運輸及び交通委員会

1947-12-06 衆議院 全164発言

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会議録情報#0
昭和二十二年十二月六日(土曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 佐伯 宗義君 理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      重井 鹿治君    島上善五郎君
      館  俊三君    原   彪君
      堀川 恭平君    矢野 政男君
      山崎 岩男君    内海 安吉君
     岡村利右衞門君    高橋 英吉君
      飯田 義茂君    木下  榮君
      前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 北村徳太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   有田 喜一君
        運輸事務官   牛島 辰彌君
 委員外の出席者
   議員 伊藤 郷一君 議員 坂東幸太郎君
   議員 寺本  齋君 議員 足立 梅市君
        運輸事務官   川村 二郎君
        運輸事務官   大見 正雄君
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  成威君
    ―――――――――――――
十二月五日
 船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)(第一四七號)
の審査を本委員會に付託された。
十二月五日
 水澤・花泉間及び高田・瑞山間國營バス運輸開
 始の請願(淺利三朗君外三名紹介)(第一三五
 〇號)
 中込、高崎間鐵道敷設の請願(井出一太郎君外
 二名紹介)(第一三六一號)
 釧路、北見相生間鐵道敷設の請願(伊藤郷一君
 外四名紹介)(第一三六八號)
 前澤、高田間國營バス運輸開始の請願(淺利三
 朗君紹介)(第一三八五號)
 中河村下河端に停車場設置の請願(坪川信三君
 外一名紹介)(第一三八六號)
 木材の輸送増強に關する請願(圖司安正君外二
 名紹介)(第一三九二號)
 山田線電化竝びに改良工事施行の請願(淺利三
 朗君紹介)(第一三九七號)
 青森、三厩間鐵道敷設の請願(山崎岩男君外一
 名紹介)(第一四一〇號)
 石巻、雄勝間國營バス運輸開始の請願(内海安
 吉君紹介)(第一四三五號)
 石川、豐間間國營バス運輸開始の請願(小澤專
 七郎君外一名紹介)(第一四四一號)
 富岡・平谷間竝びに富岡阿瀬比間國營バス運
 輸開始の請願(岡田勢一君外四名紹介)(第一
 四七〇號)
 小川郷、川前兩驛間に停車場設置の請願(齋藤
 晃君外一名紹介)(第一四八五號)
 岩内町に測候所設置の請願(椎熊三郎君紹介)
 (第一五〇四號)
 魚成橋、野村間國營バス運輸開始その他に關す
 る請願(井谷正吉君外二名紹介)(第一五一〇
 號)
の審査を本委員會に付託された。
十二月四日
 三田山崎町間省營自動車開設に關する陳情(第
 六〇五號)
 奧羽本線神町米澤間竝びに仙山線仙臺山形間の
 電化に關すを陳情(第六三四號)
 九・四連絡航路に對し民營事業強化に關する陳
 情(第七〇七號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)(第一四七號)
 一 海運國家管理法制度定に關する請願(正木
 清君紹介)(第二七號)
 二 長岡鐵道買收に關する請願(清澤俊英君外
 三名紹介)(第四九號)
 三 人吉市より三路線に國營バス運輸開始の請
 願(福永一臣君紹介)(第五九號)
 四 要田村に停車場設置の請願(山下春江君紹
 介)(第六三號)
 五 鐵道運賃値上を國會に付議その他に關する
 請願(相馬助治君紹介)(第六四號)
 六 濱田、今福間鐵道速成の請願(木村小左衞
 門君外三名紹介)(第六五號)
 七 南廣信號所を一般驛に昇格の請願(世耕弘
 一君紹介)(第六七號)
 八 三國線を三國港まで運轉延長の請願(坪川
 信三君紹介)(第七四號)
 九 大野、白鳥間國營自動車運輸開始の請願(
 長谷川政友君外一名紹介)(第八四號)
 一〇 浦幌、本別間國營バス運輸開始の請願(
 森三樹二君紹介)(第九八號)
 一一 山陰線經由東京、下關間直通列車運轉の
 請願(庄司彦男君外三名紹介)(第一九〇號)
 一二 新庄より金山・眞室川・酒田・余目・清
 川・八向を經て新庄に通ずる國營トラツク運輸
 開始の請願(圖司安正君紹介)(第二〇〇號)
 一三 木原線全通工事施行促進の請願(片岡伊
 三郎君紹介)(第二二七號)
 一四 舊鶴見臨港鐵道外三鐵道拂下に關する請
 願(金光義邦君外二名紹介)(第二三〇號)
 一五 大垣、垂井兩驛間に簡易停車場設置の請
 願(武藤嘉一君紹介)(第二三七號)
 一六 柏崎驛附近鵜川鐵橋等の徑間擴張工事施
 行の請願(田中角榮君紹介)(第二六四號)
 一七 山陰線餘部鐵橋補強修理施行の請願(庄
 司彦男君外三名紹介)(第二六七號)
 一八 鐵道運賃の學生優待に關する請願(佐々
 木更三君紹介)(第二六八號)
 一九 幸崎・中判田兩驛間に國營自動車運輸開
 始の請願(安田幹太君紹介)(第二七三號)
 二〇 博多、壱岐對馬間國營連絡航路開始の請
 願(本田英作君外一名紹介)(第二八二號)
 二一 鐵道運賃の學生優待に關する請願(正木
 清君紹介)(第三〇七號)
 二二 愛冠簡易停車場を一般驛に昇格の請願(
 伊藤郷一君紹介)(第三一七號)
 二三 足寄、阿寒湖畔間國營バス運輸開始の請
 願(伊藤郷一君紹介)(第三一八號)
 二四 北陸線電化促進の請願(坪川信三君外二
 名紹介)(第三二六號)
 二五 松戸、水戸間電化促進の請願(原彪君外
 二名紹介)(第三二七號)
 二六 納田終、鶴ヶ岡間の道路を國營バス運行
 路線に認定の請願(坪川信三君紹介)(第三三
 〇號)
 二七 舊小倉鐵道拂下に關する請願(長尾達生
 君外二名紹介)(第三三八號)
 二八 松戸、水戸間電化促進の請願(原彪君外
 九名紹介)(第三三九號)
 二九 鐵道運賃の學生優待に關する請願(松本
 淳造君紹介)(第三四〇號)
 三〇 連合軍の拂下げ自動車による國營自動車
 運營に關する請願(堀川恭平君紹介)(第三六
 一號)
 三一 天鹽沿岸鐵道速成の請願(坂東幸太郎君
 紹介)(第三六七號)
 三二 直方、福岡間國營バス運輸開
 始の請願(淵上房太郎君紹介)(第三七〇號)
 三三 松本よりの二路線に、明科よりの二路線
 に、及び山清路・上田間に國營バス運輸開始の
 請願(増田甲子七君紹介)(第六三七號)
 三四 大糸線全通促進の請願(増田甲子七君紹
 介)(第九三一號)
 三五 甲府・鹽尻間、鹽尻・名古屋間及び鹽尻
 ・長野間電化促進の請願(増田甲子七君紹介)
 (第九三九號)
 三六 常野線を水戸まで延長の請願(葉梨新五
 郎君紹介)(第九七二號)
 三七 水戸、波崎間竝びに鹿島、佐原間國營バ
 ス運輸開始の請願(葉梨新五郎君紹介)(第九
 七五號)
 三八 常野線を水戸まで延長の請願(葉梨新五
 郎君紹介)(第一〇〇八號)
 三九 水戸、波崎間竝びに鹿島、佐原間國營バ
 ス運輸開始の請願(葉梨新五郎君紹介)(第一
 〇〇九號)
 四〇 水戸・波崎間竝びに鹿島・佐原間國營バ
 ス運輸開始の請願(葉梨新五郎君紹介)(第一
 〇一六號)
 四一 甲府・鹽尻間、鹽尻・名古屋間及び鹽尻
 ・長野間電化促進の請願(増田甲子七君紹介)
 (第一〇五二號)
 四二 大糸線全通促進の請願(増田甲子七君紹
 介)(第一〇六五號)
 四三 大樹、豐頃間國營バス運輸開始の請願(
 高倉定助君紹介)(第一一七六號)
 四四 長野原、嬬戀間鐵道敷設の請願(中曽根
 康弘君外一名紹介)(第一一八九號)
 四五 千葉、成東間電化促進の請願(片岡伊三
 郎君外二名紹介)(第一二一八號)
 四六 東川六手村花見に停車場設置の請願(増
 田甲子七君紹介)(第一二二〇號)
 四七 三笠町彌生に停車場設置の請願(岡田春
 夫君紹介)(第一二三一號)
 四八 佐原、山倉間國營バス運輸開始の請願(
 寺島隆太郎君紹介)(第一二四二號)
 四九 釜石線全通促進の請願外二件(志賀健次
 郎君外七名紹介)(第一二四六號)
 五〇 犬飼、佐伯兩驛間に國營バス運輸開始の
 請願(梅林時雄君紹介)(第一二五〇號)
 五一 苫前、瀧ノ上間鐵道の敷設の請願(坂東
 幸太郎君紹介)(第一二五九號)
 五二 東鹽尻信號所を一般驛に昇格の請願(増
 田甲子七君紹介)(第一二六〇號)
 五三 大糸線全通促進の請願(増田甲子七君紹
 介)(第一二六一號)
 五四 瑞浪、深澤間鐵道敷設の請願(長谷川俊
 一君紹介)(第一二六三號)
 五五 釜石線全通促進の請願(志賀健次郎君外
 七名紹介)(第一二七〇號)
 五六 大澤假停車場昇格の請願(神山榮一君紹
 介)(第一二八五號)
 五七 富山港線拂下に關する請願(鍛冶良作君
 紹介)(第一三〇五號)
 五八 大糸線全通促進の請願外一件(増田甲子
 七君紹介)(第一三一四號)
 五九 甲府・鹽尻間、鹽尻・名古屋間及び鹽尻
 ・長野間電化促進の請願外一件(増田甲子七君
 紹介)(第一三一五號)
 六〇 荒尾市増水に停車場設置の請願(寺本齋
 君外一名紹介)(第一三二九號)
 六一 右左府、御影間鐵道敷設の請願(山中日
 露史君外三名紹介)(第一三三四號)
 六二 網代驛の驛名變更反對の請願(足立梅市
 君紹介)(第一三三九號)
 實地調査委員報告の件
    ―――――――――――――
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正木清#1
○正木委員長 會議を開きます。
 昨五日本委員會に付託されました船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案を議題に供します。まず政府よりその提案理由の説明を聽取します。
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有田喜一#2
○有田政府委員 それでは私から船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案の提案の理由について説明申し上げたいと思います。
 舊憲法のもとにおきましては、いわゆる舊察命令といたしまして、法律の委任に基かないで、命令をもつて獨立に國民の權利を制限し、義務を課することができたのでありまして、また罰則につきましては明治二十三年法律第八十四號「命令ノ條項違反ニ關スル罰則ノ件、」こういう法律の委任に基きまして、特定範圍の科罰を命令をもつて規定したおつたのであります。これらの命令はそれぞれ新憲法の施行とともに、ただちにかつ當然にその效力を失うべきはずのところ、一般的經過措置として本年四月法律第七十二號日本彪憲法施行の際、現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律によりまして、本年十二月末日まで法律と同一の效力を有するものとして存續するものとせられておるのであります。ところで船舶法及び船舶安全法の關係省令の中には、右に該當する條項が相當ございますが、いろいろと檢討の結果、これらはいずれも明年一月一日以降におきましても存續せしめる必要がありまするので、これらを法律に直接規定し、または法律に委任の根據を設ける等の措置を講ずることといたしました。これがこの法律案を提出するおもなる理由であります。なおこれを機會に現下の經濟事情等に鑑みまして、罰則のうちで財産刑の限度を引上げる必要があるのであります。また舊刑法または舊地方制當時の條文の字句を改めることといたしたいと思うのであります。これがこの法律の改正の要點でございます。以上簡單にこの改正法律案の提案理由を御説明申し上げました。會期切迫の折柄でありまするが、ただいま申し上げました通り、この改正法律は明年一月一日から施行する必要があるのでございますから、どうか速やかに御審議の上、御可決あらんことを念願してやまない次第でございます。
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正木清#3
○正木委員長 これより質疑にはいります。質疑はこれを許します。――ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
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正木清#4
○正木委員長 速記を始めてください。
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内海安吉#5
○内海委員 ただいま懇談の粉式で承つたのですが、罰金の規定は、經濟界あるいはやみ値等を考えられて、そして法律としてこれをきめるというのでありますが、大體政府のやり方は罰金税といつたような、むしろ罰金をもつて税と考えているような傾向があるようであります。健全財政と言つておりますけれども、一方の農業生産調整法のごとき、一萬圓以下の罰金に處すなんといつたような規定を設けて、そして政府の財源にあてているというような傾向がずいぶんあります。ただいまの御説明によると、二十五圓以下の罰金に處すというのを、一躍一千圓以下の罰金に上げる、その法的根據としては、やみや現在の經濟界の情勢に應じてやるのだというようなことは、あまりにもこれは立案の基礎として當を得ないと思います。あまりにも杜撰じやないかと思います。いやしくも法律としてきめてこれを國民全體に強いようとするならば、もつと根據あることでなければならぬと思うのでありますが、この點に對して政府の詳細なる御説明を承りたい。
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有田喜一#6
○有田政府委員 實は罰金の問題につきましては、われわれは經濟界の最近の物價勝貴という點についてはもちろん考慮いたしておりますが、やみとか何とかいうことに對しましては全然そういうことは考えておらないのであります。御承知の通り船舶法というものはずいぶん古い法律でございまして、最近の公定價格の値上りを見ましても四十倍あるいは五十倍ということはざらにあるのであります。この罰金は十倍、最高のものが四十倍というようなことを考えているのでありまして、決してわれわれは今日の物價の情勢に鑑みましてこの罰金をもつて高いとは考えておらないのであります。ましてや政府が罰金をもつて歳入財源に考えているというようなことは絶對にないのであります。われわれはこの法の勵行、法治國として法律を嚴守する、それについてはやはり相當の罰金をもつて臨まないと、圓滑にこれが遂行できない、こういう見地からこの罰金刑を定めて、政府といたしましてはこれをもつて不當とは考えていない次第であります。どうかあしからず御了承願います。
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内海安吉#7
○内海委員 經濟界のそのときどきの動きによつて罰金の範圍をきめるということは、どうもただいまの説明に承服できないのであります。そうだとあれば、ひとり船舶法のみでなく、刑法においても、その他の法令においても、この罰金の額をみな釣り上げていかなければならぬ詰果になるかと思うのであります。經濟界の動きとにらみ合わせて、こういうような、しかも四十倍もの多額の罰金刑を科するということは、どうしても私は承服できないのであります。もう一遍この點について政府委員の御答辯をいただきたいと思います。
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有田喜一#8
○有田政府委員 實は罰則の問題は司法省とわれわれと連繋をとつてやつているのでありますが、司法省の見解によりますと、最近の法律につきましては、ほとんど一樣に一萬圓を限度といいますが、最高としてやつている、その一般の法律改正の趣旨をくみましてかように考えたのであります。
 なお一つの誤解があるようでございますが、この二十一條の千圓以下の罰金、この罰金は實は「前項ノ命令ニハ必要ナル罰則ヲ設クルコトヲ得」といいまして、命令によつて罰則規定を設けることになつておる。ただ法律には命令に委任しておるのだが、その罰金は千圓を超えてはいかふと法律によつて制限されているのでありまして、この點は命令において適當に措置するというので最高を、法律で抑えて、二十二條以下は法律によつて一萬圓以下ということになつておりまして、その裁判の認定によつていかにするかということをきめる。二十一條方では省令によつてきめる、しかしそれは法律によつて、千圓を超えてはいかぬという制限を受けておる。かように考えておるのであります。
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内海安吉#9
○内海委員 そうしますと、こういうように考えてよろしいでしようか。もしも物價が下落した場合には、またこの罰金の額を改正する御意思があるのでありますか。
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有田喜一#10
○有田政府委員 その問題はおそらく司法當局におきまして全般的な問題としてお考えになることと思いますが、私の見解といたしましては、もちろん非常なる經濟界の變動があるならばともかくとして、普通の場合は最高額をきめておるだけでございますので、おそらくそのときの認定によりまして、以下でございますから、過大に失しないように、一方において法律の遂行の圓滑を期していつて、適當な罰金刑が科されるものと私は了解いたしております。
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高橋英吉#11
○高橋(英)委員 私も内海君と同樣な見解をもつておるのですが、經濟界の變動で罰則の金額が常に變動するということになると、これは刑罰の本質に反することになるのであつて、ただ經濟界の著しい變動が、ある程度罰金の額に、刑罰の輕重に影響しないでもないと思いますけれども、今日のような混亂時代において、ただちにこの混亂時代の經濟界の尺度をもつて刑罰の標準とするということはどうかと思うのであります。殊にこの刑罰は、要するに手續違反的のものであつて、あるべくこれは形式的な刑罰でよいのではないかと思うのであります。現に新しい刑法の改正案でも、一萬圓以下というような罰金はおそらくないと思う。將來根本的な刑法が改正された場合においては、あるいはそういう金額になるかもしれませんが、現在のところはそういうことはないのであります。從つて何もこういう粉式的な手續違反みたいなものに對してそう新しい罰則のさきがけをして高額の罰金刑に改正するというのは私どもはどうかと思うのであります。なお二十一條の命令であらためて罰則がつくられることになつてはおりますけれども、しかし結局は根本法が千圓以下ということになつておるのであつて、千圓とれることになつておるのでありますから、命令においてやはり千圓以下ということにやる得るのでありまして、これは今の長官の御説明は、こういう問題に對する本質的な説明にはならないと思うのです。法律の適用はむろん情状によつて、必ずしも最高刑を科すべきものではないし、いろいろそのときに臨機應變の、最も妥當な判決があるはずでありますけれども、いやしくもそれ以上の刑罰を科してはいけない、これ以下の刑罰を科してはならないという刑罰の尺度を定めまする以上は、どうしてもその尺度を定めることが問題になるのでありますから、千圓という最高額をここに規定するのが適當であるかどうかということをむろん問題にしなければならないのでありまして、必ずしも千圓科するのではないからという、運營の面における問題によつてこの問題を解決しようということになれば、すべての刑罰なんか、死刑以下ということにしておつても、死刑にすることはないのだからということになるのですから、それはちよつと本質的な説明にはならないと思うのです。そういう意味においていま少しく罰金額を減刑される意思はないかどうか、絶對的なものであるかどうか、その點お伺いしたいと思う。
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有田喜一#12
○有田政府委員 最近の法律による罰金刑につきましては、おそらく私よりも皆さんの方がよく御承知だと思いますが、私の記憶するところにおいて誤りなかりせば、最近の法律の、かような程度の罰金刑というものは、おそらく全部一樣に一萬圓以下ということに相なつておるように記憶しておるのであります。ましてや船舶法は明治當時にできたる法律でありまして、決してこの罰金をもつて私は過大とは考えておらないのであります。
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前田郁#13
○前田(郁)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、船舶を沒收するということはたいへん重大なことでありまして、この書類を拜見しますとどこにも第三條の規定が書いてないのでありまして、その内容がはつきりわからないのでありますから、一應この三條の規定を御説明願いたいと思います。
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大見正雄#14
○大見説明員 第三條は先ほどお讀みいたしましたけれども、一般に外國船がわが國にはいりますのには特定の開港場でなければ入港できないことになつており、日本船舶だけはいずれの港にもはいり得ることになつております。そこで船舶法上、執本船舶とされていない船が不開港場に寄港することは一般的には禁止されておりまして、特定の場合にだけ許されているというのが現在の制度であります。しかしその禁を冒して日本船舶でない船舶が不開港場に寄港した場合に所定の罰則を科するというのが第三條の規定の内容でございます。
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内海安吉#15
○内海委員 罰金刑の増額につきまして先ほど有田長官の御説明がありましたが、日本の經濟界の現状に見て、省令事項に屬する二十五萬以下の罰金を一千圓にすることは差支えない。また二十二條の規定を見ますと、これはまた二千圓以下の罰金というものを一萬圓に上げておる。すべてがこの率によつて罰金刑が増額されておるのであります。現在の日本のごとき經濟界から見れば、このくらいなことは何でもないとおつしやるのでありますが、政府は大體において官公吏に對し千八百圓ベースを堅持されておる。千八百圓で一箇月とにかく生活ができるものであるということを認めておる。しかるに一萬圓以下の罰金は決して重くないというがごときことは、現在の日本の經濟界の事情とにらみ合わして政府がとつておられる政策と、この罰金刑とが非常に開きがあるように考えられますが、この點についてもう一度確信のある御答辯を望むものであります。
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田中源三郎#16
○田中(源)政府委員 お答えいたします。先ほど海運總局長官よりお答えいたしましたことについて、今日の日本の經濟においては罰金刑の増額はこの程度が妥當であるということについての御質問ですが、それは要するに今内海委員のお述べになりましたことは、現在の國民生活の限度において刑罰の量は異なるべきだというふうに解釋いたすのであります。量刑の問題と國民生活の問題とは、あるいは御説のごとく關連を有しておる點もございますが、おのずから法の建前がございまして、單に國民經濟の面をもつてのみ刑の量定をいたすというわけのものではないのであります。從つて今の面から考えてみまする場合には、千八百圓ベースを政府は堅持しておるから、この辺中の面において一萬圓に改めるということについて考えてみますならば、この量の面から言つて私は決して當座は不當でないと考えておるのであります。從つてこれは申すまでもなく、特幣の金額の面から考えて――物の價値量の面から考えてみまして、物價指數の上において、今後の經濟上において當然これくらいのいわゆる罰金を引上げるということについては何ら私どもは差支えない、そういう觀點に立つておりますので、その邊を御了承願いますれば、おのずから判明していくのではなかろうかと存じます。
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内海安吉#17
○内海委員 ただいま田中政務次官からの御説明でありますが、先刻有田長官の御説明では日本の現下の經濟界がこうであるから、かく罰金刑を増額したものかどうかという説明であつたので、それについての確信を承つたようなわけで、ただいまの田中政務次官の御答辯とはまた全然別な意味で御質問しておつたものですから、どうぞその點を御了承願つて、もう一遍有田長官の御説明を承りたいと思います。
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有田喜一#18
○有田政府委員 この罰金の金額を引上げましたことにつきまして、私は今日の貨幣價値の點から申しまして、二千圓ということは低きに過ぎるということを申し上げた。しかしこれが千八百圓ベースとかそういうものと關連があるというような考えではないのでありまして、やはり刑は刑の量定という見地から臨むべきである。こういう見解から言とておる。ただ先ほども言いますように、船舶法は明治時代の法律であります。その當時において二百圓の當時の貨幣價値から言えば相當の重い負擔だつたと思う。今日の貨幣價値から比べまして、一萬圓ということはそれほど高きに失しないということの御説明を申したのであります。その點をお含み願いたいと思います。
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正木清#19
○正木委員長 この程度で質疑は終了するに、御異議はありませんか。――異議がなければ、本法案に對する質疑は終了いたします。
 これより討論に入るのでありますが、この際討論を省略してただちに採決いたし差支えございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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正木清#20
○正木委員長 それではこれより採決にはいります。原案に贊成の諸君の起立を願います。
    〔總員起立〕
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正木清#21
○正木委員長 起立總員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は委員長一任に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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正木清#22
○正木委員長 ではさようにいたします。
 なお法律中に若干字句の誤謬があるそうでありますから、字句の修正は委員長に御一任を願いたいと思います。いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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正木清#23
○正木委員長 これより請願の審査にはいりますが、その議決は後日に讓ります。日程の順序を變更して日程第三一、天鹽沿岸鐵道速成の請願、坂東幸太郎君紹介、文書表番號三六七號を議題といたします。坂東幸太郎。
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坂東幸太郎#24
○坂東幸太郎君 日程三一の請願の要旨は北海道苫前郡羽幌町築別より同郡山別村を經て天鹽郡遠別村に至る鐵道豫定線は、昭和十二年より五箇年計畫で完成の豫定であつただ、未完成のまま今日に及んでいる。ついては同地方の炭田の開發、その他の資源開發上重要な路線であるから、速やかに該線を完成されたいというのであります。何とぞ御採擇を願います。政府側の意見を聽取させていただきます。
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田中源三郎#25
○田中(源)政府委員 天鹽沿岸鐵道促進の請願に關する件でございますが、ただいま請願要旨にお述べになりました通り、今後できるだけ速やかに本地方の請願要旨にこたえるべくいたしたいと考えております。しかしながら御承知のごとくに目下資材、財政の面において制約されておりますので、この點が許される限り、請願の要旨に速やかに副いたいと政府は考えておる次第であります。
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正木清#26
○正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
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正木清#27
○正木委員長 日程第二二、愛冠簡易停車場を一般驛に昇格の請願、伊藤郷一君紹介、文書表番號第三一七號。日程二三、足寄、阿寒湖畔間國營バス運輸開始の請願、伊藤郷一君紹介、文書表番號第三一八號。一括議題といたします、伊藤郷一君。
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伊藤郷一#28
○伊藤郷一君 ごく簡單に御説明申し上げます。まず最初の件は網走本線の足寄驛から上利別驛に至る間は十四キロであります。今その間に愛冠驛という假驛がありますが、その一帶には現在農家が二百六十五戸ありまして、本年度さらに入植者が約千二百戸を算することになつております。愛冠國民學校竝びにワシツプ國民學校がありまして、附近の農産物は麥、燕麥、亞麻、大豆、馬鈴薯、ビート、かぼちや、數量は略しますが、厖大な農産物が出るのであります。ここに現在驛員ただ一名を有するところの假驛があるのでありまして、附近の住民ははなはだ不便を感じておるのでありまして、どうか本驛に昇格させていただきたいという請願であります。
 次の足寄、阿寒湖畔間の國營バス運輸開始の請願がありますが、この釧路の足寄村の戸數八百戸のうち鐵道の便に俗しておる地はわずか十四戸でありまして、あとの八百戸近いものは何ら交通の利便に俗していない。この足寄驛から阿寒湖畔に至るところの十一里の間に國營バスを運轉していただけるならば、國有林の開放、あるいは未利用地の開發に伴うところの歸農者、戰後開拓者等の入植する者が非常に厖大なることになるのでありまして、これら沿線の耕地開拓竝びに阿寒國立公園に觀光客を誘致するということからいたしましても、絶大なる利便があるのであります。これは足寄村民あげての渇望でありますので、何とぞ兩件を採擇あらんことを切望する次第でございます。
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田中源三郎#29
○田中(源)政府委員 ただいま議題に供せられております愛冠簡易停車場を一般驛に昇格の請願でございます。本請願に對して種々ただいまお述べになりましたことは、十分に御同情できるのであります、今後の北海道の開發という點につきましては、できるだけ入植者の利便もはかり、生産物の運送につきましても、できるだけこれに對する輸送量の増強の意味から御要望に副いたいと考えておるのであります。しかしながら一方鐵道の建設竝びに國營自動車の建設につきましては、過般來詳細に目下の政府の實情及び運輸省におきまするところの資材、豫算等の状況及び今後の方針につきまして申し上げましたる通り、資材、豫算面において相當困難なる實態に到達いたしておるのであります。これらの點を考えまして、將來これらが許されるときがありまするならば、でき得る限り調査を速やかにいたしまして、御要望におこたえいたしていきたいと考えておるような次第であります。
 第二點の足寄、阿寒湖畔の國營バス運輸開始に關する請願でございまするが、本地方におきましては民間企業もございませず、まことにお説のごとく速やかなる輸送形態を整うべきはごもつともであると存じます。しかしてこの請願も第九十議會においてすでに採擇されておりまするものでありまして、目下調査をいたしておるような實情であります。早急に請願の趣旨にお副いをいたすということは困難なる實態でございますが、調査の結果漸次今後の資材その他におきましての見透しがつきます事態におきまして、御趣旨に副つていきたいと存じております。
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