国旗及び国歌に関する特別委員会

1999-08-09 参議院 全60発言

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会議録情報#0
平成十一年八月九日(月曜日)
   午前十一時四分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                岩井 國臣君
                溝手 顕正君
                江田 五月君
                森本 晃司君
                笠井  亮君
    委 員
                市川 一朗君
                景山俊太郎君
                亀井 郁夫君
                中川 義雄君
                南野知惠子君
                橋本 聖子君
                馳   浩君
                森田 次夫君
                足立 良平君
                石田 美栄君
                竹村 泰子君
                直嶋 正行君
                本岡 昭次君
                松 あきら君
                山下 栄一君
                阿部 幸代君
                山本 正和君
                扇  千景君
                山崎  力君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 野中 広務君
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        竹島 一彦君
       内閣法制局第二
       部長       宮崎 礼壹君
       内閣総理大臣官
       房審議官     佐藤 正紀君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        志村 昌俊君
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国旗及び国歌に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)



    ─────────────
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鴻池祥肇#1
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから国旗及び国歌に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、江本孟紀君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。
 また、本日、清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として山本正和君が選任されました。
    ─────────────
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鴻池祥肇#2
○委員長(鴻池祥肇君) 国旗及び国歌に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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足立良平#3
○足立良平君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 私に与えられている時間は大変短いのでございますが、きょうはせっかく総理に御出席をいただいておりますので、総理にひとつ質問をさせていただきたい、このように思います。
 この国会は今までにない大変大幅な延長をいたしまして、しかもそれは今週の十三日を最終期限といたしているわけであります。それで、この最終一週間の間に参議院におきましては、住民基本台帳あるいはまた通信傍受法案の問題、あるいはまたきょう審議をいたしておりますこの国旗・国歌の問題等々、国民の側からいたしますと大変注視を浴びているこの一週間ではないかというふうに思います。
 ところが、私、昨日新聞を見ておりまして、あれっと実はびっくりいたしました。この三つの法案を強力に推進されてきた自民党と自由党さんが、五十名の比例代表の削減問題をめぐりまして自自連立がどうであるとかこうであるとかというふうな話が今出ておりますし、きょうの新聞を見ましてもこれまた一面に各紙全部躍っているわけであります。
 したがって、そういう面では、この国旗・国歌法案と直接関係はございませんけれども、国旗・国歌法案を強力に推進されてきた自民党さんと自由党さんの連立が一体どうなるのか、自自公さんを含めて先行き一体どうなるのか、総理、その辺のところ、ひとつ考え方をちょっとお聞かせ願っておきたいと思います。
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小渕恵三#4
○国務大臣(小渕恵三君) この通常国会に当たりますに、自由民主党と自由党との間におきまして重要な問題につきましてのお話し合いがございまして、その結果、連立政権が誕生しておるところでございます。
 現下、お約束をいたしておりますものの中でまだ解決をいたしておりません問題、特に衆議院における定数の削減問題につきましては、今衆議院におきまして連立政権として提出をいたしています法案につきまして御審議をいただいておる過程でございまして、内閣といたしましては、ぜひそうした懸案につきましても、それぞれの院におきましてこれが成立のために心から御審議をお願いいたしているというのが今の立場でございます。
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足立良平#5
○足立良平君 公式的には多分ひょっとしたらそんな答弁しかできないのかなというふうに思うんですが、ただ総理、今日の政治の状況、あるいはまたこれは政治だけではなしに、経済の問題を含めてあるいは社会的に含めましても、やはりこれは皆さんにある程度任せておりますよということではなしに、総理としてこれから日本というのはこうすべきだとか、あるいはまたこうあるべきだというふうなことがもっとどんどんと発信をされていかないと、私は政治におけるリーダーシップというのは発揮されないのではないかというふうに思えてならないわけであります。そういう面で、さらにもう一歩踏み込んでいただきたいと思いますが、多分無理でしょうからこれはもう横に置いておきます。余り時間がありませんから次に進めていきたいと思います。
 それでは、国旗・国歌の問題についてでありますが、国旗・国歌の問題につきましては、もう今日までいろんな議論を実はやってまいったところであります。やってまいった中で、大日本帝国憲法下においては大変不幸な使われ方をしてきたということもこれまた事実であります。そして、そういうふうな中でいろんな思いを国民の皆さん方は持っている。あるいはまた、そういう戦時中におけるいろんな経験から出るものと、しかも宗教的な面からこの国旗・国歌に対するいろんな思いを持っておる方もおられる。
 こういういろんな経過があるわけでありますが、この二十一世紀の日本でいかなる役割を国旗・国歌というものは果たすものか、あるいはまた総理としてどういうふうに果たさなければならないというふうにお考えになっているのか、この点、ちょっとお聞きをいたしたいと思います。
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小渕恵三#6
○国務大臣(小渕恵三君) 常に御熱心な御審議をちょうだいいたしております本法律案でございますけれども、私は、国旗・国歌はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われているものでありまして、国家にとりましてはなくてはならないものであると考えております。また、国旗・国歌は、国民の間に定着することを通じまして、国民のアイデンティティーのあかしとして重要な役割も果たしておると考えております。
 そこで、今、先生からいろいろの過去の歴史のことにつきましてもお話がございましたが、昭和二十年八月十五日以前に生起した出来事に対する認識と評価につきましては、歴史認識や歴史観の問題として考えるべきものであり、日の丸や君が代はこれと区別して考えていくべきものであると考えております。
 我が国は戦後一貫して、我が国はもとよりでありますが、世界の平和と繁栄のために力を尽くしてきたところであり、今後ともその地位にふさわしい責任を国際社会の中で果たしていく考えであります。
 いずれにいたしましても、我が国の末永い平和と繁栄を願うことといたしまして、国旗と国歌というものを大切にいたしていかなければならないと考えておりまして、しばしば申し上げておりますが、新しい世紀を迎えるに当たりまして、この点につきましても、国民の御意思としてこれを法定化いたしていくことによりまして、次代を背負う青少年も含めまして国旗と国歌に対する認識を深めていただくと同時に、諸外国の国旗・国歌に対してもこれまた同様に国際人として十分な認識のもとに対処いたしていくことができれば幸いである、このように考えておる次第でございます。
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足立良平#7
○足立良平君 今ずっとお話を聞いておりまして、これからの日本の国というのはこうなければならないだろうし、そういう中で、国際社会の中で日本の果たす役割も含めて、そして国民統合の象徴である国旗でありあるいはまた国歌というものに対する認識というのは、私どうもお話を聞いていて実はぴんとこないわけなんです。総理の方から、こういう点で国旗・国歌というのは必要なんですよということの訴えというものが全然私には響いてこない。
 私は、国旗・国歌を法制化するのはやむを得ないという立場を持っております。持っているけれども、総理のお話を聞いていて、本当にそうなのだなという感じを実は持たないということを私ははっきりと申し上げておきたいと思います。
 それで、その面の延長線上として、総理、この法案を提出された経緯については今まで各委員会、本会議含めていろんな議論がございました。きょうは初めて総理がこの委員会に出てこられましたので、二重になるかもしれませんけれども、あえて私は総理からお聞きをいたしたいと思うんです。
 二月二十五日に本院の予算委員会で、総理はこの国旗・国歌について、いわゆる国旗・国歌について法制化はしません、法制化はいたしませんと二月二十五日に明確に否定されました。そして、三月のたしか二日だったろうと思いますけれども、わずか二月二十五日から三月二日まで一週間ないんです。一週間ない間に総理は法制化の検討を官房長官に指示されている。一週間足らずですよ。私は、時の総理として、例えば予算委員会等は、総理が年来の友達と非公式にお酒を飲みながら雑談している話ではないでしょう。予算委員会で総理が答弁をされるというのは、その面におきましては相当にそれぞれスタッフの皆さんを含めてチェックもされたでありましょうし、吟味もされたでありましょうし、そしてまた慎重に言葉を選びながら答弁をされているものだと思う。それがわずか一週間足らずでころんと百八十度、三百六十度だったらぐるっと回ってしまいますが、変わっちゃう。これはいかがであるのかということを私は改めて実は感じるわけです。
 その点についての総理の考え方をちょっと聞かせていただきたいと思います。
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小渕恵三#8
○国務大臣(小渕恵三君) 私は元来、願わくば、慣習法で存在いたしておりました国旗と国歌もでき得べくんば法制化をすることができればこれが望ましいとは考えておりました。
 しかしながら、国会におきまして、諸般の情勢の中でこうした法案を政府として提出いたしました段階におきましては、願わくば国会、すなわち国民の代表たる議員の皆さんの御賛同を得てこれが法律化される情勢が望ましいというふうに考えておったところでございまして、そういうことから考えますと、二月の時点におきましては、私自身といたしましては、現在、この問題について与党たる自民党を初めといたしまして、諸般の情勢を判断いたし、また政府としてもこの問題について考えてまいりましたところ、その情勢には立ち至っておらないという判断をいたしましたので、私としてはこれを提出する段階ではないということで国会にお諮りすることを控えさせていただいたわけでございます。
 しかし、政府部内におきまして、その後ここにおられる官房長官その他とお話し合いを進めた段階におきまして、国会におきましても十分御審議を得られ、かつ御理解を得られれば、二十一世紀を前にして一つの区切りをつけられるのではないかということを判断いたしまして、国会、本会議でも申し上げましたが、よくよく考えさせていただいた結果これを提出させていただいたということでございます。
 その背景はいろいろあるかと思いますけれども、政党の中には、これが法制化されないゆえに、この国旗と国歌の問題を学習指導要領等でこれを指し示すことについては疑問があるという御議論もありましたし、その後、いろいろ国内の各県の状況等を見ますると、そのことゆえにこの国旗と国歌の問題についての指導がされないということについては、これは望ましいことではないと考えたわけであります。
 また、学校におきまして、小中高におきまして入学式あるいは卒業式等における指導につきましても、全国四十七都道府県におきましていろいろ事情が相異なっておるんじゃないか。例えば私の出身の群馬県などは一〇〇%現在も実施をされておりますので、あえてそうした問題を取り上げるまでもないという議論も実は私の県などはございますけれども、全国的に見ますると必ずしもそういう状況でないということであるとすれば、法的根拠なきゆえにという主張があるとすれば、そのことについては国としても明らかな対応をすることが望ましいと結論づけまして、政府として部内にお諮りいたしましたところ、今国会において提出をなすべき、こう考えまして御審議を願うということになったわけでございますので、この間、御理解をぜひお願いいたしたいと思っておる次第でございます。
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足立良平#9
○足立良平君 時間がございませんので先に進めたいと思います。
 総理、私は総理が方針を転換された議事録を再度読み直してみました。今お話を聞いておりますと、結局、官房長官と話をして、そしてそれで一応方針を変えたと、こういうことが新しく実は出てきたことでありまして、私はこれは、時間がありませんがちょっと言いますと、大事なことでありますが、この「我が国の伝統、慣習に基づいた価値観の共有の意味についてよくよく考えてみまして、」というのは、少なくともこれはやらないということの方針を出されたこととは、これはもともとあったことでありますから、もう全く関係ありません。それから、「我が国は成文法の国であること、」、これも全然関係ありません。それから、「諸外国では国旗と国歌を法制化している国もあることなど」、これも関係ない。それで、「二十一世紀を迎えることを一つの契機として、」、これはもう初めから、二十一世紀というのは時間がたてば確実に来るわけですから。そうすると、総理が方針を転換された理由というのは、結局、官房長官と話をして、そして方針転換したということしか私は実は受け取ることができない、ずっと詰めて考えてみると。
 したがって、私は、そういう面では総理の、冒頭申しましたけれども、政治に対するリーダーシップあるいは政治というもので総理は一体どうしようとしているのかということが大変にわかりづらいというところに、今日の我が国の政治の一番の問題点があるように思えてなりません。時間がありませんから、これ以上申しません。
 最後になるわけでありますが、私は、一応日の丸の問題についてはちょっと横に置きたいと思います。君が代の解釈の問題についてであります。
 この解釈の問題について、実は今日まで政府はいろんな解釈といいますか、おっしゃってきているわけであります。これはそれぞれおっしゃってきているわけでありますが、ずっとつぶさに今までの政府がおっしゃってきたことを検証してまいりましたときに、一つだけなるほどなと思いましたのは、古代からの和歌であるとか、あるいはまた大日本帝国時代の認識であるとかということは別として、戦後の政府の物の言い方としては、この君が代全体の解釈について、考え方についてはそれはそれなりにおっしゃっているけれども、君が代の「君」については注意深く実は特定せずに来ているというのが今日までの政府のいわゆる答弁であったというふうに私は理解をいたしました。
 ところが、今回、「君」というものについては、象徴天皇である、象徴の天皇であるということを明確におっしゃっているというところに、私はこの君が代についての、冒頭申し上げましたけれども、いろんな経験を持っている皆さん方、国民の皆さん方、あるいはまた宗教上のいろんな考え方の皆さん方、いろんな国民がいる、そしてしかも日本の国というのは、きょう公聴会で石川眞澄公述人も、えてして違ったものを排除していく傾向が日本の政治文化の中にあるのではないかというふうにおっしゃっておりましたが、私はそういうものがあるというふうに思います。事実、官房長官の「私は闘う」という書物の中にもそれらしい表現が私はあるように実は受けとめております。
 そういうことを含めて考えてみると、私は、この君が代の解釈あるいは「君」に対する政府としての統一見解というもの、これはここで明確にしない方が本当はいいのではないか。それぞれの国民が歌うときに、それぞれの気持ちを思いながら歌っていく。そういう一つの内閣、そのときの内閣で解釈してしまいますと、あるいはまたこれは次のときには必ず変更することが出てまいります。
 そういう面で、君が代なり日の丸というものを肯定する立場からするなら、むしろこれは、小渕総理大臣といいますか小渕議員がこういうふうに思っているというふうに、ひとつ今までの政府解釈というものを撤回して、小渕議員はこう思っておりますということで整理をするということが、私は、この問題を国民的により広く納得し、理解し、そしてそれが国民みんなに定着をしていくことにつながってくるのではないかというふうに思えてならないわけでありますが、その点についての総理のお考え方をお聞きいたしたいと思います。
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小渕恵三#10
○国務大臣(小渕恵三君) 先生の御意見もあろうかと思いますが、実はさきに石垣一夫衆議院議員より、君が代の「君」の解釈及び君が代の歌詞の解釈を含む国旗・国歌に対する質問主意書が提出をされております。したがいまして、政府としては、正規の手続を経て、議員の持つ質問権、この質問主意書というものについて、これは正確を期して答弁をしなければならないということの責任を負っておると思っておりまして、そうした意味で、政府としても総理大臣あるいは文部大臣等の答弁も過去ございました。
 しかし、そうしたことをすべて踏まえまして、これを論理的に整理して答弁をさせていただいたわけでございまして、そういう意味で私個人ということにはなりかねないのでございまして、そうした過去のいろいろ答弁等を法制局等におきまして十分精査した上で、国会議員としての質問に対してこれに答えるということの立場で明らかにさせていただいたということでございますので、この点につきましてもぜひ御理解をいただきたい、こう考えておる次第でございます。
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足立良平#11
○足立良平君 日の丸については、石垣議員からもどういう意味だという質問書が出されたことに対して、政府は明確に意味を言っていないわけです。ですから、そういう面からすると、私は石垣議員が質問書を出されたからこういうふうに言わざるを得なかったという議論は現実的にはちょっとなじみがたいというふうに考えておることを再度申し上げておきます。
 質問を終わります。
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森本晃司#12
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 いろいろな意見があり、あるいはまた今、足立委員からもこの法案が提出される経緯についていろいろと総理と議論もあったところでございますが、いずれにいたしましても長い間慣習法で認められてまいりました日の丸・君が代、これがいよいよきょうのこの委員会において、参議院で間もなく成立するもの、またさせなければならないものだと私は思っております。
 まず最初に、御提案されました総理及び官房長官に、この法案が上がるのを目前にして、ただいまの御感想をお聞きしたいと思います。
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小渕恵三#13
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほども御答弁申し上げたかと思いますが、国旗・国歌はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われ、我が国の国旗である日の丸と国歌である君が代はいずれも長い歴史を有しており、既に慣習法として定着しているものではございますが、二十一世紀を目前に控え、本法律案が国会にて可決、成立されればまことに意義深いと受けとめております。成文法で明確に規定されることによりまして、国民の皆様方から日の丸の歴史や君が代の由来、歌詞などについてより理解を深めていただくことを心から願っておるところでございます。
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野中広務#14
○国務大臣(野中広務君) ただいま総理からも御答弁がございましたように、日の丸・君が代につきましては慣習法として定着をしておるところでございますけれども、成文法に根拠がないことをもって日の丸・君が代を我が国の国旗・国歌として認めないという意見が国民の一部にあることも事実でございます。また、そのことによりまして、去る二月、国旗・国歌の指導に尽力をいただいておりました広島県の世羅高校の石川校長がみずからの命を絶たれるという痛ましい事件をも惹起したわけでございまして、このことも契機の一つとなりまして、政府といたしまして国旗・国歌の法制化の検討に着手をいたしまして、法律案を取りまとめ、国会での御審議をお願いすることとなったわけでございます。
 二十一世紀を目前に控えまして、総理から御答弁がございましたように、この国会におきまして御審議の上、可決をいただき、法律が成立をいたしますならば、国旗・国歌の法制化という大きな課題を後世に引き継ぐことなくこの二十世紀中に解決することができ、これにまさる喜びはないと私は存じておるところでございます。
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森本晃司#15
○森本晃司君 この参議院で審議している間に、私は何点か、国旗・国歌について、それからさきの大戦についてもう一度この法案をつくるときに考えなければならないなということを痛感しました。
 ちょうどこの参議院で審議が始まって、そして広島に原爆投下された日を迎えた。そして、きょうは長崎に原爆が投下されて五十四年です。我々は本当に、この国旗・国歌の法律を上げるときに、平和ということを心に刻んで、二度とあの戦争を起こしてはならないということを痛感するわけです。
 夕べ八時からBS2で吉永小百合さんがアメリカで原爆詩の朗読をされておった。長い間、大女優の吉永さんがずっと続けて原爆の悲惨さを朗読することによって訴えてこられた。そのテレビを見ながら私は感動し、また涙し、そして平和な社会をつくっていかなければならないなということを思いました。
 総理、官房長官、御多忙の中で、見ておられる機会はなかったかもわかりませんが、もし取り寄せることができたら、あの吉永小百合さんの朗読の詩をこの法律が上がると同時にまたお読みになって、日本の総理として平和への誓いを新たにしていただければと思うわけでございます。
 その中の一つ、九歳の少年の詩の朗読です。「原子爆弾が落ちると昼が夜になって人はお化けになる」、非常に短い子供の詩の朗読ではございますが、戦争のすべての悲惨さが私はこの短い詩の朗読の中にあると思えてなりませんし、他の朗読もそのとおりでございました。
 きょうは長崎で亡くなられた方々、また先日の広島で亡くなられた方々に心から哀悼を申し上げるわけでございますが、日本の長い歴史の中で日の丸・君が代が認められてきた。そして、今申し上げましたように、さきの大戦でいまいましい歴史があった。だけれども、私は、本会議場でも申し上げさせていただきましたが、日の丸・君が代に責任があったとは思えない。日の丸・君が代を使って時の軍国主義者、日本の指導者が間違ったのである、その事実はきちんと私どもは認識していかなければならないし、これから学校教育の場でも正しき認識の仕方を教えていかなければならない。
 あの戦争があったから日の丸・君が代が悪いので、そのことを掲げることはだめだというその考え方も、私は余りにも偏った考え方であると。歴史は歴史としてきちんと教えた上で、この国に生まれ、あるいはこの国によって育てられた私どもが日本人として、あるいはまた世界の平和を願う国の一員として、諸外国に出向いていったときも胸を張って日の丸を掲げ、同時に他の国の国旗を尊敬し敬愛していく、そういう社会人を、そういう社会の形成者としての人たちを教育の上で育てていかなければならない、この法律が上がることによって教育がさらに混乱するようなことがあってはならないと思います。
 この法案を上げるについて、もう一度総理の平和への誓い、それからこの旗を平和のシンボルとしていこうという誓い、さらにまた教育の場での混乱を起こしてはならないということについてお伺いいたしまして、時間でございますので、終えさせていただきたいと思います。
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小渕恵三#16
○国務大臣(小渕恵三君) 日の丸の旗を世界平和の象徴にいたしたいという先生の思いにつきましては全く同感でございます。しかも、責任ある立場にある者としてはこのことを十分踏まえて政治に取り組まなきゃならぬと深く認識をいたしておるところでございます。
 きょうはお話しのように長崎において慰霊祭と平和祈念祭が開かれております。昨年、私は、広島並びに長崎両市におきます慰霊祭、平和祈念祭に出席をさせていただきました。本日はこの場所におりまして現地に参っておりませんが、改めて長崎において被爆された方々に心から哀悼の意を表しますと同時に、平和の誓いを私自身も新たにいたしておる次第でございます。
 昨晩、吉永小百合さんの朗読されましたものにつきまして私も実は拝見をいたしておりまして、思いを新たにいたしますと同時に、その気持ちは日本国民ひとしく忘れてはならない問題であると認識をし、深く感銘を実は覚えたところでございます。そうした意味におきまして、改めてこうした国を指し示すところの国旗並びに国歌の問題につきましても思いを深くしていかなきゃならぬと思っております。
 特に、先生が本会議におきまして御自身のことを申されまして、二歳のときにお父上が戦死なされ、そして三歳のときに大空襲で家を焼かれた、そういう御体験も踏まえながら、やはり日の丸と君が代に責任がなく、当時の為政者も含めましてその責任を忘れ去ってはならぬという御指摘でございました。
 我々は、もとより過去に十分な反省をいたさなければならないことは当然でありますが、同時に新しい世紀を迎えて国民ひとしく新たな気持ちを持って前進していかなきゃならぬ。そういう意味で、本問題につきまして御指摘をちょうだいいたしましたことにつきましては、私自身も十分このことを肝に銘じて今後とも政治の責任を果たしていきたいと改めて感じたような次第でございます。
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森本晃司#17
○森本晃司君 終わります。
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笠井亮#18
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 総理に伺います。
 日本国憲法第十九条は思想及び良心の自由を保障しております。憲法制定当時の議会でも、国家の方から外的な何らかの作用を及ぼして自然に人間として持っている良心、思想、信教の自由な働きをなすことができないようにする、そういう作用を国家が及ぼさないこと、このことが明確にされております。
 思想及び良心の自由は絶対に制限をしたり侵してはならない、総理はこれを厳粛なものとして受けとめておられると思うんですけれども、憲法十九条について改めて所見を伺いたいと思います。
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小渕恵三#19
○国務大臣(小渕恵三君) 憲法第十九条が規定をいたしておりますところの思想、良心の自由は精神的自由権の一つとして位置づけられますが、信教の自由、学問の自由等の前提となるものであり重要な基本的人権でありまして、国政上これを十分尊重していくべきことは当然のことと考えております。
 今回の法案は憲法第十九条の理念をいささかも侵害するものではない、このように考えております。
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笠井亮#20
○笠井亮君 今回の法案はそこが問題なんです。
 今、総理が言われました思想、良心の自由、内心の自由は何人も侵してはならないんです。特に、国家権力がそれを制限したり禁止することは許されない。これは当然大きな問題を生むからであります。
 ところが、総理、去る六日の当委員会で我が党の阿部委員が、日の丸・君が代を国旗・国歌として掲揚し斉唱することに反対だという教員たちの考えが法制化によって変わると思うのかと質問したのに対して、野中官房長官は、変えていただかなければならない、変えていただかなくてはならない、こう答弁されました。私、これは重大だと思うんです。政治権力の中枢にある者がおよそ人の考えを変えてもらわなければならないと政治的威嚇をすることは憲法上断じて許されないことだと思います。
 日の丸・君が代の掲揚、斉唱に反対という考えには歴史的な根拠がございます。戦前に侵略戦争の旗印として、また主権者たる天皇をたたえる歌として使われてきた、だから反対だ、今の憲法にふさわしくないと思っている、そういう教員たちの考えを今回の法制化によって変えてもらうというのはどういうことか。一体どうやって変えるんですか。
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小渕恵三#21
○国務大臣(小渕恵三君) 学校における指導についてお触れになられたのだろうと存じますが……
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笠井亮#22
○笠井亮君 官房長官の答弁について聞いたんです。
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小渕恵三#23
○国務大臣(小渕恵三君) 官房長官の御答弁については官房長官から。
 委員がお受けになられたようなお考えとしてお話しされたかどうか存じませんが、私はさようなことはないと存じておりますけれども、改めて本件について申し上げれば、児童生徒の内心にまでわたって強制しようとする趣旨のものではなく、あくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくことを意味いたしておりますので、政治的威嚇云々なんということは絶対あり得ない、こう考えておる次第でございます。
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笠井亮#24
○笠井亮君 官房長官の答弁について聞いているんです。官房長官、どうですか。はっきり言ったんだから、ちゃんと答弁してください。
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野中広務#25
○国務大臣(野中広務君) 私は、先ほども申し上げましたように、我が国の一部に慣習法として定着をしておりました国旗・国歌につきまして、これが法文化されておらないということについて、国旗・国歌として認めない、あるいは入学式、卒業式にこれを斉唱し掲揚することに反対される国民の一部や教育現場における混乱等があるわけでございますので、それによって教育の混乱がもたらされ、また石川校長のようなとうとい犠牲が出ることは不幸でございますので、これが法文化をされることによって、そういう法的根拠を明確にすることによって教育現場における混乱をなくするようにしてまいらなくてはならないと申し上げたわけでございまして、それぞれこれを考えられる児童生徒の内心にまで立ち入ってこれを行おうとするものではないことは総理が御答弁をされたとおりでございます。
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笠井亮#26
○笠井亮君 いや、六日に、教員の考えを変えていただかなきゃいけないと、法制化によって、そう答えたんです、あなたは、官房長官。それについてどういうふうに考えるんですか。それも重大な憲法上の問題ですよ。きちっとその問題について、法制化によって教員の考えが変えられるのか、変えるというふうにお考えなのか、そこのところをはっきり答えてください。
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野中広務#27
○国務大臣(野中広務君) 教育の現場において、法的根拠がないということによって文部省の指導要領に基づかずに教育の現場における混乱が起きてきたということについて、法制化という明確な根拠ができることは今後の教育指導上好ましいことであると考えておるところでございます。
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笠井亮#28
○笠井亮君 六日に明確に答弁したんですから、そのことに答えてください。今おっしゃっている議論はさんざんもう六日にもやったんですよ。その上であなたは、反対という教員の考えは変えてもらわなきゃいけないと、法制化によって、こう答弁したんだから。そういう答弁については、本当にどうやって変えるのか、ちゃんと答えてください。
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野中広務#29
○国務大臣(野中広務君) 一般に思想、良心の自由はそれが内心にとどまる限りにおいて絶対に保障をされなければならないわけでございますが、それが外部的な行為となってあらわれる場合には一定の合理的範囲内の制約を受けるものと解されておるわけでございます。
 学校において、学習指導要領に基づく入学式等を実施するため、校長が教員に対しまして国歌についてのピアノの伴奏等の役割分担を命ずることは、この教員の思想、良心の自由を制約するものではないと考えております。
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