農林水産委員会

2019-10-24 衆議院 全252発言

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会議録情報#0
令和元年十月二十四日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 吉野 正芳君
   理事 池田 道孝君 理事 齋藤  健君
   理事 武部  新君 理事 谷  公一君
   理事 細田 健一君 理事 石川 香織君
   理事 近藤 和也君 理事 濱村  進君
      泉田 裕彦君    稲田 朋美君
      今枝宗一郎君    上杉謙太郎君
      小田原 潔君    金子 俊平君
      神谷  昇君    神山 佐市君
      木村 次郎君    小寺 裕雄君
      坂本 哲志君    笹川 博義君
      新谷 正義君    高木  啓君
      永岡 桂子君    西田 昭二君
      野中  厚君    福山  守君
      古川  康君    本田 太郎君
      宮腰 光寛君    宮路 拓馬君
      務台 俊介君    簗  和生君
      青山 大人君    大串 博志君
      神谷  裕君    亀井亜紀子君
      佐々木隆博君    佐藤 公治君
      長谷川嘉一君    広田  一君
      緑川 貴士君    佐藤 英道君
      田村 貴昭君    森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣       江藤  拓君
   内閣府副大臣       宮下 一郎君
   農林水産副大臣      伊東 良孝君
   外務大臣政務官      中山 展宏君
   農林水産大臣政務官    河野 義博君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  大角  亨君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 曽根 健孝君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   岡野 正敬君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房長) 枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         浅川 京子君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         光吉  一君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          大杉 武博君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           新井ゆたか君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            塩川 白良君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  水田 正和君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  横山  紳君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            牧元 幸司君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局長)           菱沼 義久君
   政府参考人
   (林野庁長官)      本郷 浩二君
   政府参考人
   (水産庁長官)      山口 英彰君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       塩見 英之君
   政府参考人
   (海上保安庁総務部長)  宮澤 康一君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 正林 督章君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 松澤  裕君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十四日
 辞任         補欠選任
  稲田 朋美君     高木  啓君
  今枝宗一郎君     小田原 潔君
  木村 次郎君     本田 太郎君
  福山  守君     務台 俊介君
  石田 祝稔君     佐藤 英道君
同日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     新谷 正義君
  高木  啓君     稲田 朋美君
  本田 太郎君     木村 次郎君
  務台 俊介君     神山 佐市君
  佐藤 英道君     石田 祝稔君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     福山  守君
  新谷 正義君     今枝宗一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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吉野正芳#1
○吉野委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房長枝元真徹君、大臣官房総括審議官浅川京子君、大臣官房総括審議官光吉一君、大臣官房危機管理・政策立案総括審議官岩濱洋海君、大臣官房統計部長大杉武博君、消費・安全局長新井ゆたか君、食料産業局長塩川白良君、生産局長水田正和君、経営局長横山紳君、農村振興局長牧元幸司君、政策統括官天羽隆君、農林水産技術会議事務局長菱沼義久君、林野庁長官本郷浩二君、水産庁長官山口英彰君、内閣官房内閣審議官大角亨君、外務省大臣官房参事官曽根健孝君、国際法局長岡野正敬君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩君、国土交通省水管理・国土保全局次長塩見英之君、海上保安庁総務部長宮澤康一君、環境省大臣官房審議官正林督章君及び大臣官房審議官松澤裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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吉野正芳#2
○吉野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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吉野正芳#3
○吉野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
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務台俊介#4
○務台委員 ありがとうございます。自民党の務台俊介です。
 台風十九号の被災地の長野を代表して、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、十九号災害で犠牲になられた皆様に心から御冥福をお祈りします。また、被災された皆様にも心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 東日本を広く被災地とした今回の台風災害は、いまだに被害の全容が把握できない状況でございます。
 台風が首都圏を抜けた十三日の早朝、私は、NHKテレビで、千曲川が数カ所で決壊し濁流が堤内地に勢いよく流れ込んでいる情景を目にし、思わず絶句しました。特に、私の選挙区の豊野地区へも、千曲川堤防が決壊した穂保地区の決壊箇所からの浸水がひどい状況を確認し、直ちに防災服に着がえ、現地に向かいました。
 長野市豊野から見た千曲川決壊の影響は広範囲で、低地はひとしく水没し、リンゴ畑も無残に水没しておりました。地元の青木敏明市議会議員に御同行いただき、被災状況をしっかりと目に焼き付けました。そして、その日のうちに武田防災大臣が長野市に入られました。
 私も、その後、地元被災地と永田町を往復しながら、地元の現状を逐次政府に伝える役割を果たさせていただいたつもりでございます。
 二十日の日曜日には安倍総理が長野県の被災地に入られ、その場で、農家の皆さんに頑張っていこうという気持ちになるように後押ししたいと励まされました。翌二十一日には江藤農水大臣も、農業被害の実態把握に、長野市にお入りいただきました。その際には、地元のリンゴ農家の五名の方々が今抱えている不安の気持ちの心情を吐露する話、これは私の心にも突き刺さりました。
 本日の委員会では、地元の農業被害の実態を踏まえ、質問を用意させていただきました。
 二十一日に江藤大臣が長野市の被災地にお越しいただき、被災農家に真摯に対応されたことにまず心から感謝申し上げたいと思いますが、堤防決壊地域を中心に深刻な被害を目の当たりにされた大臣の率直な思いをお伺いしたいと思います。
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江藤拓#5
○江藤国務大臣 まずは、務台委員におかれましては、私が現場に入りましたときにお出迎えまでいただき、詳細な御説明等いただきまして、ありがとうございます。それに至るまでも、たびたび御連絡をいただいて、現場の状況をお知らせいただいたことにも重ねてお礼を言いたいと思います。
 率直な感想としましては、毎日、もちろん農政局からテレビ電話をつないで報告を受けておりましたし、リアルタイムで現場の状況は映像等でも見てはおりました。おりましたが、やはり、例えばリンゴ園に行って、指でこすってもなかなか簡単に落ちないほど泥がこびりついている状況。あれではとても、水をかけたぐらいでは、もう一度光合成ができるように樹体を回復させることは多分難しいと思います。そして、堆積した大量の土砂。そして、自分の御自宅等の片づけでまだ農地に全く入ることができない、中には、まだ農地を自分は見ていないんだという方もおられました。片づけているときはいいけれども、夫婦で二人きりになると毎晩泣いているというふうにおっしゃっている奥様もいらっしゃいました。
 よく私たち政治家は、被災者の方々の気持ちに寄り添ってという言葉を使いますけれども、今こそ、農林水産省がこれまで蓄積してきた知見であり経験であり、過去の災害の、実績とは言いませんが、そういうものも総動員をして、そしてまた総理のお言葉にも応えるように、それ以上の後押しができるような施策を真剣に考えねばならないという使命感を強く感じたところでございます。
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務台俊介#6
○務台委員 ありがとうございました。
 私も大臣に同行させていただきましたが、大臣がリンゴの葉っぱ、汚れている葉っぱに手を差しかけ、そしてそれを自分の手でこすって状況を調べている、本当に現地に寄り添った対応をしていただいたことに感動させていただきました。
 ところで、千曲川の長野市域には、アップルラインと言われるリンゴ畑が連なる地域が堤防の内外に広がっております。百年以上にわたっての苦心の上、形成してきた一大産地でございます。その産地が、収穫を前に、水につかりました。丹精込めてつくり上げたリンゴが一瞬の災害で台なしにされた農家の無念は想像にかたくありません。
 しかし、果実の被害はもとより、リンゴの木、樹体にも大きな被害が及んでおります。泥水につかったリンゴは、表向き、損傷がないように見えますが、実は芯が腐敗していく、そんな現状があるようでございます。青森の津島衆議院議員の話でも、今回も、リンゴの木は時間を置いて病気が発生し、同様の状態になる可能性が強いということでございました。
 この点についての、樹体の被害についての農水省の認識をお伺いしたいと思います。
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新井ゆたか#7
○新井政府参考人 お答え申し上げます。
 リンゴの園地が冠水被害を受けた際には、フィトフトラ属菌という菌が果実に侵入することによりますリンゴ疫病ということで、果実の腐乱が多く発生するというふうに承知しております。
 過去、長野県内におきましても、平成十六年、十八年、河川の氾濫におきまして、このような病気が広がったというふうに聞いているところでございます。
 加えて、果樹、木が冠水した場合におきましては、枝や幹に傷が生じるということで、リンゴ腐乱病といった病気に感染するリスクが高まるということでございます。
 このようなものを防止するために、まず殺菌剤を散布して感染を予防する、それから、枝が折れた場合に、傷口を滑らかに切り、塗布剤による傷口の保護を行うといった指導をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、被害状況を踏まえながら、関係県と連携して効果的な防除を推進してまいりたいと考えております。
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務台俊介#8
○務台委員 ありがとうございます。
 被災農家に対しては、現行でもさまざまな支援策が用意されております。これを迅速に発動していただきたい、そのことを希望しておりますが、他方で、既存の支援策というのは、かかった経費に対する支援でございます。農家の直接の利潤をもたらすものではないというふうに承知しております。
 改植をしても通常七年以上は収穫がない、そういうことを考えると、年配のリンゴ農家の方は離農を考えてしまうことになると思います。若手はその間の負担に耐えかね、事業開始を場合によっては諦めかねない。リンゴ農家の中には蓄えがある農家もありますが、そういう農家ばかりではございません。地元の皆様の話では、この地域では、果樹園、後継者が結構確保できておりますが、その意欲が途切れてしまうことに対しての懸念が強い。この間の収入確保の手だてを講じつつ、果樹農家継続を促す仕組みが考えられないかと願うばかりでございますが、政府に、産地形成を継続させるような思い切った対策を検討してほしい、このように考えております。
 ぜひ、専門家の知恵を集めて、大胆な対応をお願いしたいと考えておりますが、なかなか難しい課題があるとは思いますが、現時点で方針だけでも伺わせていただければありがたいと思います。
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江藤拓#9
○江藤国務大臣 果樹の場合は、一度改植なり、しなければならないということになると、当然未収益期間が発生するということでありまして、リンゴでも、早く結実する、実がなるような樹体を導入したとしても、早くて三年かかるというところが一番の問題だろうと思います。
 今の現状の施策においては、今委員が御指摘いただきましたように、かかり、経費を見る、消毒とか施肥とか、そういったものを見るという縛りでありますから、四年間分一括で二十二万円というのでありますから、その逸失利益に見合う金額では当然ない。現場での意見交換会でも、家も二・五メートル冠水した、そして二町歩のリンゴ園も全部冠水した、収入の見通しが全く立たない、お先が真っ暗だというお話を伺いました。
 ですから、今回、十五号がありますから、十五号の対応との見合いも考えなきゃいけません。しかし、そちらに遡及できるかどうかも含めて考えなければなりませんが、この未収益期間の四年間一括の二十二万、これで果たして十分なのかどうか。官邸での対策本部でも議題とさせていただいて、これについて一歩踏み込みたいという農林水産省としての方針はその場で話させていただいて、事務的にも、財務との交渉においても、今鋭意努力をしたいというところでございます。確定的なことを言えないことは申しわけないと思います。
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務台俊介#10
○務台委員 冒頭御紹介申し上げたように、長野県庁で総理は、農家の皆様に頑張っていこうという気持ちになるように後押ししたいとおっしゃっております。そして、江藤大臣も長野市で、被災農家の皆様に、離農者が出ないようにしたい、そして、意欲と技能を持った人が地元にいることが大事なんだという力強いメッセージを発せられました。ぜひその言葉をそのまま体現するような対策、施策を期待したいというふうに思います。
 今回の災害の特徴は、農産物への被害にとどまりません。生産要素への打撃も大きいというふうに承知しております。農業用資機材も浸水により大きな被害を受けました。また、集出荷施設、そして農業用排水機場も甚大な被害を受けております。こうした被害についての支援策、これは地元から強い要請がありますので、この点についてのコミットメントもお願いしたいと思います。
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横山紳#11
○横山政府参考人 御説明申し上げます。
 農作物以外の被害についての支援策というお尋ねでございます。
 今般の台風第十九号につきましては、台風第十五号の総合的な支援策、これを基本にしっかりした支援策を講じていくということで検討を進めているところでございます。
 台風第十五号の総合的な支援策の中におきましては、まず、農業用機械、これを再取得する場合につきましては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型、これを発動いたします。補助率は十分の三ということで支援をいたしております。
 また、集出荷施設への支援につきましては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金のうち、被災産地施設支援対策がございます。損壊施設の撤去や再建、修繕等に要する経費を、補助率二分の一ということで支援をしておるところでございます。
 また、被災した農業用排水機場でございますが、災害復旧事業によって復旧ができ、激甚災害に指定されますと、市町村における農家一戸当たりの復旧額に応じまして補助率がかさ上げされ、近年の実績では補助率九八%ということになってございます。
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務台俊介#12
○務台委員 ありがとうございます。
 若手リンゴ農家の中には、矮化リンゴの導入で補助金をもらいつつ借金をしたところ、今回被災した方がいらっしゃいます。その人が再度矮化リンゴの改植を行うと、生産能力は現状ないし向上しないにもかかわらず、過去の債務と新規の債務の二重債務を行うことになります。本人の責任ではない今回の事態、これに対しての緩和策というのが考えられないか、三・一一のときの対策としては前例があると思いますが、今回はどうなのか、ここら辺のお考えを伺いたいと思います。
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江藤拓#13
○江藤国務大臣 委員が御指摘の三・一一の件につきましては、東日本大震災事業者再生支援機構による債権の買取りのことをおっしゃっているんだと思います。これについては、今般の十九号で同様の措置を講ずることができるかどうかは、これは政府全体で検討されるべき課題であろうというふうに、私は今のところは考えております。
 そして今、現行で何が可能かということにつきましては、まずは償還猶予の要請を農林水産省としては各金融機関にはさせていただく予定でございます。
 それから、借りかえをしていただくことが大変大事になりますので、日本政策金融公庫は〇・〇六%で借りかえができますから、普通に借りていると一から三ぐらいで大体、農家の方々は借りていらっしゃると思いますので、それに借りかえをすると大分、負債については、〇・〇六ですから、かなり軽くなるのではないかと思います。
 あとは、農林漁業セーフティネット資金の災害関連資金、これは貸付け当初の五年間が実質無利子、これも使えますし、近代化資金、これも当初の五年間免除というのがありますから、いろいろなメニューをぜひ御検討いただいて対応していただければというふうに思います。
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務台俊介#14
○務台委員 ぜひ、若手農業者が農業の継続意思を断念することがないような、踏み込んだ施策をお願いしたいと思います。
 地元のJAの幹部から伺った話ですが、被害農家の立場はさまざまな多様性があります。リンゴが木になったまま被災した人、収穫して自宅に保管している人、選果場に持ち込んだ人、農済に入っている人、いない人、機材の損失の程度も違います。こういう農家の立場に個々に提供できる補助金のリストがすぐ出てくるようにしてほしいという要望がございました。
 今、農水省のホームページには補助金の逆引きシステムがあり、これは非常に便利だと思いますが、このシステムをプッシュ型でその被災者の立場に応じて提供する、AIというシステムを持ち出すまでもなく、個々人の状態に応じた最適な補助メニューの提示というのはあり得る話ではないかというふうに思います。
 今、JAの長野中央会では、どのような助成制度があるのか、災害の後みんなで調べているという、そんな状況でございまして、ぜひこのシステムをおつくりいただけないか。こういう枠組みが被災者と対策のマトリックス状態で整理されると、どの制度のどこに空白があるのか、その空白が適正な空白なのか否か、こういうことも判明してくるのではないかというふうに思います。こうした要望には工夫次第で応えられると考えられますが、対応をお願いしたいと思います。
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岩濱洋海#15
○岩濱政府参考人 委員にお答えします。
 農林水産省では、農業者向けの支援施策について、対象者の属性、品目、取り組みたい内容などの条件から検索できる、委員おっしゃった逆引き事典という検索システムがウエブ上で公開されております。
 災害に関する支援対策については、この逆引き事典の活用だけでなくて、被災農家のニーズに応じて活用できる、台風や大雨等に被災された農林漁業者の皆様へという資料を、新たに台風十五号の被害から作成しております。これをウエブ上に掲載するとともに、被災地域において本省及び地方農政局等による説明会をきめ細かく開催し、支援対策の周知に今努めているところでございます。
 今後も、農業者の疑問等に的確に答えられるよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
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務台俊介#16
○務台委員 ぜひシステムの深化を図っていただきたい、このように思います。
 千曲川の堤外地、つまり河川敷のリンゴ畑は、土地自体が流されてしまったところがございます。地元の方の中には、この際、河川敷のリンゴ畑を区画整理し作付をしやすいようにすべきではないか、そうすることで若手も就農意欲が増すという意見もございます。
 防災の世界では、ビルド・バック・ベターという考え方が今主流になっておりますが、これを農業でも実現したいということでございます。こういう見解に対して、政府のお考えを伺いたいと思います。
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牧元幸司#17
○牧元政府参考人 災害復旧に当たりまして、区画整理ができないかという御質問でございます。
 災害復旧事業につきましては原形復旧が原則とされているところではございますけれども、御指摘いただきましたような、土地が流されてしまったような場合、農地の流亡が著しくて原形復旧が困難な場合につきましては、復旧とあわせまして区画整理をすることができるところでございます。
 また、土地が流亡していないような場合でございましても、農振農用地区域内の農地でございますれば、災害復旧事業と他の土地改良事業を併用することで区画整理をすることが可能ということでございます。
 一方、区画整理を伴う場合には、権利関係の調整などに時間を要するということが予想されるところでございます。
 どのような復旧工法が適当かということにつきましては、県、市町村と、被災箇所ごとに十分調整してまいりたいと考えているところでございます。
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務台俊介#18
○務台委員 ぜひ、農業の分野でもビルド・バック・ベターが普通の考えになるようにお願いしたいと思います。
 被災リンゴ農家を回っていて、指摘を受けたことがございます。それは、この災害で長野のリンゴのブランド価値を下げたくないという声でございます。
 過日のNHKの報道で、あるリンゴ農家が、泥水につかったリンゴを洗い、出荷したいと言っている映像が報道されました。もったいないという気持ちのリンゴ農家、そして被災地のリンゴを買ってあげたいという善意の声も寄せられたようでございます。実は、この映像に対しては、ほかのリンゴ農家や地元のJAは真っ青になったということでございます。
 それは、先ほども御説明ありましたように、洪水被害に遭ったリンゴは、細菌が入り込み、芯が腐ってくるということで、商品としては出荷しないという方針が地元にはある。それに反するような映像が流れると、千曲川のリンゴが、毀損リンゴにもかかわらず平気で流通するといった誤ったメッセージを伝えることになりかねないという懸念がございます。早速NHKに、インターネットに残っている記事を取り消すように要請したと伺っております。善意あるいは美談が、逆に風評被害の原因になるということでございます。
 リンゴ農家では、水につかったリンゴだけでなく、樹体自体が水につかった場合には果実が水につからなかった場合でも廃棄すると申し合わせている、そんなことも伺っております。言ってみれば、ルール違反の行為を善意で取り上げ、それが地域ブランドの毀損につながる報道となったということでございます。
 地元のリンゴ農家の多くは、産地のブランド価値を保つための品質には神経を使っており、その旨改めて報道していただきたいと願うところでございますが、農水省の受けとめ方を伺いたいと思います。
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枝元真徹#19
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 被災しまして泥をかぶったリンゴの取扱いにつきまして、当初、今先生からございましたとおり、被害を受けたリンゴを購入したいという申出に応じてリンゴを洗浄している、そのような様子が報道をされました。その後、長野県が水をかぶったリンゴを出荷しないように生産者に呼びかけており、JAも水をかぶったリンゴを取り扱うことはないし流通することはない、こういう旨の報道が改めて全国ニュースでされたというふうに承知をしてございます。
 水や泥をかぶりましたリンゴはカビ毒等が発生するおそれがあり、生食用としても加工用としても利用できませんので、農林水産省といたしましても、的確な情報提供に努めてまいりたいと存じます。
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務台俊介#20
○務台委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 廃棄するリンゴについては埋設を想定しているというふうに聞いております。しかし、廃棄リンゴも、本来であれば、再生可能エネルギーの観点からは、バイオガスの原料となり得るというふうに思います。処理の経費を度外視すれば、北海道にバイオガスプラントがあるというふうに伺っておりますが、本来であれば、こういう農業用の原料もバイオマス原料として地元で使いこなす、そういうことがあり得るのではないかというふうに思います。
 原料の収集などがネックだというふうに思いますが、平時も被災時もこういうシステムを使っていく、これもその地域の活力を高めるための方策だと思いますが、この点についての政府の考え方を伺いたいと思います。
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塩川白良#21
○塩川政府参考人 お答え申し上げます。
 農業廃棄物を利用して電力や熱を発生させるエネルギー利用は、廃棄物処理費用の軽減に有効でありまして、また、農業経営の体質強化、それから農村の活性化のみならず環境負荷の軽減にもつながる大変重要な取組であるというふうに考えております。
 農林水産省では、農業廃棄物を含むバイオマスの収集から製造、利用まで、経済性が確保された一貫システムの構築に取り組む自治体をバイオマス産業都市として選定をいたしまして、バイオマス利活用にモデル的に取り組む自治体の施設整備や調査設計を支援しているところでございます。
 また、令和二年度予算要求におきまして、家畜ふん尿を活用した災害にも強い地産地消のバイオマスガスプラント整備への取組に対する支援も新たに要求しているところでございます。
 今後とも、農業廃棄物を活用する取組を更に拡大してまいりたいと考えております。
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松山泰浩#22
○松山政府参考人 エネルギー庁の観点からお答え申し上げます。
 地域で発生します農産物とか食品の残渣等を活用いたしましてエネルギーをつくり出すバイオマス発電というものは、エネルギー基本計画の中におきましても、安定的に発電することが可能となり得る、地域活性化にも資する、そういうエネルギー源として重要なものとして位置づけておりまして、経済産業省、資源エネルギー庁としても、しっかりと導入を促進していきたいと考えてございます。
 現在、FIT制度の中でメタン発酵バイオガスという区分を設けまして、手厚い支援措置を、廃棄物をメタンガス化して行う発電に対して行っておりますとともに、農林水産省と連携いたしまして、原料の効率的な収集体制の構築というものに対するモデル事業を進めてございます。
 また、現在、再エネの主力電源化という議論の中におきましては、例えば災害時も含めて地域活用できるような電源としていくことが重要だという議論を進めてございます。
 今後も、地域の暮らしを支えることが可能となるような形で、バイオマス発電の導入促進をしっかりと検討を進めていきたいと考えてございます。
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務台俊介#23
○務台委員 ありがとうございました。
 今、TPPやFTA締結で、果樹を含めた農産物の競争条件が非常に厳しくなっております。こういう中で、産地が大きなダメージをこうむるというのは非常に残念と言わざるを得ません。こうした外部環境の変化の中での今回の農業災害支援だという認識で、政府には思い切った対策を講じていってほしい。
 以上申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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吉野正芳#24
○吉野委員長 次に、上杉謙太郎君。
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上杉謙太郎#25
○上杉委員 おはようございます。自民党の上杉謙太郎でございます。
 私も、吉野先生と同じく福島県でありまして、相当な被害がございました。そういった中で、この質問の機会をいただきまして、委員長そして理事始め皆様に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 台風の日は、地元でしっかりと台風を見守っていました。河川事務所長さんと朝五時まで携帯でやりとりをして、河川の氾濫等々がないかですとか、あとは、地元の役所で、また消防団の皆さんといろいろと連携をして対応させてもらいました。
 翌朝から、各自治体、被災地を回って、本当に驚くような被災状況でありました。報道で、テレビで出ているような、例えば福島県であれば、主要な河川でいうと阿武隈川、それの氾濫等々流れておりましたけれども、中山間地ですとかいろいろなところに行くと、さまざまな細かいところを含めて、土砂崩れも、用水路に土砂がたまって通れなくなって、田んぼの方に水が流れていって田んぼに土砂と、そして、今議論になっている稲わらの問題等々ありました。
 いろいろな点で、さまざまにまだまだ全容がつかめない状況でありますが、そういった中で大臣始め農水省の皆さんが一生懸命やってくださっていること、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。私の地元にも、農水省の方、また環境省の方、国交省の方、現地に入ってくださって、自治体の方、JAの皆さんと一生懸命やってくださっております。本当に感謝を申し上げます。
 そういった中で、特に、米どころの福島県でありますから、土地改良関係、そして米の生産者に関することを特に中心にお話をさせてもらえたらというふうに思います。
 非常に甚大な被害を及ぼした台風十九号であります。本当に福島県もたくさんの方が亡くなられました。本当に、お悔やみを申し上げたいというふうに思いますし、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 そこで、大臣、福島県にお入りいただいてありがとうございました。大臣のきのうの所信の方でも、万全を尽くすというお話がありましたが、この台風十九号に対するお気持ちとそれに向かう御決意をお聞かせいただけますでしょうか。
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江藤拓#26
○江藤国務大臣 正直な気持ちを申し上げると、人間の無力さというか、そういうものをやはりこういう被災現場に行くと感じます。
 そして、我々は政治家ですから、公助をもたらす立場にあるわけですから、できるだけのことをしたい、もう何でもしてさしあげたいという気持ちになります。しかし、それには、やはり財政民主主義上の倫理観であったり、いろいろな縛りが我々はあるじゃないですか。しかし、それがある中でも、やはり生産基盤を何としても回復して、なぜかというと、我々は新規就農とかいろいろなことをこれまでやってきましたけれども、被災された方々は、今、ついこの間まで現場で実際に営農されて、頑張って、技術も知見も経験も持っている方々じゃないですか。そういう方々がもう一度営農を再開されるということは、日本全体の農業にとって非常に意義の、意味の深いことであって、こういう言葉を使っていいかどうかはわかりませんが、非常に効率も私はいいと思うんですよ。
 ですから、できる限りのことをやらせていただきたい。ですから、財務とも思い切った交渉をしていきたい。ですから、省議メンバーを集めて、とにかくやれること、今までの十五号までの知見を全て集めた上で、その上に何ができるのか、ぜひこの際検討しようじゃないかということを、今、毎日進めさせていただいております。
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上杉謙太郎#27
○上杉委員 大臣ありがとうございます。
 ぜひさまざまに検討をいただきまして、離農される方が出ないように、そしてまた、日本の農業、これからの未来は、日本を支えるのは農業だというふうに思っております。そしてまた、農業、例えば福島県であれば、お米もありますしキュウリもあります、加工品であれば日本酒もあります、いろいろないいものを世界に発信していく、そういったことを含めて日本の農業の基盤をどんどんどんどん強化していく、これが必要だというふうに思っております。災害の対応とあわせてお願いをしていただければというふうに思います。
 また、今の海外への輸出に関しては、ちょっと順番が逆になりますが、後ほど質問をさせていただきます。
 今回の台風十九号が、直近の、幾つも台風がありましたけれども、それと大きな違いは、時期だということであります。台風の規模ですとか災害の大きさ、そういう視点ではなくて、季節の、稲刈りのタイミングだったということであります。だからこそ稲わらの問題が出ているわけでありますし、今であればその稲わらのごみをどうするんだということがありますけれども、それだけではなくて、五月、ゴールデンウイーク前後に、今度、来年の田植があるわけであります。そうすると、今いろいろなものが壊れているわけであります。ため池もそうでありますし、水管橋とかもそうです。
 ちょうどこの写真を、資料を配らせていただきましたが、これは私、翌日からずっと地元を回らせてもらっていましたので、そこでたくさん写真を撮った中の幾つかでありますが、お手元に配付させていただいた資料の写真の一番と二番は水管橋であります。写真一は、この水管橋、壊れてしまったわけでありますね、流れてしまった。ちょっと遠くから写したのが写真の二であります。
 そうすると、これを直さないと、この水を使って田植をする農家の皆さんは来年田植ができないわけであります。
 また、例えばいろいろな水利施設がありますけれども、頭首工とかもそうでありますし、稲の生産者の方にとっては、来年のゴールデンウイーク前後までに、逆に、復旧作業をするのであれば、通水試験も必要でしょうから、なるべく四月ぐらいまでには復旧していないと、来年田植ができませんよね。
 そういう意味では、確かに今、道路の改修また河川の方の改修で地元の建設業者さんも大変かとは思うんですけれども、農水省さんがぜひ前面に立っていただいてしっかりと、例えばこういう水管橋を補修する、また、ため池を直す、頭首工を直す、そういうふうに土地改良施設を直さないと、せっかくもう一度来年も頑張ろうともし思っていたのに、物理的に来年田植ができないということはあってはならないというふうに思うわけであります。
 災害復旧事業で既に着手していただいている部分もありますし、今、調査に入って、そして査定をして、順次進んでいるものもあります。また、査定前着工制度を活用してもう既に着手してくださっているものもあると思いますが、もっともっと早く、急いでやる必要があるというふうに思いますが、お考えを、御対応をお聞かせいただければと思います。
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伊東良孝#28
○伊東副大臣 農家の営農意欲を失わせないためには、ただいま委員お話しのとおり、被災した農地、農業用施設、これらを早急に復旧することが極めて重要である、このように私も考えております。
 私も二十一日、福島、宮城、各地域、視察をさせていただき、また、被災された農家の皆さんの声を聞いてきたところでありまして、皆さんひとしく来年の営農再開ということを切望されていたところであります。
 早期に復旧が必要な箇所の、ただいまお話しのとおり、査定前着工の活用や、災害査定における机上査定の範囲の拡大、これは、現地抜きに図面上で査定区域を、範囲を拡大させる、あるいはその図面の簡素化によりまして、災害復旧事業が迅速に進むよう努めてまいりたいと考えております。
 災害復旧事業は、各市町村における農家一戸当たりの事業費に応じて補助率がかさ上げされ、激甚災害の場合には、近年の実績では農地で九六%、農業用施設九八%となることから、これらを活用して農家の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
 精いっぱい頑張ります。
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上杉謙太郎#29
○上杉委員 ありがとうございます。ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 加えて、もう一点ございますが、同じ土地改良施設で、国営パイロット事業ですとかそういったもろもろの施設について、九八%でも二%残りがあるわけでありまして、受益者、生産者の方に負担がないようにぜひお願いをしたいというふうに思うんですけれども、お考えはいかがでございましょうか。
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