法務委員会

2006-05-30 参議院 全101発言

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会議録情報#0
平成十八年五月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         弘友 和夫君
    理 事
                荒井 正吾君
                谷川 秀善君
                簗瀬  進君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                沓掛 哲男君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                南野知惠子君
                江田 五月君
                千葉 景子君
                前川 清成君
                松岡  徹君
                浜四津敏子君
                仁比 聡平君
                亀井 郁夫君
   国務大臣
       法務大臣     杉浦 正健君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    沓掛 哲男君
   副大臣
       法務副大臣    河野 太郎君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  三ッ林隆志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       警察庁刑事局長  縄田  修君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       法務省矯正局長  小貫 芳信君
       海上保安庁次長  平田憲一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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弘友和夫#1
○委員長(弘友和夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房長安藤隆春君、警察庁刑事局長縄田修君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長小貫芳信君及び海上保安庁次長平田憲一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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弘友和夫#2
○委員長(弘友和夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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弘友和夫#3
○委員長(弘友和夫君) 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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荒井正吾#4
○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。
 追加質問を若干させていただきます。
 参考人の質疑もございまして、その中で前回の質疑も併せて大きな問題点は、代用監獄が冤罪の温床であるかどうか意見が分かれているように思います。その中で、管理と捜査が厳密に分離されているのかどうか。管理の態様が捜査の強要になっていないかどうかというようなことが大きな焦点だったと思います。
 その中で、前回の参考人質疑で日弁連の代表の方がこのように述べておられます。代用監獄は、警察の意に沿う被疑者には便宜を与え、否認している者には、いつ食事にあり付けるか分からない、いつ房に戻って眠れるか分からないという不安な状態に追いやりながら、長時間、朝から晩まで取り調べる。取調室には時計がありません。一体何時なのか分からない、こういう状況で肉体も精神もぼろぼろに疲れ果てさせ、人格が傷付けられ、破壊されまでして自白を強要する、こういうシステムでありますと。こういう供述なんですが、私、海上保安の留置施設を管理したことがございますが、これが事実であれば責任を取って辞任せにゃいかぬというほどの言われ方であるように感じました。このような事実でないならば、どうしてこういうことが言われるのか、大変不思議に思った次第でございます。
 それで、この前の視察のときには、就寝時刻、食事時刻というのはちゃんと書いてあったわけですけれども、そのような管理がどのようなものか、若干ホームページで調べたんです。それがお手元に出した資料なんですが、就寝時刻経過後の取調べの実態と対応措置。その場でも言っておられたですが、夜遅く調べることはあるが、それは逮捕が夜になったときだとか、あるいは延長するときは申請があって許可すると。取調べが延びたときは注意をするとかというようなことを規則としてやっておると。外での見られ方と中での実態がどういうことなのかということが大きなことだと思います。
 冤罪というのはある程度、次にまた質問しますが、ある可能性ありますが、代用監獄が冤罪におとしめるというのはおかしいんじゃないかというふうに思います。冤罪の温床はどこかにあるかもしれない。代用監獄がそうなのか、そうでないならば変えなきゃいけないというふうに思うわけでございますが、この日弁連の方の供述が真実かどうか、真実ならば変えなきゃいけない、そうでないならば客観的に事実を示さなきゃいけない、そういうふうに思いますが、その辺りを警察庁の方、お伺いしたいと思います。
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安藤隆春#5
○政府参考人(安藤隆春君) まず、留置業務は、御案内のとおり、捜査部門とは別の総務、警務部門が担当しておるところでございまして、取調べを担当する捜査員はその被疑者の処遇に関する業務に従事してはならないことになっておりまして、したがいまして、取調べにおける態度によりまして処遇内容に変化があったり、処遇状況が捜査に利用されるということはございません。
 また、留置業務管理者というのは、起床、就寝時間、食事の時間、運動の時間等あらかじめ定めまして、これらを被留置者に告知するものとしておりまして、被留置者の処遇というのは原則としてこれらの起居動作の時間帯に従って行われるということでございます。
 ただ、御案内のとおり、被留置者は他方で刑事手続の対象でもございますので、やむを得ず定められた時間帯に処遇を実施することができないこともあり得るわけでありまして、例えば就寝時間にかかわるような取調べには、留置部門から捜査部門に対しまして取調べの打切りについて検討を行うよう要請するなどしておりますけれども、それでも具体的な状況によっては中断することが困難な場合もございます。しかし、このような場合にも、翌日の起床時刻を遅らせるなど守れなかった起居動作の時間帯を補完する措置をとっているわけでございます。
 委員御指摘の深夜までの取調べ時間についてでございますが、この引用をされました資料にございますように、これは平成十七年十月と平成十六年十二月の二回調査をしまして、二十一時以降の入場は約一%、さらに二十四時以降の入場は〇・〇一から〇・〇二%となっておりまして、すなわち九九%が就寝時間までに取調べが終了しているということでございます。このうち二十四時を超えて帰場している事例というのも、これはそれぞれ個別の、特別の事情がございまして、例えば逮捕後、夜に身体検査許可状等を取り、外部の医師により採血を実施したもの、あるいは発生時刻と同時刻における現場検証が必要となったもの、さらには事件の核心部分の供述を始めたことなどから取調べを継続せざるを得なかったもの、いずれも個別具体的な事情が、特別の事情がある場合でございます。
 以上が現状でございまして、御指摘のような事実はございません。
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荒井正吾#6
○荒井正吾君 日弁連の言い方に対して、警察庁が国会の場でそういうことはないということを明確に言われたというふうに理解してよろしいでしょうか。もう一度御答弁をお願いいたします。
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安藤隆春#7
○政府参考人(安藤隆春君) 失礼しました。
 そのとおりでございます。
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荒井正吾#8
○荒井正吾君 ある知り合いの弁護士の方から、変な遺言書が作成されたと。なぜ、介護されている家族に全財産を譲るという遺言書だそうで、ほかの家族の方からおかしいというクレームが付いて、その被相続人の方はまだ生きておられたので聞いたら、嫁が食事を与えてくれないんだと、判こを押さなきゃ食事を与えないと言われるんだからしようがないから押したというようなことがあったというふうに聞きました。
 食事を与えられないで拘禁されてその行為を強要するということはあり得るというふうに思うわけですけれども、拘禁された警察留置場ではあってはならないことだと思いますが、今のような実情であれば、その日弁連の方がおっしゃるような、意に沿わない被疑者には、いつ食事にあり付けるか分からない、いつ房に戻れるか、眠れるか分からないと、不安な状況に追いやりながらというような供述は大分行き過ぎた陳述じゃないかというふうに感じました。
 それともう一つ、同じ日弁連の方が国連人権委員会の代用監獄についての勧告について、代用監獄を廃止すべきであるという勧告がなされたという供述がございました。
 それで、原文を取り寄せてみたんですが、廃止すべきだという文言はなくて、人権委員会はコンサーンがあると。代用監獄が捜査と管理が分離されていないので、拘禁者の権利をアビューズする可能性が増すかもしれないという供述があるわけでございます。代用監獄制度は条約の人権の、拘禁者の権利を守るのに矛盾しないようにしなきゃいけないということを勧告すると、コンパーティブルにしなきゃいけないというふうに勧告する。軟らかい表現のように思いますが、これは、国連の場は軟らかい表現が多いので、これはもう事実上は代用監獄を廃止すべきだということそのものでございますという日弁連の方の供述があるんですが、この英語の文章で、事実上廃止すべきだということそのものでございますという、法曹にいた方がこの文章で言い得るような文章かどうかというふうに思います。コンサーンというのとファクトというのは全く違うものでございます。コンサーンがあるということは、だからファクトだというのを言いくるめると、これは法曹の場では通らない言い方じゃないかというふうに思うわけでございます。これは意見だけにさせていただきます。
 しかし、冤罪というのはやはりあるんじゃないかと思います。代用監獄のせいかどうかは分かりませんが、冤罪というのはあるんじゃないかと。冤罪というのはあってならないものだと思います。なぜそういうものが起こるのか、どういうふうにそれを対応するのかということを今後も追求していただきたいという気持ちがございます。すると、冤罪というものはどういうものなのか、どのように定義できるのか、どの程度あったのか。また、起訴されて、有罪率が低下する、有罪でなくなる、これは裁判が働いているという証拠だと思いますが、有罪率が低下するとこれは冤罪が増えたということなのか、どのように冤罪を定義してどういうふうになくすのかということをお聞きしたいと思います。法務省の方からお聞きさせてください。
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大林宏#9
○政府参考人(大林宏君) 御指摘の冤罪という言葉につきましては、法令上の用語ではございませんので、その定義についてお答えすることは困難であるものと考えております。社会生活上の用語例としては、冤罪とは、実際に罪を犯した真犯人ではないのに刑事訴訟で有罪とされることをいうのが多いのではないかと考えております。
 次に、有罪率が低下すると冤罪が増えたというふうな言い方ができるのかというお尋ねでございます。
 今申し上げたとおり、冤罪については、法令上の定義はない上、仮に実際には罪を犯した真犯人ではないのに刑事訴訟で有罪とされることと理解するのであれば、一般に刑事訴訟手続において判断されるのは有罪か無罪かでございますので、御質問に一概にお答えすることは困難であるのではないかというふうに思っております。
 なお、無罪判決の理由は、被告人が犯人であることに合理的疑いが残るとされたものもありますけれども、それのみならず、当該事件が被告人によって引き起こされたことは認められたもののその犯罪の要件を認定するには合理的疑いが残るとされたもの、あるいは正当防衛が認められたもの、心神喪失が認められたものなど、様々なものがあると承知しております。
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荒井正吾#10
○荒井正吾君 定義がないからという、定義のない言葉をめぐって我々言い争っているわけでございますが、もう少しどういうものが悪いのか悪くないのかということを研究していただきたいというふうにお願いしたいんです。
 先日、誤認逮捕がございました。誤認逮捕が、すぐにアリバイが分かったので、これは殺人事件でしょうか、すぐ釈放された。しかし、誤認逮捕というのはすぐに分かることですが、裁判所でないと有罪でないということは分からない場合もある。外国では日本ほど有罪率高くないので、裁判所が起訴されても有罪にしないということが大変多いわけでございます。日本は、有罪率が高いがために、逮捕されると、あの人はもう犯人らしいと、犯人だというふうにレッテルを張られてしまうというような社会的な認識があるように思うわけでございますが、そういう逮捕自身に非常に社会的な罰が加わっているという実態ですが、本来の裁判制度は、裁判で有罪になるまで疑わしいけれども有罪じゃないという状況がある程度あると。
 そうすると、日本における冤罪というのはどういうふうに発生するのか、どのようになくせるのかということを引き続き研究、追求してなくすように努力をしていただきたいというふうに思うわけでございますが、その冤罪が、代用監獄が温床と言われる、施設が温床というのはまだ腑に落ちないところがやはりあるんですが、自白偏重というのは冤罪を巻き起こす可能性はある程度高いんじゃないかというふうに思います。自白の任意性が厳密に確保される必要があるんじゃないかというふうに思います。
 裁判員制度が導入されると、裁判員の方は、その自白が本当のものであるのかということとともに、虚偽の自白がうそなのかどうかということを見抜かなきゃいけないという両方の課題があるように思うわけでございますが、先日、五月二十九日のある新聞で、ずっと検察官の特集がされていまして、うそは裁判員を惑わすということで、これ否認をした人、うそで否認をしたという、偽証したと、裁判所で偽証したと、それで裁判所で偽証を積極的に立件するというふうに検察の方が動かれたと。今までは自白の偽証罪というのは余りなかったようでございますが、裁判員制度があると偽証というのは大変重い効果になりますので、偽証罪を適用するということになります。検察官の方が、法廷でのうそは裁判員を惑わせる、だからこそ偽証を許してはいけないということを述べておられます。
 自白を強要してはいけない、同じように偽証がはびこってはいけないというふうに思います。裁判員制度が導入されますと、自白の任意性がより厳しく吟味されると思います。拘禁の在り方自身が自白の任意性を疑わせる効果が、立証ができるんじゃないかというふうに思います。今後の捜査と拘禁の在り方、所管の在り方というよりも、そのプロセデュアの在り方についてがより重要じゃないかというふうに思うわけでございますが、捜査と拘禁の在り方について、法務省の今後の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
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大林宏#11
○政府参考人(大林宏君) 捜査当局におきましては、これまでも刑事訴訟法等の法令の要件を満たした場合にのみ被疑者の逮捕、勾留を行い、その際、刑事訴訟法第百九十八条第一項に基づき被疑者の取調べを実施してきたもので、今後とも法令に基づいて適正に被疑者の逮捕、勾留及びその取調べを行っていく必要があるものと承知しております。
 御指摘の自白の任意性の立証に関しましては、検察当局において任意性及び信用性がある供述の確保と裏付け捜査の徹底、特に証拠物やその鑑定等の客観的な証拠の十分な収集に努めてきたものと承知しておりますけれども、裁判員制度の導入を控え、これらについて、取調べ状況の録音、録画など、更に具体的な検討を進めていると承知しております。
 委員がおっしゃられるとおり、自白の任意性の立証については極めて厳密な吟味が必要でありますし、それを裁判に反映していかなきゃならないというふうに考えております。
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荒井正吾#12
○荒井正吾君 日弁連の代表の方が、一方、公判中心主義、直接主義が近代刑事司法の基本原則であるということも述べられておられます。裁判員制度が導入されますと、やはり直接主義、公判中心主義がやはり基本になるんじゃないか。今まで逆に言えば調書主義という言われ方をされたようでございますが、そういう中で、捜査の在り方、捜査に関係する拘束の在り方というものも透明性を高め、世の中の理解をいただくようになっていくべきだと思います。そのことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
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松岡徹#13
○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。
 先週に引き続き御質問をさせていただきたいと思いますが、今回の法改正は、前回も申し上げたように、百年に一度の重大な法改正だと感じていますし、代用監獄が冤罪の温床ではないのかということは古くから言われてきた課題でもあります。しかし、だからといって代用監獄制をなくせば冤罪がなくなるのかといえば、私はそうは思いません。冤罪が今でも存在をしているわけでありますから、たとえ一件でも冤罪が起きたとすれば、それをなくしていくような努力をしなくてはならない、そういう視点で質問もさせていただきたいというふうに思います。
 それは私自身は、自白偏重、正に先ほど荒井先生おっしゃっていましたけれども、日本は調書主義といいますか、自白偏重が非常に偏っていたんではないかと。それを強要するあるいは増幅させるような制度として代用監獄という制度が働いていたのではないかというふうに私は考えるんです。代用監獄という制度そのものがすべての、諸悪の根源ではないというふうには思いますが、問題は、これまでの百年間改正されなかった監獄法に基づく代用監獄制度、その下で被疑者の諸権利が侵害されていく、あるいは制約されてきたという状況が一方にあるわけですから、そういったことをしっかりと整備をしていくということが今回の法改正の重要な視点だというふうに思っています。そのことが冤罪をなくしていく大きな取組につながっていくというふうに私も信じて御質問させていただきたいと思いますが。
 まず最初に、被疑者が逮捕され、そして勾留される場合、だれが決定するのかというのは、当然のように、それは裁判官の専権事項だというふうに聞いておりますが、裁判官が拘置所に留置するのか、あるいは留置場にするのかという判断基準というのは、簡単に、どんなものなんですか、聞かせてください。
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杉浦正健#14
○国務大臣(杉浦正健君) 裁判所の決定の基準と申しますか、あくまで一般論になりますけれども、事件の性質でございますとか、被疑者の状況、それから必要と思料される捜査の内容ですとか、拘置所及び留置場の収容状況、弁護人等関係者の接見の利便など、諸般の事情が総合的に考慮されているのではないかと思われます。
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松岡徹#15
○松岡徹君 裁判官が判断する場合は、そういう諸般の事情を考慮してと、特に拘置所の状況でありますとかいうことも含めて判断されるというのが最近だと思うんですが、そういう意味では、全体としては九八%を超える人たちが留置場留置という現状に今なっていると。そういう意味では、拘置所の設備といいますか、そういったものが整っていないということですから、やっぱり一方で拘置所をしっかりと整えていくと。
 先日も小菅拘置所を視察させていただきました。だんだん設備が良くなっていくのは、新しいもの、良くなっていくのはよく分かりますが、十一階、十二階へ行ったら、何かアルカトラズの要塞みたいな雰囲気、感じしましたけれども、しかしいずれにしても、古いものよりも新しいのがだんだん設備が良くなっていくというのはもちろんそのとおりであります。
 そういったことに努力をしていかなくてはならないと思うんですが、特に検察、捜査の側が留置場を要求するということが裁判官に対してあります。その要求する根拠は何なのか。全体としては九八%以上がほとんどもう留置場留置になっているんです。それも、検察が勾留する場合の勾留先を事前に裁判官に要求をしている、書面であるいは口頭でということが聞かれていますけれども、その要求する根拠、なぜこの人は留置場留置でなかったらいかぬのかというのはどういうことにあるんですか。
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杉浦正健#16
○国務大臣(杉浦正健君) 検察官が勾留請求に当たりまして勾留すべき場所を選定して記載していることは、先生御指摘のとおりでございます。
 検察官は、事案の性質、共犯関係、捜査上の便宜、被疑者の防御上の便宜、施設の空き具合等々、諸般の事情を具体的事案に即して考慮し、勾留すべき場所を選定して記載しているものと承知しております。したがいまして、裁判所の方で、裁判所の判断、これと異なった場合には是正を求める必要があると判断することもある、準抗告するわけですが、と承知しております。
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松岡徹#17
○松岡徹君 そうしたら、十一年前の事件ですが、大阪市の東住吉で起きた事件なんですね。これは、自分の子供を生命保険金目当てで放火して、自分の実の子供を火災を起こして殺してしまったと。その実行者が実は内縁の夫のBであって、それを共謀したとして実の母親が逮捕されたと。
 この事件は、当初、このAという実の母親は共謀として逮捕されたんですが、今現在最高裁で争われていますけれども、このA子は、要するに留置場留置で取調べを受けるんです。受けたときに、既に首謀者のBはもう自白しているという、切り違え尋問とか偽計によっていったんはA子は自白してしまうんですね。長時間の取調べによって自白をして、あるいは切り違え尋問等々をやられて自白すると。しかし、弁護人が接見をして、違法な取調べのために虚偽の自白のおそれがあるということで裁判所に勾留を、裁判官に拘置所への留置を申請した、それが認められた。認められた途端に、今度は検察官が拘置所での勾留を不服として準抗告をして、再び、そういう意味では再び今度はA子を留置場に変えたんです。
 これは、いったんA子は自白をしたと、弁護人と接見したら、自分はやっていないということで、拘置所に留置先を変えられた途端に、A子は、私はやっていないという自白をした、すなわち否認をしたために検察官がもう一度留置場に準抗告をしたと、こういうようなことを言われていますけれども、こういった実際に検察官が準抗告をして、いったん拘置所留置が決まったのに、もう一度留置場へ、準抗告して、異議申立てして戻したと、こういったことがあるんですけれども、これはどういう基準なんですかね。
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大林宏#18
○政府参考人(大林宏君) お尋ねは具体的な事件にかかわるものですので、私の方から答弁させていただいてよろしいでしょうか。
 今委員御指摘のとおり、実子を殺害して保険金を保険会社からだまし取ろうとしたと、放火したという事件について、御指摘のとおり、被告人一名について勾留場所を拘置所としたことについて、検察官が準抗告し変更になったという事件があったことは承知しております。
 これも御指摘のとおり、今、上告審係属中でございます。具体的事件ですので、その詳細については私どもで申し上げることはできませんけれども、一般的なこととして、検察官は、勾留請求に当たり、事案の性質等、諸般の要素を具体的事案に即して考慮し勾留をすべき場所を選定しており、裁判所の判断がこれと異なった場合には是正を求める必要があると判断することがあるものと承知しております。
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松岡徹#19
○松岡徹君 はっきりしているのは、確かに検察は準抗告して拘置所から留置場留置へ、準抗告、異議申立てやって変わったんですよ。
 私は、この流れを見たら、A子さんが逮捕されて、そのときに、そういう偽計も含めて謀られていったん自白すると、もうろうとなって。そしてこれではおかしいといって弁護士が拘置所に拘置に変えた、それは認められた、A子さんは自分は実はやっていないんだということを、すなわち否認したんです。否認したら、今度は同時に、検察官が留置場留置、すなわち否認をすれば留置ということがいろいろな、もろもろの諸般の事情という中に入っているんですか。
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大林宏#20
○政府参考人(大林宏君) 具体的事案によっていろいろな事情があろうと思います。
 ですから、先ほど申し上げたとおり、これ、まだ事件係属中でございますので、一、二審についてはもう既に判決が出ている、有罪判決が出ているわけでございます。
 ですから、それは、検察官において準抗告して勾留場所を変更するということは、それほど多いものではないんでしょうけれども、それはそれぞれの事情があってなされており、しかも、準抗告において裁判所が合議体においてその判断をしているわけですので、最終的にはその判断を尊重せざるを得ないというふうに考えております。
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松岡徹#21
○松岡徹君 ちょっと、具体的にこっち言うているんやから答えてほしいと思うんですが。こればっかり長いことやっていられません、わずかですので、この辺で今日のところは終わりたいと思いますが、いずれにしても不思議なんですね。
 要するに、否認したからやっぱり留置場留置、そしてそこで徹底的に調べる。一回目のときの取調べのときには偽計とか切り違え尋問とかすると。おまえの共犯者のBはもう白状しているぞというような取調べをやられたと。そして長時間にわたって調べられて、そして自白すると。弁護士が入って、拘置所へ変えたら、彼女は、いや、実はやっていないんですというふうに否認したと。また今度、留置場に切り替えされると。またそれで自白を強要されていくというふうな言われ方をしている。
 何があったか分かりませんが、いずれにしても、拘置所に拘置が決まったからといって検察官は取り調べられないわけじゃないんですから、なぜそこでしないのかということなんです。すなわち、準抗告の趣旨、すなわちもろもろの条件の中に、否認をすればそういうふうに留置場留置をするんだということになってはいけないというふうに思いますね。それだけは申し上げておきたいというふうに思います。
 それと、未決拘禁者の処遇でありますが、前にも申し上げましたが、第三十一条の未決者としての地位ということを考えますと、当然、受刑者との処遇の違いがございます。
 そこで、この未決拘禁者の中で具体的にどんな対応をされているのかということなんですが、例えば取調べ時間、未決拘禁者ですから当然のように取調べがあります、受刑者と違うところはそこでありますけれども。取調べ時間というのは何時から何時までというのは決まっているんですか。
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縄田修#22
○政府参考人(縄田修君) 第一線の実務に係ることでございますので、私の方からお答えさせていただきます。
 取調べの時間につきましては、個別の事案内容によりましてこれは異なるものであります。一律にその時間を定めるということではございません。被留置者に対する適切な処遇を行うという観点から、留置担当部門におきまして日課時限が設けられておりますけれども、捜査主任官において、原則としてこれを十分に尊重した運用がなされているものと承知をいたしております。
 また、犯罪捜査規範において、やむを得ない理由がある場合には、深夜に行うことを避けなければならないと、こういうふうな規定されておりますけれども、社会通念上、その任意性の確保に疑念を生じさせるような時間は避けるべきと、こういうふうになされております。
 今申し上げた原則に立ちつつ、さらにやむを得ない事情によりまして規定の就寝時間、就寝時刻に就寝を実施することができない場合には、翌日の起床時間を遅らせるなど代替措置を講じておりまして、被疑者の健康状況にも配慮をいたしております。
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松岡徹#23
○松岡徹君 質問に答えなさいよ。何時から何時までと聞いているんです。何時から何時までと聞いているんや。
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縄田修#24
○政府参考人(縄田修君) 日課時限におきましては、これは各県によって若干異なるところがあろうかと思いますが、およそ午前九時以降、九時以降大体九時、午後九時ですね、九時が就寝時間となっております。基本的にはそれまでに取調べを終えるということでございます。
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松岡徹#25
○松岡徹君 何時から何時までと聞いているんや。
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縄田修#26
○政府参考人(縄田修君) 大体午前九時前後だろうと思います、日課時限におきましては。
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松岡徹#27
○松岡徹君 大体午前九時ごろから、就寝時間が九時になっていますからそれまで。大体いい加減なんですよ。何時から何時までと決まっていない。
 第百八十四条規定に、「被留置者に告知するものとする。」という管理者の条文がありますね。すなわち、それは、食事は、あるいは就寝は、休憩は、そういったことは保障されているんでしょう。どうですか、保障されていないんですか。
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安藤隆春#28
○政府参考人(安藤隆春君) 日課時限を、これ、留置業務管理者が定めて、基本的にはそれに沿って処遇をするということでございますので、これは各県によって多少ばらつきがございますが、それぞれ決められております。
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松岡徹#29
○松岡徹君 この法律百八十四条の規定を各県とも守るというのは、これは当たり前でしょう。それに基づいてそれぞれの、留置場留置も含めて対応するべきですよね、当然のように。
 だから言うているんです。だから、取調べ時間は何時から何時までなのか。先ほど言ったように、必要あるいはやむを得ない事情の場合はその時間を超えるという、超える取調べもあると言うている。そのやむを得ない場合というのをだれが決めるんですか。これはやむを得ないというのはだれが決めるんですか。
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