法務委員会

2019-04-09 参議院 全134発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     太田 房江君
     元榮太一郎君     松川 るい君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     徳茂 雅之君
     松川 るい君     元榮太一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                福岡 資麿君
                元榮太一郎君
                有田 芳生君
                伊藤 孝江君
    委 員
                岡田 直樹君
                徳茂 雅之君
                長谷川 岳君
                丸山 和也君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                小川 敏夫君
                櫻井  充君
                石井 苗子君
                山口 和之君
                仁比 聡平君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       法務大臣     山下 貴司君
   副大臣
       法務副大臣    平口  洋君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  門山 宏哲君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   笠井 之彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       杉山 徳明君
       警察庁長官官房
       審議官      田中 勝也君
       総務大臣官房審
       議官       吉川 浩民君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        西山 卓爾君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小出 邦夫君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省刑事局長  小山 太士君
       法務省矯正局長  名執 雅子君
       法務省保護局長  今福 章二君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       出入国在留管理
       庁長官      佐々木聖子君
       外務大臣官房審
       議官       高橋 克彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     田畑 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (裁判所の安全対策に関する件)
 (選挙運動として行われるヘイトスピーチへの
 対応に関する件)
 (高齢者の再犯防止に関する件)
 (外国人材の受入れに関する件)
 (児童虐待の防止に関する件)
 (外国人技能実習機構による実地検査等に関す
 る件)
 (無戸籍者問題の解決に関する件)
○司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
    ─────────────
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横山信一#1
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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横山信一#2
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に元榮太一郎君を指名いたします。
    ─────────────
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横山信一#3
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官杉山徳明君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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横山信一#4
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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横山信一#5
○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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元榮太一郎#6
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日も、山下大臣、平口副大臣、そして門山政務官並びに政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、裁判所の安全対策についてお伺いいたします。
 お手元資料の新聞記事を御覧いただくとお分かりなんですが、今年三月二十日、霞が関にある東京家庭裁判所の玄関で、離婚調停のため来訪した女性が別居中の夫に刃物で首を刺され、搬送先の病院で死亡が確認されるという痛ましい事件がありました。被害者とその遺族の皆様方には心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 国民が裁判所を安心、安全な形で利用するため庁舎内の安全を確保することは、司法に対する信頼の大前提であると思います。平成二十九年六月にも、仙台地裁において、保釈中の被告の男が法廷に刃物を持ち込んで警察官二人を切り付けたという事件も起きています。それ以降、金属探知機による所持品の常時検査を実施している裁判所は増加していると聞いていますが、ここで最高裁にお伺いしますが、全国に四百五十六庁舎ある裁判所のうち、現時点で金属探知機による所持品の常時検査を行っている庁舎は幾つあるでしょうか。
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村田斉志#7
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 本日現在で常時検査を実施しております裁判所は、庁舎の数で申し上げますと全部で十九ございまして、具体的に申し上げますと、最高裁、東京高地裁、大阪高地裁、名古屋高地裁、広島高地裁、福岡高地家裁、仙台高地裁、札幌高地裁、高松高地裁、東京地家裁立川支部、東京家裁、横浜地裁、横浜家裁、さいたま地家裁、千葉地裁、千葉家裁、大阪家裁、京都地裁、神戸地裁、これら全部で十九庁舎でございます。
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元榮太一郎#8
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 四百五十六庁舎のうち、常時検査を実施している庁舎は十九ということですが、危険物など持込みが認められない所持品が一年間にどのくらい発見されているでしょうか。例えば、東京高地家裁だけでも結構ですので、御説明をお願いします。
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笠井之彦#9
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 東京高地簡裁につきましては、平成三十年一月から十二月までの一年間で発見された持込禁止物は三千八百件余りでございます。この件数には録音機器やカメラ類なども含まれておりますが、ナイフ等の刃物類のみに絞りますと、発見件数はおおむね二千九百件余りとなっております。このナイフ等の中にははさみやペーパーナイフなども含まれておりまして、銃刀法などの法令違反に該当するものの発見数は五十件余りでございます。
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元榮太一郎#10
○元榮太一郎君 意外と多いと感じるのは私だけでしょうか。銃刀法などの法令違反に該当するものも年間五十件ということですから、ほぼ毎週一件見付かっているというところの計算であります。
 このゲート式の金属探知機の価格は約百万円だと聞いております。当然、そこに対応する人件費も掛かってくるとは思うんですが、やはり、これだけ危険物等が持ち込まれているのであれば、全ての裁判所に設置すべきではないかと思いますが、ゲート式金属探知機の全庁舎への設置と、あと所持品の常時検査の全庁舎での実施に向けて、具体的計画について最高裁の御見解を聞きたいと思います。
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笠井之彦#11
○最高裁判所長官代理者(笠井之彦君) お答え申し上げます。
 常時入庁時の所持品検査を実施するか否かにつきましては、一般的に、取扱事件数、来庁者の状況など、各庁の実情に応じてその要否を判断しているものと認識しております。
 また、常時入庁時の所持品検査を実施しているか否かにかかわらず、ゲート式金属探知機につきましては、検査対象者数が多く、ハンド式金属探知機を用いて検査を実施していたのでは時間を要する場合に整備しておりまして、現在、地裁本庁五十庁舎、独立庁舎を持つ家庭裁判所本庁十七庁舎及び裁判員裁判を実施している支部十庁舎の合計七十七庁に整備しております。
 なお、その他の庁につきましては、ハンド式金属探知機を各庁の実情に応じて整備しておりまして、各庁においては、これらの機器を活用して、その必要に応じて庁舎出入口あるいは法廷出入口で金属探知機による検査を行ったりするなど、その危険の態様、度合いに応じた警備体制を取っております。
 最高裁判所といたしましては、庁の規模や検査対象者の状況等を踏まえつつ整備の必要性を検討していくことが必要だと考えておりまして、各庁の警備の実情を踏まえながら、必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
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元榮太一郎#12
○元榮太一郎君 是非とも速やかな整備に向けて進めていただきたいと思います。
 今回の東京家裁の事件では、被害女性は、家裁の建物内ではあるんですが、金属探知機の前、手前で待ち伏せされていたということで、裁判所の期日には本人が来るだろうというふうに目星を付けて待ち伏せをするような事態ということだったと思うんですが、こういった事態をできる限り未然に防ぐための対策について、最高裁から御説明を伺いたいと思います。
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村田斉志#13
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 当事者間で加害行為が行われるおそれがあるような事案につきまして、裁判所内での安全を確保するということは極めて重要というふうに認識をしております。
 裁判所では、一般的には、当事者の申告等により加害行為のおそれがあると把握している事案につきましては、その内容に応じて、当事者にそれぞれお越しいただく時間ですとか、あるいは調停を行う部屋、これらを別々にするといったことをいたしまして、当事者同士が対面しないようにするなどの措置を講じていると承知をしております。
 最高裁判所といたしましては、このような対策を確実に行っていくことが重要と考えておりまして、今後とも、必要な情報提供を行うなど、各地の裁判所の運用を支援してまいりたいと考えております。
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元榮太一郎#14
○元榮太一郎君 当事者にとっては一生に数度あるかないかの裁判所での事件だと思いますので、最高裁、裁判所の方から積極的に働きかける、情報を提供していくということを進めていただきたいと思います。
 ところで、この裁判所の金属探知機などによる所持品検査は、法曹関係者の場合は、身分を証するバッジなどを提示すれば免除されるという運用になっていまして、弁護士の場合ですと、弁護士バッジで金属探知機なくて通れるということなんですが、例えばアマゾンのようなああいうECサイトで弁護士バッジと検索すると、もうずらっとレプリカが出てきます。
 ということで、こういうレプリカなんかを見分けることがなかなか難しいような精巧なものもありますので、そういった意味では、非常にこれが抜け穴として悪用されてしまうと、裁判所に行くことが裁判所を利用する人にとってもリスクだと思いますし、いつかはこういったものが悪用される可能性もあるのではないかなと思ったのですが、法務省の御見解を聞きたいと思います。
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小出邦夫#15
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。
 法務省といたしましても、裁判所構内の安全が確保されることは極めて重要であると考えております。
 他方で、今委員から御指摘ございました弁護士バッジのレプリカにつきましては、これ、外観上もレプリカであることが明らかなものを、レプリカである旨を明示して、かつ悪用を禁じた上で販売することに対しまして何らかの規制をすることについては慎重な検討が必要であると考えております。
 ただ、悪用の危険性が高い精巧なレプリカの販売につきましては、弁護士バッジの商標権を有しております日本弁護士連合会において、販売停止の要請などの適切な対応がされるものと承知しております。
 また、弁護士でない者が弁護士であるかのように装って実際に弁護士バッジのレプリカを悪用した場合には、現行法でも対処が可能な場合があるものと考えているところでございます。
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元榮太一郎#16
○元榮太一郎君 私、実際に購入していないので、検索結果で画像を見るにとどまってしまっているんですが、一見してみると弁護士バッジっぽいように見受けられるので、本物、偽物の見分けが付かないものもあるような印象を受けております。そういった意味で、やはり今できる限りのそういう抜け穴を防ぐということについては、日弁連とも連携しながら、是非とも真剣に考えていただきたいというふうに思います。
 次に、少年法の適用年齢の引下げについて伺います。
 この少年法の適用年齢の引下げについては、現在、平成二十九年二月に、法務大臣から法制審に、少年の年齢を十八歳未満とすること、そして犯罪者処遇を充実させるための刑事法の整備の在り方について諮問をしたところでありまして、法制審に設けられた部会において調査審議中であるというふうに承知しております。
 そこで、法務省に伺いますが、適用年齢の引下げについて、部会ではどのような賛成意見、反対意見が議論されているのでしょうか。
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小山太士#17
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。
 法制審議会の部会におきましては、少年の上限年齢を十八歳未満に引き下げるべきとの立場からは、例えば、民法の成年年齢が引き下げられて、十八歳及び十九歳の者が監護権に服さず自律的判断能力を有する存在とされた以上、これらの者について、少年法の法原理により、犯した罪の責任を超えた処分や虞犯による処分に付することは法制度として整合しないこととなるのではないか、また、少年法の手続において保護者は重要な役割を担うわけでございますが、成年者とされた十八歳及び十九歳の者は監護権に服する存在ではないので、こういう保護者を観念し得ず、少年法の基本的な枠組みとは一致しないこととなるなどの意見がございました。
 一方、少年法における少年の上限年齢を二十歳未満で維持すべきとの立場からは、例えば、法律の適用年齢は立法趣旨や立法目的に照らして法律ごとに検討すべきであるところ、民法の成年年齢は、将来の国づくりを担っていく若者の社会参加を促すというものであり、この趣旨は少年の年齢引下げには妥当しない、あるいは、少年法は有効に機能しているところ、少年の年齢を引き下げることとすれば、十八歳及び十九歳の者に対して健全育成の理念による処分、処遇が行えなくなるなど刑事政策上の懸念が生ずるなどの意見があったところでございます。
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元榮太一郎#18
○元榮太一郎君 少年法の目的は非行少年の更生ということですが、例えば少年鑑別所では、通常では最長で二十八日間の入所が行われて、専門職による丁寧なアセスメントが行われています。そして、審判に至るまでにおいても、家庭裁判所で家庭裁判所調査官やドクターによって生育歴についても詳細な調査が行われると。刑務所における処遇も受刑者の改善更生の意欲喚起を目的としているものの、健全教育の下に少年の更生を行うということを主眼とする少年法は、その目的そのものが違っているのではないかというふうに思います。
 施設における実際の生活にも違いがありまして、例えば、刑務所では日中は刑務作業ということになりますが、少年院では教官が就寝時刻まで少年を指導監督し、少年の内面の自己変革を要求していくということです。ある弁護士は、二十四時間体制で生活指導をし、他の在院者の言動で自分自身の課題に気付く体験は刑務所にはできないのではないかという指摘もあります。
 そこで、これらの処遇なんですが、少年の再犯防止にどのような効果があるのかというところについて、少年審判を受けた十八歳、十九歳の少年についての再犯率と、そして二十代の出所受刑者の再犯率、こちらについて教えていただきたいと思います。
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西
西山卓爾#19
○政府参考人(西山卓爾君) 少年審判を受けた十八歳、十九歳の少年についての再犯率についてお尋ねがございましたが、年齢別の少年院出院者の再入院・刑事施設入所率のデータを持ち合わせてございません。
 ただ、参考までにでございますが、平成三十年版犯罪白書によれば、少年院出院者全体の二年以内再入院・刑事施設入所率は、最近五年間、一〇から一二%台で推移しておりまして、平成二十八年の少年院出院者についての二年以内の再入院・刑事施設入所率は一〇・七%でございます。
 他方、同じ平成三十年版犯罪白書によれば、出所受刑者の二年以内の再入率を年齢層別に見たとき、二十九歳以下の出所受刑者の二年以内再入率は、最近五年間、一〇から一三%台で推移しておりまして、平成二十八年の出所受刑者のうち二十九歳以下の者についての再入率は一〇・七%でございます。
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元榮太一郎#20
○元榮太一郎君 これらの比較検討というのは非常に大事だと思っておりまして、例えば十八、十九の年長少年だけに限って見ると、二年以内の再入率はもう少し低いというような調査結果もどこかで私も確認しております。そういった意味では、やはりこの十八、十九歳に引下げを、少年法の対象外にするということが本当にいいのかどうかというのは本当に慎重に検討していただきたいなというふうに思っていますし、あと、外国の例ですと、アメリカの司法省の調査によりますと、刑事裁判所に送致された少年は、少年裁判所に送致された場合より、より高い再犯リスクがあるという報告がされています。外国の話ではあるんですが、少年や若年成年にはやはり矯正教育こそが求められているということだと思うんですが、法務省の見解を伺います。
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名執雅子#21
○政府参考人(名執雅子君) 刑務所出所者と少年院出院者との間では、対象者の犯罪、非行の程度、犯行に及んだ年齢、収容期間等に違いがありますので、両者の再入率の傾向のみをもって一概にその処遇効果を比較することは難しいと考えておりますが、少年院におきましては、先ほど委員御指摘のとおり、きめ細やかな矯正教育を対象者の個別の問題性に応じて行っておりますので、若年者の再犯防止に一定の効果を上げているものと思っております。
 一方、刑務所における若年者の処遇につきましても、二十歳未満で受刑者になった者につきましては、個別的な処遇要領に基づき職業訓練や改善指導等を実施するほか、個別担任の職員を指定し、個別面接や日記指導等を行っております。また、二十六歳未満の若年受刑者につきましても、特技や適性の発見に努め、その可塑性に期待し、積極的な働きかけを行っております。
 法制審議会の部会におきましても、若年受刑者については、刑事施設においても少年院の知見等を活用して、その特性に応じた処遇の充実を図ること等が検討課題とされているものと承知しております。法制審議会の議論も踏まえつつ、若年受刑者処遇の充実にも努めてまいりたいと考えております。
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元榮太一郎#22
○元榮太一郎君 これも外国の話になりますが、例えばドイツでは、選挙権年齢と民法の成年年齢を十八歳に引き下げた後も少年裁判法の適用年齢を二十一歳未満ということで維持しているということで、これは必ずしも国法上の統一が一番優先されるべきことではないという観点も大事だと思っておりますし、一つ質問を飛ばさせていただきますが、科学的な視点からも検討が必要だと思っておりまして、アメリカでは、少年法の適用基準となる年齢を十六歳や十七歳に引き下げたものの、その後十八歳に戻した州もあるということで、こちらについては、脳科学の研究の進展で、二十五歳程度までは脳が発達し続けるということなどの理由によって引上げになっているということであります。
 また、国内においても、例えば一般社団法人日本児童青年精神医学会というところが児童青年精神医学の立場から、十八歳から十九歳の年長少年の更生と二十歳代初めの青年の更生は連続したものであるという観点などから、むしろ適用年齢は引上げの方向で検討すべきということで、引下げに反対するような意見も出されております。
 若者で罪を犯す者の多くは、発達障害を持っていたり、そして虐待を受けて育ったりをして、これまでの生育に困難を抱えた者であるという人たちも多いということでありますので、前頭葉が発達し続ける二十五歳くらいまでは、例えば少年法の適用を拡大し、むしろ若年成年少年法のような法律の下で矯正を推進するというような方がよいとも思われるのですが、法務省の見解を伺います。
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小山太士#23
○政府参考人(小山太士君) 法制審の部会におきましては、御指摘の脳科学の知見と少年の上限年齢の在り方に関する議論といたしまして、行動を制御する能力をつかさどる脳の部位の発達が二十歳代半ばまで続いているという脳科学の知見は、これらの者にどのような刑事政策的措置が有効かという検討の重要な要素になるという御意見がありました一方、現在の医学の状況によると、脳の発達の状況及びそれと犯罪との関係については有意な知見が出ていないという医師の意見を尊重すべきであり、処遇を考える際にそれを決定打として出すのは適切ではない旨の御意見もあったと承知しております。
 いずれにいたしましても、今調査審議中でございますので、当局としてはその議論を見守りたいと考えております。
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元榮太一郎#24
○元榮太一郎君 大臣の御決意も聞きたかったところですが、継続してまた伺っていきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
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有田芳生#25
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。
 今日は、選挙運動を利用した差別の扇動であるヘイトスピーチについて質問をしたいというふうに思います。
 全国の地方選挙の前半戦が終わりました。そして、後半戦に入ってまいりますけれども、やはり、公選法を利用した悪質なヘイトスピーチというものをどのように対処をしていくのかというのは、非常に極めて現代的かつ緊急な課題だというふうに思います。
 具体的に言いますと、この前半戦でも、あるいは後半戦でも懸念されておりますのは、日本第一党という政治団体があります。在特会の前会長の桜井誠という人物が責任者であります。彼は、様々なところでヘイトスピーチで問題になってまいりました。例えば、存在そのものがヘイトスピーチで、差別に寄生しているということが最高裁でも認定をされた人物です。そしてまた、その政治団体の最高顧問には瀬戸弘幸という人物が就任をしておりまして、これはもう御本人が前々からずっとヒトラーの崇拝者であるということを自ら何度も語っておりまして、今度の地方選挙の街頭宣伝の中でも、ホロコーストはなかったんだというようなことをもう平然と言っているグループ、政治団体です。その日本第一党、全員落選しましたけれども、引き続き後半戦でも様々な選挙活動をやることが予想されております。
 一方、そのヘイトスピーチの問題というのは、これは大臣などにも本当に、機会があれば皆さんにも聞いていただきたいんですけれども、私たちからはなかなか目が届かない、心が届かない被害者の思いというものは深刻なものがいまだ続いているんですよね。
 ですから、例えばある在日コリアンなどは、今度の地方選挙の間、これまでは、例えば週末にヘイトスピーチのデモが行われるというようなことがありましたけれども、選挙期間中毎日ずっと、朝から夜までヘイトスピーチのデモが行われるというふうに感じているんですよ。ですから、例えば買物に行くこともちゅうちょをする、選挙運動をやっていると、その運動員がいればそこから逃げていく、あるいは、入学式だってチマチョゴリを着ていきたいんだけれども、どこでどんな選挙活動をやって遭遇するかも分からないから、そういうことを避けるように、彼らの選挙活動の状況というものをチェックをして生活をせざるを得ないというような、そういう現実があるんですよね。
 それが、神奈川県川崎市だけではなくて、相模原であったり北九州市であったり、全国各地で、そういう人たちが立候補をしているところでは、被害者たちというのは本当に深刻な思いでいるんですよ。これからまた後半戦に入っていくということで、こういうことに対して本当に厳正な対処というものが、どんなことが可能なのかということを考えていかなければいけないというふうに思います。
 そして、新たに就任された人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、三月十二日に、法務省人権擁護局調査救済課補佐官の事務連絡として、全国の法務局に宛てて、選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応についてという連絡が発せられました。これは、一言で言ってどういう中身を連絡されたんでしょうか。
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菊池浩#26
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、本年三月十二日付けで、法務省人権擁護局調査救済課補佐官名により、選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応について、各法務局に対し事務連絡を発出したところでございます。
 この事務連絡は、近時、選挙運動等に藉口して不当な差別的言動等が行われる場合があるとの指摘がなされていることを受けまして、選挙運動等の自由の保障は民主主義の根幹を成すものではあるけれども、不当な差別的言動は、それが選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないことなどを通知したものであります。
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有田芳生#27
○有田芳生君 要するに、煎じ詰めて言えば、その通知で書かれているのは、集団等が差別的言動の対象とされている場合であっても、その集団に属する者が精神的苦痛を受ける等具体的な被害が生じている又はそのおそれがあると認められるのであれば救済の対象にすると、そういう理解でよろしいわけですね。
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菊池浩#28
○政府参考人(菊池浩君) お答えします。
 ただいま委員が御指摘いただきましたのは三月八日付けの調査救済課長依命通知の内容でございまして、最初にお尋ねいただいた三月十二日付けの事務連絡の方は先ほど私が申し上げたとおりの内容でございます。
 それでは、三月八日付けの依命通知の内容はどういうものなのかということについてお答えしたいと思いますけれども、この依命通知は、インターネット上における不当な差別的言動は集団や不特定多数の者に向けられたものが少なくないところ、これら集団等に対する差別的言動がどういう場合に削除要請等の救済措置の対象となるのかについて私どもの考え方を整理したものでございます。
 具体的に申し上げますと、ただいま委員御指摘のとおり、集団等に向けられた差別的言動であっても、その集団等を構成する自然人の存在が認められて、かつその集団等に属する者が精神的苦痛を受けるなど具体的被害が現に生じているか又は生じるおそれがあると認められるのであれば、人権侵犯性が認められ、救済措置の対象となり得るというように考え方を整理したものでございます。
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有田芳生#29
○有田芳生君 ありがとうございます。三月十二日付けを聞いて、次に八日付けを聞こうと思っていたものですから、混同しました。ありがとうございます。
 そうしますと、そのインターネット上のそういう問題点ですけれども、当然、論理的に考えれば、街頭におけるヘイトスピーチというものも、具体的に被害者の側からすればそれはとんでもないという話になりますよね。
 例えば、インターネット上でそういう集団等に対する差別的言動の対象であっても、被害が生じていると認められるのであれば救済の対象になるということを突き詰めていけば、当然、ネット上でそういう判断されるわけですから、街頭、例えば二〇一三年の二月ですけれども、大阪の鶴橋の駅前でヘイトスピーチを事とする人たちが集まって、当時十四歳の少女が、朝鮮人の皆さん、ここから出ていきなさい、出ていかなければ、あなたたち南京大虐殺知っているでしょう、鶴橋大虐殺をやりますよということを語った。それがもう国際的にニュースとして配信をされて、アメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、日本は一体どうなっているんだという、そういうびっくりするような影響を与えたんですけれども、そういう類似の発言、例えば集住地区においてそういう発言をしたならば、やはりそれは救済の対象になるという理解でよろしいですね。
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