決算行政監視委員会第二分科会

2000-04-21 衆議院 全148発言

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会議録情報#0
平成十二年四月二十一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 赤城 徳彦君
      古賀 正浩君    松本  純君
      山本 幸三君    吉川 貴盛君
      島   聡君    中路 雅弘君
      中林よし子君    米津 等史君
   兼務 奥山 茂彦君 兼務 田中 和徳君
    …………………………………
   労働大臣         牧野 隆守君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      瓦   力君
   防衛政務次官       西川太一郎君
   厚生政務次官       大野由利子君
   会計検査院事務総局第二局
   長            関本 匡邦君
   政府参考人
   (防衛庁参事官)     小林 誠一君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    柳澤 協二君
   政府参考人
   (防衛庁装備局長)    及川 耕造君
   政府参考人
   (防衛施設庁長官)    大森 敬治君
   政府参考人
   (環境庁大気保全局大気規
   制課長)         仁井 正夫君
   政府参考人
   (外務大臣官房外務参事官
   )            林  景一君
   政府参考人
   (厚生省健康政策局長)  伊藤 雅治君
   政府参考人
   (厚生省社会・援護局長) 炭谷  茂君
   政府参考人
   (厚生省老人保健福祉局長
   )            大塚 義治君
   政府参考人
   (厚生省保険局長)    近藤純五郎君
   政府参考人
   (労働省女性局長)    藤井 龍子君
   決算行政監視委員会専門員 中谷 俊明君
    —————————————
分科員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  山本 幸三君     松本  純君
  神田  厚君     島   聡君
  中林よし子君     中路 雅弘君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  純君     山本 幸三君
  島   聡君     神田  厚君
  中路 雅弘君     中林よし子君
同日
 第三分科員奥山茂彦君及び田中和徳君が本分科
 兼務となった。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 平成八年度一般会計歳入歳出決算
 平成八年度特別会計歳入歳出決算
 平成八年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成八年度政府関係機関決算書
 平成八年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成九年度一般会計歳入歳出決算
 平成九年度特別会計歳入歳出決算
 平成九年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成九年度政府関係機関決算書
 平成九年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府(防衛庁・防衛施設庁)、厚生省及び労働省所管〕

    午前九時開議
     ————◇—————
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赤城徳彦#1
○赤城主査 これより決算行政監視委員会第二分科会を開会いたします。
 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件中、本日は、厚生省所管、環境衛生金融公庫、総理府所管中防衛庁・防衛施設庁、労働省所管について審査を行います。
 昨日に引き続き厚生省所管、環境衛生金融公庫について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米津等史君。
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米津等史#2
○米津分科員 おはようございます。自由党の米津等史でございます。
 私は、本日、厚生省に対しまして、海外戦没者の遺骨収集と、亡くなられた方々への慰霊について御質問をしたいと思います。
 資源のない日本が自存自衛の戦争をせざるを得なかった時代、その時代を経て今日の日本の平和が成り立っていると思います。私は、平和日本の礎となられました英霊の方々に対し、感謝の気持ちを忘れてはならないと強く感じている次第でございます。
 そこでお伺いをいたしますが、大野厚生政務次官は、海外戦没者の慰霊碑への参拝並びに遺骨収集活動等に御参加した経験はございますでしょうか。
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大野由利子#3
○大野(由)政務次官 海外の戦没者慰霊碑につきましては、残念ながら現在まで参拝の機会がございません。
 また、遺骨収集活動につきましても、これまで参加したことがございません。
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米津等史#4
○米津分科員 それでは、海外に視察等行っていらっしゃると思いますけれども、世界的に有名なアメリカのアーリントン国立墓地、こちらへの御訪問等の経験はおありでございますか。
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大野由利子#5
○大野(由)政務次官 アメリカのアーリントン墓地は、アメリカの建国以来の数々の戦争で犠牲になられた一般市民の方や、またアメリカの国民的英雄などが埋葬されている、世界的に大変著名な墓地として聞いてはおりますが、私自身が参拝をした機会は今のところございません。
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米津等史#6
○米津分科員 今のアーリントン国立墓地を初めとしまして、海外で二十四個の墓地と二十七個の慰霊施設を管理している委員会で、米国の、アメリカ大統領を長とする行政部門の一部に戦争記念碑委員会というものがございます。
 この戦争記念碑委員会というのは、立派な行政部門の一部門であり、職員は三百六十三人もいらっしゃって、大統領に直接選ばれた十一人の委員によって構成をされている。このアメリカの戦争記念碑委員会という組織について御存じでいらっしゃいますか。
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炭谷茂#7
○炭谷政府参考人 ただいま御指摘されました戦争記念碑委員会につきましては、詳しくは私ども承知しておりませんけれども、ただ、私どもの承知している範囲内だけで御紹介させていただきますと、一九一七年四月六日以降軍務に服していたアメリカ軍軍人のための慰霊事業の主催、海外の記念碑等の設計、建立、維持管理等を所管するアメリカ連邦政府行政部の独立機関ということは承知いたしております。
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米津等史#8
○米津分科員 現在、厚生省では、海外戦没者の慰霊についてどのような体制でお取り組みいただいているのでしょうか。
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炭谷茂#9
○炭谷政府参考人 慰霊事業につきましては各種行っているわけでございますが、各項目別に御説明させていただきたいと存じます。
 一つは、慰霊碑の建立でございます。
 政府としましては、旧主要戦域ごとに中心となる地域を一カ所選びまして、昭和四十六年に硫黄島戦没者慰霊碑の建立を初めとして、以後計画的に慰霊碑の建立を進め、現在までのところ、硫黄島のほか海外十三カ所、計十四カ所に慰霊碑を建立しております。
 第二番目は、慰霊巡拝、墓参についてでございます。
 慰霊巡拝につきましては、旧主要戦域における戦没者を慰霊するために、昭和五十一年度から政府の事業として、これまで二十五年間にわたり延べ百二十四回実施しており、約五千名の御遺族の方に御参加をいただいております。
 また、旧ソ連地域等における抑留中死亡者については、昭和三十四年から政府による墓参事業として、これまで延べ六十三回にわたり実施し、約九百名の御遺族の方の御参加を得ております。
 これらの慰霊事業を実施するために、担当部局でございます私ども社会・援護局の職員を総動員して取り組んでおりますし、また、厚生大臣を初め厚生省幹部におきましては、可能な限り慰霊碑の竣工式、追悼式や慰霊巡拝などに参加しているところでございます。
 この四月、今月からでございますけれども、慰霊事業の推進体制を一層強化するため、厚生省社会・援護局の中に新たに外事室を設置したところでございます。
 今後とも、海外戦没者の慰霊に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
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米津等史#10
○米津分科員 私も昨年の十一月十八日の決算行政委員会で、海外の戦没者慰霊碑の現状について多くの問題を抱えているというふうに御指摘をさせていただき、今炭谷局長がお答えいただいたようにいろいろな形で改善努力をなさっているようではありますけれども、また一つ例を取り上げてお話をいたしますが、先ほどのアーリントン国立墓地の入り口に立てられた看板には、我が国で最も神聖な寺院であるアーリントン国立墓地へようこそ、参拝者は常に気品と尊敬の念を持ってみずからを律していただきたい、そしてこの地はアメリカの中で一番聖なる場所であることをくれぐれも忘れないようにというふうに書かれております。
 このアメリカと日本の、亡くなった方に対する差は一体何に起因をするのか。私は、国家の意思、つまり礎になった方々への姿勢の問題だと思いますけれども、政務次官、いかがでございましょう。
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大野由利子#11
○大野(由)政務次官 国のために犠牲になられました戦没者の方々に対しまして哀悼の意をあらわすということは、これは国として当然のことでございますし、また人としても極めて当たり前で自然な感情のあらわれであり、その心は国は違っても同じではなかろうか、このように思っております。
 ただ、そうした慰霊の気持ちの具体的なあらわし方というのは、その国の歴史とか文化等々によって、またさまざまな事情によって違ってきておりまして、一概に比較するということは必ずしも適当ではないのではないか。
 また、一例を申しますと、我が国と違いまして、アメリカは第二次世界大戦後におきましても、朝鮮戦争、ベトナム戦争、また最近では湾岸戦争等と、現実に国民の皆さんの身近なところで今なお戦場で亡くなっていらっしゃる方がいらっしゃる、こういうことが、我が国とは大いに事情が違うという面もあろうかと思っております。
 しかし、我が国といたしましても、政府として、旧主要戦域ごとに戦没者の慰霊と平和への思いを込めまして慰霊碑を建立するとともに、適宜補修を行うなど、その適正な維持管理に努めており、戦没者に対して礼を尽くした対応に心を砕いているところでございますし、こうしたことは今後も大変重要なことである、このように認識をしております。
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米津等史#12
○米津分科員 私が申し上げたいのは、形としては確かに日本の施設あるいは慰霊等の記念碑については整ってきていると思いますが、今次官がおっしゃったように、この気持ちのあらわし方について、よりもう一歩工夫をしていただきたいなということを御指摘したいと思います。
 例えば、先ほどアーリントンの国立墓地の例をお話し申し上げましたけれども、この国立墓地に入られる基準というのが明確に定まっております。軍隊の戦闘行為中に戦死をした軍人あるいは軍役を経て六十歳以上の年齢に達し、予備役から年金をもらって生活をし亡くなった方々、あるいは一九四九年十月一日以前に戦場にて負傷をされ、それを原因に亡くなられた方々、またそれらの方々の配偶者、あるいは子供さん、奥様、そしてまた戦闘中に行方不明になった兵隊の方々の配偶者、御婦人、子供さん方、こういうように明確に国立墓地に入る基準というのがあらわされておりますし、国民にも伝えられているわけであります。
 加えて、アーリントン国立墓地のお墓、埋葬などについては原則として無料で提供される。それ以外の費用については家族が負う。これは行かれたことのおありの方はおわかりだと思いますけれども、墓碑は基本的に統一してありまして、その中の、宗教につきましては、個人のそれぞれの宗教がございますので、十字架を入れられたり、ダビデの星を入れられたり、あるいは日系の方々でしたら法華経を入れられたりされる。しかしながら、国が基本的なことについては全部無料で提供するという姿勢が明確にあらわれておりますし、さらに、これもひとつ参考にしていただきたいのは、申し込みをした後、四十八時間以内にその決定が申し込みをされた方に伝えられている、こういう行政サービスとしてのシステムが明確になっているということでございます。
 私が最近目にした新聞では、四月十一日付の朝日新聞夕刊によりますと、厚生省の戦没者調査に関して、次のような問題点が指摘されておりました。
 まず第一に、厚生省が昨年の夏、DNA鑑定による身元確認を想定して国内外で収集した戦没者の遺骨が、予算がないという理由で今も鑑定のめどが立たず、霊安室に置かれたままになっているという指摘。加えて、厚生省は希望する遺族に自己負担で鑑定してもらうという方針だったが、鑑定対象の特定が難しいことがわかり、今年度のDNA鑑定関連予算がゼロで、当面無理になってしまったということ、この二点が載っておりました。
 亡くなった方々の遺族は、期待させておきながら鑑定のできないのは耐えがたい、加えて自己負担でやれというふうに厚生省に言われた、こういう国の姿勢に大変不満を漏らされておりますし、こういうようなことが現実に起きているのであれば、ぜひ改善していただきたいというふうに考えますが、この報道等について、政務次官、いかがでございましょう。
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大野由利子#13
○大野(由)政務次官 厚生省といたしましては、平成十一年度の遺骨収集から遺体が個別またはこれに準じるような形で埋葬されている場合には、今委員御指摘にありましたように、一部の遺骨を検体として、焼骨しないでそのまま持ち帰りまして、当時の埋葬図等から見て遺族が主張する戦没者の遺骨である蓋然性が高い場合には、自費によるDNA鑑定を行う、このようにしている次第でございます。
 しかし、DNA鑑定は、まだ新しい技術で実例の積み重ねもない中で、当初、平成十二年度概算要求の段階では、DNA鑑定に要する費用について、その一部を国が負担する方向で検討も行ってまいりましたが、その後のDNA鑑定の実例を見ますと、予想に反して遺骨の氏名特定になかなかつながらなかった、つながった例が一件もない、こういう結果が出ております。
 このため、具体的には、ある遺骨の氏名特定につきまして、どのような蓋然性が出てきた場合にDNA鑑定が有効か、さらなる実例の積み重ね、検証を踏まえる必要があると思います。また、戦没者本人の尊厳、プライバシーの問題、倫理上の問題がございます。また、DNA鑑定の対象とならない遺族の方とのバランスなどについてさらに考慮すべき問題があるということから、予算計上を見送ったものでございます。
 また、新聞に報道されましたモンゴルの事例につきましては、平成十一年七月から九月にかけて遺骨収集を実施いたしまして、八百七柱を収集し、祖国にお迎えしたものでございますが、その埋葬状況は入手している埋葬資料等とはほとんどかけ離れたものでございまして、したがって収集されたどの遺骨をDNA鑑定するのが適当なのかが判断ができない、そういう状況でございます。
 肉親の遺骨を探し出したいという、こうした御遺族のお気持ちはお察しするに余りあるものがございまして、DNA鑑定に寄せる期待も大きいものがあるということは推察をいたしますが、何分新しい技術であり、また先ほど申し上げましたようにさまざまな問題点もあることから、今後、慎重に検討し、適切な方策を考えてまいりたい、このように思っております。
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米津等史#14
○米津分科員 炭谷援護局長にちょっとお伺いをしたいのですが、私が以前、平成十一年の五月二十七日の決算行政監視委員会でも、似たような事例を新聞紙上で見つけ、御質問をさせていただきました。このときは、お盆までに御遺族に御遺骨をお返しするという希望があったにもかかわらず、やはり厚生省の霊安室に放置され続けた。そのときの理由が、ほかの仕事もありますから、それが厚生省の釈明だったというふうに書かれております。
 そのときの局長は、こういうことが二度と起きないように、前向きに、そして機械的な処理に流されないよう、誠心誠意、懇切丁寧な対応をしてまいりたいというふうに御答弁をいただき、その後改善されてきつつあるとは思いますけれども、やはり同じように御遺族からは、予算がない、あるいは自己負担で鑑定してもらうという言葉が聞こえてきてしまう。これは、窓口の担当なさっている方々のやはり心の部分で、とうとい仕事をしているという自覚に欠けているからこういうことが起きてくるのじゃないでしょうか。そこについてどういう御指導をなさっているのか、お伺いしたいと思います。
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炭谷茂#15
○炭谷政府参考人 先生が御指摘されましたように、国家のために犠牲になられた方の御遺骨というものは、国の責任に基づいて日本にお返しし、できれば御遺族のもとに御帰還していただくということが本当に必要なことであろうと思っております。
 私自身もそのような旨で援護局の職員を指導してまいっているところでございますし、また不十分な点がありましたら、さらに努力をして、本当に重要なのはやはり、先ほど申されたような遺族に対する心というものを基本に置いて仕事をしていくということが重要かというふうに思っております。
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米津等史#16
○米津分科員 また、政務次官が御答弁の中で、DNA鑑定というものを充実して、お一人でも多く身元確認をして、少しでも早く御遺族にお返しをしたいというふうなお話がございまして、これはぜひ充実をしていただきたいと思っておりますが、その中で、一つとても参考になる事例がございます。
 それは、アメリカ政府は一八四〇年から、戦闘中に亡くなった兵士の遺骨収集に積極的に取り組んできており、その具体的なものとしてアメリカ軍の中に中央身元確認研究所というのを設置しております。現在はハワイのホノルル市にございまして、約百七十七人の方々によって、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、こういう各戦域において亡くなった方々の身元確認作業を一手にやっている組織でございます。
 この組織は、まず計画局、管理局、そして科学研究所という大きな三つに分かれておりまして、年度予算は日本円にいたしますと四十一億七千四百万円という予算規模でやっております。
 計画局は、特に朝鮮半島、日本、東南アジアというところに身元探索チームというのを組みまして、これを十四組保有しておる。この十四組の中で、特にアジアについては五つのチームが、年間二百日以上、遺骨収集、発掘作業をしているという内容の活動をしていらっしゃいます。
 特に参考にしていただきたいのは、このチームの人々はボランティアでもなく、本当のプロフェッショナルの方々で、旧戦場ですので危険がありますから、爆弾の探知、それを破棄するにはどうしたらいいのか、あるいは医療、あるいは現地の言語、そしてまた戦争の歴史、戦史にも詳しい専門知識を有する人々がチームを組んでそれぞれの戦域に遺骨収集活動に行っているというのが、これがアメリカの姿勢でございます。
 加えて、さらに特徴としては、二〇〇四年までにその使命を完了するということをはっきりと打ち出しています。要は、自分たちは二〇〇四年までに重立った戦域の遺骨収集活動については一通りのめどを立てるんだ、そのために大量の人員とそれに伴う予算を投入するんだという、めり張りが非常にきいた活動をしているわけなんですが、こういう米軍の中央身元確認研究所という組織は、厚生省は御存じでいらっしゃったのでしょうか。
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炭谷茂#17
○炭谷政府参考人 先生が御指摘されましたホノルルに存在する機関でございますけれども、英語名はユナイテッドステーツ・アーミー・セントラル・アイデンティフィケーション・ラボラトリーのことだろうというふうに思っております。この研究所につきましては、先生が今言われましたように、米国により収集された遺骨の身元を鑑定する機関と承知しております。
 この研究所と私どもの接触でございますけれども、この研究所において日本人戦没者の遺骨と特定された場合は、私どもに御連絡をいただきまして、日本側に遺骨が引き渡されております。直近の例で申しますと、昭和六十二年の七月に、マーシャル群島において米軍基地の工事中に発見された遺骨二柱が同研究所で日本人戦没者の遺骨であると鑑定されましたことから、翌年三月に厚生省職員をホノルルへ派遣し、遺骨を受領して帰ってきております。
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米津等史#18
○米津分科員 そういう組織の存在も御存じであり、連携もとられているということはよくわかったのですが、私がお伺いをしたいのは、そういうような形で国家の礎になられた方々の身元確認について、はっきりとした意思を持って計画をつくって回収をしているということが、国の姿勢として大変大切なのではないかなというふうに思います。
 DNA検査なども利用されておりますけれども、やはり一番重要なのは、骨格からの故人の年齢、人種、性別、身長などを確認をし、行方不明者の情報と比較をして身元を明らかにしていくということで、特に医療分類学者十六人、また医療歯学者三人ということで、非常に専門的な体制をとり、科学的な分析をやっている。
 先ほども申し上げましたように、通常、一カ月に大体ほとんど休みなく入られて、年間二百日に及ぶ活動をしているということは、これはもう日本が残念ながらとても追いついていけないくらい骨太な遺骨収集活動をしているのではないかなと私は思います。
 この遺骨収集についての取り組みでのアメリカと日本との大きな差について、大野政務次官はどのようにお考えでございますでしょうか。
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大野由利子#19
○大野(由)政務次官 アメリカとの違いという御質問でございます。
 先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、戦没者に対する慰霊事業につきましては、それぞれの国の歴史や文化の違い、そしてまた諸事情の違いもありますことから、一概に比較するのは難しいのかな、このように思っております。
 我が国といたしましては、国の責務として、海外戦没者の遺骨収集に力を入れるとともに、墓参とか慰霊巡拝、さらには慰霊碑の建立等を鋭意実施をし、努力をしてきたところでございますし、また、毎年八月十五日には、天皇、皇后両陛下の御臨席を仰ぎまして、国民を挙げて戦没者を追悼し平和を祈念する式典を挙行しております。
 また、遺族に引き渡すことができない遺骨がおさめられております千鳥ケ淵戦没者墓苑におきましては、毎年春拝礼式を挙行するなど、戦没者の慰霊のための各般の事業に取り組んできているところでございます。
 今後とも、戦没者の御遺族のお気持ちを大切にしつつ、国民の皆様の御意見もお伺いしながら、国として戦没者の慰霊事業に力を注いでまいりたいと思っております。
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米津等史#20
○米津分科員 予算的にはどのような差があるのか、お伺いをしたいと思います。
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炭谷茂#21
○炭谷政府参考人 現在の予算につきまして、私どもの総額予算は、遺骨収集等に要している費用は三億六千万余でございますので、先生が先ほど言われた中央研究所の額が非常に多額にわたっているということに比べまして、相当の差があるのではないのかなというふうに承知いたします。
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米津等史#22
○米津分科員 ありがとうございました。
 今政務次官がおっしゃいましたように、私もけさ方千鳥ケ淵の戦没者墓苑に行ってまいりましたが、確かに、戦没者墓苑に行きますと、こういうパンフレットが雨にぬれながら、文鎮を置いて、とりたい人はとっていってほしいというふうになっていましたし、また、もうかなり古くなっているお花が、一本百円で献花してくださいというふうになっておりましたし、とても、形ができていても心がこもっていないんじゃないかというふうに憤りを感じて、けさ、この質問に立っているわけであります。
 最後の質問ではありますけれども、昭和二十年の二月二十九日に、東京からわずか一千二百五十キロメートルの硫黄島にアメリカの海兵隊が上陸してまいりました。硫黄島は、御存じのように、サイパン、テニアン島から東京及び日本全域にわたる戦略爆撃機の出発点を防衛する重要な地政学的な位置にあり、この硫黄島をどうしてもアメリカはとるんだということで、およそ日本軍の倍以上の戦力で上陸してきたわけであります。
 栗林大将は、硫黄島を守備し、最後の突撃に至るときに、残った兵士に対して、今、日本は戦いに敗れたといえども、日本国民は、諸君の忠君愛国の精神に燃え、諸君の勲功をたたえ、諸君のみたまに対し涙して黙祷をささげる日がいつか来るであろう。安んじて諸君は国に殉ずべし。この言葉を残し、後世の日本人が自分たちの死に対し感謝の誠を尽くしてくれるということを固く信じて、国家の存立の危機に際し、御盾となって戦い、散華されていきました。
 政務次官、よくアメリカと日本は違うというふうにおっしゃいますけれども、同じアーリントン墓地の中では、墓碑銘の中に、神のみぞ知る、アメリカのために戦った人々の栄光ここに眠るというふうに刻まれております。そして、その墓苑には常に二十四時間衛兵が立ち、国として最高の礼を尽くしているのであります。
 今日までの戦没者の遺骨収集や慰霊について、余りにも日本とアメリカの姿勢の違いに私はただただ驚くばかりであり、今後、厚生省は、ぜひ抜本的な見直しをすることを含めて御検討をいただきたいというふうに申し上げて、私の質問を終わります。
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赤城徳彦#23
○赤城主査 これにて米津等史君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本純君。
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松本純#24
○松本(純)分科員 自民党の松本純でございます。
 初当選をさせていただいて三年半になりますが、この間、昭和三十六年からスタートした国民皆保険制度、これを堅持をしていくというようなことを初めとして、国民が安心して暮らすことができる、そんな医療、介護、年金など、社会保険制度の抜本的な改革を進めなければならないという大事な時期に、さまざまな取り組みをさせていただいたところでありますが、質の高い医療提供をすると同時に、医療保険財源を安定化させて、安定して継続をした国民皆保険制度などが堅持されていかなければならない、そんなときを迎えているところであります。
 そういった中で、さまざまな医療事故などが起きている現状を踏まえて、数点についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 まず初めに、この四月の診療報酬改定におきまして、病院薬剤師の病棟業務に関する薬剤管理指導業務の点数の引き上げが行われました。従来の四百八十点の月に二回から、三百五十点の月四回という改正になっておりますが、その意義等につきまして、厚生省の考え方をまずお尋ねをいたします。
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近藤純五郎#25
○近藤政府参考人 先生御指摘の薬剤管理指導の業務に関する薬剤管理指導料についてでございますけれども、この指導料は、病院薬剤師によります薬剤の管理でございますとか、入院患者に対しまして病棟で服薬指導をする、こういったものを評価したものでございますけれども、今回の診療報酬の改定におきまして、入院患者に対するサービスの向上、それから病院薬剤師によります医療技術の適正な評価、こういった観点から、従来月二回の算定となっていましたものを、実際の指導実績に応じまして月四回までの算定という合理的な仕組みを導入した、こういうわけでございます。
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松本純#26
○松本(純)分科員 ところで、最近幾つかの病院で医療品の取り違えによる医療事故が発生しました。報道された事故は、いずれも薬剤師以外の職種による薬剤の取り違え事故であると聞いておりますが、例えば、大阪では抗がん剤を通常量の八倍投与、副作用で患者が死亡、京都においては京大で人工呼吸器に水と間違えてエタノールを補充、患者は死亡、埼玉ではがん患者にモルヒネ十倍量投与し、婦長が処方せん書き写しミスで患者が死亡、神奈川におきましては東海大で看護婦が点滴に内服薬を注入し、患者の幼児が死亡というようなことが起きているわけであります。
 医薬品の管理につきましては、やはり医薬品の効能や副作用等の本質を十分知った者の直接管理のもとに取り扱うという体制をつくっていかなければ、この種の事故を防止するということには無理があるのではないかと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
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伊藤雅治#27
○伊藤政府参考人 最近相次いでおります医療事故によりまして、国民の医療に対する信頼は大きく揺らいでおり、我々はこの状況を謙虚にまた真摯に受けとめ、医療の安全性の向上と信頼性の回復のために一丸となって取り組んでいくことが求められていると認識しております。
 まず、医療事故を防止するためには、職員一人一人が患者さんの生命を預かっているという意識を常に忘れずに、安全に十分配慮して医療に従事していただくことが基本であると考えております。
 しかしながら、高度に複雑化した現代医療におきましては、こういう個人の努力に依存した取り組みのみでは限界があるのも事実でございまして、最近の医療事故の内容、さらに幾つかの病院では院内でインシデントレポート等に取り組んでおりますが、それをお聞きいたしましても、誤薬による事故というのは非常に大きな割合を占めておりまして、そういうことを考えますと、薬剤師を初め看護婦、医師等それぞれの従事者の役割と業務に応じて、その組織全体としての取り組みを進めていくということが重要であると認識しております。
 したがいまして、私どもとしましては、このようなことに何とか病院全体が一丸となって取り組んでいただきたいということで、三月二十二日に関係団体にお集まりをいただきまして、厚生大臣から各病院の現場に徹底するよう、直接お願いをしたところでございます。
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松本純#28
○松本(純)分科員 医療提供の質を高めていくということになれば、当然それに見合うコストというものも必要になると思います。そのような体制を確立するためには、病院における薬剤師の適正な配置がどうしても必要であると私は思うのですが、一昨年病院薬剤師の配置基準が改正され、薬剤師は入院患者七十人に一人とされました。このため、多くの病院で薬剤師の配置数の減員、新規採用の中止等の動きがあったと聞いております。
 これら事故を考えると、この薬剤師配置基準については早急に再検討する必要があるのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
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伊藤雅治#29
○伊藤政府参考人 薬剤師の配置基準につきましては、平成十年に、調剤技術の進歩や服薬指導、薬歴管理等の病棟業務の増大という状況を踏まえまして見直しを行ったわけでございますが、その際に、医療審議会から、病院における業務の実態や薬剤師の需給状況を踏まえて、三年後を目途に見直すよう答申を受けたところでございます。
 厚生省といたしましては、平成十二年度予算にこの検討会経費を計上しておりまして、今年度検討会を立ち上げまして、配置基準の見直しの方向性も含めて検討してまいりたいと考えております。
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