財務金融委員会
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会
会議録情報#0
平成十八年三月十日(金曜日)
午前九時二分開議
出席委員
委員長 小野 晋也君
理事 江崎洋一郎君 理事 七条 明君
理事 宮下 一郎君 理事 山本 明彦君
理事 渡辺 喜美君 理事 小沢 鋭仁君
理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君
井澤 京子君 伊藤 達也君
石原 宏高君 小川 友一君
越智 隆雄君 大野 功統君
河井 克行君 木原 稔君
佐藤ゆかり君 鈴木 俊一君
関 芳弘君 とかしきなおみ君
土井 真樹君 中根 一幸君
西田 猛君 萩山 教嚴君
広津 素子君 藤野真紀子君
松本 洋平君 鈴木 克昌君
田村 謙治君 高井 美穂君
長安 豊君 野田 佳彦君
三谷 光男君 吉田 泉君
鷲尾英一郎君 谷口 隆義君
佐々木憲昭君 野呂田芳成君
中村喜四郎君
…………………………………
財務大臣 谷垣 禎一君
財務副大臣 竹本 直一君
財務大臣政務官 西田 猛君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 浜野 潤君
政府参考人
(財務省大臣官房総括審議官) 杉本 和行君
政府参考人
(財務省主計局次長) 松元 崇君
参考人
(日本銀行総裁) 福井 俊彦君
参考人
(日本銀行副総裁) 岩田 一政君
参考人
(日本銀行理事) 小林 英三君
参考人
(日本銀行理事) 白川 方明君
財務金融委員会専門員 鈴木健次郎君
—————————————
委員の異動
三月十日
辞任 補欠選任
平岡 秀夫君 高井 美穂君
同日
辞任 補欠選任
高井 美穂君 平岡 秀夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
独立行政法人酒類総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時二分開議
出席委員
委員長 小野 晋也君
理事 江崎洋一郎君 理事 七条 明君
理事 宮下 一郎君 理事 山本 明彦君
理事 渡辺 喜美君 理事 小沢 鋭仁君
理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君
井澤 京子君 伊藤 達也君
石原 宏高君 小川 友一君
越智 隆雄君 大野 功統君
河井 克行君 木原 稔君
佐藤ゆかり君 鈴木 俊一君
関 芳弘君 とかしきなおみ君
土井 真樹君 中根 一幸君
西田 猛君 萩山 教嚴君
広津 素子君 藤野真紀子君
松本 洋平君 鈴木 克昌君
田村 謙治君 高井 美穂君
長安 豊君 野田 佳彦君
三谷 光男君 吉田 泉君
鷲尾英一郎君 谷口 隆義君
佐々木憲昭君 野呂田芳成君
中村喜四郎君
…………………………………
財務大臣 谷垣 禎一君
財務副大臣 竹本 直一君
財務大臣政務官 西田 猛君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 浜野 潤君
政府参考人
(財務省大臣官房総括審議官) 杉本 和行君
政府参考人
(財務省主計局次長) 松元 崇君
参考人
(日本銀行総裁) 福井 俊彦君
参考人
(日本銀行副総裁) 岩田 一政君
参考人
(日本銀行理事) 小林 英三君
参考人
(日本銀行理事) 白川 方明君
財務金融委員会専門員 鈴木健次郎君
—————————————
委員の異動
三月十日
辞任 補欠選任
平岡 秀夫君 高井 美穂君
同日
辞任 補欠選任
高井 美穂君 平岡 秀夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
独立行政法人酒類総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)
————◇—————
小
小野晋也#1
○小野委員長 これより会議を開きます。
金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君、日本銀行副総裁岩田一政君、日本銀行理事小林英三君、日本銀行理事白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省大臣官房総括審議官杉本和行君、財務省主計局次長松元崇君、内閣府政策統括官浜野潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君、日本銀行副総裁岩田一政君、日本銀行理事小林英三君、日本銀行理事白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省大臣官房総括審議官杉本和行君、財務省主計局次長松元崇君、内閣府政策統括官浜野潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小
小
小野晋也#3
○小野委員長 去る平成十七年十二月十三日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁福井俊彦君。
この発言だけを見る →福
福井俊彦#4
○福井参考人 おはようございます。日本銀行の福井でございます。
日本銀行では、ただいま委員長からお話のございましたとおり、昨年の十二月、平成十七年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書、半期報と呼んでおりますが、これを国会に提出させていただきました。日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会を本日ちょうだいし、まことにありがたく、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
日本銀行では、御承知のとおり、一昨日、昨日、二日間にわたり開催されました政策委員会・金融政策決定会合におきまして、いわゆる量的緩和政策の枠組みを変更いたしまして、短期金利を金融市場調節の操作目標とする、いわゆる通常の金利政策に移行することを決定いたしました。本日は、こうした決定の背景にある経済、物価情勢や金融政策運営について、御説明を申し上げたいというふうに思います。
最初に、最近の経済金融情勢について御説明を申し上げます。
我が国の景気は着実に回復を続けております。この点をやや詳しく御説明申し上げますと、輸出や生産は増加を続けております。また、企業収益は高水準で推移しております。こうしたもとで、設備投資も引き続き増加をしております。家計部門では、雇用者数の増加が続き賃金も上昇に転じていることから、雇用者所得は緩やかに増加しております。雇用所得環境が着実に改善しているもとで、個人消費は底がたさを増しているという状況でございます。
先行きについて見ますと、海外経済の拡大を背景に、輸出は増加を続けていくというふうに見られます。また、企業の過剰債務などの構造的な調整圧力がおおむね払拭されたもとで、高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を受けて、国内民間需要も引き続き増加していく可能性が高いと考えられるところでございます。
このように、外需と内需、そして企業部門と家計部門がともに回復し、前向きの循環メカニズムが働く環境が整っているということから、息の長い景気回復が続いていくだろうというふうに見ております。もとより、高騰を続ける原油価格やそのもとでの海外経済の動向など、景気に対するリスク要因については、引き続き十分注意を払っていく必要があると考えております。
景気回復が続くもとで、物価をめぐる環境も好転しております。
消費者物価指数、これは生鮮食品を除く全国のベースで見た消費者物価指数でございますが、昨年十一月から小幅の前年比プラスとなりまして、本年一月の前年比は比較的はっきりとしたプラスになりました。経済全体の需給ギャップは緩やかな改善を続けておりますし、ユニット・レーバー・コストの下押し圧力は基調として減少いたしております。さらに、企業や家計の物価見通しも上振れてきております。こうしたもとで、消費者物価指数の前年比は、先行きプラス基調が定着していくというふうに見られます。この間、国内企業物価は、国際商品市況高などを背景に上昇しておりまして、先行きも上昇を続けるというふうに見られます。
金融面では、企業金融をめぐる環境は総じて緩和の方向にございます。民間銀行の貸し出し姿勢は積極化しておりまして、民間の資金需要は下げどまりつつあるという状況でございます。こうしたもとで、民間銀行貸し出しは、貸出債権の流動化や償却を調整したベースで見ますと、昨年八月に前年比プラスに転じた後、プラス幅が拡大してきているという状況でございます。
次に、日本銀行の金融政策の運営について申し述べさせていただきたいと思います。
日本銀行は、二〇〇一年三月、物価の継続的な下落を防止し、持続的な成長のための基盤を整備するという観点から、当座預金残高を主たる操作目標として潤沢な資金供給を行う、いわゆる量的緩和政策を導入いたしまして、この政策を、消費者物価指数、全国ベース、除く生鮮食品というベースですが、その前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続すると明確な約束を行いました。以後、約五年間にわたり、この約束に沿って粘り強く量的緩和政策を継続してまいりました。
こうしたもとで、日本経済は大きく改善し、着実に回復を続けております。物価面でも、消費者物価指数の前年比はプラスに転じまして、先行きプラス基調が定着していくと見られる状況でございます。
こうした経済、物価情勢の好転を踏まえ、日本銀行は、一昨日、昨日と開催されました政策委員会・金融政策決定会合において、量的緩和政策の枠組みを変更し、無担保コールレート、オーバーナイト物のレートでございますが、これを金融市場調節の操作目標とする金利政策に移行することを決定いたしました。あわせて、金融政策の透明性を引き続きしっかりと確保する観点から、物価の安定についての明確化を含め、金融政策運営の新たな枠組みを導入いたしました。
この点を若干詳しく御説明申し上げますと、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、操作目標である無担保コールレートをおおむねゼロ%で推移するように促すということを決定いたしました。量的緩和政策の経済、物価に対する効果は、既に短期金利がゼロであることによる効果が中心になっておりますため、今回の措置により非連続的な変化が生じるものではないと考えております。先行きの金融政策運営としては、無担保コールレートをおおむねゼロ%とする期間を経た後、経済、物価情勢の変化に応じて徐々に調整を行うということになります。この場合、経済がバランスのとれた持続的な成長過程をたどる中にあって、物価の上昇圧力が抑制された状況が続いていくと判断されるのであれば、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いと考えております。
また、日本銀行は、金融政策運営の新たな枠組みを導入いたしました。そのポイントを申し述べますと、第一に、日本銀行としての物価の安定についての基本的な考え方を整理するとともに、金融政策運営に当たり、現時点において、中長期的に見て物価が安定していると政策委員が理解する物価上昇率を示すことといたしました。第二に、先行き一年から二年の経済、物価情勢の点検と、より長期的な視点を踏まえつつ金融政策運営に当たり重視すべきリスク要因の点検、この二つの柱に基づいて経済、物価情勢の点検を行うことといたしました。第三に、こうした点検を行った上で、当面の金融政策運営の考え方を整理し、定期的に公表していくことといたしました。
日本銀行といたしましては、こうした新たな枠組みのもとで、透明性の高い形で適切な金融政策運営を行い、物価安定のもとでの持続的成長に貢献してまいりたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →日本銀行では、ただいま委員長からお話のございましたとおり、昨年の十二月、平成十七年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書、半期報と呼んでおりますが、これを国会に提出させていただきました。日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会を本日ちょうだいし、まことにありがたく、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
日本銀行では、御承知のとおり、一昨日、昨日、二日間にわたり開催されました政策委員会・金融政策決定会合におきまして、いわゆる量的緩和政策の枠組みを変更いたしまして、短期金利を金融市場調節の操作目標とする、いわゆる通常の金利政策に移行することを決定いたしました。本日は、こうした決定の背景にある経済、物価情勢や金融政策運営について、御説明を申し上げたいというふうに思います。
最初に、最近の経済金融情勢について御説明を申し上げます。
我が国の景気は着実に回復を続けております。この点をやや詳しく御説明申し上げますと、輸出や生産は増加を続けております。また、企業収益は高水準で推移しております。こうしたもとで、設備投資も引き続き増加をしております。家計部門では、雇用者数の増加が続き賃金も上昇に転じていることから、雇用者所得は緩やかに増加しております。雇用所得環境が着実に改善しているもとで、個人消費は底がたさを増しているという状況でございます。
先行きについて見ますと、海外経済の拡大を背景に、輸出は増加を続けていくというふうに見られます。また、企業の過剰債務などの構造的な調整圧力がおおむね払拭されたもとで、高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を受けて、国内民間需要も引き続き増加していく可能性が高いと考えられるところでございます。
このように、外需と内需、そして企業部門と家計部門がともに回復し、前向きの循環メカニズムが働く環境が整っているということから、息の長い景気回復が続いていくだろうというふうに見ております。もとより、高騰を続ける原油価格やそのもとでの海外経済の動向など、景気に対するリスク要因については、引き続き十分注意を払っていく必要があると考えております。
景気回復が続くもとで、物価をめぐる環境も好転しております。
消費者物価指数、これは生鮮食品を除く全国のベースで見た消費者物価指数でございますが、昨年十一月から小幅の前年比プラスとなりまして、本年一月の前年比は比較的はっきりとしたプラスになりました。経済全体の需給ギャップは緩やかな改善を続けておりますし、ユニット・レーバー・コストの下押し圧力は基調として減少いたしております。さらに、企業や家計の物価見通しも上振れてきております。こうしたもとで、消費者物価指数の前年比は、先行きプラス基調が定着していくというふうに見られます。この間、国内企業物価は、国際商品市況高などを背景に上昇しておりまして、先行きも上昇を続けるというふうに見られます。
金融面では、企業金融をめぐる環境は総じて緩和の方向にございます。民間銀行の貸し出し姿勢は積極化しておりまして、民間の資金需要は下げどまりつつあるという状況でございます。こうしたもとで、民間銀行貸し出しは、貸出債権の流動化や償却を調整したベースで見ますと、昨年八月に前年比プラスに転じた後、プラス幅が拡大してきているという状況でございます。
次に、日本銀行の金融政策の運営について申し述べさせていただきたいと思います。
日本銀行は、二〇〇一年三月、物価の継続的な下落を防止し、持続的な成長のための基盤を整備するという観点から、当座預金残高を主たる操作目標として潤沢な資金供給を行う、いわゆる量的緩和政策を導入いたしまして、この政策を、消費者物価指数、全国ベース、除く生鮮食品というベースですが、その前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続すると明確な約束を行いました。以後、約五年間にわたり、この約束に沿って粘り強く量的緩和政策を継続してまいりました。
こうしたもとで、日本経済は大きく改善し、着実に回復を続けております。物価面でも、消費者物価指数の前年比はプラスに転じまして、先行きプラス基調が定着していくと見られる状況でございます。
こうした経済、物価情勢の好転を踏まえ、日本銀行は、一昨日、昨日と開催されました政策委員会・金融政策決定会合において、量的緩和政策の枠組みを変更し、無担保コールレート、オーバーナイト物のレートでございますが、これを金融市場調節の操作目標とする金利政策に移行することを決定いたしました。あわせて、金融政策の透明性を引き続きしっかりと確保する観点から、物価の安定についての明確化を含め、金融政策運営の新たな枠組みを導入いたしました。
この点を若干詳しく御説明申し上げますと、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、操作目標である無担保コールレートをおおむねゼロ%で推移するように促すということを決定いたしました。量的緩和政策の経済、物価に対する効果は、既に短期金利がゼロであることによる効果が中心になっておりますため、今回の措置により非連続的な変化が生じるものではないと考えております。先行きの金融政策運営としては、無担保コールレートをおおむねゼロ%とする期間を経た後、経済、物価情勢の変化に応じて徐々に調整を行うということになります。この場合、経済がバランスのとれた持続的な成長過程をたどる中にあって、物価の上昇圧力が抑制された状況が続いていくと判断されるのであれば、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いと考えております。
また、日本銀行は、金融政策運営の新たな枠組みを導入いたしました。そのポイントを申し述べますと、第一に、日本銀行としての物価の安定についての基本的な考え方を整理するとともに、金融政策運営に当たり、現時点において、中長期的に見て物価が安定していると政策委員が理解する物価上昇率を示すことといたしました。第二に、先行き一年から二年の経済、物価情勢の点検と、より長期的な視点を踏まえつつ金融政策運営に当たり重視すべきリスク要因の点検、この二つの柱に基づいて経済、物価情勢の点検を行うことといたしました。第三に、こうした点検を行った上で、当面の金融政策運営の考え方を整理し、定期的に公表していくことといたしました。
日本銀行といたしましては、こうした新たな枠組みのもとで、透明性の高い形で適切な金融政策運営を行い、物価安定のもとでの持続的成長に貢献してまいりたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
小
小
越
越智隆雄#7
○越智委員 おはようございます。自由民主党の越智隆雄でございます。
ただいま福井総裁から半期報告書についての御説明がございましたが、本日は、昨日の量的緩和の解除、これが決定されましたので、この点に絞って、持ち時間をフルに使わせていただいて、福井総裁初め日銀の幹部の皆様の御見解をじっくりとお伺いさせていただきたいというふうに思います。
まず、昨日は、今御説明ありましたけれども、二つの決定がなされた。一つ目は、量的緩和の解除の決定であります。二つ目は、量的緩和解除後の新たな枠組みを設定するということでありました。
この量的緩和政策というのは、二〇〇一年から五年間、デフレスパイラルに陥ることを回避するためにとられた政策でありますけれども、福井総裁におかれましては、二〇〇三年の就任以来、日銀の総裁として、当座預金残高の目標金額の引き上げなど、デフレファイターとして御活躍をいただいた、この政策に取り組んでこられたというふうに理解しております。
この政策変更につきまして私は基本的に評価をするものでありますけれども、ただ、しかし一方で、慎重に留意しなければならない点が幾つかあるんじゃないかというふうに思っております。
その一つ目は、量的緩和政策というのが、総裁もおっしゃっていますけれども、異例な政策であったということであります。実施が異例であったということは、この量的緩和政策を解除する、そして正常な状態に戻すということについても、恐らく過去に例のない、異例なプロセスを経ることだというふうに思います。そんな中で、経済や物価情勢に大きな混乱を来すことなくこのプロセスを完了することが、今我々が取り組むべき重大な、最大の課題ではないかというふうに考えております。
二つ目は、物価の安定でございます。これはもう申すまでもございませんけれども、イザナギ景気が五十七カ月でございました。これに迫ろうとする今の景気拡大の局面を、腰折れさせることなくしっかりと運営していく、このことが大事だというふうに思っております。
これからの持続的な経済成長を果たしていく上で、デフレ脱却にかわって物価の安定を目標として掲げることとなりますけれども、異例なプロセスにおいて、そしてまたその後の環境においても、物価の安定に資する政策をしっかりととっていかなきゃいけないというふうに思います。
こんな問題意識に立って、きょうは、新たな枠組みに基づく今後の金融政策運営について質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、一つ目の質問でございますけれども、新たな枠組みの中で、いわゆる目安というものが示されたというふうに思います。この示し方について今までさまざまな議論がされていまして、一方では、透明性を重視して数値型にすべきだという議論がございました。また一方では、日銀の政策運営の柔軟性を重視して、文章型、メッセージ型にすべきだという議論がございました。
今回の目安の示し方について、福井総裁は昨日の会見で、透明性の確保と機動的運営が両立する枠組みだというふうにおっしゃったと報道がされておりますけれども、この示し方について、どのような考え方に基づいて考案されたのか、具体的に透明性と柔軟性をいかに両立されるおつもりなのか、この点について御説明をお願いしたいというふうに思います。
この発言だけを見る →ただいま福井総裁から半期報告書についての御説明がございましたが、本日は、昨日の量的緩和の解除、これが決定されましたので、この点に絞って、持ち時間をフルに使わせていただいて、福井総裁初め日銀の幹部の皆様の御見解をじっくりとお伺いさせていただきたいというふうに思います。
まず、昨日は、今御説明ありましたけれども、二つの決定がなされた。一つ目は、量的緩和の解除の決定であります。二つ目は、量的緩和解除後の新たな枠組みを設定するということでありました。
この量的緩和政策というのは、二〇〇一年から五年間、デフレスパイラルに陥ることを回避するためにとられた政策でありますけれども、福井総裁におかれましては、二〇〇三年の就任以来、日銀の総裁として、当座預金残高の目標金額の引き上げなど、デフレファイターとして御活躍をいただいた、この政策に取り組んでこられたというふうに理解しております。
この政策変更につきまして私は基本的に評価をするものでありますけれども、ただ、しかし一方で、慎重に留意しなければならない点が幾つかあるんじゃないかというふうに思っております。
その一つ目は、量的緩和政策というのが、総裁もおっしゃっていますけれども、異例な政策であったということであります。実施が異例であったということは、この量的緩和政策を解除する、そして正常な状態に戻すということについても、恐らく過去に例のない、異例なプロセスを経ることだというふうに思います。そんな中で、経済や物価情勢に大きな混乱を来すことなくこのプロセスを完了することが、今我々が取り組むべき重大な、最大の課題ではないかというふうに考えております。
二つ目は、物価の安定でございます。これはもう申すまでもございませんけれども、イザナギ景気が五十七カ月でございました。これに迫ろうとする今の景気拡大の局面を、腰折れさせることなくしっかりと運営していく、このことが大事だというふうに思っております。
これからの持続的な経済成長を果たしていく上で、デフレ脱却にかわって物価の安定を目標として掲げることとなりますけれども、異例なプロセスにおいて、そしてまたその後の環境においても、物価の安定に資する政策をしっかりととっていかなきゃいけないというふうに思います。
こんな問題意識に立って、きょうは、新たな枠組みに基づく今後の金融政策運営について質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、一つ目の質問でございますけれども、新たな枠組みの中で、いわゆる目安というものが示されたというふうに思います。この示し方について今までさまざまな議論がされていまして、一方では、透明性を重視して数値型にすべきだという議論がございました。また一方では、日銀の政策運営の柔軟性を重視して、文章型、メッセージ型にすべきだという議論がございました。
今回の目安の示し方について、福井総裁は昨日の会見で、透明性の確保と機動的運営が両立する枠組みだというふうにおっしゃったと報道がされておりますけれども、この示し方について、どのような考え方に基づいて考案されたのか、具体的に透明性と柔軟性をいかに両立されるおつもりなのか、この点について御説明をお願いしたいというふうに思います。
福
福井俊彦#8
○福井参考人 まず最初に、ただいま委員がおっしゃいましたとおり、金融政策は、経済状況が非常に悪い状況から、先行き、すべての国民がごらんになって望ましいと思われる状態まで、円滑に改善の方向をたどっていかなければならない、そのプロセスを金融政策は一貫して支えていかなければならない、こういうふうに考えております。
量的緩和政策が導入されました五年ぐらい前、まさに日本経済がデフレスパイラルに陥るリスクというものを強く感じていたころでございました。その後、デフレスパイラルに陥るリスクは次第に軽減しつつも、物価が継続的に下落する。最近は、物価がプラスの状況に戻って安定的に推移する状況に非常に近づいてきている。今後は、物価安定のもとで持続的な景気回復というのをより確かにしていく、さらに、それを長期にわたって実現していけるように基盤をさらに整えていく、こういう長いプロセスでございます。
量的緩和政策というものは、そういう日本経済が危機的な状況にあった状況に対して、緊急避難的に対処するための異例な措置としてやってきたものでございまして、経済がここまで正常化の過程を歩んできた段階において、昨日、この枠組みは解除させていただきました。今後は通常の金利政策に戻りますけれども、当面、ゼロ金利政策というところから再スタートするということでございまして、私どもとしては、まだ、金融政策が最終的に実現を目指すべき状況に対しては道半ばの途上にあるというふうに考えています。最終的には、持続的な景気回復を物価安定のもとで継続的に実現できるような状況にこぎつけたい、今後ともそういう長い努力をしたいということでございます。
量的緩和政策の枠組みのもとでは、消費者物価指数が安定的にゼロ%以上となるまでという強いコミットメントをいたしまして、これは、日本銀行自身がみずからの手足を縛ってこの難局を乗り切るためのコミットメントでございました。
金利政策に戻りました後は、金融政策の機動性ということで、非常に大事になってまいります。経済の上振れリスク、下振れリスクともに機動的に対応できるということが金融政策の生命線でございますし、先ほど申し上げました、より望ましい経済に持っていくための金融政策運営というのはまさに、荒わざでなくて、最も適切なタイミングできめ細かい金融政策を連続的に打ち出していくということで実現できる可能性が強いわけでございます。そういう意味で、機動性が大事と。
しかしながら、一方で、金融政策については透明性が大事と。日本銀行から発するメッセージと行動が国民の皆様方、市場参加者の皆様方から見て十分理解できるということがあって初めて政策の効果も高まるし、日本銀行として説明責任、アカウンタビリティーも果たせる、こういうふうに考えております。したがいまして、量的緩和政策から通常の金利政策に戻るこの時点で、新しい金融政策の枠組みを私どもとして新しく設計いたしまして、きのう打ち出した。その柱は、透明性と金融政策運営の柔軟性の両立ということでございます。
諸外国におきましても、そうした点ではさまざまな先例がございます。いわゆる厳格な意味でのインフレーションターゲティングというふうなことから始まり、いろいろな例がございます。かつまた、インフレーションターゲティングをとっていると言われている国の場合でも、実際の金融政策の運営の仕方は、その枠組みの中でその国の実情に応じてさまざまであるということでございまして、日本銀行といたしましては、海外のさまざまな事例、そして国内におきましても各界の識者の方々のすぐれた御見識、すべて私どもよく勉強をさせていただきまして、いいところはすべて拝借する、そして、最終的にはやはり日本の実情にきちっと合ったものということでつくらせていただいたのが、きのうの例でございます。
したがいまして、物価安定につきましても、国民の皆様が今後経済活動をしていく場合に、デフレもインフレも心配することなく、安心して経済活動ができる状況ということに明確に定義をさせていただいた上で、各政策委員がそういう物価安定の概念を数字であらわせば当面どういうイメージを持っておられるか、これは中長期的に見て物価の安定というものをどういうふうに認識しているかということを映し出して、これは今後の金融政策運営上、十分念頭に置いて我々がやっていくということを明らかにさせていただいた。国民の皆様方の物価観と本当に合っているかどうか、今後ともすり合わせをしながらやっていきたいということで、したがいまして、一年置きぐらいには我々のイメージも再点検しながらやっていこう、こういうふうな仕組みになっております。
この発言だけを見る →量的緩和政策が導入されました五年ぐらい前、まさに日本経済がデフレスパイラルに陥るリスクというものを強く感じていたころでございました。その後、デフレスパイラルに陥るリスクは次第に軽減しつつも、物価が継続的に下落する。最近は、物価がプラスの状況に戻って安定的に推移する状況に非常に近づいてきている。今後は、物価安定のもとで持続的な景気回復というのをより確かにしていく、さらに、それを長期にわたって実現していけるように基盤をさらに整えていく、こういう長いプロセスでございます。
量的緩和政策というものは、そういう日本経済が危機的な状況にあった状況に対して、緊急避難的に対処するための異例な措置としてやってきたものでございまして、経済がここまで正常化の過程を歩んできた段階において、昨日、この枠組みは解除させていただきました。今後は通常の金利政策に戻りますけれども、当面、ゼロ金利政策というところから再スタートするということでございまして、私どもとしては、まだ、金融政策が最終的に実現を目指すべき状況に対しては道半ばの途上にあるというふうに考えています。最終的には、持続的な景気回復を物価安定のもとで継続的に実現できるような状況にこぎつけたい、今後ともそういう長い努力をしたいということでございます。
量的緩和政策の枠組みのもとでは、消費者物価指数が安定的にゼロ%以上となるまでという強いコミットメントをいたしまして、これは、日本銀行自身がみずからの手足を縛ってこの難局を乗り切るためのコミットメントでございました。
金利政策に戻りました後は、金融政策の機動性ということで、非常に大事になってまいります。経済の上振れリスク、下振れリスクともに機動的に対応できるということが金融政策の生命線でございますし、先ほど申し上げました、より望ましい経済に持っていくための金融政策運営というのはまさに、荒わざでなくて、最も適切なタイミングできめ細かい金融政策を連続的に打ち出していくということで実現できる可能性が強いわけでございます。そういう意味で、機動性が大事と。
しかしながら、一方で、金融政策については透明性が大事と。日本銀行から発するメッセージと行動が国民の皆様方、市場参加者の皆様方から見て十分理解できるということがあって初めて政策の効果も高まるし、日本銀行として説明責任、アカウンタビリティーも果たせる、こういうふうに考えております。したがいまして、量的緩和政策から通常の金利政策に戻るこの時点で、新しい金融政策の枠組みを私どもとして新しく設計いたしまして、きのう打ち出した。その柱は、透明性と金融政策運営の柔軟性の両立ということでございます。
諸外国におきましても、そうした点ではさまざまな先例がございます。いわゆる厳格な意味でのインフレーションターゲティングというふうなことから始まり、いろいろな例がございます。かつまた、インフレーションターゲティングをとっていると言われている国の場合でも、実際の金融政策の運営の仕方は、その枠組みの中でその国の実情に応じてさまざまであるということでございまして、日本銀行といたしましては、海外のさまざまな事例、そして国内におきましても各界の識者の方々のすぐれた御見識、すべて私どもよく勉強をさせていただきまして、いいところはすべて拝借する、そして、最終的にはやはり日本の実情にきちっと合ったものということでつくらせていただいたのが、きのうの例でございます。
したがいまして、物価安定につきましても、国民の皆様が今後経済活動をしていく場合に、デフレもインフレも心配することなく、安心して経済活動ができる状況ということに明確に定義をさせていただいた上で、各政策委員がそういう物価安定の概念を数字であらわせば当面どういうイメージを持っておられるか、これは中長期的に見て物価の安定というものをどういうふうに認識しているかということを映し出して、これは今後の金融政策運営上、十分念頭に置いて我々がやっていくということを明らかにさせていただいた。国民の皆様方の物価観と本当に合っているかどうか、今後ともすり合わせをしながらやっていきたいということで、したがいまして、一年置きぐらいには我々のイメージも再点検しながらやっていこう、こういうふうな仕組みになっております。
越
越智隆雄#9
○越智委員 総裁、ありがとうございました。今、総裁からは、金融政策の機動性と透明性の考え方についてお答えをいただきました。
ちょっとここでお伺いをしたい部分がございます。それは何かというと、〇%から二%の間で、中心値が一%というふうに実際に数字を出されています。ただ、この数字というのが、中長期的な物価安定の理解ということでありまして、実はこの数字は、足元の物価水準とは概念上全く異なるものじゃないかというふうに私は理解をしております。そういった意味で、量的緩和の解除の三条件に比べるとかなり性質の違ったものとしてこの基準を出されているものだというふうに理解をしています。
そういった意味では、それぞれの市場参加者が、日銀が示される中長期的な物価上昇率と足元の物価上昇率をどうやって関連づけて考えるのか、これが異なることによって市場の期待形成にも幅が生じるんじゃないかというふうに考えます。別の言い方をしますと、いわゆる今まで時間軸効果というふうにマーケットでは言われていたようなものが、量的緩和政策におけるものとは大きく変わってくるのではないか。
こうした点を踏まえると、安定的な期待形成をするためには、より一層十分な市場との対話というものが必要になってくるんじゃないかというふうに思うんですが、この点についてはどうお考えでしょうか。お願いいたします。
この発言だけを見る →ちょっとここでお伺いをしたい部分がございます。それは何かというと、〇%から二%の間で、中心値が一%というふうに実際に数字を出されています。ただ、この数字というのが、中長期的な物価安定の理解ということでありまして、実はこの数字は、足元の物価水準とは概念上全く異なるものじゃないかというふうに私は理解をしております。そういった意味で、量的緩和の解除の三条件に比べるとかなり性質の違ったものとしてこの基準を出されているものだというふうに理解をしています。
そういった意味では、それぞれの市場参加者が、日銀が示される中長期的な物価上昇率と足元の物価上昇率をどうやって関連づけて考えるのか、これが異なることによって市場の期待形成にも幅が生じるんじゃないかというふうに考えます。別の言い方をしますと、いわゆる今まで時間軸効果というふうにマーケットでは言われていたようなものが、量的緩和政策におけるものとは大きく変わってくるのではないか。
こうした点を踏まえると、安定的な期待形成をするためには、より一層十分な市場との対話というものが必要になってくるんじゃないかというふうに思うんですが、この点についてはどうお考えでしょうか。お願いいたします。
岩
岩田一政#10
○岩田参考人 それでは、ただいま時間軸効果についてのお尋ねがございましたので、お答えを申し上げたいと思います。
先ほど福井総裁の方から申し上げましたけれども、私どもの量的緩和政策と申しますのは、二〇〇一年の三月導入したわけですけれども、物価が下落するもとでデフレスパイラルのリスクが強く意識されていたということで、足元の消費者物価指数と結びつけて金融政策の継続ということを約束した。
具体的には、消費者物価、除く生鮮食品の前年比が安定的にゼロ以上となるまで継続するという、これは政策持続効果とかあるいは時間軸効果というように申し上げておりますが、こういう効果を通じまして市場の金利を低目に安定させる、こういう効果が生まれたというふうに考えております。
しかしながら、金融政策というのは、本来、十分長い先行きの経済、物価の動きをいわばフォワードルッキングな形で予測しながら、弾力的かつ機動的に運営すべきだというふうに考えられます。
したがいまして、今回の新しい枠組みのもとにおきましては、現時点におけます政策委員の中期的な物価安定の理解を示す、それから、二つの大きな柱に従いまして経済、物価情勢を点検していく、さらに、これを前提といたしまして、当面の金融政策運営の考え方を整理して公表する、こういう新しい枠組みのもとで市場との対話を円滑に行っていきたいということであります。
こういう新たな枠組みのもとで、透明性の高い形で適切な金融政策運営を行う、その結果、物価安定のもとで持続的な成長を実現するということに貢献していきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →先ほど福井総裁の方から申し上げましたけれども、私どもの量的緩和政策と申しますのは、二〇〇一年の三月導入したわけですけれども、物価が下落するもとでデフレスパイラルのリスクが強く意識されていたということで、足元の消費者物価指数と結びつけて金融政策の継続ということを約束した。
具体的には、消費者物価、除く生鮮食品の前年比が安定的にゼロ以上となるまで継続するという、これは政策持続効果とかあるいは時間軸効果というように申し上げておりますが、こういう効果を通じまして市場の金利を低目に安定させる、こういう効果が生まれたというふうに考えております。
しかしながら、金融政策というのは、本来、十分長い先行きの経済、物価の動きをいわばフォワードルッキングな形で予測しながら、弾力的かつ機動的に運営すべきだというふうに考えられます。
したがいまして、今回の新しい枠組みのもとにおきましては、現時点におけます政策委員の中期的な物価安定の理解を示す、それから、二つの大きな柱に従いまして経済、物価情勢を点検していく、さらに、これを前提といたしまして、当面の金融政策運営の考え方を整理して公表する、こういう新しい枠組みのもとで市場との対話を円滑に行っていきたいということであります。
こういう新たな枠組みのもとで、透明性の高い形で適切な金融政策運営を行う、その結果、物価安定のもとで持続的な成長を実現するということに貢献していきたいというふうに考えております。
越
越智隆雄#11
○越智委員 今の市場との対話の点についてなんですけれども、中長期的な物価安定の理解というものを掲げた場合に、やはり、今までと比べたら決定的に違ってくるといいますか、より市場に綿密にメッセージを発しなきゃいけない、ここが展望レポートでカバーされる部分ではないかというふうに思うんですけれども、この辺のことについて、できれば総裁からコメントをいただければというふうに思いますが。
この発言だけを見る →福
福井俊彦#12
○福井参考人 量的緩和政策のときと違います一つの点は、先ほども申し上げましたとおり、コミットメントによって日本銀行がみずから手足を縛るということはしない、フリーハンドでタイムリーな金融政策をできるようにした。
コミュニケーションの仕方も変わってまいります。これが二番目でございます。我々は、政策委員の一人一人が持っておられる物価観というものを正直に出して、世の中の人々の物価観と十分すり合わせができるようにした、これは大きな透明性のバックグラウンドでございます。
かつまた、金融政策運営の具体的なチェックポイントとして柱を二本立てた。
それは一つは、我々は一年、二年先までの経済のアウトルックを出しますが、その標準的な見通しが持続的な経済の拡大というパスにきちんと乗っているかどうかという評価を、原則として展望レポートの都度、明確にみずから評価を出していきますし、その評価を、言ってみれば世に問うという形になります。
かつまた、仮にそのシナリオがそういう正しい方向性に乗っているとしても、どういうリスクがあるかということをきちんと点検する。そのリスクは、発生する可能性が大きいリスクであれば当然対処するわけですけれども、発生する可能性が小さくても、一たん起こればロスが非常に大きい、国民経済的なマイナスが非常に大きいというものに対しても、あらかじめ指摘して、それは当然早目に対処していく。こういうやり方できちんとチェックしていくということでございます。
第三の違いがございます。
それは、量的緩和政策のときは市場金利の動きは原則的には封殺されている、特に短期金融市場でございますね。今後は、金利が生きてくるということでございますので、マーケットとのコミュニケーションという場合に、金利の動きというものが仲介項になってまいります。言葉のやりとりだけがコミュニケーションではない、本来のマーケットとのコミュニケーションでございます。我々が情勢判断について見解を述べ、市場の理解するところは市場が先行きのレートということで示し出してこられる、見解のすり合わせの中でそういう市場レートが敏感に動くということで、市場レートを仲介項としてダイナミックなコミュニケーションが行われる、これが本来の中央銀行とマーケットとのコミュニケーションでございます。
そういうふうに変わっていくということでございます。
この発言だけを見る →コミュニケーションの仕方も変わってまいります。これが二番目でございます。我々は、政策委員の一人一人が持っておられる物価観というものを正直に出して、世の中の人々の物価観と十分すり合わせができるようにした、これは大きな透明性のバックグラウンドでございます。
かつまた、金融政策運営の具体的なチェックポイントとして柱を二本立てた。
それは一つは、我々は一年、二年先までの経済のアウトルックを出しますが、その標準的な見通しが持続的な経済の拡大というパスにきちんと乗っているかどうかという評価を、原則として展望レポートの都度、明確にみずから評価を出していきますし、その評価を、言ってみれば世に問うという形になります。
かつまた、仮にそのシナリオがそういう正しい方向性に乗っているとしても、どういうリスクがあるかということをきちんと点検する。そのリスクは、発生する可能性が大きいリスクであれば当然対処するわけですけれども、発生する可能性が小さくても、一たん起こればロスが非常に大きい、国民経済的なマイナスが非常に大きいというものに対しても、あらかじめ指摘して、それは当然早目に対処していく。こういうやり方できちんとチェックしていくということでございます。
第三の違いがございます。
それは、量的緩和政策のときは市場金利の動きは原則的には封殺されている、特に短期金融市場でございますね。今後は、金利が生きてくるということでございますので、マーケットとのコミュニケーションという場合に、金利の動きというものが仲介項になってまいります。言葉のやりとりだけがコミュニケーションではない、本来のマーケットとのコミュニケーションでございます。我々が情勢判断について見解を述べ、市場の理解するところは市場が先行きのレートということで示し出してこられる、見解のすり合わせの中でそういう市場レートが敏感に動くということで、市場レートを仲介項としてダイナミックなコミュニケーションが行われる、これが本来の中央銀行とマーケットとのコミュニケーションでございます。
そういうふうに変わっていくということでございます。
越
越智隆雄#13
○越智委員 詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。
それで、今回の新たな枠組みなんですけれども、今までとは違ったものであります。この枠組みは、量的緩和政策の解除に際して、今回、日銀がその政策運営のあり方、考え方として整理を示したものだということだと思います。
ただ、一方、内容を見てみますと、私はとても画期的だなと思ったのは、物価というものについて、日本人の文化といいますか社会性とか、そういうものまで踏み込んで検討していて、ある意味では、普遍的な意義を示すことを試みられたのじゃないかというふうに思っています。物価の安定は持続的な経済成長を実現するための不可欠の前提条件であるというふうに述べられているというふうに思います。
こうした点を考えると、今回の新たな枠組みというものは、量的緩和政策という異例な政策から脱却する時期において使われる暫定的な枠組みではなくて、ある程度中長期的に利用可能な、いわば半恒久的な枠組みを今回御提示されたのではないかという印象を覚えたんですけれども、この点について、御見解をいただければというふうに思います。
この発言だけを見る →それで、今回の新たな枠組みなんですけれども、今までとは違ったものであります。この枠組みは、量的緩和政策の解除に際して、今回、日銀がその政策運営のあり方、考え方として整理を示したものだということだと思います。
ただ、一方、内容を見てみますと、私はとても画期的だなと思ったのは、物価というものについて、日本人の文化といいますか社会性とか、そういうものまで踏み込んで検討していて、ある意味では、普遍的な意義を示すことを試みられたのじゃないかというふうに思っています。物価の安定は持続的な経済成長を実現するための不可欠の前提条件であるというふうに述べられているというふうに思います。
こうした点を考えると、今回の新たな枠組みというものは、量的緩和政策という異例な政策から脱却する時期において使われる暫定的な枠組みではなくて、ある程度中長期的に利用可能な、いわば半恒久的な枠組みを今回御提示されたのではないかという印象を覚えたんですけれども、この点について、御見解をいただければというふうに思います。
福
福井俊彦#14
○福井参考人 金利を軸とする金融政策の運営の仕方というのが本来の金融政策の運営の仕方であり、そういうやり方に、幸いにも日本も戻ることができたということでございます。
こういう枠組みで世界の中央銀行がともに政策成果を競っている、そして透明性の打ち出し方についても、どこがすぐれているか、懸命な努力でこれも競っているということです。中央銀行というのは競争に関係のない世界にいるのではありませんで、グローバルには大変競争し合っております。日本銀行も世界のナンバーワンでありたいというふうに、日本銀行政策委員会のメンバーは強く希望を持って日々仕事をさせていただいておりますが、そういう方向性をにらんで、今回勇気を持ってこういうフレームワークを打ち出したわけでして、十分かどうかはわかりませんが、こういう方向でさらに改善努力を重ねていけるんではないかという確信を持って打ち出したものでございます。
この発言だけを見る →こういう枠組みで世界の中央銀行がともに政策成果を競っている、そして透明性の打ち出し方についても、どこがすぐれているか、懸命な努力でこれも競っているということです。中央銀行というのは競争に関係のない世界にいるのではありませんで、グローバルには大変競争し合っております。日本銀行も世界のナンバーワンでありたいというふうに、日本銀行政策委員会のメンバーは強く希望を持って日々仕事をさせていただいておりますが、そういう方向性をにらんで、今回勇気を持ってこういうフレームワークを打ち出したわけでして、十分かどうかはわかりませんが、こういう方向でさらに改善努力を重ねていけるんではないかという確信を持って打ち出したものでございます。
越
越智隆雄#15
○越智委員 ありがとうございました。
多分最後の質問になりますが、次に、ちょっと先のことを申し上げたいというふうに思うんですが、量的緩和の解除のプロセスが、数カ月経て、その後にゼロ金利政策になっていき、そのゼロ金利政策が終了する局面についてお伺いしたいというふうに思うんです。
先ほど申し上げましたとおり、量的緩和政策というのは異例な金融政策であるというふうに総裁もおっしゃっておりました。その後、一定の期間とられるゼロ金利政策も私は異例な金融政策だ、その部類に入るというふうに認識しております。
以前、総裁は会見の中で、量的緩和が終わって景気回復が着実であれば、当然中立的な金利を目指すというふうに述べられておりました。将来、量的緩和とかあるいはゼロ金利といった異例な金融政策をとる必要がなくなって、金融政策運営が中立的な金利を目指すようになる局面というのは、どのような経済、物価情勢なのか。今回のペーパーでも「緩和的な金融環境」という言葉が使われていますけれども、それが中立的になるというのはどういう条件が整ったときか、その点についてお伺いして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →多分最後の質問になりますが、次に、ちょっと先のことを申し上げたいというふうに思うんですが、量的緩和の解除のプロセスが、数カ月経て、その後にゼロ金利政策になっていき、そのゼロ金利政策が終了する局面についてお伺いしたいというふうに思うんです。
先ほど申し上げましたとおり、量的緩和政策というのは異例な金融政策であるというふうに総裁もおっしゃっておりました。その後、一定の期間とられるゼロ金利政策も私は異例な金融政策だ、その部類に入るというふうに認識しております。
以前、総裁は会見の中で、量的緩和が終わって景気回復が着実であれば、当然中立的な金利を目指すというふうに述べられておりました。将来、量的緩和とかあるいはゼロ金利といった異例な金融政策をとる必要がなくなって、金融政策運営が中立的な金利を目指すようになる局面というのは、どのような経済、物価情勢なのか。今回のペーパーでも「緩和的な金融環境」という言葉が使われていますけれども、それが中立的になるというのはどういう条件が整ったときか、その点についてお伺いして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
福
福井俊彦#16
○福井参考人 金利と申しますものは、経済、物価の情勢に見合った金利水準というところにセットされて初めて金利機能が最大限その効用を発揮する、資源の再配分機能というのを最も有効に発揮することによって経済の活力を最大限引き出し、いい経済のパフォーマンスを実現していく道につながる、こういうことになります。したがいまして、いずれは日本の金利も日本の経済、物価の状況に見合った水準に段階的には引き上げていく必要があるわけでございます。
しかし、何分にも日本経済、非常にいい状況になってまいりましたけれども、長年のデフレ的な色彩のもとでの苦しい過程を経ての現状でございますから、さまざまな後遺症も残っているかもしれない、外から及んでくるショックに対してまだ十分強靱であるとは限らないということでございますので、さらにそうしたショックに対する脆弱性が消えていく過程というものは、大事にそのプロセスを運んでいく必要がある。
もう一つ、グローバルエコノミーの伸展の中で、日本経済、外からの強いローコストコンペティションといいますか競争圧力にさらされておりまして、企業としてはなかなか値上げをしにくい環境というのが続いております。そうしたことも含め、今後の物価環境というものが、経済が回復過程をたどる中でも物価上昇圧力が高まりにくいという状況であれば、比較的低い金利を長く続ける余裕というものが我々に与えられているかもしれない。
この両面を考慮しながら、しばらくはゼロ金利ないしは極めて低い金利水準というものを保てる期間があるのではないか、こういうふうに想定しております。しかし、いずれは中立的な金利水準に徐々に戻すということがこれからの日本の経済の活力を真に引き出す道につながる、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →しかし、何分にも日本経済、非常にいい状況になってまいりましたけれども、長年のデフレ的な色彩のもとでの苦しい過程を経ての現状でございますから、さまざまな後遺症も残っているかもしれない、外から及んでくるショックに対してまだ十分強靱であるとは限らないということでございますので、さらにそうしたショックに対する脆弱性が消えていく過程というものは、大事にそのプロセスを運んでいく必要がある。
もう一つ、グローバルエコノミーの伸展の中で、日本経済、外からの強いローコストコンペティションといいますか競争圧力にさらされておりまして、企業としてはなかなか値上げをしにくい環境というのが続いております。そうしたことも含め、今後の物価環境というものが、経済が回復過程をたどる中でも物価上昇圧力が高まりにくいという状況であれば、比較的低い金利を長く続ける余裕というものが我々に与えられているかもしれない。
この両面を考慮しながら、しばらくはゼロ金利ないしは極めて低い金利水準というものを保てる期間があるのではないか、こういうふうに想定しております。しかし、いずれは中立的な金利水準に徐々に戻すということがこれからの日本の経済の活力を真に引き出す道につながる、こういうふうに考えております。
越
小
佐
佐藤ゆかり#19
○佐藤(ゆ)委員 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。本日は参考人として、福井総裁初め日銀の御関係の方々にお越しいただきまして、御礼を申し上げます。
本日は、量的緩和の解除、その後の政策運営についてお伺いをさせていただきたいと思います。
我が国経済は、長期にわたるデフレ経済から脱却の兆しが見えておりまして、昨日日銀は、五年に及んだ量的緩和政策というのを解除の決定をされたわけでございます。
振り返りますと、五年前ですけれども、実は私も、量的緩和の推進論者でおられました当時の中原伸之審議委員のブレーンの一人として、実は量的緩和の導入に向けてサポートをさせていただいた一人でございました。そういう意味で、五年前と比べますと、今の経済情勢ですけれども、確かに企業の収益性も向上してきた、あるいは金融危機も去った、そしてコアCPIも四カ月連続で前年比プラスに出てきた、賃金上昇も見られてきているということで、デフレ経済からの脱却というのが少しずつ見えてきているところではなかったかと思います。
そうした中で、昨日、日銀が独立性を持って解除の御決定を下されたということは敬意を表したいと思いますが、ただ、その一方で、今後の政策運営につきましては、ややあいまい性が量的緩和の政策の時代よりは増したのではないかという実は印象を私は受けております。それについて、今後の方向性について御質問をさせていただきたいと思います。
まず一番目ですが、「中長期的な物価安定の理解」という表現が説明書きの中に書かれておりますけれども、これがインフレターゲットを意味するのかしないのか、福井総裁にお伺いをさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、量的緩和の解除、その後の政策運営についてお伺いをさせていただきたいと思います。
我が国経済は、長期にわたるデフレ経済から脱却の兆しが見えておりまして、昨日日銀は、五年に及んだ量的緩和政策というのを解除の決定をされたわけでございます。
振り返りますと、五年前ですけれども、実は私も、量的緩和の推進論者でおられました当時の中原伸之審議委員のブレーンの一人として、実は量的緩和の導入に向けてサポートをさせていただいた一人でございました。そういう意味で、五年前と比べますと、今の経済情勢ですけれども、確かに企業の収益性も向上してきた、あるいは金融危機も去った、そしてコアCPIも四カ月連続で前年比プラスに出てきた、賃金上昇も見られてきているということで、デフレ経済からの脱却というのが少しずつ見えてきているところではなかったかと思います。
そうした中で、昨日、日銀が独立性を持って解除の御決定を下されたということは敬意を表したいと思いますが、ただ、その一方で、今後の政策運営につきましては、ややあいまい性が量的緩和の政策の時代よりは増したのではないかという実は印象を私は受けております。それについて、今後の方向性について御質問をさせていただきたいと思います。
まず一番目ですが、「中長期的な物価安定の理解」という表現が説明書きの中に書かれておりますけれども、これがインフレターゲットを意味するのかしないのか、福井総裁にお伺いをさせていただきたいと思います。
福
福井俊彦#20
○福井参考人 インフレターゲティングというのも一定の定義がないものですから、なかなかお答えがしにくいわけなんですけれども、仮に、中央銀行の政策決定会合において一つの物価数値目標というものを設定し、そして、長いか短いかは別にしまして、一定期間内にその目標を達成するという期間の概念が入っているというふうなもの、仮にそういったものをインフレーションターゲティングと考えれば、そういうものではないということでございます。
現在、日本銀行の各政策委員がそれぞれ物価安定というふうに認識している内容を数字的に映し出せばこういうものだということを持ち出して、全体として中心点に近いものは何かというふうなものをまとめたものがきのうでございます。
ただ、政策委員の頭がばらばらということではなくて、物価安定そのものをどう考えるかという点については、企業も家計も物価の変動に煩わされることなく安心して経済活動ができるような物価の状況という点では完全に一致しているわけでして、それを、過去の物価の変動から今日に至るまでの経緯などをそれぞれ頭の中に置いた場合に、実際に現状において今後長い目で見た物価安定の姿はどうだろうということを数字で表出すると委員によって多少差が出てくる、こういうふうなものでございますが、いずれにしても、それを念頭に置いてこれから金融政策を行っていく。
実は、世の中の方々も、一人一人持っておられる物価観は違うと思います。簡単に、二から三であるとか、一とか、これで国民の皆さんがみんなそういうふうに思っているわけではないと我々も思っておりまして、国民の皆様が思っておられる一種標準的な物価観というものと我が政策委員が抱いておられる物価観というものがおおむね合っているとすれば、今後の金融政策を行っていく場合に、物価安定を目指すと我々が言った場合と国民の皆様方が物価安定を目指してほしいと思われた内容とが一致していくであろう。したがって、金融政策を行う場合にそれを念頭に置くということは、機械的に一定期間内に無理にある数値を実現するということよりは経済的効用が結果として大きいものになるのではないか。
そして、物価観というものは、国民の皆様方もあるいは政策委員のメンバーも、経済構造の変化に伴って変わる可能性があります。したがいまして、一年ごとにこれは多少点検しようというフレキシビリティーをそこに残しているということでございます。
この発言だけを見る →現在、日本銀行の各政策委員がそれぞれ物価安定というふうに認識している内容を数字的に映し出せばこういうものだということを持ち出して、全体として中心点に近いものは何かというふうなものをまとめたものがきのうでございます。
ただ、政策委員の頭がばらばらということではなくて、物価安定そのものをどう考えるかという点については、企業も家計も物価の変動に煩わされることなく安心して経済活動ができるような物価の状況という点では完全に一致しているわけでして、それを、過去の物価の変動から今日に至るまでの経緯などをそれぞれ頭の中に置いた場合に、実際に現状において今後長い目で見た物価安定の姿はどうだろうということを数字で表出すると委員によって多少差が出てくる、こういうふうなものでございますが、いずれにしても、それを念頭に置いてこれから金融政策を行っていく。
実は、世の中の方々も、一人一人持っておられる物価観は違うと思います。簡単に、二から三であるとか、一とか、これで国民の皆さんがみんなそういうふうに思っているわけではないと我々も思っておりまして、国民の皆様が思っておられる一種標準的な物価観というものと我が政策委員が抱いておられる物価観というものがおおむね合っているとすれば、今後の金融政策を行っていく場合に、物価安定を目指すと我々が言った場合と国民の皆様方が物価安定を目指してほしいと思われた内容とが一致していくであろう。したがって、金融政策を行う場合にそれを念頭に置くということは、機械的に一定期間内に無理にある数値を実現するということよりは経済的効用が結果として大きいものになるのではないか。
そして、物価観というものは、国民の皆様方もあるいは政策委員のメンバーも、経済構造の変化に伴って変わる可能性があります。したがいまして、一年ごとにこれは多少点検しようというフレキシビリティーをそこに残しているということでございます。
佐
佐藤ゆかり#21
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
それでは、御回答を受けまして、岩田副総裁の方にお伺いをさせていただきたいと思いますが、説明書きにあります「中長期的な物価安定の理解」という表現ですが、その中の「中長期的な」というのは大体どのぐらいの期間を想定されているのか、お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、御回答を受けまして、岩田副総裁の方にお伺いをさせていただきたいと思いますが、説明書きにあります「中長期的な物価安定の理解」という表現ですが、その中の「中長期的な」というのは大体どのぐらいの期間を想定されているのか、お伺いしたいと思います。
岩
岩田一政#22
○岩田参考人 中長期といいますのは、なかなか厳密に何年ということをお答えするのが難しい場合がございます。
ちなみに、ヨーロッパの中央銀行におきましても、中長期的な観点から、数値的な物価安定の定義というのを与えておられます。そのときに、それは何年なのでしょうかというようにお伺いしたことがあるんですが、お答えは、その時々の経済状況によって、それは三年の場合もあるし、あるいは四年の場合もある、五年の場合もある、こういうお答えでありまして、これは、言ってみますと、何らか経済にショックが、需要のショックでもあるいは供給のショックでもいろいろなショックがあり得るわけですが、そういうものをおおむね吸収し得るような範囲というのが一つの理解の仕方かというふうに思っております。
この発言だけを見る →ちなみに、ヨーロッパの中央銀行におきましても、中長期的な観点から、数値的な物価安定の定義というのを与えておられます。そのときに、それは何年なのでしょうかというようにお伺いしたことがあるんですが、お答えは、その時々の経済状況によって、それは三年の場合もあるし、あるいは四年の場合もある、五年の場合もある、こういうお答えでありまして、これは、言ってみますと、何らか経済にショックが、需要のショックでもあるいは供給のショックでもいろいろなショックがあり得るわけですが、そういうものをおおむね吸収し得るような範囲というのが一つの理解の仕方かというふうに思っております。
佐
佐藤ゆかり#23
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
大体、今お伺いした限りでは、中長期的な、きっちりとした定義はないということですが、大体三年ですとか四年、五年、そういうタイムスパンでお答えいただいたと思います。明らかに半年とか一年後という想定ではないということではないかと思います。
そうしますと、そういった大体三年から五年の幅のそういう中長期的な期間の中で、物価の安定の理解として、今回、日銀がCPI、ゼロから二%のレンジをお示しされた。そして、中央値が一%前後という理解になるかと思いますが、そうしますと、結果としては、結局、福井総裁はインフレターゲットではないという御回答をされておられますけれども、三年、四年、五年先にこれがあるべき姿であるということで、ある種のインフレターゲットではないかと解釈もできるのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →大体、今お伺いした限りでは、中長期的な、きっちりとした定義はないということですが、大体三年ですとか四年、五年、そういうタイムスパンでお答えいただいたと思います。明らかに半年とか一年後という想定ではないということではないかと思います。
そうしますと、そういった大体三年から五年の幅のそういう中長期的な期間の中で、物価の安定の理解として、今回、日銀がCPI、ゼロから二%のレンジをお示しされた。そして、中央値が一%前後という理解になるかと思いますが、そうしますと、結果としては、結局、福井総裁はインフレターゲットではないという御回答をされておられますけれども、三年、四年、五年先にこれがあるべき姿であるということで、ある種のインフレターゲットではないかと解釈もできるのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
福
福井俊彦#24
○福井参考人 いわばそういう望ましい姿を念頭に置きながらしっかり金融政策をやっていく。もしこういう物価観が国民の皆様の物価観と合っていれば、それを実現していくということは金融政策の効用が最も高いものが実現できるということであります。
そういう意味では、広い意味での目標ということになるわけでございますが、インフレーションターゲティングというふうにこれを言いますと、一定の期間内にこれをかなり、何と申しますか、機動性を奪うといいますか、金融政策の縛りを強くして数字を専ら実現するというふうな形の金融政策になりかねない。それは必ずしも全体的な経済の効用を実現するという道に通ずるかどうか、まだ問題が残っている。海外の各国の中央銀行の政策運営を見ておりましても、インフレターゲティングというものを明確に持っている国でも、実際の経済運営、金融政策の運営は、バブルの発生を予見するとか、いろいろなことで非常に機動的にやっております。
その辺の幅を持たせるという意味では、今回私どもが出しましたこの理解という新しいやり方が、きっとすばらしい金融政策の運営の道を開いていく端緒になるのではないか、我々自身は希望と確信を持って始めたばかりでございます。今後、運営に磨きをかけていきたい。外国のインフレーションターゲティングよりもすばらしいものだというふうになればいいな、こう思っているんです。
この発言だけを見る →そういう意味では、広い意味での目標ということになるわけでございますが、インフレーションターゲティングというふうにこれを言いますと、一定の期間内にこれをかなり、何と申しますか、機動性を奪うといいますか、金融政策の縛りを強くして数字を専ら実現するというふうな形の金融政策になりかねない。それは必ずしも全体的な経済の効用を実現するという道に通ずるかどうか、まだ問題が残っている。海外の各国の中央銀行の政策運営を見ておりましても、インフレターゲティングというものを明確に持っている国でも、実際の経済運営、金融政策の運営は、バブルの発生を予見するとか、いろいろなことで非常に機動的にやっております。
その辺の幅を持たせるという意味では、今回私どもが出しましたこの理解という新しいやり方が、きっとすばらしい金融政策の運営の道を開いていく端緒になるのではないか、我々自身は希望と確信を持って始めたばかりでございます。今後、運営に磨きをかけていきたい。外国のインフレーションターゲティングよりもすばらしいものだというふうになればいいな、こう思っているんです。
佐
佐藤ゆかり#25
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
ただ、せっかく御回答いただいたんですが、諸外国でインフレターゲットを導入して、そのルールの上にのっとって裁量を使いながらうまく運営をされている中央銀行は多々あるわけでございます。日本銀行の今回御回答された形では、ルールなしに裁量だけが前に出ているという気がしてならないわけですけれども、やはり金融市場にとりましても、それではなかなか期待が収れんしにくいという問題がありまして、期待が収れんしにくいということであれば、ますます最終的な物価の目標も達成しにくいということになるのではないかと思います。
特に、ルールの上での裁量ではなくて、裁量だけになりますと、具体的に問題として想定されますのは、これまで量的緩和の時期に言われておりました時間軸効果ですが、これが今後コミットメントがないルールなしの裁量政策になりますと、まずこの時間軸効果が失われてきてしまうということがあると思います。
例えば、大まかにも三年後あるいは四年後にCPIをゼロから二%のレンジで、一%を中央値として目指すというようなルールのもとで、裁量をつけながら運営をされるということであれば、そういったコミットメントのもとで、ある程度時間軸効果というのも確保されるのではないかと思われますが、そこは今回、そうしますと、日銀の御決定のもとで時間軸効果というのはあえてあきらめる、そういった御決定というふうに理解してよろしいのでしょうか。
この発言だけを見る →ただ、せっかく御回答いただいたんですが、諸外国でインフレターゲットを導入して、そのルールの上にのっとって裁量を使いながらうまく運営をされている中央銀行は多々あるわけでございます。日本銀行の今回御回答された形では、ルールなしに裁量だけが前に出ているという気がしてならないわけですけれども、やはり金融市場にとりましても、それではなかなか期待が収れんしにくいという問題がありまして、期待が収れんしにくいということであれば、ますます最終的な物価の目標も達成しにくいということになるのではないかと思います。
特に、ルールの上での裁量ではなくて、裁量だけになりますと、具体的に問題として想定されますのは、これまで量的緩和の時期に言われておりました時間軸効果ですが、これが今後コミットメントがないルールなしの裁量政策になりますと、まずこの時間軸効果が失われてきてしまうということがあると思います。
例えば、大まかにも三年後あるいは四年後にCPIをゼロから二%のレンジで、一%を中央値として目指すというようなルールのもとで、裁量をつけながら運営をされるということであれば、そういったコミットメントのもとで、ある程度時間軸効果というのも確保されるのではないかと思われますが、そこは今回、そうしますと、日銀の御決定のもとで時間軸効果というのはあえてあきらめる、そういった御決定というふうに理解してよろしいのでしょうか。
福
福井俊彦#26
○福井参考人 先ほどからも申し上げておりますとおり、物価安定についての理解ということだけが私どもの新しい枠組みの道具立てではありません。二つの大きな柱を立てて、標準的な経済の見通し、これが本当に正しい軌道に沿ったものであるかということをチェックし、リスクの点検もきちんとやり、それらはすべて市場に映し出される市場金利の姿、あるいは市場関係者の方々の情勢判断と綿密にすり合わせをしながら金融政策の運営を行って、ベストパフォーマンスを目指す、こういう構造になっております。
一つのシングルインジケーターに焦点を当てながら縛りの強い金融政策を行うことが本当に経済のベストパフォーマンスに結びつくかどうか、それはなかなか立証できないし、各国の中央銀行は、多かれ少なかれ、その点については疑念を持って、フレキシビリティーを十分保ちながらやっている、そういう状況だと認識しております。
この発言だけを見る →一つのシングルインジケーターに焦点を当てながら縛りの強い金融政策を行うことが本当に経済のベストパフォーマンスに結びつくかどうか、それはなかなか立証できないし、各国の中央銀行は、多かれ少なかれ、その点については疑念を持って、フレキシビリティーを十分保ちながらやっている、そういう状況だと認識しております。
佐
佐藤ゆかり#27
○佐藤(ゆ)委員 議論がやや平行線のような印象を受けるんですけれども、ぜひともやはり期待の収れんに向けて、期待が発散しないように、ある程度明確なメッセージをぜひとも金融、経済に向けて出していただいて、そして早期の安定的なインフレ経済の実現に向けて御努力いただきたいというふうに思います。
少しテーマがミクロ面にかわりますけれども、次に、金利政策を復活させた後の具体的な政策運営についてお伺いをさせていただきたいと思います。
当座預金残高の削減ですが、先ほど、朝の自民党の部会では、日銀関係の方から、大体おおむね三カ月、向こう三カ月程度で当座預金残高を下げるというようなことを御回答いただきました。三カ月近辺ですと、大体六兆円程度まで下げるのに月々八兆円近くずつ当座預金を引き下げるという急激なペースが予想されるわけでございますが、これが少し急過ぎるのではないかという議論もあると思います。
実際のところ、短期の金利がかなり金融市場では、金先を含めて、ことし利上げを既に織り込んでしまっている状況ですが、短プラ、短期プライムレートが上がりますと、当然ながら今後貸出金利が上がってくるという状況になると思います。
その一方で、利上げあるいはこの当預の引き下げのペースが速いと、預金金利の方はなかなか上がらないというラグの問題が出てきますが、その結果、貸出金利が上がって預金金利はそのままというような、やや国民生活にとってマイナスとも思われるような状況もあり得るのではないかと思われますが、このあたりのペースについて少しお伺いしたいと思います。
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当座預金残高の削減ですが、先ほど、朝の自民党の部会では、日銀関係の方から、大体おおむね三カ月、向こう三カ月程度で当座預金残高を下げるというようなことを御回答いただきました。三カ月近辺ですと、大体六兆円程度まで下げるのに月々八兆円近くずつ当座預金を引き下げるという急激なペースが予想されるわけでございますが、これが少し急過ぎるのではないかという議論もあると思います。
実際のところ、短期の金利がかなり金融市場では、金先を含めて、ことし利上げを既に織り込んでしまっている状況ですが、短プラ、短期プライムレートが上がりますと、当然ながら今後貸出金利が上がってくるという状況になると思います。
その一方で、利上げあるいはこの当預の引き下げのペースが速いと、預金金利の方はなかなか上がらないというラグの問題が出てきますが、その結果、貸出金利が上がって預金金利はそのままというような、やや国民生活にとってマイナスとも思われるような状況もあり得るのではないかと思われますが、このあたりのペースについて少しお伺いしたいと思います。
白
白川方明#28
○白川参考人 お答えいたします。
今回、金融調節の主たる操作目標を日本銀行の当座預金残高から短期金利に変更するに伴いまして、日本銀行当座預金残高を所要準備の水準に向けて今後削減していくということになってまいります。
現在、金融機関は法律に基づきまして約六兆円という金額の準備を持つことを今義務づけられておりますけれども、それに対して、きのうまでは三十から三十五兆円という目標のもとで運営しておりました。金融機関は、必要とする金額をはるかに上回る金額を持っている。そういう中で、日本銀行としては、銀行自身がそれほど多くの実は準備預金に対する需要がない中で、これを供給するのに大変な努力を行ってまいりました。基本的には、銀行の中には今大変大きな超過準備が存在するということでございます。
この当座預金残高の削減でございますけれども、基本的にこれは短期の資金オペレーションで対応するということでございまして、長期の国債オペについては、これは当面これまでと同じ金額、頻度で実施していくということでございます。
御質問の当座預金の削減のスピードでございますけれども、これは昨日の発表文でも公表しましたとおり、短期金融市場の状況を十分に点検しながら進めていく必要があるというふうに考えておりまして、私どもこの十分に点検するということを強調しております。
先ほど委員御指摘の三カ月、あるいはきのうの公表のときの数カ月ということでございますけれども、これはあくまでもそうした注意深い調整をやっていく際の一応のめどでございまして、現在、この点について何か特定の予断を持っているということではございません。
いずれにしましても、金融機関においては量的緩和政策採用以降、長期間にわたりまして多額の当座預金あるいはそのもとでの多額の資金供給オペレーション、これを前提とした資金繰りを行ってきたという事実がございますので、これを十分に念頭に置いて短期金融市場の状況を点検しながら当座預金残高の削減を進めていこうというふうに考えております。
この発言だけを見る →今回、金融調節の主たる操作目標を日本銀行の当座預金残高から短期金利に変更するに伴いまして、日本銀行当座預金残高を所要準備の水準に向けて今後削減していくということになってまいります。
現在、金融機関は法律に基づきまして約六兆円という金額の準備を持つことを今義務づけられておりますけれども、それに対して、きのうまでは三十から三十五兆円という目標のもとで運営しておりました。金融機関は、必要とする金額をはるかに上回る金額を持っている。そういう中で、日本銀行としては、銀行自身がそれほど多くの実は準備預金に対する需要がない中で、これを供給するのに大変な努力を行ってまいりました。基本的には、銀行の中には今大変大きな超過準備が存在するということでございます。
この当座預金残高の削減でございますけれども、基本的にこれは短期の資金オペレーションで対応するということでございまして、長期の国債オペについては、これは当面これまでと同じ金額、頻度で実施していくということでございます。
御質問の当座預金の削減のスピードでございますけれども、これは昨日の発表文でも公表しましたとおり、短期金融市場の状況を十分に点検しながら進めていく必要があるというふうに考えておりまして、私どもこの十分に点検するということを強調しております。
先ほど委員御指摘の三カ月、あるいはきのうの公表のときの数カ月ということでございますけれども、これはあくまでもそうした注意深い調整をやっていく際の一応のめどでございまして、現在、この点について何か特定の予断を持っているということではございません。
いずれにしましても、金融機関においては量的緩和政策採用以降、長期間にわたりまして多額の当座預金あるいはそのもとでの多額の資金供給オペレーション、これを前提とした資金繰りを行ってきたという事実がございますので、これを十分に念頭に置いて短期金融市場の状況を点検しながら当座預金残高の削減を進めていこうというふうに考えております。
佐
佐藤ゆかり#29
○佐藤(ゆ)委員 今いただきました御回答では、貸出金利の上昇ペースと、それから預金金利の調整ペースの格差について余り明確な御回答が伺えなかったような気がいたしますが、ぜひとも、これは、貸出金利だけが先に上がって、どんどん上がっていくというような状況にならないように、ペースを十分に御検討いただきながら調節をしていただきたいというふうに思います。
それから、次に移りますけれども、今度は、やや資産バブルの醸成の可能性、そういったリスク要因の観点からお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、福井総裁にお伺いさせていただきたいんですが、今後、金利政策に戻りまして、そうはいいましてもゼロ金利政策というのは続ける、当面続けるというような政策変更をされたと思いますが、そうした中で、今後、日銀が描きます金融経済全体、これは株価、金利、為替など、すべて含めました金融、経済全体としての望ましい調整軌道、こういったものが、イメージがおありでしたらお伺いしたいと思います。
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まず、福井総裁にお伺いさせていただきたいんですが、今後、金利政策に戻りまして、そうはいいましてもゼロ金利政策というのは続ける、当面続けるというような政策変更をされたと思いますが、そうした中で、今後、日銀が描きます金融経済全体、これは株価、金利、為替など、すべて含めました金融、経済全体としての望ましい調整軌道、こういったものが、イメージがおありでしたらお伺いしたいと思います。