農林水産委員会

2011-08-04 参議院 全172発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成二十三年八月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月三日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     川崎  稔君
     長谷川 岳君     中原 八一君
 八月四日
    辞任         補欠選任
     金子 恵美君     行田 邦子君
     徳永 エリ君     姫井由美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         主濱  了君
    理 事
                岩本  司君
                大河原雅子君
                野村 哲郎君
                山田 俊男君
    委 員
                一川 保夫君
                金子 恵美君
                川崎  稔君
                行田 邦子君
                外山  斎君
                徳永 エリ君
                姫井由美子君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
                加治屋義人君
                鶴保 庸介君
                中原 八一君
                福岡 資麿君
                横山 信一君
                渡辺 孝男君
                柴田  巧君
                紙  智子君
   衆議院議員
       農林水産委員長  山田 正彦君
   国務大臣
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
   副大臣
       農林水産副大臣  篠原  孝君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       田名部匡代君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       梅田  勝君
       農林水産省農村
       振興局長     實重 重実君
       農林水産技術会
       議事務局長    藤本  潔君
       環境大臣官房審
       議官       関 荘一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (東日本大震災による農林水産関係被害と復興
 対策に関する件)
 (農林水産物の放射性物質汚染に関する件)
 (牛肉・稲わらからの暫定規制値等を超えるセ
 シウムの検出に関する件)
 (戸別所得補償制度に関する件)
 (諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門調
 査に係る環境影響評価に関する件)
 (原発事故による牛肉からの放射性セシウムの
 検出に関する決議の件)
○有明海及び八代海を再生するための特別措置に
 関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ─────────────
この発言だけを見る →
主濱了#1
○委員長(主濱了君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、長谷川岳君及び郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として中原八一君及び川崎稔君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
主濱了#2
○委員長(主濱了君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省農村振興局長實重重実君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
主濱了#3
○委員長(主濱了君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
主濱了#4
○委員長(主濱了君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
川崎稔#5
○川崎稔君 おはようございます。
 民主党の川崎です。本日の委員会におきまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、さきに衆議院で提出されました有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、この法律案が本委員会でも取り上げられるということでございますので、この特別措置法、そしてもう一つは、六月に公表されました諫早湾干拓事業の環境アセスメントの素案、この二点につきまして取り上げたいというふうに思っております。
 まず最初に、有明海再生特別措置法でございますが、この法律、御承知のとおり、平成十二年に有明海におけますノリの大不作、これを契機といたしまして、国民的資産である有明海及び八代海を豊かな海として再生することを目的ということで平成十四年に議員立法で制定されたというものでございます。
 この改正案につきましては、私ども民主党の有明海・八代海再生検討ワーキングチーム、こちらのワーキングチームでも各県の自治体あるいは漁業関係者の皆様から御意見をお聞きし、検討を行ってきたというわけでございますが、民主党、自民党それぞれの案を持ち寄りまして、各党間の調整を経て、衆議院農林水産委員会提出法律案ということになりました。私も、有明海再生を願う議員の一人として、会派を超えた関係者のこれまでの御尽力に心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 そこで、この有明海特措法について何点かお伺いをしたいというふうに思っております。
 まず最初に、この本特措法の評価ということでございます。
 御承知のとおり、有明海、この海につきましては、私の住む佐賀県を始めとしまして、福岡県、長崎県、熊本県と四県に囲まれた地域で、満潮と干潮との干満差、これは日本一でございます。六メートル、六メートル以上ですかね。そういうことで、干潮時には沖合のかなたまで干潟が続くということで、この干潟に河川あるいは陸地の栄養分、これが堆積をいたしまして多くの生物が生息するということで、地元の方でも宝の海というふうに呼んでおります。
 この有明海の再生、まさに県民の悲願でもあるわけですが、そういう意味で、平成十四年の制定から間もなく九年を迎えるこの有明海等の再生特措法、この法律につきまして大臣がどのように評価をされているか、所見をお伺いをしたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
鹿
鹿野道彦#6
○国務大臣(鹿野道彦君) 有明海等の再生特措法ということが制定されて以来、いわゆる漁港なりあるいは漁場の整備事業という中で補助率のかさ上げ等々がなされてきたわけでありますけれども、そういう中で、対象とされるところの覆砂なり耕うんなどの事業というふうなものが実施されてこられまして、その効果といたしまして貝類の漁獲量が増えてきた、あるいはまた底質環境の改善が確認されてきていると、こういうようなことも承知をいたしているところでございます。
 そして、このほかに、海域の環境改善及び水産資源の回復を図るための技術開発などが積極的にも進められているところでございまして、このような結果、法律制定前の平成十二年には有明海でノリの大不作というふうなことが生じているわけでありますけれども、それ以降ノリの生産量は回復をいたしておると、こういうことでございまして、法律に基づく取組というものは一定の効果をもたらしているものと、このように考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#7
○川崎稔君 今、大臣が答弁、所見をいただきましたときに、その事業ということでお話をいただきました。
 まさに、現行法で言う第八条で規定されております特定事業ですね、これが、その関係県で計画を作って、漁港漁場の整備事業のうち環境の保全あるいは改善を図るための事業ということで、政令で指定して補助率のかさ上げといった措置が講じられているわけですが、この措置について、実際に関係各県の漁業関係団体も継続を要望されているという状況でございます。
 そこで、今、大臣の方からもその一端をお示しくださいましたけれども、この法律において海底耕うん、あるいは覆砂、しゅんせつ等の事業、そういったことが実施されているということは承知しているわけですが、もう一回ちょっと確認をいたしたいと思います。どういうふうな事業が行われているのか、あるいは事業のうち先進的な取組としてどのようなものが行われているかということについて御紹介をいただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
田名部匡代#8
○大臣政務官(田名部匡代君) 今、大臣の方からもありましたけれども、このかさ上げ事業として、有明海及び八代海におきまして貝類等の増殖を図るための覆砂、また底質環境を改善するための海底耕うん、また海水交換を促進するための作澪等が実施をされてきたところであります。覆砂、海底耕うん、そして作澪等の効果というものが各県から報告が上がってきておりますけれども、事業を実施した海域におきまして、アサリ、またサルボウ、タイラギといった貝類等の漁獲量の回復であるとか海底の有機物の減少など、漁場環境を改善させる効果があったということが各県から報告として上がってきております。
 農林水産省といたしましても、これらの事業によりまして改善が図られたということが確認できましたので、また更にこういったことを一緒になって促進をしてまいりたいと考えています。
この発言だけを見る →
川崎稔#9
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今、効果の方までお話をいただいたわけですけれども、実際に、例えば佐賀県沖の有明海におきまして、貝類でタイラギという貝があるんですけれども、こちらが非常に死滅してしまった。そういう中で、昨年辺りは豊漁だったということもあるんですけれども、なかなかそういった意味では水揚げが改善しないという状況もございます。
 今、実際に効果があったというお話なんですが、どの程度例えば、お話としては定性的なお話が多いんですね、定量的な意味でどういうふうな効果を確認されているのか、農水省の見解というものをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
田名部匡代#10
○大臣政務官(田名部匡代君) 例えば、これは有明海でありますけれども、平成十三年以降、大規模な覆砂による底質改善を実施をしておりまして、これによりまして覆砂域にいる貝類、先ほど申し上げました例えばアサリ、サルボウ、タイラギが高密度に発生をして漁獲量が上がっているであるとか、また、多様な生物が増加をして環境の浄化機能が回復をした、そのことによって水質が改善をしてノリの養殖期間中のプランクトン量が低位で安定をしているといったことがあります。
 また、ノリの色落ちの割合が低下をして大変安定をしているというような報告がありますし、また、佐賀県の報告でありますけれども、例えば海底耕うんの清掃事業の実施、これは平成十三年から十八年でありますけれども、このことによって平均水揚げ量が実施前に比べ一・五倍に増加をしたとか、こういう報告が各県から上がってきているところでございまして、熊本県におきましても同じように事業実施によってアサリが高密度に発生をして漁獲の増加につながっているというような、こうした具体的な結果が報告されているところでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#11
○川崎稔君 ありがとうございます。
 実際にいろんな事業を行って、それに対してそれぞれの海域で成果が上がっているというお話でございます。
 先ほど申し上げたように、佐賀県の方ではタイラギの問題というのは非常に深刻な状況だというふうに漁業関係者の皆様からよく伺いますし、あるいはノリの色落ちということもその都度御要望いただくということで、環境が、改善が一定の成果がなかなか目に見える形で上がってこないというところもございます。
 そういう意味で、いろいろな事業を実施してその成果を検証しながらというふうな形で物事を進めていけばいいんじゃないかなというふうに思うんですが、そこで、私がやはり期待をしておりますのは、現行法の二十四条で定められております有明海・八代海総合調査評価委員会、この委員会の活用でございます。
 この委員会、現行法ではその附則第三項に基づいて行う法律の見直しに関して、有明海、八代海の再生に係る評価を行うということを所掌事務としているわけですが、この評価委員会の所掌事務、これを見直して、充実強化を図って存続をしてほしいという声が地元の漁業関係者の皆様からも要望として強く出ております。この評価委員会というのは、平成十五年から十九年ですか、これぐらいにかけて開催されていたというふうに承知をしておるわけですが、その実績というか、どういうふうな実績を上げてこられたのか、その点についてお伺いいたします。
この発言だけを見る →
関荘一郎#12
○政府参考人(関荘一郎君) 御説明申し上げます。
 有明海・八代海総合調査評価委員会は、国及び関係県が実施します有明海及び八代海の海域環境に関する調査の結果に基づきまして、その再生に関する評価等を行うこととされている組織でございまして、平成十五年二月から平成十九年七月までに延べ二十七回委員会を開催いたしまして、平成十八年十二月には評価結果を取りまとめたところでございます。この評価結果報告におきましては、有明海及び八代海で生じております問題ごとに原因を考察するとともに、再生方策について提言する内容となっております。
 評価委員会は、この特別措置法におきまして、委員御指摘のように、法施行後五年以内において行う見直しに際しましてその評価を行うこととされておりますので、その任務を終了いたしましたため平成十九年以降は開催されていない状況でございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#13
○川崎稔君 今、環境省の方から答弁がございましたとおり、平成十九年以降この委員会というのは休眠状態にあると。これは所掌事務からしてそういう定めになっている関係でやむを得ないわけですけれども、逆に、今回の改正案では、この休眠状態にある評価委員会、この所掌事務を見直しまして、国あるいは県が行う総合的な調査の結果に基づいて有明海、八代海の再生に係る評価を行えるようにする、あるいは必要に応じて関係機関に資料の提出などの協力を求めることができるといった形で権限を強めると、このように機能の拡充強化が図られる評価委員会というものについて、有明海、八代海の再生の観点から私ども大変期待をしているわけでございますけれども、政府としてこの評価委員会、今後どのように活動していくことが可能と考えられるのか、どういった余地があるのか、イメージとしてどういうものをお持ちなのか、その点についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
関荘一郎#14
○政府参考人(関荘一郎君) 評価委員会の任務を終了いたしました平成十九年以降におきましても、残念ながら、有明海及び八代海の海域環境、またその周辺の海域も含めまして、一定の環境の改善というのは見られるものの、二年連続して発生しましたシャトネラ赤潮の大増殖に伴う養殖魚の大量死や貧酸素水塊の発生による二枚貝類の大量死などが生じておりまして、依然厳しい状況にあると考えてございます。
 このため、環境省といたしましては、有明海及び八代海の再生の評価を行う評価委員会に関する規定が見直され、再開が可能となるのであればこれを直ちに再開させ、現状の海域環境について再評価していただくことが必要であると考えているところでございます。さらに、平成十八年十二月の評価委員会報告で提言されました再生方策が水産庁などの事業官庁や関係県によってどのように実施されてきたのかについても報告を得ながら、有明海、八代海の再生に係る評価を行っていく必要があると考えているところでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#15
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今の御答弁にありましたように、評価委員会が法律が改正されましたら直ちに再開をされ、そして今示されましたように、例えばシャトネラ菌の赤潮あるいは貧酸素水塊の問題等について海域の再評価を行われるというイメージをお持ちだということで、大変心強いお話でございますので、その仕事について全力で取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 そういう意味で、今話に出ました赤潮の件について少し触れさせていただきたいんですが、最近、有明海あるいは八代海の海域で非常に大量の赤潮が発生するということで、漁業被害の方も大変大きくなっているということがございます。今の現行法の二十一条、二十二条で、赤潮等による漁業被害に対して支援、救済措置を講じるということが定められているわけですが、今次改正ではこの部分についても強化を図っていこうという内容になっております。
 政府の方で、今、赤潮等に関する被害の対策、どういう対策をこれまで講じてこられたのか、ちょっと御紹介をいただければというふうに思っております。
この発言だけを見る →
田名部匡代#16
○大臣政務官(田名部匡代君) 過去三年を見ても、赤潮の被害というのは被害額にして約八十九億円と非常に大きな被害を受けているというふうに認識をいたしております。
 このため、平成二十二年度補正予算の赤潮被害養殖業に対する再建支援緊急対策事業、これは十四億円でありますが、これによりまして、先ほども御紹介いたしました底質環境の調査であるとか、また大型生けすの導入等の実証を行っています。そして、平成二十三年度当初予算、この中で赤潮・いそ焼け緊急対策、金額にして五十一億円、これによりまして赤潮を回避するための浮沈式生けす等を実証する事業等をこれまで実施をしたところであります。
 非常に大きな被害を受けておりますので、今後ともしっかりと赤潮被害の対策に取り組んでいく必要があると、そのように考えております。
この発言だけを見る →
川崎稔#17
○川崎稔君 ありがとうございます。
 本当に大きな被害、八十九億円という被害額だという御紹介ございましたけれども、底質環境の改善等に取り組んでいただくということで、この規定そのものはあくまでも努力規定というつくりになっているんですが、是非、今後機動的かつ有効な方策というのをしっかり講じていただきたいというふうにこの場でお願いをしておきたいというふうに思います。
 特措法の関係については私の方からはこの程度にさせていただきまして、ここで二点目の、諫早湾干拓事業環境アセスメントの問題について取り上げさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、昨年、農水省の方で開催をいただきました諫早湾干拓事業検討委員会、こちらの方で、当時郡司副大臣を座長といたしまして、私も委員の一人として議論に参加させていただいたんですが、昨年の四月二十八日に郡司座長から当時の赤松大臣あてに検討報告が提出をされております。その報告の冒頭にこうございます。有明海の再生への可能性を探るため、また、諫早湾干拓の排水門開門の是非を巡るいさかいに終止符を打つため、環境影響評価を行った上で開門調査を行うことが至当と判断する。この判断については、私も本当に感無量だったわけでございますけれども、歴史的な判断だったというふうにそのとき思いました。
 鹿野大臣もこの検討委員会の座長報告というのは大臣になられて御覧になったというふうに思っておりますけれども、大臣の所感をお聞かせいただければというふうに思っております。
この発言だけを見る →
鹿
鹿野道彦#18
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、川崎委員から触れられましたこの検討委員会でございますけれども、郡司委員が座長になられて、当時副大臣、赤松大臣の下での副大臣でございまして、取り組まれたものと。その報告も私も見せていただきました。
 そういう中で、基本的に、いわゆるその内容につきましては、言わば万全の事前対策が必要だというふうなこと、それから地元関係者の理解を得るというふうなことを前提として開門調査を実施するということが適当であるというふうな、そういう受け止め方をいたしているところでございます。
 その後に、昨年の十二月でございますけれども、高裁判決によりましてこれが確定をいたしました。このことは、平成二十五年十二月までに開門をするというような義務を負ったものと、こういうふうに思っております。
 国といたしましては、平成二十一年から開門調査のための環境アセスメントを実施してきたところでございますけれども、そういう中で準備書の素案もこの六月に取りまとめたわけでございますけれども、今後、開門に向けてのいわゆる方法や、防災上あるいは営農上あるいは漁業への対策等というふうなものを当然検討していくということになるわけでございますけれども、このことは今お触れいただきました検討委員会のいわゆる検討報告というふうなものの方向性というふうなものも踏まえたものでもあるというふうに認識をいたしているところでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#19
○川崎稔君 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、まさに検討委員会のこの座長報告の方向性の中でいろんな物事が進んでいるなというふうに農水省のお取組を拝見していても感じるところでございます。
 私が先ほどなぜあの座長報告を改めて読み上げたかといいますと、この中で言う排水門開門の是非を巡るいさかいに終止符を打つという、このフレーズにやはり関係県の思いが込められているというふうに感じているからでございます。そういう意味で、本当に長年にわたるこのいさかいに何とかして終止符を打って、それぞれの県が、それぞれの地域が笑い合えるような、そういうふうな有明海になってほしいという願いからでございます。
 そういう意味で、今回の環境アセスメントは大変重要なものだというふうに理解しているんですが、先ほど大臣もおっしゃった、六月十日に公表されたアセスメント、このケース分けについてちょっとお伺いをしたいというふうに思っております。
 実は、今回の環境アセスメント、開門の方法として三つ提示をされております。ケース一、これは当初から全開する、開けてしまうと。ケース二というのは、最初はケース三で言う制限開門、制限した開門、そして最終的には全部開けてしまうと。ケース三というのがまさに制限開門ですが、これはどういうものかといいますと、調整池の水位あるいは流速といったものを制限をした開門であるということで、大きく三つ分けていただいております。
 そこでお伺いをしたいんですが、今回の素案でこのケース三の制限開門、これが、実は素案が発表されて私どもも知ったんですが、制限が小幅なケース三の一というものと、かつての短期開門調査、これは平成十四年に一度実施されたことがあるんですが、短期開門調査のときと同じようにその制限が非常に大幅なケース三の二という二つにわざわざ細分化をされております。
 昨年、その検討委員会の席上、アセスについて御説明を農水省からいただいたんですけれども、そのときにはこうした細分化というのは行われていませんでした。この一年間の間にわざわざケース三、制限開門の方法を二つに分けておられるということですが、こういったことが行われたのはなぜでしょうか、その点について御説明をいただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
實重重実#20
○政府参考人(實重重実君) 御説明いたします。
 環境アセスメント準備書素案におきましては、今委員御指摘のとおり、ケース一、ケース二、ケース三と分けて開門の影響や必要となる対策について取りまとめております。その中で、今御指摘のありましたケース三についてでございますが、これは開門の程度を調整することによりまして調整池の水位や流速を制限する方法でございます。特に、この趣旨といたしましては、背後地の防災や潮受け堤防の安全性への影響、これを最小限とする、それから漁業等の海域への影響を最小限とするというようなケースとしてケース三を考えたわけでございます。
 このケース三は、さらにケース三の一とケース三の二に分かれております。これは、今申し上げた影響を最小限とするという趣旨から二つに分けて、それぞれの必要となる対策、また費用を検討したものでございまして、ケース三の一は調整池の水位を標高マイナス〇・五メートルからマイナス一・二メートルの間で管理する方法であります。これは、排水門周辺の流速が顕著な洗掘や巻き上げを生じない、そういう範囲といたしまして、秒速一・六メートル以下となるように排水門を管理するという前提で試算したものでございます。
 一方、ケースの三の二でございますが、これは現況の調整池の水位と同じくいたしまして、標高マイナス一・〇メートルからマイナス一・二メートルの間で管理をするという方法であります。このケースの三の二の方は、平成十四年度に実施いたしました短期開門調査と同様の方法で排水門を管理するものということで、周辺への影響を考える観点から二つに分けてその対策と費用も含めて検討したものでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#21
○川崎稔君 そうなんですね。ケース三の二の制限開門、これ今申し上げましたように平成十四年に一度短期開門調査、短期間制限的な開門を行っているんですね。そのときの調査報告というのがあるんですが、その調査報告によると、潮受け堤防の閉め切りによる影響、これはほぼ諫早湾湾内にとどまっており、湾外の有明海全体にほとんど影響を与えていないという結果が得られたというのがそのときの調査報告なんですね。これと同様の手法というのがまさにケース三の二なんですが、こういう有明海全体にほとんど影響を与えていない開門調査、これは逆に言うと、何のために開門調査をやるんだろうかという意味で、新たな知見というのはこれで得られるんだろうかというふうに非常に不安を覚えるのも事実です。
 先ほど局長もおっしゃいましたように、海域への影響を最小限にする、これがケース三なんだというお話でございますけれども、影響を小さくするということであれば、開門調査というのは、どのような影響が出るかを調べるというのが開門調査ですね。その影響を小さくするというやり方というのは調査の目的からすれば本末転倒ではないかという受け止めをするんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
實重重実#22
○政府参考人(實重重実君) 今委員御指摘の短期開門調査につきましては、平成十四年の四月の二十四日から五月二十日までの二十七日間、約一か月間行ったものでございます。これに対しまして、現在検討しておりますケース三の二にございます開門の方法につきましては五年間にわたって原則として開門を継続するということでございます。そういう意味で、開門を行う期間が大きく異なっておりまして、こういった調査の手法として掲げさせていただいたものでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#23
○川崎稔君 期間が長い短いという違いだというふうに御説明をいただいたんですけれども、これで実際の調査の目的を達することが可能かどうか、いわゆる新しい知見が得られるということを御判断としてお持ちなのかどうか、確認をしたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
實重重実#24
○政府参考人(實重重実君) 調査の水位の設定は同じでございますけれども、期間が二十七日間という場合と、数年に及ぶ、長期に及ぶ開門を行うという場合とではやはり結果が異なってくる可能性があるという具合には考えております。そうした可能性が、結果が異なるのかどうなのかということを含めまして調査をしていく必要があると思っております。
この発言だけを見る →
川崎稔#25
○川崎稔君 昨年十二月の例の福岡高裁判決、こちらでは、三年以内に、防災上やむを得ない場合を除き排水門を開放し、五年間にわたり開放を継続せよというのが判決だったわけですね。裁判所がわざわざ開放という言葉を使っています。この点について農水省としてどのように受け止めておられるのか。制限開門の場合、この開放というものに当たるのかどうか、判決の趣旨に沿っているのかどうか、この点についての御認識を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
實重重実#26
○政府参考人(實重重実君) 開放という言葉で御指摘でございますけれども、やはりこれは開門をいかなる方法で行うかということとつながっていると思います。そこで、アセスメントをやってまいりまして、先ほど委員触れられましたように、ケースの一、ケースの二、ケースの三の一、ケースの三の二という具合に分けまして、これを現在、準備書素案としてお示ししているところでございます。
 これは、やはり高裁判決が確定いたしまして、開門について国が義務を負っているという状態を踏まえたものでございますので、判決の趣旨に沿ったものではないかという具合に思っております。
この発言だけを見る →
川崎稔#27
○川崎稔君 この点については、地元の漁業関係者の皆様も大変不安に思っています、本当に開門調査の目的を達することができるんだろうかということで。というのは、やはり漁業関係者の皆さんは、調査そのものが目的というよりは、やはり有明海の再生というものをやっぱり実現してほしい、有明海を取り戻したいということを皆さん口々におっしゃいます。そういう意味で、本当にちょっと制限的に開けてみて因果関係が分かるのかどうか、この点については非常に地元の皆さんが不安に思っておられるということをこの場でお伝えをしておきたいというふうに思います。
 それで、今度はアセスメントの中でお示しをいただいておりますケースごとの対策の工事の費用について質問させていただきたいというふうに思っております。
 今次素案、今回の示された素案では、ケース一、ケース二、いわゆる全開をするという場合には一千七十七億円の費用を要するというふうに試算をされております。これはお手元にお配りした資料でいう右側ですね、様々な対策費が計上されていて、合計として一千七十七億円の費用が掛かりますということが今回の素案でございます。
 実は、やはり私もこの案を見てちょっと引っかかりましたのは、これまで農水省の方で説明をされてきたときの中・長期開門調査を行うための対策費、実際にそういったものに比べて一・五倍以上膨らんでいると。
 これは、お手元の資料でいう左側にお示しをしております。これは、左側には平成十五年度の中・長期開門調査検討会議というものがございまして、そこで中・長期開門調査の及ぼす影響と対策という試算が行われました。それを左右比較しやすいように並べておりますのがこのお手元の資料です。総額で大体六百三十一億程度ということになっております。
 それを御覧いただくとお分かりのとおり、上の方の環境保全、これに関する項目は、今回の素案とこれまでの農水省の試算、それほど差はございません。従来も総額で四百二十三億円程度という試算だったわけですが、今回のアセスメントの素案ではこれが大体四百十三億円ぐらいと、大体同じくくりで見ますとそういう比較ができます。
 それに対しまして、防災機能の関係、こちらの方が従来は二百二億円程度というふうに試算が行われていたんですが、今回のアセスメントの素案では、右側にございますように、総額で五百九十億円程度と。ここで四百億円近く膨らんでいるんですね。ここが全体の数字を押し上げているというふうに私の方でも資料を見て思ったんですが、この点について、なぜこんなにこれまで農水省の方で試算をされていた数字と違うのか。
 逆に言いますと、これまでの、約六百億程度のコストを農水省は示されて、こんなにお金が掛かるから開門調査はできませんということを長年にわたって農水省の方で言ってこられたんですね。それが今回のアセスメントをやると、これがまた更に一・五倍引き上げられたということで、そうすると、これまでの説明というのは何だったんだと、この数字というのはどういう意味があるんだということについて、関係者の皆さんが非常にその数字の中の信用性ということについて不安に思っていらっしゃるんですね。この点についていかがでしょうか。
この発言だけを見る →
實重重実#28
○政府参考人(實重重実君) 今委員御指摘の平成十五年の中・長期開門調査検討会議につきましては、平成十四年の短期開門調査の後、有識者の参集を得て、中長期の開門を行った場合の論点につき検討を行ったものでございます。この過程で、仮に制約条件を設けず常時全開して開門した場合の対策に必要な費用ということで、約六百三十億円と試算した資料をこの会議に提出させていただいた経緯がございます。これは、諫早湾干拓事業がまだ当時は実施途中でございまして、工事を一旦中止して、その時点で影響を回避するという前提で試算したものでございます。
 現在は、その後、既に事業を完了いたしまして、干拓地営農が開始をしております。これに対する影響防止ということも必要となってまいります。また、当時、閉め切りから五年程度しか時間がたっておりませんで、土壌に塩類が残っていた部分もございますが、現在は既に堤防閉め切り後十数年を経過しておりまして、これを海水に戻すということを前提に試算をする必要がございます。これらに伴いまして様々な対策の変更がございました。また、相当の期間と費用を掛けまして今回のアセスメントということでございますので、精査をしたために変更となっている部分もございます。
 今特に御指摘になりました排水の部分でございますけれども、防災機能の部分でございますが、例えばこの中で、今回のアセスメント結果の防災の二つ目に、洪水時排水ポンプ設置、百八十七億円というのがございますけれども、これは実は十五年の中・長期開門調査の資料の中ではない数字でございます。これは、中小河川、仁反田川につきまして、これは三十年に一度、三十分の一の確率で一般的に洪水対策を行いますので、そういう前提でそういった検討を行って、調整池、流入河川の溢水防止が必要であるということを新たに加えたものでございます。
 このように、様々精査をした部分と、それから事業が完了し干拓地営農が行われているということで、新たな用水対策も必要になる、またヨシの撤去なども必要になると、こういうようなこと等々を加えまして変更になっているところでございます。
この発言だけを見る →
川崎稔#29
○川崎稔君 今の御説明ですと、例えば防災のところで、調整池、流入河川の対策としてのポンプ、こういったものはなかったということなんですが、これは逆に言うと、開門しようがするまいが要る費用ではないかという印象を今お聞きして思ったんですが。
 いずれにいたしましても、佐賀県の方からもいろんなコメントを提出をしていると思うんですが、やはりこの中身について、本当に開門に必要なものなのか、それとも開門しなくても必要なものも含まれているんではないかということで意見が出ておりますので、その点について十分な精査というものをしていただきたいということをお願いをしておきます。
 時間がございませんので、ちょっと予定にはなかったんですが、大臣、有明海の再生に向けて決意のほどを是非お聞かせをいただければというふうに思っております。
この発言だけを見る →
← 戻る