予算委員会第二分科会

1957-03-30 参議院 全382発言

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会議録情報#0
昭和三十二年三月三十日(土曜日)
   午前十時四十一分開会
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  委員の異動
本日委員曾祢益君辞任につき、その補
欠として栗山良夫君を予算委員長にお
いて指名した。
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 出席者は左の通り。
   主査      豊田 雅孝君
   副主査     岡田 宗司君
   委員
           泉山 三六君
           小山邦太郎君
           関根 久藏君
           苫米地義三君
           前田佳都男君
           安井  謙君
           海野 三朗君
           栗山 良夫君
           佐多 忠隆君
  担当委員外委員  小林 孝平君
  国務大臣
   通商産業大臣  水田三喜男君
   郵 政 大 臣 平井 太郎君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       長谷川四郎君
   通商産業大臣官
   房長      松尾 金藏君
   通商産業大臣官
   房会計課長   川崎 立太君
   通商産業省通商
   局長      松尾泰一郎君
   通商産業省企業
   局長      徳永 久次君
   通商産業省軽工
   業局長     齋藤 正年君
   通商産業省鉱山
   局長      森  誓夫君
   通商産業省石炭
   局長      讚岐 喜八君
   通商産業省公益
   事業局長    岩武 照彦君
   特許庁長官   井上 尚一君
   中小企業庁長官 川上 為治君
   工業技術院長  黒川 眞武君
   郵政政務次官  伊東 岩男君
   郵政大臣官房電
   気通信監理官  松田 英一君
   郵政省監察局長 久保 威夫君
   郵政省貯金局長 加藤 桂一君
   郵政省簡易保険
   局長      成松  馨君
   郵政省経理局長 八藤 東禧君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
  説明員
   通商産業省重業
   局次長工    大堀  弘君
   特許庁会計課長 松原憲太郎君
   郵政事務次官  小野 吉郎君
   郵政省郵政局次
   長       千葉 三男君
   日本電信電話公
   社副総裁    靱   勉君
   日本電信電話公
   社業務局長   吉沢 武雄君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
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豊田雅孝#1
○主査(豊田雅孝君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 まず昭和三十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省所管の部を議題といたします。
 本件につきまして政府側より御説明を願います。
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長谷川四郎#2
○政府委員(長谷川四郎君) ただいま議題となっております通商産業省予算各案について御説明を申し上げます。
 まず三十二年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は百一億二千七百十五万五千円でありまして、これを三十一年度総額八十億七百三十四万四千円に比較いたしますと、二十一億一千九百八十一万一千円の増額となるわけであります。
 次に、三十二年度予定経費中重要なものについて、御説明を申し上げますと、第一に、貿易振興対策といたしまして、総計十二億四十九万円を計上いたしましたが、これを前年度予算額十億七千九百八十三万五千円と比較いたしますと、一億二千六十五万五千円の増額を見ております。
 施策の重点は、わが国貿易商社等がいまだ弱体であり、従ってその海外における活動も十分とは申せない現状にかんがみ、海外市場の開拓と販路の拡張とをはかるため、前年度に引き続き貿易情報の整備、市場調査の充実及び取引あっせん等のための在外機関の整備拡充をはかるとともに、輸出検査の強化、意匠の改善等輸出増進のための基礎的施策を推進することといたしております。
 まず、わが国商品の展示、紹介及び貿易あっせんを行う貿易あっせん所については、三十一年度に引き続き、既成のニューヨーク、サンフランシスコ、カイロ及びトロントの四カ所を維持いたすとともに、その活動を活発化せんといたすものであります。次に、国際見本市参加等補助については、二億八百二十万円を計上し、来千度開催を予定されている国際見本市中、特に輸出振興上効果の期待されるニューヨーク、リオデジャネイロ等五カ所程度に対し、大規模参加を予定し、なお国際絹業博覧会、及び中共川本市についても参加いたすことといたしております。また、一九五八年ブラッセルにおいて開催される万国博覧会に参加するために必要な準備経費一億六千二百万円を別途に計上いたしております。
 次に、海外投資の促進をはかるため、必要な法的措置を講ずるとともに、プラント輸出の促進対策といたしよしては、現地における機械設計、技術相談等の便宜を供与する重機械輸出プラント協会の活動を継続するため一億八千万円を計上し、経済協力に関する基礎的調査を行う等、事業内容の充実をはかることといたしております。
 なお海外における土建事業に協力し、あわせて建設機械の輸出を促進するための海外建設協力会の事実を引き続き補助するとともに、農水産物の輸出増進をはかるため、海外に設置されている農水産物輸出振興共同施設の事業を継続する費用等を計上し、なお医薬品の輸出増進のための措置を講ずることといたしております。特に三十二年度における新規施策の主要なものといたしまして、バンコックに化学肥料サービス・センターを設置して、東南アジア地域等に対し化学肥料の輸出の増進をはかることとし、また、医薬品、雑貨、繊維製品等につきこれらの輸出を一そう促進するため、海外の共同施設を増置することとしたほか、輸出品検査を強力にするため別途所要の法律改正を検討中でありますが、国立検査所の経費を増額するとともに、民間検査機関の検査施設を強化拡充する必要があるので、所要の補助金一千万円を計上いたしました。
 海外市場を開拓し、わが国商品の販路の拡張をはかることは輸出を振興するための根本でありますので、海外市場調査のため、前年度とほぼ同額の一億四百八十一万三千円を計上いたしまして、海外における諸情報の迅速なる収集をはかるとともに、わが国商品および産業経済の実態を海外へ紹介宣伝するための海外広報宣伝費を一億三千八百三十七万五千円計上いたした次第であります。
 さらに、わが国中小企業製品が輸出に占める役割はきわめて重要でありますので、その輸出商品の品質向上、意匠改善等をはかるため、新規試作品の奨励、技術研究の推進、各種展示会、講習会の開催等を行う経費として六千五百万円を計上いたしております。
 その他、日本国際見本市補助については、前年度に引き続きまして、同額一千万円を計上いたしました。
 第二に、技術振興対策でありますが、これは前年度対比二億七百九十二万円の増加で十三億二千九百六十八万六千円を計上いたしております。
 まず、鉱工業技術研究助成費については、四億円を計上し国家的見地より見て重要と思われる応用研究、工業化試験を補助いたしたい所存でありますが、そのうち特に欧米諸国に比して立ちおくれていると思われる電子技術か振興するため、一億三千万円を充て、また、将来における中型輸送機の需要を勘案して、その国産化を促進するためその設計補助として、三千五百万円を計上いたしております。
 次に、当省所属の試験研究機関につきましては、それぞれの基礎的研究に必要な研究費のほか、特別のテーマにかかる特別研究費として前年度対比一億三千九百五十二万円増しの総計七億六千四百五十万六千円を計上いたしました。
 これにより、三十一年度に引き続ま工作機械オートメーション、海水利用、石炭化学、新種合成繊維の製造、電力系統の連繋運転等、わが国経済にとって喫緊の重要事項に関する研究か推進するとともに、新たに高度分析技術の研究、機械工業における部品の互換性の研究、生産加工技術の研究等の重要研究を開始する予定でございます。
 なおこのほか、電子機器の試験検定のための設備を整備する費用のうち本年度分として一億円を計上いたしました。また将来科学技術庁より当省所管の試験研究機関に移替を予定されているもので原子力関係試験研究費三億三千七百四十九万七千円がございます。
 次に、発明奨励費につきましては三十一年度と同額の七百二十四万円を計上し、外国特許出願、発明協会の補助を行うこととしております。
 なお発明行政の重要性にかんがみ、本年度は特許庁の人員並びに事務費の充実をはかりました。
 第三に、中小企業振興対策であります。
 まず、金融対策でありますが、中小企業金融公庫につきましては、資金運用部よりの借入金二百億円に、回収金等の自己資金二百十五億円を加えますと、運用資金総額は四百十五億円と相なり、三十一年度における運用計画三百億円に比し相当程度の増額になるわけであります。
 さらに商工組合中央金庫につきましては、産業投資特別会計より十五億円出資するとともに、資金運用部資金をもって同金庫の債券二十億円を引き受けることとし、これによって資金の充実と金利の引下げをはかりたいと存じております。
 また、全国五十二の信用保証協会の強化をはかるため、中小企業信用保険特別会計に十億円を投入し、これを信用保証協会に貸し付けることによってその資金的基礎の強化に資すことといたしております。
 中小企業振興対策の第二は、協同組合の共同施設、設備近代化及び中央会に対する補助金でありますが、前年度四億七千万円に対し、三十二年度は五億三千五百万円を計上し、施策の一そうの強化をはかることといたしました。
 次に、中小企業相談所補助についてでありますが、中小企業特に零細企業に対する指導相談に応ずる機能を一そう強化し中小企業の要望にこたえるため三十一年度に一千万円を増加し、六千一百九十一万円を計上いたした次第であります。
 また、都道府県の行う中小企業振興事業に対する補助については、三十一年度と同額を診断指導を中心として計上いたしており、さらに、先年からの風水害に伴う小企業に対する復旧資金利子補給につきましては、引き続き所要額一百万円を計上いたした次第であります。
 なお、中小繊維工業の産業規模を合理化し、過当競争を避けて輸出市場の安定確保をはかるための補助金として、三十一年度同様一億二千万円を計上いたしました。
 第四に、産業基盤の強化対策であります。
 まず、わが国語産業の生産性の向上を三十一年度に引き続きさらに強力に推進するため、三十一年度に三千五百万円を増額して、一億一千万円を計上いたしました。
 工業用水事業の補助といたしましては、工業用水の確保が今後における工業生産伸長のため重要不可欠な基盤である点にかんがみ、従来取り上げた地盤沈下地帯以外に、補助対象を拡張し、重要工業地帯で工業用水の確保を特に必要とする地帯にも及ぼすこととし、三億一百万円を計上いたしました。
 次に砂鉄、磁硫化鉄鋼等重要鉱物の生産維持をはかるための探鉱費補助は三千万円増しの五千万円とし、水溶性天然ガス探鉱費補助は三十一年度同様二千万円となっております。
 なお、重要機械の国産化補助三千万円を新たに計上し、重要工作機械等の国産化を補助いたすこととしておりますほか、発電水力調査費は三十一年度と同額の一千四百五十八万九千円及び核原料物質探鉱奨励費三千三十七万六千円を計上いたしました。
 第五に、以上述べましたもの以外の主要施策といたしましては、防衛産業特定設備の管理補償費七千七十五万二千円、鉱害対策費八千三百四十七万二千円等を計上いたしております。
 次に、当省所管の特別会計について、その歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。
 まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、三十二年度の歳入予定額は三十三億三千二百六十六万四千円、歳出予定額は三十億四千四百二十五万七千円でありまして、資産、売掛金等の関係を加減しますと、三十二年度の益金予定額は二億三千九百五十四万七千円となります。
 第二に、輸出保険特別会計について御説明申し上げます。三十二年度歳入歳出予定額は、ともに五十二億八千十八万五千円でありまして、歳入のおもなるものは、保険料収入八億七千四百三十七万八千円、資金運用収入二億一千六百万円、雑収入八千一百六十九万八千円、前年度剰余金四十一億八百十万九千円等であり、歳出のおもなるものは、支払保険金五億六千四百六十八万円、予備費四十六億八千五百十三万一千円等であります。
 なお、海外との経済協力を促進するため、すでに設けられている海外投資保険制度に所要の改善を行い、填補率の引き上げ、保険料率の引き下げ等を実施するとともに、プラント輸出の促進をはかるため普通輸出保険において機械包括保険を新設し、また、保険料負担の軽減をはかることといたす所存であります。
 第三に、中小企業信用保険特別会計について御説明申し上げます。三十二年度歳入歳出予定額は、ともに三十二億七千四百六十万六千円でありまして、歳入のおもなるものは、保険料収入四億八千三百三十七万六千円、資金運用収入一億二千六百二十五万円、雑収入一億三千五百八十四万七千円、前年度剰余金二十五億二千九百十三万三千円等であり、歳出のおもなるものは、支払保険金七億二千八百八十万八千円、予備費二十四億八千八百五十六万四千円等であります。
 なお、このほか、先に申し述べました通り、信用保証協会に貸し付けるため一般会計から本会計の基金に十億円を繰り入れることといたしております。
 第四に、特別鉱害復旧特別会計について御説明申し上げます。
 本特別会計は、戦時中の石炭増産に伴う特別鉱害を復旧することを目的とする臨時立法に基くものでありまして、本年五月をもって一応期限が到来するものでありますが、別途一年間の期限延長のための法律案の御審議をお願いした次第であります。
 本会計の三十二年度の歳入歳出予定額は、ともに二億六千四百十七万五千円でありますが、歳入のおもなるものは、納付金収入二億六千三百九十一万九千円であり、歳出は、その大部分が鉱害復旧事業費であります。
 なお、本特別会計のほかに、臨時鉱害復旧事業としては、前に申し述べました当省分八千三百四十七万二千円のほかに、国庫補助金四億九千二百八十六万円を建設、農林等の各主務省に計上してありますが、鉱害全体としての事業総額は十七億円程度に上ることとなり、鉱害地帯における失業対策にも、万全を期しておる次第であります。
 第五に、特定物資納付金処理特別会計について御説明申し上げます。
 本会計は前々国会において成立いたしました特定物資輸入臨時措置法に基くもので、三十二年度の歳入歳出予定額はおのおの三十億四千六百十五万七千円で、歳入のおもなるものは、納付金十八億三千六百万円、前年度剰余金受入十二億一千十四万七千円であり、歳出のおもなるものは、他会計繰入二十九億円等であります。
 以上をもちまして、一般会計及び特別会計予算の概要について御説明いたしましたが、この際、当省関係の財政投融資計画について簡単に御説明いたしたいと存じます。
 まず開発銀行でございますが、電力、鉄鋼、石炭等の重要産業及び新規産業の強化発展をはかるため、財政資金二百五十億、自己資金三百五十億円、合計六百億円を計上し、特に重点的効率的運用に留意して施策の推進に努める所存であります、
 次に、輸出入銀行につきましては、プラント輸出の振興等に必要な資金として自己資金を合せ六百九十二億円を計上し、昨年度額に比し百四十四億円の増加をはかり、所要資金の円滑なる供給をはかっております。
 次に、電源開発株式会社につきましては、財政資金四百四十六億円を計上いたし、電源開発計画を円滑に達成いたしたいと考えている次第であります。
 また、石油資源開発株式会社については、原油の探鉱の試掘等を一そう促進するため、財政出資として十五億円を計上いたし、民間出資の増額と相待って事業費の確保をはかる所存であります。
 中小企業関係金融機関につきましては、すでに中小企業対策のところで触れましたので、ここでは省略させていただきます。
 以上で通商産業省所管の一般会計及び特別会計の予算の御説明を終りますが、なお御質問に応じて詳細に御説明申し上げたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議の上御可決下さらんことをお願い申し上げます。
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豊田雅孝#3
○主査(豊田雅孝君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は御発言願います、
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岡田宗司#4
○岡田宗司君 昨日は経済企画庁と外務省と防衛庁と、三つの所管の予算の審議をやったわけです、その際に、経済企画庁については宇田国務大臣が御出席、それから防衛庁については小満防衛庁長官が御出席になっておる。外務省についてはもちろん総理大臣は私ども要求申し上げませんでしたが、本日は通産大臣おいでにならぬのですが、私どもはぜひ出席していただきたいと思います。
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豊田雅孝#5
○主査(豊田雅孝君) 閣議中でありますので、十一時ごろには出て参るということでございます。もう間もなく見えるだろうと思います。
 速記をとめて。
   午前十一時二分速記中止
   —————・—————
   午前十一時四十五分速記開始
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豊田雅孝#6
○主査(豊田雅孝君) 速記を起して。
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小山邦太郎#7
○小山邦太郎君 中小企業の問題についてお尋ねしたいのです。政府は重要政策の一つとして、中小企業の維持育成に努力するとしばしば伺っておるのでございますが、この予算によりますと、予算面から見て中小企業に対しての熱意というものは政府で声明されておるほどのものは見えない、わずかに投融資の点において、従来よりもやや認めるものがあると思いますが、これについては、中小企業庁長官はこの程度をもって満足されておるのか、あるいは長官としては、どの点に予算上のゆとりがあるならば、より要望しようという御意見を持っておりますのか、その御意見を伺いたい。
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川上為治#8
○政府委員(川上為治君) 来年度におきましては、今先生もおっしゃいましたように、財政投融資関係、あるいは税制関係の方面につきましては、これは非常に満足しておるという意味じゃありませんが、三十一年度と比べますというと、相当程度中小企業については特別な措置がとられておるわけでございます、一般予算につきましては、おっしゃいましたように、大体一億程度しかふえてないということになっております。しかし、この一億というのは、来年度新しく行うことになっております信用保証協会に対する十億の貸付、これを除きまして一億程度ということになっておりますが、私ども従来考えておりましたことで、来年度におきましては少くともこの中小企業金融公庫でありますとか、あるいは国民金融公庫でありますとか、あるいは商工中金に対する財政投融資につきましては、ある程度三十一年度上りも飛躍的にふえたということが言えるんじゃないか。税制についても先ほど申しましたように、いろいろな点について特別な措置をとっておるわけでありますし、また、保証協会に対しまする政府の十億の貸付につきましても、これは全く新しい制度として来年度から行うことになっておりますので、そういう点につきましては、これは十分満足するということではないのですけれども、まあまあわれわれとしては、相当程度できたんじゃないかというように考えますが、一般予算につきましては、先ほども申し上げましたように、そんなにふえておりませんので、まあことしは、財源等の関係からこの程度にとどまりましたけれども、この次の機会におきましては、たとえば設備の近代化の助成金とか、あるいは診断、指導関係の補助金とか、そういうようなもの、あるいはまた、技術指導の関係とか、そういうものにつきましては、もっと一つ予算を私どもの方としましては確保したいというふうに考えております。
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小山邦太郎#9
○小山邦太郎君 政府が中小企業者の経済活動を一そう円滑に、そうしてその運営を安定せしめるために、団体法等の制定に努力されておることは承知しておりまするが、何と申しましても中小企業は、金融の面において不足するところがある。従って、前年に比べまして、中小企業金融公庫及び商工中金にそれぞれ考慮を用いられたことはけっこうでございまするが、今日中小企業がわが国輸出産業の上にになっておりまする使命の重大さから申しましても、この程度をもって満足すべきものではない、一段と長官におかれては、この方面に力を入れて、次年度の予算にはさらにこの融資の点を拡大されると同時に、この取扱いが専門店ばかりでなしに、普通銀行その他信用金庫等を通じて円滑に行い得るような窓口を広げ、その広げた窓口に対して金融上のバツクを十二分にするということが非常に必要だろうと、こう考えるので、これらに対して明年度に対する御意見、御計画、心がまえ、これを伺いたい。
 それからいま一つは、予算面でこの機械設備の近代化、あるいは診断その他に対する諸経費の補助等のお話もありますが、私はこの中小企業者は、最も弱いものが金融の便を得ない点と、たとえその金融の便を得た場合でも利率が高い、この点に対する十二分の考慮を持ち得るほかに、業者が相寄りまして共同の力をもって足らざるところを補うということが非常に大事である、いたずらに統制の力によって、統制の上にあぐらをかくようなことをすると、あるいは中小企業の特異性というものを失って、かえってその発展を害することがないでもない。こういうような場合に特に必要なことは、協同組合の精神を発展させる、これを育成することだと思います。そうだのに、これを指導する中央会等に対する補助金がわずかに五百万しか増しておらぬということでははなはだいかんと思うのでありますが、これはいかがお考えでございますか。大臣も見えられましたから、御答弁はお差しつかえなければこれだけの答弁をしていただいて、私の質問は打ち切ります。
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川上為治#10
○政府委員(川上為治君) この中小企業の育成強化のために、金融措置を強化すべしという問題につきましては、私も全く同感でございまして、われわれとしましても極力そういうような措置を講じつつあるわけでございまして、三十二年度におきましては、中小企業金融公庫につきましても新しく政府の財政投融資が二百億、それから国民金融公庫につきましても同様に二百億そういうふうに四百億の新しい財政投融資が行われるわけでございまして、それによりまして、相当程度従来よりも中小企業者は金融難から救われるのじゃないかというようなふうに考えておりますが、先ほども申し上げましたように、最近の中小企業者の資金の需要から見ますというと、とうていこれでは足りないというふうに考えますので、今後におきましては、さらにこれを増額するように努めたいというふうに考えております。
 それから金利の問題につきましては、これまた、きわめて重要な問題でございますけれども、現在、中小企業金融公庫、国民金融公庫にしましても、大体長期につきましては九分六厘ということになっておりますが、この金利につきましては、さほど問題はないと思いますけれども、商工中金につきましては、金利が非常に高いということがいわれておりますので、特に来年度におきましては、政府から増資をすることにいたしまして、十五億出資することにいたしております。この十五億出資をすることによりまして、少くとも現在の、長期が大体年一割一分五厘程度でありますが、これが一割三厘程度にはなるかと思うのであります。また、平均金利につきましては、短期をあわせまして大体九分九厘幾らということになって参ります。もちろんこれは中小企業金融公庫と同等のところまでいきませんと、少くとも第一段階の措置としましては、相当現在よりも金利が下げられるということになりますので、われわれとしましては第一段階の措置としてそういうことをやりまして、今後におきましても金利を下げるような努力を払いたいと考えております。
 それから協同組合関係の施設に対する助成金につきましては、来年度におきましても一億程度ということになっておるわけでございますが、私どもとしましてはさらに今後におきましても、何とかしてもっとこれを増額していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから中央会の助成金につきましては、やはり私はこれは基本的には、この経費についてはやはり組合がお互いに出し合って、そうしてその資金孝もって中央会を運営するということが基本的な問題ではないか。ただそれに対しまして、政府がある程度の助成をすればよろしいのではないかというふうに考えますが、それが従来三千万円でありましたものが、来年度におきましては三千五百万円になるわけなのですが、その程度がいいかどうかといろ問題については、私の方としましては、もっと検討の余地がございますけれども、まあこれよりもある程度は増額すべきじゃないかというふうに考えておりますけれども、財源の関係から来年度は三千五百万円ということになったわけでございます。
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栗山良夫#11
○栗山良夫君 この際、水田通産大臣に一つ、三十二年度の通商産業省の予算に関しましてお尋ねを申し上げるわけでございます。先ほど政務次官から予算の内容につきましては逐一御説明をいただきました、大体よくわかりましたが、問題は、内閣には総理が代表されるところの内閣の施政の方針があるのでございます。重点的方針というものがあるわけでございますが、これと同じように、通商産業省といたしましては、大臣の抱負、識見から出てくる通商産業省の基本施策というものがなければならぬと私は思うのでありますが、従って、もちろん先ほど御説明をいただいたところには、相当各方面にわたって重要ポイントをあげて、そうして御説明になってはおりますが、まだそれだけでは、水田大臣が果してどこに一番重点を置いて、どういうことをおやりになろうとしているのか、この点が明確でないと私は思いますので、その点お聞かせいただきたい、こう思うわけであります。
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水田三喜男#12
○国務大臣(水田三喜男君) さっき予算の御説明で、私どもが重点政策として考えておることを御説明あったかと思いますが、通産省としましては、一番力を入れるべきものは、やはり貿易の振興だろうと考えております。そのために、国内産業との関連におきまして、産業基盤を強化する施策を強力にやりたいと思っております。
 さらに、国際競争力をわが国の産業が持つために、産業技術の革新をここでやらなければならぬ、そうして国内における産業対策としましては、産業規模の確保のために基礎産業を中心とする各種産業、新興産業を育成する政策と相待って、中小企業の振興対策をここであわせ行わなければならぬというのが、大体私どもの産業政策の大きい主眼点でございますが、そのうちで、私どもが今特に力を入れたいとしておりますことは、やはり貿易の振興ということを中心にした政策と、それから産業がだんだんに高度化していき、産業規模が大きくなっていくということになりますというと、この公正な自由な競争によって、政府の立てた経済政策のその目標に達するような施策をとっていく途上において、中小企業の競争力というものがだんだんに比重が弱まってくるという傾向がはっきりしておりますので、ここで一般産業の拡大政策と関連して、中小企業が自分の力による健全な競争力を持っていけるような施策を、実際の施策と同時に、法的保護を必要とする段階に来ていはせぬかということを考えまして、今度はこの中小企業の金融対策、それから組織の強化というものについて、法的ないろいろの措置を考えたいということから、今国会にもそれを中心として法案の審議をたくさん願いたいという予定になっております。大体以上が私どもの力を入れている点だと言えます。
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栗山良夫#13
○栗山良夫君 大体お考えになっておる点はよくわかりました。で問題はですね、貿易の振興ということが通商産業省の最大のやはり目標であるとおっしゃったのでありまして、私どももその通りだと考えます。で、これに対するやはり政策がどういう工合に盛られるかということは、三十二年度の外貨予算というものがどういう格好になるかということが問題だろうと思います。で、この点はいずれ後ほどどなたか御発言があろうかと思いますが、私はこの問題とは別個に産業振興の面で今お話をいただいた線で、二、三疑問になっている点をお尋ねしたいと思います。
 まず第一は、大企業と中小企業との関係に今お触れになりました。それで先ほど説明を伺ったところによりますというと、なるほどその中小企業に対する問題は、相当出資されて、いろいろな金融措置、あるいは技術振興その他の措置がとられるようになっておりまするが、私どもはこういうことでは、今までの累年やって参りました施策を若干延長をし、部分的には若干拡大をしたという程度のものでありまして、抜本的な形にはなかなか進め得ないんじゃないかということを心配しているのです。で、これを脱却するために金融政策はもとよりでありますが、中小企業の組織強化のために格段の措置をとりたいと、こういうことをおっしゃいましたが、それはおそらく今問題になっておる中小企業団体法を政府が提出するということだろうと思います。しかし、中小企業団体法を成立せしめまして、中小企業をかりに組織化したところですね、今のように特別な国家的な直接、間接の支援を受けておる大企業、ますます発展していくところの大企業の前に立たされておる中小企業はですね、その程度の国家的な支援では大企業との幅を拡大をますますするかもしれませんが、縮めることは非常に困難じゃないかということを私は考えておる。で、そこに中小企業助成法——社会党で申しますというと、産業分野の確立に関する法律であるとか、あるいは小売商振興法、こういうような法案の構想があったわけであります。ところが、伺うところによるというと、五億は三本足がなければ用を足しませんが、それと同じように、中小企業対策としては、三つの足がほしいと、こういうことで、民間の中小企業団体も熱心に要望し、わが党もそういう構想を進めて参りました。政府の部内においてもそういう動きがあったことは私ども承知しております、ところが、今国会に直接反映してくる姿を見ておりますというと、二本の足はなくなってしまっておる。中小企業の組織法だけになっておる、こういう工合に大体私ども今見通しを立てておるわけでありますが、果してそういう工合になるのか、まあそういうことで、中小企業はほんとうに今水田大臣がお述べになりました育成政策というものが達成できるかどうか、この御自信のほどを一つ伺いたい。
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水田三喜男#14
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま団体法と申しますか、組織法は準備を完了しまして、もう閣議決定も済みましたので、国会に提出する運びになっております。で、引き続いて検討しておりますのは小売商の振興法でございますが、これも準備が完了次第、今国会に出す予定になっております。で、中小企業の振興助成法の方は今のところでは、この国会に間に合わぬのじゃないかと考えております。で、これは現在中小企業庁で行なっているいろいろな助成事業にはっきりした法的の根拠を与えようという問題でございますので、この法案の方がおくれても特別大きい支障はない、他の法案において相当いろいろな点が解決される部分がございますので、この法案のおくれるのはさして私の方は心配ないのじゃないか、準備ができればむろんこの国会に出しますが、今のところ、見通しとしては間に合わないのじゃないかと考えております。
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栗山良夫#15
○栗山良夫君 私どもが中小企業を検討する場合に、一つ間違いますというと、戦争中は国家権力で中小企業の企業整理を行いましたが、今度は自由競争下において中小企業の整理というものが私は必然的に行われるようなことになりはしないかということを非常に私は心配しております。もうすでに経済界においては、中小企業の業種別の担当者が多過ぎるということを言われておる。中小企業の業種別担当者が多過ぎるから、これを整理をしなければ中小企業はやっていけないのだということすら言われておる。そういうものが非常に人口過剰な日本において、ある一つの政策を間違ったために起きてくるというようなことになるというと、私は社会の混乱を招く一つの大きな要因になると思う。そこを非常に心配しておるわけですが、今大臣は助成法が若干おくれたところでそう混乱はないとおっしゃったのですから、従って、私は社会党が今用意しておりまする中小企業の産業分野の確立に関する法律の構想、こういうものをやはり何とかしないというと、中小企業をほんとうに救う道にはならないのじゃないかと僕は考えておりますので、それをもう少し述べまして、御意見を伺いたいと思います。
 たとえば最近の産業界を見ますというと、だんだん資本集中が行われて、しかも大企業がどんどんと第一線の小売部門まで系列を直接、間接に強化して、そうしてその産業を守ろうという非常に強い動きがあります。まあ一番徹底しているのは、たとえば繊維なんかというものは、繊維メーカーがワイシャツまで作って、そうして系列を強化していくと、こういうことになれば、繊維加工業者である中小企業者が生きる道はどこにあるでしょう。これと同じことは、たとえば大企業としてはいささか遠慮されたらよくはないかと思うような家庭用の消費物資をどんどん大企業の名において作って、そのネームによって売り込んでおる。こういうことになればもう中小企業が生きる道というものはないわけであります。極端な言い方をすれば、八幡や、あるいは冨士製鉄が火ばしや、かままで作って売ってごらんなさい、どうして中小企業は生きる道がありましょうか。これと同じような傾向がどんどんと進んでおるから、従って、私は十分に研究をして、大企業には国家の過分な保護を、資金の面においてもその他あらゆる面で加えられておるのでありますから、これと相対的に中小企業に向っても、やはり中小企業が社会的な任務を持っておるその業種あるいは品種、そういうものについては、やはり相当強い保護を加えてあげ、そうして中小企業の仕事というものを確保してあげない限りは中小企業というものはつぶれてしまう、こういうふうに私は非常な心配をしておるわけです。そういうことを大臣は深刻にお考えいただければ、今のような御答弁にはならないと私思うのでありますが、その点の御構想はいかがでございますか。
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水田三喜男#16
○国務大臣(水田三喜男君) 全くその点同感でございまして、そのためにやはり立法的な措置まで考えたいということで検討しておりますので、来国会には間に合わせられるのじゃないかと思っております。
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栗山良夫#17
○栗山良夫君 中小企業庁、川上長官のお考えはどうでございましょうか。
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川上為治#18
○政府委員(川上為治君) 今大臣がおっしゃいましたように、私どもの方としましては、中小企業団体法、それから小売業振興法、それから中小企業振興助成法案、こういう三つの問題についていろいろ検討して参ったわけであります。中小企業団体法につきましては、閣議決定もしましてすぐ提案されるところに来ておりますが、この中小企業振興助成法案につきましては、先ほども大臣からお話がありましたように、その内容としましては、現在中小企業庁でやっております中小企業の診断、指導でありますとか、あるいは中小企業の相談所関係の助成でありますとか、そういうものについてこれを具体的に法制化しようということでありますけれども、これにつきましては、まあいろいろな検討すべき問題もありまして、そして現実にまたやっておりますので、別に法制化する必要もないのじゃないかというような議論もありますけれども、その点については、さらに私どもの方としましても検討すべき点がありますので、今検討いたしておるわけなんですが、それ以外には、たとえば政府機関で、この中小企業に対しまして特に優遇的な発注なり、受注なりをするという、そういう措置も法律化したらどうかという問題も入っておるのですが、こういう問題についてもさらにまだ検討すべき点がありますので、私どもとしましては、これも今後さらに十分検討した上で実行に移したいというふうに考えております。
 それから大企業と中小企業の調整の問題につきましては、これは団体法によりましてある程度調整ができないかというようなふうにも考えておりますし、また、小売業者の部門につきましては、小売業振興法において調整ができないかということも、そういうところで一つやったらどうかというような検討もいたしておりますので、そういうところへ十分できないというようなことで、なおまだ足りないという点がありますれば、さらに検討しまして、先ほども大臣がおっしゃいますように、少くとも次の国会におきましては、そういう法案をまとめまして出したいというふうに考えております。
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栗山良夫#19
○栗山良夫君 私はこの問題は掘り下げていけば時間がかかりますので、きょうはこの程度にしておきたいと思いますが、特に大臣に強く要望しておきたいと思います。
 予算委員会における総括質問あるいは一般質問においても完全雇用問題がもう非常にやかましく取り上げられましたが、やはり完全雇用というのは内閣のこれは重要政策なんですから、それを直接受けられるのは通商産業省であるわけであります。で、通商産業省でも特に中小企業対策ということがこれがもろに受けるわけであります。従って、そういう意味では、今私が述べました考えについて大臣も共鳴をしていただいたわけでありますから、その考え方が法制的にも、また、具体的にも、中小企業に直接予算化されて、そうして中小企業がほんとうに振興する、育成するように緊急な施策を一つとっていただきたい。まあ今国会には間に合わないでしょうから、来国会ということをおっしゃいました、次の国会ということをおっしゃったのでありますが、それを特にやっていただきたいということを特に要望しておきます。
 たとえば私が非常に不思議に思っておることがありまして、これはまた後ほど専門の方の部局にお尋ねいたしますが、たとえば鉱工業関係の技術補助ですね、これも非常に強化したと、鉱工業関係の技術研究に対して格段の措置をとっておる、こういうことが先ほど説明せられましたが、私はどうも中小企業という立場から考えるというと、そういうような気がしないのです。役所から出されました資料に基いて工業化試験補助金あるいは応用研究補助金、こういうものの三十年度の補助の内訳を見まするというと、資本の大小に関係なしに、これは野放しに出されております。そしてまあ試みに見まするというと、資本金五千万円以下と五千万円以上とを比較してみますると、工業の企業体にとって比較してみると、ちょっと私計算してみたのでありますが、全部で工業の方で見ますというと、工業化試験補助金の場合は三十一件あって、そのうちで十六件というものがこれは大企業、数字で言うと五一・六%くらいになりますかね、そのくらいはこの五千万円以上の企業についているわけです。今一番問題になるのは中小企業の近代化であり、技術振興でありまして、こういう大資本を持っておる会社というものは自力でどんどんなし得るわけです。ところが、そういうところにもこういうわずかな金、これは一億に足らないのですが、わずかな金をどうして流すか、私はこういう点について非常に割り切れないものを持っております。ほんとうに中小企業が自力で技術研究ができ、そこにいろいろ発明をし、それを工業化まで持っていこうとしましても、金がなくてできない。結局大企業が取り上げてしまうことになる傾向が強いのですが、その場合に、中小企業を守ってやろうとするならば、五千万円以下の中小企業に、このなけなしのわずかな補助金くらいならば全部つけて、大企業の方は自力で、御遠慮下さい、別のもので補助してやるのですから。こういう面で施策してやらなければならぬと思うのです。それがどうしても出ていないというのはどういうわけですか。これに対して通商産業省としては、こういう方針がいいとお考えになっているか。あるいはまた、工合が悪いということであれば、近い将来に変える御用意があるのか、その点を伺っておきたい。大臣から一つ基本的な考えを伺って、それから工業技術院長の方から、技術的な観点から必要な点を一つお答え願いたい。
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水田三喜男#20
○国務大臣(水田三喜男君) あとから事務当局から説明していただきたいと思いますが、これは中小企業にできるだけ多く研究費を出すということは、これは当然必要だと思いますが、問題は日本の現在の技術水準から見て、もう当然技術は研究され、確定されておるものでも、それが中小企業の段階で全然利用されていないというような問題と、そうでなくて、これについては新たにこの点を解決しなければならぬという水準を一歩上げる技術の問題がたくさんございますので、この題目によって通産省としては、一般の産業技術水準を上げるために、どの題目に今金を出して研究させたらいいかという、そういう選択からくる問題が今のような結果になってくるんじゃないかと私は考えていますが、具体的な問題は一つ事務当局から……。
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黒川眞武#21
○政府委員(黒川眞武君) ただいまお話の出ました研究補助金の件でございますが、これにつきましては今大臣が御説明されました通り、この工業技術院に関します研究補助金の性質は、わが国の技術水準を高め、高度の新研究に対しまして与える補助金ということが建前になっております。従って、その内容におきまして、今のような新しい技術あるいはまた、高度の技術に対する将来の研究題目を選び、また、その研究内容以外に、それが果してそういう研究ができるかどうかというような研究者の問題、あるいはまた、その補助金につけ加えまして動員される資金があるかどうかというような観点を勘案いたしまして決定いたすものでございます。従って、中小企業に対しましてもなるべく多く御趣旨に沿うようにいたしておりますのですが、数字的に申しますと約半分という今お話がございましたが、私どもは、さらに中小企業のそういった技術水準を高めますために、極力同種業者の企業者を集めまして、研究組合というようなものをなるべく作るようにいたしてもらいまして、そうしてその結集した力でその補助金を巧みにあるいは効率的に使っていただいて、いい結果を出していただくように今促進中でございます。慫慂中でございます。
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栗山良夫#22
○栗山良夫君 私が指摘しておりますのは、技術水準を上げるというのは大財政でやらなければならぬことなんです。私はいつも外国のイミテーション・インダストリーではだめだということを申しておるし、独創的な技術水準を上げるということは何をおいてもやなければならぬ、それは異議ないのですが、何億という資本を持っておる会社はほっておいたって自分で研究し、実用化、工業化するのです。そういうところへ、件数でいえば全国で三十年度のを見ますと二百三十九件、工業化と応用とで二百三十九件でありますが、今度の予算案を見ても四億円ですよ。わずか四億円ばかりの金をこれだけのところへ分けるわけです。大企業へそんなに分けてあげたところで、それは全然効果がないとは私申しません。申しませんけれども、喜び方はうんと薄いんじゃないか。中小企業へやればほんとうに喜んで一生懸命研究していく。そういうところに総花的な通商産業省の技術水準引き上げの政策があってはいけないのじゃないか、もっと重点性がなくちゃいけない、こういうことを私は力説しているわけです。今までのやり方は、今答弁をいただきました通りなんですが、今後そういうようなふうに施策を一つ転換していただくことができないか、これを私はお尋ねしておるわけです。
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黒川眞武#23
○政府委員(黒川眞武君) ただいまお話がありました通り、私も中小企業に関する技術振興ということにつきましては、この補助金以外につきましても、いろいろな点でこれを振興しなければならぬと痛感しておるものでございます。従って、中小企業庁ともよく連絡いたしまして、ただいまの御趣旨に沿うように補助金の提出についても今後十分留意したい、こう思います。
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海野三朗#24
○海野三朗君 関連して……。そういう場合に、これを選定するのは、工業技術院の人たちで判断するのでありますどういう基準によって金を分けるということを定められるのでありますか。
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黒川眞武#25
○政府委員(黒川眞武君) この補助金につきましては、最初それぞれの申請される方が、地方の通産局を経て工業技術院の助成課に参ります。助成課におきましては、工業技術院管下の研究所、それから通産局それから原局、この方々から成りますところの合同委員会におきましてこの題目の取り上げ方を審査いたしまして決定いたしております。まず予備決定をいたします。その後、学識経験者の大学の先生というような方々にお願いいたしまして、さらにそれを審査してもらいます。その結果を工業技術院の院議にかけまして、さらに省議にかけまして決定いたすことになっております。
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海野三朗#26
○海野三朗君 今、地方の通産局を通じてと言われましたけれども、地方の通産局では、そういうことに対しては全くわかっていないと私は見る。その実例をあげて伺ってもいいのですが、最も大切なる研究がほぼ完成しておるということも地方の通産局がぼんやりしておる。なぜぼんやりしておるかと申しますと、通産局の方のその方面に従事する人たちにその人を得ないからじゃないかと私思うのですが、そういう点については、地方の通産局が持ち出してこなければ、つまり工業技術院にも持ってこれない、局長、次官にも話が至らないということになっておるので、私は通産省のそういう方面に対する考えというものは麻痺しておるのじゃないかと思っておるのですが、大臣はどういうふうにごらんなさっていらっしゃいますか。たとえば東北大学の計測研究所がございます。あそこでどういうことをやっておるか。この間、私はあそこを見てきたのでありますが、人間のばかだか利口だかをためすところの機械を発明しておる。頭にはめると、ばかだか利口だかすぐわかる。こういうことなんです。医学部の方では、これがぜひ必要であるからたくさん作ってくれないかという医学界からの申し込みがありましたけれども、あの研究所においてはその金がないし第一、人間がいないのです。ところが、あそこの教授及び助教授でこれを作り上げておった機械を私は再度見にいったのでありますが、そのときには、大学病院の方に借りていかれて精神科の方でまず試験をしておる。仙台の通産局は何をしておるか、私は局長に出てこいと言ったのだが、そのときには出てこない、課長が出てきておる。君たちは何をしておるのかと言ったのでありますが、地方の通産局というものはそういうことを取り上げて本省に持ってきてそうしてその方面の研究が実際化する、そういうことに当らなければならないのじゃないか、私はそう思う。それからもう一つは、雲に字を書く、雨雲に字を書く、これができておる。ところが、そういうことができておっても実際にこれを工業化し得ない。地方の通産局は何をしておるのでありますか。私はこの点に対しては通産局からもう少し麻痺しておる状態を何とかしていかなければならないと思うのでありますが、ただいま工業技術院長がるる述べられましたけれども、どうもそれはただ単なる理屈をお述べになったので、実際現状はそうなっておりません。どうなんですか。私はそういう機械を見てきたのですから、頭が変になっているかどうかすぐわかります。これは仙台の計測研究所、あそこに相当の博士がおります。それからレンズですね、レンズもすばらしいレンズがすでに作られておる。そのレンズは何であるかと申しますと、これは専門的なことになりますが、遠方の写真をとりますとぼんやりするのです。なぜぼんやりするかといいますと、コンベックスレンズに平行光線が当りますと、フォーカスがライン状にくるのです。ライン状にくるからイメージがはっきりしない。これをワン・ポイントに集めることを考えて、今実際にその試作をやっておった。また、それでもって作ったレンズで遠山の景色をとった写真を私は見てきた。そういうことは実に世界的な発明なんです。なぜそういうものに仙台の通産局はぼんやりしているか、そのぼんやりしておるという一例を私は申し上げるのでありますが、全国の通産局はたくさんあると思うのですが、そこで何をしておるのですか。そういうことにこそ金を与えて、実際工業化することに尽されることが通産行政のあり方じゃないかと私は考えるのでありますが、大臣はいかにお考えになっておりますか。
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水田三喜男#27
○国務大臣(水田三喜男君) 一国の文化水準を上げるとか何とかという発明もござましょうしそうじゃなくて、この工業技術水準に関係して、研究によって産業界全体に影響するというような工業技術の問題、これもいろいろございますが、発明されたものの今度は工業化というようなことについては、私は別個考えておりまして、発明品が埋もれないで、それが工業化されるためには、金融という点においてどう心配したらいいかという問題は現在別に考えておりますが、通産省が扱っにおる限りのものは、むしろそういうものでなくて、工業技術に関係している技術が完成することによって、日本の産業界全体がよくなるんだというような問題を中心に私どもはやっておりますので、そのほかの問題についてはあるいはぼやぼやする問題があるかもしれませんが、そうでない、事、工業技術というようなものに関しましては、通産省に申し出られたものは関係者で検討して、これは取り上げて研究の助成をする必要があるというものは、これに研究費をつけるというようなことでやっておりますので、こちらの研究費をつけるねらいにそれたいろいろな研究というようなものについては、見落しがあろうかと思います。
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栗山良夫#28
○栗山良夫君 私はこまかい点については企業庁長官にあとでお尋ねしたいと思っておりますが、私の申し上げている要旨だけをよく理解しておいていただきたいのです。それは何かといいますと、三十一年度の科学技術振興費というのは四億五千万円でしたか、鉱工業関係はそれが五千万円減っているのです。しかも発明実施奨励金が二千二百万円、試作奨励費が千五百万円、中小企業の輸出振興技術研究費の補助が千三百万円ですか、こんな内訳で実に微々たるものなんです。こういう微微たるものが大企業に流れていくところに私は施策の貧困があるということを指摘しているのです。たとえばなぜそういうことを申すかと申しますと、民間企業の研究費をどのくらい取っておるか私はよくわかりませんが、ある資料からとったところによりますと、民間企業の自分で出した研究費が、昭和二十五年が四十八億円、昭和二十八年二百二億円、三十年度には二百六十億円以上に達するであろうということが言われておる。これはほとんど全部が大企業と言っても差しつかえないと思うのですが、これくらいやはり自分の力を持っておる企業に、二、三千万円の金をこの中から分けて与えるというようなことは、全くこれは施策でなくて、総花的施策の一番大きな私は欠陥だろうと思うのです。特にこれはまたあとで技術庁の長官にお尋ねいたしますが、たとえば海外技術関係で、あの外資法がきめられました昭和二十五年ですか、六年でしたか、あれからあと外国の技術導入をいたしましたのに使った金が幾らかといいますと、大体昭和三十年まで六カ年間に二百四十八円億使っております。毎年四十億円以上、特に三十年度のごときは七十二億にもなる、こういう金を出し、大企業業はどんどん外国の特許を入れてそうして技術水準を上げている。中小企業はこういうことはできない。従って、私が中小企業に熱心にしなければならないと申し上げているのはこのことなんです。このことをよく一つお考え願いたいと思います。
 それからついでですから大臣にお尋ねいたしますが、外国の技術導入ですね、この問題については、過日の予算委員会の公聴会においても安川第五部民に私が質問をいたしましたところ、目に余るものがある、あまりにも外国の技術導入に対し、特許取得について業者が狂奔し過ぎる、競争し過ぎる、何とかしなくちゃいかぬという意味のことをおっしゃったのですが、私は全く同感ですが、こういう外国の、日本の産業水準を引き上げるかどうかというような大きなパテント等を取得する場合には、これは国が取得をして日本国内に公開をする、そうして不要な競争を外国に向ってやって、もう少し安く契約できるものを業者同士でつり上げてしまって、そうしてそれを消費者に転嫁する、産業投資の面にも転嫁するというようなことのないように、そういう施策というものを通産省はお考えになる必要がある、この点についての御所信を伺いたい。この点も技術の問題ですから、長官と両方に一つお尋ねしたいと思います。こういう欠陥をお認めになるか。お認めになれば、今後どしうてもこれは直さなければならぬと思いますが、何か御研究になったことがあられるかどうか、その点を伺いたい。
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黒川眞武#29
○政府委員(黒川眞武君) 外国の技術の導入の問題でございますが、これにつきましては御承知のように、戦後外国技術の導入によりまして、日本の科学技術の水準が高まったということは事実でございますが、御指摘の通り、十年も経過しております、日本の外国技術にたよるという依存性をここに反省しなければならぬ時期にきていると思います。そこで私どもといたしましては、まずもって日本の技術を高めまして、そうしてなるべくすみやかにこれを実施化するようにして、でき得る限り必要なものを別といたしまして、なるべく日本の技術でもって日本の産業を伸ばしていきたい、そういうことにいたしまして、特に国の試験研究機関の研究に重点を置きましてその研究費を増額いたしております。先ほど御説明がございましたように、かれこれ一億三千九百五十二万円を今年は増額をいたしまして、そうして研究をいたしている次第でございます。
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