文教委員会

1986-11-26 衆議院 全243発言

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会議録情報#0
昭和六十一年十一月二十六日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 池田 克也君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    長野 祐也君
      松田 岩夫君    渡辺 栄一君
      江田 五月君    中西 績介君
      馬場  昇君    有島 重武君
      鍛冶  清君    北橋 健治君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        臨時教育審議会
        事務局次長   齋藤 諦淳君
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総
        務審議官    川村 恒明君
        文部省初等中等
        教育局長    西崎 清久君
        文部省教育助成
        局長      加戸 守行君
        文部省高等教育
        局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育
        局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際
        局長      植木  浩君
        文部省体育局長 國分 正明君
        文化庁次長   久保庭信一君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        任用局企画課長 竹澤 正格君
        内閣総理大臣官
        房参事官    坂東眞理子君
        法務省入国管理
        局総務課長   木島 輝夫君
        外務大臣官房審
        議官      久米 邦貞君
        外務大臣官房外
        務参事官    柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局社会協力課長 金子 義和君
        国税庁長官官房
        人事課長    川上 壽一君
        労働省職業安定
        局業務指導課長 矢田貝寛文君
        文教委員会調査
        室長      高木 高明君
    ─────────────
委員の異動
十一月六日
 辞任         補欠選任
  石井 郁子君     安藤  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤  巖君     石井 郁子君
同月七日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     鳩山由紀夫君
  井出 正一君     笹川  堯君
  佐藤 敬夫君     藤波 孝生君
同日
 辞任         補欠選任
  笹川  堯君     井出 正一君
  鳩山由紀夫君     逢沢 一郎君
  藤波 孝生君     佐藤 敬夫君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  青木 正久君     長野 祐也君
同日
 辞任         補欠選任
  長野 祐也君     青木 正久君
    ─────────────
十月三十日
 私学助成等に関する請願外三件(石田幸四郎君紹介)(第六四七号)
 同外三件(草川昭三君紹介)(第六四八号)
 同外三件(柴田弘君紹介)(第六四九号)
十一月十日
 義務教育費国庫負担制度改革に関する請願(滝沢幸助君紹介)(第六八七号)
同月十一日
 私学助成等に関する請願(海部俊樹君紹介)(第九三五号)
同月十七日
 四十人学級の早期達成等に関する請願(村上弘君紹介)(第一二二二号)
同月十九日
 義務教育費国庫負担金制度の維持に関する請願(小沢貞孝君紹介)(第一五二四号)
 信州大学大学院総合科学研究科の設置に関する請願(小沢貞孝君紹介)(第一五二五号)
同月二十日
 義務教育費国庫負担金制度の維持に関する請願(串原義直君紹介)(第一六〇〇号)
 同(清水勇君紹介)(第一六〇一号)
 同(井出正一君紹介)(第一七四三号)
 同(小川元君紹介)(第一七四四号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第一七四五号)
 同(中島衛君紹介)(第一七四六号)
 同(中村茂君紹介)(第一七四七号)
 同(村井仁君紹介)(第一七四八号)
 同(若林正俊君紹介)(第一七四九号)
 同(宮下創平君紹介)(第一八四〇号)
 信州大学大学院総合科学研究科の設置に関する請願(串原義直君紹介)(第一六〇二号)
 同(清水勇君紹介)(第一六〇三号)
 同(井出正一君紹介)(第一七五〇号)
 同(小川元君紹介)(第一七五一号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第一七五二号)
 同(中島衛君紹介)(第一七五三号)
 同(中村茂君紹介)(第一七五四号)
 同(村井仁君紹介)(第一七五五号)
 同(若林正俊君紹介)(第一七五六号)
 同(宮下創平君紹介)(第一八四一号)
 四十人学級の早期達成等に関する請願(有島重武君紹介)(第一六六七号)
 大学院生・研究生の学術研究条件改善等に関する請願(江田五月君紹介)(第一六六八号)
同月二十五日
 私学助成等に関する請願外一件(佐藤観樹君紹介)(第一九八九号)
 同(沢田広君紹介)(第一九九〇号)
 同(野口幸一君紹介)(第一九九一号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 文教行政の基本施策に関する件
     ────◇─────
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愛知和男#1
○愛知委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田岩夫君。
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松田岩夫#2
○松田(岩)委員 国の基本は、言うまでもなく、次代を担っていただく人づくりだと思います。そうした意味で、当委員会の果たす役割はまことに大きいものがあると思うわけでありますが、先般塩川文部大臣から承りました所信、まことに今後の日本の文教政策の基本を示すものとして適切なものだと思います。そうした中で、若干私の意見も交えながら、文部大臣の所信を賜りたいと思います。
 文部大臣もおっしゃったとおり、まさに今や我が日本の国は大きく変わり、経済、社会の進展も著しいものがございます。追いつき型の近代化が終わって、そして今や世界の一割国家となり、また国内的には長寿社会へと大きく変わっていこうといたしております。二十一世紀を目指して、正直どのような日本人をこれから我々はつくっていかなければならぬのか、まさに今日ほどこのことが大きく歴史的な意味で問われている時期はないと思うわけであります。
 そうした意味で、臨時教育審議会で御審議をなさっておられる教育改革はまさにこうした背景のためだろうと理解するわけでありますが、これからの日本人がどんな日本人でなければならないか。今申したような大きな歴史の流れの中で、この臨時教育審議会の第二次答申でも言われておりますように、一つは「ひろい心、すこやかな体、ゆたかな創造力」、一つは「自由・自律と公共の精神」、一つは「世界の中の日本人」、こうしたことが言われておるわけであります。私もほぼそうだと思うのでありますが、私にとりまして特に重要だと思われますことは、今日、日本の国が多くの外国の諸先輩からいろいろ教わりながらここまで来て、今や世界最先端の国の一つになろうとしておるわけであります。欧米先進国へのキャッチアップが終わりました。そういう意味では、今ほど我が国民に創意と工夫が求められ、本当の意味で創造性豊かな日本人にならなければならない、私はそのことを強く感ずるわけであります。
 そうした意味で考えてまいりますと、先般十月にも教育課程審議会から初等中等教育の教科の基本を示しておるものと思うわけでございますが、必ずしも、こうした創意と工夫に満ち、創造性豊かな人間を子供のうちからつくり上げていくという面で果たして十分であろうかということを思うわけであります。
 第一に、まずこの点について文部大臣の基本的なお考え方を承り、あるいは現在どのように創意と工夫に満ちた本当に創造性豊かな日本人をつくっていかれようとしておられるのか、その点を承りたいと思います。
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塩川正十郎#3
○塩川国務大臣 私は余り難しいことはわかりませんけれども、しかし、日本人は、その子弟の教育というのにはもうあらゆる時代を通じまして非常に熱心に取り組んでまいりました。特に江戸時代以降、明治、大正、昭和と、それぞれ藩あるいは国あるいは地方自治体が懸命にその子弟の養成ということに取り組んでまいりました。でございますから、日本は非常に教育熱心な国だと私は思うております。
 しかし、時代の変遷に伴いまして教育の内容も違ってまいりましたし、また、教育に求めるところの人間像というものも時代時代によって相当変わってきておることも事実でございます。特に戦後になりましてからは、日本は、要するに今までの日本民族固有の伝統ある教育の上にさらに新しい欧米的教育手法というものと内容をそこに盛り込まざるを得なくなってまいりましたし、これは政治、社会の体制が変わったことに伴って当然のことでございますが、一時期混乱はございました。けれども、今日では、すべての日本国民は、自由主義と民主主義体制の中で社会秩序を維持していこうという、このことにつきましては全国民の一致した合意として形成されてまいりましたので、したがって、そういう社会体制に十分適応する人を養成していくということが教育の目標として掲げられてきておるように思うのでございまして、そのためには、お話がございましたように、豊かな心を持ち、健やかな体力、そして自主的に自律して自分の行動がとれるような人間、そして創造性豊かな人間、国際性を持った人間、こういうものを教育の目標に私は挙げておるのでございます。これは学校教育だけではなくして、今やこういう教育目標を達成するためには社会も個人も家庭も全部協力する体制が望まれておると思うのでございまして、そこが今までと相当変わってきた教育体系をとらなければならぬところである。今までの教育体系は中心は何としても学校教育だけでございましたけれども、これからはそうではなくして、そういう総合的な複合体制の中で教育の実効を上げていこうという時代になってきておるというふうに私は認識いたしております。
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松田岩夫#4
○松田(岩)委員 まさに、豊かな創造力を持った日本の社会を建設していくということは、大臣仰せのとおり、教育だけでできることではございません。まさに私も、ある意味で、社会における人間の評価のあり方、企業の中での人の使い方、あるいは採用の考え方等、あらゆる分野にわたる一大社会改革であると思うわけであります。そうした意味で、ぜひひとつ、文部大臣としては教育の面から文教行政の面からなお一層御尽力を賜りたく思うわけであります。
 さて次に、やはり何といっても、ここまで来た我が日本の社会がいま一つ大きく求められておりますことは、もう諸先輩によって多くの議論がなされておりますが、まさに心豊かな人間をつくることだと思うのであります。ようやくここまで物質的な豊かさを達成できた我が日本の国は、ある意味では、ようやくここで本腰を入れて心の豊かな人間をつくり出すゆとりもまたできてきたと思うのであります。そうした意味で思いますと、大臣おっしゃるとおり、家庭、学校あるいは社会における徳育の問題を我々としては本当に今こそまた真剣に考えなければならないと思うわけでありますが、さしあたり学校教育における徳育の問題についてお伺いをしたいと思うわけであります。
 豊かな心をつくり出すということは、正直、教科書であるいは理屈で学べるものではないと思うのであります。まきにこの徳育というのは子供たちの日ごろの生活の実感あるいは感動の中から体得されるものでありましょうし、また、子供たちの実践や行動を通じて初めて本当の意味の心の豊かな人間がつくられるのではないかと思うのであります。
 そうした意味で少しく具体的なお話を申し上げますが、例えば岐阜県でも文部省の御協力を得て道徳教育用の資料をおつくりになっておられまして、今手元に持ってまいりました。これは昭和五十九年度から実施されておられます道徳教育用郷土資料の研究開発、わずかな予算ではございますが、我がふるさとの岐阜県も御協力、御援助を得て地域の先生方が立派な教材をおつくりになられました。これを読まさしていただいてしみじみ感じましたことは、子供たちの住んでいる身近な地域社会での逸話やあるいはそこに住んでいた偉人の方々の生きざまを書いておられるわけでございますが、こうしたものは正直、一般的に世界であるいは日本でこういう人がいたとかこんな逸話があったとかということに比べれば、幼い子供たちにとって、うちの近所のあそこでそんなことがあったの、ああ、そんな方が昔住んでおられた、すぐ隣の町内でそんな方がこんな生きざまをした、ああ、すばらしい生き方だな、そういうものを通じて恐らくはるかに多くのものを学ぶのではないかと思うのであります。
 承りますと、とりあえずはこの道徳教育用郷土資料の研究開発ということだけにおとどめになっておられる。私とすれば、こんな立派な教材が地域の有識者の方々の総力を挙げてつくられたというのであれば、それこそこうした教材が学校のみならず各家庭でも親子団らんの中でお互い語り合いながら読まれていく、そうしたことをなぜもっと進めていただけないのだろうか。予算の問題もありましょうが、この道徳教育用郷土資料の研究開発というのは、一つの試みとして注目すべきものだと私は思うのであります。そうした意味で、今後の活用をぜひ考えていただきたいと思うわけです。
 と同時にまた、今も申しましたように、この徳育というのはまさに実践、行動を通じてであります。今そういう意味で、とりわけ徳育というものは、学校の枠内ではない、家庭も大事だが、まさに社会との連携をもっともっととるべきだ。例えば勤労のたっとさ、働くことのたっとさを学ぶために、教室の中で、働くことは大事だ大事だと言っておっても始まらない。早い話、むしろ学童諸君、生徒諸君に、企業の中でお父さんやお母さんが一生懸命働いている姿をともに見ながら実際に企業の中で例えば働くといったようなことも、教育の中で十分取り上げていただいていいことではないかと私は思うのであります。
 と同時に、今既にもう御議論になり取り上げられようとしておりますけれども、まさに人生を豊富に生き、経験豊かないろいろな苦しみあるいは楽しみを経験してこられた多くの社会人が、定年後といいますか、社会での活躍を終えて地域社会には大勢おられます。そうした長い間の人生経験を踏まえた方々のお話をじかにいろいろ聞くといったようなことで、こういった方々をもっともっと自由に教育の現場の中に御活用なさっていく。
 ほんの一、二の例を申し上げたわけでございますが、こうしたことが徳育ではまことに大事なことではないかと私は思うのでございます。そうした意味で、大臣、ぜひこうした面にもっとお心を払っていただけたらと思うわけでございます。御所見がございましたら承りとうございます。
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塩川正十郎#5
○塩川国務大臣 郷土資料を副読本に採用いたしまして、非常に評価していただきましてありがとうございました。これは新しい試みといたしまして、その児童生徒が直接何かかかわり合いのあるものの中からそういう徳育教育の資材をつくったらということで試みたことが非常に評価されました。本当にうれしゅう思っております。
 それはとりあえず六十一年に八県、八つの県において実施いたしましたが、六十二年でさらに六県、六つの県で実施いたしたいと思っておりまして、これをさらに拡大していきたい。それと同時に、今お話ございましたように、この副読本、教材を教育委員会等がうまく利用されまして、そういう地域の社会活動の資料の一端にしていただければさらに効果が大きい、私たちもそれを念願しておるものでございます。
 今徳育の中でお話ございましたように、こういう教育の一番中心となるものでございますが、私は、こういう教育のあり方として、確かに行動をすることとともに、そういうことをいわば体得していくということが大事だと思うのでございます。それと同時に、徳育と情操教育をあわせて児童生徒の教育課程の中に入れていく、こういうことが私は望ましいと思いまして、いろいろと関係当局並びに審議会で御相談していただいておるところでございますが、今まで若干おろそかにされてきた気味が確かにあるこの徳育科目を、今後とも非常に重点科目として我々も努力していく覚悟でございます。
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松田岩夫#6
○松田(岩)委員 心豊かな人間をつくっていく、いつの時代でも大事なことでございますが、さらにそうした観点からもう少しく具体的なお話を申し上げたいと思うわけでございます。
 教育の基本というのは、やはりそれぞれの生徒、それぞれの子供の成長に応じてさらに一歩一歩、一層の成長を引き出していく、そこに恐らく教育の最も理想的な姿があるんだろうと思うのでございます。一人一人の子供に最もふさわしい教育の場を保障していく、言うべくしてなかなか難しいことではありますが、しかし、豊かな社会における教育というのはまさにそういうものでなければならないと思うのでございます。そうした観点から、一般的ではないかもしれませんが、非常に大事な分野を取り上げてみたいと思うのであります。
 それは言うまでもなく、普通の児童に比べれば知恵の発達がおくれ、あるいは障害を持った子供たちへの教育の問題であります。たまさか私自身もそういう子供を持ちましてしみじみ感ずるわけでありますが、この子供と一緒にアメリカに住む機会を得まして、そしてまた東京に住み、我がふるさと岐阜に住みと、いろいろなところに我が愛する子供とともに住んできたわけでございますが、そうした経験の中からしみじみ感じましたことは、私ども日本の国の教育というのは、果たして本当に一人一人の子供に最もふさわしい教育の場を与えるということになっておるだろうかということでございます。
 例えて申しますれば、こうした子供たちはほとんどの場合言語の障害を持っております。アメリカにおりましたときは、スピーチセラピストという、特別に大学で教育を受け、資格を持った方々が何人も学校に配置になっておりました。と同時にまた、こうした子供たちは精神的な問題をたくさん持っております。そういうことも手伝って、学校には必ずサイコロジストと言われる専門家が配置になっておりました。と同時にまた、こうした子供たちは多かれ少なかれ体の発達、筋肉の発達が不完全であります。そういう特別の訓練のために、フィジカルトレーナーと申しますか、通常の体操の先生以上の、いわば今日的に言えばリハビリの専門家が学校に配置されておったのであります。
 そうしたことを思い比べてみますと、これは一つの分野でございますけれども、しかしどんな子供であれ、よくできる子であればよくできる子なりに、あるいは絵が好きな子なら絵が好きな子なりに、それぞれの子供に応じてその子の発達にふさわしい教育を施していくということは、我が現実を見ますとまだまだ大きなおくれを感ずるわけであります。理想を求め、これからも一層ひとつ、ここまで来た日本の国でありますので、それぞれの子の能力に合わせてそれぞれの子の能力を一層引き出していくという、こうした教育が教育の基本だと思うのであります。そうした意味でも、一つの分野として、こうした障害者教育、養護教育といった面にも、他の子供と比べればそれだけ障害があるだけに一層多くの個人的なケアが要るわけでございますので、現状を考えますと、我が国においてももちろん大変な進歩ではありますが、しかし、なお一層の充実強化のために文部大臣、御尽力を賜りたく思うわけであります。所見を承れればありがたく思います。
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西
西崎清久#7
○西崎政府委員 先生御指摘のとおり、心身に障害を持つ児童生徒の教育の問題は、私ども文部省に課せられた大変大きな課題でございます。
 御案内のとおり、昭和五十四年から養護学校の義務化を行いまして以来、その面についても力を尽くしておるわけでございますが、今御指摘のスピーチセラピスト、言語治療士ににつきましては、我が国ではまだその資格についての明確な規定はございません。アメリカ等ではいろいろとあるようでございます。ただ、厚生省等においていろいろとその点の検討が行われているようでございますが、文部省の関係で申しますと、教員養成課程における教科・科目の中で言語関係についての単位をある程度取得するというふうな形でいろいろと施策を講じておるわけでございますが、現在の教員養成課程の関係で申しますと、十八の大学関係で言語治療に関する単位取得の課程を設けておるというふうな実態になっております。ただしかし、この点についてはまだまだ先生御指摘のようにこれからも充実していかなければならないというふうに思っておりますので、御指摘の点は十分踏まえてこの点についての努力をいたしたいというふうに思っております。
 全体の問題といたしまして、特殊教育、特に養護学校関係についての施策につきましては、制度発足以来、五十四年以来の問題でございますので、私どもも今後とも十分力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
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松田岩夫#8
○松田(岩)委員 時間が参りましたので、質疑を終わらさしていただきます。ありがとうございました。
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愛知和男#9
○愛知委員長 古賀正浩君。
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古賀正浩#10
○古賀(正)委員 このたびの総選挙で初めて出てまいりました古賀正浩でございます。委員長及び諸先輩の御好意によりまして、いち早く貴重な質疑の時間をちょうだいいたしましてありがとうございました。感謝を込めながら質問をさせていただきます。
 明治維新以来、我が国は近代国家に脱皮すべく急速な整備を進めてまいったわけであります。そしてまた、第二次大戦後は驚異的な経済成長を軸として我が国の発展を図ってまいったわけでございます。わずか三十七万方キロの狭い国土、あるいは目ぼしい資源も何もない我が国が、今日ここまで発展してこれた秘密は何か、それはすぐれて日本民族の人的能力の発露に尽きるというふうに私は思います。我が国の国民の資質に加えて、教育を重視してきた我が先祖、先人の努力に負うところであると私は確信しておるところであります。
 明治三年はいまだ新政府の基礎も固まらず、社会も混乱する中で、いち早く学校制度が施行されました。その時期は、先進欧米諸国に比べてもまさるともおくれをとるものではございません。また昭和二十二年、食うに職なく、住むに家なき戦後の廃墟と疲弊の中に、英断をもって六三制が施行されました。国家の大事に当たりあるいは国家百年の計に当たり、まず教育と考えてきた我が国先人からの伝統を、私どもは誇りと責任を持って引き継いでいかなければならないと考えておるところであります。
 その意味におきまして、私は、このたび重要な文教委員会に所属させていただいたことを大変うれしく、また名誉に思っておるところでございます。しっかり勉強させていただきます。ただ、私は教育に関しては極めて門外漢であります。教育はだれにも語れると言われておりますけれども、私もそれ以上のものではございません。
 かく申す私は、四人の子供を持っております。上は大学四年、下は高校一年、子育ての真っ最中でございまして、ちょうど第三コーナーあたりを回ったあたりかなと思っておるところでございます。また私は、昭和十六年、大東亜戦争が始まった年に小学校、当時は国民学校と申しましたが、入学をし、戦後学制改革によって新制中学の第一回に入った、ちょうど戦中戦後の激動の時期を子供の時代に経験してきた、そういう世代であります。そういう意味で、いわゆる戦前派の最後尾あるいは戦後派の最先端といってもよいかと思っておるところでございますが、そういう視点、立場から、教育の問題も考えてまいりたいと思っておるところでございます。
 さて、大臣は、さきの所信表明におきまして、教育全般にわたる改革の推進を説かれ、当面する六つの主要な課題について言及されました。いずれもまことに時期を得た重要な問題ばかりであります。大臣の御手腕、御活躍を切に期待しながら、私どもも及ばずながらできるだけの協力を申し上げていきたいと考えておるところでございます。
 そういう観点から、若干の項目について大臣のお考えを敷衍してお伺いしたいと思うところでございます。
 その第一は、今日の教育の全般的現状に関してでございます。今日、我が国社会は、物こそ豊かにあふれておりますけれども、その反面、心のすさみが一層進行していると言わざるを得ません。特に教育については、親も子も学校もそして社会も、悩みと欲求不満を募らせているといっても過言ではないと思っております。子育ての親は、受験戦争あるいは言う事を聞かない子供、非行へのおそれ、塾通い等家計負担の増大などに悩んでおりますし、子供にあっては、偏差値だけの物差しでミカンの選果場のごとく機械的により分けられる悩み、あるいはいじめの横行等があり、子供の精神の閉塞状況が強まっているというふうに認められます。さらに社会にあっては、しつけも社会的訓練もなっていない、国のことも忘れ、物欲だけむき出しにしかねない青少年の横行があるわけであります。これらはほんの幾つかの例にしかすぎませんけれども、二十一世紀の日本を担う青少年が、はつらつと心豊かに育ってほしいと思いますときに、現在の状況はこれでよいのか、まことに心寒い思いがする次第でございます。
 教育全般の改革を説かれます大臣は、この教育の現状をどう認識され、二十一世紀を担うべき青少年の教育にどうお取り組みになるのか。先ほど松田先生にお答えございましたけれども、さらに敷衍されるところがあればお伺いしたいと思います。
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塩川正十郎#11
○塩川国務大臣 今、世界各国とも教育改革というのが非常に大きい問題になってまいりまして、アメリカはアメリカなりの教育改革に取り組んでおりますが、これはやはり日本と同じように教員の確保とその質の問題、これをやっておりますし、ヨーロッパ等におきましては教科内容等をもっと社会的、現実的に符合さすべきである、こういう意味における改革をやってきております。この前私は聞いたのでございますが、中国も昨年から教育工作者会議というのをやりまして、ちょうど日本でいいます臨時教育審議会のようなものを発足させまして、これまた教育改革に取り組んでおります。
 そのように、世界各国がこの教育改革に取り組んでおるのは何が原因かということを私も考えますと、一つは、学校の中で教えておりますこととそれから社会の変化というものとの間に相当なギャップができてきておるのではないか、こういうことを私は感じるのでございまして、そこに教育とそれから社会との接点をもう一度見直していく必要があるのではないか、これが大きい改革の要点ではないか。
 そういう意味におきまして、文部省は、先ほどお話ございました、明治初年発足いたしましてから学校教育を教育体系の中心に据えまして、この学校教育の改善を通じて日本の教育制度全般を発展さす、こういう姿勢でやってまいりました。そして絶えず、その学校教育の現場に起こってくる問題、この改革には非常に熱心に取り組み時々適切に処理してきたと思うのでございますが、しかし一方、社会の進展が余りにも速いもの、技術革新からくるものが速いもの、そういうことを思います場合に、社会人から見た教育のあり方というものがどうでなければならないか、こういう検討も必要になると思うのです。それをやっておるのが今臨時教育審議会だ、私はそう認識しておるのでございまして、社会人から見た教育改革、学校の現場を担当しておる文部省の改革、これの相接点を求めて教育改革の方向をつけるべきだ、こう思うておるのでございます。
 そして、一番基本はやはりもう少し社会的に即応した人物の養成ということ、これをもう少し心がけて教育改革を進めていくべきだ。そのためにやはり一番必要なのは、人間生涯全部が学習なんだ、こういう観点に立たなければならない。けれども、日本はどうしても学歴社会がございまして、学校を中心にその人物を評価してしまうという、そこらにも私は非常に大きい問題があろうと思うのでございまして、そういうことから見ると、これは単に文部省とか学校だけの制度改革、教育改善だけではなくして、社会の構造全体の問題と関係してくるということを思うておるものであります。
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古賀正浩#12
○古賀(正)委員 大臣のお話、極めて同感でございます。これは、社会も含めた全体の中での推進ということに相なるわけでございますが、やはりファイナルに責任を持たれるのは文部省であるというふうに思いますので、ひとつよろしく頑張っていただきたいと思う次第でございます。
 時間の関係で若干はしょってまいりますが、次に教師の資質に関連した質問をさしていただきたいと思う次第でございます。
 我が事で大変恐縮でございますが、私は先ほど申しましたように戦中・戦後、小学校時代を過しましたけれども、その六年間を通じて緒方三郎先生という大変すばらしい先生に恵まれました。全人格的な薫陶を受けたと思っております。私の今日あるは、ひとえにその先生のおかげであると思っておるものでございます。実に教育は人なりと申しますが、まさに私は我が体験を通じてそう確信をしておるところでございます。そこで、すばらしい先生によって、そして児童生徒一人一人に行き届いた教育を行う、そのような教育条件の整備ということが極めて重要であると私は考えるゆえんでございますが、そのためには、一つには、現在全くおくれております小中学校の四十人学級の着実な推進、これを大臣に強く御要望申し上げるところでございます。それとともにいま一つ、教師の資質につきましてでございます。
 教師は日々子供に接し、その一生に少なからぬ影響を与える重要な立場に置かれておるわけでございます。したがって、教師には出発点、初任者からの力量及び社会、経済、文化などの変化を敏感に感じ取り、研修等を通じて不断の力量の向上に努めるということが極めて大事になっておると思う次第でございます。そこで大臣にお伺いいたしたいのは、大臣の教師に求められる資質、能力についての御所見と、その向上のための施策について承りたいと思います。
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塩川正十郎#13
○塩川国務大臣 私は、戦後学校教育が再開されましたあの当時、どさくさの中で、しかしよく学校を開いたと思うております。それはやはり日本人の教育熱心だと思うのでございますが、しかし、あの当時は、とにかく食わなければならぬというので、そちらの方に皆関心が払われておった。したがって、一時期、義務教育における先生の確保というのが非常に難しい時代がございましたけれども、最近になりまして学校の先生を希望されるそういう方々は、一人一人は資質はいいと私は思うておるのであります。つまり素材としてはいいと思うのでございますが、しかし養成して先生になっていただいておるのではなくて、ただ免許を取り、就職試験に合格したから先生になっておる、こういう格好に今なっております。そこで私はどうしても、就職されたときに一番初心忘るるべからずでございまして、一番最初にしっかりとした先生としての意識を持ってもらうことと、教え方のテクニックというものを十分に修得していただく必要がある、こう思うのでございまして、そういう意味から、現在行われております初任者教育というのは私は非常に不足しておると思っております。これを、現在やっております量のいわば簡単に言いましたら五倍程度の研修をしていただくことによって、つまり期間一年間でその程度のことをしていただいて、その間に、私は先生になったんだという責任感と意識を変えるということと、それから教え方、テクニックですね、こういうようなものを十分に修得していただいて立派な先生になっていただきたい、こういう希望を思いまして、初任者研修の拡大強化というものを心しておるところであります。
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古賀正浩#14
○古賀(正)委員 このことに関連いたしまして、ひとつ文部省に二点ほど御提案をしたいと思います。
 一つは、学校や教師の世界というのはどうしても閉鎖的なことになりがちなところがあるような気がするわけでございます。それは専門的性格上やむを得ないこともあるわけでございますけれども、これでは、生きて激動しております現在の社会に対して、ちょっと言いにくい表現ですが、世間知らずというようなうらみがあるのではないかというふうな気がするわけでございます。そこで、先生の研修の一環としまして、ひとつどしどし社会に出ていってもらってはどうだろうか。会社や工場や商店で体験的に働いてもらう、いろいろなことを経験していただく、そういうことが子供を教育する上で大変意義深いことではなかろうかというふうな気がするわけでございます。
 それともう一点は、実は先ほど松田先生の御提案にもございましたことでございますけれども、教師として、他の分野で活動している人あるいは活動していた人材をもっと活用するようにしてはどうだろうか。人生経験豊かなと松田先生言われましたけれども、まさにそのような人をひとつ学校の先生としてどしどし登用する、活用する、そういうことにしてはどうだろうかということでございます。
 その二点につきまして、大臣の御所見を承りたいと思います。
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加戸守行#15
○加戸政府委員 学校の教員が社会的な体験を得ていただく、極めて大切なことでもございますし、そういう意味におきまして、ただいま六十二年度概算要求をしております初任者研修の試行の中にありましても、現在その具体的な内容等につきまして都道府県・指定都市教育委員会とも協議いたしておりますが、その内容として、教育センター等における研修というものを週一回程度想定いたしております中に、例えば養護学校等の他の校種への参観とかあるいは青少年教育施設を見ていただく、あるいは企業等の民間の活動につきまして実地体験を得ていただく、あるいは参観をしていただくというような工夫を各都道府県において凝らしていただきまして、そういった社会的交流を深め、体験を得ていただくということを一つ考えておるわけでございます。
 それから、社会人の教員への登用につきましては、臨教審の第二次答申でも指摘されておりますし、それから文部省におきましても、一年三カ月かけまして学校教育への社会人の登用ということについて御検討いただきまして、本年七月に報告をいただいておりますけれども、その中では、例えば都道府県が一定の社会人につきまして特別の免許状制度を設けてはどうか、これは期間十年程度を想定いたしておりますけれども、そのほかに、特定の教科の一分野にわたりますものにつきましては、特別講師として、免許状なしでも担任できるような制度という御提言をいただいておりまして、これを現在教育職員養成審議会で御審議いただいておりまして、来年御答申をいただく予定でございますが、その方向での位置づけがなされると考えておりまして、その答申を受けて適切に対処したいと考えている段階にございます。
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古賀正浩#16
○古賀(正)委員 最後に一つ、二年後に控えましたソウル・オリンピックに関連してお伺いさせていただきたいと思います。
  二月前に行われました第十回アジア大会におきます日本選手団の不振は、正直言って国民に大きな衝撃と失望を与えたというふうに思っております。その成績は、国民のすそ野広きスポーツ水準のバロメーターということもあるわけでございまして、民族の精神と気迫の指標でもございます。青少年に根性と夢をはぐくむ、そういう性格も持つものであります。したがいまして、今回のアジア大会の成績、二位の韓国にも金メダル三十五個の大差をつけられたそういう成績は、単に韓国の躍進を称賛する雅量だけでは済まされないものがあると私は考えております。
 つきましては、このアジア大会の反省に立ちまして、ソウル・オリンピックに向けてどのような競技力向上対策をお考えになっておられるのか、承りたいと思います。
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國分正明#17
○國分政府委員 先生御指摘のとおり、今回のアジア大会で、我が国の選手団は前回を上回るメダル数は獲得したわけでございますが、競技種目数がふえておりますことなどを考えますと、種目によっては頑張ったものもございますが、全体として見ました場合に、満足できるような成績ではなかったというふうに考えております。
 この原因については、既にいろいろな指摘がなされているわけでございます。例えば選手強化体制の一貫性の問題であるとか、あるいは医科学的な、科学的な成果を踏まえたトレーニング方法でありますとか、あるいは指導体制の問題であるとか、いろいろなことが言われております。現在、選手の強化あるいは競技力の向上というのは日本体育協会を中心とします各競技団体がやっているわけでございますが、これは各競技種目によって随分事情が違っておろうかと思います。現在、各競技団体におきましてもそれぞれの分析を行っている最中でございますが、私ども、体協あるいは競技団体と十分話し合いもいたしまして、那辺に原因があるか、結局その原因を追求し解消していくということが競技力の向上にもつながるわけでございますので、今後とも体協と十分な話し合いをしてまいりたい。また、明年度の予算におきましても、ソウル・オリンピック対策として、選手の特別強化費等も増額要求をいたしております。あるいはまた、競技力向上のための一助にもなろうかと思いますが、体育の総合研究センターというものの基本設計準備調査というような要求もいたしておりますので、予算面でも努力をしてまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
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古賀正浩#18
○古賀(正)委員 最後に、道徳教育の関連で一つお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど来大臣からもいろいろお話を伺いました。そういう中で私、思いますが、現状で非常に対応がおくれているものの一つに道徳教育というものがあるんじゃないかというふうな気がしているわけでございます。
 これは又聞きの話で恐縮でございますが、何か、あるテレビ番組で「一〇〇人に聞きました」という番組があるそうでございますが、その中でたしか、韓国の中学生百人に聞きました、ちょっと正確にはわかりませんが、そういうのがあったそうでございます。あなたにとって最も大事なものは何ですか、という質問をしたそうでございます。そうしましたところ、その答えは、一位は祖国、二位は親という返事だったそうであります。つまり、かつて我が国でも当たり前であったことが韓国においてそういう青少年が育っているということだと思う次第でございますが、同じ質問を日本の中学生百人にしたそうであります。答えは何と出たか。あなたにとって一番大切なものは何ですか。一位お金、二位友達。そこには祖国も親も出てこなかったそうであります。こういう世代が担うあすの日本がどうなるか、これはもう繰り返しでございますけれども、私は大変危機感を持つ、戦慄を感ずる者の一人でございます。
 そういう中で、道徳教育につきましては、親も学校もそして行政も、先ほど大臣のお話がありましたように、力を合わせてみんなでやっていかなくちゃならぬというふうに思う次第でございます。
 そういう中で、大臣は先般の所信表明の中で、「我が国の伝統や文化についての理解を深めるとともに、しつけなどの基本的生活習慣を確実に身につけさせることなど道徳教育の充実を図る」ということを述べておられます。まことに時期を得たものと思う次第でございますけれども、先般まとめられました教育課程審議会の中間報告においても提唱されておられるところでございますが、大臣に、道徳教育の充実とその進め方についてその具体策を最後にお伺いしたいと思う次第でございます。
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塩川正十郎#19
○塩川国務大臣 私は、戦後一時期、道徳教育イコール日本の伝統イコール復古主義イコール軍国主義、そういうパターンで単純に考える人たちが相当おったと思うんです。そのことから、道徳教育が他の科目に比べておろそかにされてきた気配は確かにあると私は思うております。今これだけ世の中が落ちついてまいりまして、そして自由でおおらかで豊かなこの社会体制を守るということであるならば、その社会体制にふさわしい徳育をしなければいけないと私は思うのでございまして、先ほどお話しになりましたお金と友人というだけがすべてだという、そういういわゆる新人類という、こういう考え方はやはり社会体制には合わないと私は思うております。
 そういうことから、やはり徳育を総合的な人格形成の一つとして力を入れていくべき科目だと私は思うております。
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古賀正浩#20
○古賀(正)委員 ありがとうございました。終わります。
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愛知和男#21
○愛知委員長 長野祐也君。
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長野祐也#22
○長野委員 私は、カラオケ伴奏による音楽著作物使用料について質問をさせていただきますが、その前に、委員長初め理事の皆様方の御配慮で質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。
 私がなぜ今この質問をさせていただくかについて、その理由を初めに申し上げておきたいと思います。
 いわゆるカラオケに関する使用料の徴収につきましては、著作権協会とその対象となります飲食店等の全国団体である全国環境衛生同業組合中央会との間で、二年余にわたりまして折衝を重ねてきた結果、ようやく基本的な合意が得られまして、文化庁において、カラオケの使用料の徴収について所要の使用料規程の改正を認可し、来年四月一日から適用されることになると聞いております。
 このカラオケの使用料問題は、従来の生演奏と異なり、その対象営業所が広範囲かつ膨大な数に及び、その上、業態から考えて零細業者が圧倒的に多いために、関係業界としてもその取り扱い実施について幾つか危惧をしている問題がありますので、その不安を解消していただく強力な御指導を文化庁にお願いをしたい、そういう趣旨でございます。とりわけ、この使用料の徴収業務が適正かつ公平に行われて、正直者がばかを見ないような適正公平な運用を図ることが最大のポイントでございます。
 そこで第一の質問は、該当する営業所の見込みがどれくらいあるのか、またその該当営業所の把握方法をどのように進めておられるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
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久保庭信一#23
○久保庭政府委員 カラオケ伴奏を伴う歌唱にかかわる使用料、いわゆるカラオケ使用料でございますが、これにつきまして使用料の認可が出てまいりまして、それにかかわりまして、先生今お尋ねのように、どのくらいの対象があるのかということでございますが、この著作権の管理団体でございます日本音楽著作権協会におきましては、スナックなどの社交場につきまして約三十二万店を現在もう既に把握をしておりまして、ただ、これらがすべてカラオケを使用しておるわけでございません。カラオケを使用してないところもございますし、また、使用しておりましても使用料の徴収対象にならない零細なものもございます。そのようなものを除きますと約二十万店程度ではないかと推定をされておるわけでございます。同協会におきましては、既に把握しておりますこの三十二万店につきまして、趣旨の説明書でございますとか、また使用の状況の調査書でございますとか、契約する場合の契約書類等、これをすべての店に既に送付をいたしておりまして、また環境衛生同業組合の協力も得まして、同協会の実地調査が並行して進められておるところでございます。
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長野祐也#24
○長野委員 対象店が約二十万店という御答弁でありますが、そこで、問題の契約作業の進め方についてでありますけれども、例えば組合員につきましては、組合がその実態を把握をしておりますので、その作業というのは比較的容易に進むと思うのですね。問題は、その膨大な数に上るアウトの業者に対してどういうような契約作業、対応をしていかれるのか、ここを明らかにしていただきたい。極端な場合、組合員の店だけがその使用料を徴収をされて、把握できないからということでアウトの大部分が放置をされるというようなことになるのではないかという組合員の不安でありますとか、不信、疑念、この問題をひとつきちんと文化庁として取り除いていただきたい、そういう意味で対応を明らかにしていただきたいと思います。
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久保庭信一#25
○久保庭政府委員 先生のお話のとおりでございまして、環境衛生同業組合の組合員になっております社交場等は全国の社交場等の一部でございまして、これらに加盟しておるところが、その組合の指導によりましてそこのところだけが契約が進み、その他の店について契約が進まないというようなことがございましては、公平かつ適正な著作権管理という上から大変遺憾なことと存じます。したがいまして、このたびの使用料規程の認可におきましても、そうした事態を招くことのないように、著作権の管理につきまして最大の努力をするように、日本音楽著作権協会に対しまして文書で指導しておるところでございます。
 同協会におきましても、先ほど申し上げましたような三十二万店すべてに通知をいたしておりまして、全国四百カ所におきまして説明会を開くなど努力をしておるところでございまして、既に八十九カ所では実施をいたしたところでございます。ただいま先生の御意見もございますので、早速に同協会の関係者にさらに注意を喚起したい、このように考えております。
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長野祐也#26
○長野委員 文書で指導をしていただき、またさらに注意を喚起するという御答弁に満足をしております。ぜひお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、同じカラオケも店によっては使用状況が非常に多様でありまして、例えば料理店、すし、中華、そういうところでは、例えば忘年会であるとかあるいは新年会であるとか、そういう一定期間しか使わないところもある。それが毎晩使うスナックと同様な扱いになるのかどうか。これらの使用料の適正化を確保するためにどういうような方法を考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
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久保庭信一#27
○久保庭政府委員 確かにカラオケ伴奏を伴う歌唱にかかわる使用料につきまして、いわゆるカラオケ使用料でございますが、これにつきましてどのような額を設定したらいいかということにつきましては、先生のお話のようにその利用の状況というのは社交場等大変多様でございまして、それらから徴収をいたしますのにともかく無理のない額とするということにしております。
 例を申し上げますと、オーディオカラオケの場合でございますと、十坪までの店で月額三千円、一日百円程度でございます。十坪から十五坪程度の店であれば月額五千円というようなことにしておるわけでございます。このように、カラオケをどの程度使っているかというその頻度でなく、お店の広さによりまして使用料を決めておるわけでございまして、比較的無理のない額になっておると思うわけでございます。
 しかし、先生のお話にございますように非常に使用の状況は多様であると思いますので、ある一定の季節に限るとかそのような場合には、その限られた季節についてだけ徴収するとか、弾力的な運用ということを考えるように、文化庁といたしましても、日本音楽著作権協会に対してそのように指導しておるところでございます。
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長野祐也#28
○長野委員 弾力的な運用をしていただくということで結構だと思うのですが、JASRACの方の反応はどうですか。
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久保庭信一#29
○久保庭政府委員 そのように対処していくというふうに私ども伺っておりますが、まだ実施には至っておりませんので、今後の課題と存じます。
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