法務委員会

2021-05-11 参議院 全210発言

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会議録情報#0
令和三年五月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     山崎 正昭君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     岡田  広君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                岡田  広君
                高橋はるみ君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                難波 奨二君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      堀  誠司君
       警察庁長官官房
       審議官      檜垣 重臣君
       消費者庁審議官  片岡  進君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       法務省矯正局長  大橋  哲君
       法務省保護局長  今福 章二君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
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山本香苗#1
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、足立敏之君及び今井絵理子さんが委員を辞任され、その補欠として岡田広君及び高橋はるみさんが選任されました。
    ─────────────
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山本香苗#2
○委員長(山本香苗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 少年法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長川原隆司君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山本香苗#3
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山本香苗#4
○委員長(山本香苗君) 少年法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山下雄平#5
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 この少年法改正案については、衆議院の審議などを聞いておりますと、少年被疑者の可塑性を重視する立場の方からは現行法の規定を改正すべきではないとの主張がなされて、少年法の適用を民法などの規定に合わせて十八歳までに引き下げるべきだとの立場の方からは、権利と責任、罪と罰のバランスを欠くと批判を浴びています。
 まさに両側からいろいろな御指摘が出ている状況ですけれども、改めて法務大臣として、今回の少年法改正について、少年法の適用年齢自体は変えずに、十八歳、十九歳に特定少年という新たな枠組みを設けた意義について御説明願えますでしょうか。
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上川陽子#6
○国務大臣(上川陽子君) 本法律案は、十八歳及び十九歳の者が、選挙権年齢やまた成年年齢の引下げ等によりまして重要な権利、自由を認められ、責任ある主体として積極的な社会参加が期待される立場となった一方で、いまだ成長途上にあり、可塑性を有するということを踏まえまして、これらの者が罪を犯した場合につきましてはその立場に応じた取扱いを定めようとするものでございます。
 具体的に申し上げますと、罪を犯した十八歳及び十九歳の者につきまして、原則逆送事件の範囲を拡大すること、また公判請求された段階で推知報道の禁止を解除するなど、十七歳以下の者とは異なる取扱いをすることとしつつ、全ての事件を家庭裁判所に送致をし、家庭裁判所が原則として保護処分を行うという少年法の基本的な枠組みは維持することとしております。
 そこで、十八歳及び十九歳の者の法律上の位置付けに関しましては、引き続き少年法の適用対象とした上で、特定少年として十七歳以下の少年とは異なる特例を定めることが適当であると考えたものでございます。
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山下雄平#7
○山下雄平君 先週の参考人質疑でお越しいただいた東京大学の橋爪教授が法制審議会の部会で、十八歳、十九歳の者が成人であるか少年であるかは明確にされておらず、国民一般にとって理解しづらいといった側面は否めないと述べられているとおり、法体系としてすぱっと理解しやすいというわけではないとは思いますけれども、ただ、民法その他の改正を踏まえて権利や責任が変化する中では、私は必要な改正だというふうに思っております。
 その上で、私、以前、新聞記者をしておって、少なからず事件取材をしていた経験から、この法の規定にあります推知報道について中心に質問をさせていただければというふうに思っております。
 少年事件の被疑者を特定する推知報道を禁止する少年法六十一条の規定の意義というのはどこにあるのでしょうか。参考人質疑の中では、実名報道されると後々にも犯罪者として名前が知られて社会復帰が難しくなるという指摘も出ました。ただ、それは成人の被疑者が名前を報じられた場合でも同じだと思います。なぜ少年は罪を犯しても匿名という形で守られるのでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#8
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 推知報道の禁止を定める少年法第六十一条の趣旨は、少年が一般に成長途上にあり、可塑性を有することに鑑み、少年が犯した罪について、その氏名など少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり社会生活に影響を与えるのを防ぎ、その更生に資することにあるとされているところでございます。
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山下雄平#9
○山下雄平君 成長途上、そして可塑性、この点については後の質問で伺おうというふうに思っております。
 この実名報道云々についての実務について少しお伺いしたいんですけれども、報道機関が独自に取材して主体的に判断している面もあると思いますけれども、推知できるような報道をするかどうかというのは、実際は捜査当局の発表、情報提供に依拠しているところが大きいというふうに、私自身、自らの経験からも考えます。
 警察は、少年事件の発表や報道機関への情報提供をめぐり、名前など被疑者少年を特定できる情報を公表するかどうか、どのように判断しておられるのでしょうか。少年法六十一条の趣旨を踏まえて、少年事件では原則として名前などは公表していないというふうに理解してよろしいのでしょうか。警察庁にお聞かせいただければと思います。
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檜垣重臣#10
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、警察では、少年法第六十一条の趣旨を踏まえ、犯罪捜査規範において、少年事件について報道機関に発表する場合においては当該少年を推知することができるようなことはしてはならないことと規定しております。
 少年事件に関わる報道発表につきましては、都道府県警察において、この規定にのっとり適切に対応しているところでございます。
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山下雄平#11
○山下雄平君 適切に対応している、つまりはそうした本人が特定されるような情報は提供されていないというふうに思います。
 では、この少年法改正案が、今回の改正案が施行された場合、警察において少年事件の被疑者氏名などの情報提供の基準というのは変わり得るんでしょうか、お聞かせください。
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檜垣重臣#12
○政府参考人(檜垣重臣君) 一般的に警察の事件捜査は公判請求以前に行われるものでありますので、本法案が成立した場合におきましても、警察における少年事件に係る報道発表の在り方につきましては現状と大きく変わることはないものと考えております。
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山下雄平#13
○山下雄平君 警察においてはこの対応は変わらないということでしたけれども、では、検察においてはどうでしょうか。
 現行法で、十八歳又は十九歳が事件を起こし、検察当局が事件自体を公表すると判断した場合に、十八歳、十九歳の被疑者の名前などを公表することはあり得るのでしょうか。現行法上ではどのように対応されているのか、お聞かせください。
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川原隆司#14
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 検察当局におきましては、事件広報に当たっては、刑事訴訟法四十七条の趣旨を踏まえ、個別事案ごとに、関係者の名誉、プライバシーへの影響及び将来のものも含めた捜査、公判への影響の有無、程度等を考慮し、公表するか否かや、その程度及び方法を慎重に判断しているものと承知しております。
 被疑者、被告人が少年のときに犯した罪につきましては、推知報道を禁止する少年法六十一条の趣旨をも踏まえ、事件自体を公表するか否かを判断し、事件自体を公表する場合にも、被疑者、被告人の氏名、年齢、職業、住居、容貌等により本人を推知することができる事項を含まないように留意しているものと承知しております。
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山下雄平#15
○山下雄平君 当然ながら、現行法上では実名その他は公表しないということだというふうに思います。
 では、今後、少年法改正案が施行された後に十八歳、十九歳が事件を起こして、検察当局が逮捕し、その当該事件自体を公表すると判断した場合に、逮捕時点では被疑者である十八歳、十九歳の名前などは公表しないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
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川原隆司#16
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 先ほどもお答えいたしましたが、検察当局におきましては、被疑者、被告人が少年のときに犯した事件につきましては、推知報道を禁止する少年法六十一条の趣旨をも踏まえ、本人を推知することができる事項を含まないように留意しているものと承知しております。
 改正法の施行後も、公判請求前には、推知報道を禁止する少年法六十一条の趣旨をも踏まえ、現行法の下と同様に、被疑者、被告人の氏名、年齢、職業、住居、容貌等により本人を推知することができる事項を含まないように留意していくものと思います。
 以上でございます。
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山下雄平#17
○山下雄平君 それでは、改正案施行後は、起訴時点での対応はどのようになるんでしょうか、名前を含めて検察当局側から公表することもあり得るんでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#18
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 御質問は改正後の検察当局の運用ということでございますのでちょっと一概には申し上げられないところでございますが、一般論として申し上げれば、本改正により、十八歳以上の少年のときに犯した罪により公判請求された後は、少年法六十一条が適用されないこととなった場合には、検察当局において、個別事案ごとに、先ほど申し上げた諸事情のほか、本改正の趣旨を踏まえつつ、少年の健全育成、更生が不当に妨げられることのないよう、公表するか否かや、公表する事項及び方法を適切に判断するものと考えております。
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山下雄平#19
○山下雄平君 起訴時点では、対応については考慮して、つまり公表する可能性もあるということだというふうに思います。
 ここからは、推知報道禁止の規定の実効性であったり効力について伺えればというふうに思っております。
 ネットのない時代では、事件について多くの人に情報を提供できるというのは報道機関、マスコミだけだったと思いますけれども、このネット全盛の時代では、今は誰もがそうした情報をいろんな人に公表することができる世の中になってしまいました。
 少年法の推知報道禁止の規定は、報道機関による報道と同様に、個人によるネットによる発信についても対象となるのでしょうか、この推知報道禁止の効力について、報道と個人では効力に違いがあるんでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#20
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 少年法第六十一条は、家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者について、当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならないと規定しておりまして、文言上はいわゆる紙媒体の出版物への掲載を禁止するものとなっております。
 もっとも、少年法第六十一条の趣旨は、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり少年の社会生活に影響を与えることを防ぎ、その更生に資することにあるところ、紙媒体の出版物への掲載以外の方法によるものであっても、インターネット上で本人であることを推知させる情報を流布する行為はこのような趣旨に反するものであり、同条による禁止の対象に含まれると考えております。
 また、少年法第六十一条は主体を限定していないことから、報道機関であるか個人であるかにかかわらず同条の適用対象となり、法的効果にも違いはないと考えるところでございます。
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山下雄平#21
○山下雄平君 条文上はいわゆる紙媒体について前提で書かれているけれども、インターネットでのそうした個人による配信などについても対象になると。そしてまた、その禁止規定の効力について、個人であるか報道機関であるかは効力に違いはないということでした。
 それではまず、報道機関について、報道機関が少年の実名を報じるなど、この六十一条に違反した場合、推知報道禁止には罰則規定はありませんけれども、報道機関に対して、そういった違法行為を犯した場合、捜査機関としてはどのように取り締まるんでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#22
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、少年法第六十一条につきましては、違反行為に対する罰則は設けられておりません。そのため、この違反を理由として捜査や刑事処分が行われることはございません。
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山下雄平#23
○山下雄平君 報道機関への刑事処分はないということでしたけれども、では、個人が被疑者少年の実名をネットでさらした場合に刑事的な責任は問えるのでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#24
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 先ほども答弁申し上げましたとおり、少年法第六十一条には違反行為に対する罰則は設けられていないため、個人でありましても同条の違反を理由として刑事責任を問うことはできないところでございます。
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山下雄平#25
○山下雄平君 個人であれ報道機関であれ、六十一条違反、推知報道禁止違反をしたとしても刑事的な責任は問えないということでした。
 では、これ、報道機関、個人の別に問わず、少年法六十一条、いわゆる推知報道禁止を違反したことをもって民事で賠償責任というのは問えるんでしょうか、お聞かせください。
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川原隆司#26
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 少年法第六十一条に違反する行為が直ちに民法上の不法行為を構成するかにつきましては様々な考え方があると承知しております。
 例えば、同条違反の報道は少年に対する人権侵害行為として特段の事情がない限り不法行為に当たるという考え方がある一方で、同条は少年のとき罪を犯した者に実名報道されない権利を与えるものではなく、同条の違反は当該報道が不法行為に当たるか否かの判断に当たって一事情として考慮されるという考え方もあるところでございます。
 いずれにいたしましても、少年法第六十一条に違反する行為が民法上の不法行為を構成する場合には、行為者は損害賠償責任を負うものと考えられるところでございます。
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山下雄平#27
○山下雄平君 直ちに責任を問えるかどうかというのは、その事象についてと、またいろんな考え方があるということで、問える場合もあれば問えない場合もあるということでしたけれども。
 では、実名報道による不法行為が成立するかどうかを判断する際に、全国紙などの新聞であったりテレビがニュースで報道する場合と個人がインターネットの掲示板に書き込むなどの場合では、行為の性質の違いがそうした判断の中で考慮されるのかどうか、お聞かせください。
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小出邦夫#28
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 少年被疑者の実名の公表につきましては、一般に、名誉毀損又はプライバシーの侵害に基づく不法行為が成立するかどうかが問題になると考えられます。
 名誉毀損につきましては、判例上、その行為が公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的でされた場合において、摘示された事実がその重要な部分において真実であることの証明があるとき又はその証明がなくても行為者が真実と信ずるについて相当の理由があるときは不法行為は成立しないとされております。
 最終的には個別の事案における裁判所の判断に委ねられることにはなりますが、これらの要件の該当性の判断におきまして、報道やネットの書き込みといった行為態様、またその目的等のそれぞれの行為の性質の違いが考慮されることはあり得ると考えられます。
 また、プライバシー侵害につきましては、判例上、その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較考量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立するとされております。
 この点についても最終的には個別の事案における裁判所の判断に委ねられますが、この比較考量において、公表された情報の内容や情報伝達の範囲などのそれぞれの行為の性質の違いが考慮されることはあり得ると考えられるところでございます。
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山下雄平#29
○山下雄平君 報道とネットの性質の違いが考慮されることはあり得ると。
 つまり、個人の勝手な書き込みの方が不法行為が成立しやすいということだというふうに思いますけれども、だからといって、個人だから必ず民事で責任が問われるわけではない、確実に問えるかどうかというのは分からないということで、個人によるネットでの被疑者情報の公表について一律に責任が問えないのであれば、今後もネットによる情報の流布が起きる可能性があります。これはまた、法務省だけじゃなくていろんな、総務省含めいろんなところで手だてをしていかなければならないと思いますけれども、現状としてそういう可能性が今後もあるということは我々頭に置いておかなければならないと思いますけれども。
 ネットで被疑者が特定されて、広く、そうしてその情報が流布されたとしても、報道機関に対する推知報道禁止の規定というのは効力を持ち続けるというふうに考えてもよろしいんでしょうか、お聞かせください。
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