大蔵委員会

1958-02-27 参議院 全55発言

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会議録情報#0
昭和三十三年二月二十七日(木曜日)
午後一時三十六分開会
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  委員の異動
本日委員大矢正君辞任につき、その補
欠として山下義信君を議長において指
名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     河野 謙三君
   理事
           木内 四郎君
           西川甚五郎君
           平林  剛君
   委員
           青木 一男君
           岡崎 真一君
           左藤 義詮君
           塩見 俊二君
           土田國太郎君
           増原 恵吉君
           宮澤 喜一君
           山本 米治君
           荒木正三郎君
           栗山 良夫君
           杉山 昌作君
           前田 久吉君
  政府委員
   大蔵政務次官  白井  勇君
   大蔵大臣官房日
   本専売公社監理
   官       村上孝太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省主計局法
   規課長     小熊 孝次君
   日本専売公社副
   総裁      石田 吉男君
   日本専売公社生
   産部長     西山 祥二君
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  本日の会議に付した案件
○相続税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○厚生保険特別会計法等の一部を改正
 する法律案(内閣送付、予備審査)
○国庫出納金等端数計算法の一部を改
 正する法律案(出閣提出)
○たばこ専売法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
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河野謙三#1
○委員長(河野謙三君) これより委員会を開きます。
 まず、委員の異動がありましたので御報告いたします。
 本日付をもって、委員大矢正君が辞任され、その補欠として山下義信君が委員に選任されました。
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河野謙三#2
○委員長(河野謙三君) まず、相続税法の一部を改正する法律案
 厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案
 道路整備特別会計法案
 糸価安定特別会計法の一部を改正する法律案
 たばこ専売法の一部を改正する法律案以上いずれも予備審査の六議案を便宜一括議題として政府より提案理由の説明を聴取いたします。
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白井勇#3
○政府委員(白井勇君) ただいま議題となりました相続税法の一部を改正する法律案外五法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。
 最初に、相続税法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 相続税については、現行の課税方式によれば、遺産の分割の状況により著しく税負担が異なり、農家、中小企業等一般に遺産の分割が困難な相続の場合にその負担が相対的に重くなりがちであること、税務執行の面で、遺産分割の状況の確認が困難なためときに税務執行の行き過ぎが見られるとともに、中には遺産分割を仮装する事例も見受けられること等の欠陥が指摘されており、また、現行の相続税の負担がなお重く、特に中小財産階層においてかなり重いものとなっていること等の現状からつとにその根本的再検討が要望されていたのであります。
 政府は、昨年来この問題を取り上げ、税制特別調査会にも諮って慎重な検討を行なった結果、その改正案を立案した次第でありますが、今回の改正案は、相続税について現行の遺産取得税体系を維持しつつ、遺産の総額と法定相続人の数とにより相続人の納付する相続税の総額が決定されるような制度とするとともに、相続税の基礎控除を大幅に引き上げ、中小財濃階層に適用される税率を緩和してその負担の軽減をはかる等相続税制度の合理化と中小財産階層の相続税負担の軽減をはかろうとしているのであります。
 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 第一は、相続税の課税方式を改めたことであります。すなわち現行の相続税は、各相続人のそれぞれの取得財産につき五十万円を基礎控除した後の課税価格に対して累進税率を適用して計算することとなっており、遺産の分割の状況によって、税負担が著しく異なってくるのでありますが、今回の改正案では、遺産の総額から一定の基礎控除を行なった後の価額を法定相続人が民法の相続分に従って相続するものとした場合の相続税の総領を計算し、これを各相続人の実際の取得財産の価額に応じて配分して各人の相続税額を計算する方式を採用することとしており、これによって、現行の遺産取得税の長所を生かしつつこれまで指摘されたような遺産の分割の状況によって税負担が著しく異なる欠陥を是正しようとしているわけであります。
 第二は、相続税の基礎控除を大幅に引き上げてさきに述べた相続税の総領を計算する場合に百五十万円に法定相続人一人につき二十万円を加算した金額を基礎控除することとしていることであります。現行の相続税は、遺産を取得した人ごとに五十万円を控除して課税することとしているため、農家、中小企業等遺産の分割が困難な相続の場合には、比較的少額の遺産についても相続税が課税されることとなっておりますが、今回の改正案によれば、このような問題もほとんど解消される見込みであり、これによって相続税の課税見込み人員は、現行の約五万五千人に対して約一万五千人と大幅に減少する見込みであります。
 第三は、相続税の税率についてその累進度を緩和したことであります。これにより相続税の負担は、さきに述べた課税方式の改正及び基礎控除の引上げと相待って特に中小財産階層の相続税の負担が大幅に軽減されることとなるのであります。
 第四は、配偶者控除及び未成年者控除について改正を行なったことであります。すなわち、現行法では、これらの控除は、それぞれ課税価格から控除する方式をとっているのを税額控除の方式に改めるとともに、配偶者控除については、一定の限度を設け、この控除が高額財産階層にとって著しく有利な制度とならないように配意し、また、未成年者控除については、特に中小財産階層においてその控除の利益が大きくなるように引きあげることとしております。
 なお、現行の制度が財産の分割の状況により税負担が異なるため改正前後の負担を正確に比較することは困難でありますが、通常の財産相続の形態において見ますと、現行法では遺産百万円の場合は約三万五千円、二百万円の場合は約十二万円、三百万円の場合は約二十五万円の負掛となっているのが改正案ではいずれも課税されないこととなり、遺産五百万円の場合は、現行法で約五十三万円、約一一%であるのが改正案では約二十万円、約四%の負担と、また遺産一千万円の場合は、現行法では約百四十六万円、約一五%であるのが改正案では約百六万円、約一一%とそれぞれその負担が大幅に軽減されることとなる見込みであります。
 第五は、相続税の負担の改正に即応して贈与税の基礎控除及び税率について改正を加えたことであります。すなわち、基礎控除を現行の十万円から二十万円に引き上げ、少額の贈与財産に対する税率の緩和をはかるとともに相続税負担との関連において税率全般の調整をはかることとしているのであります。これによって贈与税の課税見込み人員は、現行の約十六万人に対して約四が八千人と大幅に減少する見込みであります。
 以上のほか、相続税及び贈与税の負担の軽減がはかられる反面、贈与が分割して行われた場合と一時に行われた場合との間の負担の公平をはかる措置として、贈与税について新たに年十万円をこえる贈与が行われた場合にこれを三年間累積して課税する制度を設けるとともに、生前贈与を相続財産に加算する期間を相続開始前三年まで延長し、また、退職手当の非課税限度を法定相続人一人につき五十万円に引き上げ、その他相続税法について所要の規定の整備をはかることとしております。
 なお、この改正案は、昭和三十三年一月一日以後相続、遺贈または贈与があった場合の相続税及び贈与税について適用することとしております。
 以上この法律案の提案の理由とその概要を申し上げました。
 次に厚生保険特別会計法の一部改正について御説明申し上げます。
 政府におきましては、第二十二回国会において、政府管掌健康保険の給付費の異常な増高等に伴う支払財源の不足をうめるため、昭和三十年度以後七カ年間、毎年度、一般会計から十億円を限度として、厚生保険特別会計の健康勘定へ繰り入れることができる措置を講じたのであります。しかして、昭和三十一年度及び昭和三十二年度におきましては、この一般会計からの繰り入れを昭和三十三年度以後に繰り延べたのでありますが、昭和三十三年度におきましても、別に借入金等によりこれを処理することといたしましたことに伴い、一般会計からの繰り入れを、さらに、昭和三十四年度以後に繰り延べることとしようとするものであります。
 次に、船員保険特別会計法の一部改正について御説明申し上げます。
 船員保険におきましても、第二十二回国会において、療養給付等の部門における給付費の異常な増高等に伴い、その財源の一部に充てるため、昭和三十年度以後六カ年度間、毎年度、一般会計から二千五百万円を限度として、船員保険特別会計へ繰り入れることができる措置を講じたのでありますが、昭和三十一年度及び昭和三十二年度におきましては、健康保険の例に準じ、一般会計からの繰り入れば昭和三十三年度以後に繰り延べたのであります。しかして、昭和主十三年度におきましても、健康保険におけると同様、一般会計からの繰り入れを、さらに昭和三十四年度以後に繰り延べることとしようとするものであります。
 以上が、この法律案を提出した理由及びその内容であります。
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河野謙三#4
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
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河野謙三#5
○委員長(河野謙三君) 速記を始めて。
 それでは、残りの四つの法案の提案理由の説明は政務次官の健康の関係で明日に譲りたいと思いますから、さよう御了承をいただきます。
 ただいま説明を聴取しました各議案の内容説明及び質疑は後日に譲ります。
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河野謙三#6
○委員長(河野謙三君) 次に、国庫出納金等端数計算法の一部を改正する法律案を議題として、大蔵省当局より内容の説明を聴取いたします。
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小熊孝次#7
○説明員(小熊孝次君) ただいま当委員会に付託になっております国庫出納金等端数計算法の一部を改正する法律案につきまして補足して御説明申し上げたいと思います。
 国及び地方公共団体等の端数計算に関する沿革は非常に古くからあるのでございまして、その内容もそのときどきの取引金額の範囲におきまして、一厘未満あるいは一銭未満の端数計算を行なって参りまして、現在におきましては昭和二十五年に改正されました一円未満の端数計算の制度がとられておるのでございます。で、これまでの端数計算法はそのねらいが主といたしまして現実に流通して、いるところの小額の通貨の授受に伴うところのお互いの手続の繁雑さを避けるということにあったのでありますが、国、地方公共団体等の出納の段階におきます収入金、支払金の金額についての端数計算を定めているわけであります。最近になりまして、国、地方公共団体等の会計制度というものも、単なる金銭の収入支出の経理だけにとどまりませず、収入支出の実体でありますところの債権債務に関する経理の部面にまで逐次重要視するようになって参ったのでありまして、収入支出金額の端数計算のみでは必ずしも計算事務の簡素化とはならないような部面も生じて参ったわけでございます。従いまして現在の会計制度の要請を満たしますため、これを債権債務の段階における金額の端数計算に切りかえるようにしたいと存じた次第でございまして、この法案が出されたわけでございます。
 さらにその他この法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げますと、まず第一に、現行法はその適用されますところの国、政府関係機関地方公共団体等が、収納または支払いをする場合におきましては、その収入金あるいは支払の金額に五十銭未満の端数があるときはその端数を切り捨てる、五十銭以上一円未満の端数はこれを一円として計算する、こういう制度になっておりますが、国及び公社等の債権または債務の確定金額の端数計算ということに改めまするとともに、現行の一円未満四捨五入という制度でやりますと、一応端数の金額を算出いたしまして、そうしてそれを四捨五入するという手数がかかるわけでありますので、円単位までの計算にとどめまして、あとはこれを切り捨てる、こういう方針に変えたわけでございます。支払金、収入金につきましては、いずれも円未満は計算をいたしませんで、直ちに切り捨てることができるように改めたのが第一点の改正点でございます。
 それから第二に、収入金、支払金の金額の端数計算から債権債務の金額の端数計算に切りかえられました結果、必要となった改正でございますが、概算払い前金払いあるいは部分払いといった債権債務の金額が確定する前に、支払いあるいは債権債務の金額の一部を支払うあるいは受け入れる、こういうような場合におきましても、債権債務の確定金額の端数計算に準じまして一円未満はこれを切り捨てる、こういうことにいたしました。また国及び地方公共団体等の組織の内部におきまするところの金銭の請求関係は、これは実体法上の債権債務とは言えないのでありますが、そういう請求関係があるわけでございますので、その場合におきましても、同様の計算方法を採用するとこういうことにいたしております。
 それから第三番目といたしまして、国の一般会計あるいは特別会計の決算上の剰余金、資金特別会計あるいは政府関係機関の自己資本等につきましては、古くからの沿革がありまするので、いろいろな円未満の端数が付いたまま整理されまして、それが引き続いて現在に至っておるものが相当多いのでございますが、国あるいは、政府関係機関の会計経理面における金額というものを、これを円以上に改めまして、そうして経理事務の簡素化と、それから歳入歳出決算書、財務諸表等におきますところの金額の単位を斉一にするという、こういうこともあわせて規定しておるわけでございます。
 以上で本法案の補足説明を終りたいと思います。
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河野謙三#8
○委員長(河野謙三君) 引き続き質疑を行います。質疑のある方は、順次、御発言願います。
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栗山良夫#9
○栗山良夫君 これに直接関係ありませんが、民間の場合はただいまどういうような整理方法が行われておりますか、特に金融機関などを中心にしまして、それを伺っておきたいと思います。国がやはりこういう一部改正をやられて新しい端数計算方法をとられれば、やはり一つの標準になるのじゃないかと思いますが、それについて民間の方の実情をちょっと伺っておきたいと思います。
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小熊孝次#10
○説明員(小熊孝次君) 民間におきますところの端数計算の処理の問題でございますが、特に金融機関等におきましては、実はすでにただいま御説明いたしましたような方法が事実上とられているわけであります。と申しますのは、二十八年に出ましたところの小額通貨整理法というのがございまして、小額通貨というのは当分の間これが通用を停止するということになりまして、その結果、全国銀行協会連合会等から市中銀行の端数取扱方針というものを申し合せといたしまして各銀行に通知をいたしまして、そうしてその取扱いを徹底させておりまして、今度の改正案とほぼ同じような方針で処理されているわけであります。なお、今まで国の端数計算が五十銭未満は切り捨て、五十銭以上は切り上げ、こういう方針をとっておりました関係上、国の、政府関係機関の代理貸しをしておりますところの金融機関におきましては、一般の金融業務といたしましては、これは端数切り捨てという方針でございますし、それから国の代理業務としてやっております業務につきましては、この国庫出納金等端数計算法の適用があります関係上、方針が二途に分れるということで相当不便を感じておったようなお話を聞いておりますが、この際、こういうように改正することによりまして、そのやり方が統一される、こういうことになると思うのでございます。
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栗山良夫#11
○栗山良夫君 これは要するに何ですか、事務能率の増進を直接の目標としておられるわけですか。
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小熊孝次#12
○説明員(小熊孝次君) 仰せの通りでございます。
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栗山良夫#13
○栗山良夫君 ただいま金融機関の方の大体実情はお伺いいたしましたが、さらにもう一つ突き進んで、非常に国民の生活に広く行きわたっている金銭授受の事例といたしましては、たとえば水道料金であるとか、あるいは電気料金であるとか、ガス料金であるとか、あるいは生命保険の月掛けであるとか、いろいろなものがあります。これは利息計算も入れて、そういうものは切り捨てか切り上げかということはだいぶ問題がありましょうが、一応政府でこういう新しい方法をとられれば、やはりこれに準じていくと考えてよろしいか、あるいはそういった面までも今の金融機関と同じような工合に処理されているのか、その点をお伺いいたします。
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小熊孝次#14
○説明員(小熊孝次君) ただいまお話がございましたガス料金であるとか、水道料金その他国民生活に密接な関係のある部面でございますが、その端数計算方法は、地方公共団体にも適用がございますので、今度の改正が行われますれば、当然一円未満切り捨てということになるわけであります。それからその他生命保険料であるとか、そういうような問題でございますが、これにつきましても金融機関並みにすでに行われているものだと私は考えております。むしろ国の方の改正が若干おくれているのじゃないかというような感触を持っておりますので、その辺まあ一円未満切り捨てのほかに、先ほど申し上げましたように、今度債権債務の関係で処理する——これは内部経理の問題でございますけれども、会計事務を処理されている方につきましては、円未満まで一応算出いたしましてそのしで切り捨てるか切りしげるかということは非常に繁雑でありますので、その点も合せて改正いたしまして、そうして事務の能率化をはかろう、このように考えた次第であります。
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河野謙三#15
○委員長(河野謙三君) 他に御質疑ございませんか。
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左藤義詮#16
○左藤義詮君 小学校でこども銀行というものが非常に貯蓄奨励をやって成績を上げておるのですが、貯蓄というものは、零細な一銭半銭といえども、大切にするというような、そういう精神教育の面から、これを切り捨てるということが、ちりを積んで山にすると、そういうことと矛盾をしゃしないか。そういう教育的な面はどういうふうに考えますか。
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小熊孝次#17
○説明員(小熊孝次君) 確かに先生のおっしゃいますように、ちりも積れば山となると、こういう考え方は非常に必要なことでございますが、一方におきまして、事務の能率化ということも、これはゆるがせにできないわけでございます。ただ、現在の段階として考えますと、二十八年度の小額通貨整理法の規定によりまして、現実の通用通貨といたしまして、円未満の小額通貨は停止されておりますので、現実に預金等をなされます際におきましても、こういう考え方は何ら矛盾しない、抵触しないと考えておりますが、ただ、先生のおっしゃいますような、そういう思想と申しますか、そういう面は、これは別の問題として十分価値があるというふうにわれわれは考えております。
 なお、御参考までに申し上げますが、今回は小額通貨整理法によりまして、通貨そのものがない、こういう問題があるわけでございますが、従来の端数計算法におきましては、通貨はございましても、なお、その現実に通用しておる通貨以上の単位での端数処理までやっておった時代がございます。今度は通用しておる通貨の段階で端数処理をいたしますので、現実の取扱いとしては、さしたる矛盾はないのではないかと、こういうふうに考えております。
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左藤義詮#18
○左藤義詮君 こういう措置がデノミネーションといいますか、というようなことに一歩近ずいていく、そういう意味はないですか。
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小熊孝次#19
○説明員(小熊孝次君) ただいまも申し上げましたように、この法律が、むしろそういう政策的な問題と申しますよりは、むしろ、現実の姿に合せまして事務の能率化、あるいは簡素化をはかろうという趣旨でございますので、そういう意図は全然ございません。
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左藤義詮#20
○左藤義詮君 しかし、こういうことをせられる、その大蔵省の心構えが、結局は貨幣価値というものを一ペン考え直す。銭というものは事実上存在しないのだ、国も問題にしないのだ、というような、デノミネーションの踏み切りに一歩近づいたという、そういうような一般に印象を与えられるとお思いになりませんか。
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小熊孝次#21
○説明員(小熊孝次君) 現行の制度におきましても、五十銭未満は切り捨て、五十銭以上はこれを一円に切り上げるということで、現実の支払い、それから受け入れば一円になっておるわけでございますが、今回はこれを事務の簡素化の見地から、受け入れ金にしても、支払い金にしても、これを一円未満は切り捨てるということ、こういう措置を講じただけでございますので、従来に対して事務能率の簡素化という見地以外には実質的な差異はない。このように考えます。
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河野謙三#22
○委員長(河野謙三君) 他に御質疑がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。
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河野謙三#23
○委員長(河野謙三君) 次に、たばこ専売法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。
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平林剛#24
○平林剛君 たばこ専売法の一部を改正する法律案につきましては、先般政府の責任者である大蔵大臣と質疑応答をいたしまして、今後の取扱いについては私ども了承はいたしましたが、本日は若干の質疑を行いまして、今後の検討の資料にいたしたいと存じますから、簡単に各点について政府側の見解をお尋ねしておきたいと思います。
 そこで第一の問題は、第五条に加える法律用語として、今回、政府はたばこの値段を定める場合に「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者が適正な対価を得ることができるように定めなければならない」、こう提案をされておりますが、この点について私どもが前に結論を出しました「再生産を確保する」という言葉と「適正な対価を得ることができるよう」云々という言葉との違いは、法律用語としては一体どういう変化があるだろうか。先般御説明があったときは、米や小麦を定める場合には「再生産を確保する」という表現が使われているけれども、たばこは若干その主要産物と違うから適当ではないというお話しがありました。しかし実際上の問題として、たばこの値段は、この法律用語によってどういうふうに変化するのかということがむしろ問題になるのではないだろうか。「再生産を確保する」という言葉と「適正な対価」という言葉では、実際問題、収納価格において政府は今後どういうような考慮を払わなければならないのか。これはなかなか検討しなければならぬことだと思いますから、実際問題としてどうなるだろうというような御見解をまず聞いておきたいと思うのです。
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村上孝太郎#25
○政府委員(村上孝太郎君) お答え申し上げます。「再生産の確保」と書きました場合と、それから「適正な対価」と書きました場合と、今後の政府の、といいますか、公社の葉タバコ収納価格政策というものがどういうふうに差があるかという問題のように拝聴いたしましたが、実は、従来、この葉タバコの収納価格につきましては、そのときそのときでいろいろな何と申しますか、研究が進むにつれて、われわれとしてはできるだけ妥当な収納価格をきめたいということで、昨年の価格決定の際に、いわゆる農業パリティ、四農作物との価格的な均衡という意味における調整計数によりまして収納価格をきめたわけでございます。そのときのいろいろな議論、これは昨年の夏中いろいろ衆議院でも御審議を願ったわけでございますが、政府としましては、昨年とりました収納価格の決定方式というものについては、それは完全なものではないだろうけれども、今われわれが考え得る収納価格決定方式としての現状においては、これが政府は妥当と考えるので、その方式を採用したわけでありますが、今後すぐ変えるかという御質問に対して、われわれの方としては現段階において研究した成果としては、この価格決定方式は妥当だと思いますから、今後当分は変えるつもりはございません、ということを衆議院の大蔵委員会でもたびたび御答弁申し上げております。そういうふうなわけから、われわれの今後の葉タバコ収納価格の算定方式につきましても、昨年われわれが研究しました結果を当分続けていきたいと思っておりますので、そうしたこの価格算定方式をすなおに法文に表わしますというと、ここに書いてございますように、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者が適正な対価を得ることができるように定める」といったような意味になるのではなかろうかということで、そういう表現でやったわけでございます。そこで政府としましては、この「適正な対価」という言葉によって現在採用しておりますところの価格算定方式を変えるつもりはございません。その「再生産の確保」という言葉によってどう変るかという御質問のようでありますが、私はその再生産の確保という意味が果して正確にどういうふうな意味を持っておるものか、これはなかなかむずかしい問題だろうと思うのでありますが、タバコと米というふうなものの差異及びタバコの現在の価格算定方式からしますというと、米と同じような価格基準の表現をすることはむしろおかしいのじゃないか、こういうふうな意味で、この場合申し上げたわけでございます。
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平林剛#26
○平林剛君 まあ「再生産を確保する」という言葉の意味がどういう意味かということについては、きょうはあまり私は指摘をしませんけれども、これは少くとも米、小麦等の価格算定のときには強調されている点でありまして、また一般の耕作団体等におきましても、タバコの収納価格をきめるときには、生産費を中心にしてきめてもらいたいという要望が大へん強いのであります。ところがこの「耕作者が適正な対価を得る」という法律的用語になりますと、この要望に対してこたえることができなくなる。政府は今まで農業パリティを中心にした算定方式を当分変えたくないから、「再生産を確保する」という表現よりは、「耕作者が適正な対価を得る」という表現の方が適当ではないだろうか、こういうお考えで提出をされたようでありますが、この点は今日まで各方面から議論をされております要望等も十分しんしゃくしなければならぬと思います。その点で政府の考え方のあり方はよくわかりました。しかし、私がここでやはり指摘しておかなければならぬことは、この法律用語で終りますというと、耕作者が年来希望しておりましたほんとうの意味の適正な対価を得ることができなくなるのではないか、こういう疑問を感じておるのであります。特に「耕作者が適正な対価を得る」という言葉は、一般農家と耕作者を比較して、耕作者をどういう立場に偉くのかということからも解釈にかなり違いが出て参りますし、くだけて申し上げるというと、従来きめてきたような収納価格は、耕作者にとってそれが適正な価格なんだという言葉にすりかわることも考えられます。政府としても従来の収納価格の算定の方式を変える気持がないのだと、それを持続する考え方が「適正な対価を得る」という表現になっている。それが適当と考えた、こうなりますと、今までの収納価格が耕作者にとって適正なものだということにも結論的になって参ります。そうなりますと、この法律に関心を持っておられる人たちにとっては、なかなかやりにくいことになりまして、もっといろいろな角度から検討しなければならぬ要素があると思うのであります。特に昨年来私ども議論をして参りましたときにも、現在のタバコの値段については安過ぎるのではないかと、こういう指摘に対し、政府からお答えがあったのは、耕作者は夏のひまなときに、農閑期に仕事ができるから、あるいは葉タバコを耕作する場合には子供も年寄りも動員できて、いわゆる零細な労力も提供できるから、また現在タバコの耕作を希望している人がたくさんいるんだから、だからこの程度でよいのではないかという趣旨の考え方も示されたこともありまして、もしその言葉が、「耕作者が適正な対価を得ることができるように定めなければならない」という法律用語であるとすれば、なかなか問題が面倒になると私どもは見ておるわけであります。こういう意味があって、私も二つの法律用語については十分検討しなきゃならぬと思いますが、そこで「耕作者が適正な対価を得ることができるように」という言葉は逆に言うとどういう要素を加味していくのか、今までと同じなのか。それとも何か「耕作者が適正な対価を得る」という法律用語は今までの算定より変ったことがあるのかないのか。こういうことも一つ説明をしておいていただきたい。
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村上孝太郎#27
○政府委員(村上孝太郎君) この第五条三項に書きました価格基準の解釈でございますが、適正な対価を得るためにはどういうふうな要素を考えたらいいかというのがその前段に書いてあるわけでございまして、生産費、これも一つのしんしゃくする要素になる、あるいは他の工業製品との価格の均衡ということも一つの要素になる。それから、さらに他の耕作物の価格の変動というものとの均衡もまた一つの要素になるというふうに、適正な対価を得るためにはしんしゃくすべき生産費とか物価とかその他の経済事情を十分に考えろ、こういうふうな意味に解すべきだろうと思うのでございます。それでは現在の価格が必ず適正対価だというふうな意味になるかというお話しでございますけれども、この点につきましては、この席上でも何度か御説明申し上げたことがあると思うのでありますが、数年前政府が朝野の学識経験者を集めまして諮問をいたしました農作物価格対策協議会の結論といたしまして、現在の政府の購入する農作物価格については、農業バリティというものを中心に考える。それぞれの農作物ごとに行政目的のニュアンスの差はあってもいいけれども、その根本においてはある程度の均衡がなくてはならぬ、こういうふうな答申になっております。そこでタバコにつきましても、そうした農業バリティを中心に考えるというラインは、これは政府の関係機関としまして公社が葉タバコを収納します場合の価格政策の基本原則としては変えることができないだろうと思うのであります。ただそれに対するいろんな調整方法、現在は四つの農作物の前三年の価格比をとっておりますけれども、そういうふうな調整要素については、これはいろいろの考え方があるのでございまして、われわれもいろいろ研究をして、できるだけ皆さんの是認されるような理想的な価格基準に持っていきたいと思っておりますけれども、そういう意味において、こう書いたから、必ずしも現在の価格算定方式が絶対に正しいのだ、それが適正対価なんだと、こういう意味ではございません。ただ少くとも政府の農作物に対する価格政策の現状としては、数年前の農作物価格対策協議会の基本線というものはくずすことができないのじゃなかろうかと、こういうふうに考えます。
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平林剛#28
○平林剛君 この法律用語の解釈についてはこの程度にしておきますが、耕作団体の要望も、今後タバコの値段をきめる場合には、生産費を中心にして算定をしてもらいたいという強い要望がございます。耕作団体だけでなく、従来タバコの値段をどれが適当かということで、公社の総裁が諮問機関として置いておりました収納価格審議会においても、何回かにわたってこの要望をしておるわけであります。今回提出をされた法律案が、その要望を阻害をするということでありますというと、これはなかなか今後の課題として調整をしなければならぬことになりますので、今の問題では、どうもそれと少し衝突をするのではないかという懸念もあります。それから私が指摘したこともありまして、なおあなたの説明と私どもの見解と、今後各党各派で検討いたしまして、結論を出すことにしていきたいと思います。
 この際資料の要求をしておきますが、米と麦とタバコの生産費の比較表、それから同じく労賃の面においてどんなふうに違ってくるかという比較表を資料として提出をしてもらいたいと思います。
 第二にお尋ねをしたいのは、同じく第五条の第四項ですね、「公社が第二項の価格を定めようとするときは、公社の総裁は、あらかじめたばこ耕作審議会にはかり、その意見を聞かなければならない。」ということであります。提案理由を読みますというと、「日本専売公社の総裁の諮問機関として新たにたばこ耕作審議会を設ける」と説明が加えられてありますから、おそらくこのところを指すものだと思います。そうだとすると、この「意見を聞かなければならない。」ということは、この審議会の性格を諮問機関としてしまう。少くともそう規定をされていくことに法律上なると思うのであります。私どもとしては、従来のたばこ収納価格審議会というものが単なる諮問機関にすぎなかったから、これではいけない、これを一歩進めて、もう少し生産者団体の意向というものを含めるような機関にしなかったなれば、今日までの専売事業をより改善をすることが困難ではないか、こういうことから問題が起きておるわけであります。私ども社会党としても、そのために双方同数による折衝方式を提案をいたしまして、耕作者の意向が、タバコの値段をきめる場合にも強く反映することを考えた。しかし各党各派で相談をした結果、現在の段階においては、少くともその議を経なければならないということで要望にこたえようと、各派の意見が一致をみたことは御承知の通りであります。私は、もしも政府が、単なる「その意見を聞かなければならない。」ということだけでは、諮問機関に陥ってしまうのではないかという心配を持っておるのでありますが、提案者の方は、この点についてどう考えられておるか。
 それからもう一つは、専売公社の副総裁もおいででありますから、従来まで私の承知しているところでは、たばこ収納価格審議会は、幾つかの答申は出されておりますけれども、重要な答申については、単に意見の聞きっ放しであって、なかなかせっかく相談をされたことも尊重しないような傾向があったと承知しておりますけれども、実際問題はどうであるか、この点を明らかにしてもらいたいと思うのであります。
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村上孝太郎#29
○政府委員(村上孝太郎君) 四項の「その意見を聞かなければならない」と書いてあると、意味が弱くなりはしないかという御質問のように拝聴いたしましたが、収納価格の決定というものは、これは公社がいたすわけであります。従って公社のいたします価格決定につきまして、もっと民意あるいは耕作者の希望をいれて価格をきめるようにしろと、こういうふうな御要望について、われわれとしてはできるだけそうした御意見を尊重するように書こうと考えたわけでございますが、「その意見を聞かなければならない」と書いてあるから、それによってこの審議会の性格が諮問機関になるというわけではございませんので、私は審議会が諮問機関であることには同じであるけれども、その審議会の意見というものを十分に尊重するように表現するのにはどうしたらいいかということで、いろいろ研究してみたわけでございます。従来この政府の関与します農作物価格について、いろいろな審議会がございます。米価審議会とか、あるいは繭糸価格安定審議会とか飼料需給安定審議会とか、肥料審議会とか、いろいろでございますが、それにつきまして従来とっております表班は、米価審議会と繭糸価格安定審議会につきましては、「諮問に応じ、」と書いてございます。これはこの今度の提案いたしました法案の二十六条の六にある表現と同じでありますが、この表現によりますというと、必ずしも諮問をしなくてもいいのでありまして、諮問があれば審議会が意見を答申するという格好であります。飼料需給安定審議会や肥料審議会は、政府はこの「審議会にはかり」、あるいは農林大臣は「肥料審議会の意見を聞いて」というふうに書いてございます。これらの先例からわれわれが検討いたしました結果、「その意見を聞かなければならない」と書くのが、一番御要求になっておられます意見を尊重しという気持も強く出し、法文的にもすなおじゃなかろうかということから、こういうふうな表現にいたしたわけでございます。
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