。そこで三十二年度の初年度におけるこれらの問題が、議会に提出した五カ年計画の事業計画通りに順調に進んでいるのかどうかということを私は聞きたいのです。進んでおるのであればけっこうです。その点を明らかにして下さい。
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小倉俊夫#16
○小倉説明員 それは先ほど申し上げましたように順調に進んでおります。数字で申し上げますれば、年初の経済企画庁の国力の成長率、これは対前年度七%の増加率でございまして、そのときに企画庁とのお打ち合せで私の方で組みました輸送力の増強が、対前年度四・五%で組みました。ただいま申し上げましたように、貨物では現在すでに前年度に比較いたしまして、発送トン数で七・七%の増送をいたしております。そのほかに、さらに今回の時刻改正によりまして、貨物列車キロを七・二形ふやすという計画でございます。それでただいまのところ滞貨はやはり百二十万トンくらいございまするが、これが昨年の同期に比較いたしますと、八〇%ないし八五%くらいでございます。これはどういう関係かはっきりはつかめませんですが、出荷は依然として相当旺盛であります。年初の異常なる景気に比較いたしまして多少の縮みはございましょうが、やはり相当地方々々におきましては、出荷はそう落ちてはおりませんですが、しかし前年に比較いたしまして、現在の滞貨が八〇%あるいは九〇%くらいに落ちたということは、やはり手前勝手かもしれませんが、当方の、国鉄としての貨車回りがよくなった、あるいは貨物列車キロがふえたということで、消化いたしたのではないかと考えております。ただこれから秋冬繁忙期になりますので、滞貨はだんだんふえてくることと存じまするが、これにつきましては、この時刻改正の列車増発キロもございまするし、貨車もおいおい増して参りますので、これによってできるだけ御迷惑をかけないように考えております。結論的に申し上げますれば、ただいまのところは、五カ年計画でお約束しました計画通りに行っております。ただ何分にも五カ年計画は長うございますし、ただいまのところその初年度のまだ半分にしかなっておりませんので、私どもの責任は今後重大だろう、こう感じて努力いたすつもりでおります。
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正木清#17
○正木委員 私の方から国鉄に希望申し上げますが、私の質問は簡潔に要点の質問をしたいと思いますから、答弁もそう願いたいと思います。
 そこで初年度の計画は順調に進んでおるのだ、こういう御説明でございますが、そこでお伺いしたいのは、初年度における資金手当は、私の承知しておる範囲では、本年度はすべてのものを含めて一千六十九億であったとしておるのですが、これで間違いないかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
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小倉俊夫#18
○小倉説明員 間違いございません。
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正木清#19
○正木委員 そこで重ねてお伺いしたいのですが、この一千六十九億は完全に確保できる、その上に立って初年度の事業計画を強力に推進するのだ、こう承知してよろしゅうございますか。
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小倉俊夫#20
○小倉説明員 必ずしもそうは参りません。
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正木清#21
○正木委員 そこで重ねて私はお伺いしたいのですが、今年の議会の当委員会においては、この一千六十九億という大きな資金源の確保について、非常に熱心な、活発な議論がかわされ、予算委員会等でもかわされました。当時の所管大臣並びに政府全体からは、必ず確保していっときも早く国民の御期待に沿うためには、いろいろの事情はあるであろうけれども、どうしても旅客、貨物の一〇%の値上げが絶対必要である、こういうことであったわけです。そこで私は国鉄に重ねてお伺いするのでございますが、まず第一に、との一千六十九億の財源の内訳です。たとえば財政投融資、それから鉄道債券、それから運賃値上げによる収入、それらの内訳をここで御説明を願いたい。
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小倉俊夫#22
○小倉説明員 先ほど資金計画は年初の通り必ずしもぴったりいかないと申し上げましたのは、収入の点につきましては、大体見込み通りにいっております。それの数字を申し上げますと、これも七月分まででございます。七月分におきまして、旅客収入は前年度に対しまして、一六・三%の増収になっております。と申しまするのは、一三%のほかに増収を今年度見込みましたので、運賃値上げのときにお約束した数字に大体マッチいたします。それから貨物収入は対前年度一八・九%になっております。これも大体増収と割引の方と差し引きまして、そのほかに運賃値上げをお願いしたときの予想に大体合っております。ただどうして資金状態が年初通りにいかなくなったかと申しますと、年初には下世話に神武以来の景気ということでございましたのですが、その後いろいろな事情で、必ずしも成長率がそうは伸びなかったということで、国家的に投融資の繰り延べということが行われまして、鉄道に対しましても、約百億くらいの投融資の繰り延べという話が大蔵省からございました。しかしこれにつきましては、まだ確定はしておりませんで、目下折衝中でございまするが、しかし私ども、もし国力としての関係で投資を繰り延べなければならぬということでありますれば、それだけの工事の方の繰り延べもいたしていかなければなりない、こういうふうに考えております。
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正木清#23
○正木委員 私は今のあなたの発言は与えようによっては重大だと思うのです。ということは、ぎりぎり一ぱいの資金計画を立てた。本年度のこの全体としての事業計画の中で、いまだ大蔵官との間に事務折衝中ではあるけれども百億を繰り延べるということは、これは国鉄としては重大ではありませんか。あなたは、五カ年計画の初年度の事業は議会に提出した通り順調に進んでおります、こう言っておきながら、この百億の結果に基いては工事量を繰り延べなければならない、こう言っておられるわけですね。どなたが総裁なり副総裁になろうとも、年間百億の工事量の資金が繰り延べになれば、それだけ各支社の現実に事業を担当しておる事業量について、大きな支障がくることは当然ではありませんか。その百億の繰り延べになる見通しというものについての大蔵省との折衝について、国鉄当局は一体どう考えておるのか。これからが責任を持つのに大へんだ、こう言いますけれども、もうあなた、十月の声を聞かんとするではありませんか。その点についてもう少し具体的に御説明が願いたい。それでないとわれわれ議会としては国民に大きな約束をしておるのですから……。
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小倉俊夫#24
○小倉説明員 率直に申し上げれば、私ども計画を立てましてお約束した以上、工事の繰り延べはまことに残念でたまりません。やはり工事量は工事費に見合うものでございまして、ぜいたくな予算を組んでおるわけではございませんから、投融資が繰り延べになりますれば、それに相応して工事に響くということは当然でございます。ただそれが国家的な要請でございますれば、私どもいかんともいたしがたい。しかし繰り返して申し上げまするが、輸送力は現在各所において非常に詰まっております。今回企画庁において成長率を多少加減せられたやには聞いておりますが、それにいたしましても国有鉄道は従来から非常に詰まっておりましたので、現在におきましても各方面で輸送の隘路が生じておりますので、私どもは何とかして——忌憚なく言わしていただきますれば、他産業に優先してでも資金をいただきたい、こう思っておりますが、しかしこれは大きな国家的な投融資でございますから、国家的な投融資のワクが狭められて、国鉄に対してもこの程度しか回せぬということでありますれば、私どもいかんともする方法がございません。しかし監督官庁あるいは大蔵省に対しましては、国鉄の輸送が非常に詰まっているということを申し上げまして、投融資の繰り延べがあるといたしましてもできるだけ少くしていただきたいと、私自身はこう思い、こう努力いたしたいと存じております。
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正木清#25
○正木委員 国鉄の担当者にお尋ねするわけですが、財政投融資は国鉄の本年度の予算では私は二百十五億と記憶しておるのです。それから債券の方ですね、これが新線建設という、考えようによってはひもつきと見られるわけですが、八十億であったか七十億であったか正確な数字は記憶いたしませんが、大体そんなものだと思う。両方合せて二百九十五億であったか、こんなような記憶があるのですが、これに間違いがないかどうか、数字を明らかにしてもらいたい。
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小林重國#26
○小林説明員 国鉄の外部資金といたしましては、鉄道債券の公募債の分でございますが、それの発行額が二百十五億でございます。それから利用債と申しまして特定の者が負担いたします債券、これが二十億、それから資金運用部資金からの借入金が八十億、従いまして総額といたしまして三百十五億という資金計画になっております。
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正木清#27
○正木委員 かりにその三百十五億のうちで、百億を大蔵省は繰り延べるというが、一体その三百十五億の中のどれを切ろうとしておるのだか、今までの大蔵省との事務折衝の経過を一つ簡潔に御報告願いたい。
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小林重國#28
○小林説明員 今まで大蔵省といたしましては、鉄道債券の発行を押える方向で参っております。大体預金部資金につきましては毎年の例といたしまして第四・四半期に借り入れるのが実例でございます。と申しますのは、いろいろな工事が完成いたしますのは大体第四一四半期にかかってきまして、第四・四半期に支払い資金も非常にふえて参りますので、確実な預金部資金は年度末ごろに借りる、第四・四半期に借りる、こういうような考え方でございまして、鉄道債券の方はどちらかと申しますと一・四半期ほぼ平均額で発行する、こういうような考え方をとっておるわけでございます。本年度といたしましては第一・四半期に五十億発行いたしたわけでございます。二百十五億でございますから四分の一にいたしますと約五十億になるわけでございますが、これもわれわれといたしましてはこれよりも多少多くという希望を持っておりましたが、いろいろな事情から第一・四半期は五十億にとどまったわけでございます。ところが第二・四半期に入りまして、例の財政投融資の繰り延べの問題が強く出て参りまして、公社債、公団債の発行を毎月二十億程度に押えろ、こういうようなワクがきまってきたような実情になっております。そういたしますと鉄道債券といたしましてはそのうちの十億程度を各月に発行する、こういうような程度しか見込みがない、総ワクがそういうふうに押えられますと、ほかの債券との振り合いから見まして、鉄道債券としましては各月十億程度の規模にならざるを得ないのではないか。第二・四半期におきましてはわれわれといたしましては先ほども申し上げましたように、やはり五十億のピッチは維持いたしたいので、これで相当折衝いたしましたけれども、結局七月に十億、八月に十億、二十億しか発行できなかったという実情になっております。第三・四半期以降も二十億程度のピッチで発行するということになりますと、やはり第二・四半期と同じ程度の債券しか消化できないのではないかという心配が非常に大きいわけでございます。それで先ほども申し上げましたように、資金運用部の資金といたしましては第四・四半期に借りる予定でございますが、これを何とか第三・四半期に借り入れできますようにただいま折衝もいたしておりますが、それにいたしましても鉄道債券の発行のピッチが第二・四半期からこの程度に落ちますと、本年度中に予定の債券を発行し得るかどうか、相当危惧の念に襲われるわけでございます。この点につきましては国鉄の資金繰りは非常に窮屈になっておりまして、いろいろ折衝いたしております。一時借入金等につきましても非常に困難なきわめておりまして、この点も強力に折衝はいたしておりますが、大蔵省といたしましては現在の資金事情からなかなか認めてもらえないというような実情でございまして、工事は進めておりますが、資金繰りの方がそれに伴っていけないというような現在の実情になっております。それから利用債の方でございますが、これは非常に順調に進んでおりまして、本年度二十億の計画になっておりますが、今までに約十二億程度発行が終っております。あと六カ月の間に残りの八億程度でございますか、この程度なら消化は不可能ではないと考えております。
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正木清#29
○正木委員 そこで私は大臣にお伺いしたいと思うのですが、今大臣もお聞きのように一三%の国鉄運賃の値上げをやって、政府は国鉄の五ヵ年計画を立案して、三十二年度の初年度に入ったわけですが、その全体の事業資金の中で、すでに政府としての方針が、国鉄だけで百億の繰り延べ、こういうことが本日の当委員会でやや明瞭になったわけです。実は閣議決定を見ましたあと、だれ言うとなく国鉄に対しても百億の事業繰り延べが、大蔵当局を通じて非常に強く要請されておるのだということが入りましたので、七月三日に委員会を開いていただいて、当時の大臣である宮澤君や、今日出席されておる權田監督局長に、私どもの心配の点を詳細に実は質問をした。当時大臣であった宮澤さんも權田監督局長も、その点については一口に言うと心配するな、そういうことは何らわれわれの方では具体的には話し合いになっておらないのだ、こういうことで委員会は終った。しかし終ったけれども、現実にはその百億繰り延べということは、われわれは何としてもそのようであるということの疑いというものは晴れなかった。本日やや具体的にそのことが明らかになった。経済企画庁と違って直接事業を担当しておる国鉄としては、百億の事業資金が繰り延べになるかならないかは、現実に事業を遂行する上において大きな支障になることはもう議論の余地はないのであります。そこで私が大臣にお尋ねしたいと思うことは、前任者である宮澤運輸大臣からこの点が一体正確に事務引き継ぎが行われたのかどうか、これをまず第一点として聞きたい。そして運輸大臣は政府の一員として一体どういう方針でこの問題を処理しようとするのか、それをお伺いしたい。そうでないとせっかくあなたが大臣になられて、新しい構想のもとに三十三年度の運輸省所管の重要施策を本日ここに御提出になったけれども、もう初年度からつまづく。来年度になると一体われわれはどうなるかわからぬ、こういう心配も勢い出てくるので、この点私は大臣としてのはっきりした所信をこの際明らかにしておいてもらいたい。
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