外務委員会

2014-06-11 衆議院 全159発言

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会議録情報#0
平成二十六年六月十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 鈴木 俊一君
   理事 城内  実君 理事 左藤  章君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 薗浦健太郎君
   理事 原田 義昭君 理事 渡辺  周君
   理事 小熊 慎司君 理事 上田  勇君
      井林 辰憲君    石原 宏高君
      大野敬太郎君    木原 誠二君
      黄川田仁志君    小林 鷹之君
      河野 太郎君    今野 智博君
      島田 佳和君    渡海紀三朗君
      東郷 哲也君    中谷 真一君
      星野 剛士君    武藤 貴也君
      吉川  赳君    小川 淳也君
      玄葉光一郎君    辻元 清美君
      松本 剛明君    阪口 直人君
      村上 政俊君    岡本 三成君
      青柳陽一郎君    笠井  亮君
      玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   内閣官房副長官      加藤 勝信君
   内閣府副大臣       西村 康稔君
   外務副大臣        三ッ矢憲生君
   外務大臣政務官      石原 宏高君
   外務大臣政務官      木原 誠二君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君
   政府参考人
   (内閣法制次長)
   (内閣法制局第一部長事務取扱)          近藤 正春君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 福島  章君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 山上 信吾君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 下川眞樹太君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 相川 一俊君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    冨田 浩司君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    上月 豊久君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            上村  司君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   石井 正文君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    三好 真理君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 星野 次彦君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 武内 良樹君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
    —————————————
委員の異動
六月十一日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     大野敬太郎君
  河井 克行君     井林 辰憲君
  木原 誠二君     吉川  赳君
  小川 淳也君     辻元 清美君
同日
 辞任         補欠選任
  井林 辰憲君     河井 克行君
  大野敬太郎君     中谷 真一君
  吉川  赳君     木原 誠二君
  辻元 清美君     小川 淳也君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 真一君     今野 智博君
同日
 辞任         補欠選任
  今野 智博君     あべ 俊子君
    —————————————
六月十一日
 米軍輸送機オスプレイの配備撤回・低空飛行訓練の中止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一四二五号)
 普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一四二六号)
 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五八〇号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五八一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五八二号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一五八三号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五八四号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五八五号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五八六号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一五八七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ首長国連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一五号)(参議院送付)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一六号)(参議院送付)
 所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一七号)(参議院送付)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とオマーン国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一八号)(参議院送付)
 中国による西沙諸島をめぐる事態に対し自制を求める決議の件
     ————◇—————
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鈴木俊一#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ首長国連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とオマーン国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官福島章君、大臣官房審議官山上信吾君、大臣官房参事官下川眞樹太君、大臣官房参事官相川一俊君、北米局長冨田浩司君、欧州局長上月豊久君、中東アフリカ局長上村司君、国際法局長石井正文君、領事局長三好真理君、内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣法制局内閣法制次長第一部長事務取扱近藤正春君、財務省大臣官房審議官星野次彦君、大臣官房審議官武内良樹君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木俊一#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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鈴木俊一#3
○鈴木委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。
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小林鷹之#4
○小林(鷹)委員 おはようございます。自由民主党の小林鷹之でございます。
 早速、租税条約についての質問に入らせていただきます。
 インターネットの急速な普及などを背景といたしまして、最近は、従来の租税条約の考え方では対応し切れない事例が生じているように思います。最たる例が、国境を越えた電子商取引の広がりだと考えております。
 OECDのモデル租税条約であれ我が国の租税条約であれ、現行では、事業所得については、恒久的施設、いわゆるPEが存在する場合に課税されることになっております。言いかえれば、PEなければ課税なし、そういう原則が存在する中で、PEがなくても利得が生じるケースが現実に生じてしまっている中で、政府としての対応方針をお聞かせいただきたいと思います。
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相川一俊#5
○相川政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、租税条約では、外国法人に対して、国内にある恒久的施設、PEを通じて事業を行う場合にのみ租税を課すことができるとしておりますが、近年、国境を越えた電子商取引等において、インターネットを通じて、恒久的施設を持たずに販売、サービス提供等の事業活動を行うことが容易になりつつあります。
 こうした問題に関しまして、各国が協調して問題解決を図るために、二〇一二年にOECDにおいて、税源侵食と利益移転、BEPSと言われているものですが、このプロジェクトが立ち上げられております。現在、BEPSプロジェクトにおいて、先ほど申し上げました実態に鑑みまして、恒久的施設の定義の見直し等も含め、電子商取引に対する課税のあり方についての検討が進められております。
 政府といたしましては、このOECDにおける検討に積極的に参加、貢献していくことによりまして、適切な課税権の確保を図っていく考えでございます。また、今後の検討を踏まえまして、必要に応じまして既存の租税条約の改正にも取り組んでいく考えでございます。
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小林鷹之#6
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 公平なビジネス環境を整備する観点からは、今申し上げた例を含めまして、現実に追いつくための迅速な対応が求められていると思います。
 今ございましたとおり、我が国の租税条約の改正のペース、これはせいぜい年間四、五本でございます。一方で、既に発効済みの条約が五十本以上存在している中で、全てオーバーホールするだけでも単純に十年はかかる計算になります。
 加えて、資料一にありますとおり、発効済みの条約で既に対外直投の九割以上をカバーしてはおりますけれども、カバーされていない一割弱の中には、日本の企業がこれから進出していくであろうアフリカを含めた潜在的な成長力のある国が存在します。
 企業の海外展開を後押ししていく観点からも、既存の条約の改正だけではなくて、それに加えて新規の租税条約を政府が戦略的かつ率先して締結していくことが求められていると思います。
 こうした中で、こうした締結や改正のスピードを上げようとすれば、一つは、今後マルチの枠組みを構築していく方法、もう一つは、バイの条約の締結、改正のスピードをアップしていく方法。特に後者については、例えば電子商取引課税などについてOECDのモデル租税条約が改正された場合などには、時限的にでも担当部局の人員をふやすなどして体制を強化していく必要があると思いますけれども、大臣の見解をお聞かせください。
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岸田文雄#7
○岸田国務大臣 まず、先ほどの答弁の中にもございましたが、現在、OECDにおきまして、いわゆるBEPS、税源侵食と利益移転に関しまして検討が進められております。その中において、今御指摘がありました多国間の枠組み等に関しましては、BEPSへの対抗措置を効率的に実施するため、既存の二国間の租税条約を一括して改正する多国間協定の開発の可能性について議論を行っているところであります。
 我が国としましては、こうしたOECDでの議論にしっかり参加し、貢献していきたいと思います。そして、検討の結果、必要に応じて多国間協定の作成という取り組みを行うということになった際には、ぜひ協力をしていきたいと考えています。
 そして、もう一点、体制強化について御指摘がありました。
 体制強化につきましては、昨年六月の日本再興戦略においても記載されておりますが、ネットワークの拡充の取り組みを加速する、その実現に向けて関係当局の体制強化を進める、こういった記述があります。
 こうした関連で、外務省としましても体制強化を図ってきており、例えば、平成十六年以降、国際法局に租税条約専任の担当官を置く、あるいは平成十八年からは、国際法局に経済分野の条約の締結等に特化した経済条約課を新設する、こうした、実効的に、また効率的に対応できる体制をつくってきております。
 一方、財務省におきましても、租税条約交渉に対応する部局の体制強化を図っているというふうに承知をしております。
 ぜひ、こうした体制強化という面においても、租税条約への対応のためにしっかりと整備をしていきたいと考えます。
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小林鷹之#8
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思います。
 租税条約ではないんですが、国際課税という観点から、昨年一月からアメリカ国内で施行されております外国口座コンプライアンス法、通称FATCAと呼ばれますけれども、これについて伺わせていただきたいと思います。
 この概要は資料二にあるとおりでございますが、二〇〇八年に、UBSの元行員がアメリカの富裕顧客を対象にして脱税幇助をした疑惑が発覚した、これを受けて、アメリカ人が外国金融機関の口座を利用して脱税することを防止するために設けられた法律でございます。アメリカ国内の法律ですけれども、内国歳入庁、いわゆるIRSの求める情報を提供しなかった場合、三〇%もの懲罰的な源泉徴収課税が課されるということで、実質的には、日本を含めて海外の金融機関は従わざるを得ない法律となっております。
 これを受けて、我が国は、昨年六月に声明を発表して、資料三にあるような対応をとっておりますけれども、まず、非協力的な口座保有者の情報を国税庁がIRSに強制的に提供することが国内の個人情報保護法や金融機関の守秘義務などに抵触しないのか、簡潔に教えていただきたいと思います。
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星野次彦#9
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のFATCAを実施するに当たりまして、国税庁は、日米租税条約に基づくIRSの情報提供の要請を受けまして、租税条約等実施特例法に規定する質問検査権によって当該金融機関から当該口座の情報を入手し、IRSに提供することとなります。
 個人情報保護法は、法令に基づく場合には、本人の同意がない場合でも個人データを第三者に提供することができるとしておりまして、租税条約等実施特例法の規定に基づく口座の情報の入手はこれに該当いたします。したがいまして、国税庁が金融機関から口座情報を入手し、IRSに提供することは、個人情報保護法に抵触するものではございません。
 なお、金融機関には、個人情報保護法によるほか、商慣習上または契約上における守秘義務がございますけれども、一般的には、法令に基づく場合、金融機関が国に対して顧客情報を提供することは、守秘義務違反の責任を問われることはないものと承知しております。
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小林鷹之#10
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。いずれにしても、慎重な対応をお願いしたいと思います。
 またさらに、そもそも論といたしまして、アメリカがこうした形で国内法を一方的に押しつけてくる、片務的な義務を我が国に負わせていることに違和感を感じます。特に金融機関にとっては、システム上の対応など、大きな負担になってくるはずだと思います。本来であれば、レシプロ、双務契約であるべきだと考えますけれども、政府として今後どう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
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星野次彦#11
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 国際的な脱税、租税回避を防止する観点から、FATCAのように片務的に情報を提供するのではなく、各国の間で金融口座に関する情報を定期的に双務的な形で提供し合う、いわゆる自動的情報交換の枠組みを国際的に構築していくことが重要であると考えております。こうした考えに立ちまして、OECDが本年二月に自動的情報交換の新しい国際基準を策定、公表し、G20からも支持を得たところでございます。
 今後、各国がこの国際基準を早期に実施することが期待されており、財務省といたしましても、関係省庁と緊密に連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
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小林鷹之#12
○小林(鷹)委員 ぜひしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 もう時間も限られておりますので、最後の質問をさせていただきたいと思いますが、アジアインフラ投資銀行、AIIBについて伺いたいと思います。
 先月カザフスタンで開催されましたADB総会の脇で、AIIBの設立に向けて中国が主導する会合が開催されました。このAIIB構想というのは昨年の秋に習近平国家主席が打ち出したものでございますけれども、もちろん、日本、アメリカは招かれておりません。世間ではADBに対抗する動きとも見られる中で、このAIIBの意義や必要性について大臣としてどのように捉えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
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岸田文雄#13
○岸田国務大臣 AIIB構想、アジアインフラ投資銀行構想ですが、この構想につきましては、ただいま委員の方から御指摘がありましたように、昨年十月に、アジアにおけるインフラ整備の資金ニーズに応えるということを目的に、中国の習近平国家主席が東南アジアを歴訪した際に表明したものであります。中国は、本年秋には参加国との間で同構想の枠組みに関する政府間覚書を締結したい、こういった意向であるということを承知しております。
 アジア諸国の持続的な発展に係る支援につきましては、従来、我が国が最大出資国でありますアジア開発銀行、ADBが中心的な役割を果たしてきました。近年急速に高まっているアジア地域のインフラ需要に対しても、ADBの果たす役割は引き続き大変大きいものがあると認識をしております。
 こういった中にあって、このAIIB構想ですが、アジアにおけるインフラ整備への資金供給にも影響を与えることになります。ADBに加えてAIIBが必要かどうかといったことも含めて、これは慎重な検討が必要ではないかと認識をしております。
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小林鷹之#14
○小林(鷹)委員 大臣、ありがとうございました。
 中国財政部は、貧困削減を目的とするADBとインフラ投資を目的とするAIIBは補完関係にある、すなわちすみ分けは可能としているようなんですけれども、おっしゃるとおり、そう簡単に割り切れる話ではないと思います。
 特に、ADBを含む世銀グループの場合は、融資を決定するに際して、環境面ですとか社会面に配慮するセーフガード、あるいは構造改革などを求めるコンディショナリティーと呼ばれる条件を付して融資を決定することになりますけれども、一方でAIIBは、まず貸し出しありきということで、甘くて緩い条件をつけて域内各国に働きかけていくことも考えられるところでございます。そうすれば、結局のところ、借入国にとってみれば、持続可能な発展を阻害される、そういう結果にもなり得ますので、この点については、大臣今おっしゃったとおり、ADBの最大出資国として、我が国としてはこのAIIBをめぐる今後の動きをしっかりと見きわめた上で、仮にこの機関が無秩序な貸し付けを行うような機関として誕生する場合には、一線を画していただいて、そうした資金を借り入れる国への融資には慎重な姿勢を堅持していただくなど、しっかりとした、また慎重な対応をとっていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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鈴木俊一#15
○鈴木委員長 次に、島田佳和君。
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島田佳和#16
○島田委員 自由民主党、島田佳和でございます。
 きょうは、質問の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。引き続き、イギリス、スウェーデン、UAE、オマーン、この四カ国との租税条約について質問させていただきたいと思います。
 昨年、この外務委員会でアメリカとの租税条約が審議された際に、薗浦委員の方からこのような質問がありました。利子一般に対して源泉地国免税をやるというのはこれが初めてではないですかという質問に対して、当時のあべ俊子政務官から、利子一般について免税とする規定は、今回、このアメリカとの租税条約が初めてであり、今後、アメリカ以外との租税条約の新規締結、さらには改正の交渉においても積極的に取り上げていきたいという答弁がありました。
 今回、イギリスとスウェーデンの条約改正において、利子所得を源泉地国で原則無税とする規定が盛り込まれましたけれども、まさに有言実行といいますか、このときの答弁がしっかりと結実した成果であると評価させていただきたいと思います。
 改めて、今回のこの条約改正について、意義、内容の説明をお聞かせ願えればと思います。
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上月豊久#17
○上月政府参考人 お答えいたします。
 今御質問がありました原則免税とする規定のことでございますけれども、今回の日・スウェーデン租税条約では、利子所得につきまして、源泉地国における限度税率を原則一〇%としております。
 近年、企業の資金調達の方法が多様化しておりまして、また、国境を越えたグループ企業間の融資等が積極的に行われております。今回の改正は、このような変化を踏まえて、利子所得について原則免税とし、企業による資金調達の円滑化、多様化に対応するものでございまして、この規定によって両国間の投資、経済交流がさらに促進されると考えております。
 また、日英の租税条約の中では、事業所得に関する規定が改正されまして、租税対象となる支店、工場等の恒久的施設に帰属すべき利得の算定方法をより明確化することを内容としております。この改正は二〇一〇年のOECDモデル租税条約の改定に沿ったものでございまして、この改定により、恒久的施設に帰属する利得の範囲がより明確となりまして、我が国と英国との間の二重課税、二重非課税のリスクが小さくなることが見込まれております。
 以上でございます。
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島田佳和#18
○島田委員 ありがとうございます。
 イギリスはヨーロッパの中でも対外投資額が非常に大きい国でありますし、またスウェーデンも、かつては、スウェーデンといえばボルボとかサーブとかの自動車産業が有名でありましたけれども、近年では、家具のイケアとかアパレルのH&Mとか、非常に我々の生活圏に近い企業が日本にどんどん参入してきております。ぜひ、今回の租税条約をきっかけに、日本・イギリス、そして日本・スウェーデンの投資交流がさらに進むことを願っております。
 次に、UAE、オマーンとの租税条約についてお伺いしたいと思います。
 UAEに関しては、近年、残念ながら日本からの直接投資が減ってきております。また、UAEから日本への投資は、三十億円に満たない、非常に小さな金額でありますが、やはり中東諸国との経済交流、投資交流を健全な状態に保つということは、まさに我が国のエネルギー資源をしっかり確保する上でも重要な案件だというふうに考えております。
 この条約の締結、新規の締結になりますけれども、今後のUAE、オマーンとの経済交流、投資交流に与える影響等について説明をいただきたいと思います。
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上村司#19
○上村政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、アラブ首長国連邦から我が国への直接投資残高は二十五億円前後で推移しておりますし、また、我が国からUAEへの直接投資残額も、二〇一二年末の二百八十四億円から二〇一三年の二百二十四億円と、若干減少しているという状況でございます。
 他方、今後、アラブ首長国連邦の国内におきましては、二〇二〇年のドバイ万博開催に向けまして、各種施設の建設などインフラ整備が進められる予定でございます。また、再生可能エネルギー分野、これはUAEが力を入れている分野でございますけれども、我が国からの投資拡大の可能性が十分あると考えております。
 また、UAEから日本への投資につきましても、UAEの政府系投資ファンドは、中には七十兆円を超える資産を持っているものもございまして、UAEから我が国に対する投資を取り込んでいくことも非常に重要であろうと考えております。
 また、オマーンにつきましても、従来のエネルギー分野にとどまりませんで、今後は、造水、発電といったインフラ事業、あるいは観光産業などの分野におきましても、日本企業の進出が見込まれております。
 今回の両国との租税条約の締結によりまして、相手国に進出する企業、個人にとりまして、投資、経済活動に対する課税について予見可能性が高まることとなります。これによりまして、相互の投資、経済、人的交流が一層促進されることを期待しておりますし、いろいろな関係が深まっていくことを期待しているところでございます。
 以上でございます。
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島田佳和#20
○島田委員 ありがとうございます。
 今、ドバイ万博のお話がありましたけれども、まさに中東にビジネスチャンスがないということではありませんので、例えば、オマーン政府は、二〇二〇年にかけてのインフラ計画、いわゆるオマーン・ビジョン二〇二〇というものを発表しております。これは、十八ぐらいの大型案件が列記されておりまして、かつ、予算額まで出ております。
 例えば、観光地で有名なマシーラ島とオマーンの本土を結ぶ千五百億円の橋の建設であったり、空港拡張、また、新しい空港を二つつくるといった計画もありますし、千キロ以上の鉄道計画、また平均時速二百キロの鉄道導入といった、非常にビジネスチャンスが多い国がオマーンでございます。
 また、大きなコンベンションもやっておりますので、ぜひ日本の企業も積極的かつ戦略的にこのチャンスをとりに行っていただきたいと思いますし、今回の租税条約も含めて、政府の方も投資環境づくりをしっかり整備していただきたいというふうに思っております。
 そういった中、政府は、二〇二〇年を目標にインフラ輸出三十兆円という目標を掲げているわけでございますが、今、資料の方を配らせていただきました、日本、韓国、中国のインフラ受注実績を見てみますと、非常に日本が立ちおくれているわけでございます。日本は年間大体二兆円ぐらいのところで微増、横ばいといったところですけれども、韓国はその三倍以上、中国は約七倍のインフラ受注を海外で達成している。
 また、中東を見てみますと、これは資料二になるんですけれども、棒グラフのオレンジの部分が中東になります。アメリカ、韓国、中国が一兆円規模のインフラ受注を達成しておりますけれども、日本はイタリアにも負けて約四千億円レベルにとどまっている。トップスリーにおくれをとっているわけでございます。
 安倍政権以降、安倍総理そして岸田大臣がまさにみずからトップセールスとして世界じゅうを駆け回っているわけでございますが、この現状について、大臣、感想があればお聞かせ願えればと思います。
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岸田文雄#21
○岸田国務大臣 まず、御指摘の中東地域ですが、世界の成長センターであり、大きな潜在力を持つ地域であると認識をしております。そして、中国、韓国を含め世界各国の企業が積極的に進出をしている、こういった地域であると認識をしております。
 我が国としましても、御指摘のように、総理御自身が先頭に立ち、各国首脳への強力なトップセールスを行い、また、企業関係者から成る経済ミッションを伴う外遊等も実施をしているところであります。
 安倍総理は、この一年間で全てのGCC諸国を訪問いたしました。トルコには二度訪問いたしました。こうした幅広い経済分野の協力関係の構築に尽力をしてきましたし、外務大臣である私ほか、外務副大臣あるいは大臣政務官、中東地域に積極的にこの一年半訪問を続けてまいりました。
 電力ですとか水、交通等の分野で案件の成約が目指されているところですが、ただ、御指摘のように、中国、韓国、こういった企業もより積極的な働きかけを行っているところでありますので、我が国としましてもより一層しっかりと取り組んでいかなければならない、このように認識をしております。
 中東地域を含め、インフラシステム輸出戦略で設定しました、二〇二〇年に約三十兆の受注目標を官民で共有してともに努力していく、これは当然でありますが、ぜひ、こうした目標につきましても、経協インフラ戦略会議等を活用して、目標達成に向けての施策の取り組み状況をしっかりとフォローアップすることによって実績を確認し、成果につなげていきたいと考えております。
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島田佳和#22
○島田委員 ありがとうございます。ぜひフォローアップの方も重要視していただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間の方もなくなってきましたので、最後の質問をさせていただきたいと思いますけれども、このインフラシステム輸出戦略の中でも非常に大きな位置を占めると思われますリニア新幹線の海外戦略について質問したいと思います。
 ここ一、二年、特にアメリカに対してのリニア輸出の機運が高まってきているわけでございますけれども、昨年、日米首脳会談で、オバマ大統領に対してリニア導入の提案を安倍総理からされました。そして、ことし四月には、ケネディ駐日大使を山梨のリニア実験センターの方へお招きして、新型車両にも試乗していただいております。そして、ことしのオバマ大統領来日の際にも、ウクライナ問題とかTPP、集団的自衛権といった重要な案件も多かった中で、リニアの提案を改めてしていただきました。
 現状、いわゆるマグレブ技術、マグネティックレビテーション技術の輸出に関してどのようなアメリカとの交渉状況になっているのか、アップデートをお願いしたいと思います。
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相川一俊#23
○相川政府参考人 申し上げます。
 先生御指摘のとおり、本年四月の日米首脳会談において、安倍総理からオバマ大統領に対して日米協力の象徴として提案するなど、これまでトップセールスを実施してきているところであります。また、米国のワシントンにおきましても、佐々江駐米大使以下さまざまなレベルで、アメリカの政府関係者に対して我が国のマグレブ技術について説明してきているところでございます。
 引き続きまして、日本政府としても、さまざまなレベルで米国関係者への働きかけを一層継続していきたいと考えております。
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島田佳和#24
○島田委員 ありがとうございます。
 今、働きかけというお言葉がありましたけれども、昨年の首脳会談から既にもう一年以上たっておりますし、オバマ大統領の任期もあと二年ほどでございます。せっかく安倍総理みずからがトップセールスをされているにもかかわらず、大統領がかわったらまた一から始めなければいけないというのでは水の泡になりますので、ぜひ、オバマ大統領の任期中に何らかのコミットメント、緒につけていただければというふうに考えております。
 最後になりますけれども、ぜひ外務省にリーダーシップをどんどん発揮していただいて、日本の企業が海外に進出していく環境整備を他省庁と連携しながら力強く進めていただきたいと思います。最後に大臣の方から改めて意気込みをお願いしたいと思います。
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岸田文雄#25
○岸田国務大臣 日本経済再生につながる経済外交を進めるに当たりまして、関係省庁と緊密に連携し、政府一丸となって取り組んでいかなければならない、当然のことだと思っております。
 外務省におきましても、昨年十二月、日本企業支援推進本部、こうした組織を立ち上げて、日本企業の海外展開支援を積極的に進めると同時に、租税条約等のビジネス環境整備を含むさまざまな取り組みを進めている、こういったことでありますし、在外公館におきましても、日本企業支援窓口を設置するなど、相談をしっかり受けつける、また、ジェトロ等の関係機関との連携もしっかりと進めている、こういったところであります。
 ぜひ、こうした取り組みに当たって、外務省ができる限り中心となって積極的な役割を果たしていきたいと考えております。
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島田佳和#26
○島田委員 ありがとうございます。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
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鈴木俊一#27
○鈴木委員長 次に、松本剛明君。
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松本剛明#28
○松本(剛)委員 おはようございます。
 きょうは、アラブ首長国連邦、オマーン、そしてスウェーデン、イギリスの租税条約ということでございますが、先ほどトップバッターの自民党の小林委員からも、租税条約を含む経済条約を整備していく体制についてということで質問がありました。小林委員の方からも、このペースでは間に合わないのではないかというか、ついていけないのではないか、こういう御指摘だったのではないかと思いますが、問題意識は共有をさせていただいていると思います。
 昨年の臨時国会でも、私も三ッ矢副大臣との議論の中でそういった指摘をさせていただきました。そういったところで、副大臣の方からも、かなり業務が広がり、量も多いということで、私はそのときに、定員の問題もありますが、外部の人材も登用いただくなど、かなり従来の延長線を超えた体制づくりをしていただきたいという趣旨のことをお願いさせていただいたんですが、そのときの副大臣の御答弁で、「期限つきの任用、あるいは外部の方のいろいろな形での登用の仕方があろうかと思いますけれども、その点も含めて、ぜひ検討させていただきたいなというふうに思っておるところでございます。」こうお話をいただきました。
 ぜひ、やはり我が国の経済活動を支援するという意味でも、租税条約また投資条約の締結というのは、いわば飛躍的な推進ができる体制をこの機会につくっていただきたいという思いでお願いをさせていただいておりますが、御検討をいただいたかというふうに思いますので、そのあたりの進捗を御報告いただけたらと思っております。
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三ッ矢憲生#29
○三ッ矢副大臣 お答え申し上げます。
 昨年の十一月に委員から同趣旨の御質問をいただきまして、そのとき私は、いろいろ工夫をしながら努力をしていきたいというふうにお答えさせていただいたわけでございます。もう大臣を経験されていますので、外務省の体制が非常に手薄だということはよく御承知のことだと思います。
 また、経済関係の条約に関しては、特に租税条約に関して申し上げますと、これは財務省の方の体制もございまして、なかなか外務省だけでというわけにもいかない面もございますが、あの後、まだ半年ぐらいしかたっておりませんけれども、どういうことをやったのかということをかいつまんで申し上げたいと思います。
 一つには、委員からあのときも御指摘いただきましたが、任期つきの職員、これは、あの時点から、わずか二名かと言われるかもしれませんが、当時十六名だったのを現在は十八名に増員をいたしまして、体制の強化を図ってきておるところでございます。
 それから、もう少し長期的な話として、経済関係の条約に関する業務を扱う知見、語学力、交渉経験等を有する省内の人材の人材育成というんでしょうか、これを我々としては非常に重視しておりまして、人材を育てていこうということで、これはすぐに結果が出るわけではございませんけれども、努力を重ねてきておるということでございます。
 それから、あのとき委員から、アウトソーシングも考えたらどうか、こういうお話もございました。これも一つの案だとは思いますが、他方で、守秘義務、秘密保全ということもございますので、それに抵触しない範囲でお願いする業務もあろうかと思います。
 これはちょっと、今、具体的に、この半年間でこういう成果が上がりましたということを申し上げるのは非常に難しゅうございますが、今後も引き続き体制の強化に向けて努力を続けていきたい、このように考えております。
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