決算委員会

2018-06-18 参議院 全223発言

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会議録情報#0
平成三十年六月十八日(月曜日)
   午後一時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     伊藤 孝恵君     古賀 之士君
     辰巳孝太郎君     吉良よし子君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     片山さつき君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     滝波 宏文君
     秋野 公造君     河野 義博君
     古賀 之士君     石上 俊雄君
     高木かおり君     清水 貴之君
     行田 邦子君     松沢 成文君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     小野田紀美君
     滝波 宏文君     進藤金日子君
     吉良よし子君     辰巳孝太郎君
     松沢 成文君     行田 邦子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                宮本 周司君
               佐々木さやか君
                浜口  誠君
                仁比 聡平君
    委 員
                阿達 雅志君
                小野田紀美君
                岡田  広君
                片山さつき君
                進藤金日子君
                そのだ修光君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                松下 新平君
                三木  亨君
                森屋  宏君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                石上 俊雄君
                矢田わか子君
                小川 勝也君
                風間 直樹君
                辰巳孝太郎君
                石井 苗子君
                清水 貴之君
                又市 征治君
                行田 邦子君
                松沢 成文君
                平山佐知子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画、マイナ
       ンバー制度))  野田 聖子君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     河野 太郎君
       文部科学大臣
       国務大臣     林  芳正君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(拉致問
       題))      加藤 勝信君
       農林水産大臣   齋藤  健君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     中川 雅治君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   吉野 正芳君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、クールジ
       ャパン戦略、知
       的財産戦略、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    松山 政司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        梶山 弘志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、海洋政策)
       )        福井  照君
       国務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
       財務副大臣    木原  稔君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋谷 薫司君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  邦彰君
       内閣府大臣官房
       審議官      田中愛智朗君
       内閣府地方創生
       推進事務局長   河村 正人君
       金融庁検査局長  三井 秀範君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        鈴木 秀生君
       外務大臣官房参
       事官       船越 健裕君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   吉田 朋之君
       外務省アジア大
       洋州局長     金杉 憲治君
       財務大臣官房長  矢野 康治君
       財務省理財局長  太田  充君
       国土交通省鉄道
       局長       藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       蝦名 邦晴君
       防衛大臣官房長  高橋 憲一君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     腰山 謙介君
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴土  靖君
       会計検査院事務
       総局第二局長   宮内 和洋君
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十八年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十八年度特別会計歳入歳出決算、平成二十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十八
 年度政府関係機関決算書(第百九十五回国会内
 閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (会計検査院における検査体制の強化に関する
 決議の件)
○会計検査の要請に関する件
    ─────────────
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二之湯智#1
○委員長(二之湯智君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日までに、伊藤孝恵君、小野田紀美君、進藤金日子君、高木かおり君、秋野公造君及び行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君、石上俊雄君、滝波宏文君、清水貴之君、河野義博君及び松沢成文君が選任されました。
    ─────────────
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二之湯智#2
○委員長(二之湯智君) 平成二十八年度決算外二件を議題とし、本日は締めくくり総括質疑を行います。
 まず、私が決算委員長として総括的な質問を内閣総理大臣にいたします。
 本日朝発生した大阪府北部を震源とする最大震度六弱の地震について、情報収集や人命救助に最善を尽くしていただきたいと思います。
 総理の意気込みを伺います。
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安倍晋三#3
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本日、六月十八日早朝に発生した大阪府北部を震源とする最大震度六弱の地震では、これまでに幼いお子さんや高齢の方、三名が亡くなられるなど、広範囲にわたる被害が発生しているとの報告を受けております。お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、負傷された全ての被災者の皆様方に対しましてお見舞いを申し上げます。
 政府では、地震発生後直ちに、人命第一との方針の下で早急に被害状況を把握し、被災者の救命救助等の災害応急対策に全力で取り組むよう指示をし、政府一丸となって情報収集、救出・救助活動に当たってきております。
 ライフラインにも多くの被害が出ているところ、これまでに停電は解消したとの報告を受けておりますが、引き続き、公共交通、ガス、水道の復旧など、被災自治体と緊密に連携しながら、災害応急対策に全力で取り組んでまいります。
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二之湯智#4
○委員長(二之湯智君) 次に、内閣総理大臣に総括的な質問を行います。
 我が国経済は、五年半にわたるアベノミクスの推進により、雇用・所得環境は改善し、経済の好循環が実現しつつあります。その一方で、二〇四五年には、七割以上の市区町村で総人口が二割以上減少し、さらに、六十五歳以上人口が半数以上を占める市区町村が三割近くに及ぶと推計されており、人口減少、高齢化の進展は今後の日本経済の最大の課題となっております。加えて、地方圏からは若者を中心に東京への人口流出に歯止めが掛かる気配はなく、出生率の低下と相まって、生産年齢人口の急減が与える地域経済への悪影響が生じています。
 こうしたことから、地域の活力を維持し、東京への一極集中の傾向の緩和と東京から地方圏への人の流れをつくり出すことを目指した総合的な政策が重要であり、政府一体となって体制を整備する必要があると考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 また、地方において、東京での職業経験が豊富な人材を積極的に受け入れ、個性を生かした地域づくりに向けて不足しがちな新しい事業を起こすいわゆる起業や、地域産業の担い手として活用していくことも必要と考えます。例えば、公務員についても、東京から地方に帰りたいと思っている若者に対して活躍できる機会を用意するなど、雇用により弾力性を持たせることで地方にプラス効果が生まれ、若者にもやりがいがある仕事や人生を描くことができるのではないかと思います。
 地方圏の発展、創生のためには、地方の熱意や創意、自主性に加えて、多様な暮らし方や価値観を大切にするような意識に変えていくことも重要になると考えますが、総理の御認識をお伺いいたします。
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安倍晋三#5
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京一極集中の要因については様々な理由が考えられますが、転入超過の大半を十代後半、二十代の若者が占めていることを考えれば、若い世代の大学等への進学や就職が東京圏への移動のきっかけとなっていると考えられます。
 そのため、政府としては、地方の魅力を生かしたきらりと光る大学づくりなど、若者の地方での就学、就業の促進、企業の地方拠点強化税制の拡充等による地方における若者に魅力ある仕事づくりなどに取り組む考えであります。
 例えば、自然環境や暮らしやすさなど、地方の良さに価値を見出し、東京から岐阜県の限界集落にIターンしてITのベンチャー企業を起こした若者は、今IoTを活用した地域活性化の核となっています。
 若者を始め人々の価値観が多様となる中で、きっかけさえあれば地方にはまだまだ大きな可能性が眠っている。政府として、こうした流れに弾みを付けるため、今月閣議決定したまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一八において、地方への若者たちのUIJターンを力強く後押しするなど、地方創生の核となる人づくり、仕事づくりに着目した総合的な政策パッケージを盛り込みました。
 学びの場としても、働く場としても、若者が地方にこそチャンスがあると思えるような地方創生を、地方創生担当大臣を中心に各省庁が連携して政府一体となって進めていく、そのことにより東京一極集中の是正に取り組んでいきたいと考えております。
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二之湯智#6
○委員長(二之湯智君) 次に、新たな財政健全化計画の下での社会保障制度の考え方についてお伺いいたします。
 年金、医療、介護などの社会保障費は、平成二十七年度で百十四兆円超に達しています。高齢化の進展等に伴って今後も給付増大が見込まれており、政府は二〇二五年度には百四十八兆円程度になると予測していました。今般の新たな推計では、二〇四〇年度には百九十兆円規模になると予想しています。持続可能な社会保障制度の確保のためには、受益や負担のバランスが重要であり、給付の抑制や自己負担の増大も避けて通れない問題であると考えます。
 政府は新たな財政健全化計画をまとめましたが、社会保障費の抑制の方針をどのように盛り込むのかが注目されていました。
 二〇一八年度までの三年間にも、社会保障費の伸びを年五千億程度に抑える目安を設定し、一定の効果を上げてきました。これからの三年間については、終戦前後に生まれた人口が少ない世代が七十五歳以上になる時期で、社会保障費の伸びが一時的にこれまでより緩やかになると考えられています。
 将来にわたって社会保障制度を持続可能なものとするには、この期間をどのように捉え、社会保障費の抑制を図っていくのか、その方針が今後の財政健全化計画や予算編成に十分反映することが重要であると考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
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安倍晋三#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先週金曜日に「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」との副題を付けて骨太方針二〇一八を閣議決定しました。
 二〇二二年から団塊世代が七十五歳に入り始め、社会保障関係費の急増が見込まれる。このことから、今回の骨太方針では、それまでの三年間である二〇一九年度―二〇二一年度を基盤強化期間と位置付け、経済成長と財政を持続可能にするための基盤固めを行うこととしました。
 社会保障関係費の抑制については、社会保障の自然増の抑制や医療、介護のサービス供給体制の適正化、効率化、生産性向上や給付との負担の適正化等に取り組むことが不可欠であるとしています。
 その上で、予算編成においては、社会保障関係費について、二〇一九年度から二〇二一年度まで、経済・物価動向等を踏まえ、その実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収めることを目指す方針としています。
 今後、政府においては、新計画に定められたこうした方針に基づきしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
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二之湯智#8
○委員長(二之湯智君) 次に、東京一極集中と地方大学の振興についてお伺いいたします。
 政府が平成二十九年十二月に閣議決定した新しい経済政策パッケージでは、生産性革命とともに人づくり革命が重要な柱となっています。その中で高等教育の無償化が掲げられていますが、これと並行して、あるいは先んじて行わなければならないのが、高等教育の質の強化を促す抜本的な大学改革ではないでしょうか。
 我が国の十八歳人口は減少し続ける一方で、大学進学率は頭打ちの状況にあり、二十九年度入学定員充足率は私立大学の四割で定員割れになっています。特に地方大学において顕著であり、東京一極集中が大きな原因とされています。
 地方大学の存在は、その地域の経済や文化にとって大変重要であります。文部科学省は、三十年度から東京二十三区内の私立大学の定員増を認めない告示を発し、立法措置を講じるための法案も今国会で成立しました。それによって地方での教育機会が拡充し、東京一極集中を是正する効果があるのか、不断に検証する必要があると考えます。
 また、地方の大学で質の高い教育を受けた学生にふさわしい魅力的な就職先が地方にあることが重要であり、若者の雇用の創出を一層推進していく必要があると考えます。総理の御見解をお伺いします。
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安倍晋三#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方への若者の流れをつくる観点から、現在、東京二十三区における大学定員の抑制だけでなく、あわせて、先端科学、観光、農業といった地域の特性を生かした分野で世界レベルの研究を行い、日本全国から学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを進めています。そうした地方大学を核に、地場の企業の知恵を生かしながら、産学連携により地方経済の活性化にもつなげていきます。
 さらに、地方拠点強化税制による魅力ある仕事づくり、地方企業でのインターンシップの推進などによって、地方における若者雇用を創出します。
 こうした政策の効果については、当然、不断に検証を行いながら、学びにおいても働く場としても、地方にこそチャンスがあると若者たちが感じられるような地方創生を力強く進めることで、東京一極集中の是正につなげていきたいと思います。
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二之湯智#10
○委員長(二之湯智君) 以上で私の質疑を終わります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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滝波宏文#11
○滝波宏文君 自民党の福井県選出、滝波宏文でございます。
 本日、平成二十八年度決算についての締めくくり総括におきまして質疑の機会をいただきましたこと、参議院自民党の吉田幹事長を始め、先輩、同僚の先生方に感謝申し上げます。
 まず冒頭、私からも、今朝八時頃に発生しました大阪を中心とする地震につきまして、亡くなられた方々へのお悔やみと被災者の皆様へのお見舞いを心から申し上げます。
 被害等の状況と政府の対応について、私もお伺いしようかと思いましたが、既に委員長が質疑されてございます、リソースを現場に少しでも割いていただくために、答弁は求めませんが、くれぐれも各省庁連携して迅速にしっかりと対応していただくことをお願いいたします。
 さて、本委員会では四月から決算について審議をしてまいりまして、決算理事、委員各位始め、質疑、答弁に立たれました皆様のおかげで、参議院らしく粛々と審議されてきたものと考えてございます。
 この決算委員会の質疑の中でも多く取り上げられました森友学園への国有地売却やこれに係る公文書の取扱いをめぐる問題ですが、今月四日、財務省が、森友学園に係る決裁文書の改ざん等の問題に関する調査結果と関係者の処分を発表いたしました。
 実は、私は、財務省にいて人事畑が長くて、職員の処分を担当する首席監察官、これも務めたことがございますが、組織の規律を保つための厳しさを持って当たりつつ、仮に裁判に持ち込まれても結論が維持できるような丁寧な事実認定とバランスの取れた処分に、私自身苦心した経験がございます。
 過去の大蔵省、財務省の処分の歴史を振り返ると、とりわけ私が入省して人事に配置された直後から火を噴いた大蔵省不祥事、これは金融機関への公的資金投入という不人気政策と密接に絡む中で発生しましたが、今回は、前事務次官のセクハラ問題を含め、政策論と全く関係ないところでこのような不祥事が生じており、全く情けないと思っております。猛省を促したい。
 一方で、この処分内容は、他省を含め、過去例を押さえつつ、しっかりと踏み込んだ厳しいものになっていると思います。とりわけ、大臣の一年にもわたる給与返納、これは私も、過去の大蔵大臣時代も含めて、財務省において聞いたことのない長さだと思ってございます。
 また、破棄等された応接録等の公文書を見ると、西田昌司委員が三月の予算委員会でおっしゃったように、政治家関係者や総理夫人の名前はあったとしても、全く問題のないものでありました。当時の理財局長の主導により、交渉記録は残っていないと説明した同氏の答弁を踏まえ、国会審議の紛糾を避けるためという以外に理由はありません。今回の処分の報告書を見ても、政治家が関与していたという事実はありません。これらのことを我々はしっかりと踏まえなければならないでしょう。
 ここで、今回の処分の概要と併せて、省内の綱紀粛正の徹底と再発防止をどのように確保するのか、財務大臣の御所見を伺います。
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麻生太郎#12
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今御指摘のありましたように、文書改ざん、少なくとも、決裁文書というものが、出されたものを改ざんするというような、これは冒頭から、この話が起き上がりました冒頭から申し上げてきておりますが、ゆゆしき話なんであって、誠に遺憾の極みなんだと思って、私どもといたしましては深くおわびを申し上げねばならぬと思っております。
 六月四日に報告書を公表させていただきました。一連の問題行為の経緯、目的などを明らかにするとともに、責任の所在を明確にするために、当時の理財局長を停職三か月相当、総務課長を停職一か月、担当課長、担当室長を減給するなどの処分を行っております。文書管理関係の過去の処分事例、今おっしゃられましたけれども、比べましても、適正な、厳正な対応を行っていると、そう思っております。私自身も、この問題が財務省、ひいては行政全体の信頼を損なったということを考え、閣僚給与を自主返納させていただくということをさせていただくことにいたしております。
 今回の事態を真摯に反省した上で、二度と起こらない、いわゆる再発防止ということを含めまして、徹底して取組を進めてまいりたいと思っております。
 今、また、若手職員の士気というもの等も十分に考えねばならぬと。前のときに御質問なり御意見をいただきましたけれども、これは極めて大事なところなんであって、財務省全体の意識改革を進めていく上で、これ、若手職員の士気、意識、労働意欲、そういったものをきちんと対応できるようにしていかないと今後更にいろんな意味で役所の機能として低下をすることになりますので、引き続き責任を持って取り組むことが重要だと考えており、こうしたことを通じて責任、回復に努めてまいりたいと考えております。
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滝波宏文#13
○滝波宏文君 この国有地処分をめぐる問題については、籠池理事長夫妻という希有なタフネゴシエーターに近畿財務局が右往左往した結果であることが明らかになっているところであります。今、地下埋設物の撤去費用のような特殊な見積りの場合は不動産鑑定士などの第三者による見積りが求められるなど、所要の改正に向けた検討が進められています。早急な実施をお願いしたいと思います。
 私は、役所時代、法務省刑事局にも出向しまして検事の皆さんとともに働いたこともありますが、大事な本質は、刑事罰に当たり得る刑事性がどこにあるのかということだと思っております。
 本件では、そもそも、お金を受け取って不正を働いたというような贈収賄ですとか、地元関係者にお金を渡して票をお願いしたといった公職選挙法違反など、刑事罰に該当するような事実が全くないのにもかかわらず延々と国会での質問が続いていましたが、今回の報告書でも、安倍総理や麻生財務大臣その他の政治家による指示があったなどということはなく、政治家が関与していた事実が全くないことが明らかになっております。
 お金の流れは、籠池理事長の主張によれば、むしろ総理側からお金をもらったということであります。その事実自体疑わしいですが、総理御地元の山口の有権者でもなく、今申し上げた公職選挙法違反にも贈収賄にもならないお金の流れであります。むしろ、刑事的には籠池理事長の補助金詐欺が疑われております。
 ある新聞の社説では、一連の不祥事を巨額の贈収賄が問われた過去の事件になぞらえて批判する議員もいたが、総理をおとしめるための印象操作との批判は免れないし、同じ議論の繰り返しには辟易してしまうという旨の社説もございました。刑事性の所在という本質を見詰めて、この不毛な国会での議論において、打ち止めをすべきだと考えております。
 さて、別途処分のありました防衛省の日報問題にも、公文書管理に絡む公務員の自己保身がその根本にあります。当時の稲田大臣の指示があったにもかかわらず、各自衛隊の末端まで指示が行き届かず、文書を出しませんでした。防衛省・自衛隊には、シビリアンコントロール、文民統制という重要なルールがあるのにもかかわらず、当時、果たしてその意識が防衛省・自衛隊で徹底されていたのか、問題であります。そもそも他国において軍隊の配備状況や運用等に関する情報が含まれる日報が公開されているのかという検討すべき問題はあるとは思いますが、やはりしっかりと法律、そして大臣の指示に従った対応を行うべきであると考えます。真摯に反省していただきたいと思います。
 そこで、防衛省・自衛隊においても、二度とこのような問題が起きないという決意の下、今回の不祥事に関する処分の概要と併せて、綱紀粛正と再発防止の徹底、さらにはシビリアンコントロールの機能の確保のためにどのような対策を講じるのか、防衛大臣にお伺いします。
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小野寺五典#14
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘のありました、昨年、南スーダンの日報の問題では、当時の大臣、事務次官が辞任するという大変大きな問題として国民の皆様に大変御不信をお掛けしたことを大変申し訳なく思っております。
 その中で、再発防止策を昨年行いました。その再発防止策というのは、海外で活躍する自衛隊の日報をとにかく全部集めようと、そして情報公開等に対応しようということで、集める一元作業を今年、昨年行ったんですが、その過程の中で、実は、私どもの方で確認をしましたら、十数年前のイラクの日報というのが新たに見付かりました。このイラクの日報は、実は昨年、当時の国会において、ないと言っていたものでありました。ですから、私どもとしては、これは速やかにあったという形でむしろ公開をし、内容について開示、不開示の作業をしてお知らせしようということで、約一万六千ページの当時の十数年前のイラクの日報を公表させていただきました。
 問題は、実はこの日報が、昨年、当時の大臣が探せと言って、実はその当時、あったことを分かっていながら当時の大臣に対して、ないと報告していた、これが大事な重要な問題であります。
 なぜこのようなことに至ったかということに関して、大野大臣政務官を、チームを、ヘッドに、元東京高検の検事長の弁護士さんにも入っていただき、第三者的な見方でしっかり見ていただきました。その結果、やはりこの今般の問題というのは、防衛省・自衛隊が組織として防衛大臣の指示に適切に応えられず、シビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題をはらんでいるということ、そしてまた、隊員による不適切な事務処理が散見されたということを認識しております。
 このような下、今回明らかになった事実を踏まえまして、防衛事務次官以下十七名に対して処分を行い、そしてまた再発防止策を取りました。
 私どもとしては、再発防止策として、今後、このような情報ファイルにつきましては電子ファイル化を極力進め、そして、情報、管理、情報公開への対応をしっかりするということ、また、情報公開に対するチェック体制の強化を行い、人員を増やすということ、そして、何より個々の隊員がこの文書管理、情報公開に対して意識をしっかり持つために様々な研修を行うということ、このようなことをしながら、防衛省・自衛隊の信頼を回復し、国民の皆様の負託に応えられるよう、この国をしっかり守れる組織にまたしっかりつくり上げていきたいと思っております。
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滝波宏文#15
○滝波宏文君 いずれにしましても、行政のおかしなことについては、国民の代表たる国会がしっかりと監視し、それをただすことが大事でありますが、やはり国会は本来の役割である外交や人口減少問題など、我が国の将来を左右する重大な問題について意義のある論戦を展開することが中心であるべきだと考えております。
 私が副会長を務めております参議院自民党政策審議会では、このような観点から、武見政審会長、山本一太、片山さつき両会長代理の下で、外交そして内政に関する新たな国家ビジョンにつきまして議論を重ね、この度その取りまとめを行いました。今後、総理への提言、学生や女性など様々な層を対象にしたセミナーの開催など、周知、発表、アウトリーチ、こちらに努めていくよう準備を進めているところであります。
 本日は、この参議院自民党政審の外交、内政国家ビジョンを踏まえ、国会の論争においても、我が国を取り巻く外交・安全保障環境の変化、少子高齢化や人口減少の進展といった内外の諸情勢を踏まえて、我が国の政策、中長期的にどのようにあるべきか、骨太に議論を進めたいと思ってございます。(資料提示)
 まず、外交について数点伺いたいと思います。
 先週十二日、シンガポールにおいて史上初の米朝首脳会談が開催されました。大きな注目を集め、朝鮮半島の完全な非核化について揺るがぬ決意を北朝鮮から確認したことなどは大きな成果でありますが、焦点だった非核化に向けた具体的な行動や検証方法については言及がありませんでした。
 そして、今後の不安も残り続けております。とりわけ、一九九四年の枠組み合意、二〇〇五年の六者会合共同声明でも、平和主義的な演出で時間稼ぎを口実に使いながら、結局北朝鮮は約束をほごにし、核・ミサイル開発を進めてきました。これを許してきた反省を踏まえ、国際社会により北朝鮮に対して圧力強化を強めてきたことが今回の米朝首脳会談開催という道につながったと思ってございます。
 このような情勢であるからこそ、参議院自民党政審の外交国家ビジョンでは、パネルでお示ししたような、平和主義などの価値を掲げるビジョンポリティクスと現実主義に基づくパワーポリティクス、言わば、この二律背反的な議論ではなくて、この二つを、平和主義と現実主義を統合された新たな外交ビジョンの下、いかにして我が国の主権及び国民の生命と財産を守る外交・安全保障を展開していくのかということを考えなければならないと取りまとめたところであります。
 そこでまず、先週十二日に開催された米朝首脳会談についての御所見と、平和主義と現実主義をどのような位置付けで結び付けて北朝鮮への外交・安全保障政策を展開していくつもりか、総理にお伺いいたします。
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安倍晋三#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先日の米朝首脳会談は、史上初めて行われた歴史的な会談であったと思います。開催までのトランプ大統領のリーダーシップに改めて深く敬意を表したいと思います。
 今、例として挙げられた一九九四年の枠組み合意でありますが、それ以来、四半世紀の歴史は、相互不信の下、相手の行動をいかに引き出すかという交渉でありました。しかし、九四年の枠組み合意や二〇〇五年の六者会合共同声明には北朝鮮の首脳の署名がなく、ほごにされてきたという経緯があります。
 そこで、四月、マーラ・ラゴで日米首脳会談を行った際、私からトランプ大統領に対して、米朝首脳同士の合意を署名文書で残すことが重要であると、是非それは残してくださいと提起をしたところであります。今回の米朝首脳共同声明は、首脳間の合意を署名文書の形で確認した重みのあるものとなり、北朝鮮の非核化に向けた土台となったと思います。このような形で、金正恩国務委員長がトランプ大統領に直接完全な非核化を約束した意義は極めて大きいと認識をしております。
 トランプ大統領が述べているとおり、これからプロセスが始まります。今般の会談においてトランプ大統領は、相互信頼を醸成しながら非核化の先の明るい未来を共有し相手の行動を促すという新しいアプローチを採用した。今回の会談は、互いの相互不信の殻を打ち破る、突破口を開くものであった。今後、我が国としても北朝鮮との間で互いに信頼を醸成し、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題を解決をした先に待っている未来像を描きつつ、その前提となる諸問題の解決に向け尽力をしていきたいと、このように思います。
 ビジョンをしっかりと持ちながら、それはやはり、ある意味において理想的なビジョン、あるべき姿を描きながら、現実の外交においては、しっかりと現実に裏打ちをされた、そしてこれまでの経験に裏打ちをされた外交を展開をし、結果を出していきたいと、このように考えております。
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滝波宏文#17
○滝波宏文君 ありがとうございます。
 そして、我が国にとって最重要な問題は拉致問題の解決であります。
 私の地元福井県の拉致被害者、地村さんは、平成十四年に帰国し、その後、小浜市役所に勤務されておりましたが、その地村さんも二年前定年退職されました。拉致被害者も既にそういった年齢に達しており、帰国を待つ御家族の皆様にはなおのこと一刻の猶予もありません。そして、福井県内の十名を含む全国の特定失踪者八百八十三名の御家族の方々も、一日も早い帰国を願っているところであります。
 御家族の皆様は、今回の核・ミサイル問題が先に立ち、拉致問題が後回しにならないかと心配でたまらない日々を過ごしていたところがあるかと思いますけれども、そういった思いの中、安倍総理は、今回の首脳会談前に、あらゆる場、あらゆる機会を捉えてトランプ大統領に拉致問題を取り上げるよう働きかけられました。その努力があって、米朝首脳会談で拉致問題が放置される事態は回避されました。
 これから協議していくとトランプ大統領が述べたように、拉致問題の解決に向けての足掛かりになると考えております。とりわけ九四年の枠組み合意など、過去とは違い、今回は拉致問題が国際的にきちんとテーブルにのっております。私は、拉致問題の解決に向けて、むしろ核・ミサイル問題など北朝鮮をめぐる状況に動きがあるときこそチャンスがあると考えております。是非、この米朝首脳会談で生じた波を生かして、拉致問題を解決に向かわせてほしいと切望いたします。
 そこで、これまで政府は、拉致問題の解決なくして北朝鮮問題の解決なしとの覚悟で取り組んできたと考えますが、拉致問題の早期解決に向けての決意について、総理にお伺いいたします。
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安倍晋三#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の米朝首脳会談において、我が国にとって何よりも重要な拉致問題について、トランプ大統領が私の考え方を直接金正恩国務委員長に伝えてくれたことは大きな成果であったと思いますし、トランプ大統領に改めて感謝申し上げたいと思っています。
 また、先日、拉致被害者御家族の皆様と面会し、米朝首脳会談の結果について私から直接皆様にお話をいたしました。御家族の切なる思いを改めて伺いました。御家族の積年の思いを胸に、何としても安倍内閣で拉致問題を解決をしたいと決意をしております。
 また、特定失踪者も含めて、誰を拉致しているかを知っているのは北朝鮮であります。北朝鮮には、知っている全てのことを話し、そして全ての拉致被害者を一日も早く日本に帰国させてほしいと考えています。これには大きな決断が必要となりますが、金正恩国務委員長には米朝首脳会談を実現した指導力があります。日朝でも新たなスタートを切り、拉致問題について互いの相互不信という殻を破って一歩踏み出したい、そして解決したいと決意をしております。
 最後は私自身が金正恩国務委員長と向き合い、日朝首脳会談を行わなければなりません。そして、これを行う以上は、拉致問題の解決に資する会談としなければならないと考えております。
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滝波宏文#19
○滝波宏文君 参議院自民党政審での議論におきまして、ある国が他国に及ぼす脅威を評価するに際しては意図と能力に分けて考えるべきであり、したがって、当然に、我が国が防衛力を整備するに際しても意図と能力を分けて考えるべきだと取りまとめたところであります。そして、その基本は、意図については平和主義を基調とし、能力については現実主義を徹底すべきと考えております。
 我が国が保有する能力について議論すべきは、平時においては警察力で対応する脅威から、有事においては核の脅威に至るまで、あらゆる脅威から国民を守るために柔軟な防衛体制をいかに構築するか、そこで必要とされる装備は何かを明確にすることだと考えました。そのような観点で、我が国を取り巻く北アジアの安全保障環境が大きく変化していることを考えなければなりません。
 今、目の前に大きく見えておりますのは、先ほど述べた北朝鮮による拉致、核、ミサイル問題ですが、その奧にある、より大きな問題は、中国の覇権的台頭であります。我が国は長年アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国と誇っておりましたが、二〇一〇年に中国に抜かれ、まだ十年未満しかたっていませんが、今では中国のGDPは我が国の二・六倍というレベルになっております。また、国防費でも、二〇〇七年に中国は我が国を抜き、十年ほどで三・六倍と急増しております。経済力でも軍事力でも、ここ十年程度で我が国を単に抜くだけではなく、隔絶たる差が開いている、このことを我々は認識しなければならないと思います。
 参議院自民党政審としては、この中国の覇権的台頭などに鑑み、万が一、国家存亡の危機に対して国民を守るための能力として真に必要になるあらゆる選択肢が議論されるべきでありますし、同時に、我が国の戦略的意図については常に平和主義を基調としていることを明確に内外に伝える外交を展開すべきと考えてございます。
 そこで、経済力、軍事力でも覇権的に台頭する中国に対して、さきに触れた平和主義を基調とした意図と現実主義に基づく能力を組み合わせてどのように対応していくおつもりなのか、総理の御所見を伺います。
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安倍晋三#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったように、我が国はまさに戦略上においても平和主義にのっとった戦略を描いているわけでありますし、基本的には専守防衛でございます。
 同時に、安全保障においては、専守防衛であるがゆえに、我が国を守り切るためにはしっかりとした装備が必要であります。ただ、この装備を獲得するのは、事態が切迫してから獲得しようと思っても実は取得までに数年間掛かるわけであります。意図は平和主義であっても装備は常に備えておくという構えも必要なんだろうと。それは、どのように世界の防衛装備が変化をしていくかということを見据えながら常に考えておく必要もあるのではないかと、このように思います。
 日中両国についてでありますが、北朝鮮問題を始め、地域及び世界の平和と繁栄に大きな責任を共有しています。この観点から、アジアや世界の国々の期待に応えていく必要があります。同時に、御指摘のとおり、中国のGDPや国防予算は長期にわたり伸び率で増加しているとの現実があり、この国防政策には透明性の向上が望まれています。政府としては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの方針の下、引き続き冷静かつ毅然と対応してまいります。
 先般の李克強国務院総理の訪日では、十年越しの課題であった海空連絡メカニズムの構築、社会保障協定、金融協力、米の対中輸出拡大に向けた措置、映画共同製作協定等、数多くの具体的な成果が上がりました。
 引き続き、中国に対して主張すべきことは主張しながら、年内の私の訪中やその後の習近平主席の訪日など、ハイレベルの往来を通じて日中関係を新しい段階に押し上げていきたいと考えております。
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滝波宏文#21
○滝波宏文君 ありがとうございます。
 それで、我が国の外交ソフトパワー、これを強化する観点からは、我が国のすばらしい文化をクールジャパンとして理解、評価してもらうことはもちろん、それを成長戦略、地方創生、インバウンド促進の一環として取り組む工夫が必要です。
 しかし、我が国の文化財が、十分、国内外にその価値が理解され、親しまれてきたかといえば、残念ながらそうではない面もあるかと思います。
 現在、国の文化財指定制度には二段階区分が四つありまして、有形文化財で、国宝と重要文化財、記念物で、特別史跡と史跡、特別名勝と名勝、特別天然記念物と天然記念物という区分になっております。お気付きかと思いますが、他の三セットとは違い、国宝と重要文化財は互いの名称につながりがなく、国宝が重要文化財の上位概念であるというふうなことは、日本人でも知らない方が多いのではないでしょうか。ましてや、外国人においては、ますますそうであるかと思います。
 特に、英語表記がよろしくなくて、重要文化財はインポータント・カルチュラル・プロパティーズとなっておりまして、単に大事な文化財という一般用語と思われてしまいますし、国が認める価値ある文化財ということが伝わらないのではないかというふうに懸念してございます。
 その観点から、先週十二日に、八十名超えの我が党の衆参国会議員とともに、「あなたの街にも国宝を」議員連盟を立ち上げました。議連の皆様と共に目標にするのは、この他の二段階区分と同様に、現在の重要文化財を国宝、現在の国宝を特別国宝というふうに名称を変更することであります。これで、英語でもナショナル・トレジャーとスペシャル・ナショナル・トレジャー、すごく分かりやすい言葉になりまして、いずれも一目で国が認める貴重な文化財であることが明らかになります。これにより、国内の多くの街、全ての県が国宝を有することになり、地方の多くの人々が自分の街に誇りを持つことにつながるかと思っております。
 例えば、今、徳島と宮崎両県には国宝が全くございません。さらに、物理的に移動できない建造物に限りますと、沖縄県を始め十三の県で国宝がないというふうな状態であります。
 本議連のこの運動に、こんなに多くの議員が参加していただけたのには、歴史的な理由があります。それは、これら二段階区分は、終戦後、昭和二十五年の文化財保護法の制定時に導入された区分でありますけれども、その際、戦前、国宝とされていた多くの文化財が全て重要文化財に一旦落とされまして、そこから一部のみ国宝に戻ってきた、こういう歴史があります。そのため、全国各地で国宝に戻してほしいという長年の悲願を持つ重要文化財がたくさんあります。私の地元福井県でも、日本最古の現存天守閣として有名な丸岡城がまさにそれに当たります。このような全国の声に押されて、多くの先生方に議連に参加していただきました。
 そこで、この際、文化財の活用による文化GDP拡大のため、ひいては地域創生、インバウンド対応のために、国宝と重要文化財についても、他の文化財等の二段階区分と合わせて英語表記を含め名称変更すべきと考えますが、文科大臣の見解をお伺いします。
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林芳正#22
○国務大臣(林芳正君) 政府として推進をしております地方創生ですとかインバウンドへの対応のためにも、我が国が誇る文化財の魅力を分かりやすく発信することは今委員から御指摘があったように大変大事なことでありまして、今お話があったように、名称を改めるということも一つの方策であると考えております。
 一方で、国宝、重要文化財といった名称は広く国民に定着をしてきておりまして、解説板など様々なところで用いられているために、仮に名称を改めるとなるとその変更が必要となるということから、所有者ですとか地方自治体を始め、関係の方々の御意見もお聞きしながら検討を行う必要があると考えております。
 文科省としては、現在、諸外国における文化財の表記の例などについて研究を深めておりますほか、今年度から新たに訪日外国人の目線に立った文化財の多言語解説を整備する事業を実施することになっております。こうしたことを踏まえて、また今、滝波先生からも御指摘がありましたのでこれも参考にさせていただきながら、より分かりやすい文化財の情報発信また理解促進のための取組を充実して、文化財を活用した観光立国の実現に寄与してまいります。
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滝波宏文#23
○滝波宏文君 議連でも指摘がありましたように、見直しに当たっては何らかの付加価値も付けていけたらという話もございましたし、制度変更における工夫も必要かと思います。
 一方で、単に昔からあるものをそのまま変えないということだけが伝統を守るということではないんだと思います。それぞれの時代の中で文化、伝統の価値を再認識し広めるための不断の工夫が必要であって、しっかりと文部科学省においても文化GDP拡大に向けて、積極的な対応を願います。
 次に、参議院自民党政審の、今度は内政国家ビジョンに関する質問を幾つかしたいと思います。
 一九九〇年代半ばから顕著となった少子高齢化などの人口構造の変化、価値構造の変化、格差の拡大、こういったものによって、それまでのビジョンと実態との乖離が大きくなり始めました。そのような時代における新たなビジョンは何かということで、医療、福祉、労働、年金、教育、女性参画など、様々な分野の有識者のお話を伺い、議論を重ねてきましたが、その結果、我が国が国内で目指す新たな包括的なビジョンとして、活力持続型健康長寿社会、スーパー・アクティブ・エージングを提唱するという結論に至りました。
 そこでは、八〇年代までの、健康で教育レベルの高い中産階級の育成を、引き続き目標としつつ、現下の情勢に合わせての四つのIとして、全ての人が自立し、機能する健康長寿社会の形成、スーパーインディペンデント、全ての人が役割を持つ社会参加率の最大化、スーパーインクルーシブ、全ての人が価値を生み出す価値創造社会への転換、スーパーイノベーティブ、全ての人を幸せにする持続可能社会の追求、スーパーインパーシャルを設定し、それぞれ実現する具体的なアプローチを探っていくこととしております。
 これらの戦略は、現役世代を含め、年齢、性別を問わずあらゆる国民を対象にその活力を高めていくこと、すなわちエンパワーメント、活躍を応援することを考えておりますが、特に政策対象層として、女性、若者、高齢者についてクローズアップをしています。これは、政府の一億総活躍の考えにも沿うものだと言えましょう。
 さて、我々がこの内政国家ビジョンについて重ねた議論でございますけれども、やはり大きな問題としては、人口構造の変化、すなわち少子高齢化、また人口減少、これに対してどういうふうに対応していくかということが最重要だと思いますけれども、この点、少子高齢化、人口減少問題にどのように対応していくつもりか、総理にお伺いをいたします。
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安倍晋三#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 参議院自民党の政審、政策審議会で先般取りまとめられた内政国家ビジョンにおいては、人口構造変化を乗り越え、活力持続型健康長寿社会の構築を目指すべき等の提言をいただいていると承知をしています。
 政府としては、人生百年時代を見据えた経済社会の在り方を大胆に構想し、我が国の経済社会システムの大改革に挑戦します。それにより、女性も、若者も、男性も、お年寄りも、また障害や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って一人一人がその能力を存分に生かせる一億総活躍社会をつくり上げてまいります。
 このため、先般閣議決定した骨太方針二〇一八において、高齢者を含めた全ての年代の方々に意欲と能力を生かして幅広く御活躍いただけるような社会を実現するため、健康長寿の更なる延伸を図り活力ある健康長寿社会を実現すること、人づくり革命については、待機児童問題解消、幼児教育、高等教育の無償化等により、人生百年時代を見据えて、誰もが幾つになっても活躍することができる社会を実現すること、自動運転、ヘルスケア、デジタルガバメントなどの重点分野における新しい技術の社会実装による生産性革命を通じソサエティー五・〇を実現すること、働き方改革により、様々な事情を抱える皆さんが意欲を持って働くことができ、誰もがその能力を発揮できる社会を実現すること等により、成長が富を生み出し、それが国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現することを目指しております。
 あらゆる日本人にチャンスをつくることで少子高齢化を克服していきたいと、このように考えております。
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滝波宏文#25
○滝波宏文君 参議院自民党政審の内政国家ビジョンでは、役割と社会参加は就業が中心であるものの必ずしもそれに限らない、何らかの形で役割を果たす社会参加率、これをなるべく一〇〇%に近づけ、社会貢献寿命百年、すなわち生涯現役を目指していくと提言しております。
 しかし、高齢の方々の働くことで社会貢献をしていきたいという声を受け止めるためには、我が国には定年制度の壁が存在いたします。アメリカやヨーロッパなど多くの国では定年制は存在しておらず、年齢による差別を解消するという観点からは、就労の終わりは自分で決めるといった、働く意思と体力があれば働き続けられる社会へと抜本的な考え方の転換が必要です。
 こうした観点から、企業による定年制度の撤廃も推奨していくべきではないかと考えますが、政府として企業における定年制度をどのように評価し、また今後どのような姿になるべきと考えているのか、厚労大臣に御所見を伺います。
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加藤勝信#26
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のとおり、また内政国家ビジョンでも取り上げていただいているとおり、我が国のこうして高齢化が進む中で活力ある社会というものを持続していくため、そのためにも健康寿命を増進し、そして高齢者の方々も意欲ある限り働き続けることができる、こういった社会の実現が大変重要だと思います。
 企業における定年については、高年齢者雇用安定法において六十歳を下回ることはできないとした上で、六十五歳までの雇用確保措置として定年の廃止、定年の引上げ、継続雇用制度の導入のいずれかを講じなければならない、現行そうなっているわけであります。
 定年は我が国の雇用慣行として定着しており、それを前提とした六十五歳までの雇用確保措置などと相まって、高齢者の高い就業率を今日まで生み出してきている。この辺も踏まえつつ、働き方改革実行計画、あるいは先般、人生百年時代構想会議から総理の指示をいただいております。定年の廃止も含め、六十歳を超えても働ける、こうした環境をしっかりとつくってまいりたいというふうに思います。
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滝波宏文#27
○滝波宏文君 時間も限りがございますので、次に新幹線ネットワークの早期完成について取り上げたいと思います。
 三年前の北陸新幹線金沢開業の爆発力は今でも続いておりまして、観光・ビジネス客で今も金沢は大にぎわいです。国土強靱化の視点からも、この冬、大きな証明がありました。福井を始め北陸を中心に三十七年ぶりの豪雪、平成三十年豪雪が発生し、大動脈の国道八号線において千五百台が三日三晩立ち往生しました。この間、しかしながら、北陸新幹線は東京―金沢間をほぼ休むことなく最大三、四十分程度の遅れのみで行き来しておりました。
 こういった国土強靱化、成長戦略、そして地方創生に資するすばらしい官民共同のプロジェクトである新幹線でございますけれども、なかなか前に進んでございません。この三年間の財政計画の中で、ワイズスペンディングということも掲げられておりましたが、残念ながら新幹線については一円も伸びてございません。
 これまで、新幹線による地方創生回廊も訴えてこられた総理に、新幹線のネットワークの早期完成、福井県も一日も早い県内延伸も求めてございますし、新大阪までの早期完成も求めてございます。御決意をお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新幹線は、東京オリンピックの年に開業して以来、五十年余りにわたって我が国の経済や国民生活の発展を支えてきました。安全性や信頼性、環境面に非常に優れた交通機関であり、観光やビジネスなど地方創生にも重要な役割を果たすものであります。
 九州新幹線や北陸新幹線、そして一昨年には北海道新幹線が開業し、鹿児島や金沢、函館などの沿線地域に観光客が大幅に増加するなど、地域に大きな活力をもたらしたのは事実であります。まさに、福井にとっては、もう目と鼻の先である金沢まで来て、金沢が大変にぎわっている、早くしてくれないのか、そのお気持ちはよく私も分かります。利便性の高い新幹線ネットワークを早期に構築していくことにより、その効果を最大限発揮させていくことが必要だと思います。
 このため、整備新幹線については、現在整備中の三区間の工事を着実に進めるとともに、北陸新幹線、敦賀―大阪間についても、駅、ルートに係る詳細調査等を着実に実施し、財源の確保を行うことで整備計画路線の確実な整備にめどを立てていく考えであります。
 新幹線による高速鉄道ネットワークを軸に、日本全国北から南まで地方と地方をつないでいく新幹線の全国ネットワークを構築し、地方創生回廊をつくり上げ、地方に成長のチャンスを生み出していく考えであります。
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滝波宏文#29
○滝波宏文君 機は熟してございます。是非、増額をよろしくお願いいたします。
 三・一一が教える国土強靱化の必要性の教訓を生かし切れていないもう一つの例として、原子力避難道整備を取り上げたいと思います。
 原子力避難道整備は、これは、原子力に関して脱あるいは推進、その是非にかかわらず認められなければならないものだと思います。稼働していなくても、そこにはリスクがあり、実際、福島第一原発におきましては停止中の原子力基でも事故が起きました。
 したがって、今稼働していない原子力発電所の立地であっても、早急な避難道整備が必要であります。にもかかわらず、あれだけの事故があったのに、三・一一からもう何年もたっているのに、いまだ原子力避難道整備は遅々として進んでございません。今こそ、なかなか優先にと言っても、BバイCなどで、人口の少ないところで立地してございますので、整備が進まない、こういうふうな現実がある中、別枠で集中期間を設けて財源を確保し、集中的に原子力避難道を整備すべきというふうに考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
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