法務委員会

2015-08-28 衆議院 全143発言

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会議録情報#0
平成二十七年八月二十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 奥野 信亮君
   理事 安藤  裕君 理事 井野 俊郎君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 盛山 正仁君
   理事 山下 貴司君 理事 山尾志桜里君
   理事 井出 庸生君 理事 漆原 良夫君
      大塚  拓君    門  博文君
      門山 宏哲君    菅家 一郎君
      今野 智博君    助田 重義君
      辻  清人君    冨樫 博之君
      藤原  崇君    古川  康君
      古田 圭一君    宮川 典子君
      宮崎 謙介君    宮澤 博行君
      宮路 拓馬君    簗  和生君
      山口  壯君    若狭  勝君
      黒岩 宇洋君    鈴木 貴子君
      津村 啓介君    柚木 道義君
      重徳 和彦君    大口 善徳君
      國重  徹君    清水 忠史君
      畑野 君枝君    上西小百合君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        葉梨 康弘君
   外務副大臣        中山 泰秀君
   法務大臣政務官      大塚  拓君
   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君
   最高裁判所事務総局民事局長
   兼最高裁判所事務総局行政局長           菅野 雅之君
   最高裁判所事務総局家庭局長            村田 斉志君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 河合  潔君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    三浦 正充君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 高嶋 智光君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          萩本  修君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    深山 卓也君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小川 新二君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    片岡  弘君
   政府参考人
   (法務省訟務局長)    定塚  誠君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  井上  宏君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    三好 真理君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           義本 博司君
   法務委員会専門員     矢部 明宏君
    —————————————
委員の異動
八月二十八日
 辞任         補欠選任
  辻  清人君     助田 重義君
  宮川 典子君     古川  康君
  階   猛君     津村 啓介君
同日
 辞任         補欠選任
  助田 重義君     辻  清人君
  古川  康君     宮川 典子君
  津村 啓介君     階   猛君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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奥野信亮#1
○奥野委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官河合潔君、警察庁刑事局長三浦正充君、法務省大臣官房審議官高嶋智光君、法務省大臣官房司法法制部長萩本修君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長小川新二君、法務省保護局長片岡弘君、法務省訟務局長定塚誠君、法務省入国管理局長井上宏君、外務省領事局長三好真理君及び文部科学省大臣官房審議官義本博司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥野信亮#2
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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奥野信亮#3
○奥野委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局堀田人事局長、菅野民事局長兼行政局長及び村田家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥野信亮#4
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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奥野信亮#5
○奥野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤原崇君。
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藤原崇#6
○藤原委員 おはようございます。ただいま御紹介いただきました自由民主党の衆議院議員の藤原崇であります。
 本日は、一般質疑ということで三十分間お時間をいただきました。理事の先生方を初め多くの先生方に感謝をして、質問の方をさせていただきたいと思っております。
 本日、八月二十八日は何の日かといいますと、多くの人は知らないと思うんですが、実は、岩手県で県議選挙ということで、きょうが告示日でございます。本来であれば半年前の統一地方選のときにやっていたんですが、ちょうど選挙の直前に大震災があって半年間延期をしたということで、被災地はこれから統一地方選挙が始まるということであります。
 これがきょうの質問にどういうふうに関係があるのかというと、私の方できょう御質問させていただきたいなと思っているのは、選挙についてであります。具体的には一票の格差の問題、この問題について法務省の方に御質問をさせていただきたいと思っております。
 近年、この一票の格差の問題が非常に大きくクローズアップをされております。今国会では参議院で初めて合区が採用されるということで、非常に大きな動きが出ています。これは、基本的には公選法を管轄する総務省の問題、あるいは各地の都道府県の選管の問題ではないかというところがありますが、ここは法務委員会ですので、一票の格差問題、これを法務省に絡めて質問していきたいと思っております。具体的には、一票の格差訴訟の点について聞いていきたいと思っております。
 まずは、事実確認という意味でお聞きをしたいと思っております。
 過去の一票の格差訴訟、これについては高裁と最高裁で審理がされると思うんですが、高裁では平均何回ぐらい弁論が開かれているのか、この点についてお聞きをしたいと思います。
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定塚誠#7
○定塚政府参考人 おはようございます。お答えさせていただきます。
 一票の価値が平等ではないということで選挙区割りが違憲か否かが争われている、いわゆる一票の格差訴訟につきましては、委員御承知のとおり、公職選挙法によりまして高等裁判所が第一審とされているわけでございます。
 裁判所は、事件を受理した日から百日以内に判決するように努めなければならないというふうにされております。そのため、弁論終結までの口頭弁論の回数は、通常一回、多くても二回程度でございます。
 ちなみに、平成二十六年十二月十四日施行の衆議院議員総選挙について提起された訴訟、これは全国の高裁で十九件ございますが、うち弁論終結までの口頭弁論の回数は、一回のものが十二件、二回のものが七件、平均で約一・三七回でございます。
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藤原崇#8
○藤原委員 ありがとうございます。
 おおむね一回、あるいは多くても二回、口頭弁論を開くということであります。
 これは、法曹の実務に携わっている方々の感覚としては、一回結審、あるいはせいぜい二回で結審をするというのは、普通の民事の裁判であれば、特段争いがない、あるいは争えないような事案であれば一回、二回での結審ということはあるんでしょうけれども、裁判をやるとなれば、何回も口頭弁論を重ねていくというのが普通だろうと思っております。
 もちろん、一票の格差訴訟、基本となる選挙区の区割りあるいは人口というのは、これはもう争えない事実ですので、単なる評価の問題であるというふうに考えれば、確かに一回あるいは二回程度でも十分だというふうな考え方もできると思います。しかし、本当にそうだろうかというのがきょうの私の問題意識であります。
 もう少し事実関係を聞いていきたいと思います。
 この一票の格差訴訟、基本的には各都道府県の選管が被告になりますが、国の利害にかかわる事柄ですので、訟務検事の方々が代理人を務めております。過去の一票の格差訴訟で訟務検事の方々が具体的にどのような主張そして立証を行ってきたのか、この点についてお聞かせください。
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定塚誠#9
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 いわゆる一票の格差訴訟につきましては、最高裁大法廷判決の判断枠組みに従った主張、立証をしてきたところでございます。すなわち、例えば衆議院議員選挙につきましては、国会が選挙区割りを定めるに当たっては、投票価値の平等を基本的な要素としつつ、市町村等の行政区画、地域の面積、交通事情、地理的状況などの諸要素を総合的に考慮した上で国会の裁量に従って定めるんだというふうにされておりまして、それぞれの具体的な選挙区割りは国会の裁量の範囲内であるという主張、立証をしてきたところでございます。
 また、仮に従前、投票価値の平等に反する選挙区割りになっていたとしても、憲法上要求されている合理的期間内に是正がされていないと言うことはできない、すなわち、是正のための合理的な期間内であるという主張をしてきたところでございます。
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藤原崇#10
○藤原委員 ありがとうございます。
 基本的には、その定数配分が違憲ではないという議論、それからもう一つが、いわゆる違憲状態であったとしても、合理的な相当期間が経過していないのであるから違憲ではないという、この二つの主張、立証を柱に据えているというふうに伺いました。恐らく、これは事前にちょっと聞いたところによると、区画審による勧告あるいは選挙制度に関する調査会の議論の状況、こういうものを証拠として提出しているということを聞いております。
 しかし、これは国会議員の中でも考え方が分かれるところだろうと思っておりますが、私として問題意識を持っているのは、国会議員の仕事というのは何なのだろうと。もちろん、こうやって委員会の場で審議をして、それぞれの法案について賛否を表明すること、議論をすること、これは一番大事な仕事だろうと思っております。我々国会議員は立法府の人間ですので、法案について賛否を表明する、それは有権者の代表として当然やるべきことだろうと思っております。もしそうであれば、それぞれの有権者の代表として一票の価値を完全に平等にすることというのは、確かに大事なんだろうと思っております。
 しかし、実際には、我々国会議員の仕事というのは、必ずしも法案の賛否を表明することだけではありません。もちろん、それぞれの党内においていろいろな議論をするということもありますが、特に、衆議院、参議院を問わず選挙区がある先生方は、それぞれの選挙区についていろいろなお手伝いをしたり、あるいは国政と地元をつなぐパイプ、そのような仕事をしているというふうに考えております。
 当然、国会議員の仕事というのは、何もこういう場で議論をしているだけではない、それ以外にも、地元に帰って、地元の課題を吸い上げて、それを立法ということもあるでしょうが、あるいは、事実上、各省庁あるいは必要なところと連携をして問題を解決していく、そういうような仕事もあるんだろうというふうに思っております。
 ただ、問題になるのはこの先でして、果たして、裁判官あるいは一票の格差訴訟をやっている弁護士の先生方にそういう認識があるのだろうかということです。
 政治家の仕事というのは、やはりかかわりがないとなかなかイメージがしづらいというふうに思っています。私も、議員秘書をやらせていただいて、今、こういう立場にならせていただいていますが、その前、普通の弁護士だったときは、政治家というのは何をしているのというふうに言われても、こうやって議論をして、テレビで、NHKなどで放送されますので、議論をして法案に賛否を出すんでしょうということぐらいしか正直言うとわからなかったところであります。恐らくここにいる先生方も、実際に議員になる前となった後では、大分仕事のイメージというのが変わったんだろうというふうに思っております。
 では、果たして、そういう政治とかかわりがない裁判官の方々、あるいは余りかかわりを持ってこなかった弁護士の方々に、事実上、我々議員には、地元と国政のパイプになる、そういう仕事をしているということについての認識があるのかということを私の問題意識として最近非常に強く持っております。
 もしパイプとしての役割というのがあるのであれば、人口が少ない地域だからといって本当にどんどん議員を減らしてよいのかという問題意識が出てきます。特に合区後、この前、合区の判断が法律でつくられました、この後、非常に多くの意見が出ております。
 例えば、これは、ことしの七月三十一日に高知県の知事が記者会見をしたときのお話でございます。ちょっと長いのですが、読ませていただきます。
  人口比例、一票の価値の平等、これも大変重要な概念で、ぜひ重んじていかなければならないことだと思っています。他方で、その一つの要因のみでこの国会の院の構成を決めた場合、人口の多い都会出身の議員ばかりが増え、国政のさまざまな論議が都会目線で行われることになります。政策セットがすべて都会有利なものになり、結果として、都市部へのますますの人口集中が図られ、地方がますます衰退し、国全体の活力が失われてしまう。そういうことでいいのか、そういうことになりかねないのではないかという懸念を抱いております。
 ほかにも、
  その中で、都会の人にとってみれば一票の価値が、格差が広がることになり、合意形成がなかなか難しいと思いますが、そこは都会の人々の暮らしなるものは都会のみによって当然成り立っているわけではないのであり、この日本という国土全体の中で田舎という価値と共存して都市の暮らしというのがあるわけで、その点をしっかり訴えていくことで、地方部を活性化させることの大切さを訴えていくことが大事だと思います。
 正直田舎というものが理解されていると思う場合と残念ながらされていないと思う場合があると感じます。田舎の果たす役割、その意義というものをもう一度田舎自身がしっかり訴えていくってことが大事なのでしょう。
 これは、高知県が今回合区になった関係で、参議院の方の議論として、こういうような記者会見でのコメントを知事さんが出しております。
 それだけではなくて、全国知事会においても、参議院の問題として、都道府県代表をしっかりと送り出していく、そのために改憲案の検討をこれからしていくというふうに報道等でもなされております。
 私も、岩手県を一応地元としておりますので、どうしても田舎の感覚でしゃべってしまうんですが、もちろん、都会の方々にしてみれば一票の価値というのが非常に重要だということもわかります。ですが、その中でどうやって調和をしていくかということが大事なんだろうと思っております。
 参議院だけではなくて衆議院も、今のままの人口の一極集中が続いていけば、参議院と同じように、ある県では小選挙区は県で一つ、さらに進めていけば、合区というのは、当然、人口が少ない県ではあり得るわけであります。
 国会議員、先ほど言ったとおり特に選挙区を持った国会議員には、国民の代表として議会で討論して採決をする、そういう活動のほかに、選挙区のさまざまな問題解決に取り組むという、地域と国政をつなぐパイプとしての側面がこのようにあるのではないかと考えています。
 そうであれば、なかなかこれは裁判所には通じない、憲法を見ても国会法を見ても、どこにもそんなことは書いていない事実上の作用ですので、この点について、実際上の国会議員の役割というのもわかりやすく裁判所に伝えていく必要があるのではないか。この一票の格差訴訟においては、国会議員の仕事というのは必ずしも法案の賛否を明らかにするだけではないのですよ、地元と国政をつなぐパイプとしての役割、そういうような役割もあるのですということをしっかりと裁判で主張、立証すべきではないかと思いますが、この点についての見解をお聞きいたします。
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定塚誠#11
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 訟務といたしましては、先ほど申し上げたように、最高裁大法廷判決が示している市町村等の行政区画、地域の面積、交通事情、地理的状況などを総合考慮する、そうしますと国会が定めた選挙区割りは国会の裁量の範囲内であるというようなことを主張、立証してきたところでございます。
 委員御指摘のような、国会議員の職務として、それぞれの地域と国政をつなぐパイプの役割があることなどについては、先ほど申し上げたことに加えて特段の主張をしてきたということはございません。
 今般このような御指摘をいただきましたので、被告とされる各選挙管理委員会、あるいは関係省庁と協議の上、事案の内容等に応じて、さらに有効、適切な主張立証活動をしてまいりたいというふうに考えております。
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藤原崇#12
○藤原委員 ありがとうございます。大変前向きに答弁をいただいたというふうに理解をしました。
 今は、二倍以内であるということが当然の前提として裁判を進める、あるいは二倍以内が当然であるということを世論として感じるんですが、よくよく見てみると、二倍というのは必ずしも絶対の基準ではないということであります。
 委員の先生方には資料をお配りしておりますが、衆議院選挙における格差の推移、それから参議院選挙における格差の推移ということで見てみますと、もちろん中選挙区時代と現行の小選挙区比例代表並立制では少し違うんですが、かつては衆議院でもおおむね三倍以内であればいいであろうというふうに議論をされた時代、これは昭和六十一年とか昭和の最後、あるいは平成の当初ですね、三倍以内であれば合憲であろうというふうに議論をされていた時代もあります。参議院に至りますと、六倍まで許されるであろうと。これは昭和六十一年のときですね。
 でしたが、徐々に徐々に、その後、議論の流れとしては、一票の価値というのを重視すべきだということで、近年は、衆議院については、二・三、二・五ではよくないと。昭和六十一年の時点では二・九九でもオーケーということだったんですが、現在は、二・二、二・四三ではいけないということで、恐らく二倍以内であろう。参議院も似たように、徐々に徐々に一票の価値というのを重視する方向に来ている。
 これ自体は、裁判所が決めること、あるいは世論の流れの中で決まることですので、私の方からいいとも悪いとも言えないのですが、そういう中でも、やはり世の中の流れとしては、本当にそれだけでいいのかということは考える必要があるんだろうと思っております。
 昨今、地方創生ということで、地方を重視していく、これは何も地方だけのことではなくて、日本全体にとっても地方を重視していくことがプラスである、そういうことが議論として出てきております。はっきり言えば、従来と異なって、国民運動としてこの地方創生というものをやっていこう、そういう機運は昔に比べれば出てきているんだろうと思っております。それと同時に、そういう機運が出ているということも裁判所に伝えていく必要があると思います。
 また、直観的に本当にこれでいいのかという議論で、全国で一番広い選挙区、これは北海道十二区ですが、公式のデータはないんですが、新聞等で見ますと、全国で一番広い選挙区、北海道十二区は一万四千七百四十二平方キロメートル。これはどれくらいかというと、岩手県より少し大きいくらいの面積の選挙区ということになっております。本州で一番広い選挙区は、我々の岩手県の岩手二区、その次は岐阜四区となっております。では、どれくらいの大きさかというと、岩手県の第二区、七千六百九十四平方キロメートル、大体静岡県ぐらいの大きさというふうになっております。岐阜四区は、六千四十平方キロメートル、栃木県ぐらいの広さがあるという選挙区であります。
 もちろん、これは、理屈とはまた別なところで、据わりと呼ばれるものですが、人口が少ないものですから、こういう選挙区をさらに広くしていくこと、これが本当にいいことなんだろうかどうだろうかということは、やはり問題提起をしていただきたいと思います。
 そういう中で、先ほど訟務局長から御答弁がありましたが、この一票の格差訴訟、迅速に裁判をせよという、いわゆる百日裁判というふうに呼ばれている形式の裁判になります。
 ですが、これは、先ほど局長も努力義務ということはお話しいただいたと思うんですが、念のため裁判所に、厳密には百日を過ぎても審理を行うことはできるのか、通常の訴訟のように、証人尋問、あるいは専門家を呼んで鑑定類似でもいいと思うんですが、こういうことを行うことはできるのか、この点について最高裁の御見解をお聞きしたいと思います。
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菅野雅之#13
○菅野最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 まず最初の点についてですが、一票の格差が争点となる選挙無効訴訟におきまして、事件の受理から百日を過ぎて判決がされる事例はあるものと承知しております。
 それから、選挙無効訴訟について、証人尋問に関する民事訴訟法の規定が排除されているわけではありませんので、選挙無効訴訟において実際に証人尋問が行われているかどうかは別といたしまして、証人尋問を行うこと自体は可能であるという前提のもとに運用がなされているものと承知しております。
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藤原崇#14
○藤原委員 ありがとうございます。
 百日で終わらなくてもいいし、証人尋問もやってもいいということであります。
 一票の格差訴訟、相当期間の立証等も大事ですが、それと同時に、やはりその地域の人がどう考えているか、本当にそういう流れでいいのか。例えば、先ほどのように、選挙区が減ってしまう、合区になる地域の知事さんに証人尋問をお願いしてもいいんだろうと思っております。そういう形で、本当に地域の実情というのを裁判所に知らせる、知らせた上で、裁判所がそれでもまかりならぬと言うのであれば、それは仕方がないことですが、少なくともそういう材料を提供するということはやっていく必要があるんだろうというふうに思っております。
 今までの議論を私の方でさせていただいて、ぜひその点も御考慮をいただきたいと思っております。
 次は大臣にちょっとお伺いをしますが、この一票の格差訴訟、相当期間の立証も大事なのですが、同時に、やはり実際の政治家の役割を裁判所に理解していただく、そういうような立証が重要だと思っております。
 私は、実は、以前何度かお話をしたことがありますが、大学生のときに上川大臣の選挙区に住ませていただいて、有権者ということでやらせていただいておりましたが、静岡一区も、駿河区のような都市部だけではなく、葵区の本当の奥の奥、そういうようないろいろな地域があるということは大臣も御承知のとおりだと思っております。
 そのような中で、相当期間の立証のほかに、実際の政治家の役割、これを理解してもらうようにする必要があるのではないかという点について、御所見をお伺いできればと思っております。
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上川陽子#15
○上川国務大臣 ただいま御質問をいただきまして、地域それぞれの選挙区、大きさも、また土地の状況につきましてもいろいろな顔を持ったところで、選挙の中でそれぞれの主張をしながら選択をされる、そうした制度でございます。
 いわゆる一票の格差訴訟ということでございますけれども、法務省といたしましては、いわゆる法務大臣権限法の七条によりまして、都道府県選挙管理委員会から求められて訴訟を追行しており、これまでの最高裁判所におきまして大法廷判決が示してきました判断の枠組みに沿った立証そして主張ということを行ってきたものというふうに承知をしております。
 確かに、委員御指摘のように、一般に、議員の職務につきまして裁判所に的確に理解していただくということにつきましては重要だというふうに考えられるところでございますが、いずれにいたしましても、訟務局におきましては、実際の事案に応じて、被告となっている都道府県選挙管理委員会から訴訟追行を求められる立場で、関係省庁と協議をした上で、委員御指摘の点も含めまして、有効かつ適切な主張、立証をしていくものというふうに考えているところでございます。
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藤原崇#16
○藤原委員 ありがとうございます。
 これに関連してもう一問質問をしたいと思います。
 訟務局、これはことしの四月から復活したわけですが、現在何人ぐらいの訟務検事が大体何件程度の事件を抱えているのか、簡潔にお答えいただければと思っております。
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定塚誠#17
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 本省の訟務局及び全国の法務局に合計約百名の訟務検事がおります。本案訴訟の係属件数が全国で約一万件ございますので、単純計算しますと、訟務検事一人当たり平均百件の事件を受け持っていることになります。
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藤原崇#18
○藤原委員 ありがとうございます。
 普通の弁護士も、百件というのはかなり多いというか、多分、めちゃくちゃ多いと思うんですね。
 それで、特に過払いとかあるいはルーチンの事件だけではなくて、恐らく当事者訴訟もあれば、非常に大規模な原発訴訟のようなテクニカルな訴訟もあるんだろうと思っております。
 これから国の方でも予防法務を推進するということですが、やはり最後は裁判で国の行く末も決まっていくという意味では、ぜひ、この訟務局、力を入れていただいて、一人一人の訟務検事がそれぞれの事件に今以上に集中できるように取り組んでいただければということをお願い申し上げたいと思っております。
 これで一票の格差訴訟については質問を終わりますが、次に、ちょっと簡潔に法曹養成についてお尋ねをしたいと思っております。
 ことしの七月半ばに推進室が検討後の提言を出しました。これを受けて、法務省と文科省、おのおの現在どのような取り組みをなさっているんでしょうか。特に、この問題は両省が連携をして取り組まなければいけないと思っていますが、法曹養成制度の推進室廃止後は、両省の連携に支障が出ないようにどのように取り組んでいくのか、この点も含めて、法務省さん、文科省さん、それぞれお願いします。
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萩本修#19
○萩本政府参考人 法曹養成制度改革推進会議決定では、法務省において、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた環境整備、法曹人口のあり方に関する必要なデータの集積の継続と検証、司法試験のあり方の検討、司法修習生に対する経済的支援のあり方の検討等を行うものとされました。
 この推進会議決定を受け、法務省としましては、まずは推進会議決定に掲げられた各取り組みを着実に進めていく必要がございますので、現在、それぞれの具体的な進め方等について関係機関等と協議を進めているところでございます。
 各取り組みを進めるに当たりましては、委員御懸念の文部科学省との連携にも遺漏のないように、推進会議決定にもありますとおり、文部科学省とともに必要な連絡協議等の環境をしっかり整備してまいりたいと考えております。
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義本博司#20
○義本政府参考人 お答えいたします。
 文部科学省としましては、昨年十一月に法科大学院の総合的な改革方策をお示しさせていただきまして、不断の改革を進めているところでございますが、本年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、平成三十年度までの期間を法科大学院集中改革期間と位置づけまして、法科大学院の抜本的な組織見直しや教育の質の向上についてのさらなる取り組みについて提言をいただいたところでございまして、文科省においては、中央教育審議会の中の法科大学院特別委員会においてその議論を開始するなど、法科大学院改革をさらに加速しているところでございます。
 改革を進めるに当たりましては、法務省からお話がございましたように、法務省と文科省の密接な連携が不可欠だと考えておりまして、連絡協議の場等の環境をしっかり整備して取り組んでまいりたいと思っております。
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藤原崇#21
○藤原委員 ありがとうございます。ぜひしっかり連携をとってやっていただければと思います。
 最後ですが、もう少しで司法試験の合格発表の時期が近づいてまいりました。近年、ロースクールに進む方というのは少なくなってきている。またもう一度学生がたくさん希望していただける、そのような法曹養成制度にしていただきたいと思いますが、この点に関する大臣の御決意を最後にお聞かせいただければと思っております。
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上川陽子#22
○上川国務大臣 国民に身近で利用しやすい司法の実現のためには、何よりも、有為な人材が法曹を志望し、また、質の高い法曹が多数輩出される、そうした魅力ある法曹養成制度となることが重要であるというふうに認識をいたしております。
 法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえまして、さまざまな改革につきまして速やかに進める必要があるというふうに考えておりまして、先ほど御質問がございましたが、関係省庁、文部科学省ともしっかりと連携をしつつ、また、他の関係機関、団体の協力もしっかりと得ながら、法曹養成制度改革推進会議の決定に掲げられました各取り組みにつきましては、着実な進展を図るよう進めてまいりたいというふうに考えております。
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藤原崇#23
○藤原委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 これで質疑を終わります。
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奥野信亮#24
○奥野委員長 次に、黒岩宇洋君。
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黒岩宇洋#25
○黒岩委員 おはようございます。民主党の黒岩宇洋でございます。
 ハーグ条約が昨年四月一日に発効してから一年たちまして、きょうは、この実施状況につきまして確認をさせていただきたく、法務大臣、また共管の外務省からは中山副大臣にもおいでいただきまして、質疑をさせていただきたいと思います。
 一年たって、それから既にもう四カ月たっている状況で、若干時間のずれがあるんですけれども、私は、このハーグ条約を進めていく段階のときに法務省の政務官でありましたもので、その前段階として、実施法をつくっていく、国内法をつくっていくための閣議了解の策定に当たった一人でありますので、そのときの我々の思い、方針が今の実施の状況また運用の状況にどのように反映されているか、この点についても一つ一つ確認ができればと思っております。
 また、この報告書については、外務省のハーグ条約室からは報告の概要ペーパーというものが出ておりますが、法務省、外務省からは、当衆院には正式にはまだ報告書が出ていない状況であります。ただし、参議院では報告書が提出されておりますので、当然その内容にも沿った形で質問させていただきたいと思います。
 それでは、まず、この条約締結までの経緯、総論的な部分について何点かお聞きをしたいと思います。
 このハーグ条約というのは、ハーグ私法会議において一九八〇年に採択され、発効されたのが八三年ですから、今をさかのぼるところ三十数年という、これだけの時間がかかって我が国がようやく締結に至ったわけでありますが、なぜこれだけの時間を要したのか、その点について、上川法務大臣そして中山外務副大臣の御見解、御認識をまずは確認させていただきたいと思います。お願いします。
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上川陽子#26
○上川国務大臣 御質問のハーグ条約の締結、大変長い時間が経過した後に日本として条約の締結をした理由ということでございますが、ハーグ条約が採択をされました昭和五十五年、一九八〇年当時でございますけれども、我が国におきます国際結婚の件数は約七千件であったわけでございますが、その後、その数がふえ続けている。そして、平成十八年には約四万五千件に上りまして、一時減少したものの、平成二十二年の段階で約三万件という状況でございました。
 こうした国際結婚の増加に伴いまして、離婚件数というのも増加をしてきたわけでございますが、平成二十二年、三万件の結婚に対しまして離婚件数は二万件近くにまで増加をしているということでございます。
 このような国際結婚、離婚の増加に伴いまして、国境を越えての子の連れ去り等の問題が顕在化することになったということ、こうしたことを受けまして、我が国におきましても、委員が当時、政務官ということで実質的な責任者としての取り組みをされたということでございますけれども、平成二十三年の一月からハーグ条約に係る副大臣会議の開催ということで、そして、この条約の締結の際のさまざまな問題点等につきましても御議論をされ、そして整理をした上で、五月の閣議決定において、この条約を締結するとの方針が決定されたものというふうに認識をしているところでございます。
 長年かかった理由といたしまして、中央当局の制度設計をめぐりまして、どの省庁に設置をするのかということにつきましてさまざまな御意見があったということについては承知をしているところでもございますし、また、日本人の女性におきましては、国際離婚をした際に、子供さんを連れて帰国される、里帰りをするというようなことが多くございまして、条約締結によりましてこうした日本人の母子が不利益を受ける場合が多いのではないかという御懸念もあったというふうに承っております。
 その意味では、慎重な検討を求める声があったことなどによりまして、時間的にこうした長い時間がかかったというふうに理解をしているところでございます。
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中山泰秀#27
○中山副大臣 外務省といたしましては、ハーグ条約が作成されました一九八〇年当時、現在に比べまして、日本人の国際結婚及びその破綻に伴います、諸外国との間においての子の連れ去り等をめぐる問題が表面化するという事例が必ずしも多くなかったと認識いたしております。
 そのような状況下で、ハーグ条約の締結には、子の利益の保護という観点から意義があると認められる一方で、条約の締結について懸念する意見もあったという事実でございます。このため、こうした意見も十分に踏まえつつ、締結の是非について慎重に検討する必要があるという認識に立っておりました。
 加えて、仮にハーグ条約を締結した場合に、新たな裁判手続の導入、中央当局の制度設計など、これまで我が国になかった全く新たな制度の導入を中心として、条約を適切に実施するために検討すべき重要な論点も数多くあったというふうに思います。
 これらの事情から、締結に向けた検討に一定の時間を要したものというふうに考えております。
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黒岩宇洋#28
○黒岩委員 ありがとうございます。
 また、上川法務大臣には、本当に踏み込んだ当時の事情についても御説明いただきました。前段は前段の、国際結婚、離婚、連れ去りの件数の増加、これはこれで合理的に私も考えております。中央当局の引き受け手の調整に手間取ったというのは確かに実務上ありましたけれども、これは実務上というか事務的な話であります。
 やはり重要なのは、今おっしゃられた、我が国の場合ですと、連れ去ってくる母親というケースが多かった。そしてまた、各国によって結婚観とか法制度が違うこともありまして、特に子が重要ではありますが、母子も含めて子の利益の保護というものが図られるのかという、このことに相当慎重な指摘もあったわけですから、当時、法務省としてもその点を非常に酌みながら物事を進めてきた、それにかなり年月がかかったんだということだと思っております。
 そこで、中山副大臣にお聞きしたいんですけれども、今、副大臣の答弁にもあったんですが、三十何年たって、今回の、特に条約締結そして実施法の施行の基本的な考え方、もっとわかりやすく言うと、最優先すべき課題というものは一体何なのか。
 というのは、今から三十数年前は、やはりそのころのケースというのは、欧米国から非欧米国への連れ去りの事例が多く、これは、ある専門家の指摘によれば、途上国に連れ去られた子を先進国の居住国にとにかく迅速に返還することが目的だ、そのこと自体が目的であるというような認識が当時はあったというような指摘もあるんですけれども、それから三十数年たった。そして、今の我が国の現況において、繰り返しますけれども、ハーグ条約締結そして実施法の最も基本的な、最優先する課題、目的とは一体何なのか、これを改めてお聞かせいただきたいと思います。
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中山泰秀#29
○中山副大臣 ハーグ条約は、御承知のとおり、前文におきまして、「子の監護に関する事項において子の利益が最も重要であることを深く確信し、」と記されております。子の利益を最重要視しているという認識であります。
 国境を越えた不法な連れ去りによる一番の被害者は子供自身である。ハーグ条約は、子の監護に関する事項を決定するための手続は、子がもともと居住していた国、すなわち子がなれ親しんできた生活環境がある国において行うことがその子にとって最善であるとの考え方を基本としているという認識でおります。
 この条約は、そのような考え方に立って、子が不法に連れ去られた状況の原状回復とともに、国境を越えた親子の面会交流に向けた支援を行うものであるというふうに認識しております。
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