北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

2017-06-09 参議院 全99発言

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会議録情報#0
平成二十九年六月九日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                北村 経夫君
                島村  大君
                白  眞勲君
                山本 博司君
    委 員
                青山 繁晴君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                衛藤 晟一君
                塚田 一郎君
                中山 恭子君
               三原じゅん子君
                大野 元裕君
                川合 孝典君
                柳田  稔君
                横山 信一君
                武田 良介君
                高木かおり君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       国務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       防衛副大臣    若宮 健嗣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       横田 真二君
       内閣官房内閣審
       議官       岡本  宰君
       警察庁警備局外
       事情報部長    加藤 達也君
       外務大臣官房参
       事官       久島 直人君
       外務大臣官房参
       事官       飯島 俊郎君
       外務大臣官房参
       事官       小野 啓一君
       外務省アジア大
       洋州局長     金杉 憲治君
       外務省領事局長  能化 正樹君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   寺澤 達也君
       海上保安庁警備
       救難部長     奥島 高弘君
       防衛大臣官房審
       議官       土本 英樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に
 関する調査
 (朝鮮半島有事における拉致被害者を含む邦人
 保護に関する件)
 (拉致被害者の認定に関する件)
 (拉致問題の取組強化に関する件)
 (日朝間におけるストックホルム合意に関する
 件)
 (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件
 )
 (北朝鮮の核・ミサイル開発と国連安保理の対
 応に関する件)
 (北朝鮮に対する我が国の制裁措置に関する件
 )
    ─────────────
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山谷えり子#1
○委員長(山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官横田真二君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山谷えり子#2
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山谷えり子#3
○委員長(山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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青山繁晴#4
○青山繁晴君 ありがとうございます。自由民主党・こころの青山繁晴です。
 去る五月十日の本特別委員会に、拉致被害者の御家族の飯塚繁雄さん、横田早紀江さん、斉藤文代さんが支援者とともに参考人としておいでくださいました。そのお訴えをお伺いして、改めて御家族と被害者の長い、毎日繰り返される苦しみが胸に迫りました。ほかの委員の方々も同様だと思います。拉致被害者を一人残らず救出するためにこそ設置されたこの特別委員会であることを肝に銘じて質問いたしたいと思います。
 先週の日曜日、六月四日に、拉致被害者の有本恵子さんのお父様で、家族会の副代表でいらっしゃる有本明弘さんに神戸でお目にかかりました。恵子さんは、私と神戸の幼稚園が同じです。年齢もそう大きくは変わりません。私は、幼稚園の同窓生に拉致被害者がいたから拉致事件に関わってきたのではなくて、一民間人として拉致被害者の救出にささやかにだけ寄与しようといたしておりましたら、同じ幼稚園に被害者がいることが分かりました。日本の国民は、学校や職場あるいは親戚などをたどっていけばどこかで拉致被害者とぶつかる、それぐらいたくさんの同胞、はらからを拉致されたままになっている現実を示唆する一つの例だと思います。
 その有本明弘さんがおっしゃったことをそのまま紹介はいたしませんけれども、私が問題提起と受け止めたのは、北朝鮮をめぐる情勢は依然極度の緊張状態にあって、実は窮地にもあるだろう北朝鮮の立場に着目した新たな日朝交渉をすべきではないかという趣旨だと思います。私は良い着眼点でいらっしゃると思います。米軍におびえる北朝鮮が、むしろ日本の安倍政権に助けてほしくて拉致事件について妥協することはあり得ることではないでしょうか。
 ストックホルム合意から三年がたち、再調査すら行われず、御家族の苦悩は深まるばかりです。水面下では日朝の交渉も行われていると拝察はしていますけれども、表舞台でも、もはや既存の合意にはこだわらない、そして第三国に仲介もいただかない新規の直接交渉を検討されてはいかがでしょうか。
 ちょっとこの部分、通告していませんが、例えば東京と平壌で交互で行うような直接交渉も御検討いただけないでしょうか。加藤大臣、よろしくお願いします。
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加藤勝信#5
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から拉致被害者の有本恵子さんのお父様の有本明弘さんのお話がありました。
 私も様々な機会に有本さん本人から、またそれ以外の拉致被害者の御家族の方々からも様々なお話、思いを聞かせていただいているところでありまして、まさに、特に一年一年、一日一日たつ中で本当にそれぞれの皆さん方が年を重ね、また中には体調を崩される、こういう状況の中で、本当に一日ももう待てないんだという大変強い切迫感を強く感じ、我々も共有しなければいけないというふうに考えております。
 そういう中で、今お話がありましたけれども、我々も従前から、拉致被害者の一日も早い帰国を実現していくためには、対話と圧力、行動対行動という原則の下で、アメリカ等の国際社会とも連携をし、そして一連の北朝鮮に対する強い厳しい圧力をこれにてことしながらも、対話を通じてというのは、結果的には我が国政府が主体的に北朝鮮と対話をしていかなければ答えが出ていかない。そうした対話をつくり、そしてその中で具体的な動きを引き出す、それに向けて我々としてあらゆる努力を傾注していきたいと、こう思います。
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青山繁晴#6
○青山繁晴君 私は、さきの予算委員会で質問いたしました際に、北朝鮮の有事にも備えて、拉致被害者の救出のために、自衛官、それに加えて警察官、消防官、そして医師、看護師、保健師、あるいは方言も解する朝鮮語の通訳で構成する包括的部隊の編成と訓練を提案いたしました。大臣や副大臣の皆様から、前向きに検討する趣旨の答弁もいただきました。その中で、例えば若宮防衛副大臣から、自衛隊は訓練を開始していますという趣旨のとても大切な御答弁もいただきました。
 これはあくまで自衛隊としての単独訓練のことかもしれませんけれども、新たな安保法制に基づいて拉致被害者の救出をちゃんと念頭に置いておられることがよく伝わりました。そこから少し時間たちましたけれども、その後の取組はいかがでしょうか。若宮さん、お願いします。
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若宮健嗣#7
○副大臣(若宮健嗣君) 青山委員におかれましては、日頃から様々な意味で御尽力をいただいていることに改めてこの場を借りて敬意を表したいと思っております。
 また、今委員から御指摘のございました三月二日の予算委員会におきまして、委員から、自衛隊を含めた形での包括的な能力を備える救出部隊の編成と訓練についての御提案もいただいたところでもございます。また、その後の四月の十二日には自民党の拉致問題対策本部から、また四月の二十日には超党派の拉致救出議員連盟から拉致被害者の帰国実現に係る御提言も頂戴いたしているところでもございます。
 この拉致問題は、もうまさに安倍内閣の最重要の課題でございます。拉致被害者の方々の安全確保というのは極めて重要だというふうに認識もいたしてございます。
 私ども防衛省といたしましても、皆様方からのこの提言、そしてまた青山委員からの御指摘しっかりと受け止めまして、引き続き体制の整備に努めるとともに、先般、予算委員会で私からも御答弁申し上げましたとおり、必要な訓練というのを実施いたしまして、在外邦人の安全確保にはもう万全を期してまいりたいと、このような所存でございます。
 このうち特に訓練について申し上げますと、在外邦人等の保護措置、輸送訓練、これ実施をいたしてございます。例えばの例でございますが、多国籍訓練でございます、これはタイでいたしておりますが、コブラゴールドにも参加をいたしてございまして、引き続き部隊の能力向上あるいは関係機関との連携をしっかりと図りながら強化をまいっていきたい、このような考えでございます。
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青山繁晴#8
○青山繁晴君 今日は時間が十五分と限られておりますので、次の質問に移りたいと思います。
 日本国民の拉致被害者の方々は、政府が認定できたのは周知のごとく十七人です。これ以外にも多数いらっしゃるおそれが強く、民間の長年の努力がなされまして、この安倍内閣でようやく政府も、失踪者の中でも北朝鮮による拉致の疑いがあるないしは残る皆様を特定失踪者として公に扱うことを始めました。この特定失踪者の御家族が有志の会を結成され、六月一日に各党の拉致問題対策本部代表者に伝えられ、今後の対応に関する要請も行われました。
 政府がきちんと認定できる被害者の拡充を目指すのはもちろんのことですけれども、御家族の方々も、民間で支援の努力を続けられる方々も、認定されればよいという姿勢では全くなく、あくまで認定拉致被害者と同様の救出を望んでおられると私は拝察しています。
 そこで、認定に必要な条件、あるいは基準があるとすればその基準、そして特定失踪者もきちんと含めた救出への取組についてお伺いしたいと思います。加藤大臣、お願いできますでしょうか。
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加藤勝信#9
○国務大臣(加藤勝信君) 拉致被害者の認定は、御承知のように、関係省庁・機関による捜査、調査の結果を基に、北朝鮮当局によって実行された拉致行為の有無、これを判断基準として行うということであります。
 現在、十七人の方々の事案についても、警察当局などの地道な長年の捜査、調査の結果、拉致容疑事案として判断するに至ったというふうに承知をしております。委員御指摘のように、この十七人のほかにも拉致の可能性を排除できない事案が存在していると、この認識の下に、現在でも捜査、調査等に全力で取り組んでいるところであります。
 今後、捜査、調査の過程で北朝鮮による拉致行為に関する情報が入手された場合には、速やかに関係府省庁による審議の場を設けて情報を整理し、それを踏まえ、拉致被害者に該当すると判断された者については拉致被害者として認定を行う、こういう仕組みになっているわけであります。
 特定失踪者の御家族の方とも私もいろんな機会にお話をさせていただきます。もちろん認定されれば事が済むわけではなくて、その方々が拉致をされているとすれば、日本に一日も早く帰国をするということがもちろん大事でありますけれども、しかし、認定されていないということの不安定さに伴う不安等々いろいろお話を聞くところでありますので、そうした心情もしっかり受け止めながら、今申し上げたプロセスの中でそうした情報が確認されれば、それにのっとって速やかに認定等の行為に進んでいく、こういう姿勢で取り組んでいきたいと思っております。
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青山繁晴#10
○青山繁晴君 先ほど朝鮮半島有事の可能性にも触れました。まだ米朝関係、どのように推移するかもちろん分かりませんけれども、つい最近、私自身がアメリカ軍のある当局者に聞かれたことがあります。それは、日本のインテリジェンスは拉致被害者の人数、それぞれの年齢や現在の健康状態、さらには、居住なさっているのか、捕囚、つまり鉄格子があるようなところにとらわれているのか、あるいは、現在、北朝鮮はアメリカ軍の脅威も感じて拉致被害者を分散させているのかあるいは集約しているのか、どこまで日本側が把握しているのかと。
 問いかけはこれだけでありましたけれども、その背景にあるのは、アメリカにとっても何か有事があったときに日本の拉致被害者を放置はしないでいたい、日本と連携したいという意欲の表れだと、これは私の勝手な解釈でありますけれども、そう受け止めました。
 大変お答えになりにくい質問であることは承知の上で、政府がこうした情報についてどこまで把握されているか、あるいは把握されようと努力されているのか、できましたら警察庁にお伺いしたいと思います。
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加藤達也#11
○政府参考人(加藤達也君) お答えいたします。
 警察におきましては、拉致容疑事案の全容解明に向け様々な情報収集を行っているところであります。
 収集した情報の個別具体的な内容については、これを明らかにした場合、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、引き続き、拉致容疑事案の全容解明に向け、関連情報の収集と捜査に全力を挙げてまいる所存でございます。
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青山繁晴#12
○青山繁晴君 あと二分残っていますので、中山先生にお譲りする前に、先ほどの二つ目の質問、包括的な部隊について若宮副大臣から丁寧な御答弁いただきましたけれども、これに関連して、政府参考人、例えば警察庁であったり、そういうところから答弁いただけるでしょうか。
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横田真二#13
○政府参考人(横田真二君) お答え申し上げます。
 朝鮮半島有事の際の拉致被害者を含む邦人保護につきましては、政府全体として取り組むべき極めて重要な課題であり、内閣官房の調整の下、平素から関係省庁で様々な検討を行っております。
 具体的な検討状況につきましては、邦人の安全確保に重大な影響を及ぼし得ることから説明を差し控えさせていただきたいと思いますが、拉致被害者を含む邦人の安全確保のために何ができるかという点につきましては、委員の御指摘も踏まえつつ様々な検討を行っているところでありまして、今後とも政府全体でしっかりと検討を行ってまいりたいと考えております。
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青山繁晴#14
○青山繁晴君 終わります。
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中山恭子#15
○中山恭子君 自由民主党・こころの中山恭子でございます。
 先ほど青山先生から質問がありましたものですから順番を変えて一つ先に、特定失踪者の家族有志の会についてお伺いしたいと思います。
 有志の会が結成されました際に出された請願書の中で、何十年もたった今では拉致の証拠探しは全く困難です、証拠主義にとらわれず拉致の疑いが認められるものは被害者に認定してくれるよう御支援くださいというのがございました。
 政府が拉致被害者として認定するための条件というのを、どのようなものがあるか、お知らせいただけますか。
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加藤勝信#16
○国務大臣(加藤勝信君) 拉致被害者の認定については、関係省庁・機関による捜査、調査の結果を基に、北朝鮮当局によって実行された拉致行為の有無、これを判断基準にしているところでございます。
 先ほど申し上げましたが、現在、十七人の方々の事案については、警察当局の地道な捜査、調査の結果として拉致事案であるという判断に至ったわけであります。これ以外の方にも、十七人以外にも拉致の可能性を排除できない事案が存在はしている、こういう認識の下で、捜査、調査に今全力で取り組んでいるところであります。
 今の特定失踪者の有志の会の方々の嘆願書の話も、私ども承知をしているところであります。また、先ほど申し上げた特定失踪者の御家族の心情というものを我々もしっかり受け止めなければならないと思いますが、しかし、ここは、先方と議論するときにもやはりしっかりとした基準で対応していくという必要性も別途あるわけでありますので、そういった意味においても、しっかりとこの捜査、調査をして情報を入手し、そしてそれにのっとって的確に対応させていただきたいと、こう思います。
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中山恭子#17
○中山恭子君 私も、特定失踪者と言われていらっしゃる御家族の方からお話を伺えば、ああ、これもきっと北朝鮮に拉致された事案だなと思うことが相当多くございます。証拠が残されていないということが北朝鮮による拉致の最も特徴と言えると考えておりまして、その認定するときの条件の中に、拉致されたという証拠がはっきりないと駄目、又は北朝鮮にいるということがはっきりしていない限りは認定できないというようなことであるとしますと、これは認定が非常に難しいということになりますので、この認定について、もう一度改めて条件について御検討いただけたら有り難いことだと思っております。
 さて、北朝鮮による拉致被害者家族会が結成されてからもう既に二十年過ぎました。被害者の御家族の方々、高齢化していらっしゃるということは私から申し上げるまでもありません。大変心配しているところでございます。
 今年の初め頃、雑誌等で、政府は北朝鮮への対応で日本人妻の問題等全ての問題を並行して進めるとしているのだから、安倍総理が拉致被害者の家族に対して拉致問題を最優先で進めると言っているのはおかしいという文書があちらこちらで出回りました。
 そういう状況の中で、私は、政府の拉致被害者救出に向けた施策について確認する必要があると考えて、三月に質問主意書を提出いたしました。これに対する三月二十一日の政府からの答弁書では、安倍内閣としては、北朝鮮による拉致問題は政府の最重要課題の一つとして位置付け、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現に向けて最優先で取り組んでいるところであるとの回答がございました。
 加藤大臣にお伺いいたします。政府は拉致被害者の救出を最優先で取り組んでいるという確認でございますけれども、政府の取組について御説明いただきたいと思います。
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加藤勝信#18
○国務大臣(加藤勝信君) 今、中山委員がお読みになられたのは、質問主意書に対する答弁書ということで閣議決定をしたものでありまして、まさに政府の方針そのものということでございます。
 その方針に沿って、今、安倍総理のリーダーシップの下で、拉致問題対策本部事務局、加えて外務省、警察庁含め政府全体として緊密に連絡を図りながら、また御家族、支援者の方々などのお話も耳を傾けながら、一体となって取り組ませていただいているところでありまして、先般、G7のタオルミーナ・サミットにおいても、安倍総理のイニシアチブによって首脳コミュニケに、北朝鮮に対し、拉致問題の即時解決を含め人道及び人権上の懸念に対処するよう求めると、こういった旨の文言が盛り込まれるということで、私も先月ブリュッセルに行って、欧州議会等とも議論させていただきました。
 そうした国際社会との連携、そして、国内におけるやはり日本の国民の皆さん方に大変強い関心を引き続き持っていただく、あるいはより持っていただく、さらには短波ラジオ放送を通じて情報発信をしていく、様々な手段を通じて、今申し上げた、最優先で取り組んでいく、その具体的な施策を進めさせていただきたいと思っております。
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中山恭子#19
○中山恭子君 大変力強いお答えいただきまして、ありがとうございます。
 ただ、私自身は、やはり二〇一四年五月二十九日のストックホルム合意については大きな疑問を抱いております。
 このストックホルム合意では、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について同時並行的に行うとありまして、今年の春出回りました、拉致問題を優先的に取り上げる安倍総理がおかしいということにつながっております。拉致被害者救出が最優先となっていないこのストックホルム合意については、大変この拉致被害者救出にとって、ある意味では大きなブレーキになってきたと考えております。
 このストックホルム合意の中では、拉致被害者が発見された場合であっても日本に帰国させることはありませんよというのがこの主題でございます。北朝鮮から見れば、日本政府が拉致被害者の救出を重要課題と考え最優先で取り組むというのは合意と違うと考えているとしても、それは当然のことと言えるかもしれません。ストックホルム合意を結んだことは、政府は、北朝鮮に対する顔と、国内向け、拉致被害者家族向けの顔と、二つの顔を使い分けていると言っても過言ではないと思っております。
 岸田外務大臣がそのような冷たい方でないということはよく承知しておりますけれども、これまでの外務省の動きを見ますと、非常に厳しい問題が残されていると考えております。政府が一体となって拉致被害者救出に取り組むというのであれば、外務省は北朝鮮に対して、拉致被害者を日本に帰国させない限り国交正常化はないということを、拉致被害者の日本への帰国が日本にとって最重要、最優先であることを改めて明確に伝える必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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岸田文雄#20
○国務大臣(岸田文雄君) まず、二〇一四年五月のストックホルム合意におけるこの文書の表現についてですが、委員御指摘のように、これ、北朝鮮側は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的、全面的に実施する、このような表現になっています。
 この表現に至った経緯ですが、北朝鮮側と協議する中にあって、もちろん他の日本人の課題についてもこれは人道上大変重要な課題でありますが、拉致問題だけは絶対に後回しにしてもらっては困るということをしっかり訴え、そして、そうした協議の結果として、この文書に表現する際に、拉致問題が後回しにされてはならない、こういったことを文書の上で確認するという考えに基づいて御指摘のような表現に落ち着いたということであります。
 そして、我が国の国際社会に向けての拉致問題への取組については、関係国、様々な国々と様々なレベルで会談や協議を行うわけですが、拉致問題については絶えずトップレベルの会談において取り上げるということを続けております。米国においても、今年二月、日米首脳会談において、文書において初めて拉致問題の早期解決の重要性、これを書き込んだわけでありますし、中国やロシアにおいても、中国とは先日来日した楊潔チ国務委員との会談において、あるいはロシアにおいては四月の首脳会談において必ず拉致問題を取り上げてきておりますし、そして、G7、先日、イタリアのタオルミーナでサミットが行われましたが、その際に拉致問題の早期解決に向けて理解と協力を呼びかけ、そしてG7各国の賛同を得るということで、このように様々な場面、トップレベルでの協議、会談において拉致問題を取り上げ続けています。
 委員おっしゃるように、北朝鮮に対しましてもしっかりとこれを訴え続けなければなりません。政府としましては、引き続き、拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はあり得ない、この基本方針の下にしっかりと働きかけを続けていきたい、このように考えます。
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中山恭子#21
○中山恭子君 この拉致問題、拉致被害者の救出というのは、当たり前のことですけれども、机の上の外交交渉で成り立つ、良い結果がもたらされるということは決してないところでございまして、岸田大臣が各国との間でいろいろ御尽力いただいていることは非常に多としておりますが、実際に北朝鮮と交渉する場合には、やはり外交交渉というよりは、もっと泥臭い形の交渉を拉致対策本部辺りが中心になって、どこが中心になるかは政府にお任せしますけれども、交渉をしていかないと救出にはつながらないと考えておりますので、その辺り、是非、政府の中で調整しながら交渉を、交渉といいましょうか、もう被害者を取り戻すという、交渉というよりは、これ犯罪行為で、取り戻すという考えの下に、被害者救出に的を絞った形で動いていただきたいと思っております。
 私自身、総理補佐官で拉致問題を担当しておりますときに、山谷先生も行ってくださっていると思いますが、東南アジアの国々、それからヨーロッパ、ドイツ、イギリスにお願いに上がったことがございます。そして、そこの、例えばドイツでしたら、首相までこのテーマを上げて、それで協力体制を取ってくれております。今でもイギリス、ドイツはこの問題に関していろんなところで協力してくれているはずでございます。
 今日ちょっとお伝えしたかったのは、そのときに、ドイツでいわゆる情報関係の方々と話合いを持ったことがございます。そのとき、東西ドイツが分かれていたときによくこの問題が起きていたということで、人質を取り戻すときには、やはり資金面でも、またそれ以外の面でも表に出ない動きというものが必ずあります。それがなしに被害者を救出できませんでした。という中で、そういった役割を果たしたのは西、東にある教会が受け持ってくれたということでございました。日本の場合にも、あらゆる手だてを使って、国を挙げて拉致被害者救出に当たらないと非常に難しいことだと考えております。
 拉致対本部始め政府の方々が真剣に取り組んでくれるものと信じておりますが、その救出の成功を祈って、これまで以上に政府の中でコンビを組んで、水面下の交渉を始めとして被害者の救出に当たっていただきたいとお願いしたい思いでございます。
 もう時間がないと思います。もし一言でも何かお考えがあれば。済みません。
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加藤勝信#22
○国務大臣(加藤勝信君) この拉致問題の解決も、安倍総理が優先的に最重要で取り組むという、おっしゃっておられるわけでありますから、どこの省庁というよりも、安倍総理の強いリーダーシップの下で、我々対策本部、外務省、警察庁、関係省庁が一体となって、そして本当に一日も早い全ての拉致被害者の方々の帰国に向けて全力で取り組ませていただきたいと思っております。
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中山恭子#23
○中山恭子君 ありがとうございました。
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大野元裕#24
○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。北朝鮮をめぐる情勢が緊迫する大事な時期に質問の機会を与えていただいたことをまずは感謝を申し上げます。
 また、両大臣、先ほど中山委員からストックホルム合意について取り上げられましたので、若干質問の順番が変わりますことを御容赦をいただきたいと思っております。
 さて、今年に入ってからこの参議院で北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会が対政府質疑を行うのはこれが初めてです。これだけ情勢が緊迫しているというにもかかわらず、ただの一度も、会期が終わりに近づくこの時点まで対政府質疑が行われないことには正直驚いてきました。民進党の理事は幾度となく開催を働きかけてきました。しかしながら、外務大臣が出席に難色を示したために与党がこれに応じることができなかったという話も聞いております。委員会の持ち方等については、もちろん国会が決めるものではありますが、通常は与党と政府が協議をしながら、与党としての対応が決定されると理解をしております。
 岸田大臣に是非お伺いしたいんですけれども、先ほど来も話がありました、拉致問題は安倍政権の最重要課題ということは何度もお伺いをしておりますが、それは口だけなんでしょうか。それとも、総理ではなくて、大臣御自身が優先するべき事項だと考えていないということなんでしょうか。教えていただきたいと思います。
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岸田文雄#25
○国務大臣(岸田文雄君) 言うまでもなく、政府にとりまして拉致問題は最重要課題であると認識をしています。
 国会の日程については、これは立法府たる国会が決めるものでありますが、行政府としては立法府の求めに応じて国会の審議に出席する必要がある、こうした認識は持っております。外務大臣が出席を拒んでいるというようなお話もありましたが、外務省としては、本委員会を含め今国会の様々な審議に対して、外務省として国会日程や諸般の外交日程を踏まえつつ、委員会の出席に向けた調整は誠実に行わさせていただいたと認識をしています。
 ただ、外務大臣というもの、御案内のとおり、出席を求められる委員会大変多いことがあったり、あるいはこの今国会会期中、度重なる北朝鮮によるミサイル発射等の対応も含め外交日程が多く予定された、そういった事情があったということは事実であると認識をいたします。
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大野元裕#26
○大野元裕君 と申しますのは、実はこれ前国会でも白理事の方から取り上げられているんです、外務大臣の出席については。それにもかかわらず、この時期まで一度も対政府質疑が行われていないということについて、私は疑問に感じたからお伺いをさせていただきました。
 また、国会日程、他の委員会等でも呼ばれているという話がありましたが、大臣、私、大臣が所管されている外務省の法案や条約について担当している外交防衛委員会の野党の筆頭理事でもあります。協力いたしますので、是非閉会までに、もう一度でも結構ですからこちらの委員会にお出になって、極めて重要な問題で、残された時間は少ないという認識の下にも御協力をいただきたいと思っております。
 その上で、お伺いをさせていただきます。加藤大臣にお伺いをさせていただきます、若干質問飛ばさせていただきますけれども。
 北朝鮮のこれまでの行動のパターンを見ていると、圧力を掛けられた際に、人権問題、人道問題等で譲歩しているといったパターンも見えてまいります。北朝鮮によるミサイル発射等、もちろん正面から取り上げていく必要があります。しかしながら、その一方で、北朝鮮に対する国際的な圧力が昨今やはり強まっている、高まっている、そのように考えるからこそ、我々としては極めて重要なメッセージを届ける必要があるのではないかと思っています。
 その重要なメッセージというのは、ミサイル発射や核実験の停止はもちろん北朝鮮の義務です、しかしながら、その一方で、対北朝鮮の制裁を解除若しくは我が国が緩和する唯一の道のりは拉致問題の解決である、これが極めて重要なメッセージではないかと私は考えています。その一方で、昨年来、政府は北朝鮮に関して新たなフェーズに入っているという認識を示されておられますけれども、実は、それ以降でありますが、拉致問題が唯一の制裁解除の道のりというメッセージは伝わっていないようにも思われるんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
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加藤勝信#27
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも、対話と圧力、行動対行動の原則にのっとり、国際社会と連携しつつ、北朝鮮に対する一連のこの厳しい圧力をてことして、対話を通じて全ての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な動きを引き出すべくあらゆる施策を駆使していくということをこれまでも述べ続けてきているわけでありますけれども、そうした方針の下で、御指摘の北朝鮮に対するメッセージの発出という意味においては、安倍総理もかねてより北朝鮮に対して、日朝平壌宣言を踏まえて、拉致問題の解決なくして北朝鮮がその未来を描くことは困難であるということ、それを理解させることが重要である、この旨を様々な機会で公言をされているところでありまして、こうした発信というのは、今議員御指摘の問題意識ともつながるところがあるんではないかというふうに思うところであります。
 いずれにしても、北朝鮮に対しては、この総理の発言の趣旨を正確に理解をし、そして一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現させていく、そのように働きかけていきたいと思います。
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大野元裕#28
○大野元裕君 北朝鮮にしっかりと未来を見せるためには、その前に必ず拉致問題の解決があるということについては強く発信をするべきだと思いますし、加藤大臣がおっしゃるとおり、あらゆる手段を尽くしていく、あらゆる方法、あらゆる施策を講じていくということは、これは全く同意であります。しかしながら、やはりそのメッセージが弱いのではないか、あるいはそのほかにも、今行っているほかにも様々なメッセージの出し方、施策というものがあるのではないかと思いますが、ちょっと後ほどこれは議論をさせていただきたいと思っています。
 その上で、若干お伺いしたいのは、先ほど議論にもなりましたけれども、政府が拉致の可能性を排除できない行方不明者としているいわゆる特定失踪者でございます。警察庁は八百八十三名のこのような方々について捜査、調査を継続をしているというふうにおっしゃっていて、ところが、これまでに拉致と認定できたのは松本京子さんと田中実さんの二ケースだけだと理解をしています。しかも、最後に認定された松本さんのケースは平成十八年十一月で、あれから十年以上も追加の認定がないんです。
 拉致被害者や特定失踪者の御家族、関係者の方々は高齢化しています。あるいは、拉致の問題、風化してしまうのではないか、こんな懸念の声すら聞かれているのが最近だと私は思っています。だからこそ、残された時間は少ないんだ、そういう指摘も私は極めて重く受け止めるべきではないかと思っています。
 そこで、加藤大臣、お伺いしたいんですが、このままでは、十年ないんですけれども、特定失踪者の問題、闇の中に埋もれてしまうんではないかと懸念していますが、いかがお考えでしょうか。
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加藤勝信#29
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、この拉致問題の解決に向けての方針として、この認定されている方のみならず、その有無にかかわらず、全ての拉致の被害者の安全を確保し、そして一日も早い帰国を実現をしていく、これが政府の変わらない方針であります。その中で、拉致の可能性を排除できない方々については、関係府省庁が緊密に連携してやはり捜査、調査をしっかりと進めていきたいと思っておりますし、また、先ほども申し上げましたけれども、ここをしっかりしておきませんと、北朝鮮とのまたいろんな対話の中で逆にそこを突いてこられるということもございますから、やはりそこはしっかりとした我々として捜査、調査をして認定をしていくということが一方で必要なんだろうというふうに思います。
 他方、もちろん特定失踪者の御家族の方々の心情ということはしっかりと認識する必要がありますので、様々な機会を通じて状況説明を行う、あるいは御家族の声を聞く、そうした対応をしっかりと進めていきたいというふうに思います。
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