環境委員会

1998-09-25 衆議院 全186発言

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会議録情報#0
平成十年九月二十五日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 北橋 健治君
   理事 石原 伸晃君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 萩山 教嚴君 理事 福永 信彦君
   理事 岩國 哲人君 理事 佐藤謙一郎君
   理事 田端 正広君 理事 武山百合子君
      愛知 和男君    岩下 栄一君
      大野 松茂君    桜井 郁三君
      戸井田 徹君    村上誠一郎君
      山中 貞則君    山本 公一君
      小林  守君    山本 孝史君
      斉藤 鉄夫君    中村 鋭一君
      藤木 洋子君    中川 智子君
      武村 正義君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 真鍋 賢二君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       太田 義武君
        環境庁企画調整
        局長      岡田 康彦君
        環境庁自然保護
        局長      丸山 晴男君
        環境庁大気保全
        局長      廣瀬  省君
        環境庁水質保全
        局長      遠藤 保雄君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        通商産業省基礎
        産業局長    河野 博文君
        通商産業省生活
        産業局長    近藤 隆彦君
        運輸省港湾局長 川嶋 康宏君
        運輸省航空局長 岩村  敬君
 委員外の出席者
        環境庁企画調整 
        局地球環境部長 浜中 裕徳君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 澤  宏紀君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 下田 智久君
        建設省河川局次
        長       吉井 一弥君
        環境委員会専門
        員       鳥越 善弘君
    —————————————
委員の異動
九月二十五日
 辞任         補欠選任
  小林  守君     山本 孝史君
  前田  正君     斉藤 鉄夫君
  土井たか子君     中川 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 孝史君     小林  守君
  斉藤 鉄夫君     前田  正君
  中川 智子君     土井たか子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 環境保全の基本施策に関する件
     ————◇—————
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北橋健治#1
○北橋委員長 これより会議を開きます。
 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、来る十月二日金曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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北橋健治#2
○北橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    —————————————
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北橋健治#3
○北橋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野松茂君。
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大野松茂#4
○大野(松)委員 おはようございます。自由民主党の大野松茂でございます。早速質問をさせていただきます。
 去る九月二十一日に、大阪・能勢町のごみ焼却施設、豊能郡美化センターでの超高濃度ダイオキシン汚染が厚生省の調査で明らかになりまして、マスコミなどに大きく報道され、ダイオキシン対策について、焼却施設周辺住民はもとよりでございますが、国民の間に大きな不安を生じております。ごみ焼却施設の湿式排煙処理設備からの過去に例のない事態と受けとめておりますが、対策について何点かお尋ねをいたします。
 まず、異常な数値が判明したことから、周辺における土壌調査、水質調査の徹底と健康調査を急ぐべきと思いますが、いかがですか。既に環境庁におかれましては、埼玉県の西部地域と大阪府能勢町においてダイオキシン類長期暴露影響調査に着手をされておられるはずでございますが、それらに関連してもお尋ねをするところでございます。
 次に、調査の結果によっては緊急の対策が必要と思われますが、どのような対策を考えておいでになりますか。
 また、能勢町と類似の開放型冷水塔を有するごみ焼却施設は三十六施設全国にあると言われておりますが、それに対する調査。そしてまた、冷水塔からの排水は初めての事件でございますが、同様に心配される施設はほかに所在しないのかどうか。調査の状況、対応につきまして、厚生省、環境庁から明らかにしていただきたいと思います。お願いいたします。
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遠藤保雄#5
○遠藤(保)政府委員 お答え申し上げます。
 まず、今回汚染が判明いたしました能勢町の豊能郡環境美化センターの周辺環境におけるダイオキシン類の調査でございますけれども、これは先生御案内のとおり、既に施設の南側につきましては、詳細な土壌、地下水の調査が実施されております。また、施設の北側につきましては、施設組合が土壌等の調査を実施すべく、調査地点などについて検討中との報告を受けております。環境庁といたしましては、これらの調査に対しまして、必要に応じ技術的助言を行ってきているところでございます。
 また、今回高濃度汚染が発見されたということに対しての今後の対策でございますけれども、環境庁といたしましては三点ばかりいろいろ考えております。一つは、専門家の意見を聞きながら、土壌汚染対策の推進に必要な指針の設定、これを含めて検討を進めておるというところでございます。二点目は、地元において既に着手されております汚染土壌の除去などの対策につきまして、厚生省など関係省庁と連携いたしまして、汚染の拡散防止などの必要な技術的支援、これに努めてまいりたいと思っております。三点目でございますけれども、除去、保管された汚染土壌のダイオキシン類を分解除去する技術について、今後技術的な支援、これを検討してまいりたいと思っております。
 次に、第二点の先生のお尋ね、長期暴露につきましては環境保健部長の方から後ほど答弁いたしますけれども、類似施設についての調査等をどうするか、点検等をどうするかという点につきましてお答え申し上げたいと思います。
 環境庁といたしましては、厚生省の調査結果を受けまして、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の適切な施行という観点から、この豊能郡の焼却施設と類似の開放型の冷却塔を有する施設、これは厚生省の調査によりますと三十六施設ございますけれども、これに対しまして立入検査の実施を二十一日付で都道府県、政令市に対して緊急に指示したところでございます。
 この立入検査に当たりましては、適切な運転管理が行われていたかどうか、あるいは冷却装置の冷却水がミスト等、いわゆる霧等により周辺に飛散していないかなどについて確認を行い、その結果を早急に環境庁に報告するよう求めております。
 次に、以上のほか、湿式の排ガス処理設備を有する点で類似性を有する他のごみ処理施設でございますけれども、さきに述べました三十六施設の調査結果を踏まえつつ、厚生省と連携しまして、まずは施設の構造あるいは運転状況などの実情の把握に努めてまいりたいと思います。その上で、所要の調査の実施をその後検討してまいりたい、こう考えております。
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廣瀬省#6
○廣瀬(省)政府委員 先生から御質問されました長期大気暴露影響調査ということでございますが、環境庁では、能勢町と所沢周辺を対象としてダイオキシン類の長期暴露の健康影響調査を行いたいというふうに考えておりまして、その準備をしております。
 この準備に当たっては、大阪府と能勢町、関係市町村と連携をとりながらと考えております。調査の方法についてでございますが、廃棄物焼却場周辺地区の住民等の血液及び食事調査、大気、土壌等の環境要因の測定調査、環境要因によるダイオキシン類の暴露量と人への蓄積量との関係の分析、評価等を実施する予定にしております。そして、これには医師を含む十七名の専門家の検討会を設けておりまして、この人たちの評価と指示を受けながら仕事をしてまいりたいというふうに思っていまして、九月末に開始する予定でございます。
 こういうことで、この調査結果を踏まえて、厚生省、地元自治体と連携をとりながら適切な対応をとってまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
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大野松茂#7
○大野(松)委員 それぞれ手早い対応が肝要と思っておりますが、こうした新しい事態でもございますし、今後の取り組みにつきまして、環境庁長官としてのお立場で大臣の御決意を承りたいと存じます。
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真鍋賢二#8
○真鍋国務大臣 先生御指摘の大阪・能勢町のダイオキシン汚染に関しましては、環境庁としても重大な関心を持っておるところであります。それがためにということで、ただいまも答弁申し上げましたように、指示をいたしましてその原因究明に努めておるところでありますが、類似施設の三十六カ所につきましても、早急にこの調査を行ってその対応を急がなければならないと思っておるわけであります。
 いずれにいたしましても、適時適切にこの問題処理に当たっていく決意でございますので、今後ともよろしくお願いをいたす次第であります。
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小野昭雄#9
○小野(昭)政府委員 厚生省に対するお尋ねがございましたので、私の方からお答えを申し上げます。
 今回ダイオキシン類が高濃度に検出されました場所というのは、施設のごく直近の周辺でございますので、周辺土壌の濃度というふうなものから考えまして、住民への影響が直接的にあるというふうにはなかなか考えにくいわけでございます。しかしながら、地元自治体が中心となりまして、周辺住民の血中ダイオキシン濃度等の健康調査を緊急に行うというふうに聞いております。
 血中ダイオキシン濃度の測定方法につきましては、まだ従来標準化された方法がございませんでしたが、厚生科学研究におきまして標準的な方法につきまして統一をしつつあります。そういった統一された測定方法で測定をいたしませんと比較検討ができないわけでございますが、私ども、そういった技術的な支援というようなことにつきましては十分行ってまいりたいと考えております。
 また、類似施設のお尋ねでございますが、先ほど環境庁からも答弁がございましたように、いわゆる豊能郡美化センターと同様に開放型の冷水塔を有します施設、三十六施設を今のところ私ども把握をいたしておりますが、既に関係都道府県に対しまして、湿式洗煙塔冷却部を循環する冷却水及び施設敷地内の土壌を調査いたしまして、その調査結果を取りまとめの上報告するように指示したところでございます。
 この調査の結果によりまして、何らかの措置を講ずるべきであると判断される場合には、密閉型の間接冷却装置への変更等の設備の改善、あるいはフィルター等を設置いたしまして、冷却水中のダストの除去等の対策につきまして、国としての技術的な支援等を行って、早急な対応を図ってまいりたいと考えております。
 また、湿式洗煙装置を有します施設は、今申しました三十六施設を含めまして約二百施設あるというふうに見込まれております。これらにつきましても、湿式洗煙装置及び洗煙排水処理装置やその中の冷却水の状況の点検、あるいは、洗煙排水が予定されていない経路を通って環境中に放出されていないかといった確認を行うこと等によりまして適正な排水処理の徹底を図りますよう、都道府県を通じまして廃棄物焼却施設設置者に指導していただくように指示したところでございます。
 今後、これら全体の調査結果を踏まえまして、新たに判明いたしました排出経路につきましては、何らかの新たな規制が必要かどうか、あるいはガイドラインに追加をする必要があるかどうかということは、これらの調査結果全体を踏まえまして適宜対処してまいりたいと考えております。
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大野松茂#10
○大野(松)委員 それぞれ所管のお立場で万全を期していただきたいと思うわけでございます。特に、今回の事件そのものが今まで想定されなかった施設から発生いたしましただけに、周辺住民はもとよりでございますが、こうした施設を持っている周辺の住民の不安も非常に大きいと思いますので、環境庁、厚生省、特に連携をとり合いながら万全を期していただきたいと強くお願いする次第でございます。
 次に、PRTRについて、その制度化を急ぐべきという立場の中で何点か質問をさせていただきます。
 PRTRは、環境汚染のおそれのある有害な化学物質の環境中への排出量と、廃棄物としての移動量に関するデータの目録という意味だそうでございまして、環境汚染物質排出・移動登録、このようにも言われているところでございますが、今後の環境保全施策を推進する上で重要な手段である、私はこう認識をいたしております。
 申し上げるまでもなく、私たちの周囲にはたくさんの化学物質が存在いたしておりまして、日常生活に欠くことのできないものになっております。しかし、この有用なはずの化学物質が環境汚染を引き起こしまして、身近な動植物の生態系を破壊したり、さらには人間に対しましても重大な影響のおそれのあることは、三十五年ほど前に「沈黙の春」という書物で警告をされました。そのころ我が国では、メチル水銀によるところの環境汚染が原因の水俣病などの深刻な公害事件が発生をいたしました。ただいまのダイオキシン問題にもかかわることでございますが、さきには「奪われし未来」の書物におきましても、環境ホルモンという新しい問題も深刻な事態として提起されたところでもございます。
 今化学物質に対する不安が大変募っております。不安を解消するための取り組みとしてこのPRTRの制度があると承知をいたしておりますが、これは行政が、幅広い排出源について、有害な化学物質の環境への排出量を把握して、それを広く国民に情報として公開するものでございます。これまでよくわからなかった有害な化学物質の環境への排出の状況を明らかにする手法としてPRTRの制度が必要とされるわけでございますが、ただ、このPRTRによって排出量だけが示されるといたしますと、国民はそれが安全なものなのか、あるいは危険なものなのかわからないだけに不安になるという面も実は多分に危惧されるわけであります。
 そこで、まずお聞きいたしたいことは、PRTRの制度化によって、排出量情報だけではなく、それが安全なのか危険なのかわかるように化学物質の有害性の程度などについて情報の公開をすべきと思いますが、この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
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澤宏紀#11
○澤説明員 化学物質につきましての情報の公開についてでございます。
 PRTRの制度化に当たっては、PRTRによって把握できる排出量情報を公表するとともに、化学物質の有害性などの情報も提供しつつ、国民が安心できるよう説明していくことが重要であると認識しております。
 パイロット事業におきましても、対象化学物質についての排出量情報に加え、物質の性状、毒性等に関する情報をあわせて公表してきたところでございます。
 パイロット事業に対する国民の意見、あるいは中央環境審議会においても、このような形での情報提供の重要性が指摘されておりまして、そのような御議論も踏まえながらPRTRの制度化について検討してまいりたいと思っております。
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大野松茂#12
○大野(松)委員 情報の公開ということは、特にこのPRTRを制度化する上でも最も大切な精神だと思いますので、まずしっかりとこの点を確認申し上げる次第でございます。
 次に、環境庁は、OECDのPRTR制度導入の勧告、平成八年でございましたが、それ以降我が国としての取り組みを本格化されております。昨年度は、一部の県でパイロット事業として施行されました。その成果を制度に生かすという姿勢はまことに結構なことでございまして、評価するわけでございますが、このパイロット事業の成果はどのようなものであったか、これから多分これを生かすことだろうと思いますが、お聞きをいたします。
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澤宏紀#13
○澤説明員 環境庁では、我が国へのPRTRの導入を目指しまして、平成九年六月から神奈川県の川崎市、湘南地域及び愛知県の西三河地域でパイロット事業を実施し、国民の意見聴取なども行ってきたところでございます。その成果は、本年九月にPRTR技術検討会のパイロット事業評価報告書としてまとめられたところでございます。
 この事業を通じてPRTRに対する国民や事業者の理解が深まるとともに、PRTRの実施に必要な技術的な事項の検討も進んだことにより、今後のPRTRの制度化に向けて重要な基盤となるものと認識しております。
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大野松茂#14
○大野(松)委員 今化学物質の数は地球上で十万種以上、こう言われております。我が国におきましては、毎年三百種類ぐらい新しい化学物質が市場に投入されているとも言われております。化学物質は、毒性、爆発性など、人体や環境に悪い影響を与える危険、有害性を持つものもございます。それをきちんと管理しなかったために健康や環境が破壊されてきたことも事実でございます。
 ダイオキシンや環境ホルモンへの不安が高まっておりますが、ごく微量でも深刻な影響が生じております。その危険性を回避していく上で、とりあえず全体の排出量を抑えること、化学物質の動きをうまく管理していくことも重要なことであると思っております。
 今回のパイロット事業の経緯を踏まえまして、基本的な点について何点かお尋ねしたいと思いますが、PRTR制度を進めるに当たりまして、対象の範囲あるいは報告の義務づけ、公表の仕方などが重要なポイントになるものと思っております。
 まず、対象をどこまで広げるか。化学物質の範囲、パイロット事業では百七十八種類としておりますが、この範囲と事業所規模の範囲について。また、正直者が不利益をこうむらないような報告の義務づけの仕組み。事業者の理解と協力が得られる公表の仕方、これはそのまま住民の理解にもつながることと思っておりますが、こうした三つの点につきまして、それぞれ大事な要件になると思っております。これらについて、どのようなお考えをお持ちか、お示しをいただきたいと思います。
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澤宏紀#15
○澤説明員 まず、対象化学物質、また対象事業所についてでございますが、パイロット事業におきまして、有害性及び暴露の程度等を勘案いたしまして、幅広く対象化学物質を選定し、百七十八物質を対象としたところでございます。
 また、パイロット事業におきましては、業種別に一定の従業員規模以上の事業所を対象とした結果、約千八百の事業所が対象となり、対象化学物質を排出する事業所を広く捕捉することができたと考えております。
 そのようなパイロット事業の実績も踏まえながら、制度化について検討してまいりたいと思っております。
 次に、事業所からの報告を義務づけることについてでございますが、PRTRを統一的な方法で実施し、信頼性の高いデータを得るためにも、また事業者間の公平性を確保するためにも、一定規模以上の事業所には報告を義務づけることが必要であると考えております。
 こうした考え方に基づきまして、中央環境審議会において進められている審議を踏まえ、制度化について検討してまいりたいと思っております。
 次に、公表の方法について、事業者の協力が得られるような方法ということについてでございますが、PRTRのデータの公表方法は、PRTR実施の趣旨、目的に照らして重要な要素であると考えております。
 中央環境審議会において進められているPRTRの法制化に関する審議を踏まえて、最も適切なデータの公表の方法を見きわめてまいりたいと思っております。
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大野松茂#16
○大野(松)委員 例えば化学物質の範囲一つをとりましても、幅広い化学物質を対象にしてスタートするということも大事であると思いますし、それに並行してリスク評価を進めて、結果が明らかになれば順次対策を見直す柔軟な姿勢、これも大事な要件になろうと思います。ぜひ、これらにつきましても、あらかじめの御配慮をお願いしたいと思います。
 PRTRにとって、大規模な事業所あるいは工場等の排出源を把握するだけでは十分ではございません。中小企業や家庭、あるいは自動車、農地におけるところの環境への排出につきましても、推計をきちっと行うことによって、有害な化学物質の排出の状況を包括的に把握できるようにすることが重要と考えております。これらの部門につきましては、いかがなんですか。
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澤宏紀#17
○澤説明員 大規模な事業所以外から環境へ排出される化学物質の推計についてでありますけれども、有害な化学物質は、化学工業などの大規模な工場のみならず、中小事業所、家庭、交通、農地などからも環境中に排出されておりますので、それらを含めて、環境への排出源と排出量を包括的に把握することが重要と認識しております。
 このような観点から、パイロット事業におきましては、これらの多様な発生源からの排出量について、これまでの各種の調査結果、既存の統計資料等を用いて推計を実施したところでございます。
 パイロット事業に対する国民の意見、あるいは中央環境審議会においても御指摘のような意見が出されており、そのような議論を踏まえながら、制度化について検討してまいりたいと思っております。
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大野松茂#18
○大野(松)委員 こうしたパイロット事業の取り組みというもの、非常に大事なことでございます。
 また、通産省においても、このPRTRについて検討を重ねてこられまして、昨年から化学品審議会でこの問題を審議され、中間報告をまとめられたと仄聞いたしております。この取り組み、その内容につきまして、お示しをいただきたいと思います。
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河野博文#19
○河野政府委員 お答え申し上げます。
 私ども通産省と化学品審議会におきましては、昨年の九月から計十三回にわたって、化学物質の管理問題についての審議をお願いしてまいりました。そして、御指摘のとおり、ことしの九月八日に、事業者の化学物質管理の促進のための体制整備について、これから御紹介させていただきます三点を柱とする中間報告を取りまとめていただいたところでございます。
 第一番目でございますが、今御指摘のPRTR関連でございまして、情報開示の点も含めまして、有害性に関しまして、科学的な根拠に基づいて選定された特定の化学物質の排出あるいは移動量につきまして国に届け出を行うPRTR制度の法制化を速やかに行うということでございます。
 第二番目には、いわゆるMSDSということでございますけれども、これは特定の化学物質を供給する際に、そうした物質の有害性などの性状あるいは取り扱い上の注意事項などに関します、安全性データシートと呼んでおりますが、そのデータシートを利用するあるいは使用する事業者に提供することを義務化するということでございます。
 そして第三番目には、これも御指摘がありました、化学物質の有害性などに関します情報を収集あるいはデータベース化いたしまして、国民の皆様やあるいは事業者に提供するなど、これはPRTRあるいはMSDSを円滑に実施していくための基盤を整備することということでございます。
 この中間報告を受けまして、私どもといたしましても関係の省庁との意見調整を図りまして、できるだけ速やかに実現をしていきたいなというふうに考えているところでございます。
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大野松茂#20
○大野(松)委員 環境庁でのパイロット事業としての取り組み、そしてまた通産省における化学品審議会での取り組み、それぞれの内容はすばらしいものでありますし、通産省は、このMSDS、データシートに対するところの新しい提起もされているわけでございますが、それぞれこれからの取り組みに大きく期待を申し上げる次第でございます。
 先般、九月九日から東京都内で、環境庁が招致をして、OECD主催のPRTRに関する国際会議が開催されました。この会議においてどのような成果が得られましたのか、また、その成果をこれからのPRTR制度に生かしていかれるのか、お尋ねをいたします。
    〔委員長退席、佐藤(謙)委員長代理着席〕
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澤宏紀#21
○澤説明員 PRTRに関するOECDの国際会議の成果についてでございますが、この国際会議は内外から約百五十名の参加者を得ました。既に各国で導入されたPRTR制度や各国の取り組み状況についての報告がなされるとともに、環境政策の手段としてのPRTRの役割の重要性や今後の方向性について活発な議論が行われました。
 会議では、環境保全手段としてのPRTRの価値及び環境汚染物質の負荷量を把握できるPRTRの有用性などが確認され、今後の各国における取り組みの強化及び国際協力の進展を求めた宣言が採択されました。また、我が国の取り組みとして先ほど御説明申し上げましたパイロット事業の成果を報告し、高い評価を受けました。
 このような会議の成果を踏まえまして、環境保全施策としてのPRTRの導入により積極的に取り組んでいきたいと思っております。
    〔佐藤(謙)委員長代理退席、委員長着席〕
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大野松茂#22
○大野(松)委員 こうした国の取り組み、これらに先駆ける形でもございますが、既に先進的な地方公共団体、私の埼玉県もその一つでございますが、化学物質環境安全指針、これを策定いたしまして、運用して、成果を上げているところもございます。地方自治体との連携もこれら制度化に当たりましては十分図っていただきたい、こう思います。
 それと、過去にもこういうことがございましたが、環境アセス法あるいは省エネ法などにつきまして、国民の目から見ますと、通産省と環境庁があたかも対立をしているのではないか、このようにとられかねない声もたびたびございます。PRTRについて、もう既に一部のマスコミがこのような報じ方をしているところもあるわけでございますが、国民の声を十分取り入れて、そしてお互いの検討の成果をじっくり話し合っていくことが制度化の上では大事なことだと私は思います。
 アメリカやイギリス、オランダ、カナダなど、これらの国々では既に制度化をしておりますが、我が国はこれまで環境保全行政で果たしてきた世界の先導的役割、我が国は果たしてきたはずでございますが、この世界の先導的役割にふさわしい水準の高いPRTRの制度にしていただきたいと心から念じているところでございます。
 ただいままでそれぞれのお立場からの答弁をいただいたところでございますが、改めて大臣の御決意を承りたいと存じます。
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真鍋賢二#23
○真鍋国務大臣 PRTRは国民に不安を与えている有害な化学物質問題に取り組む上で極めて有効な環境保全上の手段であると認識をいたしております。
 御指摘のように、我が国としては世界に誇ることのできる制度としたいと考えており、先般東京において開催したPRTRに関するOECDの国際会議の成果を踏まえて検討していきたいと考えておる次第であります。
 そして、今先生の御指摘にありました通産省等関係省庁との十分な協議でございますけれども、やはり私は、各省にまたがる審議会の答申のあり方にも問題があるように思えてならないわけであります。
 化学品審議会において、通産省はその答申を踏まえての論議を進めておるところでありますし、また環境庁としても中央環境審議会の答申を待ってということで、そこに若干の時間的差異があるわけであります。その差異を両省間で話し合いをした上で立派な法制度にしていかなければならないということで、環境庁長官としましても、その話し合いの場を何度も何度も持つようにして、法制化の上において、日本が環境行政の上で指導的役割を果たせるようにしていきたいと思っておるところであります。
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大野松茂#24
○大野(松)委員 ぜひそのようなお取り組みをお願いいたします。
 私、今PRTRについてお尋ねをしてきたわけでございますが、PRTRといいましても何をPRするのか、実はこのように聞かれることもしばしばありまして、まことに難し過ぎる言葉でもございます。最近は環境ホルモンにつきましても、内分泌撹乱物質を環境ホルモンというのだということで、これも難し過ぎるということもあるのですが、まさに新しい時代だけにこんな難しい言葉がしばしば出てくるのだろうと思います。
 このPRTR、環境汚染物質排出・移動登録、これが直訳でありまして、やはり一番英語の言葉に当たっているのだろうと思いますが、まことにわかりにくいわけであります。大臣にお尋ねするのはいかがかと思いますが、こういう制度を本当に定着していくためには、もっとわかりやすい名称にしていくことも制度化の中では大事なことだろうと思います。
 この点につきまして、これから制度を検討される上でぜひ御配慮をいただきますように、質問をした立場で要望を申し上げる次第でございます。
 それと、答弁をお願いするのは時間の都合でいかがかと思いますが、一言、特に大臣に御要望申し上げたいことがございます。
 それは地球温暖化対策に関連してなんですが、この地球温暖化対策の中で、緑の育成、保全、これによりますところの二酸化炭素吸収対策の推進が大きな柱となっております。植林等を含めまして、これらの積極的な対応を求めているわけでございますが、近年、首都圏また都市部の緑、殊に屋敷林であるとか平地林などの固有の風景が猛烈な勢いで実はなくなっております。武蔵野原風景としての雑木林、実はことしは国木田独歩の「武蔵野」の出版百年の記念の年でございますが、このうたいとげられました武蔵野も、このままでいきますと、もう時間の問題で消えていこうとしております。保全のためには相続税あるいは固定資産税などについての特別の措置を緊急に講ずる必要があるのではないかと強く感じているところでございます。
 私どもの埼玉県下におきましてはこれが大きな住民運動になりつつありまして、所沢を中心とした産廃の処理施設が貴重な緑を破壊して、奪われているということもあるわけでございますが、今、埼玉県内の市町村議会でこの保全策についての意見書、決議が実は相次いでおります。
 緑の保全、かけがえのない自然を守り、そして次の時代に引き継ぐためにも、環境にかかわる環境庁長官という立場で格別の御理解と御尽力をいただいて、これらを次の時代にしっかりと伝えることができますように、格段の御尽力を重ねて強く要望させていただくところでございます。御答弁はいかがかと思いますが、強く御要望申し上げる次第でございます。
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真鍋賢二#25
○真鍋国務大臣 先生御指摘のように、我々の世代で環境破壊を子孫に残すわけにはいかないわけであります。
 先般もアジア・太平洋環境会議が仙台で開催されました。仙台に参りましたら、きれいな森や、また森林が保全されておるわけでありまして、大変心強く思ったわけでありますけれども、その原因は何かと市長さん初め皆さんに伺いましたら、やはり先人と申しましょうか、先代の方々が立派な森林を保全していただいたおかげだと。伊達藩の当時は、武家屋敷の中に必ず樹木を植えることという義務化をしたようでございまして、その恩恵が今日でも生かされておるのじゃないかと思ったわけでありまして、我々もそのような点に思いをいたしながら森林保全に努めていかなければならないと思っておるところであります。
 また、先生、武蔵野のすばらしい景観を残したいということであります。私も同感でございまして、残せる方法がどういうところにあるか、それを十分究明しながら処理に当たってまいりたいと思っておるところであります。
 それから、先ほど、PRTRの名前がどうも呼びにくいではないかというようなことでございました。私も同感でございます。長官に就任してから、PRTRなんというのはどうもわかりにくいではないか、昔のPTAならわかるけれども、そのぐらいのわかりやすい言葉に、なじんでいただく言葉にしていくように努力しようではないかということを申し合わせたわけであります。
 今後いい命名をして国民に親しまれる環境行政にしてまいりたいと思いますので、どうぞ今後とも御提言方よろしくお願いいたす次第であります。
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大野松茂#26
○大野(松)委員 大変力強い御決意をお披瀝いただきましてありがとうございました。くれぐれもよろしくお願いいたします。
 これで質問を終わります。
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北橋健治#27
○北橋委員長 佐藤謙一郎君。
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佐藤謙一郎#28
○佐藤(謙)委員 それでは、これから藤前干潟とそれから吉野川第十堰の問題につきまして御質問をさせていただこうと思いますが、その前に、環境全体の問題として、真鍋長官に二、三御質問させていただきます。
 私は、参議院時代に同じ党にいて、大変真鍋長官の温厚なお人柄、政策に対するいろいろな御指導をいただいたわけでありますけれども、今度の組閣に当たってマスコミの寸評の中に、長官は、温厚だけではなくて、思い込んだらいちずだ、碁もけんか碁、そういう評が出ておりました。勝負事は何事にも強い。実は今の環境庁長官にぴったりな資質をお持ちなんだなと私も大変期待をするところであります。まさに改革の先頭に立つ庁として環境庁があって、そのトップに座られた。
 例えば、原子力発電を単なるクリーンエネルギーとはみなさないという主張等々、信念に基づいたそうした御発言に私も心から敬意を表するところであります。環境庁長官がここのところいろいろな場面でお話しされている中で、例えば、戦後の経済復興と高度経済成長の時代には生産者の立場から考えてきたが、日本の国として余裕が出てきた今は消費者の立場に立って考えないといけない、アジアの国々からはリーダーシップを求められているという発言ですとか、あるいは、高度経済成長期が終わり持続可能な開発のあり方について日本がリーダーシップをとる時期に来ている、干潟の保護の重要性は認識しており藤前干潟に関しても厳正な措置をとりたい等々、御主張を重ねておられます。
 まず、改革、変革に対する非常に強い意思が感じられますけれども、その意思はどこから来ておられるのか、その辺からお聞きしたいと思います。
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真鍋賢二#29
○真鍋国務大臣 佐藤先生にもいろいろと御指摘やまた御指導をいただいておるところでありますけれども、私自身のことになりますと、どういうところからその変革や改革の意思決定がなされておるかということについての事柄は十分わからないわけであります。
 自分なりに考えてみますると、これは私的なことで大変恐縮でございますけれども、父親が早く戦死した関係で、やはり独立独歩の道を歩まなければならないような教育を受けた関係でこういうふうな性格になってきたのではないかと思っております。決していい性格とは思いませんけれども、しかしながらやはり事に処していく場合には右左をしっかり把握して判断をせなければならないわけでありまして、その決断が今日の私をしてそういう性格ならしめたのかな、こういう気持ちでございます。
 いずれにいたしましても、多くの皆さん方の御指導をいただきながら、環境行政の間違いのなさをしっかり把握していかなければならないと思っておるわけでありまして、今日まで環境庁はある意味では調整省庁だというようなことでいろいろなことが指摘されたわけでありますけれども、やはり調整省庁の域を脱していかなければならないのではないだろうか、やはり事業官庁としての任務も多々あるわけでありますから、それらの問題について処していかなければ真の環境行政というのは生まれてこないのではないだろうか、こんな思いをいたしておるところであります。
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