外交防衛委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年七月十六日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
七月十二日
辞任 補欠選任
岩本 司君 佐藤 道夫君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 武見 敬三君
理 事
山本 一太君
吉村剛太郎君
木俣 佳丈君
山口那津男君
小泉 親司君
委 員
泉 信也君
河本 英典君
桜井 新君
福島啓史郎君
舛添 要一君
山下 善彦君
佐藤 道夫君
齋藤 勁君
広中和歌子君
遠山 清彦君
吉岡 吉典君
田村 秀昭君
大田 昌秀君
事務局側
常任委員会専門
員 櫻川 明巧君
参考人
オリックス株式
会社代表取締役
会長 宮内 義彦君
朝日新聞特別編
集委員 船橋 洋一君
外交評論家 岡本 行夫君
ソシエテジェネ
ラル証券会社東
京支店常務取締
役 藤原美喜子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
(外務省改革に関する件)
─────────────
この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
七月十二日
辞任 補欠選任
岩本 司君 佐藤 道夫君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 武見 敬三君
理 事
山本 一太君
吉村剛太郎君
木俣 佳丈君
山口那津男君
小泉 親司君
委 員
泉 信也君
河本 英典君
桜井 新君
福島啓史郎君
舛添 要一君
山下 善彦君
佐藤 道夫君
齋藤 勁君
広中和歌子君
遠山 清彦君
吉岡 吉典君
田村 秀昭君
大田 昌秀君
事務局側
常任委員会専門
員 櫻川 明巧君
参考人
オリックス株式
会社代表取締役
会長 宮内 義彦君
朝日新聞特別編
集委員 船橋 洋一君
外交評論家 岡本 行夫君
ソシエテジェネ
ラル証券会社東
京支店常務取締
役 藤原美喜子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
(外務省改革に関する件)
─────────────
武
武見敬三#1
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十二日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として佐藤道夫君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る十二日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として佐藤道夫君が選任されました。
─────────────
武
武見敬三#2
○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査のうち、外務省改革に関する件を議題といたします。
本日は、参考人として、朝日新聞特別編集委員船橋洋一君、外交評論家岡本行夫君及びソシエテジェネラル証券会社東京支店常務取締役藤原美喜子君に御出席をいただいております。
なお、オリックス株式会社代表取締役会長宮内義彦君には、所用のため、午前十一時を目途に御出席いただく予定となっております。
この際、委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、参考人の方々におかれましては、御多用のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。また、船橋参考人並びに所用のためまだお見えになっておりませんが宮内参考人におかれましては、前回に続いて二度目の御出席をいただきました。重ねて御礼を申し上げます。
四月二十六日に行いました意見交換におきましては、大変示唆に富むお話を伺うことができまして、極めて有意義なものでありましたが、残念なことに、その後、外務省の職員がまたもや逮捕され、また瀋陽総領事館亡命事件への対応をめぐって、外務省ひいては日本外交に対する国民の目は一段と厳しさを増しております。
一度失墜した国民の信頼を取り戻すことは並大抵のことではございませんが、仄聞するところ、変える会は、近々、外務省改革についての最終報告を取りまとめ、外務大臣に提出すると伺っております。
その報告内容に、もちろん国民は強い関心を示しておりますが、それにとどまらず、報告内容の一つ一つが速やかに実践され、具体的に外務省改革が実行されることを期待しているものであります。
そのためにも本日は、前回にも増して、参考人の方々と当委員会との忌憚のない、より深みのある意見交換を行い、私たち国会議員としても外務省改革の具体的実行に向けた責任をいささかなりとも果たしてまいりたいと決意しているところでございます。
以上の趣旨をお酌み取りいただき、本日の意見交換が一層実り多いものとなりますよう、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、議事の進め方について申し上げます。
まず、参考人からお一人十分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、正午までを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
なお、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず船橋参考人に御意見をお述べいただきます。船橋参考人、どうぞ。
この発言だけを見る →本日は、参考人として、朝日新聞特別編集委員船橋洋一君、外交評論家岡本行夫君及びソシエテジェネラル証券会社東京支店常務取締役藤原美喜子君に御出席をいただいております。
なお、オリックス株式会社代表取締役会長宮内義彦君には、所用のため、午前十一時を目途に御出席いただく予定となっております。
この際、委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、参考人の方々におかれましては、御多用のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。また、船橋参考人並びに所用のためまだお見えになっておりませんが宮内参考人におかれましては、前回に続いて二度目の御出席をいただきました。重ねて御礼を申し上げます。
四月二十六日に行いました意見交換におきましては、大変示唆に富むお話を伺うことができまして、極めて有意義なものでありましたが、残念なことに、その後、外務省の職員がまたもや逮捕され、また瀋陽総領事館亡命事件への対応をめぐって、外務省ひいては日本外交に対する国民の目は一段と厳しさを増しております。
一度失墜した国民の信頼を取り戻すことは並大抵のことではございませんが、仄聞するところ、変える会は、近々、外務省改革についての最終報告を取りまとめ、外務大臣に提出すると伺っております。
その報告内容に、もちろん国民は強い関心を示しておりますが、それにとどまらず、報告内容の一つ一つが速やかに実践され、具体的に外務省改革が実行されることを期待しているものであります。
そのためにも本日は、前回にも増して、参考人の方々と当委員会との忌憚のない、より深みのある意見交換を行い、私たち国会議員としても外務省改革の具体的実行に向けた責任をいささかなりとも果たしてまいりたいと決意しているところでございます。
以上の趣旨をお酌み取りいただき、本日の意見交換が一層実り多いものとなりますよう、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、議事の進め方について申し上げます。
まず、参考人からお一人十分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、正午までを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
なお、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず船橋参考人に御意見をお述べいただきます。船橋参考人、どうぞ。
船
船橋洋一#3
○参考人(船橋洋一君) 船橋でございます。おはようございます。
再びこのような機会を与えていただいて、まず感謝いたします。ありがとうございます。
七月二十二日に変える会の最終報告書取りまとめで、今大詰めでやっているところでございます。今朝も八時から人事に関するところをやってまいりまして、そのまま三人で一緒に車に乗って駆け付けたというような次第でございます。
時間が限られておりますので、三点中心に御報告したいと思います。
一つは、もちろんこの変える会も、変える会は数々の不祥事、今そういうものに触発されて外務省の信頼回復と、これを中心に、川口外務大臣が十項目についてひとついろいろな改革の勧告を出すようにということで始まっているわけですけれども、単に外務省、あるいはさらに日本の外交、外交体制が直面している問題というのは、スキャンダルとか不祥事とか、そういうことにとどまるものではなくて、言ってみれば非常に構造的な問題といいますか、それを抱えているんだと。同時にそれを見ておかなければいけないと。
信頼の回復のそもそもは、外交強化あるいは外交体制の強化と、その中での外務省の取組、これをより強化するということにあるわけで、その点からしますと、グローバリゼーションの進展に伴う新たな課題、例えば領事業務が爆発的に増大すると、なかなか追い付けない。その領事業務というのも海外の邦人に対するサービス、行政サービスのような在外者の投票とか、そういうものももちろんありますし、同時にテロに対する戦いの最前線であるというような位置付けもまたあるわけで、非常に複雑多岐にわたっている。これなどもやはり、人の移動あるいは情報の移動、これは瞬時にグローバルな、そういうものに伴ってリスクが増大すると。それを外交としても、特に在外公館、第一線が対応しなければいけない。そこにギャップといいますか、なかなか追い付かない、環境変化に適応できないという問題。
もう一つは、いわゆるパブリックディプロマシーと言っておりますけれども、内外の広範な市民、大衆に外交を説明して理解を得て、さらには支持を得るというようなそのパブリックディプロマシーの重要性が従来とは比較にならないほど重要になってきている。これがやはり十分に取り組むことができていないと。
あえて三つ目を言いますと、特に冷戦時代、日米枢軸というようなことを中心に日本の外交体制、外務省の組織まで含めて、人事まで含めて、バイラテラルな、二国間中心本位外交ということであったと思いますけれども、それが冷戦を経てもう十数年、マルチ、多角的な外交の重要性が世界的に高まっているにもかかわらず対応できていない。こういうようなところに、その根本的な問題が多分あるんだろうと思います。
ですから、本来ならばそういうものも十分に我々の方としても問題提起して、外交強化を更に深めるように、強化させるような方向で書かなければいけないんですけれども、正直言って、そこのところはいま一つまだ不十分であったかなという感じを私は個人的には持っております。しかし同時に、そのためにも信頼の回復というのがやはり決定的に重要であって、国民の信頼を欠いているような外務省、外交体制では、十分な外交もできないというところにやはり帰着すると思います。
ここでは、トップマネジメントを強化するとか、あるいは説明責任とか、透明性とか、情報開示とか、そういうことを本格的に取り組んでいくとか、さらには外部の人材、あるいは外務省の中でのいわゆる上下といいますか、言わば階級制のようなものを打破して競争原理を導入すると同時に、特に外部との間に新しいパートナーシップ、協力関係を作るというようなことでこの信頼回復というのを進めるべきだろうということで進めてまいりました。
特に、私は一点、ここで危機管理、瀋陽事件もあってのことなんですけれども、危機管理、それと領事業務の重要性というのを強調してみたい、強調したいというふうに思います。
外務省においては、総合外交政策局が危機管理をも事実上担当するということで、九六年のペルーの邦人人質事件、その後もう一度再確認の意味で総合外交政策局がこれを取り扱うというふうになっておりますけれども、言ってみれば、総合外交政策局というのは中長期的な総合外交政策、起案、立案、さらにその強化というために十年前にできた。にもかかわらず、それが十分に機能していない、つまりアブハチ取らずの状況になっている。
領事業務についても、やはりここは領事局のようなものを作るとか、あるいは領事官という職業を、専門職をきちんと構築するとか、更には領事大学校のようなものまで作って養成するというような、本格的な取組が必要なんではないかというような観点などを考えております。
最後の最後でございますけれども、私は、やはり外交が弱いということになりますと、国民が非常に動揺すると、心理的にも。そういうのが既に今の国民心理にも見られる。非常にそれは危ういことである。外交が弱いと国民はやはり軍事力に依存したいとか、そういう誘惑に駆られる危険性というのが非常にまた強くなる。そのためにも、やはり外交強化、外務省も含めた改革が必要であるというふうに改めて思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →再びこのような機会を与えていただいて、まず感謝いたします。ありがとうございます。
七月二十二日に変える会の最終報告書取りまとめで、今大詰めでやっているところでございます。今朝も八時から人事に関するところをやってまいりまして、そのまま三人で一緒に車に乗って駆け付けたというような次第でございます。
時間が限られておりますので、三点中心に御報告したいと思います。
一つは、もちろんこの変える会も、変える会は数々の不祥事、今そういうものに触発されて外務省の信頼回復と、これを中心に、川口外務大臣が十項目についてひとついろいろな改革の勧告を出すようにということで始まっているわけですけれども、単に外務省、あるいはさらに日本の外交、外交体制が直面している問題というのは、スキャンダルとか不祥事とか、そういうことにとどまるものではなくて、言ってみれば非常に構造的な問題といいますか、それを抱えているんだと。同時にそれを見ておかなければいけないと。
信頼の回復のそもそもは、外交強化あるいは外交体制の強化と、その中での外務省の取組、これをより強化するということにあるわけで、その点からしますと、グローバリゼーションの進展に伴う新たな課題、例えば領事業務が爆発的に増大すると、なかなか追い付けない。その領事業務というのも海外の邦人に対するサービス、行政サービスのような在外者の投票とか、そういうものももちろんありますし、同時にテロに対する戦いの最前線であるというような位置付けもまたあるわけで、非常に複雑多岐にわたっている。これなどもやはり、人の移動あるいは情報の移動、これは瞬時にグローバルな、そういうものに伴ってリスクが増大すると。それを外交としても、特に在外公館、第一線が対応しなければいけない。そこにギャップといいますか、なかなか追い付かない、環境変化に適応できないという問題。
もう一つは、いわゆるパブリックディプロマシーと言っておりますけれども、内外の広範な市民、大衆に外交を説明して理解を得て、さらには支持を得るというようなそのパブリックディプロマシーの重要性が従来とは比較にならないほど重要になってきている。これがやはり十分に取り組むことができていないと。
あえて三つ目を言いますと、特に冷戦時代、日米枢軸というようなことを中心に日本の外交体制、外務省の組織まで含めて、人事まで含めて、バイラテラルな、二国間中心本位外交ということであったと思いますけれども、それが冷戦を経てもう十数年、マルチ、多角的な外交の重要性が世界的に高まっているにもかかわらず対応できていない。こういうようなところに、その根本的な問題が多分あるんだろうと思います。
ですから、本来ならばそういうものも十分に我々の方としても問題提起して、外交強化を更に深めるように、強化させるような方向で書かなければいけないんですけれども、正直言って、そこのところはいま一つまだ不十分であったかなという感じを私は個人的には持っております。しかし同時に、そのためにも信頼の回復というのがやはり決定的に重要であって、国民の信頼を欠いているような外務省、外交体制では、十分な外交もできないというところにやはり帰着すると思います。
ここでは、トップマネジメントを強化するとか、あるいは説明責任とか、透明性とか、情報開示とか、そういうことを本格的に取り組んでいくとか、さらには外部の人材、あるいは外務省の中でのいわゆる上下といいますか、言わば階級制のようなものを打破して競争原理を導入すると同時に、特に外部との間に新しいパートナーシップ、協力関係を作るというようなことでこの信頼回復というのを進めるべきだろうということで進めてまいりました。
特に、私は一点、ここで危機管理、瀋陽事件もあってのことなんですけれども、危機管理、それと領事業務の重要性というのを強調してみたい、強調したいというふうに思います。
外務省においては、総合外交政策局が危機管理をも事実上担当するということで、九六年のペルーの邦人人質事件、その後もう一度再確認の意味で総合外交政策局がこれを取り扱うというふうになっておりますけれども、言ってみれば、総合外交政策局というのは中長期的な総合外交政策、起案、立案、さらにその強化というために十年前にできた。にもかかわらず、それが十分に機能していない、つまりアブハチ取らずの状況になっている。
領事業務についても、やはりここは領事局のようなものを作るとか、あるいは領事官という職業を、専門職をきちんと構築するとか、更には領事大学校のようなものまで作って養成するというような、本格的な取組が必要なんではないかというような観点などを考えております。
最後の最後でございますけれども、私は、やはり外交が弱いということになりますと、国民が非常に動揺すると、心理的にも。そういうのが既に今の国民心理にも見られる。非常にそれは危ういことである。外交が弱いと国民はやはり軍事力に依存したいとか、そういう誘惑に駆られる危険性というのが非常にまた強くなる。そのためにも、やはり外交強化、外務省も含めた改革が必要であるというふうに改めて思っております。
以上でございます。
武
岡
岡本行夫#5
○参考人(岡本行夫君) 岡本行夫でございます。
本委員会が外交問題についての非常に真摯な議論を展開されているさまは、議事録等でよく承知しております。敬意を表します。
私自身は、もう十年以上も前に退職したとはいえ、二十数年間外務省に身を置いたものでございまして、自分に無関係のこととして外務省批判を行うことはできないわけでございます。当然、その一部は自分自身の責に帰されるべきものでございます。しかし、それにしても昨今の外務省の不祥事、刑事犯罪の容疑、スピード感のなさ、かなりの部分において見られる事務能力の低下ということは、私としては本当に涙が出るぐらい悔しいことであります。
今、いろいろ組織論も含めて外務省改革の議論が各方面からなされております。私自身は、実は組織についての問題というよりも、やはり一番大きいのは外務省員の意識の問題であろうと信じております。
外務省の職員の最大の問題点は、純粋培養の同質社会の中で育ち、外からの異質な風土や価値観、考え方あるいは多様な意見といったものから自らを隔絶させてこなかったか、この反省が一番すべきだと思います。さらに、船橋参考人もお述べになったような外務省の身分制社会、いったん内部の定位置に身を置きますと、これは大変に心地の良い社会でございます。そして、厳しい言葉でございますけれども、上へ行けば行くほどポストが多いという逆ピラミッド構造の中で、やはり規律が弛緩し、そして競争意識が欠如してきている。それは、競争意識が欠如するということは、さきに述べました、外との隔絶というのはおかしいじゃないか、もっと多様な意見を取り入れてやっていかなければ組織として駄目になってしまうぞという、そこに思いが至らない原因にもなっているわけでございます。
私は、変える会の各委員とともにいろいろな改革案を自分としては出しているつもりでございますし、それは中間報告にもかなり具現化されております。ここで改めてそれを申し上げることはいたしませんが、ただ、今非常に深刻な状況に日本外務省が置かれていて、これは取りも直さず日本国の浮沈にかかわることという、その意識だけはますます私の中では強くなってきているわけでございます。
私は、この際、本委員会が、外務省改革に取り組んでくださることも非常に重要だと存じますが、同時に、日本外交自体の閉塞的な状況というものについて立法府のお立場から是非御議論いただきたいと思うんでございます。
私のように評論家として外から物を見たり、今政府のお手伝いも非常勤でやっておりますけれども、日本外交の全般的な閉塞性というのはもうこれ否定すべくもない。特に九〇年代、冷戦の後、世界はどんがらりと変わりました。そのスピードに日本外交は付いていっていない。北方領土返還と安保理常任理事国への就任という二つの極めて難しい外交目標を打ち立てて、そのほかの部分が思考停止状態になってしまっていないか、冷戦後、厳しさがなくなった国際環境という受け止め方をして、その中で新しい日本の生きざまを模索してきていないかということが私は基本的な問題だろうと思っております。
日本は、新しい戦略を九〇年代に構築してないと存じます。例えば日ロ関係でございますけれども、過去五十年間、日本の対ロ関係というのは進展したのか。一九五六年の共同宣言から、その後、浮き沈みはございましたが、交渉担当者たちはその時々の微細な変化、言わばマイクロマネジメントというものにとらわれて、大きく日ロ関係をどこへ持っていくのかということについて新しい展望を開かぬまま、領土問題については五十年間進展がありませんし、その間、ロシアとの関係というのも、日本にとっては本来非常に重要であるべきですが、なおざりにされてきている。
国際社会に目を転じますと、アメリカとロシアの新しい盟友関係というのが大きく国際政治を規定しつつあります。むしろ、それを中心に国際社会は動くかもしれない。ロシアは、一九九〇年代は、自分たちがNATOにけ飛ばされたこともあって、アジア太平洋諸国の一員としてのアイデンティティーを求め、なおかつ日本の資金協力を求めて日本に接近してきたわけでございます。ただ、今年の五月、NATOがロシアを言わば準加盟国のように受け入れたことに伴い、ロシアの立場というのは全く変わりました。もうロシアは、日本を必要とする度合いというのは非常に以前と比べれば、かなり少なくなってきている。
米中関係、ロ中関係、韓中関係、いろいろ動いていく中で、日本がどういう新しい展望の下に動いているのか。中国問題は、先ほど委員長が御指摘されたように、瀋陽総領事館でその脆弱性を露呈したわけでございます。外交の次元からいけば、私は、日本の外務省の、あるいは総領事館の対応のまずさはさておきまして、一国の間であれほどの深刻な関係に至らせるような事態ではなかったと思います。本質は、私は依然としてそう思っていますが、やはりそれを、一つは外務省のハンドリングの悪さ、そしてもう一つは、やはり日中関係というのは日本側が考えていたほどの強靱性はなかったということで、あのように露呈されてきてしまっている。
それで、私はこの際、皆様方に大変失礼なことを申し上げるわけでございますけれども、その対中外交のまずさというのは独り外務省の責に帰されるものでないと思うんでございます。結局、チャイナスクールに対する批判というものも世上をにぎわしているわけでございますけれども、中国の専門家たちは、別に中国に右顧左べんしてきているわけではなくて、私は経緯をかなり見てみますと、相当中できついことを中国に対して言う、しかし最後は政治にはしごを外されてしまうという部分が非常に多いわけでございます。つまり、国論が中国に関して統一されてないことが外務省の中国に対する外交の弱さの根源にあると私は思います。
これは湾岸戦争のときもそうでした。あのときも、外務省に対する批判が噴出したんでございますが、その部分は確かにあるとしても、そもそも日本国として、あのような国際の安全保障の危機に対応するという体制が全くできていなかった。その後のPKO法とかガイドライン法とか、いろいろできましたけれども、しかし湾岸戦争のような事態がもう一度起こった場合に、日本はあの九一年と全く同じ事態のままでございます。今、ああいったような事態に順応できる法律というのはございません。
これは外務省改革の委員会でございますけれども、私は皆様の議論というのは外務省の改革をひとまず終えられた、あるいはそれと並行して、是非日本外交というのがどうしてこのような脆弱な基盤の上に置かれてきたかということについても御議論いただければ大変有り難いと僣越ながら思っている次第でございます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →本委員会が外交問題についての非常に真摯な議論を展開されているさまは、議事録等でよく承知しております。敬意を表します。
私自身は、もう十年以上も前に退職したとはいえ、二十数年間外務省に身を置いたものでございまして、自分に無関係のこととして外務省批判を行うことはできないわけでございます。当然、その一部は自分自身の責に帰されるべきものでございます。しかし、それにしても昨今の外務省の不祥事、刑事犯罪の容疑、スピード感のなさ、かなりの部分において見られる事務能力の低下ということは、私としては本当に涙が出るぐらい悔しいことであります。
今、いろいろ組織論も含めて外務省改革の議論が各方面からなされております。私自身は、実は組織についての問題というよりも、やはり一番大きいのは外務省員の意識の問題であろうと信じております。
外務省の職員の最大の問題点は、純粋培養の同質社会の中で育ち、外からの異質な風土や価値観、考え方あるいは多様な意見といったものから自らを隔絶させてこなかったか、この反省が一番すべきだと思います。さらに、船橋参考人もお述べになったような外務省の身分制社会、いったん内部の定位置に身を置きますと、これは大変に心地の良い社会でございます。そして、厳しい言葉でございますけれども、上へ行けば行くほどポストが多いという逆ピラミッド構造の中で、やはり規律が弛緩し、そして競争意識が欠如してきている。それは、競争意識が欠如するということは、さきに述べました、外との隔絶というのはおかしいじゃないか、もっと多様な意見を取り入れてやっていかなければ組織として駄目になってしまうぞという、そこに思いが至らない原因にもなっているわけでございます。
私は、変える会の各委員とともにいろいろな改革案を自分としては出しているつもりでございますし、それは中間報告にもかなり具現化されております。ここで改めてそれを申し上げることはいたしませんが、ただ、今非常に深刻な状況に日本外務省が置かれていて、これは取りも直さず日本国の浮沈にかかわることという、その意識だけはますます私の中では強くなってきているわけでございます。
私は、この際、本委員会が、外務省改革に取り組んでくださることも非常に重要だと存じますが、同時に、日本外交自体の閉塞的な状況というものについて立法府のお立場から是非御議論いただきたいと思うんでございます。
私のように評論家として外から物を見たり、今政府のお手伝いも非常勤でやっておりますけれども、日本外交の全般的な閉塞性というのはもうこれ否定すべくもない。特に九〇年代、冷戦の後、世界はどんがらりと変わりました。そのスピードに日本外交は付いていっていない。北方領土返還と安保理常任理事国への就任という二つの極めて難しい外交目標を打ち立てて、そのほかの部分が思考停止状態になってしまっていないか、冷戦後、厳しさがなくなった国際環境という受け止め方をして、その中で新しい日本の生きざまを模索してきていないかということが私は基本的な問題だろうと思っております。
日本は、新しい戦略を九〇年代に構築してないと存じます。例えば日ロ関係でございますけれども、過去五十年間、日本の対ロ関係というのは進展したのか。一九五六年の共同宣言から、その後、浮き沈みはございましたが、交渉担当者たちはその時々の微細な変化、言わばマイクロマネジメントというものにとらわれて、大きく日ロ関係をどこへ持っていくのかということについて新しい展望を開かぬまま、領土問題については五十年間進展がありませんし、その間、ロシアとの関係というのも、日本にとっては本来非常に重要であるべきですが、なおざりにされてきている。
国際社会に目を転じますと、アメリカとロシアの新しい盟友関係というのが大きく国際政治を規定しつつあります。むしろ、それを中心に国際社会は動くかもしれない。ロシアは、一九九〇年代は、自分たちがNATOにけ飛ばされたこともあって、アジア太平洋諸国の一員としてのアイデンティティーを求め、なおかつ日本の資金協力を求めて日本に接近してきたわけでございます。ただ、今年の五月、NATOがロシアを言わば準加盟国のように受け入れたことに伴い、ロシアの立場というのは全く変わりました。もうロシアは、日本を必要とする度合いというのは非常に以前と比べれば、かなり少なくなってきている。
米中関係、ロ中関係、韓中関係、いろいろ動いていく中で、日本がどういう新しい展望の下に動いているのか。中国問題は、先ほど委員長が御指摘されたように、瀋陽総領事館でその脆弱性を露呈したわけでございます。外交の次元からいけば、私は、日本の外務省の、あるいは総領事館の対応のまずさはさておきまして、一国の間であれほどの深刻な関係に至らせるような事態ではなかったと思います。本質は、私は依然としてそう思っていますが、やはりそれを、一つは外務省のハンドリングの悪さ、そしてもう一つは、やはり日中関係というのは日本側が考えていたほどの強靱性はなかったということで、あのように露呈されてきてしまっている。
それで、私はこの際、皆様方に大変失礼なことを申し上げるわけでございますけれども、その対中外交のまずさというのは独り外務省の責に帰されるものでないと思うんでございます。結局、チャイナスクールに対する批判というものも世上をにぎわしているわけでございますけれども、中国の専門家たちは、別に中国に右顧左べんしてきているわけではなくて、私は経緯をかなり見てみますと、相当中できついことを中国に対して言う、しかし最後は政治にはしごを外されてしまうという部分が非常に多いわけでございます。つまり、国論が中国に関して統一されてないことが外務省の中国に対する外交の弱さの根源にあると私は思います。
これは湾岸戦争のときもそうでした。あのときも、外務省に対する批判が噴出したんでございますが、その部分は確かにあるとしても、そもそも日本国として、あのような国際の安全保障の危機に対応するという体制が全くできていなかった。その後のPKO法とかガイドライン法とか、いろいろできましたけれども、しかし湾岸戦争のような事態がもう一度起こった場合に、日本はあの九一年と全く同じ事態のままでございます。今、ああいったような事態に順応できる法律というのはございません。
これは外務省改革の委員会でございますけれども、私は皆様の議論というのは外務省の改革をひとまず終えられた、あるいはそれと並行して、是非日本外交というのがどうしてこのような脆弱な基盤の上に置かれてきたかということについても御議論いただければ大変有り難いと僣越ながら思っている次第でございます。
ありがとうございました。
武
藤
藤原美喜子#7
○参考人(藤原美喜子君) 今日はお招きくださいまして、どうもありがとうございました。
私は、外務省のいろいろ不祥事とかそういうのをテレビで見ていまして、国民の一人としまして非常に驚きました。外務省は、国民の信頼というのに対して非常に回復をしなければいけないという重大任務があるんじゃないかと思います。あのテレビの放送とかを見ていて、何となく都合のいい情報だけ出てきているんではないかと。あとは、外務省自身の組織というのは一般、我々が知っている組織とちょっと違うのではないかというそういう印象を受けました。
審議会の委員になってから、やっぱり外務省というのは時代に合わなくなってきた部分というのを組織の中に抱えているのではないかと。その一つは、外務省だけじゃなくてほかのお役所もそうかもしれませんが、やっぱり年功序列人事が非常に強くありますし、見られますし、あとⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種とかそういう感じで、大学卒業で入ったⅠ種か専門職かと、そういうのがずっと二十年後とかの人事にも影響していると。それは、どちらかというと組織の生産性というのを非常に下げているし、今の時代には合わないんじゃないかと、そういうことを感じました。
もちろん適材適所という言葉は皆さん御存じですし、今まで何十年も言われてきているんですが、これを機会に年功序列人事というのをやめて、適材適所、若い人でも優秀だったら登用すると。それが日本の外交を強くするんではないかと思います。やっぱり外交というのは人だと思います。あの人に会ってみたいと言われるような外交官を日本は養成していかなければいけないと思います。
優秀な人材をという場合に、外からも優秀な人材がいた場合はいろいろ登用して、外部の人間を登用するのもいいのではないかと。私もやっぱり競争の原理というのを入れなければいけないと思います。そういう面では、外務省は優秀な人を採用した割には余り育ててこなかった組織なのではないかと思います。
私は金融の人間ですので、この外務省の改革の中でODAとかそういうものの関係を担当しております。日本の財政事情というのは非常に苦しい。今後、財政事情が非常に変わるということは、私は金融の専門家としては見ておりません。二十一世紀は税金の浪費をできるだけ少なくしていく。そのためには、組織替えとかそういうのも必要じゃないのかなとも思っております。
ODA白書とかそういうものですが、かなり分厚いものだったんですけれども、上下両方千四百ページぐらいあるんですかね、ちょっといろいろ見てみましたら、いろいろ金融の人間として気になる問題がございました。それは円借款の件ですけれども、今日はちょっとお時間がありませんので余り長く話さないようにしようと思っていますが、やっぱり貧困国にお金を貸す場合というのは、常に貸したお金が償還時に戻ってくるのかとか、そういう感じでいろいろ調べていかなくちゃいけない。もちろん、民間でも正常債権が破綻懸念先とかと、そういうふうに変わっていく。供与した当初はよくても何年かすると被援助国の方の状況が変わって、と。
この辺は非常に、日本の場合は企画立案と実施部隊、特にODAの場合はいろんな省に分かれていて、それでそれなりにシステムとしてはもうがっちりしているわけですけれども、特殊法人もあれば財団法人もあるし、かなり効率が悪いのではないかと。それで、将来的にはそういうふうな、例えば人事部も組織がたくさんあると、七つとか八つとかという、そこで人事部がいろいろあるわけですね。それで、将来的には効率をアップするためにこういうのも考えていくし、また供与した債権に対しては、今債務削減問題が非常に大きくクローズアップされております。そういうのに関しても、将来的にもし国民負担が増えるのであれば、そういう情報は前もって国民に出すと。これはもちろん外務省の問題プラス日本全体の問題ですが、私は金融の人間としてそれをちょっと感じました。
私のお話は以上でございます。
この発言だけを見る →私は、外務省のいろいろ不祥事とかそういうのをテレビで見ていまして、国民の一人としまして非常に驚きました。外務省は、国民の信頼というのに対して非常に回復をしなければいけないという重大任務があるんじゃないかと思います。あのテレビの放送とかを見ていて、何となく都合のいい情報だけ出てきているんではないかと。あとは、外務省自身の組織というのは一般、我々が知っている組織とちょっと違うのではないかというそういう印象を受けました。
審議会の委員になってから、やっぱり外務省というのは時代に合わなくなってきた部分というのを組織の中に抱えているのではないかと。その一つは、外務省だけじゃなくてほかのお役所もそうかもしれませんが、やっぱり年功序列人事が非常に強くありますし、見られますし、あとⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種とかそういう感じで、大学卒業で入ったⅠ種か専門職かと、そういうのがずっと二十年後とかの人事にも影響していると。それは、どちらかというと組織の生産性というのを非常に下げているし、今の時代には合わないんじゃないかと、そういうことを感じました。
もちろん適材適所という言葉は皆さん御存じですし、今まで何十年も言われてきているんですが、これを機会に年功序列人事というのをやめて、適材適所、若い人でも優秀だったら登用すると。それが日本の外交を強くするんではないかと思います。やっぱり外交というのは人だと思います。あの人に会ってみたいと言われるような外交官を日本は養成していかなければいけないと思います。
優秀な人材をという場合に、外からも優秀な人材がいた場合はいろいろ登用して、外部の人間を登用するのもいいのではないかと。私もやっぱり競争の原理というのを入れなければいけないと思います。そういう面では、外務省は優秀な人を採用した割には余り育ててこなかった組織なのではないかと思います。
私は金融の人間ですので、この外務省の改革の中でODAとかそういうものの関係を担当しております。日本の財政事情というのは非常に苦しい。今後、財政事情が非常に変わるということは、私は金融の専門家としては見ておりません。二十一世紀は税金の浪費をできるだけ少なくしていく。そのためには、組織替えとかそういうのも必要じゃないのかなとも思っております。
ODA白書とかそういうものですが、かなり分厚いものだったんですけれども、上下両方千四百ページぐらいあるんですかね、ちょっといろいろ見てみましたら、いろいろ金融の人間として気になる問題がございました。それは円借款の件ですけれども、今日はちょっとお時間がありませんので余り長く話さないようにしようと思っていますが、やっぱり貧困国にお金を貸す場合というのは、常に貸したお金が償還時に戻ってくるのかとか、そういう感じでいろいろ調べていかなくちゃいけない。もちろん、民間でも正常債権が破綻懸念先とかと、そういうふうに変わっていく。供与した当初はよくても何年かすると被援助国の方の状況が変わって、と。
この辺は非常に、日本の場合は企画立案と実施部隊、特にODAの場合はいろんな省に分かれていて、それでそれなりにシステムとしてはもうがっちりしているわけですけれども、特殊法人もあれば財団法人もあるし、かなり効率が悪いのではないかと。それで、将来的にはそういうふうな、例えば人事部も組織がたくさんあると、七つとか八つとかという、そこで人事部がいろいろあるわけですね。それで、将来的には効率をアップするためにこういうのも考えていくし、また供与した債権に対しては、今債務削減問題が非常に大きくクローズアップされております。そういうのに関しても、将来的にもし国民負担が増えるのであれば、そういう情報は前もって国民に出すと。これはもちろん外務省の問題プラス日本全体の問題ですが、私は金融の人間としてそれをちょっと感じました。
私のお話は以上でございます。
武
武見敬三#8
○委員長(武見敬三君) ありがとうございました。
それでは、これより質疑を行います。
本日は、理事会の合意によりまして、できるだけ多くの委員が質疑を行えるよう、あらかじめ質疑者を定めずに自由に質疑を行うことといたします。
質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言をいただきたいと思います。
また、多くの委員が発言の機会を得られますよう、委員の一回の発言時間は答弁を含めて五分程度というふうにいたします。質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございますが、是非質疑者も答弁者もこの五分ルールというのを是非守って御質疑をお願いをしたいと思います。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いをいたします。
この発言だけを見る →それでは、これより質疑を行います。
本日は、理事会の合意によりまして、できるだけ多くの委員が質疑を行えるよう、あらかじめ質疑者を定めずに自由に質疑を行うことといたします。
質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言をいただきたいと思います。
また、多くの委員が発言の機会を得られますよう、委員の一回の発言時間は答弁を含めて五分程度というふうにいたします。質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございますが、是非質疑者も答弁者もこの五分ルールというのを是非守って御質疑をお願いをしたいと思います。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いをいたします。
山
山本一太#9
○山本一太君 五分ルールということですから、一問に絞って伺いたいと思います。
岡本参考人の方から、外務省には意識改革が必要だと、すなわち純粋培養の同質の中で育って外からの多様な意見から自らを隔絶してきたのではないかという反省があるという話がありました。船橋参考人からも、あるいは藤原参考人からも、外部の人事登用、適材適所の人事等々の話がありました。
私の質問は、今日の産経新聞の一面に、川口外務大臣が経済協力局長に現役の経済産業省の審議官を登用する意向を固めたという話がありました。このことについてどのように思われるか、そのことを一問お聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →岡本参考人の方から、外務省には意識改革が必要だと、すなわち純粋培養の同質の中で育って外からの多様な意見から自らを隔絶してきたのではないかという反省があるという話がありました。船橋参考人からも、あるいは藤原参考人からも、外部の人事登用、適材適所の人事等々の話がありました。
私の質問は、今日の産経新聞の一面に、川口外務大臣が経済協力局長に現役の経済産業省の審議官を登用する意向を固めたという話がありました。このことについてどのように思われるか、そのことを一問お聞きしたいと思います。
武
船
船橋洋一#11
○参考人(船橋洋一君) 事実かどうかまだ私伺っていませんけれども、もしそういうことであるとした場合に、外からの人材を求めることによる競争原理の導入というその限りにおいては一定のプラスの効果を期待したいというふうに思いますけれども、欲を言えば、官庁の、しかも経済産業省というような、言ってみれば、何といいますか、そういうところでない方がよりよかったかなと。民間人で、じゃ、いい人がいるのかということにもなりますけれども、率直な感想を申し上げれば、そんなところですかね。
この発言だけを見る →岡
岡本行夫#12
○参考人(岡本行夫君) 私も事情をつまびらかに承知しておりませんし、どのような方が具体的に想定されているかも存じませんので過早なコメントはできませんが、その人が適材であるならば、外部からの人材登用というのは当初からの外務省改革の基本の柱でございましたし、これは私は歓迎してよろしいことであると思います。いい人が来て外務省の意識を変える、外部の価値観、外部の思考のパターンということを導入するということに対して、私は外務省として組織として反発すべきではないと思っております。また、報道されますように、これが外務省の組織の壊滅につながるといったようなとらえ方もすべきではないと存じております。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
藤
藤原美喜子#13
○参考人(藤原美喜子君) 事実なのかどうかちょっと分かりませんのでコメントしづらいんですが、外務省の外の人間を連れてくるに当たって、その方が優秀な人であったならば、それは私はいいことだと思います。
それから、どなたが決めたのかはっきりしませんが、もし大臣がという場合は、私は川口大臣というのは優秀な方だと思います。その方が、元いた省からというのを多分非難されるだろうというのを分かっていてもしお決めになったならば、かなり優秀な方がいらっしゃるということなのではないのかなと思います。優秀な方な限りは、やっぱり適材適所というのは大事ですから、それがたまたま経産省だったのかどうか分かりませんが、その辺は、外務省以外の省がどこかというのはそれほどこだわらなくてもよろしいんじゃないかと思います。
この発言だけを見る →それから、どなたが決めたのかはっきりしませんが、もし大臣がという場合は、私は川口大臣というのは優秀な方だと思います。その方が、元いた省からというのを多分非難されるだろうというのを分かっていてもしお決めになったならば、かなり優秀な方がいらっしゃるということなのではないのかなと思います。優秀な方な限りは、やっぱり適材適所というのは大事ですから、それがたまたま経産省だったのかどうか分かりませんが、その辺は、外務省以外の省がどこかというのはそれほどこだわらなくてもよろしいんじゃないかと思います。
齋
齋藤勁#14
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。
三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
今回の、大変御多忙なところ、会合に御出席をいただいて、貴重な中間報告、そして近々最終報告がされますが、問題、私もこの提言が生きるのか生かされていくのかということについて非常に気になります。
外務省の方々は、率直にお聞きしますが、本当に今、岡本さんもかつての外務省にいられましたけれども、せっぱ詰まった状況で目の色が変わっているような感覚で今この変える会との関係を、そういう接点をされているんだろうかというような感じが私ども分からない。少なくとも、もう国内外の国益を考えますと大変な状況だと思うんですが、いやこれはもうとにかく外務省に対するあらしが通り過ぎればいいんだと、じっとこの会も最終報告も当たっていただいて、それで過ぎていくんだということを外務省の省の方々が思ったら大変。ということで、私は今からこの提言が出された以降も外務省に対する何らかのかかわり合いを持つべきではないかというふうに思って、外務省の中に入っていってグループを作り、個人でも結構なんですが、やはり討議をして討論をして、外務省をこうしていこうということについて、単なる提言で終わらせない取組というのを最終報告に私は盛り込むべきではないかというふうに思いますが、そのことについて一つお伺いしたいというふうに思います。
私はこの委員会に何年かおりますが、多種多様な様々なチャンネルを持って外交、外務省だけの外交ではない、各省もございますが、自治体もあるし、いろんな多元な外交があるけれども、そのことの、やっぱり多元な外交というのは外務省というのは十分わきまえたんではないかなというふうに思いますが、せめて、その後のことについて非常に気になります。
あともう一点だけです。先ほど岡本参考人から、日ロ問題の領土問題、お話ございました。私は、前回のこの外交防衛委員会で、カナナスキス・サミットのときに、二〇〇六年からロシアが加わっていくということについて、これは報道しか分かりませんが、我が国の総理大臣、我が国は蚊帳の外に置かれていたようなことを報じられておりました、この参加をめぐりまして。こういうことについて非常に憤りを感じたのが一つ。
単なる憤りだけではなく、もう一つは、領土問題はこれによって形態が変わっていくと。二国間ではない、二国間でやってきたけれども、これは完全にロシアがこのサミットに入るということになると、従来の手法と変えた私は領土問題というのはやっぱり日本としては求められているんではないかというふうにお話ししましたが、そのことに対する明確な敏感な答弁が外務省からなかったということに非常に実は残念に思っているところでございます。
冒頭は、提言後の生かす方法、提言をもらったら、はい、おしまいではいけないんではないかということについて、出席者の、参加されたメンバーの方々のその後のアプローチを示すべきではないかということが一つ。もう一つは、今申しました日ロ問題につきまして、岡本参考人から、私自身も同じ考え方なので、失礼いたしました、船橋参考人から日ロ問題等についての考え方が示されれば有り難いというふうに思います。
この発言だけを見る →三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
今回の、大変御多忙なところ、会合に御出席をいただいて、貴重な中間報告、そして近々最終報告がされますが、問題、私もこの提言が生きるのか生かされていくのかということについて非常に気になります。
外務省の方々は、率直にお聞きしますが、本当に今、岡本さんもかつての外務省にいられましたけれども、せっぱ詰まった状況で目の色が変わっているような感覚で今この変える会との関係を、そういう接点をされているんだろうかというような感じが私ども分からない。少なくとも、もう国内外の国益を考えますと大変な状況だと思うんですが、いやこれはもうとにかく外務省に対するあらしが通り過ぎればいいんだと、じっとこの会も最終報告も当たっていただいて、それで過ぎていくんだということを外務省の省の方々が思ったら大変。ということで、私は今からこの提言が出された以降も外務省に対する何らかのかかわり合いを持つべきではないかというふうに思って、外務省の中に入っていってグループを作り、個人でも結構なんですが、やはり討議をして討論をして、外務省をこうしていこうということについて、単なる提言で終わらせない取組というのを最終報告に私は盛り込むべきではないかというふうに思いますが、そのことについて一つお伺いしたいというふうに思います。
私はこの委員会に何年かおりますが、多種多様な様々なチャンネルを持って外交、外務省だけの外交ではない、各省もございますが、自治体もあるし、いろんな多元な外交があるけれども、そのことの、やっぱり多元な外交というのは外務省というのは十分わきまえたんではないかなというふうに思いますが、せめて、その後のことについて非常に気になります。
あともう一点だけです。先ほど岡本参考人から、日ロ問題の領土問題、お話ございました。私は、前回のこの外交防衛委員会で、カナナスキス・サミットのときに、二〇〇六年からロシアが加わっていくということについて、これは報道しか分かりませんが、我が国の総理大臣、我が国は蚊帳の外に置かれていたようなことを報じられておりました、この参加をめぐりまして。こういうことについて非常に憤りを感じたのが一つ。
単なる憤りだけではなく、もう一つは、領土問題はこれによって形態が変わっていくと。二国間ではない、二国間でやってきたけれども、これは完全にロシアがこのサミットに入るということになると、従来の手法と変えた私は領土問題というのはやっぱり日本としては求められているんではないかというふうにお話ししましたが、そのことに対する明確な敏感な答弁が外務省からなかったということに非常に実は残念に思っているところでございます。
冒頭は、提言後の生かす方法、提言をもらったら、はい、おしまいではいけないんではないかということについて、出席者の、参加されたメンバーの方々のその後のアプローチを示すべきではないかということが一つ。もう一つは、今申しました日ロ問題につきまして、岡本参考人から、私自身も同じ考え方なので、失礼いたしました、船橋参考人から日ロ問題等についての考え方が示されれば有り難いというふうに思います。
武
岡
岡本行夫#16
○参考人(岡本行夫君) 外務省の危機意識というのはようやく横溢してきたと思います。
また、川口大臣からは、この変える会は報告を出した後も引き続きそのまま存続して報告の実施状況についてフォローアップをしてくれという、するようにという指示がございました。フォローアップは当然、全委員、非常に重視してこれからできる限りのことを行っていくということになると思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →また、川口大臣からは、この変える会は報告を出した後も引き続きそのまま存続して報告の実施状況についてフォローアップをしてくれという、するようにという指示がございました。フォローアップは当然、全委員、非常に重視してこれからできる限りのことを行っていくということになると思います。
以上でございます。
藤
藤原美喜子#17
○参考人(藤原美喜子君) 外務省の方たちは危機感をちゃんと感じておりまして、それで非常に協力的でございます。
我々も最終報告書を出すだけではなく、大臣に、岡本委員が話しましたように、大臣にフォローアップをするようにと言われていますので、これは報告書提出、終わりということではないと思います。
以上です。
この発言だけを見る →我々も最終報告書を出すだけではなく、大臣に、岡本委員が話しましたように、大臣にフォローアップをするようにと言われていますので、これは報告書提出、終わりということではないと思います。
以上です。
船
船橋洋一#18
○参考人(船橋洋一君) 私も付け加えることは余りございませんけれども、ただ、余り時間長く掛けてということではなくて、やはり短期決戦でこの改革を実施すると。そういうことであれば、我々もフォローアップ、それもしっかりやるという覚悟は、多分各委員もあると思いますし、私も含めてございます。
この発言だけを見る →武
岡
齋
武
船
船橋洋一#23
○参考人(船橋洋一君) このG8にロシアが完全にフルのメンバーで入ってくるということで大分変わってくると思います。やはり、G8そのものがより戦略問題であるとか、ああいう戦略性を強めますし、特にプーチンなどの外交手法一つとってみてもやはりトップダウンで、首脳外交、本来の意味での首脳外交がますます求められてくると。そういう中で、日本の今までの外務省中心の外交ではなかなかきついところが出てきたと。むしろ、そういうプロセス面での問題というのを一つ感じます。
対ロ政策上の意味合いとして見れば、たしか岡本さんのおっしゃったように、ロシア、日本、今までのように、ほどでは真剣に取り扱わなくなる危険性というのも一方でありますけれども、同時に、同じG8の場で日ロがこれから定期的により同じ対等の立場で会うこともまた可能なわけですし、経済も含めて改めて日本とロシアの協力関係という、むしろチャンスの方も生まれてくると思います。
あくまで領土問題は二国間の問題ですけれども、ある意味では多国間の協調の枠組み、米ロの新しい、新関係、こういうものもプラスになる要素もあるわけなんで、むしろそちらの方を生かしながらロシアとのより深い関係を作っていく、そういう外交の方に切り替えていく必要があると思います。
この発言だけを見る →対ロ政策上の意味合いとして見れば、たしか岡本さんのおっしゃったように、ロシア、日本、今までのように、ほどでは真剣に取り扱わなくなる危険性というのも一方でありますけれども、同時に、同じG8の場で日ロがこれから定期的により同じ対等の立場で会うこともまた可能なわけですし、経済も含めて改めて日本とロシアの協力関係という、むしろチャンスの方も生まれてくると思います。
あくまで領土問題は二国間の問題ですけれども、ある意味では多国間の協調の枠組み、米ロの新しい、新関係、こういうものもプラスになる要素もあるわけなんで、むしろそちらの方を生かしながらロシアとのより深い関係を作っていく、そういう外交の方に切り替えていく必要があると思います。
遠
遠山清彦#24
○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
本日は大変に貴重なお話、ありがとうございました。
時間も余りありませんので、私、船橋、岡本両参考人に次の一問についてお伺いをしたいと思います。
船橋参考人は、お話の中でパブリックディプロマシーがこれから大事だと。私も、外交の大衆化というとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、やはり日本のパブリックがより外交に関心を持っていくことが非常に重要であると考えております。
岡本参考人も、先ほど対中国戦略のところで、やはり国論が二分されていると、統一されていないという、まあ二分か三分か四分か分かりませんけれども、国論が対中外交について統一されていないので戦略が描けない、あるいは実行できないというお話があって、私、共通な問題がそこにあるなというふうに感じております。
個人的に外交青書とかODA白書とかそういった外務省が出す書類を読みますと、現状分析はかなりやっているんだけれども、例えばイギリスとかアメリカの国務省なり外務省が出す文書と比べると、例えば対中外交あるいは対ロ外交、あるいはもうちょっと集団安全保障的な外交政策の分野で今後十年間こうしますと、こうしたいと、あるいはこういうオブジェクティブを達成したいというような観点が日本のそういった外務省の出す書類に見られないと私は思っております。
その原因についてお二人の御意見を伺いたいんですが、私、これはまあ総理大臣の任期がそもそも短いとか、外務大臣の任期も短い、あるいは国会、官僚、内閣の中で決定権が分散化しているとか、そういったいろんな問題があって、なかなか政治的意思を明確にして外交に関する戦略を描けないという問題が横たわっているんではないかなと個人的に思っておりますけれども、この問題について、どうすれば日本の外務省あるいは政府が少なくとも今後十年間、この問題についてはこういうオブジェクティブを持ってこういう行動をしていきますということをより明確に内外の国民に対して言えるようになるのか、その点について御意見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →本日は大変に貴重なお話、ありがとうございました。
時間も余りありませんので、私、船橋、岡本両参考人に次の一問についてお伺いをしたいと思います。
船橋参考人は、お話の中でパブリックディプロマシーがこれから大事だと。私も、外交の大衆化というとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、やはり日本のパブリックがより外交に関心を持っていくことが非常に重要であると考えております。
岡本参考人も、先ほど対中国戦略のところで、やはり国論が二分されていると、統一されていないという、まあ二分か三分か四分か分かりませんけれども、国論が対中外交について統一されていないので戦略が描けない、あるいは実行できないというお話があって、私、共通な問題がそこにあるなというふうに感じております。
個人的に外交青書とかODA白書とかそういった外務省が出す書類を読みますと、現状分析はかなりやっているんだけれども、例えばイギリスとかアメリカの国務省なり外務省が出す文書と比べると、例えば対中外交あるいは対ロ外交、あるいはもうちょっと集団安全保障的な外交政策の分野で今後十年間こうしますと、こうしたいと、あるいはこういうオブジェクティブを達成したいというような観点が日本のそういった外務省の出す書類に見られないと私は思っております。
その原因についてお二人の御意見を伺いたいんですが、私、これはまあ総理大臣の任期がそもそも短いとか、外務大臣の任期も短い、あるいは国会、官僚、内閣の中で決定権が分散化しているとか、そういったいろんな問題があって、なかなか政治的意思を明確にして外交に関する戦略を描けないという問題が横たわっているんではないかなと個人的に思っておりますけれども、この問題について、どうすれば日本の外務省あるいは政府が少なくとも今後十年間、この問題についてはこういうオブジェクティブを持ってこういう行動をしていきますということをより明確に内外の国民に対して言えるようになるのか、その点について御意見を伺いたいと思います。
岡
岡本行夫#25
○参考人(岡本行夫君) 今の遠山先生の御質問でございますが、二つの側面があると思います。
一つは、外務省自身がこれから十年にわたる戦略を描き切っていないこと。総合政策局というものを作りましたけれども、これが必ずしも当初のもくろみどおりの機能を果たしているのか。総合政策局というのは、案件処理というよりは将来を見据えて太い筆で日本外交の行く道をかいていくべきものでございますけれども、私はその点で、外務省にもう一度この局ができた由来に立ち返ってきちっと考え直してもらいたい。つまり、外務省が将来的なものを描こうと思えば、そのための組織というのは既に存在しているわけでございます。
それからもう一つは、その外交を国民から受託されている外務省というものが国民に分かりやすい形で戦略を提示していないではないかということであれば、それを指摘する機関がやはり政府全体の中に私は必要なんだろうと思います。
つまり、政策は、オルタナティブというか、別の日本にとっての選択肢というものを示すところが出てきて、その両者は切磋琢磨して最終的に調整が付けばよろしいですし、調整が付かなければ総理大臣のところで選択行為が行われるというふうにやっていくべきではないか。余りにも、さっき申し上げた、同質社会の中で、しかもその中で地域ごとに細分化されてしまって、実際の外交政策の策定にかかわる人数が少ないところで決まったものがそのままずっと一直線に一番上の総理大臣までほかの代替策なしに上がるということは、私は、今遠山先生がおっしゃった、何か日本にとって今までの殻を壊すものでもいい、論議を呼び起こすものであってもいいから、新しい政策を提示するということが行いにくい、その原因ではないかと思っております。
この発言だけを見る →一つは、外務省自身がこれから十年にわたる戦略を描き切っていないこと。総合政策局というものを作りましたけれども、これが必ずしも当初のもくろみどおりの機能を果たしているのか。総合政策局というのは、案件処理というよりは将来を見据えて太い筆で日本外交の行く道をかいていくべきものでございますけれども、私はその点で、外務省にもう一度この局ができた由来に立ち返ってきちっと考え直してもらいたい。つまり、外務省が将来的なものを描こうと思えば、そのための組織というのは既に存在しているわけでございます。
それからもう一つは、その外交を国民から受託されている外務省というものが国民に分かりやすい形で戦略を提示していないではないかということであれば、それを指摘する機関がやはり政府全体の中に私は必要なんだろうと思います。
つまり、政策は、オルタナティブというか、別の日本にとっての選択肢というものを示すところが出てきて、その両者は切磋琢磨して最終的に調整が付けばよろしいですし、調整が付かなければ総理大臣のところで選択行為が行われるというふうにやっていくべきではないか。余りにも、さっき申し上げた、同質社会の中で、しかもその中で地域ごとに細分化されてしまって、実際の外交政策の策定にかかわる人数が少ないところで決まったものがそのままずっと一直線に一番上の総理大臣までほかの代替策なしに上がるということは、私は、今遠山先生がおっしゃった、何か日本にとって今までの殻を壊すものでもいい、論議を呼び起こすものであってもいいから、新しい政策を提示するということが行いにくい、その原因ではないかと思っております。
船
船橋洋一#26
○参考人(船橋洋一君) 遠山さんの提起された問題は非常に重要な問題だと思うんですけれども、我々、外交という言葉でくくってしまうんですけれども、外交政策、これをフォーリンポリシーと、それから外交執行、これはディプロマシーと、分けて考えたときに、このフォーリンポリシーの力が実は日本は非常に弱い。それは、外務省にも原因がありますけれども、私はやはり、政治主導の外交ができていない。ですから、本来ならば外交政策より私は外政政策、政治が、明確な政治的意思も含めて、そのような外交をする力が弱いことに根本的な問題があるんだろうというふうに思います。
日本の外交は、縁の外交といいますか、大体この関係論のところにすぐ収れんしてしまう。これは地域局から上げてくるとそういうふうになってしまう。外務省の中では、総合外交政策局がそれに対してトップダウンの、戦略的な国益本意の外交政策を立案するということになっておりますけれども、岡本さんがおっしゃったように、ここが非常に弱い。危機管理に追われている現業のようになってしまう。
もう一つ、代案を示す力というのはやはり日本の社会全体に弱い。外務省にはシンクタンクが一つありますけれども、むしろドイツのように首相官邸にシンクタンクを持って、それで、より政治的な意思を反映させた長期的な戦略、そのようなものもやはり日本は必要になってきているんじゃないかというふうに思います。
この発言だけを見る →日本の外交は、縁の外交といいますか、大体この関係論のところにすぐ収れんしてしまう。これは地域局から上げてくるとそういうふうになってしまう。外務省の中では、総合外交政策局がそれに対してトップダウンの、戦略的な国益本意の外交政策を立案するということになっておりますけれども、岡本さんがおっしゃったように、ここが非常に弱い。危機管理に追われている現業のようになってしまう。
もう一つ、代案を示す力というのはやはり日本の社会全体に弱い。外務省にはシンクタンクが一つありますけれども、むしろドイツのように首相官邸にシンクタンクを持って、それで、より政治的な意思を反映させた長期的な戦略、そのようなものもやはり日本は必要になってきているんじゃないかというふうに思います。
吉
吉岡吉典#27
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
今、地に落ちた日本外交、日本外務省の権威、信頼を確立していかなくちゃいかぬと私も強く思っております。
そこで、外務省の近年を振り返ってみると、改革ということが絶えず言われ続けてきたと思うんですね。九三年ですか、総政局の設置を中心とする外務省の新機構体制というものも発足して、新しい時代に対応できる外務省になったはずだったと思います。それから、その後も、去年の機密費事件以降また、あれは何ですか、外務省機能改革会議というものが作られて、その提言に基づく一定の改革も行われ、また今年もこういう形での改革ということになっているわけですけれども、私は、これまでの改革、特に新機構を作った、そういうものを変える会としては余り意味がなかったと判断しておられるのか、その評価と、それから今度の改革はそれらとどう違うかという点、時間の関係で船橋参考人にお伺いしたい点と。
それからもう一点、岡本参考人に。私、外務省の人、割と付き合ってきているので、個々には非常に有能な力のある人々だと思うにもかかわらず、そういう外務省の中でいろいろな事件が起こるということはどういうことなんだろうかと。外務省に新しい意欲を持って入った人をそういうふうにさせてしまう何か体質的な弱点でもあるのか、やはりそれは個々の人間の弱点がそういうふうになっているのか、その点は外務省に長いことおられた立場からお伺いさせていただけないかと思います。
この発言だけを見る →今、地に落ちた日本外交、日本外務省の権威、信頼を確立していかなくちゃいかぬと私も強く思っております。
そこで、外務省の近年を振り返ってみると、改革ということが絶えず言われ続けてきたと思うんですね。九三年ですか、総政局の設置を中心とする外務省の新機構体制というものも発足して、新しい時代に対応できる外務省になったはずだったと思います。それから、その後も、去年の機密費事件以降また、あれは何ですか、外務省機能改革会議というものが作られて、その提言に基づく一定の改革も行われ、また今年もこういう形での改革ということになっているわけですけれども、私は、これまでの改革、特に新機構を作った、そういうものを変える会としては余り意味がなかったと判断しておられるのか、その評価と、それから今度の改革はそれらとどう違うかという点、時間の関係で船橋参考人にお伺いしたい点と。
それからもう一点、岡本参考人に。私、外務省の人、割と付き合ってきているので、個々には非常に有能な力のある人々だと思うにもかかわらず、そういう外務省の中でいろいろな事件が起こるということはどういうことなんだろうかと。外務省に新しい意欲を持って入った人をそういうふうにさせてしまう何か体質的な弱点でもあるのか、やはりそれは個々の人間の弱点がそういうふうになっているのか、その点は外務省に長いことおられた立場からお伺いさせていただけないかと思います。
船
船橋洋一#28
○参考人(船橋洋一君) 確かに、おっしゃるように、九〇年代は改革改革、もう掛け声ばかりでいろいろな勧告案も出た、全然変わらないじゃないかと、どこがどう違うのかという御質問でございますけれども、例えば領事業務なども、九一年の外交強化懇談会、それから去年の外交機能強化会議、いずれも強調して、いずれもこれは飛躍的に向上させなければいけないというような文言も使っているんですけれども、実際問題としては遅々として変わっていないというのが現状ですね。
ですから、今回の変える会、どこが違うかというときに、まあ下手すると今までと同じようにまた一枚紙が出るということになってしまいますけれども、私は今回は違うんじゃないかと。国民の外交に対する関心がこれほど強まっていることはない。国会でこのような機会を与えていただいたことも今までにはない。それから、やはり今回の場合は外務省の中からも変わろうというような人々が出てきて呼応してきていると、そういうふうに期待しております。
この発言だけを見る →ですから、今回の変える会、どこが違うかというときに、まあ下手すると今までと同じようにまた一枚紙が出るということになってしまいますけれども、私は今回は違うんじゃないかと。国民の外交に対する関心がこれほど強まっていることはない。国会でこのような機会を与えていただいたことも今までにはない。それから、やはり今回の場合は外務省の中からも変わろうというような人々が出てきて呼応してきていると、そういうふうに期待しております。
岡
岡本行夫#29
○参考人(岡本行夫君) 私は、吉岡先生の御指摘の点というのは正しいんだろうと思います。
最近の不祥事というものの続発というのは、別に今いる人たちが質が悪くなったせいではなくて、かなり構造的な面があるんだろうと思います。
一つは、日本外交の中にやっぱり停滞感、閉塞感というものが出てきてしまっている。それは、やっぱり六〇年代、七〇年代、そして八〇年代、経済の面では追い付き追い越せ、それは常にその過程でアメリカとも貿易摩擦が生じたり、セーフガードの発動問題が常に付きまとう、非常に言わば抜き身の刀を常にぶら下げていなければいけないような経済環境の中で、それこそ小人閑居して不善をなすような暇がなかったわけでございます。
安全保障、政治面もそうでございます。冷戦構造の中で日本が同盟外交をどう展開するのか、日本をどうやって守るのか。吉岡先生よく御存じのように、基盤防衛力構想でいくのか所要防衛力構想でいくのか。そういった日本の国の在り方について哲学的かつ基本的な意見が、何度も闘わせながら来た。職員も非常にやる気を持ってきたと思うんでございますね。ところが、九〇年代にそういったものの動きが停止してしまったということは、私、冒頭申し上げたところでございます。
それから、やはり私は上の監督責任というものはあったんだろうと思いますけれども、松尾事件を始めとして、一般の職員からは信じられないようなことが次々に起こってきて、相当士気の阻喪を招いている。外務省が日本の中でも最も嫌われる、最も批判される組織にまで扱われてしまうことに伴うあの特に若い職員たちの、何といいますか諦観、そして士気の阻喪ということは、非常に今深刻な問題になっておると思います。
ですから、外務省改革はこれは進めなければいけませんが、彼らも職業外交官として厳しい訓練を経て今までに育ってきている、税金でここまで育成された貴重な人材でございます。あの人材を使えないことにしてしまっては全く元も子もないわけでございまして、今の外務省の職員の間に横溢するこのあきらめの観、これは我々の力を持ってしては変えられないなというその観をやはり常に念頭に置いて我々は改革を進めなければいけないと、私はこう思っております。
この発言だけを見る →最近の不祥事というものの続発というのは、別に今いる人たちが質が悪くなったせいではなくて、かなり構造的な面があるんだろうと思います。
一つは、日本外交の中にやっぱり停滞感、閉塞感というものが出てきてしまっている。それは、やっぱり六〇年代、七〇年代、そして八〇年代、経済の面では追い付き追い越せ、それは常にその過程でアメリカとも貿易摩擦が生じたり、セーフガードの発動問題が常に付きまとう、非常に言わば抜き身の刀を常にぶら下げていなければいけないような経済環境の中で、それこそ小人閑居して不善をなすような暇がなかったわけでございます。
安全保障、政治面もそうでございます。冷戦構造の中で日本が同盟外交をどう展開するのか、日本をどうやって守るのか。吉岡先生よく御存じのように、基盤防衛力構想でいくのか所要防衛力構想でいくのか。そういった日本の国の在り方について哲学的かつ基本的な意見が、何度も闘わせながら来た。職員も非常にやる気を持ってきたと思うんでございますね。ところが、九〇年代にそういったものの動きが停止してしまったということは、私、冒頭申し上げたところでございます。
それから、やはり私は上の監督責任というものはあったんだろうと思いますけれども、松尾事件を始めとして、一般の職員からは信じられないようなことが次々に起こってきて、相当士気の阻喪を招いている。外務省が日本の中でも最も嫌われる、最も批判される組織にまで扱われてしまうことに伴うあの特に若い職員たちの、何といいますか諦観、そして士気の阻喪ということは、非常に今深刻な問題になっておると思います。
ですから、外務省改革はこれは進めなければいけませんが、彼らも職業外交官として厳しい訓練を経て今までに育ってきている、税金でここまで育成された貴重な人材でございます。あの人材を使えないことにしてしまっては全く元も子もないわけでございまして、今の外務省の職員の間に横溢するこのあきらめの観、これは我々の力を持ってしては変えられないなというその観をやはり常に念頭に置いて我々は改革を進めなければいけないと、私はこう思っております。