文教委員会入試問題に関する小委員会

1977-11-01 衆議院 全81発言

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会議録情報#0
本小委員会は昭和五十二年十月十二日(水曜日)
委員会において、設置することに決した。
十月十二日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      石川 要三君    石橋 一弥君
      小島 静馬君    登坂重次郎君
      中村  靖君    長谷川 峻君
      藤波 孝生君    小川 仁一君
      木島喜兵衞君    嶋崎  譲君
      中西 績介君    池田 克也君
      鍛冶  清君    曽祢  益君
      山原健二郎君    西岡 武夫君
十月十二日
 藤波孝生君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
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昭和五十二年十一月一日(火曜日)
    午前十時十分開議
 出席小委員
   小委員長 藤波 孝生君
      石川 要三君    小島 静馬君
      登坂重次郎君    長谷川 峻君
      小川 仁一君    木島喜兵衞君
      嶋崎  譲君    中西 績介君
      池田 克也君    鍛冶  清君
      中野 寛成君    山原健二郎君
      西岡 武夫君
 出席政府委員
        文部政務次官  唐沢俊二郎君
        文部大臣官房長 宮地 貫一君
 小委員外の出席者
        参  考  人
        (全国高等学校
        長協会会長)  森  武夫君
        参  考  人
        (全国高等学校
        進路指導連絡協
        議会事務局長) 宗内 昭春君
        参  考  人
        (全国高等学校
        PTA協議会会
        長)      仲川 幸男君
        文教委員会調査
        室長      大中臣信令君
    —————————————
十一月一日
 小委員曽祢益君同日小委員辞任につき、その補
 欠として中野寛成君か委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員中野寛成君同日小委員辞任につき、その
 補欠として曽祢益君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 入試問題に関する件
     ————◇—————
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藤波孝生#1
○藤波小委員長 これより入試問題に関する小委員会を開会いたします。
 入試問題に関する件について調査を進めます。
 本小委員会は、さきの国会以来、大学入試の改善について慎重に調査を進めてまいりましたが、五月に入試センターが発足、また各大学の第二次選抜方法の発表に伴いまして、昭和五十四年度から実施の共通第一次テストがよりよい方法で実施されるよう、教育関係者のいろいろな御意見を聴取してまいりました。今回は特に受験者側であります高等学校関係者に御出席をお願いいたしまして、御意見をお聞きすることにいたしました。
 本日は、本件について、参考人として全国高等学校長協会会長森武夫君、全国高等学校進路指導連絡協議会事務局長宗内昭春君及び全国高等学校PTA協議会会長仲川幸男君の三名の方々に御出席を願っております。
 参考人各位には、御多用中のところ本小委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。
 本小委員会におきましては、入試問題に関する件について調査をいたしておりますが、本日は、本件につきまして参考人各位のそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
 これより参考人各位から御意見を承りたいと存じますが、議事の順序といたしまして、初めに参考人各位から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきまして、そのあとは小委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
 御意見は、森武夫君、宗内昭春君、仲川幸男君の順序でお願いいたします。
 まず、森参考人にお願いいたします。
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森武夫#2
○森参考人 全国高等学校長協会会長の森でございます。
 この大学入試の改善につきましては、私たちの協会といたしまして、昭和四十五年、当時全国を吹き荒れました高校紛争の厳しい反省に立ちまして、何としてでも大学入試の改善に取り組んでいただきたいということを、昭和四十五年の十月に全国の高校長が集まった際に決議をいたしました。大きな柱は、当時三つ立てまして、調査書の尊重、第二が統一学力テストの実施、第三が各大学に入試改善に関する常置の機関の設置、以上の三本を内容といたしまして各方面に訴えました。それが当時の世論の大きな反響をいただきまして、文部省、国大協その他関係御当局でこの問題について慎重な御努力をいただきまして、御承知のように七年がかりでこの新しい大学入試の改善の方向にスタートを見たのでありまして、その間の関係各方面の御努力に深い敬意を表しているところでございます。
 先ほど小委員長のお話がありましたとおり、国立学校設置法の一部改正が衆参両院で可決をされまして、五月二日に大学入試センターがオープンしました。この法律制定のときに参議院におきまして附帯決議をつけていただきまして、われわれの要望もその中で数多く取り入れられておるということは御承知のとおりだと思います。
 それで、去る七月末に、各大学の行うところの二次試験の細目等が発表されまして、いよいよ五十四年春の本番に対して共通一次並びに各国公立大学の行う二次試験というものの全貌がほぼ出そろいました。それを見ましていささかショックを受けましたのは、国大協のガイドラインというものが示されておりまして、われわれは深く期待をいたしておりましたが、ふたをあけた結果、必ずしもガイドラインにほとんどが沿っていただけるということではないという点で、かなりのふぞろいがある。したがって、われわれの全国高等学校長協会といたしましては、この大学入試の方向については、総論賛成でございますが、各論についてはまだまだ要望したい点がいろいろございます。
 本日の時点でそれを要約して申し上げますと、今回の大学入試制度改善の方策については、これが高等学校教育の正常な発展に寄与するべきものである、こういう観点に立ちまして、その問題点を指摘し、改善のため具体的に種々の提案と要望を文部省、国大協その他関係方面に対して行ってまいりました。ところが、今回文部省から示されました昭和五十四年度以降における大学入学者選抜実施要項についての決定内容については、われわれの要望するところと著しく懸隔があり、きわめて遺憾でございます。
 そこで、私たちはここに改めて従来の要望事項を再確認するとともに、昭和五十四年度実施に際して、特に次の点についてこれが確実に実現されるように特に強く要望いたしたいと思います。
 以下、三点について申し上げます。
 第一点は、共通第一次学力試験の実施期日、この実施期日は、正常な高校教育を確保する見地から二月初旬以降とするように改めていただきたい。そのため、合格発表期日の繰り下げ、選抜に関する技術的問題の解決、大学入学始期の繰り下げの検討などについて適切な措置を講じていただきたい。
 第二点は、共通第一次学力試験の意義を重視し、各大学における第二次試験に学力試験を課する場合は、その科目数を、必要とするもの一ないし二科目としていただきたい。
 第三点は、二段階選抜、いわゆる足切りは、受験の機会均等、複数資料による適正な選抜等の観点から、これを全廃の方向で配慮していただきたい。
 以上三点が、いままでの大学入試改善の流れの中で、特に高等学校側から受験生の負担が過重にならないように、もう一点は高等学校の正常な教育を阻害しないように、以上二点に基づきましていまの時点で強くお願いを申し上げたい、こういう点でございます。
 以上、要点のみを申し上げました。失礼をいたしました。
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藤波孝生#3
○藤波小委員長 次に、宗内参考人にお願いいたします。
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宗内昭春#4
○宗内参考人 全国高等学校の進路指導担当者によって組織されております、各県、各ブロックをまとめまして全国組織ができておりますけれども、その事務局長を担当しております宗内と申します。
 ただいまお手元に、全国高等学校進路指導連絡協議会の大学入試改善についての統一見解並びに要望をお届け申し上げましたけれども、この点は、ただいま森校長の全国高等学校長協会の方にもすでにお願いを申し上げている点でございますし、大学入試センターの方に対しても御要望申し上げてございます。
 その骨子を申し上げますと、高等学校の現場の進路指導担当者が大学入試改善ということで共通一次テストを受けとめておりました点は、現在の大学入試問題が大変難問、奇問が多くて、それを是正し適正化を図る、教科書の範囲から出題されて生徒の負担を軽減し、さらには高校の教育を正常化しようとするものであるというふうな受けとめ方をしておりましたし、またさらに、大学の方は複数の資料によって妥当な選抜を行うというふうに現場としては受けとめてきておったわけでございます。その点から申しますと、やはり現在の過熱化した受験競争というものが著しく高校教育をゆがめておるということは否めない事実でございまして、いろいろな意見があるにいたしましても、そういうことで共通一次テストが実施され、正常化が図られるということであればということで、高校現場も校長会と同じように、むしろ前向きに好意的な関心を持って、四十六年の準備あるいは四十八年の本格的な調査にも積極的に御協力を申し上げてきたつもりでございます。ところが、先ほど森校長からもお話がございましたように、実施の時期が発表され、具体的なことが明らかになるに従いまして、本来の共通一次テストの目的、高校側が少なくとも受けとめておりました趣旨からはかなり離れていくおそれがあるのではないかという危惧が生じてまいりました。
 その一つは、大学独自で行われる二次テスト、その内容が、これは実際実施されないとわからないわけですけれども、従来と同じような難問、奇問が出されるとするならば、当初われわれか解釈しておりましたこととはかなりかけ離れてくるのではないか。したがいまして、当初われわれが受けとめておりましたように、共通一次テストを実施する以上はその共通一次テストを重視していただきたい、そして二次テストはむしろ特定の学部等における実技だとかあるいは面接等で行っていただきたいということがまず根本に考えられることでございます。
 それに伴いましていろいろな問題が出てくるのでございますが、たとえば、校長会の方からお話がございました足切りの問題にしても、総合判定をしようという本来の趣旨からすれば足切りという線は出てこないのではなかろうか。一次の結果と二次の結果を総合判定しようという立場から、どうして足切りという問題が当然のことのように起こってくるのであろうか。さらには時期の問題にいたしましても、いろいろコンピューター処理の問題だとかいうことをお聞きするわけでございますけれども、どうして一次テストの結果が出なければ二次テストか実施されないのだろうか。これは足切りの問題が絡むからそういうことになるのだろうと思いますけれども、一次テストが行われ、並行して、並行というより時期をずらしまして二次テストは大学独自で行われるのではないか。一次テストの結果が出るころ二次テストの結果も出ておれば、それを総合して判定することが可能であるのではなかろうか。しかし、これは足切りという大きな問題がございますので、問題を尽くさなければそういう方向にはいかないだろうとは思いますけれども、そういう疑問を持っております。
 そこで、まず根本的な問題として、大学入試センター並びに国大協が真剣に高校教育の正常化を図ろうという前提をお持ちなのかどうか、いささか高校現場としては疑問に感ずるわけでございます。共通一次テストを実施することによって一期校、二期校をなくしてしまったというような、高校側としては大変素直でない意見さえ出てきておりまして、高校現場はいささか混乱をしておるというのが現状でございます。しかし、たてまえとして、われわれは大学入試改善をぜひお願いをしたいという立場からいろいろな問題を御要望申し上げ、もちろん直ちにできるもの、できないものもございましょうけれども、本来の高校側が願う趣旨の線に沿って御協力を願えればというように考えます。
 簡単でございますが……。
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藤波孝生#5
○藤波小委員長 次に、仲川参考人にお願いいたします。
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仲川幸男#6
○仲川参考人 仲川でございます。
 高等学校生徒四百万というのでございまして、私が高等学校PTA協議会の会長ということで意見を申し上げるわけですけれども、必ずしも最大公約数になっておるかどうかもわかりませんが、本年の八月十八日、十九日に広島で大会をやり、分科会で、一分科会設けてこの問題を討議し、また全体会議において特別議題として扱ってまいりましたり、また年間、各県の役員が集まりましてこの問題を討議しました、そういうものを踏まえまして意見を申し上げてみたいと思うわけであります。
 先ほどからお話がございました両先生のお話で、大学入試改善についての基本的な考え方につきましては同一でございますのであえて重複を避けたいと思いますが、御承知のように、二十年代の後半に進学適性検査、それから三十年代の終わりごろに能研テストというのが行われまして、そのことが最終的にはどちらも、率直に言いますと失敗に終わっております。その路線にいささか似たものも感じておりますので、以下項目を申し上げますと、足切り、予備選考でございますが、予備選考についての問題、二次試験の科目についての問題、一次試験、二次試験のもたらすウエートの問題であります。もう一つ、これは私たちが言い続けてまいりましたのですけれども、なかなかむずかしいようでございますが、採点を出身校へ返していただきたいということであります。それから第五に試験期日の問題。その他の問題としては、二十万浪人の取り扱いの問題ないし実業学校の大学進学についての問題点という順序で意見を申し上げたいと思うわけであります。
 足切りの問題は、いまお話もございましたが、父兄並びに生徒として結果的にこういうことになると思うわけであります。学校の進学指導に思惑違いがございますと、出したところの足切りに遭った生徒はもう国立大学を受ける機会を失うわけでありまして、その意味では、むずかしい一期校、二期校をやって、ああ知らなかった、結局力が足らなんだと納得で受けられないことと、何かわからないけれども高等学校の進学指導の中でこの学校を受けといたらそこで足切りに遭った、こういうことになると、高等学校の生徒も父兄も救われない。理屈では、この流れの中の理屈では納得ができますけれども、この足切りの問題は、先ほどお話がございましたようにやはり絶対あってはならないことであるし、そのことがあるとするなれば、その足切りに遭った者の救済方法を考えずして足切りというものはあるべきでないというふうに私は考えております。大変多岐にわたりますので、足切りの問題についてはさようなことでひとつ御了解をいただいたらと思うわけであります。
 第二次試験のあり方でございますが、改革の目的の中の「ゆとりのある高校生活」ということが大目標であると思いますが、私たちも報道で、正確なものは把握しかねておるかもしれませんけれども、いまの大学のあのばらつきのあるいろいろな二次試験の学科から言いますと、どこを受けるかまだわかっていない高校生がどこへ焦点を合わせてやるのであろうか、どうして受験準備をするのであろうか。まあたてまえと本音は少々違いますけれども、高等学校の現状の中で受験準備の焦点というものはやはり合っていかなければならないが、一次試験もやり、二次試験はあのばらつき、それで実際に目標として掲げておられますようなことになるのであろうかどうか、私は大変心配をいたしておる二次試験のいまの大学の御発表の状態でございます。
 第三点は、一次試験と二次試験の関係でございます。一次試験のウエートを明確にしておる大学もあるようでございますけれども、重視すると言っておられるだけの大学がございます。これは、受験生としてはやはりそのウエートを知りたいわけでありますから、高校入試のとき中学の内申書を重視すると言って、高校で実際問題としては内申書を重視して高校入試をやっているかどうかというのは大変問題なのと同じような問題がここに起こってくるのではないか。この点だけはやはり大学がはっきりとしていただかなければならないのではないか、私はそういうふうに思います。
 第四は、先ほど申し上げましたように試験の結果を出身校まで返していただく作業。これは種々論議があって、先般、八月十八日にも広島での会合で、センターのきょうお見えの田保橋事務部長さんからも、大変それはむずかしいんだというようなお話もあったようでございますが、いずれ大学の願書を受け付けた時点で一人一人の個別を抜き出しして成績を渡さなければいかぬのですから、高等学校へこの成績を返すべきだ。せめても出身校へは生徒の成績を返すべきだ。これを返さないで、高等学校の先生たちが進路指導をするのに、模範答案を出すから、平均点を出すからおまえの方で採点せいというのですけれども、上の方の三分の一ぐらいの成績の生徒はできるでしょうが、時間ぎりぎり一ぱいの中で、自己採点をして、帰って進路指導の先生と話し合えるほど正確なものを生徒自身が得られるかどうか。この問題は私は大変疑問を持っておりますし、本人に返さないまでも、せめても出身校へは返していただかないと、先ほど申し上げました足切りという恐ろしい現実を目前に控えて、極限にも近い進路指導をしておる高校の中で問題が起こると思います。作業としては大変むずかしいようでございまして、私もコンピューターのことは存じませんけれども、何とかしてそのことができますなればそうしていただきたいと思うわけでございます。
 第五番目は試験期日の問題でありますが、さようなことで申し上げましたので、十二月か一月か、まあ二月というお説もいま出たようでございますけれども、十二月か一月かということになるのではなかろうかと思います。期日は、先ほど校長協会長さんからもお話がありましたように、高校教育本来の立場から言えば遅いほどいいということでございまして、遅いことを支持するわけでございますが、次の三つのことがこの問題にあると思います。
 それは、いま申し上げました成績を学校へ返すかどうかということでございます。もう一つは、十二月というお説がありますけれども、十二月ということにするなれば、生徒側から言うとどうしても十二月にする出題を出してもらわないと、出題に御配慮がないと、私は十二月にするということをそのままやったのではいけないと思うのであります。もう一つは、国立四十万、私学百四十万という私学との関連の問題で、文部省がこの期日等の決定と私学の受験指導をどうなされるかということもあわせてこれに関係があると思うのです。もう一つは、一次、二次、その中間に私学があるわけでありますが、もう一つ足切りの問題とこの問題との逆算をいたしてきますとその問題が起こるのではないかと思うわけであります。
 その他の問題につきましては、浪人の受験生に十分配慮をしていただきたいということと、職業高校生の進学については、一次試験の点数の大学側の受け入れ方に特別配慮が必要であろうと思うわけであります。
 一応以上でございますが、長い間かかってやられてきて、私たちも長年この改革を要望してきたものでございますので、どうかひとつ学歴偏重が是正せられるように、大学の格差がなくなりますように、また受験生の負担が軽減せられることが大目標でございますから、先ほどの一次試験、二次試験の大学側の姿勢を特にお願いするものであります。
 以上、まとまりませんけれども、意見を申し上げました。
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藤波孝生#7
○藤波小委員長 どうもありがとうございました。これにて三参考人の御意見の開陳は一応終わりました。
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藤波孝生#8
○藤波小委員長 引き続き質疑に入ります。
 質疑のある方は自由に御発言願います。どうぞ……。
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嶋崎譲#9
○嶋崎小委員 高校協会長の森先生、それからまた進路指導協議会事務局長の宗内さんに、最初に大ざっぱな感想をお聞きしたいのですが、皆さんも御承知のように、国立学校設置法の法律の改正に当たりまして、衆議院でも附帯決議をつけましたけれども、参議院の方ではかなり具体的な附帯決議がついております。幾つか項目がありますか、その附帯決議の二番目には「各大学が行う第二次試験については、受験生の過重な負担とならないよう調査書の活用を図るとともに、学力検査の科目の減少に努めること。」これが一つでございましたですね。もう一つは「受験生の第二志望をできるだけ生かす方途を考慮すること。」さらに「職業高校の卒業者が不利にならないよう第二次学力試験における代替科目の設定、推薦入学制度の活用等に努めること。」そしてその後に、大学入試センターの運営並びにこの第一次テストなどの実施に当たって「高校関係者等広く世論が反映できるような組織を作るとともに、試験の円滑な実施を図るため入試センター及び各国立大学の入試の実施に関する体制の整備に努めること。」そのほか二、三、一般的なのがございますが、このような、参議院の文教委員会で私たち衆参の討論を集約しましてつけましたこの附帯決議と、実際にいま実施要領が発表され、第二次試験科目について各大学が発表している現状にかんがみて、この附帯決議の趣旨は生きているとお考えでしょうか、生きていないとお考えでしょうか、これが全般的なまず第一点の質問です。いかがですか。
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森武夫#10
○森参考人 お答えいたします。
 いまの嶋崎先生の御質問はなかなか厳しい御質問でございまして、この附帯決議の趣旨が全然生かされていませんと言えば、文教関係者、文部省以下国大協その他へ影響するところが甚大でございますので慎重にお答えを申し上げたい、こう考えております。
 趣旨といたしましては、国大協でも二回にわたって調査研究報告書という非常に分厚い報告書も出されております。そして、先ほどもお話ししましたが、ガイドラインということをお示しいただいて、その中でも先ほどの、足切りは原則として望ましくないとか、二次試験の教科科目についても一ないし二科目程度にしてほしいとかいう御努力を非常に積極的にお払いいただいたという経過もよく承っております。結果的に、各大学が今回この附帯決議の趣旨に完全に足並みをそろえていない、そろわなかったということについては、私も先ほどお話ししたようにいささかショックを受けておるわけです。ただ、大勢としましては、いままで国立大学協会というようなところでお決めいただくそういう過去のお話も伺っておりますが、今回の問題については非常に積極的にとり組んでいただいた、少なくも大学の自主性のもとでできるだけの御配慮をいただいたという事実は、それぞれの細かい教科科目数を見ましても、あるいは小論文、実技、面接等をお加えいただいた、あるいはある大学では、医学部系においては第二次試験では学力検査は要りませんという積極的な方策を打ち出しております。そういう内容を考えますと、各大学がそれぞれのできる範囲で、積極的にその国大協のガイドラインをできる限り大幅に考慮をいただいたというふうに考えております。
 ただ、特にある一校が従来と全然変わりなしに、文科系七科目、理科系八科目というままであることは大変遺憾なことだと思うのです。ただ、実情について伺いますと、そのある一校も、昭和四十五、六年に大学入試ができないことが一回あった。そして、その際に非常に研究されて、その積み重ねでいま来ているので、新しい改善の方向については、その趣旨は了承するが、もうちょっと時間をかしてくれ、もう少し科目を減らせるかどうか検討しようという前向きな姿勢であることも、この前その学長さんから直接お言葉をいただいておりますので、この方向については、やはり各大学はそれぞれの主体性、自主性をお持ちでお決めいただいていると考えておりますので、高等学校長協会としても、地域ごとにそのブロックの校長会か、あるいは現場の先生を交えて地域の大学といまお話し合いをして、できるだけ二次試験の科目を減らしていただきたい、あるいは足切りをできるだけないようにしてほしいという個々の要望を地域ごとに積極的に進めております。ということは、こういう仕組みにおいて、これを議員立法等で直接法的規制を加えるということは、これはまた一つ問題が起きると思います。そういう意味で、高等学校から大学へ、大学が高等学校にという共通の話し合いの場を持って、できるだけわれわれの要望をかなえていただく。
 私は、今回の大学入試のこのやり方の出発点においては、百点満点で七十五点ですと、こう申し上げている。というのは、改善の方向ということを積極的に高く評価しているので及第点すれすれの七十五点、あと二十五点は各論についてまだまだ私たちの期待することがたくさんある。さっき申し上げた三つをかなえていただければ二十五点上積みをしたい、こう考えておるわけです。そういう意味で、いまの嶋崎先生の大変厳しい御質問ですが、大学の関係者もそれなりに御努力をいただいている。高等学校側では必ずしも十分ではございませんが、いまの時点では七十五点という評価で、今後二十五点の上積みを期待している、こういうところでございます。
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嶋崎譲#11
○嶋崎小委員 宗内先生も七十五点でしょうか。
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宗内昭春#12
○宗内参考人 森会長のお話の筋と変わりませんし、附帯決議は、大変高校の現場にとってもそれが実現されれば妥当なというか、大変好ましい線でございますが、やはりそれにまだ到達していないと言いましょうか、しかし各方面で、特に大学入試センター等大変努力をしていただいておるということは率直に認めたいと思うのでございますけれども、先ほどちょっと申し上げたように、何かこう大学側にやはりまだ前向きというか、本質的に高校の正常化を図ってやろうという共通的な認識が足りないのではないだろうかという気がいたします。
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嶋崎譲#13
○嶋崎小委員 しかし、この附帯決議の第一に言っていることは、第一次テストは予備選抜であってはならない、足切りはいけませんよと言っているわけですね。現実は御報告にあったように足切りになっていますね。それで第二次試験の科目については、一次とのいわば総合的な判定で、二次については科目は減らし、しかも大学の専門に適するような適性を調査していくような試験の仕方になることが望ましいと言っているわけですね。しかし実際は、御報告にあったように、足切り問題は、大体旧制の帝国大学を中心にしまして現実はほとんど足切りですね。同時に、二次の試験科目についても、先ほど要望があったように、さらに一次と同じような五教科七科目というような試験が現実に行われようとしていますね。そうすると、現実に高等学校の側から見まして、この国会での附帯決議の趣旨から見て、少なくとも再来年出発しようとしているこのテストの現状から見れば、われわれ立法府の側から言いますとこの附帯決議の趣旨は空洞化している。大学の側だけ考えているわけじゃありませんし、高等学校の後期中等教育を非常に重視しておりますし、同時にまた国民の、父母の立場をわれわれ代表しているわけですから、そういう意味で、大学の論理というよりも、高等学校の側並びに父母、父兄の側から見たこの入試の負担というものを考えてみてこの附帯決議をやったわけですから、そうしますと、ここに現実にはこれが空洞化していると私たちは判断をしているんです。そういう意味で、足して二で割るような御意見じゃなくて、よくしていけばいいんですから、ここの場の問題じゃなくて、率直な意見として、現実にはさっき出された森さんの三点というのはこの一、二、三の趣旨が生きていないということをおっしゃっているわけだから、そういう意味で空洞化というふうにわれわれは認識していますけれども、そういう認識は妥当でしょうか。
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森武夫#14
○森参考人 お答えをいたします。
 これも大変むずかしい問題だと思うのですが、私は、今回の新しい大学入試改善の方向はある意味では教育における壮大な実験だというふうに受けとめております。そして、その方向が、いままでのペーパーテスト、学力テストだけによる入学試験という方向から大きく踏み出して、全人的に、大学にどのような人間を入れて、そして四年間あるいはそれ以上勉強させてどのように有為な人材が育成できるかということに向かっての壮大なる教育実験だと私は見ております。
 そして、今回の仕組みの中でいままでと大きく違ったのは、国立一期校、二期校が一元化されました。また公立大学もほとんど大部分の学校が一緒に共通一次を共同利用するという方向に大きく前進した。したがって、高等学校側から見ましても、先ほどもありましたが、一期校、二期校が一元化されれば、チャンスが二回あったのが失われるじゃないか等々と問題がありまして、一元化されたために、今度国立、公立、ずらりと百二十大学にどのような質の生徒がどれだけの量受験するか、これが全然つかめません。そこに高等学校側から見る一つの大きな不安と混乱が起きているわけです。立場を変えますと、大学側でも同じように、今度は一期、二期が一元化され、各大学がずらりと並んだ場合、自分の大学にどのくらいの質の者がどれだけの量来てくれるのか、ある意味の期待と逆にまた不安と混乱があるということは同じだと私は考えております。したがって、いま附帯決議にあるような望ましい状況に対して、各大学は自分の大学で行うときに、共通一次及び自分の大学で行う二次試験あるいは実技、面接、小論文等きめ細かい試験をしてあげて、自分の大学にかなうような生徒を受け入れたい、そういう希望は十分おありだと思うのです。
 ただ技術的に、最初の先般の第一次案で言いますと、三月三日、四日あたりに二次試験をやり、三月二十日に合格発表してくれ、約二週間ぐらいでそういう作業をするときに、定員千名なら千名に対して一万人も押し寄せたときに、そういう技術的な時間制限の中でどのくらいの量の受験生の面接その他が可能であるかということを御検討になったと思います。したがってこれはジレンマがありまして、なるべくなら足切りをしたくない、しかし実際に来た応募者がはなはだしく多い場合に、全部きめ細かい作業をやっていれば三月二十日の合格発表には間に合わない、時間切れになる、こういうジレンマの中で、やはり大学は最終的には自己防衛と言いますか、ガードをかたくせざるを得ない。こういうことで、現実には五大学しか足切りをやっていないのに、細かく言えば、学部で言うと四三%近くでしょうか、足切りをやる、あるいは足切りをやることを検討しているというのは、やはり端的に言って、それぞれの大学か不安と混乱の中で最悪の場合には自己防衛せざるを得ない、ガードをかたくした、そのためにふえたのだろう、私はこう考えております。したがって、いまのように、いままでの五大学が急に四十数%にふえたということは附帯決議を無視しているではないか、一般有権者の期待を裏切るものだと言ってしまえば身もふたもないので、これはやはり年数をかけて、恐らく今度の大学入試改善も十年あるいはそれ以上の長い年月をかけて持っていかなければならない、そういう壮大な教育実験だと思います。
 特に、私たちの先ほど申し上げたいまの三つの中に入っている足切りという問題ですね、これはやはり心情的に受験生及び親御さんの非常な大きな不安がある。したがって、これを早急になくするためには、一回やってみる。そして第二年次以降については相当目安がついてくるのではないか、そういう点で早急に全廃の方向で御検討いただけるのではないか。何しろ一度もやらないで、完璧に理想主義で、すべてわれわれの言っていることを全部のんでくれということではないのでございまして、いまのような高等学校側の立場からしても、大学側でどのように考えてどう対応しておられるか、いろいろ大学側で特色がございます。あるいは近畿の方の大学では、一次、二次、どういうふうな点数の配分をするか、事前にうちの大学は公表しますよと言っておられる大学もございます。したがって、これを一律に法的規制でこの附帯決議を守らせるような方向というのは、私は現在としては余りいい方向ではないのじゃないか。話し合いの中で、実験を積み重ねる中で、いまのこの附帯決議の方向に漸進的に持っていく、しかも早急に、早い時期に持っていっていただけたらありがたい、そういう考えでおります。
 以上でございます。
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木島喜兵衞#15
○木島小委員 どういう聞き方をしていいのかわかりませんが、いまお話のございましたように、出発は教育の正常化というところにあったけれども、結果的に見ると、シカを追う者が山を見ないというごとく、やや大学の論理が優先して、そして試験という、少し狭い意味になりがちですが、試験技術というのですか、そういうものに動いていって、正常化という視点が欠けてきておるという、そのことが高校が直接一番混乱をせしめられておるということだと思います。しかし、もちろんそれ以外にも、たとえば私大との関係とか、そういう考えなければならない問題もあります。そこで、いま森さんがおっしゃいますように壮大なる実験ではありますけれども、しかし実験というものは成功と不成功という両面を持っているわけでありまして、その不成功の中でもってそのときの子供たちが犠牲になってはならないわけでありますから、最大限犠牲を少なくすることが実験の場合には前提になりますね。
 そこで、現在も混乱しておりますけれども、たとえばもう一年実施を延ばす。その中で、さっき共通の場ということがありましたね、それは高校と国大協あるいは私大の問題もありましょう、ことしの十二月に八万人やるのがもっとよけいになってもかまいません、そういうことを繰り返しながら、そしてなお皆さんとの共通の意思を持って、不安のない——先ほど不安という言葉か出ましたか、不安というのは高校だけか、父兄もあれば子供もありますが、いまもし一年延ばしたら高校は混乱いたしますか。現在現場の中ではいろいろとこれに対応するための混乱があると聞いておりますが、いま一年延ばしたら、その現在ある混乱と延ばすことによる混乱とどうなんだろうかと思っているのですが、たとえばいま一年と仮にいたしましょう、どうでしょう。どなたでもけっこうです。
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森武夫#16
○森参考人 お答えいたします。
 私は、ここまで一応レールに乗って走り出したこの大学入試改善という機関車を、この進行をとめてはいけないというのが率直な感じでございます。すべての状況が五十四年をめどにとにかく動き始めているわけです。私たちも地方八ブロックを回りますと、いまのような御意見もないわけではございませんでした。ただ、私はそのときに、現在は高校二年生以下には、君らのときから新しい大学入試改善の方向で受験をするんだよ、当初一応予定されるのはこういうようなスケジュールで行くであろう、内容的にもこういうふうに来るであろうというような説明をいましている最中でございます。
 そこで先ほどの問題点は、高校の正常な教育を阻害しないために、いまの高校三年生の授業がほぼ全国的に終わる二月上旬以降に共通一次をしてください、こういう要望をしますと、あと五十三日というコンピューター処理を含む機械的な期日か全然詰まらないのです、一回やってみないと。これがあるために、こっちを押しますとあと二次試験をやる時期と合格発表の時期が自動的に後ろへずらされる、こういうにっちもさっちもいかない物理的な条件のために関係者がいま非常に苦悩を深めておるわけです。ただそれをどのようにやるか。第一回戦のときになるべく高校教育を正常化するために、二月上旬以降にしてくださいと言っているのは私はそこの押さえを言っているのでして、こうやりますと、途中の二次試験、合格発表の時期が必ず後ろへ押し下げられるわけです。押し下げられるとどこへ響いてくるかというと、御承知のように、いままで大体受験戦線が定着している私立大学入試の発表と絡んでくるわけです。そこでこのことが非常に絡みがあってむずかしい。ただ、それがあるからといって、もういよいよ五十四年をめどに、高校二年生よ、おまえらは新しい大学入試の線で行くんだぞと言っているものを、がらりと一年なら一年、二年なら二年延期だよと言うと、これはむしろ生徒及び父兄に対する不信感を増す。何で決めたのをまたひっくり返すんだ。いまもめているのは、いまの技術的な、高校教育正常化のために皆さんが一緒になっていろいろ苦しんでいただいている、そういうふうに私は理解しているので、この方向をやめちゃえ、決定的に理想案が出るまではストップだ、こういう言い方が極端な場合には出てくるかと思いますが、私はそれはとらない。
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木島喜兵衞#17
○木島小委員 そこまで言っていない。まあいいでしょう。
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山原健二郎#18
○山原小委員 関連して。これで大事なところへいま木島先生から質問になっていると思いますが、期日の問題とか、それから足切りの問題とか二次試験の問題、これはこの委員会でもずいぶん出た意見で、恐らくこの点の心配については一致すると思うのです。問題は、いま先生がおっしゃった壮大なる実験だという言葉ですね。これはまかり間違って壮大なる冒険になったら大変なことなんですね。もちろん理想的な万全のことはこういう改革の場合はできないと思います。しかしながらそれに近いような努力は絶対必要なんですね。そうしますと、いままで三回試行が行われておるわけですが、その三回の試行というものが、果たして高等学校の参考になるような分析がなされたり、また数の面から言っても学校数から言っても、また三回の試行テストを受けた生徒の態様から言いましても、果たして十分に参考になるようなものであったかどうかという点は検討しておく必要があると思うのですね。
 それから、今回行われる八万人規模の試行テストがありますね。これは国大協の御意見を伺いますと、いわゆるコンピューターのテストにかかわる問題である、こういうお話なんです。私は、いま木島先生がおっしゃったように、この八万人というものを、もっと人数をふやすとかいろいろなやり方があると思いますが、仮にふやさないとしても、この八万人のテストというものが、少なくとも五月に入試センターが発足して最初のテストなんですから、この八万人のテストというもの、十分この結果を分析して、その結果を高等学校側にも知らせ、あるいは各大学にも知らせて、大学関係者あるいは高校関係者の意見が集約をされていく、その中からいろんな問題点が出てくると思うのですね。したがって、この八万人テストというのは、いままで国大協が考えておったような機械のテストではなくて、もっと実質的なテストにしていいのじゃないか。それからもう一つは、入試センターができて最初のテストですから、もう一回、たとえば来年の八月とか、あるいは時期は別にしまして本格的なテスト試行というものをやってみる必要があるんじゃないか。そうして初めて、高校側の不安というものを解消する問題は何かという点も十分出てくるのじゃないかというふうに私は思うわけです。
 私は、今度の入試改革というのは非常に積極的な面を持っていますから、これは否定するものではありません。これを前進させていかなければならぬという点では皆さんと一致するわけですけれども、しかし、それを実際に実行するという段になると、かなり万全の対策を立てていかないと、次年度からはよくするといっても、最初の年度の子供たちかそのために犠牲になるということは許されないわけですね。そこいらを考えますと、いま先生の方は七十五点とおっしゃいましたけれども、やり方によったら五十点以下になるかもしれませんし、またやり方によっては百点に近くなるかもしれませんが、しかしそれはお互いに不安を持ったまま、これをそのまま実行に移していいのかという点を考えますと、われわれは教育の行政の面から考えまして、他の問題とは違いますので、そういう点からかなり慎重な態度をとって前進をさせていく。これをやめるとかあるいはこれをストップさすとか後退させるとかいうことでなくて、前進はさすのだけれども、それだけの万全の手だてですね。また入試センターの管理運営の問題もありましょうし、また機械はいまのいままでいいのか、機械ももっとふやさなければ短期間に処理できないというなら、もっと短期間に処理できれば期日を二月末へおくらすこともできるということかあれば、機械の購入についても、これは国会ですから、たとえば補正予算を組んで機械を入れるとかいうことをする。それだけのいわゆる国民的な合意といいますか、教育関係者全体のコンセンサスを得るための時間は必要じゃないかというふうに私は思っているわけですが、この点について、校長協会の立場から森先生の御意見、また進路指導協議会の事務局長をされております宗内先生の御意見、またこの点についてPTAの立場からも、それだけの準備と、できれば万全に近い体制をとってほしいという御意見があるのじゃないかと思いますが、三者の方の御意見を承りたいのです。
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中野寛成#19
○中野(寛)小委員 いま御指摘になっておられます問題がまさに当面する最大の、かつ緊急の課題だと思うのです。私も先般来の本委員会での懇談会等で、すでにこの機関車は走り出している、現場においてはそれに対応するための準備を着々と進めておられるという現実も踏まえなければいけない、ここでスピードを緩めたり方向を変えたりというふうなことになると、今日以上の大混乱を引き起こすこともやはりわれわれは心配しなければいけないだろう、こういうことは常々申し上げておったところであります。しかし、いまも山原先生から御指摘がありましたように、大変大切な問題、重大な問題を抱えてこの試験制度を実施するわけでありますから、やはりデメリットを最小限度に食いとめて、より一層メリットを上げていくこと、この努力が何としても必要であることは言うまでもないと思います。ですから、そのスピードや方向を変えるのではなくて、やってみなければわからないことがたくさんあるけれども、少なくとも予想をされる混乱を食いとめるその努力をいま最大にやらなければいけない。そのためには、そういう経験を積み重ねながら、もしくは、初年度からは一挙にはできないけれども、こういうことについては今後研究課題として直すための努力をしていく、またはよりよきあり方を研究していく課題だという部分と、それから、まず第一回から最低限これだけは直しておかなければ大変という問題とに、ある程度区分けをして具体的に対策を考えていく必要があるんではないのかというふうに考えるわけであります。そういう意味で、先ほど来申されました各項目についてはもちろん初年度から直すにこしたことはないということかとは思いますけれども、あえてその分類を緊急の度合いからするとするならばどういうことが考えられるだろうかということを、あわせて御指摘をいただければありがたいと思います。
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森武夫#20
○森参考人 それでは、山原先生のお話にもございましたが、私たちも特に強く期待したいことは、この入試改善の方策について予算的な措置を十分に御配慮いただければ解決できるという問題がかなり出てくるのではないか、このように考えます。それは一つは、先ほどの共通一次の時期をなるべく後ろへおくらせたい。おくらせるためには、途中の五十二日とか五十五日と言われる物理的な時間を詰める、これが金の面、その他の施設あるいは機械等で詰められないのかどうかということですね。
 それからもう一つは、その中に大きく入っているのは、共通一次を一回やるときに、北海道、東北、北信越等で豪雪その他があった場合にもう一回試験をやらなければいけない、いわゆる再試験がある。このためにかなりの日数がここに盛り込まれているというふうに私は判断をいたします。そこで、豪雪地帯で、すべてのそのブロックの受験生がその再試験を受けなければいけないというようなことが確率としてそんなに高いのかどうか、ここら辺がデータもないので読めないのですが、一つの方策としては、そういう豪雪地帯で共通一次をやるときに、試験会場をなるべく数多くしていただく。これは受験生からしても、泊まりがけで行かなければならないとか、そういうように会場数を非常にしぼられてしまうと経済的負担もさることながら、若干の雪だったら会場が近ければ歩いても行ける、こういう仕組みにすれば、いまの再試験というようなことに物理的にかなりの日数をとってあるのか詰まる。そうすれば共通一次の開始もかなり遅らせる。したがって、これは最後は金とかかわってくる。そういう地区では、会場の設定が豪雪その他とかかわりがない程度まで考えてやったらどうだろうか。こういうような問題を含めまして、山原先生がおっしゃったように、予算的措置によってわれわれのいろいろな悩みを解決していただけるということか大変ありがたいと思います。
 あと、中野先生の御質問は、最終的にしぼるとどういうことになりますか。
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中野寛成#21
○中野(寛)小委員 緊急の度合いに応じて、初年度からどうしても直さなければいけない、これを直さなければこの入試はちょっとストップだというくらいの緊急性の問題と、徐々に直していって
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森武夫#22
○森参考人 それは先ほど申し上げましたが、あの三つの中でやはり第一次問題、共通一次の時期でしょうね。これが高校現場の教育を乱さない、そのために先ほど二月上旬以降ということを申し上げました。現状でも、ずばり申し上げますと、高校教育にもう一月下旬から私立大学のある程度の学校が土足で踏み込んできておるわけですね。だから、それより前に共通一次を持ってこられては、現状をよりよくするという入試改善の方向にはちょっと大きな支障になる。だから、私立大学に号令をかけられれば、われわれは、私立大学も二月上旬以降に引っ込んでくれ、こう号令をかけたいのですが、今回の国立、公立の入試改善ということに限っておりますので。ただこれが、いまの共通一次の時期を二月上旬以降にしてくださいということは、すぐほかのいまの私立大学の合格発表と絡んできますので縁のないことではないわけです。だから私は、最小限いまの共通一次の時期を引っ込めてください、これを今回初めからやっていただけると、あとの問題は当然それに絡んできますね。そして、これは恐らく私立大学も国立大学も三月三日、四日を下げなきゃいけません、試験の期日を。当然文部省の仲立ちで、私立大学とも国立大学ともいろいろとお互いに連絡調整をしなければならない問題を含んでいる、こう考えますので、ここら辺を一発、第一次のときにここら辺まで引っ込めてもらえないかということですね。
 あとの足切りの問題なんかは、先ほど申し上げたようにわれわれも地元の校長会でもやっております。これは話し合いによって、いまでも相当よく聞いてくださる大学もあるわけなんで、これは時間をかけながらでもいいと思うのですね。それからさっきの科目数も同じですね。非常にがんこな、頑迷固陋な大学もあるけれども、これも時間をかければ、天下の大勢がおさまってくれば、あるいは大学自体の御検討が進めばおさまっていく、こう見ております。
 以上です。
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藤波孝生#23
○藤波小委員長 いまのお話で、共通テスト、第一次テストの時期を下げる、二月まで。ただ、私学に対しては、共通テスト、この仕組みの中に入ってもらうようにもっと働きかけをすべきだけれども、入れない場合には、私学ももっと時期をずらせという意味ですか。
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森武夫#24
○森参考人 私学は、いまの私学自体の入試時期は恐らく今度これが変わってくると若干の対応はあると思うのですが、いまのままだとしても直接かかわりがあるのは、いま当初案は三月二十日が発表です。私立大学の相当数は、三月二十日国立大学発表ということになると、大体国立におさまる人と、すでに受かっている私立大学へ、そっちへ入るという意思決定が三月二十日の終わった時点で、非常に短い期間で決まるわけです。ところがこれを延ばされますと、たとえば四月一日発表というようなことになりますと、それまで受かっていた私立大学のそのポストを捨てまして、国立大学へおれは行くんだというのが相当出ますね。そこで私立大学は、いままで確保していたと思う生徒が、合格者が逃げるわけですね。そうするとあとどのように補充をするか。大量であればもう一回試験をやり直さなければいかぬというような混乱が出るわけです。そこで大きくかかわるということです。三月二十日をどこまでおくらせられるか。恐らく私立大学は強い抵抗があると思いますね。
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宗内昭春#25
○宗内参考人 先ほどから先生方のお話ございますように、やはりわれわれ高校現場といたしましては、こういう大きな変革といいましょうか、改善、改正を行うというとき、いわゆる完全を期してもなかなか完全が得られないものではないかと思うのですね。だから、やはりあらゆる角度から見て完全である、これで大丈夫だという線が出てこなければ、不完全のままでは全くぐあいが悪いのじゃないか。動揺が残るばかりでございます。やはり、われわれ要望させていただいておりますことは、国会の附帯決議の線と大体一致していることでございますので、これは国会で附帯決議がついていることでございますから、やはり強力に何か、高校の現場とその大学というようなところでもちろん話し合いとかそういうことが必要なんでしょうけれども、もうちょっと政治的に、素人考えでわかりませんけれども、はっきりできないものだろうかという気がいたします。こういうことに時間をかけていろいろな議論を現場がしていることは、生徒を前に置きまして必ずしも好ましいことではなくて、早く決着がつくことが好ましいというふうに私個人は考えるわけでございますが、そういう意味で、むしろ諸先生方のお力をお借りしたいというか、お願いをしたいというふうに思っております。いまや、目下百家争鳴というか一億総評論家のような状況で、それも結構なことだと思いますけれども、いたずらに混乱が残るということだけではいけないのじゃないか。したがって、先ほど中野先生がおっしゃいましたように、やはりはっきり、この点はこうであってこうであってこうだということを少なくとも早急に出していただいて、ことしは無理だけれども将来は考えられるとかいうような線を少なくとも、いまの高校二年生が受験するわけでございますね、ぜひお願いしたいと思います。
 私はやはり足切りの問題、いろいろな中でどれかとおっしゃいますと足切りの問題、要するに共通一次テストをどのように使って二次テストがどのように行われるのかということがはっきりすることが必要でございまして、先ほど申し忘れましたけれども、われわれ一月に全国のアンケート調査を実施いたしましたその結果でも、一次テストの結果がどのように使われるのか、さらには二次テストがどのように行われるのかがはっきりしない状態では入試改善に役立つとは言えないというアンケートの結果が七三・四%でございまして、いろいろ意見はございますけれども、この問題がやはり一番関心がある問題ではないかと思います。その足切りの問題が解決すると、先ほどちょっと申しましたけれども、いま時期の問題がいろいろ言われておりますけれども、先日ちょっとお聞きすると、私立大学の方は結果か出る前にやることも考えておられるというふうなお話をお聞きするわけでございますけれども、足切りをしないのだということになれば、先ほど私ちょっと私見で申し上げましたような方向で、期間もぐっと短縮できるのじゃないかということもありますし、いろいろなことが絡んできてしまっている面はありますけれども、その点を私はやはり最優先的にやればほかの問題も、最優先とおっしゃるからそうですが、一緒に全部解決できるのじゃないか、またしていただきたいというふうに考えます。
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仲川幸男#26
○仲川参考人 まず、重点的な問題ということでは、いまお話がありましたが、私はやはり足切りの問題だと思うので、足切りの問題がよって起こるところは、高校の入試指導の問題の中から起こると思うのです。これは一段階、二段階落とせば当然起こらないかもしれないのですけれども、それは、よりよき学校に行きたい、これはもう子供たちの願いですから、そういうことになると自然と足切りの問題が起こるから、原則的に足切りはひとつ御勘弁願いたい。三倍ということを限度として、三倍以上だったら足切りするとかいう御発表もあるようですけれども、私は大学の対応の仕方で物理的に解決がしていただけるのじゃないかと思います。その足切りと、この問題が私たち父兄側から非常に出ておるのですけれどもわりあいほかのグループから出ないことに、先ほど言ったセンターから入試の指導のところへまで返るという問題がない。実際問題として、全部の生徒が一次テストをして戻ってきたものに、現実の問題としてわからないままに入学指導、入試指導か行われるということになると大変だということで、足切りがないとなるとあらゆる問題が、いまの期日の問題もこの問題に非常にかかわってきていると思うわけであります。
 もう一つ、そのことは先ほどからお説かありますので私がくどく申し上げる必要もないと思いますが、校長会長さんも皆さんもおっしゃられた、先生方もおっしゃられたように、実験期間であるということを全員が認識をしておるわけなんです。そうすると、その期間に移行措置というものがいつの場合でも行われて、かなり細かい配慮をした移行措置というものがその期間中行われて、その移行措置のものを一つ一つ経ていきながら最終的に大目標に持っていく、その移行措置がいささか足らないのではないであろうか。たとえば、四千という高等学校でございますから、なかなかそのことが、十分に全部の空気を受けとめて指導ができるかどうかということでございますから、万一足切りがあるとするなれば、その救済方法というくらいはひとつ編み出してもらったらいいのではないか。先ほど申し上げました進適にしても能研にしましても、大変言い過ぎかもしれませんけれども、大学サイドで壊れてきたような私は感じがいままでいたしておりますので、ひとつ大学側の特別な御協力と御配慮をいただいて、一回も試験を受けない浪人ができることはとても父兄側としてはやり切れない問題でございますので、ひとつ特別なそのあたりの御配慮をいただきたい。新し問題を投げ出すのではないので、そういう形の中から移行措置を——実験とおっしゃり、私たちもある実験だと思っております中で、移行措置の細かい配慮をしていただきたい、こう思うわけであります。
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小川仁一#27
○小川(仁)小委員 森さんと宗内さんにお伺いいたしますが、先ほどのお二人の御意見を聞いておりますとちょっと食い違いの点が一つあるのですよ。それは、森さんの方は、共通第一次試験を、現在研究所がやっているような方式で第一次をやって、結果を各学校や大学に報告をしてから第二次をやる、こういうふうにおっしゃっている。宗内さんの方は、一次と二次の結果が同時期でもいいじゃないか、こういう意味のお話をなさいました。それからもう一つ、仲川さんの方から、一次と二次のウエートの置き方を明確にしてくれ、こういうお話があったのです。
 ですから、こういう点から考えて、足切りをなくすということになりますと、一次の結果をそのまま二次の結果と同時期に大学に送付する、こういうかっこうになりますと試験時期というのが思い切って一月下旬から二月初めに持っていける。そして一次のウエートを仮に五分、二次を五分というふうな一つのウエートの置き方をするとすれば、その結果によって総合的な判定ができる、こんなふうにも三人のお話を聞きながら感じたわけでございますが、森さんについては、一次と二次の結果を同時期、こうやりますと足切りがなくなりますね。足切りがなくなるのです、一次の結果を二次の結果と同じ時期に大学に送付して判定するとすれば。こういうふうな考え方で一次と二次の関係をお考えになられているかどうかということが一つ。それから宗内さんには、さっきのお話の三点目ですか、足切りをなくする総合判定という立場からすれば一次と二次は一緒になってもいいというふうなお話もございましたが、こういう点についてもう少しお考えがあったらお聞きをしたいし、それから仲川さんについては、いま言った一次と二次のウエートの置き方というふうなものがございました、これを明らかにしてくれと言っているが、この点についてのお三人の考え方があったらお聞きしたい。
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宗内昭春#28
○宗内参考人 ちょっと誤解があるといけませんのであれですが、大学側が足切りを完全になくそうということの合意に達すればというか、足切りを完全になくしていただければ——足切りをやろうとするから、一次の結果が出ないと足切りはできませんから二次ができないという発想ではないだろうかというふうに私は考えておりますので、足切りをなくしてしまえば、われわれも足切りをなくしてくれと言っておるのですから、足切りをなくしてしまえば、何も一次の結果が出なくても二次はできるではないかという考え方を申し上げたわけでございまして、それはあくまでも足切りがなくなるという前提がないといけないということ。そうであれば一次の時期はずっとずらすことも可能ではないかということを申し上げたのですが、それでよろしゅうございましょうか。
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小川仁一#29
○小川(仁)小委員 私が申し上げたように、一次と二次の結果の同時発表、あるいは一次を二次の少しくらい前に出すという結果の発表という形でいけば、これはいや応なしに足切りはなくなりますよ。そういう方法についてお考えをお聞かせ願っても結構なんです。
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