予算委員会第八分科会

1996-02-29 衆議院 全208発言

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会議録情報#0
本分科会は平成八年二月二十七日(火曜日)委員
会において、設置することに決した。
二月二十八日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      伊藤 公介君    江藤 隆美君
      村岡 兼造君    石田 勝之君
      山口那津男君
二月二十八日
 伊藤公介君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
平成八年二月二十九日(木曜日)
    午前十時開議
出席分科員
  主 査 伊藤 公介君
      江藤 隆美君    松下 忠洋君
      石田 勝之君    上田  勇君
      川端 達夫君    長浜 博行君
      弘友 和夫君    山口那津男君
   兼務 荒井 広幸君 兼務 小野 晋也君
   兼務 佐藤 剛男君 兼務 樽床 伸二君
   兼務 山元  勉君 兼務 寺前  巌君
   兼務 吉岡 賢治君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中尾 栄一君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 鈴木 和美君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       竹内 克伸君
        国土庁計画・調
        整局長     塩谷 隆英君
        国土庁大都市圏
        整備局長    五十嵐健之君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省建設経済
        局長      小鷲  茂君
        建設省都市局長 近藤 茂夫君
        建設省河川局長 松田 芳夫君
        建設省道路局長 橋本鋼太郎君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
 分科員外の出席者
        環境庁水質保全
        局水質管理課長 南川 秀樹君
        国土庁長官官房
        会計課長    木村 誠之君
        国土庁計画・調
        整局計画課長  浜野  潤君
        外務省経済局海
        洋課長     高田 稔久君
        大蔵省主計局主
        計官      長尾 和彦君
        大蔵省主計局主
        計官      村瀬 吉彦君
        水産庁漁政部企
        画課長     篠原  孝君
        通商産業省環境
        立地局立地政策 
        課長      中野 賢行君
        通商産業省環境
        立地局立地指導 
        室長      武田 貞生君
        運輸省鉄道局幹
        線鉄道課長   平田憲一郎君
        建設大臣官房会
        計課長     風岡 典之君
        建設省都市局下
        水道部流域下水 
        道課長     貞包 秀治君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十九日
 辞任         補欠選任
  村岡 兼造君     松下 忠洋君
  石田 勝之君     川端 達夫君
  山口那津男君     弘友 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  松下 忠洋君     村岡 兼造君
  川端 達夫君     上田  勇君
  弘友 和夫君     山口那津男君
同日
 辞任         補欠選任
  上田  勇君     長浜 博行君
同日
 辞任         補欠選任
  長浜 博行君     石田 勝之君
同日
 第二分科員吉岡賢治君、第六分科員荒井広幸
 君、樽床伸二君、第七分科員小野晋也君、佐藤
 剛男君、山元勉君及び寺前巖君が本分科兼務と
 なった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成八年度一般会計予算
 平成八年度特別会計予算
 平成八年度政府関係機関予算
 〔総理府(国土庁)及び建設省所管〕
     ――――◇―――――
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伊藤公介#1
○伊藤主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。
 私が、本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いをいたします。
 本分科会は、総理府所管中国土庁並びに建設省所管について審査を行うことになっております。
 なお、両省庁所管事項の説明は、両省庁審査の冒頭に聴取いたします。
 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算及び平成八年度政府関係機関予算中総理府所管国土庁について、政府から説明を聴取いたします。鈴木国土庁長官。
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鈴木和美#2
○鈴木国務大臣 総理府所管のうち、国土庁の平成八年度予算について、その概要を御説明申し上げます。
 国土庁の一般会計歳出予算は、三千六百十二億六千八百万円余を予定しております。
 また、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出一千三百万円を予定しております。
 その主要な内容は、
 第一に、新しい全国総合開発計画の策定等の国土計画の推進
 第二に、適正かつ合理的な土地利用の確保等の総合的土地対策の推進
 第三に、水資源の開発及び有効利用の促進等の総合的な水資源対策の推進
 第四に、大都市圏整備計画の策定、首都機能の移転に関する検討、大深度地下利用のあり方に関する検討等大都市圏整備の推進
 第五に、人口の地方定住を促進し、国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進
 第六に、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震、津波、噴火、洪水等の災害から国民の生命及び財産を守るための総合的な災害対策の推進
 第七に、人口及び産業の地方への分散と地域の開発発展を図るための地域振興整備公団の事業の推進
であります。
 国土庁予算の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります平成八年度国土庁予算概要説明によりまして御承知願いたいと存じます。
 よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
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伊藤公介#3
○伊藤主査 以上をもちまして総理府所管国土庁についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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伊藤公介#4
○伊藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。荒井広幸君。
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荒井広幸#5
○荒井(広)分科員 おはようございます。
 私は、国会等の移転に関しての件につきまして、御質問、そして私の所見などを述べさせていただきたいと思います。
 十二月十三日に国会等移転調査会の報告ができ上がりました。これにつきましては、事務方として庶務をまとめられました国土庁の皆様方に、大変な御労苦に対しまして敬意を表すとともに、長官初め皆々様方のいろいろな角度からの御示唆、御指導に御礼を申し上げる次第でございます。
 さて、これにつきましては、少しずつ、地域によってはフィーバーと言っていいぐらい関心が高まっておりますが、次なる課題といいますと、国民の皆様方に、なぜ国会等の移転、首都機能移転ですね、首都機能移転が必要なのかということの目的、意義、こういったことを含めましての国民的合意をいただくような努力というのが不可欠だと思っております。
 首都機能移転、この国民合意の形成に向けてどのように今後国土庁が対応されていかれるのか、長官にお尋ねをさせていただきたいと思います。
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鈴木和美#6
○鈴木国務大臣 ただいま御指摘がありましたように、首都機能の移転を進めるに当たりましては、幅広い国民的な合意形成を図っていくことは極めて重要だと思っています。
 昨年十二月に取りまとめられました調査会の報告を受けまして、今後、新たな段階に入ることを踏まえ、国土庁としても、首都機能の移転の意義や効果などにつきましてさまざまな広報活動を実施するとともに、アンケート調査などを実施し、国民各界各層の意見を的確に把握しながら、より一層の国民的な合意の形成に努めてまいりたいというのが基本的な対応の考え方でございます。
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荒井広幸#7
○荒井(広)分科員 長官のおっしゃったところが、これからの中身という点で幅広く御活動をしていただく概略のお話だったと思うんです。これは、私は大変重要なことだと思いますのは、このいろいろなパンフレットもつくっていただいておりまして、これも非常にわかりやすいのが随分このようにでき上がっております。一番、わかりやすいというのが非常に重要だと思います。そうなると、枝葉を切ってしまうという部分もありますし、先ほどのアンケートなどもということですから、双方向にやはり議論というものは、あるいはお互いにキャッチボールをしながら煮詰まっていくものはあるということですから、ぜひともそのような方向で御議論を深めていく、移転の理解を深めていただくということにしていただきたいと思うんです。
 さて長官、私は、きょうはこのような国会等移転調査会の報告等を大変尊重し、また有意義なものであると考えながらも、別な視点からこの首都機能移転というものを眺めてみたいと、こう考えているわけなんです。例えばどういうことかということで、私自身の言葉にする前にちょっとこの話をお聞きいただきたいんです。
 これは「ボイス」という本でございますが、この「ボイス」という本で出ておりますのは、加藤寛さんでございます。いろいろな審議会の役員をされておられますが、この方が、「金融農本主義を排す」というところでこのようなことを言っておられるのですね。「しかも大都市集中はそれを急速にしてしまった。」これはちょっと前段があります。「いまになって大都市分散とか遷都とかいわれても、情報都市(サイバースペース都市)を創造しないかぎり不可能に近い。アメリカでもドイツでも、情報都市が拠点であり、日本の遷都論のように、土地だけを探し求める国土庁的発想はすでに時代遅れとなっている。」ということを言っておられるんですね。これは私は一律に同調するものではございません。
 しかし、ここでキーワードがあるんです。つまり情報ということでございます。飛躍的に情報通信手段というのが発展をいたしております。今まででは考えられなかったことが情報通信の高度化によって行われるようになってまいりました。例えばどのようなことかというと、地方に住んでいる方が子供を大学に出したい、学校教育を受けさせたいということになると、東京に出すということが今までは当たり前でございました。大学受験に失敗すると浪人ということになって、予備校にも通います。その例えば予備校などというのは、一流の先生じゃないとなかなか予備校に人が、少子化の時代ですから集まりません。しかし今は、衛星を使って東京と同時授業を、その人気のある一流の先生方が全国の予備校で同時に放送するんですね。わざわざ東京の予備校に来なくてもよくなった。この傾向が顕著でございます。
 ということは、国会を含めまして、今回申し上げている中央省庁、最高裁判所、特に中央省庁でありますけれども、今の遠隔教育のような話でございますが、遠隔におりましても十分に議論ができる、あるいは省内の意思疎通が図れる、こういう時代になってまいりました。
 アメリカではノースカロライナ、バージニア州、そしてフロリダ州、大変にいろいろな意味で、時間と距離を超えるコミュニケーション手段として情報通信という手段の飛躍的な発展、それを応用展開しているわけです。こうなりますと、私は、首都機能という機能自体が、あした、あさってというきのうの話になってしまうというおそれを感じるのです。
 というのは、移転先をあと九八年までに大体のところの目鼻をつけて、二〇一〇年に国会が第一回目を始めましょう、こういうことです。その後に中央省庁ということもあるわけですね。そのころには機能し得る機能というものが極めて変わってくるのではないか、私はこういう感じをいたす次第でございます。これはいろいろ不確定な要素もございますけれども、方向としてはどうも私はそのような方向に行くだろう、こういうふうに思うわけです。
 平成二年十一月七日の衆参両院においての国会等の移転に関する決議におきましても、政治、経済、文化等の中枢機能が首都東京へ集中した結果、人口の過密、地価の異常な高騰、良好な生活環境の欠如、災害時における都市機能の麻痺、こういうことがあるんだ、そして経済停滞や過疎地域を拡大させる、こういう問題を発生させてきたから、これらのゆがみを是正するために一極集中を是正するんだというようなことを言ったわけです。そして、お骨折りをいただきましたとおり、まさに今回の首都機能移転というものの趣旨は一極集中を是正するということで、何人もこれに異論を挟む人はいないと思うのです。
 ところが、これは国会自身の問題であります。国会を移転しようというのは我々の意思で、政府にお投げかけをいたしましてまとめていただいているわけですから、まさにこれからの問題ではあるのですが、一極集中是正ということになったときに、私は三点あるのだと思うのです。
 一つは、物理的なのですね。そのまま引っ越すということです。
 それから二点目は、精神的なものがある。いわゆる役所が偉いとか、何か東京が中心だみたいなことで、親方日の丸みたいな話があるし、上意下達的な意思が非常に働いている。そこにオウム真
理教みたいな、何か流浪する民みたいな、ぽっかり心の穴があいちゃったようなものがあると私は思うのです。それは、郷土に誇りを持てなくなってきている。その要因が一極集中であったのだと思うのですね。東京の方がすごいとか、東京に行った方が満たされるみたいなものがあったと思うのです。そうじゃない、自分が生まれて、母や父がここで働いていた、ここに自分は誇りを持ちたいのだ、こういうような郷土愛を忘れてしまった、こういったこともあったと思いますから、精神的に解決する手段でなければならない。
 そして三番目は、まさに機能と言っているわけですから、機能がどういうものであるか。これは中央集権体質の改善なんです。
 物理的、精神的、機能的に判断をして一極集中を是正していくということを考えますと、私は、この国会等移転調査会の報告を読ませていただいても、一つは、行革、規制緩和と同時並行で進まなければ単なる引っ越しに終わるのではないか。加藤さんが表現した言い方で言うと「土地だけを探し求める」、こういう発想になるのではないか。
 それから次は、分権化だと思うのですね。行革、規制緩和をしながらスリムな政府を移転させる。そのスリムというものは、同時に分権でなければできないわけですから、地方分権推進法、こういうこともあるわけですから、この横並びというものをどうされるのか、こういうこともあると思うのです。分権化しない首都機能移転というのは、きっかけづくりとしてもこれはちょっと私は物足りないな、こう思っているわけです。
 それから三番目には、ここでお尋ねしてまいりたいことになってくるわけですけれども、機能自体が、情報手段の飛躍的な発展、交通手段の充実化ということに相まてば、国会と、省庁は大臣官房それからトップクラス、こういう方々が国会周辺に、いわゆるクラスター配置状に集中すればいいわけでありまして、大臣官房とかそれ以外で国会の周辺になければならないというもの以外は、東京よりも全国に分散配置をするべきではないか。今テレビ会議で十分にできるわけです、今でさえですよ。
 そういうような状況の中で、一極集中を排除するというそのことが、大臣がおっしゃいましたように、なぜ意義が、PRが必要かというと、そこにあるわけですから。そうなれば、何が何でもすべてのものが――それは行革、規制緩和、分権を推進する中で残ったものについてですけれども、何が何でもそこに行かなくてはならないというものはなくなってくるのではないか。それは情報手段の飛躍的な発展によって可能になるのではないか、こういうふうに私自身は考えているわけです。それを日本全体に分散することによって、まさに国土庁がおっしゃる日本全体の均衡ある発展になってくる。全国の方々が、新しい首都に目を向けるのではなくて、自分の近場に、自分のところに自信が持てるきっかけになってくるのだ、こういうふうに私自身考えているわけでございます。
 そこで、これを五十嵐局長さんの方にお尋ねをしたいと思うのですが、こうした情報通信手段の飛躍的発展、ますますこれから発展される。そして二〇一〇年に国会の第一回開催ということが第一段目としてある、その後省庁も移転してくる。こういうことになってまいりますと、情報通信手段によって、一省庁のすべてが移転しなくてもいいと私は考えているのですが、この辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
    〔主査退席、江藤主査代理着席〕
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五十嵐健之#8
○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、情報通信手段の発達というのを十分に織り込んだ上でこの大きな首都機能移転問題について取り組まなければいけない、そのように考えております。
 それからまた、先生御指摘ありましたように、これは、単に土地を探して物理的に工事をやって新しい都市をつくるというところに主眼があるわけではありませんで、もともと大きな目標といたしましては、国政全般にわたる改革、そして東京一極集中の是正、そして三つ目に防災対応力の強化、この大きな三つの目的を達成するためにやるべきだと。その最初の、国政全般にわたる改革の一環という中に、御指摘のありましたように、分権の問題でありますとか規制緩和の問題が出てくる。そういったような全体のセットということになろうかと思います。
 行政官庁の今後のあり方についてはこれからもいろいろな御議論があろうかと思いますが、基本的には、本省とやはり地方の出先機関という構成になろうかと思います。本省はどういう格好になるか、それはこれからの御議論ということでありますが、いずれにしても、本省というのがありますと、これは大臣、長官の指揮のもとに本省一体となって取り組んでいくという問題になるわけでございます。したがいまして、先生の御提案のような対応が果たして可能であるかどうかという問題がございます。
 例えば、一定の危機管理的な問題があったときに、そういった問題にも対応しなければいけない。もちろん、国会への対応をさせていただかなければいけませんけれども、内閣としてあるいは行政官庁としての対応をするときに、例えば一定の災害がありまして通信がうまくできない、交通が途絶しているというような状態もあり得るわけでございまして、そういうようなことを総合的に勘案いたしまして、私どもは、あるいは移転調査会の報告でもそうでございますけれども、一括して移転するのが適当だ、こういう報告になっているところでございます。
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荒井広幸#9
○荒井(広)分科員 局長さんがおっしゃる話、それから移転調査会の報告、私はこれを高く尊重いたして評価をいたしておるのですが、あえて今の段階でこの議論をしていかなくちゃいけないということで、これは国会自身の問題であるわけですから、長官、政治家として、我々この場で国民の皆様方に議論の一つとしてこの首都機能移転の必要性を訴えるためにも、PRの材料としても申し上げているわけでございまして、その点は十分御理解をいただきたいと思いますが、この調査報告の中の「移転の対象は何か」というところで、ただいま局長からお話がありましたように、「首都機能」ということで、①でこう書いてあるわけです。
 いわゆる「分都論」は、国の機関を全国各地
 に分散配置させることが諸機能の地方分散を通
 じて全国各地域の振興につながるとするもので
 あるが、国家機能の円滑な発揮を確保するため
 には、国の中枢機能が一体としてその効用を発
 揮していく必要のあること、内政と国際関係と
 がますます緊密化し外交等の国際活動の重要性
 が増していくため、対外的にも国家の三権を代
 表する機能が一箇所にまとまっていることがよ
 り重要であること、欧米諸外国の例をみてもほ
 とんどの国において三権が一つの首都に立地し
 ていることなどから、三権の中枢を分離するこ
 とは適当ではない。私はこれを非常に了解するわけなんですね。
 私が申し上げるのは、三権は移転するのです。先ほど局長さんがおっしゃったように、本省と出先が別なんだという発想ではなくて、本省自体が私は分けられるのじゃないか。アルビン・トフラーは「第三の波」の中で、新しい本で、第三の波の政治ということを言っています。情報通信の飛躍的発展によって第三番目の革命が起きているのだ、こういうことなんです。ここを私は申し上げたいのですね。そうすると、移転調査会のメンバーの方々に、そうした情報通信の特に御専門の方というのは数少ないか、ほとんどいないと言ってもいいと私は思うのです。
 例えばこういう状況をどう考えるかなんですね。
 特許庁、特許の出願というのがあります、いろいろな特許をとるときに。今どういうことをやっているか。実用新案もそうです。出願方法です。オンラインで出願をする。フレキシブルディスク、FDというのだそうですが、こういう簡単な平らなディスク盤で、郵送であるいは持ち込んで
出願をする。それから昔のように紙出願、書いて持っていく。オンラインで、持っていかない。線で結んで、コンピューター同士で結んで出願をする。これは専用の端末が必要なんですが、六五%は既に特許庁はオンライン出願なんです。簡単に言えば、特許庁は全国どこにあったって、電話回線と端末専用のを持っていれば特許は自由にとれるのです、大臣。三〇%はフロッピーディスク、これは郵送も受け取り可能なんだそうです。残りの五%が紙出願なんです。これは郵送ももちろんあるわけですけれども、持っていける、こういうことだと思います。
 こうなってまいりますと、実は本省の機能が全国に点在していてもそう不都合ではない状況になってくる。ところが、一方では議院内閣制度でありますから、その問題点がネックとして出てくる。例えば、省庁間の話し合いで、法令協議などテレビ会議でやっていいものかどうか、かなり問題がある。ところが、レベルがあると思うのですね。係長から課長補佐から課長、局長の段階まで、いろいろな段階での議論のときには、むしろこれは、省内をLANで結んでいるわけですから、それが点在しても何ら私は不都合にならない。ならないものもあると言ってもいいのでしょうか、ならないケースがあって、存在してくるのじゃないか、こういうことを私は考えているのです。
 ですから、こうなりますと、特許庁の長官官房は国会周辺に移転をしますが、特許庁の残った部分でこのようなオンラインで結んで処理できるところは、分散してもいいのじゃないか。それを地方に分散することによって、一極集中と先ほど申し上げました精神的分散が成り立っていくのではないか、こういうふうに私はとらえているわけなんです。
 その角度の議論がないと、二〇一〇年に国会みずからが移転して中央省庁も移転していただくときには、ぽっかりとそこのところが抜けていたものですから、行革、規制緩和、地方分権の推進、こういったものの実効が少し上がらなくなってくるのではないか。これは十分に検証してみなければならないと思いますが、私、一くくりで申し上げておりますので、大変その点は申しわけないと思っているのです。
 それから、通信が途絶された場合ということがあるのですが、そもそも国会の周辺にいるから通信が途絶しないというのは、私は、ちょっとこれはいろいろ議論の余地があるところだと思うのです。全国どこにいても、緊急時にも通信がとれるようなバックアップ体制というものをつくっておかなくちゃいけないわけで、すべてが新しい首都圏に神経が集中していたら、これは逆に言えばどこかで切れます。いろいろなところでとれるようにしておくという、危険、リスク、これを分散していくという発想が重要なわけですから、それでこの一連の流れでもバックアップ体制というものを言っているわけですから、これは私は、まさに多極分散型で危険、リスク、情報途絶というものを分散していくという視点は必要だと思うのです。
 ですから、そういうような意味におきまして、私は、今度は国会の問題になってくるわけでございますが、懇談会、いろいろ国会にあるわけでございますが、国会等移転審議会を設置していくというようなことも議員連盟で考えてもいるわけでございます。しかし、そういったときに行革、地方分権を視野に入れ、それらを取り巻く環境が情報通信の高度化というもので飛躍的に、あるいは我々が予想だにしない環境を提供するんだ、ここだけは頭に入れておく必要があるんだと思います。
 結びの話になってまいりますけれども、私が言っていることは分都ではないのです。展都でもないのです。まさに首都機能の移転なんです。そして、その移転する機能が十年、十五年たてばきのうの話になってしまう。それを情報通信の高度化の技術利用、基盤利用していけば、全国に、それ以外のもので、以外といいますか、一つの省の中で分散させてもいいものは分散させて地域振興に役立てていくんだということの方が私は国民的合意を得られるもの、こういうふうに考えておるわけでございます。
 そこで、時間がなくなってまいりまして、私の何か意見発表みたいなので申しわけございませんが、国会が国会移転等をしようということでございますので、なかなか言い場がないものでございまして、まことに申しわけございません。
 これを角度を変えて申し上げさせていただきたいと思いますが、ワシントン、キャンベラ、ベルリン、いろいろと首都移転の例がございます。これらの背景を聞かせていただいたりいたしますと、ほとんどの場合が国家統合なんです。一番わかりやすい例は今度のベルリンです。東西ドイツが一つの国になったので移転しよう、こういうことでございます。アメリカも、まさにフィラデルフィアから一八〇〇年に移転をしています。それから、メルボルンからキャンベラに、オーストラリアの場合も一九二七年に移転しているわけです。そういう国家統合などの背景というのが非常に大きくあるのです。
 ところが、今回我が国で言っているのはそうではないわけです。ですから、まさにそういう意味で、町づくりをするというような発想でこの議論をしていったのでは、そもそも国民の意思からは離れていくおそれがある。特に、自分のところに来るか来ないかということだけが非常に関心の的になる、誘致合戦になる、こういうことなんです。ところが、私が申し上げたような情報通信手段の高度化ということを考えると、これは九州にも配置できるものも出てくる。北海道にもある。まさにこういういろいろな分散が可能になってくるというわけですから、この辺、私は現在の議論としてぜひとも膨らませて議論をしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
 同時に、交通網の進展というものも必要なのですね。やはり国会があるときには来てもらわなくてはならない、こういう場合もあります。しかし、来てもらわなくてはならない課長さん方は、大臣官房でその役割ができないのでは困るわけですね。ですから、当然にその間は、郵政省は二〇一〇年には光ファイバーを全戸に引くと言っているわけですから、光網を利用して、無線系の衛星を通じて十分に省内の意思疎通、これは対応できるわけですから、そういうところをやっていくと、そう支障のない役所の中のセクションというものが出てくる、こういうふうに私は考えている次第でございます。
 時間になりましたけれども、そのようなことが十分これから国会で議論をされるべきものであろうということを申し上げまして、大変私自身の意見開陳的な話になってしまいましたけれども、私の質疑にさせていただきたいと考えております。長官がおっしゃいましたような、先はどのような、国民のコンセンサスを得なければこの首都機能移転ということは成り立たないものでございますので、国会としても、もう一度何らかの形で意思決定を、国民の皆様方に意思をお伝えする。例えば国会決議のようなこともする必要があるのかなということも考えておりますが、国会でますますこれからそのような議論をしていかなければならないだろうということでございます。
 以上、私の主張として、情報通信手段の高度化によって、飛躍的な進歩によって、一省庁のすべてが、大臣官房等は国会と一緒に移転しても、そのほかの部分で情報通信網によって、あるいは交通手段によって十分離れていてもできるというものがあれば、それは全国展開をして、地域振興、それが地方分権の精神にもつながるわけです。行革にもつながるわけです。そういうようなことによって、この首都機能移転というものが持つ意味がさらに膨らんでくる、国民的な理解もまたそこに飛躍的に高まってくるというようなことを申し上げまして、質問とさせていただきました。ありがとうございました。
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江藤隆美#10
○江藤主査代理 これにて荒井広幸君の質疑は終了いたしました。
 次に、川端達夫君。
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川端達夫#11
○川端分科員 大臣、どうぞよろしくお願いします。新進党の川端達夫でございます。
 本題に入ります前に、どうしても大臣に御所見を賜りたい。それは、今、国会で最重点課題として議論されている、住専に対する税金六千八百五十億円を投入するという問題であります。
    〔江藤主査代理退席、主査着席〕
 内閣を構成される一員として責任ある立場におられるわけでございますが、マスコミ等々を通じても、一部の報道では、国民の九割までが納得できないというふうな報道もされております。私も、月、火、水と多くの仲間と署名活動等々をしました。銀座で署名活動をしていますと、いろいろな署名活動を私もやってきましたけれども、列をなして、順番を待って、私も書かせてくれと。そして、これしか私たちはしようがないんだ、この気持ちをどうしたらいいんだ、だから、あなたたちに頑張ってもらうしかないし、私たち普通の国民は署名するしかない。買い物の荷物を持って、そしてちょっとあなた持っていてと言って、多いときだったら数人の方が行列して署名していただいた。これぐらい多くの国民が怒りを持ち、不信を持っている。
 私は、この問題はただ単に住専という問題の処理ということにとどまらず、来年消費税が上がる云々という議論がありますけれども、これからの時代は国民が痛みを分かち合いながら二十一世紀をみんなで支えていこうという、その政治に対しての信頼がベースでないとできないことばかりというときに、大きな信頼を裏切ることになりつつあるのではないかということで、大変危惧をいたしております。
 そこで、これだけの反対がありながら、お立場ということは理解をするのですけれども、率直なところ、こういう反対がありながらでも賛成というか、この法案を無傷で通していこうという、我々はまず削除すべきだと申し上げている、要求しているわけですが、そういうことに関して、このままやろう、そして、これしかないという御所見であるのかどうか、お尋ねをしたい。同時にまた、大臣も長らくまさに大衆とともに政治活動をしてこられたということで、その部分は恐らく痛いほど胸にお持ちではないか、大臣の所属される政党を支持している多くの方もそういう思いではないかというふうに思うのです。大臣を離れて答弁しろというのはなかなか難しいかもしれませんが、率直なところも含めてお聞かせをいただきたいと思います。
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鈴木和美#12
○鈴木国務大臣 今先生の御指摘でございますが、私ども、私、どちらもそうでございますが、やはり内閣というものは、いろいろな問題があったとしても、内閣一仕事というようなことが俗称言われているのが政治だと私は思うのです。そのときに、国民の皆さんがどういう感じを持っているのかということは十分踏まえながらも、あすを考えて、きょうよりもあすを考えて、国民の生活、財産を守るという立場に立って政治が取り組むことが一番政治家としては大切ではないかと私は思っているところでございます。したがいますと、きょうの株価ではございませんけれども、国会の状況などの議論を聞きながら大変敏感に反応するというような状況から見れば、やはりこのスキームで国民の皆さんに御理解をいただくきり方法はないのではないのかな、こういう感じを今持っているところでございます。
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川端達夫#13
○川端分科員 きょうよりあすという部分は、まさにあすを考えるときに、一番大事なのは政治に対する国民の信頼。いろいろ厳しい時代だけれどもみんなで支え合っていこう、そしてその部分で、そのかじ取りを政治がやってくれているんだ、だから一つらいけれどもいろいろ負担もしていこうということが根底だと思うのです。そのあすを考えるときに、納税義務すらあほらしいな――済みません、関西人ですから。税金みたいなの払うのはばからしいよという世の中で、果たして負担にたえ得るような、みんなで国を支えていこうという国があすできるのだろうかと私は率直に思いますけれども、きょうは本題がありますので、胸の中ではいろいろお思いだということも思いますし、できればそういうことを行動として起こしていただきたいと御要望申し上げておきます。
 さて、私は滋賀県選出の議員でございます。東京に来まして、普通の方に、どこですかと言われて、滋賀ですと言うと、滋賀県てどこと正直に言われることが割に多いのです。京都の隣と言えば、ああ、京都の向こうですかとか言われてしまう。ただ、琵琶湖があるんですと言うと、ああ、あの琵琶湖の、と言っていただける。
 そこで初めに、大臣は、琵琶湖という言葉というか、琵琶湖という部分に対してどんなことを頭に思い浮かべるか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
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鈴木和美#14
○鈴木国務大臣 一般的な認識でございますが、やはり琵琶湖というときには、歴史とか、その中に生活している人たちのこと、それから、こういう役職になったこともございまして、水資源の問題などについて、大変私は使命というか、興味というか、そういうものをまず最初に感じます。滋賀県でも、全国区で、ある数字の票をもらっておりますので、滋賀といっても琵琶湖といっても大変懐かしく、またありがたく感じているのが所見でございます。
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川端達夫#15
○川端分科員 滋賀県民百二十八万の人、それからふるさとを滋賀県に持つ人にとって、琵琶湖というのはまさに心のふるさとであります。すべてが琵琶湖につながっていると言ってもいいと思います。
 若干宣伝をしておきますと、琵琶湖というのは四百万年前にそのもとができた。そして、それは比較的小さなものだったようですが、大地殻変動の中で約四十万年前にほぼ今の原型になったと言われております。それで、数十万年以上前からできた湖で、そこにそこ固有の動植物が生息しているという湖を古代湖とそういう世界では呼ばれているようですが、世界に十カ所しかないという、もちろん日本では唯一の湖であります。そういう古代湖という、そして特定の――ここにちょっとこのパンフレットで、これはビワコオオナマズという琵琶湖にしかいないというナマズですが、そういうものだけでも十数種類いるとか、貝だけでも琵琶湖にしかいない貝というのが二十種類ぐらいいるとか、そういうふうに非常に貴重な財産である。
 同時に、世界で十カ所しかない古代湖の中で、周辺に百二十八万人も人が住んで、長年そこで暮らして生活を支えてきた。しかも、その下流域には大都市圏、一千四百万人の人がその水の恩恵をこうむっているという湖は世界に一つしかない。あとはほとんど、例えばバイカル湖、タンガニーカ湖、チチカカ湖、随分大きな湖がたくさんありますけれども、その周辺に人が住んでいるかというとほとんど住んでいないというふうな部分でいうと、まさにこれは世界的な遺産、財産であるというふうに言って過言ではないというふうに思っております。
 それだけの大事なものということで、私たちは、滋賀県民だけではなくて国民としてこの財産を守り、そして後世にきちっと、我々も先人から受け継いできたわけですから、それを残していく責任があるというふうに思うのですが、そういう認識に関してはいかがでございましょうか。
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鈴木和美#16
○鈴木国務大臣 先ほども申し上げましたように、琵琶湖は、古くから人間生活と密接な関係を有する湖でありますし、同時に、滋賀県はもとより京阪神地区の発展、繁栄に大きく寄与しているものと私は認識しております。
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川端達夫#17
○川端分科員 それで、そういう思いの中で、実は、まさに国土庁を中心としていただきまして、昭和四十七年から十年間、十年間、五年間延長という二十五年にわたって琵琶湖総合開発特別措置法を制定していただいて、総額でいうと一兆八千億の国費、事業費を投入していただいて琵琶湖総合開発が進められた。平成八年度でいわゆる最終年度を迎える。平成七年度でも概算で総事業の約
九八%進捗した、ほぼ終わりに来たという部分では、大変これは滋賀県にとって、あるいは下流住民にとっても大きな役割を果たしていただいたと感謝をしているわけですけれども、この琵琶湖総合開発、国土庁がまさに主管としておやりいただいたという部分に関してはどう評価をされているのか、お伺いしたいと思います。
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五十嵐健之#18
○五十嵐(健)政府委員 お答え申し上げます。
 琵琶湖総合開発事業、先生御指摘のとおり、昭和四十七年から現在に至ります、平成八年度に至ります二十五年間にわたる事業でございます。平成八年度、ただいま御審議を賜っておるわけでございますが、これを使わせていただきますと一〇〇%を超えるという状況になります。一部の事業につきましては少しおくれがあるところもあるわけでございますが、全体的にほぼ目的を達することができるということになると思います。
 これは、先生御指摘のように、滋賀県あるいは琵琶湖周辺の自然環境あるいは水質の保全という観点からの貢献と、それから滋賀県に限りませんで、淀川下流阪神地域の発展に大きく寄与してきたものと考えております。
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川端達夫#19
○川端分科員 おっしゃるように、大変便利になりました。そして、下流域も含めての水の安定供給という部分では大変な、一昨年ですか、水不足と言われたとき、琵琶湖も一メートル九十八センチという低水位までなって、そこが、いろいろ問題もあったのですが、水を始末はしましたけれども、水が飲めないとか、ないとかいう状況にはなかったという部分では、利水という部分でも大変効果を発揮している。私も子供のころは、少し雨が降ると家じゅう水がつく、洪水が起こるという状況とかいうこともほとんどなくなった。割に台風の通ることが年に二、三回あって大雨になりますが、そういう災害に対しても非常に効果を発揮している。そして、何よりも便利になった。草ぼうぼうの湖岸がきれいになって、水の便もよくなりというふうな部分では非常に快適で、利水も治水もよくという部分では非常に効果があった。
 ただ、二十五年たって振り返ってみますと、昭和四十七年というのは、四十五年に大阪万博が開かれて、世界に追いつけ追い越せという、頑張ろうという高度成長時代という部分で、もっと便利に、もっと快適に、もっと豊かにという部分が国のほとんど信じて疑わない一つのベクトルとして走ってきたという時代だったと思うのですね。今考えたときに、確かに便利になったけれども、まさに世界の遺産である琵琶湖で失ったものが随分多いのではないか、あるいは、失いつつあるものが随分あるのではないか、このままでいいのだろうかというふうな問題が随分たくさん出てきているというのが現時点だというふうに思います。
 私は、開発か保全かというときに、どちらが正しくてどちらが間違いということではない、社会的なニーズもあると思います。ただ、開発という利便性を求めてやってきた琵琶湖総合開発で大きな効果をもたらしたと同時に、やはりその影の部分が出てきたのが現在だ。このままの状態で私は後世に引き継ぐということはできないのではないか。
 ちょっと環境庁、おいでいただいていますね。琵琶湖の水質というものに関して、滋賀県民も、水質の汚濁防止法に基づく条例あるいは全国で恐らく唯一無二ではないかという富栄養化防止条例、いわゆる石けん条例、各家庭ではいわゆる有機燐系の洗剤を使わないでおこうという運動と同時に、有機燐系の洗剤を売ってはいけないというふうなことまでして非常に細かく家庭ではいろいろ配慮をし、条例もやっているということでありますが、水質は悪くなる。環境庁としては、今琵琶湖の水質というものにどのような御認識をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。
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南川秀樹#20
○南川説明員 御説明申し上げます。
 琵琶湖につきましては、滋賀県自体大変な努力をされております。全国に先駆けまして、富栄養化のための条例あるいはアシ・ヨシ保全条例といった努力をされております。また、国ベースでも、水質汚濁防止法あるいは湖沼水質保全特別措置法というものに基づきまして総合的な対策を実施いただいておりますけれども、残念ながら、有機汚濁のCODを見ますと、目標たる環境基準は超過いたしておりますし、またその数字自身毎年悪化してきているということで、極めて厳しい状況にあるというふうに認識いたしております。ぜひ地元とより連携を図りまして、もっと幅広く対策を検討し、やっていきたい、そんなふうに考えております。
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川端達夫#21
○川端分科員 おっしゃるとおり、アオコは昭和五十八年から一年を例外にして毎年、赤潮も昭和五十年からほぼ毎年、CODは環境基準の二、三倍、全燐値も、北湖と南湖と呼び分けているのですが、北湖でぎりぎり、南湖では二、三倍、全窒素も一・五から二倍という、環境基準を全然満たしていないというふうにどんどん悪くなっている、必死の努力をいろいろやっても悪くなっているというのが現状でございます。そして、そこの中で、まず、流入してくる部分でいうと、工場の排水等々は非常に厳しい環境基準がございますが、やはり下水道整備というのは大変大事だと思う。たくさん人間が住んでいるわけです。
 ということでございますが、建設省にお伺いをしたいのですが、滋賀県の下水道整備の状況、大変御努力もいただいていると思うのですが、これは建設省に聞いたらいいのでしょうか、お願いします。
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貞包秀治#22
○貞包説明員 琵琶湖の流域に係ります下水道事業でございますが、現在、八市三十七町を対象といたします琵琶湖流域下水道、それから大津市等におきます公共下水道、こういったことで鋭意事業を進めております。現在、既に流域下水道につきましては四処理区中三処理区が供用しておる、そういったことで、現在、滋賀県下五十市町村のうち二十三市町村が下水道を供用しておるというふうな状況でございます。
 特に、先ほど先生から御指摘ありました富栄養化に関係いたしまして、高度処理対策ということで、滋賀県の琵琶湖関係の下水道につきましてはすべて高度処理を導入する、これによりまして窒素、燐を削減するということで努力をしているところでございます。
 しかしながら、現在まだ下水道の普及率は四〇%ということでございまして、今後、私どもといたしましても、さらに一層努力をしていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
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川端達夫#23
○川端分科員 ありがとうございます。
 下水も、全国平均値が五一%というときに四〇%ぐらい、まあ一生懸命頑張っていただいているけれども、水準としては、なかなか遅々として進まない。そういう部分で、便利に使うという分には非常に効果があったし、便利になって、安全にもなってきたという湖であるけれども、その体力というものはどんどん落ちてきた。
 やはり、自然というものは、よく考えてあるなと言うと何か変ですけれども、うまくできている。昔は、琵琶湖の周辺といったら幾つもの内湖がありました。内湖ですね。そうすると、いろんな部分で、例えば田畑からいろいろ、当時でいえば有機肥料かもしれませんが、流れてきたようなものは、そういう内湖に一たんたまる。そして、いろいろだまる中に、そこに、我々の地域ではヨシと言うのですが、いわゆるアシが生えていて、そこで、要するに水中の養分を陸上に揚げる役目をし、底に沈殿させる役目をするという、いわゆるバッファーになった。そして、岸辺というのはなだらかに深くなっていく。そして、岸辺に生える水草から、水中五十センチぐらいまでに生える、あるいは一メートルぐらいに生えるという水草によっておのおの栄養分をとりながら、そしてそこが魚の産卵場になり、小さい魚は、そこで安全に、大きい魚が来ないという水草の間で、生きながら、また出ていく。そして、もっと深いところにある藻が異常繁殖してふえて水中に浮かぶと、それは風に流されて岸辺に打ち上げられるというふうに、全部がうまくそういう機能を果たしながら自然の力を保ってきた。
 ところが、内湖は、もったいない地面だということで埋めてしまう。それから岸辺も、もう少し広くしようというので埋める。そうすると、がけみたいな岸辺になる。そうしますと、当然水草はなくなる。そして、小さい魚はそこでしかすめない。というのは、大きい魚、特に最近は、外来種で入ってきているブルーギル、ブラックバスという、要するに非常によく食う魚が出てしまう。そうすると、小さい魚あるいは産卵された魚の生息する場所も失われてきた。当然ながら、そこでプランクトン等々のバランスが崩れる、あるいは流れ込む川も、こういう川であったのが、はんらんする、堤防をつくってこういうふうにやると。そして、結果としては、流れてきた藻は、岸辺に打ち寄せられると、断崖絶壁ですから、そこへたまって、打ち上げられずに腐ってヘドロとして沈むというふうに、要するに、自然がもともと持っていた部分を埋め立てたり、あるいは見た目に非常にきれいになるという岸辺ができて、実は自然の力は何もなくなる。あるいは港があると、その周辺に水草がいっぱい生えているのは船の出入りに非常に不便であるということで、全部きれいに刈ってコンクリートで固めると、見た目は非常にきれいになり、便利になるけれども、実は自然の力を全部殺してしまうということを結果としてはやってきた。
 だから、そういう部分では、二十五年かけて便利にした。であるならば、これから、二十五年では恐らく無理でしょうけれども、五十年、百年かけてでもそういうものを少しずつ、また、いろいろな科学の力もかりながら、自然の力を、体力をまた戻してやるということもやらなければいけないのではないか。
 いろいろな事業をやっていただいているのです。内湖に、強制的にですけれども、ヨシ、アシを植えた地域をつくるとか、あるいは、彦根城というのは有名ですけれども、あのお堀はもうよどんでしまっているから、昔は自然に流れていたのですけれども、そういうふうに段がついてしまいますから、そこを強制的に水を流すようにしようとか、いろいろな努力をされているのですが、微々たる効果しかない。
 そういう部分で、まず大臣にお伺いしたいのは、そういうふうに、まあ開発か保全かというと非常に短絡的な発想になりますけれども、やはり開発は開発で大きな意味があった。二十五年かけて便利にした。しかし、これだけの大きな財産をこのままほっておいては本当に死んでしまうのではないか。これは、世界的な遺産であると同時に、やはり生活、産業に全部かかわってきている問題ですから、このまま放置するということではなくて、そういう環境を保全し、復元していくという方向に――今まで国土庁は、開発しようということにベクトルを持っていただいて大きな効果を上げたけれども、これからの時代というのは、そういう部分の一つの使命が、琵琶総が、法律も来年で終わるというときに、次の時代はそういう観点の政治の姿勢が必要ではないかと私は思うのですけれども、大臣の御所見をひとつ賜りたいと思います。
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鈴木和美#24
○鈴木国務大臣 今先生のお話を伺っておりまして、生態系の問題や滋賀県の琵琶湖の持っている問題については、私は、全く認識が同じでございます。
 そこで、滋賀県においては、現在、総合的な保全管理のあり方について検討しているということをお聞きいたしております。同時に、これからも、地元関係地方公共団体がどのような考え方でどのような施策をやりたいのかということを伺った上で、国としても対処していかなきゃならぬことだと思っております。
 いずれにしても、大事な水資源、それから生態系の問題がございますので、先生の意見も十分踏まえまして、現地からの御意見があれば、それに適切に対応していきたい、かように思っているところでございます。
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川端達夫#25
○川端分科員 ありがとうございます。
 先ほども御紹介いたしましたように、県は県で、いわゆる俗に言う石けん条例とかヨシ群落保全条例とか、いろいろな条例をつくり、県民も、例えば、台所でお皿を洗うのも、油がついていれば、そのまま洗えば簡単なのですけれども、そうするとそれは水として琵琶湖に流れる。それならば、例えば新聞紙とかそういうものでふき取って一要するに水に流さないでとか、そして、ストレーナーみたいなものも、市町村で、有効な銅製のものは助成金をつけて、みんなこれを使った方がいいですよとか、さまざまな努力をしている。そして、県としては、そういう県民意識の高揚を含めて、条例も含めて一生懸命やるけれども、それにはそれで一つの限界がある。そして同時に、個々の、先ほどもお答えいただきました下水道整備事業とか農村集落とか、あるいは工場排水の問題とか、そういう問題ということでは、それぞれ独立した法律がございますから、それでその環境基準を守るようにということもやる。
 しかし、それだけではどうも、とてもじゃないができない。そして、一つには、滋賀県だけでもできない。琵琶湖総合開発の場合は利水がメーンですから、いわゆる流域一千四百万の京阪神の皆さんに水を供給するという部分では、下流域の皆さんにとっても水を安定的に供給してもらえるという部分では、琵琶湖総合開発がきちっとうまくいくように、常に実利を伴う、と言うとちょっと語弊がある言葉かもしれません、という部分では一体感がある。ところが、一つ間違うと保全の問題というのは、汚れてきたと言うたら、お前ら汚したのか、ちゃんとしてきれいな水よこせということになってはいけないことで、これはトータル子々孫々まで、下流域の皆さんも含め、非常に大きく言えばそれは日本全体としてということなのですが、下流域の皆さんを含めた一体でやらなければいけないという、かなり広域になる。しかもそれをきちっと網を張ろうとすれば、やはり何らかの法的な仕組みが要るのではないか。
 そういう議論をすると、例えば、汚れているのは琵琶湖だけではない、ほかの湖もいっぱい汚れてきておるのだ、全体に。そうしたら、そういう湖沼をきれいにするという法律ということではまだやっていけないわけですね。何で琵琶湖だけやるのだということになるという部分で、やはりこういう特別な価値のある、そして意味のある琵琶湖というものに特定をして、まさに総合的な国土開発の調整機能の国土庁として何らかの法整備をやっていただかないとやれないのではないか。
 今大臣お答えいただいたように、現在滋賀県でも、水政審議会の今の答申等々含めて、どういうことで自分たちができるのだろうか、法律でこういうことは今でもできるのではないか、しかしこの真ん中のゾーンはやはり国としてこういう仕組みでお願いしたいということはどうなのだろう、トータルどうあるべきかと一生懸命議論をしております。また、近々にそういうことでのお願いにも上がるかというふうに思いますが、法整備も含めた踏み込みがぜひとも必要だというふうに思っていますけれども、その部分での御理解をひとつ賜りたい。
 時間が来てしまいましたけれども、そういう取り組みに関しての御協力を含めて、御所見を賜われれば幸いだと思います。
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鈴木和美#26
○鈴木国務大臣 先生の提言及びお話を十分承りまして、国土庁としても現地とよく相談して対応してまいりたいと思っております。
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川端達夫#27
○川端分科員 どうもありがとうございました。
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伊藤公介#28
○伊藤主査 これにて川端達夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉岡賢治君。
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吉岡賢治#29
○吉岡分科員 私は、環日本海国土軸の形成について質問をさせていただきたいと思います。
 環日本海圏の構想と日本の役割ということでございますが、二十一世紀に向けて環日本海圏の新しい国際秩序を構想し、日本も共生の理念を基本とし、その一翼を担うときに来ているのではないかと思っています。今や冷戦構造は崩壊をし、さらに韓国の目覚ましい経済成長、さらに南北朝鮮の統一への胎動、そして中国の改革・開放経済の
東北三省への影響、さらにロシア極東地域あるいはモンゴルにおける市場経済への移行の動きなど、経済、文化の新たな交流、こういうことも起こっています。
 とりわけ、UNDPが関与しております中国、ロシア、北朝鮮を軸とする世界初の多国間協力による図 江の開発構想や、UNIDOがタッチしております大ウラジオストク構想、こういうことを考えてみますと、新しい国際協力というものが今見られているわけであります。また、昨年末にはニューヨークで、中、ロ、北朝鮮、これで図們江開発の調整委員会、さらに、韓国とモンゴルを加えた諮問委員会、こういうものが発足をしたというふうに言われております。加えて、中国の琿春から長嶺子、そしてロシアの沿海地方のザルビノ港、これに向かって来年の一月に鉄道が完成する。言うなれば、中国の黒龍江省から、あるいは吉林省から物流が日本海へ出てくる、こういう現実が起こっているわけでございます。
 これら北東アジア地域の国際平和並びに経済成長、そして環境保全、さらには日本海の漁業資源の確保、こういうものに我が国の貢献というものが求められているというのは論をまちません。環日本海沿岸地域、特に対岸諸国との歴史的な関係が深い地域、これを中心にして私は今後の日本の役割というのを果たしていかなければならないと思っているわけでございます。
 そういう意味で、自治体やあるいは経済界では今活発な動きが出てきております。日本政府としては、この環日本海構想というものについて、一体どのようなお考えをお持ちなのか。私は、役割はだんだん大きくなっており、そして技術的な問題とかあるいは資金的な問題というので大きく貢献できる分野があると思うのですが、その点についてまずお聞きしておきたいと思います。
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