地方行政委員会

1955-12-12 衆議院 全78発言

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会議録情報#0
昭和三十年十二月十二日(月曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 大矢 省三君
   理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君
   理事 古井 喜實君 理事 吉田 重延君
   理事 加賀田 進君 理事 門司  亮君
      青木  正君    小澤佐重喜君
      唐澤 俊樹君    川崎末五郎君
      木崎 茂男君    纐纈 彌三君
      櫻内 義雄君    渡海元三郎君
      徳田與吉郎君    灘尾 弘吉君
      森   清君    山崎  巖君
      勝間田清一君    川村 継義君
      北山 愛郎君    五島 虎雄君
      坂本 泰良君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
        国 務 大 臣 太田 正孝君
 出席政府委員
        自治政務次官  早川  崇君
        自治庁次長   鈴木 俊一君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      後藤  博君
        大蔵政務次官  山手 滿男君
        大蔵事務官
        (主計局長)  森永貞一郎君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        財政課長)   柴田  護君
        専  門  員 円地与四松君
    —————————————
十二月十日
 委員井手以誠君及び門司亮君辞任につき、その
 補欠として勝間田清一君及び福田昌子君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月十二日
 委員福田昌子君辞任につき、その補欠として門
 司亮君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事門司亮君委員辞任につき、その補欠として
 同君が理事に当選した。
    —————————————
十二月十日
 市町村道整備費の財源付与に関する請願(野田
 卯一君外七名紹介)(第二二二号)
 合併市町村育成法制定に関する請願(野田卯一
 君外七名紹介)(第二二三号)
 クリーニング業に対する事業税軽減に関する請
 願(松田竹千代君紹介)(第三一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
  理事の互選
 昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案
 (内閣提出第五号)地方交付税法の一部を改正
 する法律案(門司亮君外九名提出、衆法第一号)
    —————————————
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大矢省三#1
○大矢委員長 これより会議を開きます。
 まず理事の補欠選任についてお諮りをいたします。理事でありました門司亮君が去る十日委員を辞任せられましたので、理事の補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例に従って委員長より指名することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大矢省三#2
○大矢委員長 御異議がなければ、従前の通り理事には門司亮君を御指名いたします。
    —————————————
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大矢省三#3
○大矢委員長 次に門司亮君外九名提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題として、提案者より提案理由の説明を聴取いたします。門司君。
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門司亮#4
○門司委員 ただいま議題になりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして御説明をいたしたいと思います。本来なら説明の要旨を御配付申し上げますことが順当でございますが、大体皆さんも十分おわかりになっている内容だと思いますので省略させていただきまして、口頭で申し上げることによって御了承を得たいと思うのでございます。
 この法律案の内容は、現在の地方交付税の第六条中の「百分の二十二」とありますものを「百分の二十七」に改めるということでございます。なおこの法律の実施は交付の日から施行いたしまして、昭和三十年度分の地方交付税から適用する、こういうことになるのでございます。さらに交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和二十九年法律第百三号)の一部を次のように改正するのでございます。
 この第四条中の「百分の二十二」を「百分の二十七」に改めるというのでございます。
 提案いたしました最も大きな理由といたしましては、御承知のように地方財政の憂慮すべき現状にかんがみまして、毎年度分として交付すべき地方交付税の総額を増額する必要があると認めたからでございます。すでに皆さんも御承知のように、昭和三十年度の地方の財政状況を見て参りましても、財源不足と思われるものが、いろいろの見方はございますが、たとえば地方における財政調査会、いわゆる地方財政調査会の調査等の内容を見て参りましても、不交付団体並びに交付団体を入れて参りますと、全額大体六百八十億ないし九十億、約七百億に近い財源不足があると言われておりますし、さらにこれを交付団体だけに見て参りましても五百四億という数字が一応出ておるのでございます。しかしこの数字は必ずしも全部これが財源不足であるかということ等につきましては、多少異論もあるかと思うのであります。その中には少くとも二百億あるいは二百七十億と言われておりますような地方公務員の給与の問題等が含まれておりますが、しかしこの給与の問題は実質的にはまだその差額がどういう形で処理さるべきであるかということについては、いろいろ給与の実態調査等に待たなければならないということも考えられるとは思います。しかし現実の問題としては、地方ではこれを給与していることに間違いがないのであります。従って現段階におきましてはやはりそれらのものも全然勘案しないわけには参りませんので、従ってこれらを勘案いたして参りますと、少くともこの法案で増額されますものが、ちょうど三百十二億ぐらいになると思います。そのくらいの財政処置はぜひ本年度交付団体分としてなさなければ、地方財政の今日の窮状を打開することはできないと私は思います。これは政府もお考えになっておりますように、昭和三十一年度の財政計画の上において、地方財政の完璧を期しようといたしますには、少くとも本年度においてこのくらいの財源処置をしておきませんと、結局赤字というか、財源不足を持ちながら三十一年度の完全なる計画は立ち得ないと私ども考えておりますので、こういう提案をいたした次第でございます。
 なお交付団体、不交付団体を通じて本年度の財政不足分として考えられますいわゆる期末手当の問題が出て参ります。これは新たなる一つの処置でございまして、国が法律をもって〇・二五の期末手当の増額をきめました以上は、地方の公共団体におきましてもこれに準ずるということが当然でございまして、従ってこれからくる地方の新たなる財源所要額の五十八億あるいは五十一億とも言われますが、いずれにいたしましても五十億をこえます額がさらに必要になるかと存ずるのでございます。しかしこの問題につきましてはいずれ別途新たなる法案を御提示いたしまして御協議を願うことといたしまして、とりあえず本年度の不足額と思われる三百十二億をここに補填していただきたいというのが、本法案を提案いたしました趣旨でございます。
 すでに地方財政の逼迫と今日の窮状には十分御理解とさらに御同情を願っております各位におきましては、おそらく反対はないと私は確信いたしておりますが、なお念のためこの法案に対して皆さんの御賛同を願いまして、すみやかに法案を可決していただきますことをお願いを申し上げまして、本法案の提案の趣旨の説明にかえたいと思うのでございます。
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大矢省三#5
○大矢委員長 本日は説明聴取のみにとどめて質疑は次会に譲りたいと思います。
    —————————————
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大矢省三#6
○大矢委員長 次に昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案を議題とし、前会に引き続き質疑を行います。通告がございますので、順次これを許します。加賀田君。
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加賀田進#7
○加賀田委員 鈴木次長にお尋ねをいたしたいと思いますが、地方公務員に対する増額分として今問題になっております〇・二五ヵ月分の増額の財源の問題ですが、御存じのようにすでに国家公務員の期末手当の増額に対しましては、本日の本会議で衆議院を通過するという段階に立ち至りました。従って地方公務員におきましても〇・二五の問題が、今地方におけるいろいろの交渉の過程を通じて理事者側と問題をかもし出しているという状態です。
 そこで先般の本会議における長官の答弁あるいは本委員会における鈴木次長の答弁等を聞きますと、三十年度に通常国会において何とか財源処置を講じたい。もし困難であれば三十一年度の地方財政の抜本的な改革の中に含めて解決したいという抽象的な答弁でございますが、地方公共団体といたしましては、そういう抽象的な政府の態度に基いてわれわれが将来赤字をさらに累積するような〇・二五の増額を支給することはできないというような態度を現在とっております。従って地方団体では労働組合と理事者側とがいろいろ団交を続けておるという状態であります。そこで自治庁としては三十年度あるいは三十一年度にその財源処置を講ずるという抽象的な話ではなくして、大蔵省とその後具体的な処置に対してお話になったかどうか。もし具体的な処置が明示されないとするならば、今後期末手当は地方公務員としてはいろいろな問題を起すであろうとわれわれは想像するので、それを危惧いたしまして自治庁としてどういう財源処置を講ずるかということを明確にしていただきたいと思います。
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鈴木俊一#8
○鈴木(俊)政府委員 〇・二五の財源措置の問題につきましては、私どもも先般申し上げましたように、その経費の性格上財源措置をしてもらいたいということを強く主張いたして参ったわけでございますが、先般の閣議で決定になりました方針においては、御承知のように、その点はいずれとも義務教育費関係の国庫負担分以外は明らかになっていないわけであります。私どもといたしましてはその後大蔵当局とも話し合いはいたしておりますが、三十一年度の問題については、まだ国の予算の編成方針というものがこれからきまる段階でございますし、それから本三十年度の予算の補正の問題は、今回の百六十億の財源処置に関連をしてこれを行うということは明らかでございますけれども、その際の問題としてどういう問題を見るかということもこれまた明らかになっていないわけであります。事務的にいろいろ折衝をいたしましても、根本のそういう方針に触れる大きな問題でございますので、そういう方針がやはり最終的にきまりますのは、まだ少し時間をかしませんと、今日の段階におきましてそこまではっきりすることは事務的に見ましてどうも少し困難ではないか、こう考えております。ただし自治庁といたしましては、この問題は今後とも引き続いて大蔵省側に、折衝して参りたいという考え方でございます。
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加賀田進#9
○加賀田委員 聞きますると先般来の長官並びに鈴木次長の答弁と何ら変ってないと思いますが、実際問題として地方公共団体は新たに起った財源不足に対して、この赤字累積の現状から捻出は困難だ、従って国家公務員がそういう状態で〇・二五増額されても、地方公務員としては支給することはできないというような態度をとっておる地方団体が相当多いわけであります。
 そこで私はさらにお尋ねをいたしたいのは、そういう状態で捻出不足のところだけ短期・融資をするといっても、短期・融資そのものは将来何らかの裏づけを明確にしなくては赤字の累積になるわけでございます。そこで大蔵省といろいろ折衝努力されていると思いますが、大体その財源処置が明確になるのはいつごろであるか。明確にならなければ地方公共団体としては出すということを明確に言わないというのが現状なんです。だから自治庁としては努力されて、その点が三十年度にはこういう処置を講ずる、あるいは三十一年度ではこういう処置を講じて、三十三億の財源を捻出するというような明確な線が出るのはいつごろか、その点を明らかにしていただきたい。
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鈴木俊一#10
○鈴木(俊)政府委員 御心配の点も十分理由があることと存じますが、今申し上げましたような事情でございまして、しからば、先般来大臣が、三十年度あるいは三十一年度の予算の補正あるいは予算編成の際の問題として解決するよう最善の努力をする、こう言われましたが、その努力の結果はいつ現われるかということは、今ここでちょっといついつまでにと時を限って明らかに申し上げることは非常に困難な事情と考えます。できるだけこれはすみやかにはっきりいたしませんければ、お話のような問題がありまして、地方としては非常にやりにくいと思うのでございますが、政府といたしましては、とにかく資金上必要なる短期融資の措置はする、こういう建前でございまするので、自治庁といたしましては、とりあえず地方がそれぞれの支給の計画を立てまして、それに伴う資金需要がございました場合に、全体の他の財政需要とにらみ合せて、どうしてもこれは必要であるというものにつきましては、大蔵省側に対してとくと協力方を強く要請いたしたい、とう考えておるのであります。
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加賀田進#11
○加賀田委員 短期融資をするといいますけれども、短期融資はやはり年度内に返還しなければならない問題で、実際に地方団体としては、やはり政府がその点を明確にせなくては支払わないと言っているのです。そういう状態が起った場合に、政府としてはどう支払うような努力をするかというような具体的な問題が起ると思うのです。先般もいろいろ話がありましたように、警察におきましては警視正以上は国家公務員と同じように一・五〇もらう、警視正以下の方々は一・二五という現状が起ってくる。あるいは学校の教職員におきましても、半額は政府が支給するといっていますが、これは実際の支出した金額の半額ということになるので、もし地方団体が支給しないといえば、政府としてはそういう半額を支給する必要がないというような現状になってくる。こういう形で地方団体はほんとうに赤字の現状で短期融資をしてもらっても、これは赤字をさらに大きくするだけであって、政府としては今までの地方団体に対する財政上の非常な冷たい態度から、そういう抽象論ではわれわれとしては信用しない。だからもっと早く明確にしてもらえば—地方公務員に対しては一・五〇は支給しょう、こういう態度をとっているのですから、やはり自治庁としては早くその態度を明らかにしなくては、今ようやく国家公務員を通じての労働問題が少し平穏になったのが、今度は労働問題が全部地方に移るという問題が起るわけです。地方の公共団体はそのために非常な混乱を来たして、年末を控えて業務の支障が起ってくるのではないかと、われわれとしては危惧するわけです。そういう意味で、早くそういう明確な財源処置をどうするかということを明らかにしていただきたいと希望いたしまして、私の質問を終ります。
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大矢省三#12
○大矢委員長 北山君。
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北山愛郎#13
○北山委員 この前の委員会で、たしか中井委員からお尋ねがあったと思うのですが、今度の年末手当〇・二五増額分百十八億円によって所得税はどのくらいはね返るか、資料を出してくれという要求をやったわけですが、大体どのくらい所得税がはね返るでしょうか。
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柴田護#14
○柴田説明員 この間御質問のあったのは、私の方の所管でございませんので、大蔵当局に確かめましたが、大体三分の一くらいのものだろう、こういうような返事でございまして、正確な計数は示し得ないような状況にございます。
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北山愛郎#15
○北山委員 三分の一というと、百十八億で三十五億くらいですか。
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柴田護#16
○柴田説明員 ちょっと訂正いたします。大蔵当局の説明では、通常の場合はそれくらいだけれども、大ざっぱな数字が二十五億くらいじゃないか。それで正確な計算は、どのくらい出るのか、具体的には地方公務員の問題等があるものだからわからないけれども、およそ二十五億くらいと考える、こういうことでありました。
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北山愛郎#17
○北山委員 通常の場合には三分の一くらいだが、この場合には二十五億くらいというのはどういうわけなんですか。
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柴田護#18
○柴田説明員 源泉徴収のはね返りの計算上の問題だと思いますけれども、そのくらいじゃないだろうかというような話から大体二十五億程度、こういうことで、その間の経緯は私は詳細存じておりません。
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北山愛郎#19
○北山委員 通常の場合よりもこの際が少いという特別な事情についての御説明がはっきりいたしません。ですが、これはまた大蔵当局の方からお伺いをすることにしますが、ともかくも今度の期末手当の増額についての所得税の増徴増収というものは、国、地方を通じて一応節約ということになれば、既定予算の中からまた歳入の方にこれを振り向けるというか、既定予算の節約によってやるということになれば、歳出の方から歳入を生み出す結果になるわけだと私は思うんです。また同時に地方公務員については五十八億、これの三分の一というと、どの程度になるか計算してみなければわかりませんが、これを政府は財源措置をしないということになれば、これは当然地方財政の苦しい中から国税をそれだけとってしまうという結果になる。少くともこの分は地方団体を国が搾取するというか、そういう結果になると思うんですが、この前もこの点に触れたんですけれども、それが適当であるかどうであるか。こういう点から考えてみましても、地方公務員に対する期末手当の増額の分については、やはり国としても財源措置というものを考えてやる必要があるのじゃないか。何も考えないでおいて、国は節約でやるから地方も節約でやれというて、税金だけは遠慮なくちょうだいするというのは、まことに冷酷な話ではないかと思うんですが、鈴木さんはこの点をどういうふうにお考えですか。
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鈴木俊一#20
○鈴木(俊)政府委員 従来ともベース・アップがありましたり、あるいは期末手当の増額というようなことがありますれば、御指摘のように国はそれの二割五分なり三割なりというものが所得税としてはね返って、当該年度の収入になってくるわけであります。これに反して地方の方は、道府県民税にいたしましても市町村民税にいたしましても、前年所得を基礎にいたしておりますから、来年でなければそのはね返りがない、しかし来年になればそのはね返りはあるわけであります。そのことからして財源措置をすべきであるとか、結果的に事実上国が地方の給与分についてもとるのだから、財源措置をすべきであるという議論には、ちょっと直接にはつながらないのじゃないかと思うのでありますが、ただ国がとういう制度を改正いたしまして、法律上支給できるような建前にいたし、それに対する財源措置は、国も既定経費の節約でいくんだから、地方も既定経費の節約でいってもらいたい、こういうのは一応それ自体の理屈といたしましては、私は一つの理屈だと思うのであります。従ってそういう立て方でいくというならば、これは一応やむを得ないという結論も出てくると思うのであります。そういう意味で閣議決定が行われたわけでございます。ただ非常に地方財政の窮迫の現状において百六十億の手当をしなければ、今年度何としてもやっていけない、こういう情勢のもとにおきまして、さらに制度の改革によって地方に支出を必要とする、こういう事態を生ずるわけでございますから、従ってその財源についてはやはり考えるべきであるというのが、私どもの主張であったわけでございます。しかし国の財政全体としてもとうていそういう余力がない、こういう見解であったわけでございまして、従ってとりあえずの資金的な必要のあるものは満たそう、こういう考え方からとりあえず資金措置をする、こういうことだけがきまったわけであります。その資金措置をしまして、それが財源措置の裏づけがございませんならば、先ほども御指摘がございましたように赤字に転化する危険が多いわけであります。しかし地方といたしましても非常に苦しい中ではございますし、また特殊な団体によってはとうていそういう節約の余地がないというところもあることを私ども存じておりますが、しかし総体といたしますと、地方としましても国がそういう節約で参りますならば、やはりある程度は節約でやっていただかなければならぬと思うのであります。総体から観察いたしまして何としてもこれ以上の財源措置ができず、節約ができず赤字に転化するというようなものがいずれにしても出てくるであろうと思うのでございます。そこで私どもといたしましては、事柄の性質上も地方財政の実態上も、三十年度の予算補正の際、あるいは三十一年度の当初予算の編成の際に、何らかこれが打開の道を開きますように最善の努力をいたしたいというのが私どもの今日の考え方であり、立場でございます。
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北山愛郎#21
○北山委員 このことは単に年末手当の問題ばかりではないと思うのです。地方の給与については御承知の通り政府の地方財政計画と給与の実態とでは相当食い違いがある。かりに四百億食い違いがあるとするならば、政府はその分については何らの財源措置をしないでおいて、その四百億はみ出ておる分についてやはり税金を三分の一くらいに取っておるのでしょう。ですから出すことがいいか悪いかは別として、現実に国税、所得税の方は地方団体の犠牲において取っておるという現実があると私は思うのです。この問題は年末手当ばかりではなくて、政府が財源措置をしないものについて、地方の団体の犠牲において国税をそれだけ増徴しておる。その金額は四百億の三割とするならば百二十億、それだけ年々取っておるのではないか、こういうふうな議論も出てくるので、それについての御意見を承わりたいと思います。
 それからなお節約が可能かどうかという問題になりますけれども、今度の百六十億の配分について、政府は地方財政計画をお直しになった。その際の修正された地方財政計画を見ますと、いわゆる消費的経費の面におきまして当初の地方財政計画の無理な節約というものを若干補正しておるわけであります。緩和しておるわけであります。当初の地方財政計画の節約を要求した額には非常に無理があったので、それを今度の修正によっていくらか緩和しておるのです。そうしておいて今度はまた期末手当についてはさらにその節約額をまたふやせ、こういう結果になって、一向方針が一貫していないのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。この表を見ると、消費的経費の方において八十億ばかりの補正をしておるのですが、その大部分というか、半分くらい、三十六億六千二百万円というのは、旅費、物件費、寄付金等の節約の当初計画を緩和されておるのですから、これによってみると、当初の地方財政計画はこの面においてやはり無理があった。だから今度の百六十億は、これを若干緩和するという措置だろうと思うのですが、もしも今度の期末手当の三十三億というものを節約によってやれということになれば、結局こういうところから出さなければならぬ、一たん直した財政計画をまた修正する場合には、ここの分からまた元に戻さなければならぬということで、まことに矛盾きわまる話だと思うのですが、これについての明確な御答弁を承わりたい。
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鈴木俊一#22
○鈴木(俊)政府委員 第一の先ほどの御議論について重ねてお尋ねがございまして、地方団体が給与の支払いをする、その給与額に対する所得税というものは国が搾取しているのではないか、こういうお話であります。搾取という言葉が果して適当かどうかはわかりませんけれども、とにかく地方団体の職員が給与をもらいますれば所得税を納めるというのは、国の根本の制度でございますから、これはむしろ当然税金として納めなければならぬ一国民としての義務であって、地方公務員であるから特に納めなければならぬというものではないと思うのであります。これは会社の職員でも国家公務員でも一様に納税義務者として納めておりますので、搾取と申しますのは少し言葉がきつ過ぎるのではないかと思います。もちろん納めているのは事実でございますから、その事実を否定するわけではありません。
 それから第二点の節約でございますが、今回の制度は、理論的に申し上げますと、かねて御説明申し上げましたように、各省、各庁の長が〇・二五の範囲内で定めた率のものを増額して支給することができるというのでありまして、これは要するに予算の範囲内でそういうことができるところではやってよろしい、こういう考え方でございまして、地方の場合も要するに今の法律上の制度としては三十年度においては節約をやってやれるところはやってよろしい、こういう建前になっているわけであります。でございますから全体といたしましては、やはりそういう国、地方を通ずる一つの立て方から申しまして、地方の場合におきましても、そういう立て方が地方の場合だけはいかぬ、こういう理論上の理由は出ないのであります。ただ実際問題としては御指摘にもございましたように、確かに苦しいがゆえに百六十億の特別の財源措置をやったわけでございますから、そういう状況に対してもし節約ができないのにやる、あるいは節約ができてもやる、こういうことになりますと、それだけ地方財政として苦しくなるということは、これは御指摘の通りであろうと思います。
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柴田護#23
○柴田説明員 ちょっと訂正をさしていただきます。先ほど国税のはね返りを三分の一と申し上げましたが、これは私の思い違いでございまして、四分の一程度、それで大体二十五億程度、こういうことでございますから、訂正さしていただきます。
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北山愛郎#24
○北山委員 具体的に地方財政計画が今度の期末手当〇・二五増給によってさらに修正される、こういうことをこの前言われたのですが、そうすると大体どういうふうに修正されるのですか。
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鈴木俊一#25
○鈴木(俊)政府委員 今回の制度の建前といたしまして〇・二五を一律支給する、こういう建前で制度を作り、それに対する財源措置を全然していない、こういうことでございますならば、現在の地方財政計画を歳出の面におきまして〇・二五分だけふやしまして、それに対する財源というものは積極的な財源がございませんから、さらにそれに相当する節約を歳出の面において立てる、こういうふうに修正をいたさなければならぬのでございますけれども、今回の制度は先ほど来申し上げますように、あくまでも任意決定で、団体の既定経費の中で任意にきめていく、こういう建前でございますので、従って制度上は国として強制的にやるという格好になっておらぬものでありますから、そこで特に今の建前だけでありますならば財政計画を修正する必要はない、こういうふうに考えております。
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北山愛郎#26
○北山委員 この前の鈴木次長の答弁とちょっと違ってきたのです。この前は確か法律でも正式に国家公務員についての給与法ができれば。そのあとで地方財政計画の修正がされるようなふうな御答弁であったと私は承わっておるのです。しかしそういうふうに地方で任意ということになれば、単独事業などはほとんど任意なのだから、これまた地方財政計画から取ってしまった方がいいのじゃないですか。地方団体が任意でやるようなものは財政計画に載せないという建前ならば、なぜ一体単独事業なんかを財政計画に載せるのですか。大体強制的なものではないにしても、地方団体としてはいろんな事情あるいは権衡上やるようなものを見積って載せるのが、地方財政計画ではないのですか。その単独事業なんかについてと今の問題は違いますか。
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鈴木俊一#27
○鈴木(俊)政府委員 単独事業につきましても、これは一定の標準的な支出額というものを従来地方財政計画においてずっと見てきておるわけでございまして、その標準的な支出額というものを節約するか、あるいは節約を復活するか、こういう問題はこれは国が計画的に、またさらに考えた場合に、これを調整するわけであって、地方団体が任意に単独事業を節約するという場合に、その全部の修正したものを財政計画において落す、こういうことはいたさないのであります。今度の場合でも理論上の建前としては、そういう地方団体が任意に支出するものであるから、従って今回の三十年度の地方財政計画の中には取り入れない、こういう考え方であります。しかし三十一年度以降は恒久的な制度として〇・二五を支給するというふうに明確に制度化し、画一的に処理するわけでございますから、その場合には積極的な財源も考え、歳出の方も当然にその増額分を立てる、こういうふうになろうかと思います。
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北山愛郎#28
○北山委員 それはあまりに法律論といいますか、それだけの考え方であって、鈴木さんみたいに法律の解釈だけで行政をやろうというような人だけが今の政府の部内におるのであったら、これは内政省なんかとんでもない、危険なものになると思う。そういうような頭の人だけで今の中央政府があって、しかも内政省などというものができたならば、これは昔の内務省の再現になってしまうに違いない。これはどこから考えましても、理論的に申しましても、国家公務員において〇・二五の増給をした場合に、地方公務員法第二十四条の規定によって、やはり地方公務員に対しては権衡上地方団体としては同様な措置をとるということが、直ちに直接に義務づけられはしないけれども、これは条理上そうすべきが理論的にも当然なんでありまして、それだからこそ自治庁はこういう措置の場合には、地方団体に対しても同様な、国に準じてやるような措置をとれというように、今まででもやっておられるはずなんです。そういう頭で行政をやっておいでになると私は思っておったところが、今のような御答弁ではまことにこれは、心外なんです。それは一応の理屈であって、それならば閣議決定で地方公務員について一言もしやべる必要はないのです。何も地方公務員のことなどは閣議決定する必要はない。なぜあそこの中に地方公務員についての条項を設けて、一応そういうことが書いてあるかということは、やはり国家公務員について出せば、地方公務員もこれに準ずる措置をするのが条理上当然である。これが普通の常識に基いた理論なんです。だからして今のお話の任意であるということは、いわゆる法律的に厳格な意味においては義務づけられていないという意味なので、そういう点においては単独事業といえども同じなんです。何も単独事業をやれというようなことは、ものさしがあるといいけれども、それは従来この程度という、単独事業を地方団体がやっている一応の実績なり、そういう基準に基いた見積りにしかすぎない。そういう意味からするならば、今度の期末手当についても、地方団体においては出すのも相当あるでしょう、かりに出さないところがあるにしても、五十八億全部は要らないにしても、あるいは四十億なり五十億が要るでしょう。そういうものは見積って地方財政計画に載せなければならぬと私は思うのです。そういうものは財政計画に載せなくてもよいというならば、単独事業だってほとんど今までのやり方を変えてしまわなければならぬ。こういうふうになってしまうのですが、どうなんでしょう、自治庁はそういう考え方でおったのですか。
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鈴木俊一#29
○鈴木(俊)政府委員 理屈だけを言っておるというおしかりでございますが、今回の閣議決定の建前から申しますと、たとえば旅費、物件費の節約を今度元通りに解除いたしまして、財政計画をそういうふうに直したわけであります。これは国家公務員について、要するに国において行われておる節約以上の節約を、財政計画上地方に強要いたしておったものですから、その部分を解除して、国家の官庁並みのものに戻したわけでありますが、従来の旅費物件費を国が一割五分節約するという本年度の建前の場合におきましては、国の予算もそれだけ切っておるわけであります。ところが地方はそれ以上に切ったというところに問題があるわけであります。ところで今回の措置の場合に、それでは国が予算を〇・二五だけ一律にふやしておるかと申しますと、そういう予算補正はいたしておりません。あくまでも既定予算の範囲内でやる、こういうことになっておるのであります。そういう場合にはどうも地方財政計画におきましても、それを直すということは困難でございます。ただし先ほど申し上げましたように今年の予算補正の際におきま参して、あるいは来年度になりますと少し計画上の直し方が違って参りますが、三十一年度の予算編成の際におきまして、何らかの財源措置が行われるということになりますと、その財源措置が行われました限度において、この地方財政計画を直すということになるのであります。ただ今日の段階におきましては先ほど来申し上げましたように、理論上節約というものに国も地方もよっておるわけでございますので、財政計画を修正をしてふくらませるという段階ではないのであります。
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