国土交通委員会

2003-03-14 衆議院 全45発言

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会議録情報#0
平成十五年三月十四日(金曜日)
    午前九時十四分開議
 出席委員
   委員長 河合 正智君
   理事 栗原 博久君 理事 菅  義偉君
  理事 田野瀬良太郎君 理事 橘 康太郎君
   理事 今田 保典君 理事 玉置 一弥君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 一川 保夫君
      岩崎 忠夫君    小里 貞利君
      倉田 雅年君    実川 幸夫君
      砂田 圭佑君    高木  毅君
      谷田 武彦君    中本 太衛君
      西田  司君    西野あきら君
      林  幹雄君    原田 義昭君
      菱田 嘉明君    福井  照君
      堀之内久男君    松野 博一君
      松宮  勲君    松本 和那君
      山本 公一君    阿久津幸彦君
      井上 和雄君    岩國 哲人君
      大谷 信盛君    川内 博史君
      佐藤謙一郎君    津川 祥吾君
      永井 英慈君    伴野  豊君
      高木 陽介君    土田 龍司君
      大森  猛君    瀬古由起子君
      原  陽子君    日森 文尋君
      江崎洋一郎君    後藤 茂之君
    …………………………………
   議員           大谷 信盛君
   議員           佐藤謙一郎君
   議員           前原 誠司君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      中馬 弘毅君
   農林水産大臣政務官    熊谷 市雄君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   牧野 治郎君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 安富 正文君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    —————————————
委員の異動
三月十四日
 辞任         補欠選任
  鉢呂 吉雄君     井上 和雄君
  二階 俊博君     江崎洋一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 和雄君     鉢呂 吉雄君
  江崎洋一郎君     二階 俊博君
    —————————————
三月十三日
 千曲川上流ダム建設計画撤回に関する請願(木島日出夫君紹介)(第七〇一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 社会資本整備重点計画法案(内閣提出第一三号)
 社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一四号)
 公共事業基本法案(前原誠司君外三名提出、第百五十一回国会衆法第三六号)

     ————◇—————
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河合正智#1
○河合委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに第百五十一回国会、前原誠司君外三名提出、公共事業基本法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長安富正文君、総合政策局長三沢真君、道路局長佐藤信秋君及び財務省主計局次長牧野治郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河合正智#2
○河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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河合正智#3
○河合委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。玉置一弥君。
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玉置一弥#4
○玉置委員 おはようございます。
 きょうは、この法案の最後の質疑ということになるわけでございますが、きょう一日というよりも一時間弱でございますが、よろしくお願い申し上げます。
 この間から、参考人の方のいろいろなお話を聞きました。また、私ども民主党としても、公共事業に関する考え方を提示しながら、その問題点を指摘して、新たな法律を提出した次第でございます。
 今までの日本の公共事業のあり方につきまして、この間の参考人の中でもお話がございましたように、国土復興のためには戦後の大変な推進力にはなったわけでありますけれども、いつの間にか公共事業そのものが既得権化して、また、財政的な面から見ると、財政状態にかかわらず、また景気動向にかかわらず、公共事業が長期計画の中でかなり上積みをされて事業化されてきたということがございます。
 このことが、今の日本の財政悪化、あるいは、公共事業が余りにも膨張し過ぎていたために、いざというときの景気対策として影響力がなくなってしまったという感じを私は持っております。そういう観点からして、今回の社会資本整備重点計画法案そのものがどういう目的でつくられたのかということが非常に不明確であるというふうに思うんですね。
 これはなぜかと申しますと、今の財政状態の中でどうしていくのかということと、それからもう一つは、社会資本整備そのものが、どういう目的でどこまでやるのか。また、その時間的な経過ですね、どのぐらいの時間をかけてということ。それから、例えば今の社会資本整備そのものにかけている費用でございますが、今の国債発行残高とか地方債の残高とかを見ていきますと、もうそんなに多く建設国債やあるいは赤字国債を発行して対応するということではないはずなんですけれども、国土交通省から出されましたこの社会資本整備計画の法案の目的に、そういうことが全然書かれていないということがございます。
 それから、この法案の問題点として今まで指摘をされておりますのは、国全体の公共事業の中で国土交通省だけがこの法案を出されたということでございまして、その観点からいきますと、他省庁との連携というものができていない、いわゆる内閣として統一された考えのもとに公共事業のあり方について述べられたものではないということでございまして、この辺についてまずお伺いをしたいと思います。
 簡単に申しますと、国土交通省に対しましては、社会資本整備重点計画で、国土交通以外の森林、漁港、土地改良等、内閣として公共事業全般についての整合性を求めていく場合に、この法律とのかかわりをまず御説明いただきたいというふうに思います。
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扇千景#5
○扇国務大臣 おはようございます。
 今、玉置委員から、政府全体として他省庁との連携ができていないのではないか、そういうお話がございましたけれども、今回の、長期計画、これを一本化しようというとき、最初は一本化ではございません、とにかく何本かを整理したいということから始まったんですけれども、これはみんなが知恵を絞って一本化まで持っていってくれたわけです。
 これは、国土交通省の所管ではない、今おっしゃいました長期計画、あるいは森林ですとか、あるいは漁港、漁場ですね、そしてまた土地改良、廃棄物の処理、整備、これとの連携ができていないではないかという御指摘がございましたけれども、これらの計画を所管します農林水産省あるいは環境省等々といろいろと相談して今日まで参りました。
 そして、その結果、これらの計画につきましては、例えば森林の整備は、林業の担い手の確保などいわゆるソフトの政策、そういうものが一体的に行われる必要があるということ、これが一つでございます。また、廃棄物処理の施設の整備に関しましては、廃棄物の減量等のソフト、それぞれの御家庭からも努力するという、そういうソフトがありまして、これを、一体的に行われる必要があるので、ハードだけではない、ソフトと一体にしなきゃいけないという理由で、私たちもそれぞれの法体系の中でそれを位置づけるということで、これは一緒にしなかったというのが現実でございます。
 ただ、一方、国土交通省関連の計画は、多くの国民の生活でございますとか、あるいは産業の活動の基盤を形成します社会資本の整備、そういうものに関するものであることで共通しているということで、従来の九本の計画を一本化するということにしたわけでございます。
 そのために、今までの緊急措置法というものは原則廃止ということになっておりまして、これは、緊急措置法の原則廃止は、他省庁の所管する事業についても緊急措置法は廃止するということを内容とした見直しが各省ともに一緒に行うということになっております。
 政府全体としては整合性のある改革を進めてきたと思っておりますし、また、今後もしっかりと連携して、農林水産省、環境省との連携についても十分確保し、そして対応してまいりたいと思っております。
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玉置一弥#6
○玉置委員 農水省からも来ていただいておりますが、熊谷政務官、今お話がございましたように、国土交通省ではこういう社会資本整備についての一つの長期的な方針というものが法律として今出ておりますが、農水省も、昔は構造改善局を中心に公共事業がいろいろ行われてまいりました。今は構造改善局そのものはなくなったわけですけれども、しかし、新農村とかあるいは土地改良の関係とか、まだまだいろいろなものが残っておりますし、あるいは林道とか、そういう公共事業、それから特に費用のかかる港湾というか漁港、そういう面でまだまだ農水省所管の公共事業がたくさんあるわけでございます。
 農水省として、国土交通で出されたような社会資本の整備についてのいろいろな方針あるいは計画があるのか、あるいはまた、今回国土交通省が出されましたこの法案についてどういうお話し合いがあったのか、その辺をお聞きしたいと思います。
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熊谷市雄#7
○熊谷大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 基本的な考え方としては今扇大臣が話されたとおりでありますけれども、農水省としては、命、循環、共生という国民生活の基本を支える政策目的として、主要な分野ごとに、食料・農業・農村基本法あるいは森林・林業基本法、水産基本法、こういうものを定めているわけでありまして、この基本法の理念のもとで政策展開というものを図っているところでございます。
 こうした中で、農林水産公共事業は、農、林、水、各基本法の理念に基づきまして、農林水産業の発展あるいは農山漁村の振興、そういった国民生活の基盤をつくるものとして、他の農林水産施策、こういうものと一体的に実施される必要がある、こう考えております。
 したがいまして、農林水産業公共事業にかかわる長期計画というものは、農林水産大臣が主体的に責任を持って策定をしていくということが適当であるというふうに考えております。
 なお、海岸事業などにつきましては、従来から国土交通省所管の事業と一体として策定をしてきた経緯がありますので、社会資本整備重点計画に参画をしている、こういうことにさせていただきました。
 同時に、農林水産公共事業につきましては、社会資本整備という面では、社会資本整備事業と関連する部分があることから、より効果的、効率的な社会資本の整備というものを実現していくということで、相互の施策連携というものに積極的に取り組んでいくこととしております。
 具体的には、今いろいろ挙げて御指摘をいただきました土地改良長期計画であるとか、あるいは社会資本整備重点計画等におきまして、相互に他の省庁の所管の事業と連携を図っていくことを明記しております。
 これらを実践するために、連携体制というものの強化を図りながら、施策連携というものを強めて対応してまいりたい、このように考えております。
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玉置一弥#8
○玉置委員 構造改善事業も、水田面積とかあるいは転作とか、あるいはいわゆる良質な田畑といいますか、それの確保とかという目的でやられておりましても、なかなか、片方、減反政策とかあるわけですね。それから、土地改良も、各土地改良区の事務所が非常に豪華なものがありまして、ああいうものがいわゆる既得権益化して、あるいはそれにまつわる業者の方ということで、その人たちの生活を守るために事業を組まなきゃいけない、そういうことがあるのではないかという心配をちょっとしているわけです。
 それから、土地改良区そのものが日本全国の中で本当にきめ細かくネットワークされていまして、それが自民党の支持基盤でもあるわけですけれども、そのことそのものがこれからの農業の中で本当に必要かどうかということから考えると、私は、余り必要がないような感じがするわけで、ある程度まとめて整理していかなきゃいけない、そういう時期に来ているかと思うんです。
 この辺についてはいかがでしょうか。
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熊谷市雄#9
○熊谷大臣政務官 確かに、おっしゃるように、いろいろ改善を加えるという現実というもの、そういう問題が存在しております。
 ただ、やはり農地というのは、これは農業の基盤である、国民の命というものを支えていく大事な役割、機能というものを発揮していくという必要性があるわけでありまして、土地改良事業というのはまだまだ進捗率からしても不備な点がたくさんあります。
 これらを補って、土地改良組合というか事業、そういうものが成り立っているわけでありますが、おっしゃるように、改善、統合をするという面もあるわけでありますから、組織の統合とか、経営、運営の合理化とか、そういう改善点などにも力点を置いて指導を現在しているところでもございます。
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玉置一弥#10
○玉置委員 財務省から来ていただいておりますが、財務省でいつも予算化のときに、公共事業の査定とかいろいろされているわけであります。
 今回の状況を見て、国土交通省では、こういう法案ができて、全体を長期的に計画をし、やっていこう。今までは、長期計画をまず金額的に表示して、その金額に見合う事業をあてがってきたという手法でございましたけれども、今回は、金額は一応ぼかして、ぼかしてと言うと怒られますけれども、あいまいにして、もっと悪いかな、事業本位で組み立てをして長期計画を組むということだそうでございます。
 しかし、道路計画なんかを見ましても、これからの五カ年計画で三十八兆円とかいうような数字が出ておりまして、ほぼ現在と同額ということになっておりますが、財務省としては、国全体の公共事業のあり方という面と財政的な面から見て、こういう長期計画にどういうふうに携わっておられるのか、また、それをまた単年度事業ごとに見た場合に、どういうことをなさっていくつもりなのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
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牧野治郎#11
○牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。
 計画がこれからつくられるわけでございますが、その際に、その実行に当たって、その時々の財政事情あるいは経済事情、こういったものに配慮してやっていただくというのは当然のことだろうと思っております。
 具体的には、国といたしましては、公共投資について、平成十四年一月に閣議決定いたしました「改革と展望」におきまして、二〇〇二年度から二〇〇六年度までの対象期間、これを通じまして、景気対策のための大幅な追加が行われた以前の水準を目安に、その重点化、効率化を図っていくということで、具体的に申し上げますと、バブル崩壊後、最初の景気対策が平成四年でございますので、それ以前の水準、平成二、三年の公共投資の水準を目指して、これから公共投資予算を編成していきたい、そのように考えております。
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玉置一弥#12
○玉置委員 財政状態から見て、ずっと今までの投資の総額なんかを見ておりますと、GDPの伸び率というよりも、逆に、財政的にはやはり税収だと思うんですけれども、税収が落ち込んでいても、伸び率、公共事業総額が抑えられてきたのは、しばらくたってからなんですね。ということで、国も地方も、財政の穴埋めを公債によってやってきたということなので、これが今の財政の悪化を招いてきたというふうに思うんですね。
 ですから、景気対策とかかわらず、これにかかわらず公債発行が行われ、公共事業が拡大をされてきた。そして、ここ数年ようやくにして、総額の低減というか、いわゆる引き締めというものをやってきたということなんですが、このタイムラグは何で起きたのかということをぜひお教えいただきたいと思います。
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牧野治郎#13
○牧野政府参考人 お答えをさせていただきます。
 なぜタイムラグが生じたかということでございますが、基本的に、むしろ、景気が悪くなり税収が落ちている段階で、その場合に、やはり公共投資で景気の浮揚を図れという声が非常に強かったということで、バブル崩壊後、そのために多額の建設国債を発行しながら、公共事業は、直ちに税収ではなく、建設国債を発行することがこれは財政法上認められておりますから、公共事業によって景気の浮揚を図るという政策を続けてきたわけでございます。
 ただ、先生おっしゃられますように、その間、多額の公債の発行が続きまして、財政の対応力が限界に来ております。そういうことで、この二年ほど、平成十四年には、公共投資につきまして、当初予算でございますが、一〇%マイナス、それから十五年度につきましては三%マイナスということで、削減を図っているところでございます。
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玉置一弥#14
○玉置委員 農水省そして財務省も、質問、まだ細かく本当はしたいんですが、ほかとの関係がありますので、一応関係につきましてこれで終わりますので、御退席ください。ありがとうございました。
 扇大臣、今お話の中でありましたように、私たちは、この法案の重点化というよりも、逆に、目標値を数字的にはっきり出した方がいいんじゃないかというふうに思うわけです。
 例えば、公共事業全体で七%減でずっと来ておられますが、では、将来の形として何をどこまでやるのかという見直しをやはり一回やらなければいけない。それから、量的な面で、業者を食べさせていくために事業をやるのか、あるいは国の財政を守るためにやるのかということを選択しなければいけないということがあると思います。
 そういう面では非常に中途半端であって、重点化とか効率化というのは、こんなのは法律をつくらなくたって当たり前の話なので、何でこんなものがわざわざつくられたのか、そして縮減目標が数字的に明確化されないのはなぜなのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
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三沢真#15
○三沢政府参考人 公共投資についての量的な縮減目標についてのお尋ねでございます。
 基本的な認識で申し上げますと、我が国の社会資本の整備水準がどうかということでございますけれども、整備水準は相当向上してきたといいながらも、例えば国際競争力の確保とか都市再生、環境問題、少子高齢化への対応など、取り組むべき課題はまだ相当あるのではないかということで、やはり社会資本整備そのものは、引き続き重点化、効率化を図りながらも、計画的に進めていく必要があろうという認識でございます。こういう意味からいいますと、やはり必要な公共投資の確保というのも大事な視野、視点ではないかという認識がございます。
 それから、先ほど財務省からお話ございましたように、「改革と展望」が閣議決定されておりまして、そこでは、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、重点化、効率化を図っていくとされているところでございます。
 それとともに、同じ「改革と展望」の中でも、「景気が極めて厳しい状況の下では、柔軟かつ大胆な政策運営を行う。」というような記述もございます。
 したがいまして、この「改革と展望」に示された中期的な姿を念頭に置きながら、その時点時点での経済財政動向等を踏まえて柔軟な対応をしていくということが必要なのではないかというふうに考えております。
 今回の重点計画法は、従来事業費ということに重点があったために、ややもすれば、これがむしろ硬直的な運用につながる面があったのではないかという指摘もございます。そういう観点からいたしますと、むしろ、こういう重点計画法という形でアウトカム目標を中心にいたしまして、その上で、具体の予算については国会の予算審議を通じて御判断いただくという機動的な対応をしていくということが必要というふうに認識しているところでございます。
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玉置一弥#16
○玉置委員 この間の参考人質疑の中でも問題になりましたように、政府の公共事業に対する投資額全体が、諸外国のGDP対比と比較をいたしますと、大変大きいという数字が出ております。そして、この大きい中でも、バブル崩壊以降特に大きくなってしまっているということと、経過的には五%前後というのがずっと続いてきているわけですね。ほかの国でいきますと、それこそ二%とか、高くて三%という状況なんですけれども、財政的な面から見て、余りにも公共事業、いわゆる国に頼られて社会資本整備が進んできたという感じがするわけでございまして、この辺の考え方を変えていかない限り、日本の財政破綻というのはもう目に見えているというふうに思うんですね。
 少なくとも、私たちが、バブルの前に、日本は外国に比べて非常に財政的にはいいんだということで、しかし、それでも昭和六十年に公債発行をやめて、赤字国債の発行をやめて、新たな時代を乗り切ろうということでやったのがあったわけですが、それからさらに悪化しているというのは、これはどういうことなんだ。一つは、やはり財政が悪くなっても、なおかつ政府の物の考え方が変わっていないんじゃないか。このGDP対比を見るとそういう感じがするわけです。
 ですから、それから十数年たっているわけですが、これからの対GDPに対してどういうふうな考え方で進めていかれるのかということもちょっとお聞きしたいと思います。
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扇千景#17
○扇国務大臣 今玉置委員がおっしゃいました、外国の社会資本整備、GDP比に対する社会資本整備が高過ぎるのではないかということ、先日も、私、ここでお答えしたかもしれませんけれども、経済財政諮問会議でもそのお話が出ました。先進国ではGDP比三%なのに、日本が高過ぎるのではないか。五から六%だということを指摘されて、公共事業の投資は欧米先進国並みの対GDP比率にすべきである、いわゆる三%ぐらいに抑えるべきではないかということが論議されました。
 そのときに私が申しましたことは、それで国民の皆さんが今の社会資本整備で十分ですよというお答えが出ればこれはまた別ですけれども、やはり、政府として考えますと、今の場合、公共事業の投資のGDP比は今大体五%でございますけれども、なぜ五%になっているかというのも、私は、欧米先進国よりも社会資本整備の投資がもう百年おくれているというのは、玉置委員御存じのとおりでございます。
 忠臣蔵が討ち入りしたときには、パリの地下道、環状、下水道、全部できていたわけですから。そういう意味で、スタート自体が百年おくれて、なおかつ今でも、欧米よりも全体的に見ても、我が国の社会資本整備は、百年おくれてスタートしたからいまだに百年おくれているというのも、これも残念な話なんですけれども、現実的にも百年おくれています。
 そしてまた、昨今の国際情勢、近隣諸国を見ましても、全く格差ができてしまった。これだけ投資しているにもかかわらず、諸外国が余りにも発達してきたということで、国際的に日本がおくれをとっているということも事実でございます。
 それと、欧米先進国と違うところは、日本じゅうが、台風がありましたり、あるいは水害がありましたり、そういう災害が欧米と大きく異なっている、災害列島であるということも私はぜひ理解していただきたいと思います。
 また、整備の途上にある、いわゆる韓国だとか中国だとか、社会資本整備と言われますけれども、これは今も、私、経済財政諮問会議で、欧米先進国三%とおっしゃったんですけれども、公共投資というのは、イギリスでも、現在はGDP比一・三%なんです。けれども、一九七四年はイギリスでも五・二%だったんですね。ですから、それぞれみんな必要なときには必要な投資をしてきたから国際競争力を保っている。また、先ほど言いかけました韓国、中国というものも、今、少なくとも韓国が五・五%、中国は一八・五%です。それくらい近隣諸国が公共工事に占めている。高速道路もこの間二十年で一万八千キロ、もう一万九千キロ中国はつくっている、日本は今日までまだ七千キロだという話もしました。
 そういう意味で、国の公共投資というものは、景気対策として民間の需要等の後退を補完して、内需を下支えしてきたということも事実ですけれども、今回、皆さん方に御論議いただいて、今玉置委員が金額を明示しないのはむしろごまかしだとかなんとかとおっしゃいましたけれども、今回、実効あるコストの縮減、これは九本を一本にしたので、新たに重点計画をしよう、重点目標を立てよう、必要なところに必要なものを投資して、短期に完成させて、スピードアップをしてコスト縮減を図ろうということで、具体的には、十五年度から五年間で公共工事のコストを一五%縮減という数値目標が立っているんです。
 今までの計画の中で縮減目標というのを立てたことは過去一度もありません。けれども、これは、九本を一本にするからこそ一五%のコスト縮減を図るということも明記できるわけでございまして、そういう意味では、私は、欧米先進国の比からすればまだ高い部分はあるかもしれませんけれども、日本の現状を考えれば、少なくとも九本を一本にする効果というのは今後じわじわと、皆さん方に御理解いただき、なお、国際競争力に勝てる社会資本整備が緊急を要しているということも、ぜひ御理解いただけると思っています。
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玉置一弥#18
○玉置委員 私は、今までの公共事業のあり方から見て、九本が一本になっても、それぞれは縦割りでやっているわけですから、そんなに大して効果はないだろう。
 それから、例えば同じ距離を舗装するにしても、あるいは道路をつくるにしても、道路の仕様そのものの見直しとかそういうものがなくて、逆にどんどん豪華になっているわけですね。そういう物の考え方でやられると、要するに、今高速道路が例えば七千数百キロで、あと一万一千までやらなきゃいかぬとかいう話になってくると、高速道路そのもののあり方自身が非常に問題だろう。むしろ、では、できるだけ無料化して、いわゆる国道として使えるようなものにさえすれば、高速道路という名称があっても有料とは限らないわけですから、もっと簡単にできるんですよ。
 例えば外国なんかは、土盛りだけして、それから道路幅から外を若干とって環境対策をするとか、お金をかけないでやっているんですね。だから、日本の道路を見ると、高速道路に外壁をつくって外を見えなくして、これは防音効果なんですけれども、逆に、カーブなんかを見ると非常に危険なんですね。片方ではそういうことが平気で行われている。というようなので、もうすごく高いものにつくようにつくようにしているわけですね。この辺の物の考え方が非常に問題じゃないかというふうに思うんです。
 おっしゃるように、先ほどのハブ空港とかハブ港湾とか、対外的に競争しているところもあります。そういうところは整備しなきゃいけないというのはわかるんですが、どうも仕様上、設計仕様が非常に高いというような感じを受けます。だから、見直す、要するに、自分たちは今財政難だという意識が全然ないという感じがするんですね。その辺についてはどうでしょうか。いろいろなやり方はあります。もっと安い方法がいっぱいあるわけですね。何でそういうものが採用されないのかというふうに思います。いかがでしょうか。
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扇千景#19
○扇国務大臣 私は、玉置委員がおっしゃるとおりだと思います。
 なぜ日本がコストが高いのか。それは、もちろん中国とは比になりませんけれども、ただ、日本の場合は、少なくとも、地価が高騰しているということ。また、残念ながら、一番、外環の千葉県とつなぐところでは、キロ一千億という、もう外国人が聞いたらひっくり返るような社会資本整備の投入の高額であるということ、それもおくれればおくれるほど高くなっているということ。
 日本の場合は、これは農林水産省、お帰りになっちゃったか、農林水産省ともよく話し合うんですけれども、地方で高速道路をつくるというと、いや、この農道はトンネルにしてくれるか何かにして通れるようにしてくれないと、高速道路でこの農道をふさがれたら困るんだというような話し合いになって、しようがないから土盛りをして、その土盛りをしたところには、農道のところはトンネルをつくる、そういう地元の要望に応じた工事をするために諸外国と比べて高くなっているということ。
 それから、トンネルとかあるいは橋とか、外国の平たんなところを一直線にストレートで走れるというのではなくて、やはり三%しか平地がないという国の条件からすれば、万やむなく高額な金額が必要になっている。
 本来は、国がお金がなかったから世銀から借りて第一号をつくった高速道路ですけれども、道路とかあるいは港湾とか空港とか、国際的に日本の根幹の社会資本整備は、すべて一般財源で、国がいただいた税金で皆さんの生活を保障するというのは、私は大原則だと思います。
 ところが、お金がなかったからこういう利益者負担という知恵も、これは政治家が出した知恵ですけれども、今玉置委員がおっしゃるように、そろそろ二十一世紀だから見直しなさいよ、取った料金は、その保全と新たな福祉に、あるいは環境に使うべきだよという転換が議論されるのは、私は国会の中では当然あるべきことだと思っていますので、本来のあり方と今後どうするかということは、私たちも、今玉置委員がおっしゃったような意見をもとにして今後の長期計画も考えていく。
 長期計画は縦割りだから、みんな今後も縦割りだと玉置委員はおっしゃいましたけれども、私は、そうではないために一本化したということだけはぜひ御理解いただきたいし、今までの建設省あるいは旧運輸省で立てた長期計画をそのまま踏襲すればいい、九本に分かれておけばいいということの方が縦割りを助長することだと思っています。
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玉置一弥#20
○玉置委員 今までの長期計画は、金額を決めて、それをいかに実行していくかということだったんですね。これが、逆に言えば、時間管理概念、経済社会の変化に対応できない一つの原因でもあった、それから財政の硬直化を生んできたということだと思うのです。
 この辺についての反省が当然なされていると思うのですが、時間管理概念は日本の行政にはない。どんなに長く計画があって実行できなくても、まだ平気でその計画は残されている。京都なんか特に多いんですね、本当に恥ずかしい話ですが。これがやはり、土地は買ったけれども道路はできないとか、あるいは一部が残ってしまった、供用開始ができない、こういうことにつながってきたと思うんですね。
 その辺について、これからどうなさっていくのか。時間管理概念をやはり行政の中に導入して、ある一定時間の中に再評価して、これによってどう取り扱っていくかというのを決めていかなければいけない、そういうことなんですが、これについてはいかがでございましょうか。
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扇千景#21
○扇国務大臣 これは、細かいことになれば局長がまたお答えするかもしれませんけれども、少なくとも私は、今までのやり方では二十一世紀は通じないんだという観念が必要だと思いますし、今までの九本を一本化するというときに、今玉置委員がおっしゃった、いわゆる予算をとるために長期計画をして、毎年同じ金額が確保できるという、予算の硬直化ということももちろんこの原点にございます。
 ただ、私は、九本を一本化することによって公共工事というものの集中ができる。例えば、今おっしゃいましたけれども、京都の話を例にとられましたけれども、東京が一番すごいんですね。昭和二十一年につくられた都市計画というものが、今日に至ってまだ五五%しか達成できていないのです。都市計画がですよ。私は、それほど待っていられない。そして、特区をつくるとかあるいは都市再生といっても、この都市計画さえできない。
 では、その原点はもっと何かというと、地籍調査すら日本は完全にできていない。こういう、追っていけば追っていくほど欠陥が出てくるものですから、それを特に、今回の九本によって、予算も十五年度は四部門に重点配分しようということで、今までのようなものではなくて、都市計画ですとか、あるいは三大都市の重点空港でありますとか、あるいは国際港湾が、御存じのように、神戸一つとってみても世界三位の荷物動き量が今二十五位という、近隣諸国に全部とられている。
 そういうものを回避するために、何としても集中的に投資するということは、私はやはり、この九本がなければ、縦割りになって、今までと同じような予算要求で、いつまでたってもできていないなということになりますので、今回は、集中投資するということによって、今までの法案と全く違う形が、よりスピードアップできると思いますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 もしありましたら、局長にどうぞ。
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三沢真#22
○三沢政府参考人 今大臣の方からお話がありましたような趣旨で、一つは、再評価をきちっとやっていくということが時間管理概念で大変大事でございます。そういう意味では、採択後五年経過して未着工、あるいは採択後十年経過してもまだ継続中の事業、これはもう全部見直しの対象にするということで、再評価というシステムも既に導入しているところでございます。
 それから、当然、その再評価以前に、事業そのものをできるだけスピードアップしていくということが必要でございますので、これにつきましても、用地買収の段階から工事の段階、いろいろな段階で総合的な点検も含めましてこれをやっていくということでございますが、特にその中で、やはり構想の段階できちっと住民の方々の御意見も聞きながら合意を得てやっていくということが結果的にはスピードアップにつながるということで、これも本委員会でもいろいろ御議論いただきましたけれども、構想段階での住民参加ということについても積極的に推進していきたいと思っております。
 以上のようなことも、この重点計画の中にその趣旨をきちっと明記して、積極的に推進していきたいというふうに考えております。
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玉置一弥#23
○玉置委員 今までは、長期計画はまず金額を決めてスタートしていったということなんですが、事業本位にこれから移っていくということでございます。
 そういう意味では、その長期計画の事業そのものを、やはり国会承認という形で、国会に提出をしていただいて中身の論議をするということが必要ではないかというふうに思いますし、また、その計画そのものがある時系列の変化で評価を受けるというときに、再評価をどういうところ、だれがやるのかということも問題になってくる。
 この間の参考人の皆さん方の意見の中では、直接担当された部署が中身をよく知っているから、その方たちがやるのも一考であるということで、多分政府もそのつもりでおられると思うのですが、これはまた第三者機関にかけて、やはり国民の前にその中身をオープンにする、なぜだめなのか、なぜいいのかということを明確にする必要があるかというふうに思います。
 私ども、修正の中でもいろいろ注文をつけさせていただいた中の、やはり国会承認ということがこれから非常に大事になってくるのではないかというふうに思うのですが、もう時間がないので提案だけにして終わりますけれども、この国会承認ということをぜひ個別事業の中の長期計画でやっていただきたい。それから、内閣府に公共事業調査委員会等を設けて、再評価ということで徹底的に国も地方も進めていただきたい。これだけ申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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河合正智#24
○河合委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
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河合正智#25
○河合委員長 この際、第百五十一回国会、前原誠司君外三名提出、公共事業基本法案に対し、佐藤謙一郎君外三名から、民主党・無所属クラブ提案による修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。阿久津幸彦君。
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 公共事業基本法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
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阿久津幸彦#26
○阿久津委員 公共事業基本法案に対する修正案について、その趣旨を御説明いたします。
 民主党では、公共事業基本法案を平成十三年六月に国会に提出いたしましたが、今国会に至るまで審議されることなく継続審査となっておりました。それに伴って、修正すべき部分が発生いたしましたので、ここに修正案を提出させていただきました。
 以下、その内容を申し述べます。
 第一に、沿岸漁場整備開発法及び漁港法の改正に伴い、所要の規定の整備を行います。
 第二に、この法律の施行期日を平成十五年四月一日といたします。
 よろしくお願い申し上げます。
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河合正智#27
○河合委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 この際、第百五十一回国会、前原誠司君外三名提出、公共事業基本法案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。
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扇千景#28
○扇国務大臣 ただいま委員長がおっしゃいました、前原誠司議員外三名から提出されました公共事業基本法案に関しましては、政府としては反対でございます。
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河合正智#29
○河合委員長 これより各案及び修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。今田保典君。
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