厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
平成十五年六月十一日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 金田 勝年君
理 事
武見 敬三君
中島 眞人君
浅尾慶一郎君
山本 孝史君
沢 たまき君
委 員
狩野 安君
斎藤 十朗君
伊達 忠一君
中原 爽君
南野知惠子君
藤井 基之君
宮崎 秀樹君
森田 次夫君
朝日 俊弘君
今泉 昭君
谷 博之君
堀 利和君
風間 昶君
井上 美代君
小池 晃君
森 ゆうこ君
大脇 雅子君
西川きよし君
事務局側
常任委員会専門
員 川邊 新君
参考人
社団法人日本経
済団体連合会常
務理事 紀陸 孝君
弁護士 古川 景一君
弁護士 坂本 修君
東京学芸大学教
育学部助教授 山田 昌弘君
弁護士
日本労働弁護団
会長 宮里 邦雄君
─────────────
本日の会議に付した案件
○労働基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 金田 勝年君
理 事
武見 敬三君
中島 眞人君
浅尾慶一郎君
山本 孝史君
沢 たまき君
委 員
狩野 安君
斎藤 十朗君
伊達 忠一君
中原 爽君
南野知惠子君
藤井 基之君
宮崎 秀樹君
森田 次夫君
朝日 俊弘君
今泉 昭君
谷 博之君
堀 利和君
風間 昶君
井上 美代君
小池 晃君
森 ゆうこ君
大脇 雅子君
西川きよし君
事務局側
常任委員会専門
員 川邊 新君
参考人
社団法人日本経
済団体連合会常
務理事 紀陸 孝君
弁護士 古川 景一君
弁護士 坂本 修君
東京学芸大学教
育学部助教授 山田 昌弘君
弁護士
日本労働弁護団
会長 宮里 邦雄君
─────────────
本日の会議に付した案件
○労働基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────
金
金田勝年#1
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案について五名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。
参考人の方々を御紹介いたします。
社団法人日本経済団体連合会常務理事紀陸孝君、弁護士古川景一君、弁護士坂本修君、東京学芸大学教育学部助教授山田昌弘君、弁護士・日本労働弁護団会長宮里邦雄君、以上の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分で順次御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず紀陸参考人から御意見をお述べいただきます。紀陸参考人。
この発言だけを見る →労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案について五名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。
参考人の方々を御紹介いたします。
社団法人日本経済団体連合会常務理事紀陸孝君、弁護士古川景一君、弁護士坂本修君、東京学芸大学教育学部助教授山田昌弘君、弁護士・日本労働弁護団会長宮里邦雄君、以上の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分で順次御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず紀陸参考人から御意見をお述べいただきます。紀陸参考人。
紀
紀陸孝#2
○参考人(紀陸孝君) ありがとうございます。
労働基準法の改正の問題につきまして私どもの考え方を述べさせていただく機会を賜りまして、先生方に冒頭御礼を申し上げたいと存じます。
今回の改正の柱は三つほどあるというふうに存じますが、まず、冒頭でございますけれども、総論的にこの改正の問題をどういうふうに考えるか、評価いたしたいと存じますが、雇用、労働の情勢が従来と大きく変わってきております。とりわけ、少子高齢化という中で働く人の就労ニーズが非常に多様化しつつある。さらには、企業が国際競争の中で非常に大きく圧迫を受けておりまして、どうやって生き残るかということが非常に、従来にも増して重要な問題になってきております。
こういう中で、今般の基準法だけではございませんけれども、労働法制の緩和がきちんと進められるような法改正を先生方の御尽力によってお進めいただきたいというふうに存じます。
まず第一に、労働契約、有期労働契約の上限の引上げについてでございますけれども、これは、基本的に私どもは、雇用の形態の多様化に対応して働く人の選択肢を拡大するものであるというふうに理解しております。正に労使双方のニーズに沿うものだというふうに考えております。
現実問題として、今、一年あるいは三年という上限が掛かっておりますけれども、これが三年、五年に引き上げられますけれども、この三年、五年に引き上げられた場合に、この雇用の形態の多様化というのがどういうふうに進むのか。
この点につきましては、基本的には市場のニーズに即して進められるものだというふうに思っておりまして、これから具体的にどういう形で、例えば二年契約とか四年契約とかというものが進むか、まだ確たる見通しは企業の労使においても立っていないというふうに思いますけれども、基本的に、労働者とか、労働者の中でも高齢者の方いらっしゃいますし、若い人、女性の方、それぞれのニーズに即して先行きいろいろな多様化が進められる大きな手だてになるのではないかというふうに思っております。
第二番目に、解雇の法制でございます。
基本的に私どもは、経営側の立場から申し上げますと、今の雇用情勢の中で可能な限り雇用を守るべきが経営者の責任である、そういうふうに考えております。やむを得ず解雇せざるを得ないという状況が出てきた場合でも、裁判では現在、解雇権の濫用法理というのが妥当に運用されておりまして、この法理につきましては、私ども言わば当然の法理であるというふうに理解しております。
解雇権の濫用法理につきましては、基本的に衆議院で法案の修正が入りましたけれども、修正後の法案の中でも、この濫用法理というものが忠実に実現されているというふうに私ども考えておりまして、修正案どおりの成立をお願いしたいというふうに存じます。
これによって、安易な解雇が進むだとか、経営側が従来にも増して簡単に解雇をするとかというような御批判聞きますけれども、決してそういうことではないだろう。法律の改正によって、従来より解雇の事件が増えるであるとか、中小企業においても簡単に首切りをするとか、そういう事態は決して起こらないというふうに私ども考えております。
なお、解雇法制の問題につきまして、私ども、金銭解決の仕組みも更に御検討賜りまして、できるだけ早期に金銭解決の処理の仕組みを御検討賜りたいというふうに存じます。
これは、仮に、被解雇者の方々にとっても裁判が長引くようなことを防ぐというような趣旨でございますので、できるだけ労使のために金銭解決の仕組みというものも、今後検討した上で法改正の中に盛り込んでいただけたらばというふうに考えております。
三番目でございますが、裁量労働制の改正でございます。
これは、特に企画業務型裁量労働制につきましては仕事の成果、これが労働時間の長短に比例しないというような働き方が非常に増加している現状にかんがみまして、前回の改正の際に労使が知恵を絞って作った制度であります。現実にはこの制度の利用は余り進んでおりませんけれども、これが今回の要件緩和によりまして更に進むということを私ども期待いたしてまいりたいというふうに存じます。
さらに、もう一歩進んで、私どもは、特にホワイトカラーの働き方が非常にこれも多様化しております。日本の企業が欧米さらにはアジアの企業と大変な競争をしておりまして、特に開発力の強化というのが非常に競争力強化の源になってまいっております。そういう意味でホワイトカラー、いろいろなホワイトカラーおりますけれども、できるだけアウトプットの中身を高めるような働き方をこれから考えていかなければいけないというふうな状況に既に置かれておりまして、そのアウトプットの高さを保障するためにも裁量労働制を一歩進めて、イグゼンプション制度というふうに言われておりますけれども、そういう制度の確立を検討していかなければいけないんではないかというふうに考えております。
これも、どういう要件でやるかというのは非常に難しい問題が多々ございますけれども、先生方の御尽力によりまして、このイグゼンプション制度に一歩踏み込むような形での御支援を賜りたいというふうに存じます。
以上、簡単でございますが、私どもの基本的な考え方を述べさせていただきました。御清聴いただきまして御礼を申し上げます。
よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →労働基準法の改正の問題につきまして私どもの考え方を述べさせていただく機会を賜りまして、先生方に冒頭御礼を申し上げたいと存じます。
今回の改正の柱は三つほどあるというふうに存じますが、まず、冒頭でございますけれども、総論的にこの改正の問題をどういうふうに考えるか、評価いたしたいと存じますが、雇用、労働の情勢が従来と大きく変わってきております。とりわけ、少子高齢化という中で働く人の就労ニーズが非常に多様化しつつある。さらには、企業が国際競争の中で非常に大きく圧迫を受けておりまして、どうやって生き残るかということが非常に、従来にも増して重要な問題になってきております。
こういう中で、今般の基準法だけではございませんけれども、労働法制の緩和がきちんと進められるような法改正を先生方の御尽力によってお進めいただきたいというふうに存じます。
まず第一に、労働契約、有期労働契約の上限の引上げについてでございますけれども、これは、基本的に私どもは、雇用の形態の多様化に対応して働く人の選択肢を拡大するものであるというふうに理解しております。正に労使双方のニーズに沿うものだというふうに考えております。
現実問題として、今、一年あるいは三年という上限が掛かっておりますけれども、これが三年、五年に引き上げられますけれども、この三年、五年に引き上げられた場合に、この雇用の形態の多様化というのがどういうふうに進むのか。
この点につきましては、基本的には市場のニーズに即して進められるものだというふうに思っておりまして、これから具体的にどういう形で、例えば二年契約とか四年契約とかというものが進むか、まだ確たる見通しは企業の労使においても立っていないというふうに思いますけれども、基本的に、労働者とか、労働者の中でも高齢者の方いらっしゃいますし、若い人、女性の方、それぞれのニーズに即して先行きいろいろな多様化が進められる大きな手だてになるのではないかというふうに思っております。
第二番目に、解雇の法制でございます。
基本的に私どもは、経営側の立場から申し上げますと、今の雇用情勢の中で可能な限り雇用を守るべきが経営者の責任である、そういうふうに考えております。やむを得ず解雇せざるを得ないという状況が出てきた場合でも、裁判では現在、解雇権の濫用法理というのが妥当に運用されておりまして、この法理につきましては、私ども言わば当然の法理であるというふうに理解しております。
解雇権の濫用法理につきましては、基本的に衆議院で法案の修正が入りましたけれども、修正後の法案の中でも、この濫用法理というものが忠実に実現されているというふうに私ども考えておりまして、修正案どおりの成立をお願いしたいというふうに存じます。
これによって、安易な解雇が進むだとか、経営側が従来にも増して簡単に解雇をするとかというような御批判聞きますけれども、決してそういうことではないだろう。法律の改正によって、従来より解雇の事件が増えるであるとか、中小企業においても簡単に首切りをするとか、そういう事態は決して起こらないというふうに私ども考えております。
なお、解雇法制の問題につきまして、私ども、金銭解決の仕組みも更に御検討賜りまして、できるだけ早期に金銭解決の処理の仕組みを御検討賜りたいというふうに存じます。
これは、仮に、被解雇者の方々にとっても裁判が長引くようなことを防ぐというような趣旨でございますので、できるだけ労使のために金銭解決の仕組みというものも、今後検討した上で法改正の中に盛り込んでいただけたらばというふうに考えております。
三番目でございますが、裁量労働制の改正でございます。
これは、特に企画業務型裁量労働制につきましては仕事の成果、これが労働時間の長短に比例しないというような働き方が非常に増加している現状にかんがみまして、前回の改正の際に労使が知恵を絞って作った制度であります。現実にはこの制度の利用は余り進んでおりませんけれども、これが今回の要件緩和によりまして更に進むということを私ども期待いたしてまいりたいというふうに存じます。
さらに、もう一歩進んで、私どもは、特にホワイトカラーの働き方が非常にこれも多様化しております。日本の企業が欧米さらにはアジアの企業と大変な競争をしておりまして、特に開発力の強化というのが非常に競争力強化の源になってまいっております。そういう意味でホワイトカラー、いろいろなホワイトカラーおりますけれども、できるだけアウトプットの中身を高めるような働き方をこれから考えていかなければいけないというふうな状況に既に置かれておりまして、そのアウトプットの高さを保障するためにも裁量労働制を一歩進めて、イグゼンプション制度というふうに言われておりますけれども、そういう制度の確立を検討していかなければいけないんではないかというふうに考えております。
これも、どういう要件でやるかというのは非常に難しい問題が多々ございますけれども、先生方の御尽力によりまして、このイグゼンプション制度に一歩踏み込むような形での御支援を賜りたいというふうに存じます。
以上、簡単でございますが、私どもの基本的な考え方を述べさせていただきました。御清聴いただきまして御礼を申し上げます。
よろしくお願いいたします。
金
古
古川景一#4
○参考人(古川景一君) 古川です。参考人としてお招きいただき、誠に光栄に存じます。
では、まず解雇について述べさせていただきます。
参議院に送付されてきました解雇に関する条文案は、政府の原案に比べれば大幅な前進であると評価いたします。しかしながら、まだまだ不十分さがあります。
今回の十八条の二の条文にある「その権利を濫用したものとして、」という文言は不要です。この文言は、最高裁の日本食塩製造事件判決にある言葉をそのまま引用したものであります。元々、裁判所は法律上の根拠なしに判決を下すことができません。そのため、最高裁は判決を下すための根拠条文を民法一条三項の権利濫用という一般条項に求めざるを得ませんでした。
今回、国会が解雇全般に共通するルールを定める法律を作る際には、国会は裁判所とは異なり民法一条に依拠する必要がありません。ですから、今回の法律にその権利を濫用したものとしてという他の法律に例のない言葉は不要なのです。このような不要な言葉が残っていると、権利濫用論なのだから労働者が証明責任を負うのではないかなどと解釈され、無用な誤解や混乱を生じさせる危険があります。
次に、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」という条文上の文言についても問題が残っています。衆議院での民主党の修正案のように、解雇の有効性要件として客観的に合理的な理由があること及び社会通念上相当であることの二つの要件を掲げていれば条文解釈上の誤解は生じません。また、この二つの要件を満たさないと解雇できないのですから、これらについて使用者が証明責任を負うことも明らかです。
しかし、今回の条文案を見ますと、解雇の無効原因が今申し上げた二つではなくて、最初にある客観的に合理的な理由を欠いていることという一つだけであるという解釈も可能なのであります。すなわち、客観的に合理的な理由を欠いている場合に社会通念上相当でないとの推定が働き、その結果権利濫用となって無効という効果を生じるという条文の読み方も十分に可能なのです。既にその可能性を指摘している労働法学者もおります。本来、契約法を作る際には、法律効果を導く要件と要件から導かれる法律効果のみをシンプルに記載して、一般市民が見てもだれでも容易に理解できるものであるべきです。幾つもの解釈の余地がある条文は余りできが良いとは言えません。
解雇に関する今後の課題として、使用者は何を尽くせば解雇ができるのかという点を明確にすべきです。そうしませんと、客観的に合理的な理由があるか否かについて事件ごとに裁判官の価値判断にお任せとなってしまいます。これでは裁判の結果の予測ができず、使用者にも労働者にも不幸と言わざるを得ません。ドイツ、フランス、イギリス、韓国などの法律では、使用者が何と何を尽くせば解雇できるのかを明記しています。日本でも解雇の必要性、不利益緩和義務の履行などの具体的、実体的要件と、当該労働者や労働組合などとの説明協議という手続的要件について詳しく明確に定めた法律の整備を図るべきです。
次に、有期雇用について述べます。
有期雇用は労働者にとって何のメリットもない制度です。それは期間満了時に労働契約が終了する不安定な雇用であり、さらに契約期間中は退職の自由が制限されるからです。この二つの大きな弊害のうち、契約期間中の退職の自由については、衆議院での修正により三年上限の有期雇用に関して一年経過後の退職の自由が確保され、弊害が緩和されました。五年上限の専門職と六十歳以上の有期雇用についても一年経過後の退職の自由を保障すべきですが、これができないのであれば、少なくとも大臣が定める五年上限の専門職の範囲に関して契約の中に退職に関する契約条項を盛り込むだけの高度な交渉能力を有する高度な専門性を備えた者だけに限定をすべきであると考えます。
これから三年間掛けて有期雇用をめぐる全般的な検討作業が始まります。働く人が未来に希望を持つのを困難にする不安定雇用に抜本的な歯止めを掛ける必要があると思います。有期雇用を用いることができるのは、フランス、ドイツと同様に、原則として臨時的・一時的な場合に限定をするべきです。また、反復更新を一回しか認めず、それ以上であれば期間の定めのない契約になったものとみなすべきです。さらに、正社員との均等待遇を実施すべきです。そして、期間の定めのない場合とある場合を比較して労働条件に格差があるときには、その相違の合理性について使用者が証明責任を負うものとし、使用者が合理性を証明できない場合には均等待遇を実施すべきです。
次に、裁量労働について述べます。
裁量労働は賃金不払労働を増やす危険があります。また、日本の長時間過密労働の実態を隠ぺいし、国際的な批判を免れる隠れみのとなります。
なぜなら、実態として三千時間働いていても、労使協定で定めたみなし労働時間が仮に千八百六十時間であれば統計上の労働時間も千八百六十時間として扱われます。しかも、日本の裁量労働制度は世界に例のないものですから、このからくりは世界各国には容易に分かりません。裁量労働制は、日本の長時間過密労働の実情を隠ぺいして統計数字を合法的に改ざんするものであると言わざるを得ません。仮に、裁量労働制を残すとしても、企画業務型のみならず専門業務型の場合にも導入時の本人同意を必要とすべきです。また、一定の予告期間を置いて裁量労働制から離脱する権利を法律上明記すべきです。さらに、勤労者の健康保持のためにも最低限の時間管理を行う必要があります。
日本経団連は、裁量労働制にとどまらずにホワイトカラーを労基法による労働時間規制の対象外とするアメリカ型のホワイトカラーイグゼンプションの導入を強く求めております。私は、この制度の導入は、多数の働く人の健康破壊の危険をもたらして、健康破壊の被害を受けずにタフに生き延びた少数の強者だけを優遇する弱肉強食、自然淘汰の制度であると考えます。そして、この考え方とは全く逆の考え方をEU諸国で採用していることを指摘します。
例えば、フランスでは、日本でいう純然たる経営者以外のあらゆる人に対して休息時間十一時間の規制があります。具体的に言いますと、午後十一時まで仕事をしたらその後に休息時間十一時間を確保しなければならず、翌日の午前十時まで就労できない制度です。
この制度は、場合によっては参考人の紀陸さんにも適用されるのではないかと思います。それで、紀陸さんは、休息時間十一時間も要らない、もっと働きたいと言われるかもしれませんが、それはほかの人から見れば、ほかの人も同じように働かなければならなくなり、迷惑なことであります。それを規制するために正に法律で時間の制限をしているわけです。
こうした労働時間規制を設けなければ健康破壊を防ぐことは困難であります。そして、勤労者相互、使用者相互の公正競争条件をそろえるためにも労働基準法の役割をもっと強めなければならないと考えます。そのことを述べて結びといたします。
この発言だけを見る →では、まず解雇について述べさせていただきます。
参議院に送付されてきました解雇に関する条文案は、政府の原案に比べれば大幅な前進であると評価いたします。しかしながら、まだまだ不十分さがあります。
今回の十八条の二の条文にある「その権利を濫用したものとして、」という文言は不要です。この文言は、最高裁の日本食塩製造事件判決にある言葉をそのまま引用したものであります。元々、裁判所は法律上の根拠なしに判決を下すことができません。そのため、最高裁は判決を下すための根拠条文を民法一条三項の権利濫用という一般条項に求めざるを得ませんでした。
今回、国会が解雇全般に共通するルールを定める法律を作る際には、国会は裁判所とは異なり民法一条に依拠する必要がありません。ですから、今回の法律にその権利を濫用したものとしてという他の法律に例のない言葉は不要なのです。このような不要な言葉が残っていると、権利濫用論なのだから労働者が証明責任を負うのではないかなどと解釈され、無用な誤解や混乱を生じさせる危険があります。
次に、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」という条文上の文言についても問題が残っています。衆議院での民主党の修正案のように、解雇の有効性要件として客観的に合理的な理由があること及び社会通念上相当であることの二つの要件を掲げていれば条文解釈上の誤解は生じません。また、この二つの要件を満たさないと解雇できないのですから、これらについて使用者が証明責任を負うことも明らかです。
しかし、今回の条文案を見ますと、解雇の無効原因が今申し上げた二つではなくて、最初にある客観的に合理的な理由を欠いていることという一つだけであるという解釈も可能なのであります。すなわち、客観的に合理的な理由を欠いている場合に社会通念上相当でないとの推定が働き、その結果権利濫用となって無効という効果を生じるという条文の読み方も十分に可能なのです。既にその可能性を指摘している労働法学者もおります。本来、契約法を作る際には、法律効果を導く要件と要件から導かれる法律効果のみをシンプルに記載して、一般市民が見てもだれでも容易に理解できるものであるべきです。幾つもの解釈の余地がある条文は余りできが良いとは言えません。
解雇に関する今後の課題として、使用者は何を尽くせば解雇ができるのかという点を明確にすべきです。そうしませんと、客観的に合理的な理由があるか否かについて事件ごとに裁判官の価値判断にお任せとなってしまいます。これでは裁判の結果の予測ができず、使用者にも労働者にも不幸と言わざるを得ません。ドイツ、フランス、イギリス、韓国などの法律では、使用者が何と何を尽くせば解雇できるのかを明記しています。日本でも解雇の必要性、不利益緩和義務の履行などの具体的、実体的要件と、当該労働者や労働組合などとの説明協議という手続的要件について詳しく明確に定めた法律の整備を図るべきです。
次に、有期雇用について述べます。
有期雇用は労働者にとって何のメリットもない制度です。それは期間満了時に労働契約が終了する不安定な雇用であり、さらに契約期間中は退職の自由が制限されるからです。この二つの大きな弊害のうち、契約期間中の退職の自由については、衆議院での修正により三年上限の有期雇用に関して一年経過後の退職の自由が確保され、弊害が緩和されました。五年上限の専門職と六十歳以上の有期雇用についても一年経過後の退職の自由を保障すべきですが、これができないのであれば、少なくとも大臣が定める五年上限の専門職の範囲に関して契約の中に退職に関する契約条項を盛り込むだけの高度な交渉能力を有する高度な専門性を備えた者だけに限定をすべきであると考えます。
これから三年間掛けて有期雇用をめぐる全般的な検討作業が始まります。働く人が未来に希望を持つのを困難にする不安定雇用に抜本的な歯止めを掛ける必要があると思います。有期雇用を用いることができるのは、フランス、ドイツと同様に、原則として臨時的・一時的な場合に限定をするべきです。また、反復更新を一回しか認めず、それ以上であれば期間の定めのない契約になったものとみなすべきです。さらに、正社員との均等待遇を実施すべきです。そして、期間の定めのない場合とある場合を比較して労働条件に格差があるときには、その相違の合理性について使用者が証明責任を負うものとし、使用者が合理性を証明できない場合には均等待遇を実施すべきです。
次に、裁量労働について述べます。
裁量労働は賃金不払労働を増やす危険があります。また、日本の長時間過密労働の実態を隠ぺいし、国際的な批判を免れる隠れみのとなります。
なぜなら、実態として三千時間働いていても、労使協定で定めたみなし労働時間が仮に千八百六十時間であれば統計上の労働時間も千八百六十時間として扱われます。しかも、日本の裁量労働制度は世界に例のないものですから、このからくりは世界各国には容易に分かりません。裁量労働制は、日本の長時間過密労働の実情を隠ぺいして統計数字を合法的に改ざんするものであると言わざるを得ません。仮に、裁量労働制を残すとしても、企画業務型のみならず専門業務型の場合にも導入時の本人同意を必要とすべきです。また、一定の予告期間を置いて裁量労働制から離脱する権利を法律上明記すべきです。さらに、勤労者の健康保持のためにも最低限の時間管理を行う必要があります。
日本経団連は、裁量労働制にとどまらずにホワイトカラーを労基法による労働時間規制の対象外とするアメリカ型のホワイトカラーイグゼンプションの導入を強く求めております。私は、この制度の導入は、多数の働く人の健康破壊の危険をもたらして、健康破壊の被害を受けずにタフに生き延びた少数の強者だけを優遇する弱肉強食、自然淘汰の制度であると考えます。そして、この考え方とは全く逆の考え方をEU諸国で採用していることを指摘します。
例えば、フランスでは、日本でいう純然たる経営者以外のあらゆる人に対して休息時間十一時間の規制があります。具体的に言いますと、午後十一時まで仕事をしたらその後に休息時間十一時間を確保しなければならず、翌日の午前十時まで就労できない制度です。
この制度は、場合によっては参考人の紀陸さんにも適用されるのではないかと思います。それで、紀陸さんは、休息時間十一時間も要らない、もっと働きたいと言われるかもしれませんが、それはほかの人から見れば、ほかの人も同じように働かなければならなくなり、迷惑なことであります。それを規制するために正に法律で時間の制限をしているわけです。
こうした労働時間規制を設けなければ健康破壊を防ぐことは困難であります。そして、勤労者相互、使用者相互の公正競争条件をそろえるためにも労働基準法の役割をもっと強めなければならないと考えます。そのことを述べて結びといたします。
金
坂
坂本修#6
○参考人(坂本修君) 本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただき、ありがとうございました。
私は、一九五九年に弁護士になり、ちょうど四十四年になります。この間、労基法の改正問題でも各地でたくさんの労働者や市民の人と話してきました。その人たちの思いを重ねてこれから意見を述べます。
第一に、解雇のルールについて衆議院で大事な修正がされたと思っています。しかし、望むべくんば、古川参考人の言われたようなもっとすっきりした形にしたい。それは、私の意見は変わりません。しかし、そのことを前提としますが、私たち弁護士は、あそこまで修正された条文及び政府の、繰り返し立証責任について述べた政府の答弁、さらには、附帯決議を生かして現実の法廷でも労働の現場でも無法な解雇が広がらないように、解雇に正当な理由が必要なんだというルールが確立したものとして、これから努力をしていきたいというふうに考えます。
第二に、にもかかわらず本法案には賛成できません。それは、短期雇用の問題と裁量労働といういずれも労働基準法の大原則を逆転させる改悪があるからです。
短期雇用の期間の延長について申し上げます。論より証拠と言いますが、前提として三つのことを証明されている事実としてつかむべきだと思います。
一つは、今パート、派遣労働に加えて短期、無権利の契約社員が、法が改正する前に既に濁流のように激増しているということです。第二に、これらの不安定雇用労働者の賃金は、正規常用労働者のトータルでほぼ二分の一にしかすぎないということです。第三に、日本の大企業はこうした無権利労働者の拡大に今全力を挙げているということであります。この中で改正が行われますと、実際、新卒は三年短期雇用、プラス今回の改正された派遣労働が大半になるというふうに私は考えます。そして、そのことをてことして、私が最近の幾つもの事件で経験しているように、正規常用労働者の大量の置き換えが始まるというふうに考えざるを得ません。
労働者に実際何が起きるのか。この期間は、実際には長期の試用期間です。かつて問題になった契約スチュワーデスの実例が既に証明しているように、三年後に雇用を継続してもらうために労働者は何の文句も言えず、病気であっても身を粉にして働かなければならないのです。三年後に更新される保証は何もありません。雇止めは自由です。せっかく衆議院で修正をした解雇のルールも、これらの労働者については無力であり及びません。
政府は労働者の選択肢を増やすと言っていますが、このような不安定な労働を望んでいない労働者が七五%、正規に働きたいというのが七五%を超えていることは、政府関係の資料でも明らかであります。なすべきことは、資料〔1〕の東京新聞の社説も言うように、そして東京弁護士会の会長声明も言っている、資料〔2〕の会長声明も言っておりますように、雇止めを規制するためのILOやEUの定めるようなルールを作ることであり、均等待遇の保障です。それなしの改正は絶対に認められないと考えます。
次に、裁量労働の要件緩和について申し上げます。
我が国は、世界に有数の長時間労働の国であり、政府統計、総務庁などの労働力調査から逆算すると、労働者一人当たりのサービス残業時間は二〇〇〇年で三百三十五時間という膨大な不払残業のある国です。不払残業の是正に努力すると政府は再三答弁しています。しかし、裁量労働制はこの不払残業をコントロールするのではなくて、野放しにすることはもう客観的に明らかです。推測ではありません。私の知っているところで、合法的に裁量労働を労使合意で実施しているところであれ、あるいは様々な手当でごまかして偽装裁量労働制を実施して摘発された大企業の場合であれ、実際の残業時間の二分の一前後しか裁量時間とされず、つまり二分の一の残業代は現在不払にされているんです。これが実態です。立法するならば、この実態にちゃんと立脚した立法をすべきです。
改正は、本社業務限定という枠を外しました。それから、労使合意でやるから大丈夫だと言いながら、労使委員会の設定について届け出る義務を外しました。労使委員会での全員一致制を外しました。そして選ばれた労働者委員が職場の全労働者の信任を得なければならないという手続を外しました。
なぜ、裁量労働がこんなに被害を生んで、過労死や過労自殺、メンタルヘルス障害の障害なり不払残業を拡大しているのに、なぜこれだけのものを外すんですか。数年前の衆議院、数年前の国会であれだけ議論してたくさんの歯止めを掛けたのに、その歯止めの最も中枢的なものをなぜ外すのでしょうか。許されないことだというふうに考えます。
最後に、一言したいと思います。
改正は、五千三百万労働者とその家族を含めれば計八千万人から人間らしく働き生きる権利を奪うことになります。そのことは、我が国が発達した資本主義の国の中でも例のない人権のない国に転落すること、正に労働についてのグローバルスタンダードに反する国になるということを意味します。改正が、言われるようにかえって不況を拡大するにとどまらず、この国の未来をゆがめ閉ざすことになるということをどうしても言いたいのです。高卒、大卒の若者の多くがフリーター化し、世に言うパラサイトシングル化することは、この国の未来を切り開く人間の力を私たちが失うということです。人は希望がなければ生きられません。まともな労働がなければまともな人生はないのです。若者から希望を奪い、まともな労働を奪ってどうして私たちの未来があるのでしょうか。
極端な少子化は政府も大問題にしています。少子化の原因に長時間過密労働とかいろいろなことが言われています。それはそのとおりです。しかし、私は、その根底に、親になるべき男や女が自分たちの人生の未来について希望を失っているからだと思います。不安にさいなまされているからだと思います。自らの人生に不安な人たちが、どうして新しい生命をこの世に送り出すことができることになるでしょうか。そこに問題の根本があるんだと思います。
人間らしく働く道を奪い、人間性までをゆがめてしまった後に誤りに気付いて後悔しても、人間は簡単に再生できません。どうにもならない少子化が来て、どんな日本の大企業が、国費をどう投じても、子供を試験管で生んで大量生産することはできないのです。崩したものは返ってきません。
二十一世紀のこの国の未来を取り返しの付かない荒廃に陥れないこと、この国を、この社会を人間らしく幸せに生きられる国にし、生まれてきて良かったという国にするために、本法案は抜本的に修正されなければなりません。そのことを心から求め、もしそれができないというならば、いったん廃案にし、改めて広く国民の声を聴いて再立法されることを求めて、私の意見といたします。
この発言だけを見る →私は、一九五九年に弁護士になり、ちょうど四十四年になります。この間、労基法の改正問題でも各地でたくさんの労働者や市民の人と話してきました。その人たちの思いを重ねてこれから意見を述べます。
第一に、解雇のルールについて衆議院で大事な修正がされたと思っています。しかし、望むべくんば、古川参考人の言われたようなもっとすっきりした形にしたい。それは、私の意見は変わりません。しかし、そのことを前提としますが、私たち弁護士は、あそこまで修正された条文及び政府の、繰り返し立証責任について述べた政府の答弁、さらには、附帯決議を生かして現実の法廷でも労働の現場でも無法な解雇が広がらないように、解雇に正当な理由が必要なんだというルールが確立したものとして、これから努力をしていきたいというふうに考えます。
第二に、にもかかわらず本法案には賛成できません。それは、短期雇用の問題と裁量労働といういずれも労働基準法の大原則を逆転させる改悪があるからです。
短期雇用の期間の延長について申し上げます。論より証拠と言いますが、前提として三つのことを証明されている事実としてつかむべきだと思います。
一つは、今パート、派遣労働に加えて短期、無権利の契約社員が、法が改正する前に既に濁流のように激増しているということです。第二に、これらの不安定雇用労働者の賃金は、正規常用労働者のトータルでほぼ二分の一にしかすぎないということです。第三に、日本の大企業はこうした無権利労働者の拡大に今全力を挙げているということであります。この中で改正が行われますと、実際、新卒は三年短期雇用、プラス今回の改正された派遣労働が大半になるというふうに私は考えます。そして、そのことをてことして、私が最近の幾つもの事件で経験しているように、正規常用労働者の大量の置き換えが始まるというふうに考えざるを得ません。
労働者に実際何が起きるのか。この期間は、実際には長期の試用期間です。かつて問題になった契約スチュワーデスの実例が既に証明しているように、三年後に雇用を継続してもらうために労働者は何の文句も言えず、病気であっても身を粉にして働かなければならないのです。三年後に更新される保証は何もありません。雇止めは自由です。せっかく衆議院で修正をした解雇のルールも、これらの労働者については無力であり及びません。
政府は労働者の選択肢を増やすと言っていますが、このような不安定な労働を望んでいない労働者が七五%、正規に働きたいというのが七五%を超えていることは、政府関係の資料でも明らかであります。なすべきことは、資料〔1〕の東京新聞の社説も言うように、そして東京弁護士会の会長声明も言っている、資料〔2〕の会長声明も言っておりますように、雇止めを規制するためのILOやEUの定めるようなルールを作ることであり、均等待遇の保障です。それなしの改正は絶対に認められないと考えます。
次に、裁量労働の要件緩和について申し上げます。
我が国は、世界に有数の長時間労働の国であり、政府統計、総務庁などの労働力調査から逆算すると、労働者一人当たりのサービス残業時間は二〇〇〇年で三百三十五時間という膨大な不払残業のある国です。不払残業の是正に努力すると政府は再三答弁しています。しかし、裁量労働制はこの不払残業をコントロールするのではなくて、野放しにすることはもう客観的に明らかです。推測ではありません。私の知っているところで、合法的に裁量労働を労使合意で実施しているところであれ、あるいは様々な手当でごまかして偽装裁量労働制を実施して摘発された大企業の場合であれ、実際の残業時間の二分の一前後しか裁量時間とされず、つまり二分の一の残業代は現在不払にされているんです。これが実態です。立法するならば、この実態にちゃんと立脚した立法をすべきです。
改正は、本社業務限定という枠を外しました。それから、労使合意でやるから大丈夫だと言いながら、労使委員会の設定について届け出る義務を外しました。労使委員会での全員一致制を外しました。そして選ばれた労働者委員が職場の全労働者の信任を得なければならないという手続を外しました。
なぜ、裁量労働がこんなに被害を生んで、過労死や過労自殺、メンタルヘルス障害の障害なり不払残業を拡大しているのに、なぜこれだけのものを外すんですか。数年前の衆議院、数年前の国会であれだけ議論してたくさんの歯止めを掛けたのに、その歯止めの最も中枢的なものをなぜ外すのでしょうか。許されないことだというふうに考えます。
最後に、一言したいと思います。
改正は、五千三百万労働者とその家族を含めれば計八千万人から人間らしく働き生きる権利を奪うことになります。そのことは、我が国が発達した資本主義の国の中でも例のない人権のない国に転落すること、正に労働についてのグローバルスタンダードに反する国になるということを意味します。改正が、言われるようにかえって不況を拡大するにとどまらず、この国の未来をゆがめ閉ざすことになるということをどうしても言いたいのです。高卒、大卒の若者の多くがフリーター化し、世に言うパラサイトシングル化することは、この国の未来を切り開く人間の力を私たちが失うということです。人は希望がなければ生きられません。まともな労働がなければまともな人生はないのです。若者から希望を奪い、まともな労働を奪ってどうして私たちの未来があるのでしょうか。
極端な少子化は政府も大問題にしています。少子化の原因に長時間過密労働とかいろいろなことが言われています。それはそのとおりです。しかし、私は、その根底に、親になるべき男や女が自分たちの人生の未来について希望を失っているからだと思います。不安にさいなまされているからだと思います。自らの人生に不安な人たちが、どうして新しい生命をこの世に送り出すことができることになるでしょうか。そこに問題の根本があるんだと思います。
人間らしく働く道を奪い、人間性までをゆがめてしまった後に誤りに気付いて後悔しても、人間は簡単に再生できません。どうにもならない少子化が来て、どんな日本の大企業が、国費をどう投じても、子供を試験管で生んで大量生産することはできないのです。崩したものは返ってきません。
二十一世紀のこの国の未来を取り返しの付かない荒廃に陥れないこと、この国を、この社会を人間らしく幸せに生きられる国にし、生まれてきて良かったという国にするために、本法案は抜本的に修正されなければなりません。そのことを心から求め、もしそれができないというならば、いったん廃案にし、改めて広く国民の声を聴いて再立法されることを求めて、私の意見といたします。
金
山
山田昌弘#8
○参考人(山田昌弘君) ただいま御紹介にあずかりました山田昌弘でございます。お呼びいただきまして、どうもありがとうございました。
私は、家族社会学というのを専門としていまして、先ほど坂本さんから言及があったパラサイトシングル論、少子化などを中心に研究していました。五年前に参議院の国生調査会で意見陳述を行いましたので、もしかしたらその点は御存じの方もいらっしゃるかもしれません。近年は、雇用の不安定化と少子化の関係について主に調べており、研究しておりまして、その関係でフリーター調査、いわゆるフリーター調査を積極的に行っていまして、その記事が議員の目にとまり、ここで話させていただく機会を得ました。
私は労働法の専門家ではありませんので、個々の案文の法的妥当性というよりも、マクロ的、社会の全体的変動の中に今の若者層を位置付けて、今の若者層というものがどういうことを感じて何を望んでいるかという点についてお話しさせていただきます。
〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
まず第一点は、これは坂本参考人も何度も述べていますが、今若者の間ではフリーターと呼ばれる非正規雇用者というのが増大しております。ここに表が、参考として載せておきましたが、ここ十年間で二倍以上、学生、主婦を除けば五人に一人、十五歳から三十五歳までの五人に一人は非正規若しくは失業者という状況になっております。
私がこれを研究者として分析した場合、これは不況とか、今不況だからとか、たまたま企業業績が悪いから非正規雇用が増大しているという一時的な理由とは私は考えません。第二点として、若者がそれを望んでいるから増えたということでもありません。これは国民生活白書にも載っておりましたが、フリーターの大多数は正社員になりたいというふうに答えているわけです。
これは、なぜ増えたかというと、これは私はニューエコノミーと呼ばれる、ニューソサエティーなどと呼ばれる産業構造の転換期に今来ているんだと思います。その影響をまず最初に受けているのが今の日本の若者たちであるというふうに考えています。
従来型の産業というものは、いわゆる男性社員を中心にして、それが企業の中で徐々に仕事能力を付けて終身雇用、年功序列していく、年功序列であるというふうな、で、定年退職をするという形の労働形態が適合的な産業だったんだと思います。それが今の現行法が想定する労働者だったと思います。しかし、今、ニューエコノミーなりグローバリゼーションなり、IT化、サービス化といったような言葉でくくられているような流れが世界的に起こっております。
そこで、私は、一つはリスク化と一つは二極化という二つのキーワードでとらえることができると思いますが、リスク化というのは選択を強要されるというか、リスクを強要されるような、リスクを取ることを強要されるような社会に徐々になっていく、つまり安全な道というものは徐々に少なくなっていくということです。
今日は、主に二極化についてお話し、後者の二極化についてお話しさせていただきます。
ニューエコノミーというものは、雇用を二極化させる効果を持っています。つまり、一方で中核的専門的労働者と呼ばれるような創造的、専門的な労働者の需要が高まる一方で、単純労働者、つまりマニュアルどおりに働く人というものの需要を大量に生みます。
例えば、IT化の現場でしたら、システムエンジニアのような専門知識労働者を必要とすると同時に、大量のデータを打ち込むキーパンチャーが必要となってくるわけです。サービス化と言われる現場では、マニュアルを作ったり出店計画を立てたりする少数の中核労働者と、その少数の中核的労働者が作ったマニュアルどおりに働く大量の単純労働者が必要とされているということです。
これは多分、企業にとってはグローバルな競争的環境を生き残るためには必然である、これは不可避の流れだと思います。この不可避の流れを前提にして我々は議論を進めなくてはいけないと思っています。
つまり、企業は中核的な専門的労働者を企業の中に囲い込もうとし、結果的に長時間働かせることになります。逆に、マニュアルどおりに働く人というのは、臨時化、パート化、子会社化等の手段によってコストを削減しようとするわけです。これは、自由主義社会である以上、必然の流れだと思います。
両者の溝は構造的にどんどん深まってきます。つまり、専門的中核的労働者というのは、若いころからの長期的訓練を必要としますし、特段の才能が必要とされるわけです。つまり、マニュアルどおりに働いている人は、そこでマニュアルを作る人にはなかなかなれるものではない上に、すべての人が中核的専門労働者になれるということは幻想にすぎないわけです。そういう中で、企業の中で徐々に昇進していくという従来型の労働者、現行法が想定している労働者というのは徐々に減っていきまして、それが若者にしわを寄せているというふうに思います。
つまり、今のフリーターの現状はどういうことかというと、私がインタビュー調査をする中で分かってきたのは、せめて旧来産業の正社員になれればとアルバイトをしながら待っている男性、女性。女性であれば、その妻になって男性に養ってもらえるのではないかと思いながら、アルバイトを続けながら家族責任を持たないまま待っているという状態だと私は思っています。しかし、それがだんだん無理であるということが今分かりつつあるのではないでしょうか。
第二点として、法案について、そして若者対策の必要性について若干意見を述べさせていただきたいと思います。
ここでも坂本委員もおっしゃったことですけれども、希望というような感情を若者に復活させることが必要だと思っています。ただ、それは坂本委員がおっしゃるような形ではないと私は思っております。
私は、感情の社会学というのを、社会意識の社会心理学というのを専門にしています。希望という感情は、努力が報われると感じることができたときに希望という感情が生じる、絶望というのは、努力してもしなくても同じだと感じたときに絶望という感情が生じるというふうに社会心理学では言われております。
そこで、今の状況で、今の制度で若者が果たして希望を感じることができるだろうかということになってくるわけです。
つまり、従来の制度は、この報告書なり参考資料なりにありましたように、制度の中に入っていれば安心、逆に制度の外にいれば不安定というような状況にあります。つまり、制度の内側にいる人の安心を保証することに尽力すれば、逆に制度外の不安定さというのを増してしまう。私は、そういうトレードオフ関係に、図らずも、残念ながらと私は言うしかないのですが、残念ながら客観的分析によりますと入ってしまっているのではないかと私は考えます。つまり、現在生じていることは、制度外の人々が、先ほど述べたように、無視できないくらいに増大しているということです。
坂本委員がおっしゃった、私も同じことを言おうとしていたのですが、解雇ルールというのは正社員になっていない人にとっては関係ないというふうに答えられてしまうと思います。つまり、若者にとって必要なのは、これは山岸俊男北海道大学教授の言葉ですが、安心よりも信頼が必要であるというふうに述べました。
〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
信頼というのは、ルールへの信頼であり、努力に対する見通しというものが付くかどうかというところにあると思います。つまり、どの程度努力すればどの程度の収入が得られるかという見通しが若者にとっては必要なのに、今、それが与えられていない。つまり、ずっとフリーターのままいなくてはいけないのか、正社員であってもどれぐらい努力をしたらどれぐらいいくのかということに関して不確実になっているということが若者の将来設計を狂わせているわけです。
そして、逆に解雇の場合も多分同様だと思います。つまり、どの程度実績を上げられなかったら解雇をされるのかということが、明確な基準がなければ企業の中で努力しようもないわけです。つまり、ここで多分解雇ルールというのが必要になってくるというのは納得、自分のつまり実力を発揮できなかったから仕事を失うというのは、逆に言えば何の恥ずべきことではなく、たまたま合わなかったことだというように解釈できるからです。
一つ例を述べますと、私はあるサービス産業を調査をしまして、準社員なり正社員なりに登用される制度がある、でも制度があるだけでは若者の希望にはならないわけです。つまり、アルバイトとしてどれぐらい働いてどれぐらいになれば準社員になれる、準社員になってどれぐらい働いてどれぐらい実績を上げれば正社員になれるという基準がないまま、ただ単に制度があると言われても、若者はどうやってどれぐらい努力をしたらいいのかということに関して全く見通しのないままほうり出されているということでございます。
本法案が信頼社会形成の第一歩となるようにと私は考えております。
この発言だけを見る →私は、家族社会学というのを専門としていまして、先ほど坂本さんから言及があったパラサイトシングル論、少子化などを中心に研究していました。五年前に参議院の国生調査会で意見陳述を行いましたので、もしかしたらその点は御存じの方もいらっしゃるかもしれません。近年は、雇用の不安定化と少子化の関係について主に調べており、研究しておりまして、その関係でフリーター調査、いわゆるフリーター調査を積極的に行っていまして、その記事が議員の目にとまり、ここで話させていただく機会を得ました。
私は労働法の専門家ではありませんので、個々の案文の法的妥当性というよりも、マクロ的、社会の全体的変動の中に今の若者層を位置付けて、今の若者層というものがどういうことを感じて何を望んでいるかという点についてお話しさせていただきます。
〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
まず第一点は、これは坂本参考人も何度も述べていますが、今若者の間ではフリーターと呼ばれる非正規雇用者というのが増大しております。ここに表が、参考として載せておきましたが、ここ十年間で二倍以上、学生、主婦を除けば五人に一人、十五歳から三十五歳までの五人に一人は非正規若しくは失業者という状況になっております。
私がこれを研究者として分析した場合、これは不況とか、今不況だからとか、たまたま企業業績が悪いから非正規雇用が増大しているという一時的な理由とは私は考えません。第二点として、若者がそれを望んでいるから増えたということでもありません。これは国民生活白書にも載っておりましたが、フリーターの大多数は正社員になりたいというふうに答えているわけです。
これは、なぜ増えたかというと、これは私はニューエコノミーと呼ばれる、ニューソサエティーなどと呼ばれる産業構造の転換期に今来ているんだと思います。その影響をまず最初に受けているのが今の日本の若者たちであるというふうに考えています。
従来型の産業というものは、いわゆる男性社員を中心にして、それが企業の中で徐々に仕事能力を付けて終身雇用、年功序列していく、年功序列であるというふうな、で、定年退職をするという形の労働形態が適合的な産業だったんだと思います。それが今の現行法が想定する労働者だったと思います。しかし、今、ニューエコノミーなりグローバリゼーションなり、IT化、サービス化といったような言葉でくくられているような流れが世界的に起こっております。
そこで、私は、一つはリスク化と一つは二極化という二つのキーワードでとらえることができると思いますが、リスク化というのは選択を強要されるというか、リスクを強要されるような、リスクを取ることを強要されるような社会に徐々になっていく、つまり安全な道というものは徐々に少なくなっていくということです。
今日は、主に二極化についてお話し、後者の二極化についてお話しさせていただきます。
ニューエコノミーというものは、雇用を二極化させる効果を持っています。つまり、一方で中核的専門的労働者と呼ばれるような創造的、専門的な労働者の需要が高まる一方で、単純労働者、つまりマニュアルどおりに働く人というものの需要を大量に生みます。
例えば、IT化の現場でしたら、システムエンジニアのような専門知識労働者を必要とすると同時に、大量のデータを打ち込むキーパンチャーが必要となってくるわけです。サービス化と言われる現場では、マニュアルを作ったり出店計画を立てたりする少数の中核労働者と、その少数の中核的労働者が作ったマニュアルどおりに働く大量の単純労働者が必要とされているということです。
これは多分、企業にとってはグローバルな競争的環境を生き残るためには必然である、これは不可避の流れだと思います。この不可避の流れを前提にして我々は議論を進めなくてはいけないと思っています。
つまり、企業は中核的な専門的労働者を企業の中に囲い込もうとし、結果的に長時間働かせることになります。逆に、マニュアルどおりに働く人というのは、臨時化、パート化、子会社化等の手段によってコストを削減しようとするわけです。これは、自由主義社会である以上、必然の流れだと思います。
両者の溝は構造的にどんどん深まってきます。つまり、専門的中核的労働者というのは、若いころからの長期的訓練を必要としますし、特段の才能が必要とされるわけです。つまり、マニュアルどおりに働いている人は、そこでマニュアルを作る人にはなかなかなれるものではない上に、すべての人が中核的専門労働者になれるということは幻想にすぎないわけです。そういう中で、企業の中で徐々に昇進していくという従来型の労働者、現行法が想定している労働者というのは徐々に減っていきまして、それが若者にしわを寄せているというふうに思います。
つまり、今のフリーターの現状はどういうことかというと、私がインタビュー調査をする中で分かってきたのは、せめて旧来産業の正社員になれればとアルバイトをしながら待っている男性、女性。女性であれば、その妻になって男性に養ってもらえるのではないかと思いながら、アルバイトを続けながら家族責任を持たないまま待っているという状態だと私は思っています。しかし、それがだんだん無理であるということが今分かりつつあるのではないでしょうか。
第二点として、法案について、そして若者対策の必要性について若干意見を述べさせていただきたいと思います。
ここでも坂本委員もおっしゃったことですけれども、希望というような感情を若者に復活させることが必要だと思っています。ただ、それは坂本委員がおっしゃるような形ではないと私は思っております。
私は、感情の社会学というのを、社会意識の社会心理学というのを専門にしています。希望という感情は、努力が報われると感じることができたときに希望という感情が生じる、絶望というのは、努力してもしなくても同じだと感じたときに絶望という感情が生じるというふうに社会心理学では言われております。
そこで、今の状況で、今の制度で若者が果たして希望を感じることができるだろうかということになってくるわけです。
つまり、従来の制度は、この報告書なり参考資料なりにありましたように、制度の中に入っていれば安心、逆に制度の外にいれば不安定というような状況にあります。つまり、制度の内側にいる人の安心を保証することに尽力すれば、逆に制度外の不安定さというのを増してしまう。私は、そういうトレードオフ関係に、図らずも、残念ながらと私は言うしかないのですが、残念ながら客観的分析によりますと入ってしまっているのではないかと私は考えます。つまり、現在生じていることは、制度外の人々が、先ほど述べたように、無視できないくらいに増大しているということです。
坂本委員がおっしゃった、私も同じことを言おうとしていたのですが、解雇ルールというのは正社員になっていない人にとっては関係ないというふうに答えられてしまうと思います。つまり、若者にとって必要なのは、これは山岸俊男北海道大学教授の言葉ですが、安心よりも信頼が必要であるというふうに述べました。
〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
信頼というのは、ルールへの信頼であり、努力に対する見通しというものが付くかどうかというところにあると思います。つまり、どの程度努力すればどの程度の収入が得られるかという見通しが若者にとっては必要なのに、今、それが与えられていない。つまり、ずっとフリーターのままいなくてはいけないのか、正社員であってもどれぐらい努力をしたらどれぐらいいくのかということに関して不確実になっているということが若者の将来設計を狂わせているわけです。
そして、逆に解雇の場合も多分同様だと思います。つまり、どの程度実績を上げられなかったら解雇をされるのかということが、明確な基準がなければ企業の中で努力しようもないわけです。つまり、ここで多分解雇ルールというのが必要になってくるというのは納得、自分のつまり実力を発揮できなかったから仕事を失うというのは、逆に言えば何の恥ずべきことではなく、たまたま合わなかったことだというように解釈できるからです。
一つ例を述べますと、私はあるサービス産業を調査をしまして、準社員なり正社員なりに登用される制度がある、でも制度があるだけでは若者の希望にはならないわけです。つまり、アルバイトとしてどれぐらい働いてどれぐらいになれば準社員になれる、準社員になってどれぐらい働いてどれぐらい実績を上げれば正社員になれるという基準がないまま、ただ単に制度があると言われても、若者はどうやってどれぐらい努力をしたらいいのかということに関して全く見通しのないままほうり出されているということでございます。
本法案が信頼社会形成の第一歩となるようにと私は考えております。
金
宮
宮里邦雄#10
○参考人(宮里邦雄君) 宮里参考人でございます。
私は、解雇あるいは有期雇用の雇止めなどの裁判実務に携わった経験なども踏まえながら、解雇と有期雇用、企画業務型裁量労働制の三点について所見を述べたいと思います。
まず第一点、十八条の二の解雇関係でございます。
政府原案が衆議院で修正をされ、使用者は解雇することができるという規定が削除されたことによって十八条の二は政府案よりベターなものになったということは評価したいと思います。
では、修正条文を改めて解雇ルール立法として適切妥当なものかという観点からとらえ直してみると、なお不十分さが残っているということを指摘せざるを得ません。
解雇立法に当たっては、次の二点が考慮される必要があると思います。
第一点は、解雇規範としての明確性であります。雇用契約の当事者、なかんずく使用者の行為準則としてどのような場合に解雇が許されないのかという明確な法的メッセージを送る必要があります。
第二点は、解雇立法は解雇紛争の裁判基準として解雇の効力の判断基準になるものでありますから、解雇の要件と効果が明確である必要があります。さらにまた、解雇理由にかかわる立証責任を一体だれが負うのかということが条文の内容それ自体から明示的に読み取ることができることが必要であります。
今回の立法の基本的スタンスは、解雇権濫用法理の成文化にあるというふうに言われております。解雇権濫用法理は、解雇立法が存在しない中で裁判所が非常に苦心をして権利濫用法理を使い、言わば法律規範を創造したものでありますが、判例と立法はその機能が異なります。立法に当たっては、判例の文言をそのまま条文に書き写すのではなく、改めて立法府としての立場から、より適切妥当な立法はどうあるべきかという検証が必要であります。
このような観点から考えますと、修正条文にある「その権利を濫用したもの」というのは不要であり、削除すべきであろうと思います。条文を見ても明らかなように、「権利を濫用したものとして、」というのは明らかに解雇要件ではありません。解雇要件は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合が要件であることは条文上明確であります。にもかかわらず、権利濫用したものとしてということをなぜ入れる必要があるのか。これを入れることによって裁判規範としての明確性に欠けるところが生じたということを言わざるを得ません。
私は、端的に、先ほど申し述べた解雇立法の基本的在り方という点からして、この権利濫用をしたものとしてというのは削除することによって、立証責任の所在も使用者にあるということがより明らかになるのではないかというふうに考え、衆議院での修正は経ておりますが、当院において独自性を発揮されることを強く要望したいと思います。
二番目に、労基法十四条の有期雇用関係であります。
まず私は、正規雇用と有期雇用はどういう点で違うのかということについて是非御認識を深めていただきたいと思います。
四点の問題を指摘したいと思います。
第一点、有期雇用は極めて不安定な雇用であります。期間満了によっていつでも雇止めをされるという危険性を常に持っており、そのイニシアチブは常に使用者側にあります。
第二点、有期雇用だからというその雇用形態のゆえに、同一労働に従事している場合にあっても賃金その他の労働条件について不合理な差別的処遇を受けている雇用形態であります。
第三に、有期雇用にあっては、更新の機会に従前の労働条件をいとも簡単に切り下げることが可能になります。切下げ条件を労働者がのまなければ雇止めにされるわけですから、これは結果として合意を強いられるという形で辛うじて解雇を免れることが可能になるわけであります。
第四に、雇止めからくる不安は、労働者に労働基準法で保障されている最低の権利の行使をひるませ、さらには、労働者にとって重要な労働組合に入る権利、つまり団結権行使をも萎縮させることになります。私は幾つかの有期雇用の事件を扱いましたけれども、労働組合に入ったがゆえに、あるいは組合活動をしたがゆえに雇止めにされたという事件を幾つも担当しました。これを不当労働行為とした救済命令は実にたくさん出ております。世に存在する多くの有期雇用は、決して臨時的・一時的労働需要に対応するためという有期の名にふさわしい有期雇用ではありません。
端的に申し上げて、正規雇用についての様々な法的ルールを回避するあるいはそれを潜脱する、使用者にとって誠に好都合な雇用形態として有期契約が存在しているということについて、是非認識をお持ちいただきたいということを強調したいと思います。
ところが、今回の法改正を見ますと、この有期雇用が持っている基本的な問題点について何ら立法的な手当てがなされておりません。専ら有期雇用の拡大のみが意図されているわけでありまして、私は、使用者の求める雇用しやすいルールという観点から有期雇用の拡大が図られているというのは極めて残念であります。また、ここに今回この法案に賛成できないゆえんがあります。
有期雇用には、もう一つ指摘しなければならない労働者の拘束性という問題があります。
契約期間が延びれば延びるほど拘束性も強まります。衆議院段階で、三年の雇用については一年を超える場合の退職の自由が附則で保障されました。なぜ五年についてその措置がなされなかったのでしょうか。これは逆ですね。専門的労働者ほど拘束性が強いんですよ。専門的労働者の方こそ辞めてもらっては困るという使用者が多いはずです。
かつて、九五年の日経連の「新時代の日本的経営」が言ったように、専門的労働者を専門的能力を活用するために有期雇用にするんだということをおっしゃいました。だとすれば、特例労働者についてこそ、使用者の足止め、拘束が強まることは明らかです。退職の自由を考えるならば、三年の場合に限らず、五年の特例労働者についても同様の措置が図られるべきであると思います。
最後に、企画業務型裁量労働制について申し上げます。
企画業務型裁量労働制はみなし労働時間でありまして、みなしのありようによっては、問題のある長時間労働やサービス残業を、括弧付きではありますが、合法化する機能を営むおそれが極めて大きい労働時間制度であります。したがいまして、平成十年にこの制度が導入されるときに、けんけんがくがく、大変な議論が行われまして、厳格な歯止めが掛けられたわけであります。
歯止めの重要な柱が事業場要件であります。事業運営上の重要な決定が行われる事業場に限って、これは本社あるいは本社に準ずるものということが行政通達で出されておりますが、その事業場要件が今回の法改正で削除されました。この事業場要件は、その他の業務要件、企画立案、調査及び分析の業務というのがややあいまいであります。しかし、事業場要件というのはかなり客観性を持った要件です。そういう意味で言うと、この事業場要件の持つ歯止めとしての意味合いというのは極めて強いというふうに考えざるを得ません。
企画業務型裁量労働制について、東京大学の菅野教授は、労働法の本の中で、この企画業務型裁量労働制は中枢部門ホワイトカラー裁量労働制と定義するとおっしゃっておられますが、事業場要件が外れれば、中枢部門ホワイトカラー裁量労働制でなくなると思います。つまり、広範にホワイトカラー労働者に適用が可能になってくるという意味で、この事業場要件を外すことは企画業務型裁量労働制の性格に大きく影響するものではないかというふうに思います。
この点についても、したがって現行規制より緩和することについて私は反対であるということを申し上げて、時間が参りましたので終わらせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、解雇あるいは有期雇用の雇止めなどの裁判実務に携わった経験なども踏まえながら、解雇と有期雇用、企画業務型裁量労働制の三点について所見を述べたいと思います。
まず第一点、十八条の二の解雇関係でございます。
政府原案が衆議院で修正をされ、使用者は解雇することができるという規定が削除されたことによって十八条の二は政府案よりベターなものになったということは評価したいと思います。
では、修正条文を改めて解雇ルール立法として適切妥当なものかという観点からとらえ直してみると、なお不十分さが残っているということを指摘せざるを得ません。
解雇立法に当たっては、次の二点が考慮される必要があると思います。
第一点は、解雇規範としての明確性であります。雇用契約の当事者、なかんずく使用者の行為準則としてどのような場合に解雇が許されないのかという明確な法的メッセージを送る必要があります。
第二点は、解雇立法は解雇紛争の裁判基準として解雇の効力の判断基準になるものでありますから、解雇の要件と効果が明確である必要があります。さらにまた、解雇理由にかかわる立証責任を一体だれが負うのかということが条文の内容それ自体から明示的に読み取ることができることが必要であります。
今回の立法の基本的スタンスは、解雇権濫用法理の成文化にあるというふうに言われております。解雇権濫用法理は、解雇立法が存在しない中で裁判所が非常に苦心をして権利濫用法理を使い、言わば法律規範を創造したものでありますが、判例と立法はその機能が異なります。立法に当たっては、判例の文言をそのまま条文に書き写すのではなく、改めて立法府としての立場から、より適切妥当な立法はどうあるべきかという検証が必要であります。
このような観点から考えますと、修正条文にある「その権利を濫用したもの」というのは不要であり、削除すべきであろうと思います。条文を見ても明らかなように、「権利を濫用したものとして、」というのは明らかに解雇要件ではありません。解雇要件は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合が要件であることは条文上明確であります。にもかかわらず、権利濫用したものとしてということをなぜ入れる必要があるのか。これを入れることによって裁判規範としての明確性に欠けるところが生じたということを言わざるを得ません。
私は、端的に、先ほど申し述べた解雇立法の基本的在り方という点からして、この権利濫用をしたものとしてというのは削除することによって、立証責任の所在も使用者にあるということがより明らかになるのではないかというふうに考え、衆議院での修正は経ておりますが、当院において独自性を発揮されることを強く要望したいと思います。
二番目に、労基法十四条の有期雇用関係であります。
まず私は、正規雇用と有期雇用はどういう点で違うのかということについて是非御認識を深めていただきたいと思います。
四点の問題を指摘したいと思います。
第一点、有期雇用は極めて不安定な雇用であります。期間満了によっていつでも雇止めをされるという危険性を常に持っており、そのイニシアチブは常に使用者側にあります。
第二点、有期雇用だからというその雇用形態のゆえに、同一労働に従事している場合にあっても賃金その他の労働条件について不合理な差別的処遇を受けている雇用形態であります。
第三に、有期雇用にあっては、更新の機会に従前の労働条件をいとも簡単に切り下げることが可能になります。切下げ条件を労働者がのまなければ雇止めにされるわけですから、これは結果として合意を強いられるという形で辛うじて解雇を免れることが可能になるわけであります。
第四に、雇止めからくる不安は、労働者に労働基準法で保障されている最低の権利の行使をひるませ、さらには、労働者にとって重要な労働組合に入る権利、つまり団結権行使をも萎縮させることになります。私は幾つかの有期雇用の事件を扱いましたけれども、労働組合に入ったがゆえに、あるいは組合活動をしたがゆえに雇止めにされたという事件を幾つも担当しました。これを不当労働行為とした救済命令は実にたくさん出ております。世に存在する多くの有期雇用は、決して臨時的・一時的労働需要に対応するためという有期の名にふさわしい有期雇用ではありません。
端的に申し上げて、正規雇用についての様々な法的ルールを回避するあるいはそれを潜脱する、使用者にとって誠に好都合な雇用形態として有期契約が存在しているということについて、是非認識をお持ちいただきたいということを強調したいと思います。
ところが、今回の法改正を見ますと、この有期雇用が持っている基本的な問題点について何ら立法的な手当てがなされておりません。専ら有期雇用の拡大のみが意図されているわけでありまして、私は、使用者の求める雇用しやすいルールという観点から有期雇用の拡大が図られているというのは極めて残念であります。また、ここに今回この法案に賛成できないゆえんがあります。
有期雇用には、もう一つ指摘しなければならない労働者の拘束性という問題があります。
契約期間が延びれば延びるほど拘束性も強まります。衆議院段階で、三年の雇用については一年を超える場合の退職の自由が附則で保障されました。なぜ五年についてその措置がなされなかったのでしょうか。これは逆ですね。専門的労働者ほど拘束性が強いんですよ。専門的労働者の方こそ辞めてもらっては困るという使用者が多いはずです。
かつて、九五年の日経連の「新時代の日本的経営」が言ったように、専門的労働者を専門的能力を活用するために有期雇用にするんだということをおっしゃいました。だとすれば、特例労働者についてこそ、使用者の足止め、拘束が強まることは明らかです。退職の自由を考えるならば、三年の場合に限らず、五年の特例労働者についても同様の措置が図られるべきであると思います。
最後に、企画業務型裁量労働制について申し上げます。
企画業務型裁量労働制はみなし労働時間でありまして、みなしのありようによっては、問題のある長時間労働やサービス残業を、括弧付きではありますが、合法化する機能を営むおそれが極めて大きい労働時間制度であります。したがいまして、平成十年にこの制度が導入されるときに、けんけんがくがく、大変な議論が行われまして、厳格な歯止めが掛けられたわけであります。
歯止めの重要な柱が事業場要件であります。事業運営上の重要な決定が行われる事業場に限って、これは本社あるいは本社に準ずるものということが行政通達で出されておりますが、その事業場要件が今回の法改正で削除されました。この事業場要件は、その他の業務要件、企画立案、調査及び分析の業務というのがややあいまいであります。しかし、事業場要件というのはかなり客観性を持った要件です。そういう意味で言うと、この事業場要件の持つ歯止めとしての意味合いというのは極めて強いというふうに考えざるを得ません。
企画業務型裁量労働制について、東京大学の菅野教授は、労働法の本の中で、この企画業務型裁量労働制は中枢部門ホワイトカラー裁量労働制と定義するとおっしゃっておられますが、事業場要件が外れれば、中枢部門ホワイトカラー裁量労働制でなくなると思います。つまり、広範にホワイトカラー労働者に適用が可能になってくるという意味で、この事業場要件を外すことは企画業務型裁量労働制の性格に大きく影響するものではないかというふうに思います。
この点についても、したがって現行規制より緩和することについて私は反対であるということを申し上げて、時間が参りましたので終わらせていただきます。
ありがとうございました。
金
金田勝年#11
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
中
中島眞人#12
○中島眞人君 本日は、御多忙の中を御出席を賜りまして貴重な陳述をいただきまして、心から厚く御礼を申し上げます。
自由民主党の中島眞人でございます。
今お聞きをしますと、五人の参考人の皆さん方の意見は大きく分けて二つに分かれているというふうに感じております。
私どもが、立法府に席を置くものとして、やっぱり他院ではございますけれども、衆議院がかなりの知恵を絞って、そして解雇の問題について修正をしてきたと。ある面では立法府側にとってみても画期的な、党派を超えた形の中で一つの扱いをしてきたというふうにある面では自負をいたしているわけでございますし、それを受けて、参議院といたしましても、これらの問題について皆さん方の御意見を参考に審議をしていきたいと思っております。
さて、そういう中で、絶対に反対だというのが坂本さん、宮里参考人のこのお二人でございました。山田先生の御意見の中には非常に、当面する若者の、若年の労働の在り方について貴重な御発言をいただいたわけでございますけれども、山田先生、今回、解雇の規定を法律に明記したというこのことについてはどのような御評価をなさっているのか、山田参考人からまず冒頭お聞きをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →自由民主党の中島眞人でございます。
今お聞きをしますと、五人の参考人の皆さん方の意見は大きく分けて二つに分かれているというふうに感じております。
私どもが、立法府に席を置くものとして、やっぱり他院ではございますけれども、衆議院がかなりの知恵を絞って、そして解雇の問題について修正をしてきたと。ある面では立法府側にとってみても画期的な、党派を超えた形の中で一つの扱いをしてきたというふうにある面では自負をいたしているわけでございますし、それを受けて、参議院といたしましても、これらの問題について皆さん方の御意見を参考に審議をしていきたいと思っております。
さて、そういう中で、絶対に反対だというのが坂本さん、宮里参考人のこのお二人でございました。山田先生の御意見の中には非常に、当面する若者の、若年の労働の在り方について貴重な御発言をいただいたわけでございますけれども、山田先生、今回、解雇の規定を法律に明記したというこのことについてはどのような御評価をなさっているのか、山田参考人からまず冒頭お聞きをいたしたいと思います。
山
山田昌弘#13
○参考人(山田昌弘君) お答えいたします。
私は労働法の専門家でございませんので一般市民としての意見と変わりないかもしれませんが、解雇ということが常態化するというのはもう歴史的必然であろうというふうに私は認識しております。とするならば、どのぐらいのことをしなかったら解雇されるのかというのを逆に言えば明示した上でこのような形で行うということは、私は構わないと思っておりますので、この条文に関しては特に私は意見はございません。
ちょっと答えになっているか分かりませんが、よろしいでございましょうか。
この発言だけを見る →私は労働法の専門家でございませんので一般市民としての意見と変わりないかもしれませんが、解雇ということが常態化するというのはもう歴史的必然であろうというふうに私は認識しております。とするならば、どのぐらいのことをしなかったら解雇されるのかというのを逆に言えば明示した上でこのような形で行うということは、私は構わないと思っておりますので、この条文に関しては特に私は意見はございません。
ちょっと答えになっているか分かりませんが、よろしいでございましょうか。
中
中島眞人#14
○中島眞人君 なお、坂本参考人と宮里参考人二人は絶対に反対である、受け入れられないという御意見でございましたけれども、しかしこれからの時代、もう既にこの数年間で労働状況とかあるいは産業構造とかというものの目まぐるしい変化が起こってきておる。片方では、今、山田先生がお話しになったような形で、若者層が、先ほど坂本さんが言われたようないわゆる労働の在り方、あるいは少子化も希望が持てない中で当たり前のことなんだというふうな決め付けではなくて、やっぱり様々な変化が起こってきている。ましてや、若者の中に様々な就業あるいは就労の在り方というものを、若者の中に多様な価値観を持って臨もうとしている中で、一概にそういう御発言、同時にまた、これからも変わっていくであろうそういう問題についてどのように対応していったらいいのかと、このことにつきまして坂本参考人と宮里参考人にお聞きをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →坂
坂本修#15
○参考人(坂本修君) 多少、私の発言について誤解があるように思います。
私は、二つありまして、解雇のルールの問題については、古川参考人及び宮里参考人が言ったように、濫用ではなくて、何々の場合には何々してはならないというふうに明記した方がよりいい、そして適切な改正だということはそう思っております。しかし、衆議院で大いに各党が努力をし、最初の解雇自由の原則を削除し、ここまでの修正をし、かつ附帯決議を付け、政府もまた、従来の整理解雇の四要件などの考えや挙証責任の問題は事実上そのまま継続するものであるということを答弁していますので、それは努力の結果の一歩前進であり、そしてすべてを国会に依存するのではなくて、その法律の下でこれから裁判において、職場において不当な解雇を許さないために努力をすると申し上げたのであって、頭から絶対反対であるというふうな言い方はしていないというふうに思います。
第二点として、例の若者の問題ですね。
しかし、調べてみまして、私、ごく直近に山口県まで行って、この問題で市民を含めて百何十人と話してきましたが、やはり正規常用労働者になりたいというのが圧倒的多数です。それは客観的な事実だと思います。したがって、それが短期雇用、フリーターに全部転化していく、あるいはそちらの方しか就職口がなくなる、子供が学校の先生に、幾ら探しても就職口がなくて、高校の教師に、社会は私たちを必要としないんですか、先生ということを言っているというような、そういう事態はこの社会と国の未来のために避けるべきだと。
だから、先ほど宮里参考人も言われましたような、極めて不安定な短期雇用をこのような形で拡大するのはやはり国の未来をも危うくすると、そういう趣旨で申し上げたつもりですので、私の真意を是非そういうふうに受け止めていただきたいと存じます。
この発言だけを見る →私は、二つありまして、解雇のルールの問題については、古川参考人及び宮里参考人が言ったように、濫用ではなくて、何々の場合には何々してはならないというふうに明記した方がよりいい、そして適切な改正だということはそう思っております。しかし、衆議院で大いに各党が努力をし、最初の解雇自由の原則を削除し、ここまでの修正をし、かつ附帯決議を付け、政府もまた、従来の整理解雇の四要件などの考えや挙証責任の問題は事実上そのまま継続するものであるということを答弁していますので、それは努力の結果の一歩前進であり、そしてすべてを国会に依存するのではなくて、その法律の下でこれから裁判において、職場において不当な解雇を許さないために努力をすると申し上げたのであって、頭から絶対反対であるというふうな言い方はしていないというふうに思います。
第二点として、例の若者の問題ですね。
しかし、調べてみまして、私、ごく直近に山口県まで行って、この問題で市民を含めて百何十人と話してきましたが、やはり正規常用労働者になりたいというのが圧倒的多数です。それは客観的な事実だと思います。したがって、それが短期雇用、フリーターに全部転化していく、あるいはそちらの方しか就職口がなくなる、子供が学校の先生に、幾ら探しても就職口がなくて、高校の教師に、社会は私たちを必要としないんですか、先生ということを言っているというような、そういう事態はこの社会と国の未来のために避けるべきだと。
だから、先ほど宮里参考人も言われましたような、極めて不安定な短期雇用をこのような形で拡大するのはやはり国の未来をも危うくすると、そういう趣旨で申し上げたつもりですので、私の真意を是非そういうふうに受け止めていただきたいと存じます。
宮
宮里邦雄#16
○参考人(宮里邦雄君) 余り絶対とか絶対でないとかということを言いたくないんですが、つまり解雇ルールの問題、私は、政府案より衆議院の御努力の結果、大変ベターな法案になったというふうに評価しております。しかし、あえてより妥当な立法は何かという点で考えると不十分さが残っているということを申し上げたわけであります。
ですから、これはなかなか、法律の賛否というのは、私、素人でよく分かりませんが、この条文の改正、それぞれ条文ごとに賛否を問われれば、十八条の二の部分は現時点においては賛成、その他あとの二つの点は反対ということになるんだろうと思うんですね。ただ、基準法一部改正法案全体についてどうするかと、どうも法律の賛否は分離できないようですから、そういうことを申し上げたわけです。
それから、有期雇用については、これは是非お考えいただきたいのは、つまり有期雇用の持っているいろんな問題について今回の法案がちゃんと手当てしていますかということを申し上げているんです。私は有期雇用絶対反対論じゃありません。
しかし、上限を拡大することに伴って生ずる問題について立法的手当てがなされていないじゃないですか、規制緩和ありきで。まず規制緩和ありきが先行していると思うんですね。もう少し労働者保護も取り込んだバランスの取れた労働立法でなければならないと。これは今後検討される課題とされているようですけれども、今回はそのこと抜きに、有期雇用の問題点についてこういう手当てもするんだということがあると法案の評価は大きく変わってくるということを強調したいと思います。
この発言だけを見る →ですから、これはなかなか、法律の賛否というのは、私、素人でよく分かりませんが、この条文の改正、それぞれ条文ごとに賛否を問われれば、十八条の二の部分は現時点においては賛成、その他あとの二つの点は反対ということになるんだろうと思うんですね。ただ、基準法一部改正法案全体についてどうするかと、どうも法律の賛否は分離できないようですから、そういうことを申し上げたわけです。
それから、有期雇用については、これは是非お考えいただきたいのは、つまり有期雇用の持っているいろんな問題について今回の法案がちゃんと手当てしていますかということを申し上げているんです。私は有期雇用絶対反対論じゃありません。
しかし、上限を拡大することに伴って生ずる問題について立法的手当てがなされていないじゃないですか、規制緩和ありきで。まず規制緩和ありきが先行していると思うんですね。もう少し労働者保護も取り込んだバランスの取れた労働立法でなければならないと。これは今後検討される課題とされているようですけれども、今回はそのこと抜きに、有期雇用の問題点についてこういう手当てもするんだということがあると法案の評価は大きく変わってくるということを強調したいと思います。
中
中島眞人#17
○中島眞人君 最後に、紀陸参考人にお聞きいたしますけれども、今、一応衆議院で努力をなさったことについては評価をいただいたわけでございまして、評価の上に、私どももより慎重な審議をしてまいりたいと思っておりますけれども、有期労働の問題と裁量労働制については随分おきつい御発言が他の参考人からございましたけれども、紀陸さん、これに対するお考えはいかがですか。
この発言だけを見る →紀
紀陸孝#18
○参考人(紀陸孝君) 中島先生から的確な御質問をいただきまして御礼申します。
まず、第一点の雇用契約の多様化でございますけれども、今の経済状況ですと、なかなか現実には雇用の機会が増えない、これからますますそういう状況になると思うんですね。その場合に、有期労働を多様化するということはいろいろな雇用の場の創出につながるであろうと。特に、これからたくさんの団塊世代の方々が六十歳を迎えますし、女性の働きたいという人も増えてきます。かつ、若い人もおられまして、それぞれの人たちがいろいろな雇用の形態で働き得るようなことができれば、いろんな意味のミスマッチ、これから拡大が予想されますが、それも防ぐことができるであろう、雇用契約の多様化というのは非常に暗い面でとらえておられますけれども、そうじゃなくて、もっといろいろな意味で雇用創出につながるであろうと。そういう意味で、私どもはもっと多角的な評価をすべきではないかというふうに考えております。
それから、第二点の裁量労働でございますけれども、これも、今現在これを導入している企業さんの割合が非常に少のうございますし、対象労働者の方も非常に少のうございます。
これは、ここの部分だけが働き方の、何と申しますか、悪い点を助長しているものではなくて、不払残業とかというものとこの裁量労働が直接リンクしているわけじゃございません。ここの制度を変えることによって、逆に私どもは、いろいろなアウトプットの高さを試すことの機会が増えるだろうというふうに考えておりまして、これを第一歩にして、更にイグゼンプションまで広げて、日本の競争力強化に資すべきであるというふうに考えております。
この発言だけを見る →まず、第一点の雇用契約の多様化でございますけれども、今の経済状況ですと、なかなか現実には雇用の機会が増えない、これからますますそういう状況になると思うんですね。その場合に、有期労働を多様化するということはいろいろな雇用の場の創出につながるであろうと。特に、これからたくさんの団塊世代の方々が六十歳を迎えますし、女性の働きたいという人も増えてきます。かつ、若い人もおられまして、それぞれの人たちがいろいろな雇用の形態で働き得るようなことができれば、いろんな意味のミスマッチ、これから拡大が予想されますが、それも防ぐことができるであろう、雇用契約の多様化というのは非常に暗い面でとらえておられますけれども、そうじゃなくて、もっといろいろな意味で雇用創出につながるであろうと。そういう意味で、私どもはもっと多角的な評価をすべきではないかというふうに考えております。
それから、第二点の裁量労働でございますけれども、これも、今現在これを導入している企業さんの割合が非常に少のうございますし、対象労働者の方も非常に少のうございます。
これは、ここの部分だけが働き方の、何と申しますか、悪い点を助長しているものではなくて、不払残業とかというものとこの裁量労働が直接リンクしているわけじゃございません。ここの制度を変えることによって、逆に私どもは、いろいろなアウトプットの高さを試すことの機会が増えるだろうというふうに考えておりまして、これを第一歩にして、更にイグゼンプションまで広げて、日本の競争力強化に資すべきであるというふうに考えております。
中
今
今泉昭#20
○今泉昭君 民主党・新緑風会の今泉でございます。
五人の参考人の皆さん方、大変お忙しいところをおいでくださいまして、貴重な御意見をお伺いいたしまして、本当にありがとうございました。
私は、まず最初に古川参考人にお伺いしたいと思うんですが、弁護士といたしまして、法律の専門家でございます。
今回、政府が最初に提案をした法案が、衆議院の質疑の中で、特に解雇権濫用法理をめぐりまして立証責任というところに焦点が当てられまして、大変な混乱を来しました。結果的には修正という形でこの参議院に送られてきたわけですけれども、その混乱の中心にあったポイントというのを、法の専門家としてどのように考えていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →五人の参考人の皆さん方、大変お忙しいところをおいでくださいまして、貴重な御意見をお伺いいたしまして、本当にありがとうございました。
私は、まず最初に古川参考人にお伺いしたいと思うんですが、弁護士といたしまして、法律の専門家でございます。
今回、政府が最初に提案をした法案が、衆議院の質疑の中で、特に解雇権濫用法理をめぐりまして立証責任というところに焦点が当てられまして、大変な混乱を来しました。結果的には修正という形でこの参議院に送られてきたわけですけれども、その混乱の中心にあったポイントというのを、法の専門家としてどのように考えていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
古
古川景一#21
○参考人(古川景一君) お尋ねの点ですが、まず、労働基準局長を始めとして、民事法というものについて余りよく理解をしておられなかった。
具体的に言いますと、例えば、御指摘の証明責任というのは、当事者が主張立証を尽くした上で、それでも裁判官が合理的な理由についてグレーの印象しか持てなかった、心証しか形成できなかったときにどっちが負けるかという問題です。その一番肝心な法律の問題について、局長答弁がぐらぐらいたしました。
それから、解雇ルールでいいますと、就業規則による規制と解雇権濫用法理という二つの問題があります。それで、その就業規則の効力、これが使用者を拘束するのかどうかということについても、局長は当初の答弁で拘束しないというふうに明言いたしました。これは学説の中でも、もう今年の四月十五日に菅野先生が見解を改めて、学説上全くない見解、判例上も根拠のない見解であります。ですから、局長の方でそのように見られるように、民事法についての初歩的な素養がなかった、ある意味で。これが大きな混乱の一つの要因であろう。
そしてさらに、民事法と行政法の違いということについても余り御理解をされていなかった。行政法の場合ですと条文が多少あいまいなものであっても通達で補充ができるわけですが、それと同じことが民事法の場合もできるというふうにお考えになっていた。そして、法務省の場合ですと、あらゆる論点について挙げた上で二重、三重の議論をする法制審があるわけですが、そのような議論もしなかった。そのような弱点が出てああいうような、言っては悪いかもしれませんが、ぶざまな姿になったんだろうと思います。
この発言だけを見る →具体的に言いますと、例えば、御指摘の証明責任というのは、当事者が主張立証を尽くした上で、それでも裁判官が合理的な理由についてグレーの印象しか持てなかった、心証しか形成できなかったときにどっちが負けるかという問題です。その一番肝心な法律の問題について、局長答弁がぐらぐらいたしました。
それから、解雇ルールでいいますと、就業規則による規制と解雇権濫用法理という二つの問題があります。それで、その就業規則の効力、これが使用者を拘束するのかどうかということについても、局長は当初の答弁で拘束しないというふうに明言いたしました。これは学説の中でも、もう今年の四月十五日に菅野先生が見解を改めて、学説上全くない見解、判例上も根拠のない見解であります。ですから、局長の方でそのように見られるように、民事法についての初歩的な素養がなかった、ある意味で。これが大きな混乱の一つの要因であろう。
そしてさらに、民事法と行政法の違いということについても余り御理解をされていなかった。行政法の場合ですと条文が多少あいまいなものであっても通達で補充ができるわけですが、それと同じことが民事法の場合もできるというふうにお考えになっていた。そして、法務省の場合ですと、あらゆる論点について挙げた上で二重、三重の議論をする法制審があるわけですが、そのような議論もしなかった。そのような弱点が出てああいうような、言っては悪いかもしれませんが、ぶざまな姿になったんだろうと思います。
今
今泉昭#22
○今泉昭君 ありがとうございました。
限られた質問の時間でございますので、次の問題につきましては五人の参考人の方々に短くひとつ御答弁をお願いをしたいというふうに思います。
政府が提案をしたときの、この法案の説明に大変よく出てくる言葉が、新しい時代の流れの中で、いわゆる多様な働き方、価値観の変化によるところの、労働に対する価値観の大きな変化ということをよくおっしゃるんです。そういう働いている方々の要望が多いから、それに見合ったこれは法改正じゃないかという印象を非常に一般的に持たれがちなわけですね。
しかし、私、もう先生方には、御専門でございますからこんなことを言うのは釈迦に説法でございますけれども、少なくとも労働基準法というのは、我が国のいわゆる一つの規範として、労働を提供する側の労働者がその労働を提供する際には最低これだけの、社会的な規範に基づいて労働を提供するんだという最低の保障を決めるこれは法律であろうというふうに思っているわけなんですね。
ところが、出された法案を見てみますと、例えばこの法案が出ることによっていろんな問題が出てくる。この問題が出てくる際には、その問題の被害者は働いている人ではないだろうかと。にもかかわらず、その被害を出ることに対する手当てをこの法案の中には一つも盛り込んでいない。
具体的に申し上げますと、有期雇用の問題に関しましては、例えば若年定年制の問題もあるでしょうし、あるいはまた正規雇用を減らしていくという問題もあるでしょう。さらにまた、裁量労働に関しましては、今朝の新聞にも大きく報道されていましたように、過労によりまして自殺に追い込まれる、大変、労働管理というものがなされない中で、一方的に働いている人たちに大きな負担を掛けているという問題点があることはもう明らかなんであります。
しかしながら、私も全くこの有期雇用というものを否定するものでもございませんし、裁量労働を否定するものではございません。必要なんではあるけれども、少なくとも労働基準法が最低の基準を示すというのがその精神にあるとするならば、この法案を作ることによってこういう被害を防ぐための補助的な手当てをこの法案に何で盛り込んでいなかったのか、これが大きなこの欠点ではないだろうかというふうに私は思っているんですが、この点につきまして、簡単でよろしゅうございますから、お一人ずつ考え方をお述べ願いたいと思います。
この発言だけを見る →限られた質問の時間でございますので、次の問題につきましては五人の参考人の方々に短くひとつ御答弁をお願いをしたいというふうに思います。
政府が提案をしたときの、この法案の説明に大変よく出てくる言葉が、新しい時代の流れの中で、いわゆる多様な働き方、価値観の変化によるところの、労働に対する価値観の大きな変化ということをよくおっしゃるんです。そういう働いている方々の要望が多いから、それに見合ったこれは法改正じゃないかという印象を非常に一般的に持たれがちなわけですね。
しかし、私、もう先生方には、御専門でございますからこんなことを言うのは釈迦に説法でございますけれども、少なくとも労働基準法というのは、我が国のいわゆる一つの規範として、労働を提供する側の労働者がその労働を提供する際には最低これだけの、社会的な規範に基づいて労働を提供するんだという最低の保障を決めるこれは法律であろうというふうに思っているわけなんですね。
ところが、出された法案を見てみますと、例えばこの法案が出ることによっていろんな問題が出てくる。この問題が出てくる際には、その問題の被害者は働いている人ではないだろうかと。にもかかわらず、その被害を出ることに対する手当てをこの法案の中には一つも盛り込んでいない。
具体的に申し上げますと、有期雇用の問題に関しましては、例えば若年定年制の問題もあるでしょうし、あるいはまた正規雇用を減らしていくという問題もあるでしょう。さらにまた、裁量労働に関しましては、今朝の新聞にも大きく報道されていましたように、過労によりまして自殺に追い込まれる、大変、労働管理というものがなされない中で、一方的に働いている人たちに大きな負担を掛けているという問題点があることはもう明らかなんであります。
しかしながら、私も全くこの有期雇用というものを否定するものでもございませんし、裁量労働を否定するものではございません。必要なんではあるけれども、少なくとも労働基準法が最低の基準を示すというのがその精神にあるとするならば、この法案を作ることによってこういう被害を防ぐための補助的な手当てをこの法案に何で盛り込んでいなかったのか、これが大きなこの欠点ではないだろうかというふうに私は思っているんですが、この点につきまして、簡単でよろしゅうございますから、お一人ずつ考え方をお述べ願いたいと思います。
金
紀
紀陸孝#24
○参考人(紀陸孝君) お答えいたします。
私どもは、法律というのはやっぱり世の中の現実に即して見直されなければいけないと思うんですね。それで、この今般の法改正は、私ども、先生がおっしゃるようなことでなくて、やはり労使双方に選択肢を与えているものだというふうに考えております。世の中の事象というのは、こっちから光を当てるか逆の方から光を当てるかによって随分この評価は分かれてくると思うんですね。
例えば、高齢者の方々はこれからたくさん出ます。その場合に、一年契約、二年契約、三年契約でもいいよとか、あるいはもうちょっと専門的な方は五年でもいいよ、そういうことの選択肢の余地が広がるわけでありまして、決して、若年の雇用代替が進むとか、そっちの評価だけではなくて、それも本当にそうなのか、まだこれからだと思うんですね。動きに合わせていろいろ選択肢の多様化をこれから進めていく、まだ入口の段階だというふうに私ども考えておりまして、それがようやっとスタートに付いたというふうに評価すべきではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →私どもは、法律というのはやっぱり世の中の現実に即して見直されなければいけないと思うんですね。それで、この今般の法改正は、私ども、先生がおっしゃるようなことでなくて、やはり労使双方に選択肢を与えているものだというふうに考えております。世の中の事象というのは、こっちから光を当てるか逆の方から光を当てるかによって随分この評価は分かれてくると思うんですね。
例えば、高齢者の方々はこれからたくさん出ます。その場合に、一年契約、二年契約、三年契約でもいいよとか、あるいはもうちょっと専門的な方は五年でもいいよ、そういうことの選択肢の余地が広がるわけでありまして、決して、若年の雇用代替が進むとか、そっちの評価だけではなくて、それも本当にそうなのか、まだこれからだと思うんですね。動きに合わせていろいろ選択肢の多様化をこれから進めていく、まだ入口の段階だというふうに私ども考えておりまして、それがようやっとスタートに付いたというふうに評価すべきではないかというふうに考えております。
金
古
古川景一#26
○参考人(古川景一君) 結論だけ申し上げます。
労使双方に選択肢があるとは思いません。使用者にだけ選択肢があるのが実情だろう。そして、例えば、今、六か月なり一年更新のパートの人たちが三年の契約を希望したからといって、それがかなえられるものではない。今までの一年更新、半か年更新の人たちはそのままである。そこに選択の余地はないということを申し上げます。
この発言だけを見る →労使双方に選択肢があるとは思いません。使用者にだけ選択肢があるのが実情だろう。そして、例えば、今、六か月なり一年更新のパートの人たちが三年の契約を希望したからといって、それがかなえられるものではない。今までの一年更新、半か年更新の人たちはそのままである。そこに選択の余地はないということを申し上げます。
坂
坂本修#27
○参考人(坂本修君) 日本の憲法は、人間らしく働くための最低の労働基準を国の法律で定めるとしています。それが労基法です。そこまで憲法に書いている国は私の記憶する限りではありません。その基準法を変えては、悪く変えてはいけないんだというふうに思います。グローバルスタンダードと言われますが、EUなどの指令、ILOの基準から見たら、短期雇用についても様々な労働者保護の規定が厳然としてございます。それは日本より進んでいます。なぜそれに合わせないのでしょうか。
例えばドイツは、ちょっと話飛びますが、失業保険は三十一か月です。それが過ぎた後の失業扶助ということで、日本の金員にすると十万円以上の金がずっと出ているんですね。そういうことこそが私たちが目指す日本ではないでしょうか。
この発言だけを見る →例えばドイツは、ちょっと話飛びますが、失業保険は三十一か月です。それが過ぎた後の失業扶助ということで、日本の金員にすると十万円以上の金がずっと出ているんですね。そういうことこそが私たちが目指す日本ではないでしょうか。
山
山田昌弘#28
○参考人(山田昌弘君) 私は、新しい時代の中で多様な働き方が必要になっているけれども、多様な働き方を選択させられている現実というものがあるということを言い添えたいと思います。
あと、手当てという、今泉先生の手当てに関して、私も、新たな労働者を、最低保障を決める手当てが必要だと思っています。しかし、それは多分今までの保障の延長ではなくて、新しい形の延長、手段ということが必要になってきていると、時期だと思っております。
この発言だけを見る →あと、手当てという、今泉先生の手当てに関して、私も、新たな労働者を、最低保障を決める手当てが必要だと思っています。しかし、それは多分今までの保障の延長ではなくて、新しい形の延長、手段ということが必要になってきていると、時期だと思っております。
宮
宮里邦雄#29
○参考人(宮里邦雄君) 多様な働き方を一概に否定することはできないという立場ですけれども、問題は、本当に労働者の側からも多様な働き方を主体的に選択できる関係になっているのかということが問題だろうと思います。現実には強いられた選択でなっているということが実態だろうと思います。
多様な働き方を本当に保障するならば、先ほど私が有期雇用について申し上げたような労働者保護という視点もきっちり組み入れた雇用のメニューが準備されているべきであって、そういう保護も踏まえた多様な働き方が選択肢として提示されるということがない限りは、専ら多様な働き方は使用者にとって好都合な雇用形態として機能をすると、また現にそうなっているんじゃないかということを申し上げているわけであります。
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