大蔵委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十年三月四日(火曜日)
午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 上村千一郎君
理事 伊藤宗一郎君 理事 浜田 幸一君
理事 村山 達雄君 理事 山下 元利君
理事 山本 幸雄君 理事 佐藤 観樹君
理事 山田 耻目君 理事 増本 一彦君
越智 伊平君 大石 千八君
奥田 敬和君 金子 一平君
鴨田 宗一君 小泉純一郎君
齋藤 邦吉君 塩谷 一夫君
野田 毅君 原田 憲君
坊 秀男君 宮崎 茂一君
村岡 兼造君 毛利 松平君
山中 貞則君 綿貫 民輔君
高沢 寅男君 広瀬 秀吉君
藤田 高敏君 松浦 利尚君
武藤 山治君 村山 喜一君
山中 吾郎君 横路 孝弘君
荒木 宏君 小林 政子君
坂口 力君 広沢 直樹君
内海 清君 竹本 孫一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 大平 正芳君
出席政府委員
大蔵政務次官 森 美秀君
大蔵大臣官房審
議官 旦 弘昌君
大蔵省主税局長 中橋敬次郎君
大蔵省銀行局長 高橋 英明君
国税庁次長 磯辺 律男君
国税庁直税部長 横井 正美君
委員外の出席者
農林省構造改善
局農政部農政課
長 関谷 俊作君
大蔵委員会調査
室長 末松 経正君
—————————————
委員の異動
三月四日
辞任 補欠選任
瓦 力君 綿貫 民輔君
広沢 直樹君 矢野 絢也君
同日
辞任 補欠選任
綿貫 民輔君 瓦 力君
矢野 絢也君 広沢 直樹君
—————————————
三月一日
企業組合に対する課税の適正化に関する請願
(塩川正十郎君紹介)(第一〇一五号)
同(山本幸一君紹介)(第一〇五二号)
同(坂口力君紹介)(第一一四七号)
中小企業に対する減税措置等に関する請願外一
件(近江巳記夫君紹介)(第一〇五三号)
住宅ローンの緩和に関する請願(松澤雄藏君紹
介)(第一〇九一号)
土地譲渡所得重課制度の運用に関する請願(松
澤雄藏君紹介)(第一〇九二号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
七号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
八号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 上村千一郎君
理事 伊藤宗一郎君 理事 浜田 幸一君
理事 村山 達雄君 理事 山下 元利君
理事 山本 幸雄君 理事 佐藤 観樹君
理事 山田 耻目君 理事 増本 一彦君
越智 伊平君 大石 千八君
奥田 敬和君 金子 一平君
鴨田 宗一君 小泉純一郎君
齋藤 邦吉君 塩谷 一夫君
野田 毅君 原田 憲君
坊 秀男君 宮崎 茂一君
村岡 兼造君 毛利 松平君
山中 貞則君 綿貫 民輔君
高沢 寅男君 広瀬 秀吉君
藤田 高敏君 松浦 利尚君
武藤 山治君 村山 喜一君
山中 吾郎君 横路 孝弘君
荒木 宏君 小林 政子君
坂口 力君 広沢 直樹君
内海 清君 竹本 孫一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 大平 正芳君
出席政府委員
大蔵政務次官 森 美秀君
大蔵大臣官房審
議官 旦 弘昌君
大蔵省主税局長 中橋敬次郎君
大蔵省銀行局長 高橋 英明君
国税庁次長 磯辺 律男君
国税庁直税部長 横井 正美君
委員外の出席者
農林省構造改善
局農政部農政課
長 関谷 俊作君
大蔵委員会調査
室長 末松 経正君
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委員の異動
三月四日
辞任 補欠選任
瓦 力君 綿貫 民輔君
広沢 直樹君 矢野 絢也君
同日
辞任 補欠選任
綿貫 民輔君 瓦 力君
矢野 絢也君 広沢 直樹君
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三月一日
企業組合に対する課税の適正化に関する請願
(塩川正十郎君紹介)(第一〇一五号)
同(山本幸一君紹介)(第一〇五二号)
同(坂口力君紹介)(第一一四七号)
中小企業に対する減税措置等に関する請願外一
件(近江巳記夫君紹介)(第一〇五三号)
住宅ローンの緩和に関する請願(松澤雄藏君紹
介)(第一〇九一号)
土地譲渡所得重課制度の運用に関する請願(松
澤雄藏君紹介)(第一〇九二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
七号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
八号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二二号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二号)
————◇—————
上
上村千一郎#1
○上村委員長 これより会議を開きます。
所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。竹本孫一君。
この発言だけを見る →所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。竹本孫一君。
竹
竹本孫一#2
○竹本委員 きょうはひとついろいろと伺ってみたいと思うのですが、最初に私の三木内閣に対する見方をちょっと申し上げて、森政務次官からも御意見を聞きたいと思うのです。
それは、田中内閣崩壊の後を受けて三木内閣ができまして、三木内閣にわれわれはある程度の期待も持っておるわけでございますけれども、その三木内閣が現実に政治を担当しておる過程の中においては、ばらばらが非常に目立つということであります。だから、新聞等においては、批判的な意味で、総理も二人おるではないか、総裁も二人おるではないか、大蔵大臣も二人おるではないか、幹事長も二人おるではないかといったような批判もある。私は、政治で一番大事なものは先見性と指導性、こう思うのです。まあ先見性についてはいろいろばらつきがあっても仕方がないが、しかしその内閣の指導性というものは、それ自身一元的に行われなければ意味がない。そういう意味で、三木内閣において一番残念に思うことは、一元的な姿勢というものが確立されていないのではないかというふうに思います。これはしかし政治論でございまして、きょう特に論議しようとは思いませんけれども、そういう印象を持っておるということをまず第一に申し上げたい。
第二には、今度は政策面でございますけれども、政策面では、いま申し上げた点と関連しますけれども、全体の政策の整合性と申しますか、調和がとれて同じ方向に流れるということでなければならない。これは政策面での非常に重要な問題であると思います。
ところが、この面においても、たとえば税で申しましても、事業主報酬といったような問題について、国の方では先般いろいろ御努力をいただいて、ある成果を得たのでありますが、地方税の個人事業税の場合にはそうなっていない。国と地方、大蔵省と自治省というものの間に、全く同じ事業主を見るのに見方が違うというような点は非常におかしい。そういう意味で、もう少し内閣の部内の考え方のコンセンサスを得て一元化をされたらどうかというふうに思うわけであります。
きょうは、実は私は農協に関係したこともありますので、まず農業生産法人のことについて若干質問をしてみたいと思うのですけれども、この場合にも、一体、農業生産法人というものは大いにこれから奨励していくのか、あるいはどうなってもいいのだというような構えの税制を考えるのかという点について、整合性があるかどうかということを少し検討してみたい、かように思うわけであります。
そういう意味から、まず質問をする第一は、森政務次官にひとつお伺いしますけれども、いま私が申し上げたように、政治の面、行政の面、政策の面、いろいろ問題が多いのですけれども、少なくとも施策の面、行政の面では、全体として三木内閣に関する限り一元的な一つの方向を見定めていくべきである、その整合性というものが一番大事であると思うけれども、この点について政務次官のお考えを簡単に承っておきたい。
この発言だけを見る →それは、田中内閣崩壊の後を受けて三木内閣ができまして、三木内閣にわれわれはある程度の期待も持っておるわけでございますけれども、その三木内閣が現実に政治を担当しておる過程の中においては、ばらばらが非常に目立つということであります。だから、新聞等においては、批判的な意味で、総理も二人おるではないか、総裁も二人おるではないか、大蔵大臣も二人おるではないか、幹事長も二人おるではないかといったような批判もある。私は、政治で一番大事なものは先見性と指導性、こう思うのです。まあ先見性についてはいろいろばらつきがあっても仕方がないが、しかしその内閣の指導性というものは、それ自身一元的に行われなければ意味がない。そういう意味で、三木内閣において一番残念に思うことは、一元的な姿勢というものが確立されていないのではないかというふうに思います。これはしかし政治論でございまして、きょう特に論議しようとは思いませんけれども、そういう印象を持っておるということをまず第一に申し上げたい。
第二には、今度は政策面でございますけれども、政策面では、いま申し上げた点と関連しますけれども、全体の政策の整合性と申しますか、調和がとれて同じ方向に流れるということでなければならない。これは政策面での非常に重要な問題であると思います。
ところが、この面においても、たとえば税で申しましても、事業主報酬といったような問題について、国の方では先般いろいろ御努力をいただいて、ある成果を得たのでありますが、地方税の個人事業税の場合にはそうなっていない。国と地方、大蔵省と自治省というものの間に、全く同じ事業主を見るのに見方が違うというような点は非常におかしい。そういう意味で、もう少し内閣の部内の考え方のコンセンサスを得て一元化をされたらどうかというふうに思うわけであります。
きょうは、実は私は農協に関係したこともありますので、まず農業生産法人のことについて若干質問をしてみたいと思うのですけれども、この場合にも、一体、農業生産法人というものは大いにこれから奨励していくのか、あるいはどうなってもいいのだというような構えの税制を考えるのかという点について、整合性があるかどうかということを少し検討してみたい、かように思うわけであります。
そういう意味から、まず質問をする第一は、森政務次官にひとつお伺いしますけれども、いま私が申し上げたように、政治の面、行政の面、政策の面、いろいろ問題が多いのですけれども、少なくとも施策の面、行政の面では、全体として三木内閣に関する限り一元的な一つの方向を見定めていくべきである、その整合性というものが一番大事であると思うけれども、この点について政務次官のお考えを簡単に承っておきたい。
森
森美秀#3
○森(美)政府委員 竹本委員のおっしゃるように、やはり政治というものはすべて調和がとれて進んでいかなければならないものと考えております。そういう意味におきまして、農業もあるいは中小企業も、そういったものを含めて不公平のないような政治になっていくことが正しい道と確信しております。
この発言だけを見る →竹
竹本孫一#4
○竹本委員 農林省の方に次に伺いたいのだけれども、農業生産法人というものはいかなる目的でつくったか、それから構成要件はどんなものであるか、簡単明瞭に御答弁を願いたい。
この発言だけを見る →関
関谷俊作#5
○関谷説明員 農業生産法人という制度ができましたのは昭和三十七年でございますが、もともと農業基本法の中に「協業の助長」という規定がございまして、農民が農地と労力を持ち寄って協同して農業を営むことができる組織をつくって、その育成を図るべきである、こういう規定がございます。それに従いまして、三十七年に農地法の改正を設けたわけでございます。
要件としましては、組織形態としましては、農協法によります農事組合法人、それから有限会社法によります有限会社、それから商法によります合名会社または合資会社、この四つの形態のいずれかであるということが第一でございます。それから、農業及びその付帯業務に限り営むものである、簡単に言えば農業専業法人であるということでございます。
そのほかに、農地法に書いてございます主な要件としましては、構成員は、一般に申しますと法人に農地を提供した者であるか、常時従事者であるか、そのいずれかでなければならぬ。それからもう一つは、役員のうちの過半数が農地提供者であり、かつ常時従事者である、この辺が主な要件として定められております。
この発言だけを見る →要件としましては、組織形態としましては、農協法によります農事組合法人、それから有限会社法によります有限会社、それから商法によります合名会社または合資会社、この四つの形態のいずれかであるということが第一でございます。それから、農業及びその付帯業務に限り営むものである、簡単に言えば農業専業法人であるということでございます。
そのほかに、農地法に書いてございます主な要件としましては、構成員は、一般に申しますと法人に農地を提供した者であるか、常時従事者であるか、そのいずれかでなければならぬ。それからもう一つは、役員のうちの過半数が農地提供者であり、かつ常時従事者である、この辺が主な要件として定められております。
竹
竹本孫一#6
○竹本委員 そうすると、やはり農業の零細化ということが一番大きな日本の悩みでありますから、協業によって力を合わせ、経営規模を拡大して生産の合理化を図るということが中心であり、そのために終始一貫農林省としては努力を傾けておる、かように理解してよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →関
竹
竹本孫一#8
○竹本委員 そこで、まず第一に、具体的な各論に入って伺いますが、租税特別措置法の一部を改正する法律案第七十条の六によりますと、納税猶予の特例を受ける者、すなわち農業相続人の要件というものは別に政令で定めるということになっておる。この場合に、別に定めるんであるからまだ私わかりませんけれども、その政令を定める場合の考え方をちょっと伺っておきたい。
たとえば、生前贈与の場合というようなものを考えてみますと、相続前に三年間農業を営んでいた者ということが一つの要件になっておる。そうすると、今度の場合も、別に定める政令の内容の問題になりますけれども、やはり大体そういう原則が考えられておるのか、考えられていないのかという点を伺いたいのです。
というのは、たとえば相続というものはおやじが死んで跡を相続するのですから、予定とか計画性というものがあり得るはずはない。そこで、農業をしているおやじさんがぽっこり死んでしまう、その場合に跡を継ぎたいという場合、普通に言えばもちろんいままで農業をやっている人が跡を継ぐのが常識でありますが、そうでない場合がある。たとえばどこかで、隣の県に行って学校の先生をやっておる、しかしおやじも死んだんだからここでひとつ決心をして自分は後田舎に帰って農業をやろうという人だってあり得ると思うのですね。
しかし、その場合に、いま申しましたように、一律に生前贈与の場合と同じように相続前に三年間農業を営んでいた者というような条件がつくと、その学校の先生は田舎に帰って跡を受け継いで百姓をやろうと思っても、仮に農業を営む意思と能力があっても、この特例の適用は受けられないということになる。そういう心配があるから、一体別に定める政令はどういう内容になるか、その政令の内容の概略と、いま申し上げておるように三年間の要件というものがその中に考えられておるのかいないのか、その点をはっきり聞きたい。農林省はまたそれに対してどういうお考えであるかを伺いたい。
この発言だけを見る →たとえば、生前贈与の場合というようなものを考えてみますと、相続前に三年間農業を営んでいた者ということが一つの要件になっておる。そうすると、今度の場合も、別に定める政令の内容の問題になりますけれども、やはり大体そういう原則が考えられておるのか、考えられていないのかという点を伺いたいのです。
というのは、たとえば相続というものはおやじが死んで跡を相続するのですから、予定とか計画性というものがあり得るはずはない。そこで、農業をしているおやじさんがぽっこり死んでしまう、その場合に跡を継ぎたいという場合、普通に言えばもちろんいままで農業をやっている人が跡を継ぐのが常識でありますが、そうでない場合がある。たとえばどこかで、隣の県に行って学校の先生をやっておる、しかしおやじも死んだんだからここでひとつ決心をして自分は後田舎に帰って農業をやろうという人だってあり得ると思うのですね。
しかし、その場合に、いま申しましたように、一律に生前贈与の場合と同じように相続前に三年間農業を営んでいた者というような条件がつくと、その学校の先生は田舎に帰って跡を受け継いで百姓をやろうと思っても、仮に農業を営む意思と能力があっても、この特例の適用は受けられないということになる。そういう心配があるから、一体別に定める政令はどういう内容になるか、その政令の内容の概略と、いま申し上げておるように三年間の要件というものがその中に考えられておるのかいないのか、その点をはっきり聞きたい。農林省はまたそれに対してどういうお考えであるかを伺いたい。
中
中橋敬次郎#9
○中橋政府委員 今回の農地の相続税納税猶予制度につきまして農業を営むということを条件にいたしておりますが、その者につきまして、いまおっしゃいましたように、生前一括贈与の場合のような制限は付さない予定でございます。その理由は、いままさに竹本委員がおっしゃいましたように、相続というのはまさに予期しない突然の出来事でございますから、生前贈与の場合は過去におきまして三年間なら三年間農業の経験を有する人というのを条件にいたしておりましたが、今回の制度につきましてはそういう条件を設けない予定でございます。
この発言だけを見る →関
竹
竹本孫一#11
○竹本委員 これはそういう制限をつけないということで安心をしました。
第二に、今度は対象を個人に限定するという問題なんですが、農地等についての相続税の納税猶予制度の特例というものは、適用の対象を個人に限定して、かつ農業を継続するということが要件になっておるというふうに理解をいたします。そうすると、特例を受ける農地等の二割以上を譲渡、転用したり、他人に貸した場合には、農業継続の意思がないと見て、その時点で徴収猶予を打ち切るということになっているわけですね。そういう場合にこういうことがありはしないかと思うのですね。
農家が特例の適用を受けて、それからその直後にでもいまの生産法人その他の協同化をやるといった農業生産法人化してしまうというような場合には、その時点で今度特例はもうだめだということになるのではないかという心配をするわけです。そういう心配はする必要があるかないかを伺いたいのです。もし、その時点で特例の適用を受けられないということになれば、いま申しました農業生産法人をせっかく長年の努力で盛り立てようというのに逆に行くということになりはしないかという点が一つ。
それから、この点は特に農林省に伺いたいんだけれども、農業生産法人というものは、先ほど構成についていろいろお話がありましたけれども、これは農地と労働力を主体として経営されるもので、一つの自立経営の発展の延長線上のものである、だから全然別格なもので個人ではないんだというふうに規定するのは少し無理があるので、むしろ個人の経営の延長線の上にある行き方である、かように理解する方が本当ではないかということでありまして、したがって、一般的な共同化へ入っていったというような場合にも、ほかの会社か何かに持っていったのとは違いまして、農業生産法人に参加していくというような場合には、生産法人そのものが個人経営の延長線上のものであるということになれば、その特例をそこで打ち切るということでなくて、やはり特定の便宜を図ってやるべきではないかという意味で、生産法人に入っていった瞬間に特例を打ち切られるのか、それから、いま申しましたように、延長線上のものと考えて特別に配慮をするという用意があるのか、二つの点についてお伺いしたい。
この発言だけを見る →第二に、今度は対象を個人に限定するという問題なんですが、農地等についての相続税の納税猶予制度の特例というものは、適用の対象を個人に限定して、かつ農業を継続するということが要件になっておるというふうに理解をいたします。そうすると、特例を受ける農地等の二割以上を譲渡、転用したり、他人に貸した場合には、農業継続の意思がないと見て、その時点で徴収猶予を打ち切るということになっているわけですね。そういう場合にこういうことがありはしないかと思うのですね。
農家が特例の適用を受けて、それからその直後にでもいまの生産法人その他の協同化をやるといった農業生産法人化してしまうというような場合には、その時点で今度特例はもうだめだということになるのではないかという心配をするわけです。そういう心配はする必要があるかないかを伺いたいのです。もし、その時点で特例の適用を受けられないということになれば、いま申しました農業生産法人をせっかく長年の努力で盛り立てようというのに逆に行くということになりはしないかという点が一つ。
それから、この点は特に農林省に伺いたいんだけれども、農業生産法人というものは、先ほど構成についていろいろお話がありましたけれども、これは農地と労働力を主体として経営されるもので、一つの自立経営の発展の延長線上のものである、だから全然別格なもので個人ではないんだというふうに規定するのは少し無理があるので、むしろ個人の経営の延長線の上にある行き方である、かように理解する方が本当ではないかということでありまして、したがって、一般的な共同化へ入っていったというような場合にも、ほかの会社か何かに持っていったのとは違いまして、農業生産法人に参加していくというような場合には、生産法人そのものが個人経営の延長線上のものであるということになれば、その特例をそこで打ち切るということでなくて、やはり特定の便宜を図ってやるべきではないかという意味で、生産法人に入っていった瞬間に特例を打ち切られるのか、それから、いま申しましたように、延長線上のものと考えて特別に配慮をするという用意があるのか、二つの点についてお伺いしたい。
中
中橋敬次郎#12
○中橋政府委員 その点は、私どもいま検討課題と考えております。と申しますのは、竹本委員のおっしゃいましたように、農業生産法人も個人の農業経営の延長線そのままにあるというふうに割り切ってよろしいのかどうかということでございます。
それからもう一つ、農業生産法人の目的といたしておりますのは、まさにおっしゃいますように、経営の拡大化ということをねらっておると思いますが、その際に、経営の拡大化をやりますためにはどうしても所有と経営というものが分かれるということをある程度予測をいたしておるのが、この農業生産法人の制度ではないかという気がいたすわけでございます。
そういたしますと、今回の農地の相続税納税猶予制度といいますのは、やはり現実に農地を相続した人が農業をやるという、まさにそういうことを前提にいたしておるわけでございますから、はなはだしくその所有と経営が分かれてしまう、所有者だけの地位になり得る相続人、その相続しました農地につきまして今回の制度をどの程度適用したらよろしいのかという問題が実はあるわけでございます。おっしゃいますように、完全に個人の延長線上にあるという農業生産法人だけをつかまえることができますれば、私も全くお説のとおり、今回のたとえば二〇%の農地を売ったか売ってないかというような判断の際に、そういうものを除外するかどうかということも考え得ると思いますが、まさに所有主という地位だけに相続人がかわるというようなことがかなりあり得るとすれば、個人につきまして今回認めた制度の趣旨とはやや違ってくる心配もございまするので、おっしゃいましたようなことも兼ね合わせながら、いわば、おっしゃいますような個人の延長線上にあるような農業生産法人、しかも農業生産法人の目的に沿ったものへ農地を売りますというような場合を果たして限定できますかどうか、いま少し研究させていただきたいと思っておりますけれども、そういう線は十分今後の研究課題として政令段階までには決定いたしたいと思っております。
この発言だけを見る →それからもう一つ、農業生産法人の目的といたしておりますのは、まさにおっしゃいますように、経営の拡大化ということをねらっておると思いますが、その際に、経営の拡大化をやりますためにはどうしても所有と経営というものが分かれるということをある程度予測をいたしておるのが、この農業生産法人の制度ではないかという気がいたすわけでございます。
そういたしますと、今回の農地の相続税納税猶予制度といいますのは、やはり現実に農地を相続した人が農業をやるという、まさにそういうことを前提にいたしておるわけでございますから、はなはだしくその所有と経営が分かれてしまう、所有者だけの地位になり得る相続人、その相続しました農地につきまして今回の制度をどの程度適用したらよろしいのかという問題が実はあるわけでございます。おっしゃいますように、完全に個人の延長線上にあるという農業生産法人だけをつかまえることができますれば、私も全くお説のとおり、今回のたとえば二〇%の農地を売ったか売ってないかというような判断の際に、そういうものを除外するかどうかということも考え得ると思いますが、まさに所有主という地位だけに相続人がかわるというようなことがかなりあり得るとすれば、個人につきまして今回認めた制度の趣旨とはやや違ってくる心配もございまするので、おっしゃいましたようなことも兼ね合わせながら、いわば、おっしゃいますような個人の延長線上にあるような農業生産法人、しかも農業生産法人の目的に沿ったものへ農地を売りますというような場合を果たして限定できますかどうか、いま少し研究させていただきたいと思っておりますけれども、そういう線は十分今後の研究課題として政令段階までには決定いたしたいと思っております。
関
関谷俊作#13
○関谷説明員 生産法人の現行制度からしますと、昭和三十七年発足当時と、四十五年に改正がございましてから、そのことは若干趣を異にしておるわけでございます。といいますのは、先ほど要件を申し上げましたように、生産法人の構成員の中に農地提供者というものを認めておりますし、それから、役員の過半数が農地提供者であり、かつ常時従事者であるということで、土地の提供者という地位にとどまる社員と申しますか、構成員も認めるような制度になりましたものですから、そういう関係から、いまもお答えがございましたように、生産法人というものが従前の農地所有者あるいは経営者と完全に同一であると言えば失礼ですけれども、かなり異なった場合があるような法制になっておりますので、完全に延長線上にあるものだというふうには考えにくい。そこにある程度の弾力化を四十五年の改正でやったこともございますので、その点も含めながら、御指摘の問題は大蔵省とも協議しながら検討させていただきたいと考えます。
この発言だけを見る →竹
竹本孫一#14
○竹本委員 お考えはよくわかりました。
局長、要するに、これは所有と経営が分離してしまって、個人の経営の延長発展の姿ではないのだという場合も確かにあると思うのですね。しかし、そうでなくて、やはり自分で経営をして、常時農業に従事していくんだという意思と能力を持ってちゃんとやる場合もある。いろいろな場合が考えられると私は思うのです。私がいま言っているのは、そのまま継続して農業に従事していこうという意思のある場合にも、そうでない場合にも、同じような前提でやられては困るので、政令の場合にはきめ細かく配慮していただきたいということでございますから、その点をひとつよろしくお願いいたします。これはそういうことでいいですね。——それでは次に参ります。
第三番目は、これは私の空想かもしれないのだけれども、一応伺っておきたいのですが、農業生産法人には、先ほどお話しのようにいろいろな構成要件というものがありますね。そこで、今度の相続税の問題についても野党で、四千万円でいいのか悪いのかあるいは不十分なのかという点についていろいろ——政府とわれわれ少し意見が違うようでもありますので、そういう点も含めてこういう場合が想定できないかということでございますから、ちょっとお伺いをしたい。
農業生産法人の構成員であるおやじさんが死んだ、父親の持ち分といいますか、その持ち分が仮にきょうだい五人なら五人に移っていったというような場合に、土地は依然として農業生産法人として管理していくものだから、土地の分割とか経営の細分化という問題は一応ないというふうに私は理解する。
しかしながら、今度は税金の方で考えてみると、税金がかかる。その税金を支払うために長男がその土地を売った。売った相手のA、B、C、Dがサラリーマンであった。まあこれは普通の場合じゃないかもしれませんけれども、そういう場合だってあり得ると思うんですね。そうすると、いまの労働力要件とかその他の農業生産法人の要件に合わなくなる場合がありはしないか。農事組合法人の場合にもちゃんと五人なら五人という条件があるでしょう。そうすると、その土台が崩れてしまうという場合に、これは一体どういうことになるのか。
要するに私が言いたいことは、五人きょうだいが均分相続なら均分相続をする場合、他の四人が全部東京に出てきてサラリーマンになっておったという場合に、生産法人の要件がぐらついてしまうという場合があるかないか。これは農林省の方に聞きたい。
農業協同組合法第七十二条ですか、この場合には特定のみなし規定も持っているようで、その点に配慮があると思いますけれども、それらも含めて農業生産法人の要件を満たすことができなくなる場合が、五人きょうだいで、四人がサラリーマンという場合にありはしないか。それから、長男が税金を納めぬでいい場合はいいのだけれども、納めなければならぬというのでそれを売っちゃったという場合に、売った相手のA、B、C、Dがサラリーマンであったときには、農業生産法人の構成要件を欠くことになる場合がありはしないか。また、その二つを合わせて農業生産法人の条件が欠けるという場合がありはしないか。これは四千万円では十分でないではないかという問題とも関連して、そういう場合にせっかく農業生産法人を育て上げようというような従来の考え方と逆行する、先ほどの整合性を失うことになる心配はないかどうかということを大蔵省、農林省から聞きたい。
この発言だけを見る →局長、要するに、これは所有と経営が分離してしまって、個人の経営の延長発展の姿ではないのだという場合も確かにあると思うのですね。しかし、そうでなくて、やはり自分で経営をして、常時農業に従事していくんだという意思と能力を持ってちゃんとやる場合もある。いろいろな場合が考えられると私は思うのです。私がいま言っているのは、そのまま継続して農業に従事していこうという意思のある場合にも、そうでない場合にも、同じような前提でやられては困るので、政令の場合にはきめ細かく配慮していただきたいということでございますから、その点をひとつよろしくお願いいたします。これはそういうことでいいですね。——それでは次に参ります。
第三番目は、これは私の空想かもしれないのだけれども、一応伺っておきたいのですが、農業生産法人には、先ほどお話しのようにいろいろな構成要件というものがありますね。そこで、今度の相続税の問題についても野党で、四千万円でいいのか悪いのかあるいは不十分なのかという点についていろいろ——政府とわれわれ少し意見が違うようでもありますので、そういう点も含めてこういう場合が想定できないかということでございますから、ちょっとお伺いをしたい。
農業生産法人の構成員であるおやじさんが死んだ、父親の持ち分といいますか、その持ち分が仮にきょうだい五人なら五人に移っていったというような場合に、土地は依然として農業生産法人として管理していくものだから、土地の分割とか経営の細分化という問題は一応ないというふうに私は理解する。
しかしながら、今度は税金の方で考えてみると、税金がかかる。その税金を支払うために長男がその土地を売った。売った相手のA、B、C、Dがサラリーマンであった。まあこれは普通の場合じゃないかもしれませんけれども、そういう場合だってあり得ると思うんですね。そうすると、いまの労働力要件とかその他の農業生産法人の要件に合わなくなる場合がありはしないか。農事組合法人の場合にもちゃんと五人なら五人という条件があるでしょう。そうすると、その土台が崩れてしまうという場合に、これは一体どういうことになるのか。
要するに私が言いたいことは、五人きょうだいが均分相続なら均分相続をする場合、他の四人が全部東京に出てきてサラリーマンになっておったという場合に、生産法人の要件がぐらついてしまうという場合があるかないか。これは農林省の方に聞きたい。
農業協同組合法第七十二条ですか、この場合には特定のみなし規定も持っているようで、その点に配慮があると思いますけれども、それらも含めて農業生産法人の要件を満たすことができなくなる場合が、五人きょうだいで、四人がサラリーマンという場合にありはしないか。それから、長男が税金を納めぬでいい場合はいいのだけれども、納めなければならぬというのでそれを売っちゃったという場合に、売った相手のA、B、C、Dがサラリーマンであったときには、農業生産法人の構成要件を欠くことになる場合がありはしないか。また、その二つを合わせて農業生産法人の条件が欠けるという場合がありはしないか。これは四千万円では十分でないではないかという問題とも関連して、そういう場合にせっかく農業生産法人を育て上げようというような従来の考え方と逆行する、先ほどの整合性を失うことになる心配はないかどうかということを大蔵省、農林省から聞きたい。
関
関谷俊作#15
○関谷説明員 いまお尋ねのございましたようなことで、相続がありましたために、その相続人の中に、先ほど申し上げました生産法人の構成員の要件がございまして、これに該当しない者がある場合が生じ得るわけです。この関係は直接の農地と違いまして、持ち分の譲渡とか相続その自体はそれぞれ農協法なり有限会社法なり商法で起きるわけです。その結果としまして生産法人の要件に合わなくなる場合がございまして、農地法の体系の中では生産法人の要件を限定しております関係上、もしもその生産法人が存続しておるうちにいまの相続のような要因で要件が合わなくなるということがございますと、一定期間内に回復をさせることにしております。たとえばいまの例で申しますと、いわゆる資格者たる構成員の持ち分を移させる、そういうことで適格性を回復させるという措置がございます。それがどうしても一定期間内にできない場合には、制度としましては政府の買収規定が置かれております。
それからもう一つ、長男なりなんなりが土地を売るということが起きるのではないかというお尋ねでございますが、生産法人の場合には、その生産法人が土地を所有しておるかあるいは経営をしておるわけでございまして、権利を持っておりますので、そういう売却はできないわけです。また、売却をしようと思いましても、農地法の三条によります個々の許可制がありまして、生産法人の対象農地になっているものは許可できませんので、そういう関係からもお尋ねのもう一つの点のような事態は起こらないと思います。
この発言だけを見る →それからもう一つ、長男なりなんなりが土地を売るということが起きるのではないかというお尋ねでございますが、生産法人の場合には、その生産法人が土地を所有しておるかあるいは経営をしておるわけでございまして、権利を持っておりますので、そういう売却はできないわけです。また、売却をしようと思いましても、農地法の三条によります個々の許可制がありまして、生産法人の対象農地になっているものは許可できませんので、そういう関係からもお尋ねのもう一つの点のような事態は起こらないと思います。
竹
竹本孫一#16
○竹本委員 前半の方は、そういう心配はないように法的に整備してある、それから後の方は、売却ができないということですか。もし売却ができないというならば、その法律根拠はどこですか。
この発言だけを見る →関
関谷俊作#17
○関谷説明員 前者の生産法人の要件に合わなくなる場合というのは、相続を契機にして起きるわけです。それは、申し上げましたように、指導上の措置としまして、もとの要件を回復するように指導しまして、どうしてもできないということになりますと、農地法の十五条の二という規定がございまして、生産法人が初めは適格であったが後に不適格になったという場合には、その農地を政府が買収するということで、生産法人の適格要件を持たないものが存続することがないような規定を一応置いております。実際にはこの発動がされる前に指導措置によりまして、生産法人でないものが存続するということがないようなふうにやっておりますが、規定としてはそういうものがございます。
それから第二の点は、もともと生産法人の方が経営農地については所有権その他の権利を持っておるわけです。もともと長男等の構成員がその土地を売却するということは、民法上というか私法上できないわけです。仮にそれが起きましても、農地の売買等でございますので農地法の許可も要りますし、それは与えられない、こういうふうになっております。
この発言だけを見る →それから第二の点は、もともと生産法人の方が経営農地については所有権その他の権利を持っておるわけです。もともと長男等の構成員がその土地を売却するということは、民法上というか私法上できないわけです。仮にそれが起きましても、農地の売買等でございますので農地法の許可も要りますし、それは与えられない、こういうふうになっております。
竹
竹本孫一#18
○竹本委員 この問題はいまの御答弁で一応理解ができますので、次へ進んでまいります。
四番目は、農業投資価格という問題ですけれども、農地等についての今度の相続税の納税猶予制度、この場合の農業投資価格に関する租税特別措置法の規定を見ますと、規定がはなはだ不明確であるという点です。投資価格の決定に当たってはどういうふうな形を、あるいはどういうふうな方程式を持ってやられるのであろうかということであります。基準をもう少し具体的に明確にすべきではないかという点を伺うわけです。公共的にずっと農業の用に供される農地であって、他の目的に供するのではない、そういう見込みや思惑などはないということに今度の場合はなるのだろうと思うんだけれども、そう考えてよろしいか。
いままで農地を売るというのは、パーセンテージは知らないけれども、ほとんどの場合はむしろ宅地に売るとかなんとかいうような形で、農業以外の目的に使うということで売る。そうした意味の農地を売る相場というものは出ているわけですね。
ところが、今度はそれはだめだ、農地としてやるんだという農業投資価格を決める場合には、いままで農民から農民へ農地として売っていくという場合についての例が余りないんではないかと思うが、その例は十分にあって、それらの平均なら平均で国税局長はその農業投資価格というものを決めるのであるかどうかという問題であります。「通常成立すると認められる価格」はいかにして決めるのかという問題であります。過去の例があればよろしいが、しかし、ほとんど例がないんじゃないか、こう思うわけですね。そうすると、宅地に売る場合の例は幾らもあって、あの辺は坪何万円とかいうふうにわれわれも聞きますけれども、農民同士で売るというような例が余りないから私は聞くわけです。
それから、時間の関係であわせて聞きますけれども、やはりこれは収益還元価格といったような方式にでもよらなければ科学的な農業投資価格の算定方法がないじゃないか。それ以外に価格を決める方程式、基準となる考え方があるのかどうか。どうして農業の投資価格を決めるのか。国税局長が決めると言うんだけれども、国税局長が決めるに当たって基準となるべき枠がちゃんとなければいかぬ。そうしないと国税局長の独断になったり、各局長ごとに不公正、アンバランスが出たりする心配がある。そのアンバランスの心配はないかということと、決めるについて「通常成立する」といったことだけでは余りにも漠然たる決め方ではないか。その二つの点をひとつお伺いしたい。
この発言だけを見る →四番目は、農業投資価格という問題ですけれども、農地等についての今度の相続税の納税猶予制度、この場合の農業投資価格に関する租税特別措置法の規定を見ますと、規定がはなはだ不明確であるという点です。投資価格の決定に当たってはどういうふうな形を、あるいはどういうふうな方程式を持ってやられるのであろうかということであります。基準をもう少し具体的に明確にすべきではないかという点を伺うわけです。公共的にずっと農業の用に供される農地であって、他の目的に供するのではない、そういう見込みや思惑などはないということに今度の場合はなるのだろうと思うんだけれども、そう考えてよろしいか。
いままで農地を売るというのは、パーセンテージは知らないけれども、ほとんどの場合はむしろ宅地に売るとかなんとかいうような形で、農業以外の目的に使うということで売る。そうした意味の農地を売る相場というものは出ているわけですね。
ところが、今度はそれはだめだ、農地としてやるんだという農業投資価格を決める場合には、いままで農民から農民へ農地として売っていくという場合についての例が余りないんではないかと思うが、その例は十分にあって、それらの平均なら平均で国税局長はその農業投資価格というものを決めるのであるかどうかという問題であります。「通常成立すると認められる価格」はいかにして決めるのかという問題であります。過去の例があればよろしいが、しかし、ほとんど例がないんじゃないか、こう思うわけですね。そうすると、宅地に売る場合の例は幾らもあって、あの辺は坪何万円とかいうふうにわれわれも聞きますけれども、農民同士で売るというような例が余りないから私は聞くわけです。
それから、時間の関係であわせて聞きますけれども、やはりこれは収益還元価格といったような方式にでもよらなければ科学的な農業投資価格の算定方法がないじゃないか。それ以外に価格を決める方程式、基準となる考え方があるのかどうか。どうして農業の投資価格を決めるのか。国税局長が決めると言うんだけれども、国税局長が決めるに当たって基準となるべき枠がちゃんとなければいかぬ。そうしないと国税局長の独断になったり、各局長ごとに不公正、アンバランスが出たりする心配がある。そのアンバランスの心配はないかということと、決めるについて「通常成立する」といったことだけでは余りにも漠然たる決め方ではないか。その二つの点をひとつお伺いしたい。
中
中橋敬次郎#19
○中橋政府委員 いまおっしゃいました農業投資価格と申しますのは、確かに法文上は非常に抽象的な価格でございますが、現実には農業をやっておる人が農業をやっておるために若干の土地を欲しいということで、農業委員会のあっせんなどで取引をされておる事例がございます。そういうものをまずは参酌いたしますということでございますし、そういうことについて精通者がございまして、やはりある程度の金額というものがおよそ具体的にそれぞれの地域についてあるようでございます。
それから、そういった都市化の影響を余り受けていないいわゆる純農村におきましてそういった事例を集めまして、しかも今回の相続税法の改正で予定されております土地評価審議会というのを国税局ごとに設けるものでございますから、その中にもそういった面についての学識経験のある人も入っていただくことにいたしておりますので、御心配のように余りアンバランスというのは生じないのではないかというふうに考えております。
しかも、そういう価格でございますから、そう地域的に、現在の宅地化を前提といたしましたような価格とは違いまして、かなり広範囲にそう差がないものではないかというふうに予測をいたしております。もちろんそれは地理的条件というものが反映をいたしましょうから若干の差というのはございましょうけれども、現在のいわゆる宅地含みのような価格ほどには差異がないのではないかというふうに考えております。
それで、そういったときにいわゆる収益還元価格と一体どういうような関係になるのかということでございますけれども、私どもといたしますれば、やはりこの農業投資価格といいますのも、一般のいわゆる宅地含みの農地の価格も、純然たる宅地の価格も、すべて一律な評価方式で評価をいたしますとすれば、やはり何といいましても売買実例を基本にいたしました処分時価というのが一番公平のものではないかと思っておりますし、かつてもそういうことでやってまいりましたので、やはり今回の農業投資価格につきましても、収益還元価格方式で算定するつもりはないわけでございます。
ただ、そういうことでございますから、いまの固定資産税の評価額から見ましても実はそんなに高い価格というのは予想をされませんし、現実におきますところの相続税で純農地につきまして評価をいたしておる価格を見ましても、そんなに高いものとは予測はされないのが私どもの今日における農業投資価格の水準でございます。
この発言だけを見る →それから、そういった都市化の影響を余り受けていないいわゆる純農村におきましてそういった事例を集めまして、しかも今回の相続税法の改正で予定されております土地評価審議会というのを国税局ごとに設けるものでございますから、その中にもそういった面についての学識経験のある人も入っていただくことにいたしておりますので、御心配のように余りアンバランスというのは生じないのではないかというふうに考えております。
しかも、そういう価格でございますから、そう地域的に、現在の宅地化を前提といたしましたような価格とは違いまして、かなり広範囲にそう差がないものではないかというふうに予測をいたしております。もちろんそれは地理的条件というものが反映をいたしましょうから若干の差というのはございましょうけれども、現在のいわゆる宅地含みのような価格ほどには差異がないのではないかというふうに考えております。
それで、そういったときにいわゆる収益還元価格と一体どういうような関係になるのかということでございますけれども、私どもといたしますれば、やはりこの農業投資価格といいますのも、一般のいわゆる宅地含みの農地の価格も、純然たる宅地の価格も、すべて一律な評価方式で評価をいたしますとすれば、やはり何といいましても売買実例を基本にいたしました処分時価というのが一番公平のものではないかと思っておりますし、かつてもそういうことでやってまいりましたので、やはり今回の農業投資価格につきましても、収益還元価格方式で算定するつもりはないわけでございます。
ただ、そういうことでございますから、いまの固定資産税の評価額から見ましても実はそんなに高い価格というのは予想をされませんし、現実におきますところの相続税で純農地につきまして評価をいたしておる価格を見ましても、そんなに高いものとは予測はされないのが私どもの今日における農業投資価格の水準でございます。
竹
竹本孫一#20
○竹本委員 事例は大体十分にあるというお考え、それを審議会あたりでも参考にしながらやれるではないかと言われるのだけれども、農林省、どうですか。そういう事例というものは全国に大体必要にして十分なだけあり得るかという点が一つ。
それから、ついでに農林省に聞きたいのは、収益還元方式はとらないといういまの主税局長の意見だけれども、その点について、農業投資価格というものはどうも私はぴんと来ないのだけれども、農林省はどういうふうに見ておられるか、二つの点。
この発言だけを見る →それから、ついでに農林省に聞きたいのは、収益還元方式はとらないといういまの主税局長の意見だけれども、その点について、農業投資価格というものはどうも私はぴんと来ないのだけれども、農林省はどういうふうに見ておられるか、二つの点。
関
関谷俊作#21
○関谷説明員 農地の売買の状況でございますが、これは大体農業目的と申しますか、農地を農地として所有権の移転が有償でなされておりますのが、現在全国で年間七万ヘクタールございます。それから、転用目的のものが六万から七万ヘクタールぐらいございます。ただし、価格の方ということになりますと、農業目的で、農地法で申しますと第三条ということになりますが、農地の取引の価格という状況を見ますと、これは実際にその価格調査の結果を見ますとかなり高いものがございます。それがそのまま農業専用の価格であるというふうには——いわゆる転用価格の影響をかなり受けた相当高いものになっております。
ちなみに全国水準では、耕作目的の価格は、全国農業会議所調査で、四十八年で水田が百八十八万五千円、市街化区域内ということになりますと、六百万円を超えるような高い調査結果が出ております。いずれも十アール当たりの価格でございます。
それから、農業投資価格あるいは収益還元の問題につきましては、その農業収益というものから一種の理想地価を導き出すという考え方ないし議論というのはあるわけでございますけれども、実際問題として申しますと、同じ農地でも収益の算定の仕方というものは非常に異なるわけでございまして、畑にしても田にしてもかなり収益性の異なる作物が作付可能でございますし、それから収益の導き出し方、あるいはその収益から地価に持っていく還元の仕方、これはなかなか実際問題としても非常にむずかしいということもございまして、そういう地価を導き出す意味での技術面の問題というのが非常に大きいのではないかというふうに考えておりまして、農業投資価格というのは、この法文にも書いてございますように、将来とも農地として使う、恒久的に使うというような場合に成立する価格でございますので、おのずから全体的にはその地域の農業収益というものに対応した価格がそこに出てくる、こういうことになるという意味では、収益還元価格そのものを算定する技術上の困難等を考えますと、農業投資価格の中に農業収益というものがおのずから反映された価格がそこに実現するだろう、こういう考え方ではなかろうかと思います。
この発言だけを見る →ちなみに全国水準では、耕作目的の価格は、全国農業会議所調査で、四十八年で水田が百八十八万五千円、市街化区域内ということになりますと、六百万円を超えるような高い調査結果が出ております。いずれも十アール当たりの価格でございます。
それから、農業投資価格あるいは収益還元の問題につきましては、その農業収益というものから一種の理想地価を導き出すという考え方ないし議論というのはあるわけでございますけれども、実際問題として申しますと、同じ農地でも収益の算定の仕方というものは非常に異なるわけでございまして、畑にしても田にしてもかなり収益性の異なる作物が作付可能でございますし、それから収益の導き出し方、あるいはその収益から地価に持っていく還元の仕方、これはなかなか実際問題としても非常にむずかしいということもございまして、そういう地価を導き出す意味での技術面の問題というのが非常に大きいのではないかというふうに考えておりまして、農業投資価格というのは、この法文にも書いてございますように、将来とも農地として使う、恒久的に使うというような場合に成立する価格でございますので、おのずから全体的にはその地域の農業収益というものに対応した価格がそこに出てくる、こういうことになるという意味では、収益還元価格そのものを算定する技術上の困難等を考えますと、農業投資価格の中に農業収益というものがおのずから反映された価格がそこに実現するだろう、こういう考え方ではなかろうかと思います。
竹
竹本孫一#22
○竹本委員 事例はある程度あるようでございますからそれでいいとして、しかしその場合でも、いままでというものは、結局農民から農民に移った場合でも、確かにそれは当面農業を経営するという意味で買うのでしょうけれども、なにそのうちにまた法も変わり世の中も変わるから、いまの何倍で売れるかもしれぬという思惑なりあるいは見通しという要素が入っているとぼくは思うのですね、いまの場合は。非常に山奥のどこをどう考えてもどうにもならぬという場合もあるでしょうが、しかし、それだってまたここへ道路が敷かれて急に宅地になる場合もあるだろうし、とにかく土地は値上がりするものだという信念をみんなが持っている。そういう意味で、農地が農民から農民へ農地として売られるのだといった場合でも、これはやっぱりプラスアルファの投機的要素というか思惑的要素といいますか、そういう要素が入っている。したがって、農業投資価格というものを厳格に考えれば、やはり将来いわゆる半永久的というか、永久的に農業をやるという場合とは少し違ったプラスアルファがあるじゃないかという点を一つ心配する。
それから、収益還元方式によらないでという、したがって、そういう場合にその辺の事例を見たりする場合には、いまのプラスアルファをみんな認めていかなければならぬという問題が出てくるのではないか。結局そういう点のプラスアルファをどう処置していかれるつもりであるかという点をもうちょっと聞きたい。
それからもう一つは、今度具体的に農業投資価格というものの基準は審議会にかかると言うのだけれども、土地評価を審議会でやる場合にも、何かその方程式というか基準が要ると思うのですね。そういう基準というものは、政令によるか通達によるか、何かお示しになるのであるかどうか。それから、示されるとするならばどういう示し方をされる用意であるか。その点を伺いたい。
この発言だけを見る →それから、収益還元方式によらないでという、したがって、そういう場合にその辺の事例を見たりする場合には、いまのプラスアルファをみんな認めていかなければならぬという問題が出てくるのではないか。結局そういう点のプラスアルファをどう処置していかれるつもりであるかという点をもうちょっと聞きたい。
それからもう一つは、今度具体的に農業投資価格というものの基準は審議会にかかると言うのだけれども、土地評価を審議会でやる場合にも、何かその方程式というか基準が要ると思うのですね。そういう基準というものは、政令によるか通達によるか、何かお示しになるのであるかどうか。それから、示されるとするならばどういう示し方をされる用意であるか。その点を伺いたい。
中
中橋敬次郎#23
○中橋政府委員 いまお話しのように、確かに農家と農家の間におきますところの農地の売買につきましても、プラスアルファ的な要素はあると思います。特に私どもが承知しました事例でも、たとえば農地が道路に収用されてしまって財源としては非常に高いものを得た農家がそれの代替地として農地を買う場合というような場合には、そういうプラスアルファ的な価格というのは確かにあると思います。しかし、今回の農業投資価格といいまするのは、純然と農家がその農業経営を拡張するという意味だけにおきまして取得しました場合、しかも大体今日の例で申しますと農業委員会等がその間に入りましてあっせんをいたしておりまするので、私どもでいままで調べた事例で見ましても、実はそんなに高くありませんし、そんなに開いてもいないような価格のようでございます。したがって、御心配のそういうプラスアルファの要素が入っておるものというのは、できるだけ排除しなければならないと思っております。
それから、そういうものを見出すために、今後国税庁はもちろん国税局をいろいろ統一をとるために指導いたさなければならないと思います。この相続税法を成立させていただければ一番早くその仕事が始まるわけでございまするので、まずは土地評価審議会の構成メンバーとしましても、関係行政機関の職員としましても、たとえば地方農政局の職員の人に入っていただくとか、先ほど申しましたように、学識経験者としましても都道府県の農業会議の人に入っていただくとか、そういうようなことで、おそらくそちらの方々も全国的な物の見方という統一を図られましょうし、国税庁としましてもいまお示しのようなプラスアルファを排除するような方式というのを、今後できるだけ全国的に確保するように通達をすると思っております。
この発言だけを見る →それから、そういうものを見出すために、今後国税庁はもちろん国税局をいろいろ統一をとるために指導いたさなければならないと思います。この相続税法を成立させていただければ一番早くその仕事が始まるわけでございまするので、まずは土地評価審議会の構成メンバーとしましても、関係行政機関の職員としましても、たとえば地方農政局の職員の人に入っていただくとか、先ほど申しましたように、学識経験者としましても都道府県の農業会議の人に入っていただくとか、そういうようなことで、おそらくそちらの方々も全国的な物の見方という統一を図られましょうし、国税庁としましてもいまお示しのようなプラスアルファを排除するような方式というのを、今後できるだけ全国的に確保するように通達をすると思っております。
竹
竹本孫一#24
○竹本委員 農業生産法人に対する質問は以上で終わりますから、農林省はもう結構です。
若干時間がまだありますから、今度は向きを変えまして、富裕税の問題を少しそれではやりましょう。
富裕税の問題につきましては、私が愛知大蔵大臣に質問をして、大臣は相当前向きの答弁をされました。非常に意欲的なものを感じた。その後も私、別の機会にその問題に触れたことがありますが、大蔵大臣が大平さんにかわりまして、また私は早速この問題について質問をいたしたことがあります。そうしますと、大平さんの答弁並びに現主税局長の答弁はきわめて消極的である、あるいは否定的であるというふうに思うのです。しかし、その言われておるところをつぶさに検討してみますと、ごもっともな点も確かにあります。そういう意味できょうはもう少し具体的、実質的にひとつ質問をしてみたいと思うのです。
第一点は、富裕税については、執行上の困難性がある、不表現資産の把握が困難であるということを理由に、幾ら気張ってみてもつかまえどころがないのだ、そしてつかまえたやつとつかまえないやつとの間に非常な不公正がかえってできる、だから富裕税というのは困るのだ、あるいはそう簡単に踏み切れないのだということをおっしゃっているように私は受け取るわけであります。この点は大蔵大臣も主税局長も同じように言っておられると思うのですけれども、しかし、この点については、昭和二十五年にやったときにもすでに問題があった。そしてまた、そのときにもすでにそれに対する対応の仕方をいろいろ頭のいいところで大蔵省は考え出しておる。それでどこが不十分なのかということが私はよくわからない。
たとえば、法人の株主または出資に関する各人別の調書及びその債務に関する債権者別の調書、次に、信託財産または信託の権利に関する受益者別の調書、次には、払い込み保険料または無尽掛金の各人別調書、さらに次には、預金、貯金、積み金、寄託金等の各人別調書を毎年税務署長に提出しなければならないということに旧富裕税法第三十六条になっておったと思うのですね。でありますから、その調書が出ないということで把握が困難だと言われるのか、あるいはもっとほかの調書もやらなければならぬのか、そこまでは手が回らぬという意味で執行上の困難性があるというふうに言われるのであるか、私はその点をまず最初に伺いたい。
次に、関連して一緒に申し上げますが、記載したものにでたらめを書くということもあり得ると思うのですね。そういうものに対しては今度は過怠税というか何というか、適当な制裁を考えるというようなことによって、もしそういう問題が非常に大きな理由の一つになっておるならば、過怠税をぶっかけるということでそれに対応する対策を講ずることもできるではないか。
それから、これはむしろ銀行局の方で、この前もここでも問題になりましたけれども、無記名預金制度というのがある。これがまた大きながんであるというふうに思いますが、この無記名預金制度というものは一遍になくすることもできないということもよくわかりますけれども、方向とすれば、それはだんだんに廃止するというような方向になるのではないか。そういうことも含めてみれば、執行上の困難があるから富裕税はてんで問題にならないというような御答弁であったと思うけれども、もう少し真剣に、もう少し前向きに検討すべきではないか。東大の金子教授のごときは、富裕税の税務執行面におけるいろいろの問題点については、コンピューターの導入ということによって問題の解決が相当前進するではないかということも言っておるようであるが、その点はどうか。
以上の各点についてひとつ詳細に、わかりやすく、どうしても執行上の困難でできないのか、あるいは腹を決めてやる気になればできるんだ、やるかやらないかは別の問題であって、執行上の事務的、技術的な条件であたかもこれができないような言い方をされるということははなはだ迷惑である。ここはどうですか。
この発言だけを見る →若干時間がまだありますから、今度は向きを変えまして、富裕税の問題を少しそれではやりましょう。
富裕税の問題につきましては、私が愛知大蔵大臣に質問をして、大臣は相当前向きの答弁をされました。非常に意欲的なものを感じた。その後も私、別の機会にその問題に触れたことがありますが、大蔵大臣が大平さんにかわりまして、また私は早速この問題について質問をいたしたことがあります。そうしますと、大平さんの答弁並びに現主税局長の答弁はきわめて消極的である、あるいは否定的であるというふうに思うのです。しかし、その言われておるところをつぶさに検討してみますと、ごもっともな点も確かにあります。そういう意味できょうはもう少し具体的、実質的にひとつ質問をしてみたいと思うのです。
第一点は、富裕税については、執行上の困難性がある、不表現資産の把握が困難であるということを理由に、幾ら気張ってみてもつかまえどころがないのだ、そしてつかまえたやつとつかまえないやつとの間に非常な不公正がかえってできる、だから富裕税というのは困るのだ、あるいはそう簡単に踏み切れないのだということをおっしゃっているように私は受け取るわけであります。この点は大蔵大臣も主税局長も同じように言っておられると思うのですけれども、しかし、この点については、昭和二十五年にやったときにもすでに問題があった。そしてまた、そのときにもすでにそれに対する対応の仕方をいろいろ頭のいいところで大蔵省は考え出しておる。それでどこが不十分なのかということが私はよくわからない。
たとえば、法人の株主または出資に関する各人別の調書及びその債務に関する債権者別の調書、次に、信託財産または信託の権利に関する受益者別の調書、次には、払い込み保険料または無尽掛金の各人別調書、さらに次には、預金、貯金、積み金、寄託金等の各人別調書を毎年税務署長に提出しなければならないということに旧富裕税法第三十六条になっておったと思うのですね。でありますから、その調書が出ないということで把握が困難だと言われるのか、あるいはもっとほかの調書もやらなければならぬのか、そこまでは手が回らぬという意味で執行上の困難性があるというふうに言われるのであるか、私はその点をまず最初に伺いたい。
次に、関連して一緒に申し上げますが、記載したものにでたらめを書くということもあり得ると思うのですね。そういうものに対しては今度は過怠税というか何というか、適当な制裁を考えるというようなことによって、もしそういう問題が非常に大きな理由の一つになっておるならば、過怠税をぶっかけるということでそれに対応する対策を講ずることもできるではないか。
それから、これはむしろ銀行局の方で、この前もここでも問題になりましたけれども、無記名預金制度というのがある。これがまた大きながんであるというふうに思いますが、この無記名預金制度というものは一遍になくすることもできないということもよくわかりますけれども、方向とすれば、それはだんだんに廃止するというような方向になるのではないか。そういうことも含めてみれば、執行上の困難があるから富裕税はてんで問題にならないというような御答弁であったと思うけれども、もう少し真剣に、もう少し前向きに検討すべきではないか。東大の金子教授のごときは、富裕税の税務執行面におけるいろいろの問題点については、コンピューターの導入ということによって問題の解決が相当前進するではないかということも言っておるようであるが、その点はどうか。
以上の各点についてひとつ詳細に、わかりやすく、どうしても執行上の困難でできないのか、あるいは腹を決めてやる気になればできるんだ、やるかやらないかは別の問題であって、執行上の事務的、技術的な条件であたかもこれができないような言い方をされるということははなはだ迷惑である。ここはどうですか。
中
中橋敬次郎#25
○中橋政府委員 執行上の問題でございますから、もちろん仮にそういう税目を実施しなければならないという事態になりますれば、あらゆる努力を公正な執行の確保という点から考えてみなければならないことはおっしゃるとおりでございます。ただ、そうしました場合にも、やはり執行上どの程度その公正さが円滑に実施、確保できるかという危惧を持っておりますので、執行上の難点としていろいろ申し上げたわけでございます。
それで、確かにおっしゃいますように、もちろん過去におきましても、いまお話しのように、調書というものでできるだけ税務署が把握しやすいような体制というものをとりましたし、おそらくそういうことも、おっしゃいますような事態になれば必要になることはもちろんでございます。しかし、そのときにやはり一番問題になりますのは、いま御指摘になりましたように、一つは無記名の問題がございます。それで、無記名はもちろん預金もございますけれども、無記名の債券もございますから、預金といたしましては、いまの預金の総量の中で無記名預金というものの占める地位はそんなに高くはございませんから、むしろ問題は無記名債券の存在ということではないかというふうに思います。
それから、むしろそれを上回りまして、これもおっしゃいましたように、架空名義によりましていろいろなそういった資産を保有されるという心配、これはあに富裕税の問題に限りませんで、現にわれわれが前々から申し上げておりますように、今日の所得税におきましても非常に悩んでおる問題でございます。これを一体どういうふうにすれば公正な真実の資産所有というものを把握できるか、その道を今後ともわれわれとして研究をしなければならないと思っております。確かに真実の所有者を発見するためには税務官吏をふやすことだけによりましては解決しない問題でございまして、これは制度の問題としまして、預金を受け入れする側、現実に預金をする側の、またそういった総合的な制度としまして、なるべくはそういう架空名義の存在を許さないというような方途を講じなければならないと思っております。
それから、コンピューターというお話もございました。確かにコンピューターと申しますのはそういう架空名義の存在をできるだけ小さくすることによりまして、しかもいまお話しのように、調書をできるだけ正確に出してもらいました暁において、それをコンピューターによってできるだけ簡易に名寄せをするということが税務官署で行われればよいわけでございますが、それには前提として、私が申しましたように、架空名義の存在、無記名の存在がなくなるということがまず第一に必要となるわけでございます。
それには制裁も確かに一つの道でございますけれども、制裁ではなかなかこういった問題は十分解明できないという悩みを私どもは持っております。今日の個人の所得税、法人税におきまして大きな脱税というのがわかるということは、やはり制裁でございませんで、何らかの端緒からそういった架空名義等で隠匿された財産を発見することが大きな手がかりでございますから、制裁でもって十分の公正さを確保できるというには、むしろその前提条件を固めることによりまして、それから本当に九十九人がそれを守っていただいて、あと一人というような段階になって初めて制裁の威力が非常に効いてくるんだろうと思います。
そういういろいろなことを考えますれば、私どもがいま所得税で悩んでおる問題、そういうものがさらに富裕税におきましてはより一層顕在化してまいりますので、そういう点が私どもの今後勉強しなければならない執行上の問題だというふうに申し上げてきたわけでございます。
この発言だけを見る →それで、確かにおっしゃいますように、もちろん過去におきましても、いまお話しのように、調書というものでできるだけ税務署が把握しやすいような体制というものをとりましたし、おそらくそういうことも、おっしゃいますような事態になれば必要になることはもちろんでございます。しかし、そのときにやはり一番問題になりますのは、いま御指摘になりましたように、一つは無記名の問題がございます。それで、無記名はもちろん預金もございますけれども、無記名の債券もございますから、預金といたしましては、いまの預金の総量の中で無記名預金というものの占める地位はそんなに高くはございませんから、むしろ問題は無記名債券の存在ということではないかというふうに思います。
それから、むしろそれを上回りまして、これもおっしゃいましたように、架空名義によりましていろいろなそういった資産を保有されるという心配、これはあに富裕税の問題に限りませんで、現にわれわれが前々から申し上げておりますように、今日の所得税におきましても非常に悩んでおる問題でございます。これを一体どういうふうにすれば公正な真実の資産所有というものを把握できるか、その道を今後ともわれわれとして研究をしなければならないと思っております。確かに真実の所有者を発見するためには税務官吏をふやすことだけによりましては解決しない問題でございまして、これは制度の問題としまして、預金を受け入れする側、現実に預金をする側の、またそういった総合的な制度としまして、なるべくはそういう架空名義の存在を許さないというような方途を講じなければならないと思っております。
それから、コンピューターというお話もございました。確かにコンピューターと申しますのはそういう架空名義の存在をできるだけ小さくすることによりまして、しかもいまお話しのように、調書をできるだけ正確に出してもらいました暁において、それをコンピューターによってできるだけ簡易に名寄せをするということが税務官署で行われればよいわけでございますが、それには前提として、私が申しましたように、架空名義の存在、無記名の存在がなくなるということがまず第一に必要となるわけでございます。
それには制裁も確かに一つの道でございますけれども、制裁ではなかなかこういった問題は十分解明できないという悩みを私どもは持っております。今日の個人の所得税、法人税におきまして大きな脱税というのがわかるということは、やはり制裁でございませんで、何らかの端緒からそういった架空名義等で隠匿された財産を発見することが大きな手がかりでございますから、制裁でもって十分の公正さを確保できるというには、むしろその前提条件を固めることによりまして、それから本当に九十九人がそれを守っていただいて、あと一人というような段階になって初めて制裁の威力が非常に効いてくるんだろうと思います。
そういういろいろなことを考えますれば、私どもがいま所得税で悩んでおる問題、そういうものがさらに富裕税におきましてはより一層顕在化してまいりますので、そういう点が私どもの今後勉強しなければならない執行上の問題だというふうに申し上げてきたわけでございます。
竹
竹本孫一#26
○竹本委員 いまの御答弁の中に重要な問題が幾つかあると思うので、少し分けて今度は伺いますが、まず第一点は、政治的に、たとえばいまのインフレにおけるストックの不公正の問題といったような角度等も大事だと私は思うんだけれども、そういう問題で三木内閣なら三木内閣がこれをやるということになれば、政治的にそういうことが行われなければならぬあるいは行うという事態になれば、事務当局としてはできるだけ公正にそれがやれるようにいろいろな配慮をしなければならぬ、こういう御答弁であったと思うのです。
ということは、裏をひっくり返せば、技術的、事務的に富裕税というものはできないんだということで政治的なそういう動きあるいは政治的な決定をさせないとか、それはだめなんだとか、そういうことはないんだ。政治的に決定があれば、それに応じて事務当局としては、これは当然のことだと思うんだけれども、できるだけ公正にそれがやれるようにあらゆる努力をしなければならぬと考えておられる、こういう御答弁だった。したがって、裏から言えば、政治的決定というものは、技術的、事務的に見て、これは不可能なんだ、だから不可能なことを幾ら閣議といえども決めるわけにはいかない、これほどのものではない、こういうふうに理解していいですか。
この発言だけを見る →ということは、裏をひっくり返せば、技術的、事務的に富裕税というものはできないんだということで政治的なそういう動きあるいは政治的な決定をさせないとか、それはだめなんだとか、そういうことはないんだ。政治的に決定があれば、それに応じて事務当局としては、これは当然のことだと思うんだけれども、できるだけ公正にそれがやれるようにあらゆる努力をしなければならぬと考えておられる、こういう御答弁だった。したがって、裏から言えば、政治的決定というものは、技術的、事務的に見て、これは不可能なんだ、だから不可能なことを幾ら閣議といえども決めるわけにはいかない、これほどのものではない、こういうふうに理解していいですか。
中
中橋敬次郎#27
○中橋政府委員 もちろん、そういう税目を創設するということについての御決定は、より高い御判断が必要でございます。ただ、私ども税制に参画いたしております者といたしますれば、新しいそういう税目によってより大きな不公正が出ないということについて相当の確信が必要だということを一つ申し上げたいのでございます。
それから第二には、これは大蔵大臣からもお話ししましたように、なお今日、おっしゃいますように、社会的な不公正というものについて今後われわれが努力しなければならないとするならば、今日あります所得税の制度その他についてなお努力しなければならない点があるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
それから第三番目といたしますと、そういう富裕税というものをつくりましたときに、財産に対する課税でございますけれども、私どもはやはりこれは所得税の補完税たる地位を持つものだと思っております。そうしましたときに、一体いまの所得税の累進構造というものと……(竹本委員「それは後でやりましょう」と呼ぶ)
それじゃいまの点は取り消させていただきます。
この発言だけを見る →それから第二には、これは大蔵大臣からもお話ししましたように、なお今日、おっしゃいますように、社会的な不公正というものについて今後われわれが努力しなければならないとするならば、今日あります所得税の制度その他についてなお努力しなければならない点があるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
それから第三番目といたしますと、そういう富裕税というものをつくりましたときに、財産に対する課税でございますけれども、私どもはやはりこれは所得税の補完税たる地位を持つものだと思っております。そうしましたときに、一体いまの所得税の累進構造というものと……(竹本委員「それは後でやりましょう」と呼ぶ)
それじゃいまの点は取り消させていただきます。
竹
竹本孫一#28
○竹本委員 おっしゃるように、その不公正がより大きく出てくるというような政策を、考え方が、動機がいかにりっぱであってもやるべきでない。これはよくわかりますよ。しかし、私がいま伺っておるのは、より大きな不公正が出る心配があるから事務当局としては、技術的に事務的に見て富裕税というものは絶対やるべきでないという意味で、そういう立場に立って政治決定をも阻止しなければならぬということになっておるのか、その辺はどうですかということを伺っておるのです。
要するに、あくまで技術的にできないものを、それは政府が決めるわけにはいかない。そしてあなた方は、主税局としては絶対これはできないんだ、より大きな不公正が出てきてだめなんだということで、技術的理由に基づいて政治的決定も不可能になるというふうにまで考えておられるかどうかということが一つ。これが大事な点であります。
それに関連していくならば、この前の富裕税、二十五年ですかにやったときに、それほど大きな矛盾が果たして出たのかどうか、その点について、矛盾が出たとおっしゃるならば、二十五年にはこんな大きな矛盾が出たから五十年では絶対だめだという点をひとつ伺いたい。
この発言だけを見る →要するに、あくまで技術的にできないものを、それは政府が決めるわけにはいかない。そしてあなた方は、主税局としては絶対これはできないんだ、より大きな不公正が出てきてだめなんだということで、技術的理由に基づいて政治的決定も不可能になるというふうにまで考えておられるかどうかということが一つ。これが大事な点であります。
それに関連していくならば、この前の富裕税、二十五年ですかにやったときに、それほど大きな矛盾が果たして出たのかどうか、その点について、矛盾が出たとおっしゃるならば、二十五年にはこんな大きな矛盾が出たから五十年では絶対だめだという点をひとつ伺いたい。
中
中橋敬次郎#29
○中橋政府委員 第一の点につきましては、もちろんおっしゃいますように絶対的に不可能だというふうに私どもは考えておりません。
それから第二の点につきましては、これは具体的にあるいは総合的にそれをいまお答えする資料を持ち合わせておりませんので非常に申しわけございませんけれども、たまたま私もその当時税務の第一線に、まだ非常に未熟な段階でございましたけれどもおりまして、非常にその執行につきまして苦労をしたという記憶がございます。たまたま私はその第一線がまた日本の中でもかなり資産家が多い場所におったものでございますから、そこに入っていきまして、表現しておる財産あるいは表現しがたい財産を税務職員が総合的に把握をするということについては、非常に苦労をしましたという思い出がございます。
それからまた、今日相続税につきましても評価という問題が非常にむずかしいことになっておりますけれども、それにどうしても富裕税は評価問題というのがまたその上に一層加わるわけでございます。そういう点から私は、過去においての経験からしましても、かなりむずかしいなという印象を持っておることは確かでございます。
この発言だけを見る →それから第二の点につきましては、これは具体的にあるいは総合的にそれをいまお答えする資料を持ち合わせておりませんので非常に申しわけございませんけれども、たまたま私もその当時税務の第一線に、まだ非常に未熟な段階でございましたけれどもおりまして、非常にその執行につきまして苦労をしたという記憶がございます。たまたま私はその第一線がまた日本の中でもかなり資産家が多い場所におったものでございますから、そこに入っていきまして、表現しておる財産あるいは表現しがたい財産を税務職員が総合的に把握をするということについては、非常に苦労をしましたという思い出がございます。
それからまた、今日相続税につきましても評価という問題が非常にむずかしいことになっておりますけれども、それにどうしても富裕税は評価問題というのがまたその上に一層加わるわけでございます。そういう点から私は、過去においての経験からしましても、かなりむずかしいなという印象を持っておることは確かでございます。