予算委員会

2020-02-12 衆議院 全485発言

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会議録情報#0
令和二年二月十二日(水曜日)
    午前八時五十八分開議
 出席委員
   委員長 棚橋 泰文君
   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君
   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君
   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君
   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君
   理事 伊藤  渉君
      あべ 俊子君    赤澤 亮正君
      秋本 真利君    穴見 陽一君
      伊藤 忠彦君    伊藤 達也君
      石破  茂君    泉田 裕彦君
      今村 雅弘君    岩屋  毅君
      うえの賢一郎君   衛藤征士郎君
      小倉 將信君    小田原 潔君
      小野寺五典君    奥野 信亮君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      金子 俊平君    神山 佐市君
      河村 建夫君    国光あやの君
      笹川 博義君    田所 嘉徳君
      高橋ひなこ君    武部  新君
      根本  匠君    原田 義昭君
      平沢 勝栄君    藤井比早之君
      古屋 圭司君    宗清 皇一君
      村上誠一郎君    山口  壯君
      山本 幸三君    山本 有二君
      渡辺 博道君    池田 真紀君
      泉  健太君    今井 雅人君
      小川 淳也君    大西 健介君
      逢坂 誠二君    岡本 充功君
      川内 博史君    黒岩 宇洋君
      玄葉光一郎君    後藤 祐一君
      近藤 和也君    白石 洋一君
      武内 則男君    辻元 清美君
      本多 平直君    馬淵 澄夫君
      前原 誠司君    山本和嘉子君
      國重  徹君    佐藤 茂樹君
      佐藤 英道君    濱村  進君
      赤嶺 政賢君    藤野 保史君
      宮本  徹君    杉本 和巳君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣         麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   法務大臣         森 まさこ君
   外務大臣         茂木 敏充君
   文部科学大臣       萩生田光一君
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   農林水産大臣       江藤  拓君
   経済産業大臣       梶山 弘志君
   国土交通大臣
   国務大臣         赤羽 一嘉君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    小泉進次郎君
   防衛大臣         河野 太郎君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣         武田 良太君
   国務大臣
   (少子化対策担当)    衛藤 晟一君
   国務大臣         北村 誠吾君
   国務大臣
   (女性活躍担当)     橋本 聖子君
   財務副大臣        遠山 清彦君
   厚生労働副大臣      稲津  久君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君
   政府参考人
   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房長)   大塚 幸寛君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房総括審議官)           渡邉  清君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   多田 明弘君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)
   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        嶋田 裕光君
   政府参考人
   (内閣府独立公文書管理監)            秋山  実君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長)            池永 肇恵君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    北村 博文君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (水産庁長官)      山口 英彰君
   政府参考人
   (経済産業省通商政策局長)            広瀬  直君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            山上 範芳君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  水嶋  智君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  和田 浩一君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 村岡  猛君
   政府参考人
   (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君
   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十二日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     小田原 潔君
  石破  茂君     田所 嘉徳君
  今村 雅弘君     武部  新君
  岩屋  毅君     穴見 陽一君
  うえの賢一郎君    藤井比早之君
  小倉 將信君     高橋ひなこ君
  河村 建夫君     伊藤 忠彦君
  笹川 博義君     赤澤 亮正君
  原田 義昭君     宗清 皇一君
  山本 有二君     泉田 裕彦君
  渡辺 博道君     金子 俊平君
  小川 淳也君     黒岩 宇洋君
  岡本 充功君     泉  健太君
  玄葉光一郎君     武内 則男君
  辻元 清美君     池田 真紀君
  本多 平直君     逢坂 誠二君
  前原 誠司君     山本和嘉子君
  國重  徹君     佐藤 英道君
  濱村  進君     佐藤 茂樹君
  宮本  徹君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  赤澤 亮正君     国光あやの君
  穴見 陽一君     岩屋  毅君
  伊藤 忠彦君     河村 建夫君
  泉田 裕彦君     山本 有二君
  小田原 潔君     あべ 俊子君
  金子 俊平君     渡辺 博道君
  田所 嘉徳君     石破  茂君
  高橋ひなこ君     勝俣 孝明君
  武部  新君     今村 雅弘君
  藤井比早之君     うえの賢一郎君
  宗清 皇一君     原田 義昭君
  池田 真紀君     辻元 清美君
  泉  健太君     岡本 充功君
  逢坂 誠二君     白石 洋一君
  黒岩 宇洋君     近藤 和也君
  武内 則男君     玄葉光一郎君
  山本和嘉子君     前原 誠司君
  佐藤 茂樹君     濱村  進君
  佐藤 英道君     國重  徹君
  赤嶺 政賢君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  勝俣 孝明君     小倉 將信君
  国光あやの君     笹川 博義君
  近藤 和也君     小川 淳也君
  白石 洋一君     本多 平直君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 令和二年度一般会計予算
 令和二年度特別会計予算
 令和二年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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棚橋泰文#1
○棚橋委員長 これより会議を開きます。
 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官安居徹君、人事院事務総局給与局長松尾恵美子君、内閣府政策統括官多田明弘君、内閣府政策統括官、内閣府子ども・子育て本部統括官嶋田裕光君、内閣府男女共同参画局長池永肇恵君、警察庁交通局長北村博文君、法務省民事局長小出邦夫君、外務省大臣官房参事官田村政美君、厚生労働省雇用環境・均等局長藤澤勝博君、厚生労働省子ども家庭局長渡辺由美子君、水産庁長官山口英彰君、経済産業省通商政策局長広瀬直君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君、国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官山上範芳君、国土交通省道路局長池田豊人君、国土交通省鉄道局長水嶋智君、国土交通省航空局長和田浩一君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君、防衛省整備計画局長鈴木敦夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋泰文#2
○棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、本日、政府参考人として内閣府大臣官房長大塚幸寛君、内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、内閣府独立公文書管理監秋山実君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。ヤジ
    〔賛成者起立〕
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棚橋泰文#3
○棚橋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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棚橋泰文#4
○棚橋委員長 本日は、新型コロナウイルス対応・内外の諸情勢についての集中審議を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。赤澤亮正君。
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赤澤亮正#5
○赤澤委員 おはようございます。
 質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は農林水産業を中心に質問をいたしますが、その前に、最近の自然災害の激甚化、頻発化や新型コロナウイルスの脅威などに対応する目的で政府が病院船を建造、保有することを提言したいと思います。
 新型コロナウイルスについては、WHOがCOVID―19という名前をどうもつけたようでありまして、コロナバイラス・インデュースト・ディジーズ二〇一九ということで、COVID―19という名前だそうですが、現時点で感染者数も死亡者数もふえ続けています。既に、二〇〇三年に大流行したSARSを大幅に上回っております。
 ただ、致命率の点ではSARSよりもかなり低く、日本と中国の医療事情の差を考えれば、インフルエンザと大差ないのではないかという見方もあります。科学的に正しく恐れる、その上で冷静に必要な行動をとることが求められており、少なくともインフルエンザと同等以上の注意を払うことが求められております。感染者又は感染の疑いのある者の隔離が求められることは間違いありません。
 そこで、従来から自民党あるいは与党の中で再三議論されてきた、政府が保有する病院船の建造、保有というアイデアですが、いざというときに緊急医療チームや政府職員が乗り込んで、それこそ日本全国津々浦々に急行をして、自然災害の場合には被災者の救護とか支援物資や入浴サービスの提供などに、そしてウイルス、感染症の場合には罹患者又はその疑いのある方々の隔離や治療に当たる政府保有の病院船という考え方には、一理も二理もあると思います。
 そこで、加藤大臣、我が国を脅かす自然災害やウイルス、感染症の脅威に対応するため、例えば、厚生労働省が病院船を二隻建造、保有して、一隻ずつ太平洋側と日本海側に配備することにしてはいかがでしょうか。
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加藤勝信#6
○加藤国務大臣 今委員御指摘のように、今回の新型コロナウイルスについてWHOから命名もなされたということでありますが、これについては、引き続き、水際防止、そして国内での蔓延防止、そしてさらには、そうした事態が生じたときに対する医療体制の整備、こうしたものに万全を期していきたいと考えております。
 その上で、御指摘の病院船の保有ということであります。
 災害時に継続的な医療を図るということは大変大事でありまして、これまでも、災害拠点病院の整備、あるいはDMATの配置等々、運用等に取り組んでまいりました。ただ、自然災害で道路が寸断される場合、あるいは医療機関自体が被災された場合、これは東日本大震災でもそうしたことがありました。継続的な医療提供が困難なケースにおいて病院船というものを活用できないかということで、これまで、党あるいは党を超えて、そして内閣府、防衛省とも議論がされてきたところであります。
 そうした検討の中で、既存の船舶を活用し、大規模災害時の医療機能を補完する、これは実証実験を既にやってきております。そういった中で、有識者も入れた、内閣府防災が開催する船舶医療活動要領検討ワーキンググループにおいて議論をされ、保有に当たっての整備手法、あるいは船舶において医療活動を実施する場合の関係者の連携、病院船に必要な機能の整備についていろいろ議論をしていただいているというふうに承知をしております。
 その上で、今回のコロナウイルスの対応、特にクルーズ船での発生を考えると、そうした中で発生をした方については、今、全員、陸におりてきていただいて、それぞれの病院に搬送しているわけでありますけれども、搬送するということは、またそれなりに感染リスクもあります。それから、重症者は当然陸地の病院ということでしょうけれども、軽症者等の取扱いをどうするか等々といった観点から、そうした、委員御指摘のような病院機能を持つ船舶というものを活用するということも十分あり得るのではないかというふうには思うところであります。
 したがって、これまでの議論、また、やはりいろいろ考える課題を関係省庁とも探りながら、病院船の配備のあり方については加速的に検討していく必要があるというふうに認識をしております。
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赤澤亮正#7
○赤澤委員 ありがとうございます。ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
 加藤大臣はこれで御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
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棚橋泰文#8
○棚橋委員長 加藤厚生労働大臣におかれましては、御退席されて結構でございます。
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赤澤亮正#9
○赤澤委員 ここからは、農林水産業を中心に質問をいたします。
 私の地元は農林水産業が盛んな鳥取県でありまして、最近、地元では、農林水産業に関する質問が国会で出ないのは残念だという声が聞こえておりました。一月末に農林水産業について質問しないかと打診を受けたときは、我が意を得たりということでありました。その後、二月七日に出た日本農業新聞の記事の見出しは、「通常国会 農政議論 低調に 豚熱、基本計画 置き去り懸念」ということでしたので、しっかり質問をさせていただきたいと思います。
 言うまでもなく、農業は国の基です。新型コロナウイルスは国民の最大の関心事の一つであり、まさに今そこにある危機ということなので、農林水産業の議論はその陰に隠れてしまいがちですが、現在、農林水産業もさまざまな危機に直面しています。今後とも衆参の予算委員会や農林水産委員会でしっかりと議論する必要があります。
 ということで、本日の私のテーマは、危機に直面する農林水産業ということでございます。
 パネルをごらんください。
 ざっと六つの、農林水産業が直面する危機を挙げてみましたが、四番目と五番目の遺伝資源流出やウイルス、感染症の危機に対応するため、内閣は今国会に合計四本の法案を提出予定です。すなわち、和牛遺伝資源を守るための法案二本、種苗など植物遺伝資源を守るための法案一本、そして、アフリカ豚熱など家畜伝染病の発生予防、蔓延防止のための法案一本の合計四本です。
 パネルの、一番目の危機である人口減少、高齢化に話を戻します。
 この危機は今後更に加速します。現在の出生率と死亡率を前提にすれば、今から八十年後の西暦二一〇〇年に、日本の人口は現在の半分を大きく下回る五千九百万人になります。その結果、農林水産業にとっては、生産の面では人手不足、消費の面では需要不足、これが大きな危機として立ちはだかります。その解決策として、生産の面では大幅な生産性向上、消費の面では大幅な需要拡大が求められます。
 そこで、江藤大臣にお尋ねします。
 人口減少に負けない農業を実現するための具体的な対策について教えてください。
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江藤拓#10
○江藤国務大臣 まず、農業は国の基であるということを言っていただきまして、大変ありがとうございます。
 このパネルも見させていただきましたが、食料獲得競争、これはいずれ遠くない将来起こる可能性がある。今の人口は、一七年、七十六億人ですけれども、これが二〇五〇年、九十八億人まで日本とは逆に爆発的にふえるということであれば、日本は今、外国に多くの食料を頼っておりますが、これがいつまでも担保される保証は全くありません。
 ですから、国内の生産基盤をきちっと守り、担い手を育てることは、国を守ることだというふうにまず考えております。そのためには、生産性の高い農地をまずつくらなければなりません。生産性の低い農地に担い手を張りつけても、やる気も出ないし、生産性も上がらない。
 ということであれば、補正予算と当初予算で六千五百十五億円、これを土地改良の予算につけましたので、これで強い農地をまずつくる。そして、分散錯圃している農地はやはり生産効率が悪いので、それも集約して大区画化する必要があるというふうに考えております。
 それからやはり、これからの農政は、底上げするということが大事だと思います。大きいものは更に大きくなるということも大事かもしれませんが、中小規模の人たちが更にもう一歩上を目指して、生産性を上げ、所得を上げていく、それによって地域の魅力を増していくということが大切だろうと思っております。
 ですから、今回の種雄牛に対する増頭対策も規模の小さいところに対して手厚くさせていただきましたし、それから、産地パワーアップそれから畜産クラスター事業も要件を大幅に緩和をさせていただきました。
 中山間地域におきましては、今までは、五カ年計画を立てて、全ての方々が五年後もちゃんと営農を続けていないと返還してくださいよという制度がネックになっておりましたけれども、これも、残念ながら抜け落ちてしまった方の分だけ返せばいいというふうに要件も緩和しましたし、中山間については、新規の加算措置が三つ、それから拡充措置が一つということで、条件の悪いところにもしっかりと目配りをして、そして海外の市場をしっかりとりながら、農林水産業の足腰を強くしていきたいというふうに考えております。
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赤澤亮正#11
○赤澤委員 人口減少待ったなしということであります。しっかりと取組を進めていただきたいと思います。
 今後長きにわたり人口が急減していく我が国にとって、国内の食料需要の減少を補うために外国に打って出るということは避けられない課題であります。そのための諸外国との国際協定の締結でもあるわけですが、例えば、TPP11や日米貿易協定など我が国が締結した国際協定の発効により、TPP11発効国の牛肉や米国産牛肉に係る関税率が、発効前の三八・五%から二〇一九年度には二六・六%へと引き下げられました。
 畜産農家に限らず、食料生産者の皆様がTPP11や日米貿易協定など国際協定の締結、発効に不安を感じるのは当然のことだと思います。国際協定の締結、発効による不安はもちろん解消していく必要がありますが、ピンチをチャンスにという発想で、国際協定の締結、発効は我が国の農産物の輸出拡大の大きなチャンスと捉えることも必要だと思います。
 江藤大臣、具体的にどのあたりにチャンスがあるのか、教えてください。
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江藤拓#12
○江藤国務大臣 よく牛肉ばかりに焦点が当たりますけれども、私は、あらゆる農林水産物にチャンスがあると思っております。
 赤澤先生もいろいろな国に行かれたことがおありになると思いますが、やはりどの国に行っても日本の食材のすばらしさというものは際立っていると思います。
 ですから、具体的に言いますと、二〇一九年の実績で見ると、ブリなんかも伸びておりますし、水産全体は残念ながらサバ等が不漁で落ちましたけれども、ブリなんかは大変伸びております。鹿児島、伸びていますね。それから、牛肉なんかでいうと二〇%伸びました、一九年だけで。牛乳・乳製品も、TAGとか11のときに随分話題になりましたけれども、牛乳・乳製品全体でいうと二一%、二〇一九年は伸びております。それから、日本酒なんかも伸びておりますし、最近日本で特に話題になるのは、外国では生卵を食べる習慣がない、余り衛生的にきちっと管理されていない、しかし日本は生卵が食べられるということで、四五%輸出が伸びております。
 ですから、あらゆる、埋もれたものがたくさんありますので、そういったものを一つ一つ起こしていけば、あらゆるものに輸出のチャンスがあるのではないかというふうに私は思っております。
 そしてまた、今までは、リンゴなんかでいうと、贈答用に大玉のリンゴを出すんだ、高く売れるんだということに焦点が当たっていましたけれども、どうも、マーケットリサーチをすると、日常の食卓に上るような、若干小ぶりで、そして価格も安いものが欲しいんだというようなニーズも大分出てきましたので、それに対応する生産をする、輸出をする業者も今出てきています。
 ですから、やはり、マーケットインという視点を忘れずに、いいものだから高く買ってちょうだいというだけではなくて、日常の食卓に日本の食材が上るような工夫をやはりこれからはしていく必要があるんだろうと思います。
 先生御指摘のように、経済連携協定は農家にとっては不安の材料であることはそうです。我々農林水産省は、その不安の解消のために全力で説明責任を果たさなければなりません。それは一生懸命やらせていただきます。
 しかし、例えばアメリカに対しては、今まで低関税枠は二百トンしかなかったわけでありますけれども、これがWTO枠で六万五千五トン、これはニカラグアがほぼほぼ八割使っていた枠ですけれども、ニカラグアはアメリカとの自由貿易協定を結んで関税ゼロになりますので、これがすっぽりあけば、日本にはそこに切り込んでいく大きなチャンスが出てきます。
 そして、今コロナが出てきておりますけれども、しかし、中国も門戸を開くべく今準備が着々進んでおりますので、それから、牛肉にしても豚肉にしても、それから鳥肉にしても卵にしても、野菜にしても果物にしても、さまざまチャンスがあるというふうに考えております。
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赤澤亮正#13
○赤澤委員 工夫のやり方次第で、ただでさえ世界に冠たる日本の農産物が大いに世界に羽ばたくチャンスがある、大変夢のあるお話だったと思います。
 例えば、大臣の地元の宮崎牛もそうでありますけれども、私の地元の鳥取和牛も、白鵬85の3とか元花江とか、全国的に見ても極めて評価の高い種雄牛を抱えています。
 現在、国全体で年間約十五万トンしかない我が国の和牛生産が、大臣が冒頭に答弁された増頭対策などによって急速に生産基盤を強化して、国際協定でこじあけられた六万トンを超える新たな輸出枠に攻め込む姿をぜひ見てみたいものだというふうに思います。
 次に、パネルの、二番目の危機である自然災害に移ります。
 災害の分野で最も有名な箴言は、寺田寅彦先生の、天災は忘れたころにやってくるですが、これは、災害がごくたまに、限られた期間、限られた地域で起きていた時代の、いわばイッツ・オールド天災といった考え方であります。もはや時代は完全に変わったと言わざるを得ません。三年ほど前から私は、天災は忘れる間もなくやってくると唱えております。既に起きてしまった災害の復旧復興に取り組んでいる最中に、次から次へと新しい災害が起こるからです。
 次のパネルをごらんください。
 これは農水省からいただいた資料を加工したものですが、地震、津波の被害を除いて直近五年間の農林水産被害額三千百五十二億円は、その前の五年間、二千二百十億円の約一・四倍にふえていることが確認できます。数字も、農林水産関係の自然災害の頻発化、激甚化、天災は忘れる間もなくやってくるということを裏づけています。
 そこで、江藤大臣、既に起きてしまった農林水産関係の自然災害からの迅速な復旧復興のために、ここしばらく毎年どれぐらいの予算をかけているのか。言いかえれば、農林水産関係の災害対策予算の絶対額と、農林水産関係予算全体に占める割合、取組の具体的内容などを教えていただきたいと思います。
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江藤拓#14
○江藤国務大臣 寺田先生の時代と確かに変わって、大変な時代になったなと思います。昨年は特に大変な年でございました。
 昨年は、補正予算と令和二年度予算の合計で八千三百億円が計上されてございます。農林水産関係の予算全体に占める割合は、全体の予算の三割を占めるまでになっております。
 具体的な内容の一部を御紹介させていただきます。特に、政府の支援策を、総理の御指示があって、思い切ってやれという御指示をいただきまして、かなり思い切ってやらせていただいたつもりでございます。
 例えば、被災した果樹農家への支援、特に長野とか静岡、長野県とか福島県で大変深刻だったわけでありますが、そういった樹園地に対する、改植が必要だったりする場合もありますし、そういう場合については、これまでは、特にリンゴですけれども、十アール当たり三十九万円というのがこれまでの支援策でございました。これが、これから新しいものを導入する、矮化栽培とか、それから、新しい代替農地で営農する場合も含めて、十アール当たり百五十万円まで支援できるような措置に拡充をさせていただいております。
 また、稲作農家につきましても、例えば農家が周りの方々から米を集めて乾燥機の中に入れたりして、そして積んでいるような米も大分やられました。そういうようなものについては、共済の対象に本来ならないわけでありますけれども、これについても、翌年の作付にしっかり頑張っていただきたいということで、十アール当たり七万円を措置させていただくということにさせていただきました。
 そして、特に、特定非常災害に指定されました台風十九号については、機械とかトラクターとか田植機とか、そういったものについても、コンバインもそうですけれども、補助率を二分の一に引き上げて、共済等に入っていただいていれば農家の負担がほぼほぼなく機械を新しくすることができるというような体制も組ませていただいております。
 それに加えて、査定に時間がかかるということがありますから、査定を待たずに、査定前の着工制度、これを活用させていただく。それから、技術員が足りないという声が各自治体からたくさん上がってまいりましたので、技術職員を、MAFF―SATと我々呼んでおりますけれども、延べ一千七百三十八人を派遣いたしまして、自治体と連携して災害支援に当たっている、今はその途中でございます。
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赤澤亮正#15
○赤澤委員 踏み込んだ支援をいただいていることがわかりました。大変心強く思うわけですが、今後も続く自然災害の頻発化、激甚化に対応して、更に更に手厚い対策に努めていただきたいと思います。
 次に、次のパネル、私が思う自然災害の対応の心得を簡潔にまとめてみました。
 既に起きてしまった自然災害からの迅速な復旧復興が最重要であることはもちろんのことであります。ただ、本日特に強調しておきたいのは、これから起こる災害に対する事前の備え、すなわち事前防災が決定的に重要であるということであります。
 例えば水の災害の場合、災害が発生する前に、すなわち事前防災に予算をかけておけば、そのかけた額の七倍から八倍の被害を防げるという過去の教訓ですね。今、赤羽大臣、うなずいていただきましたが、まさに旧河川局が持っていた資料であります。過去の教訓、経験則を生かさなければなりません。
 この意味で、事前防災にお金をかけることは、長い目で見れば、予算の節約になり、財政に優しいということになります。
 もう一つ申し上げれば、IT技術などの急速な技術進歩が事前防災の効果を最大化するということであります。スパコンで台風が来るタイミングが正確に予想できるようになったり、携帯で警報や避難指示を一斉送信できるようになったり、最新技術を国民の命を守るためにフル活用しない手はありません。
 災害は毎回必ず多くの教訓を残します。例えば台風第十九号などの最近の水害の教訓は、決壊しやすいことが明らかとなった河川の合流地点を重点的に強化することなど、枚挙にいとまがありません。
 国交省の水管理・国土保全局にも検討をお願いしているところでありますけれども、災害が起きるたびに得られる数多くの貴重な教訓を生かして、徹底的な事前防災を図ることが重要であります。決定的に重要と言っていい。
 事前防災を徹底して国民の命を守り抜くためには、防災省の創設なども必要ではないかと思っております。
 江藤大臣にお尋ねをいたします。
 最近の農林水産関係の災害の教訓にはどのようなものがあって、それらを生かしてどのような事前防災の取組を行っているのか、教えていただきたいと思います。
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江藤拓#16
○江藤国務大臣 特に昨年思いましたことは、千葉とか茨城とか行かせていただくと、こんなところ台風来なかったんだよねという声をたくさん聞きました。全く想定していないコースに台風がやってくる。私たちの宮崎のところはそういうような備えがありますが、やはりそれに備えていない。
 ですから、地球全体もそうでしょうけれども、日本全体も、これからの教訓は、新たな教訓が日々蓄積されていくものだろうというふうに私は思っております。特に、昨年の教訓は生かさなければならないと思っております。
 そして、農林水産省といたしましては、平成三十年の十二月に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策、これによって、防災重点ため池、これを千カ所、緊急改修を今行っている最中でございます。
 それから、胆振でもありましたけれども、停電したときに、牛乳を受け付ける施設、そういうところについて非常用電源の集中的な整備、これを今進めております。
 それから、十分な耐久性のあるハウス。例えばさっき言いました千葉とか茨城は、宮崎なんかはコンクリートの基礎を打つのが二十ミリパイプでも普通なんですけれども、ねじ込み式の、こうねじ込んでいくような基礎を打っておられました。風が弱ければそれでいいんですけれども、それがなかなか厳しいんだろうと思います。
 それで、既存のハウスにつきましても、今までは既存のハウスに対する改修について補助はありませんでしたけれども、既存のハウスを強化する、横にはりを入れるとか縦に柱を増すとか、そういうような補助も今させていただいているところであります。こういったことを、耐候性ハウスへの建てかえも含めて、三カ年、今集中的に行っております。
 そしてまた、農家の方々におかれましては、収入保険に入っていらっしゃる方、それから共済に入っている方で随分差が出たということがあります。
 収入保険も見直さなきゃいけない点がたくさんありました。共済についても掛金が高過ぎる等いろいろありましたので、やはり皆様方にその内容を十分理解していただいて、収入保険におきましては、保険料が最大で四割安くなる、そういったメニューもつくりましたし、共済においても掛金の大幅割引のパッケージなんかもつくりましたので、知っていただかなければどうにもなりませんので、ちゃんと説明をさせていただいて、国の支援と農家の方々のそういった意識の向上とあわせて自然災害に立ち向かっていきたいと考えております。
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赤澤亮正#17
○赤澤委員 ため池の要改修等箇所が緊急対策で千カ所、農業用ハウスの要補強等面積が九千ヘクタールという説明を受けております。
 極めて重要な取組で、大車輪で進めていただくことをお願いしますが、なぜ今までやってこなかったのかという反省も必要だろうと思います。今後、更に更に、過去の教訓を最大限生かす事前防災の取組に力を入れていただきたいと思います。
 あわせて、このパネルにあるように、事前防災を徹底するためには、過去の災害の教訓を生かすとともに、最新技術をフル活用するということが重要になってまいります。
 水の災害の頻発化、激甚化を受けて、民間企業が、水位の上昇を計測して、その情報を携帯に飛ばすシステムなどをリーズナブルな価格で販売し始めています。
 水があふれていないか自分の田んぼや畑が心配になって見に行った結果、高齢の農業生産者が用水路に転落して命を落とすといったような、水害のたびに繰り返される、本当に痛ましい事故の再発を防止するための最新技術のフル活用の取組を進めていただきたいと思います。
 ここ三年の緊急対策で、水の災害への事前の備え、事前防災は確かに進展しました。地元の市町村長の皆様は口をそろえて、この三年間で河床掘削などが進んだとおっしゃいます。
 しかしながら、ここ三年で確かに進んだ対策がある一方で、国の整備計画に基づいて水害対策を進めている国管理の河川で、堤防が必要な約一万三千キロのうち、堤防の高さが計画水準に達していない区間は約三千五百キロあります。堤防自体が設置されていない区間も約七百五十キロ超です。繰り返しますが、国管理の河川ですら、計画された、必要な堤防が整備されていない区間が約七百五十キロ超あるということです。ましてや、都道府県管理河川あるいは市町村管理河川に至っては推して知るべしという状況です。
 本日の江藤大臣の御答弁からもわかるとおり、農林水産分野の災害対策、事前防災も課題が山積みであるということです。
 そこで、麻生大臣にお願いをいたします。これはもう質問というよりお願いでございます。農林水産関係者を含む、事前防災の全ての関係者の願いです。麻生大臣のもとに、既に同趣旨の要望が本当にたくさん寄せられていると思います。
 防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策終了後の二〇二一年度以降も、農林水産分野を含む事前防災の手を緩めることなく、三カ年緊急対策と同水準の予算確保をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
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麻生太郎#18
○麻生国務大臣 今御指摘のありました防災・減災、国土強靱化につきましては、これは、政府としては、近年の災害から得られたいろいろな教訓がありますが、それを踏まえて、平成三十年の十二月に国土強靱化基本方針というものを見直しております。その上で、集中豪雨などの災害が相次いでおります現状、特にこの数年、三カ年緊急対策を策定をし、実行するなどの取組を強化してきているところです。
 さきに成立いたしました令和元年度の補正予算でも、昨年の台風十五、十九号などの被害というものを踏まえまして、河道の掘削等々、堤防強化などの水害対策を中心にさせていただいて、国土強靱化対策だけで一兆一千五百二十億円というものを確保させていただいております。
 それが終わった後もということだと思いますが、今後とも、これは国土強靱化基本計画に基づきまして、今御指摘があっておりました農林水産分野も含めまして、必要な予算というものを確保して、災害に屈しない国土づくりというものを更に進めてまいりたいものだと考えております。
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赤澤亮正#19
○赤澤委員 必要な予算を確保するという、大変力強いお答えをいただいたと思います。国民の命を守るために、農林水産業を守るために、本当に重要な予算の確保であります。重ね重ね、くれぐれもよろしくお願いをいたします。
 次に、近隣アジア諸国との食料獲得競争の最前線と言ってよい水産業の危機の話に移ります。
 最初のパネルの、三番目の危機でありますが、なぜ食料獲得競争を危機と呼ぶかといえば、それが必ずしもフェアな競争ではなくて、資源管理に関心のない極めて悪質な外国漁船、これの違法操業によって、我が国の漁船の適法な操業が妨げられるばかりか、貴重な水産資源の枯渇という大変深刻な事態を招いている例が現に存在するからです。
 次のパネルをごらんください。
 これは全国のスルメイカの水揚げの推移です。棒グラフのオレンジ色の冷凍と水色の生鮮がありますが、冷凍が百トン前後の中型イカ釣り漁船の水揚げであります。主に、青森県、それから大和堆に一番近い石川県、あるいは北海道などから日本海沖合まで出かけていって漁をするために、我が国の排他的経済水域、EEZ内にある大和堆などで違法操業する北朝鮮漁船や中国漁船の影響をもろに受けます。
 全体が、ごらんになればわかるように、激減をしておりますが、外国漁船の違法操業の影響をまともに受けるオレンジ色の冷凍の方が生鮮より劇的に減っているのが一目瞭然で、この大変な不漁の結果、スルメイカの価格がここ十年で三倍以上に高騰したことも見てとれます。
 イカ釣り漁業の不漁はここ十年近く続いてきましたが、資源管理に関心のない北朝鮮漁船あるいは中国漁船の違法操業による乱獲などの影響で資源が大幅に減少していたところに、特に近年は海水温の上昇、その影響などで、不漁が行き着くところまで行ったという感じでありました。
 中型イカ釣り漁業を営む漁業者の皆様から、最も手厚い、国際減船並みの減船補償の要望が出されていました。その要望に応えて、一月三十日木曜に成立をした令和元年度補正予算において五十億円の予算額が配分された韓国・中国等外国漁船操業対策事業の中に新たに項目が加えられ、漁業再編対策支援という項目のもとで、国際減船並みの手厚い減船補償が行われることになりました。補正予算の資料を見ると、漁業再編対策支援のところに、「外国漁船による操業等の影響により漁業経営が困難になった漁船の計画的かつ円滑な再編整備を支援します。」と明記されています。
 正直なところ、私としては大変複雑な思いです。農耕民族とされる日本人の中にあって珍しいハンターである漁業者の皆様が本当に欲しているのは、減船補償ではありません。つまり、お金ではなくて、思い切り、狩り、すなわち漁ができる環境、目の前に豊かな獲物のイカの群れが存在して、思う存分釣り上げられる漁業環境であると確信をいたします。
 以上申し上げた上で、江藤大臣にお尋ねしますが、イカ釣り漁業者の皆様の要望に応えて、令和元年度補正予算、減船補償を盛り込んでいただいたことはまことにありがたいことで、感謝を申し上げますが、今後も操業を続けるイカ釣り漁業者の皆様をどう支援していくのか、お答えいただきたいと思います。
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江藤拓#20
○江藤国務大臣 非常に難しい御質問をいただいたと承知をいたしております。
 しかし、資源の問題は、日本だけが真面目にやってもなかなかこれは解決できる問題ではない、地球規模の問題だと考えております。
 日本はNPFCを去年からリードしてきておりますけれども、漁獲の、これはイカではありませんが、総枠はつくっていても、国別の枠をまだ設定できていない、その漁獲枠自体も大き過ぎるという問題もありますから、やはり国際的な協議の場で日本がしっかりと発言していくことが、資源を守ることの第一歩だろうと思っています。
 それから、大和堆につきましても、毎年五千隻入ってきて、今回、新船を二隻投入いたします、千トン級のやつを。しかし、それでも多勢に無勢というところがあります。ですから、できるだけ一生懸命、用船も含めて、退去させるように努力はいたしますが、なかなか現場の御要望にお応えし切れていないということも申しわけないというふうに感じております。
 委員から率直におっしゃっていただいたように、この外国船操業対策事業、これを基金化しました、五十億円ですね。これについて、減船補償をするからそれでいいでしょうということでは決してないです。減船しなきゃならないということについて我々も大きな責任も感じますし、減船しなくていい、減船するにしても、船を新しくして漁業効率を上げるための船団の再編ならいいんですけれども、とれないから減らすというのは余りにもせつない話だと思います。
 ですから、御要望をしっかり聞きたいと思いますが、いろいろな、私も本とか読みまして、スルメイカみたいな、浮き魚資源というんですか、これは、レジームシフト、海洋環境変動というものが数十年単位で起こって、これは回転するものだというような話もありますが、その間も食べていかなきゃいけませんので、どんな漁法があるのか、それから、もし漁獲する魚種を転換するということがあれば、そういうことも含めて、漁業者の方々としっかり対応しながら、浜を支援していきたいというふうに考えております。
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赤澤亮正#21
○赤澤委員 不漁なのはスルメイカだけではありません。今や、スルメイカ、そしてサンマ、サケが不漁三魚種と呼ばれています。またさらに、漁業の難しいところは、最近資源回復していると言われるマイワシやサバが、我が地元の境漁港では、昨年、隠岐の島周辺の漁場が形成されなかったなどの理由で大変な不漁になりまして、境漁港全体の漁獲量が対前年比四分の一減ってしまうというようなことも起きました。
 自然を相手にする第一次産業の中でも、漁業は特に大きく自然の影響を受けます。不漁の理由も魚種ごとに違います。引き続ききめ細かい水産政策を打つことによって、我が国の漁業者の皆様が安心して漁業を続けられる環境整備をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、現在、日本の養豚関係者が最も恐れているウイルス感染症のアフリカ豚熱に触れます。
 次のパネルをごらんいただきたいと思います。
 最初に、本年一月三十日に成立し、二月五日に公布された、施行された議員立法による家畜伝染病予防法改正の紹介をいたします。
 まず、これまで豚コレラ、アフリカ豚コレラとしてきた法令上の名称を、豚熱、アフリカ豚熱に改めました。豚熱をCSF、アフリカ豚熱をASFとする略称は引き続き使っていただいて結構です。次に、もし、飼養豚又は野生のイノシシのいずれかにアフリカ豚熱が出たら、その周辺の一定範囲内の健康な豚も殺処分する予防的殺処分を可能としました。
 この議員立法は全会一致で成立をしました。危機感を共有し、御理解と御協力を賜った与野党全ての議員の皆様に心から感謝します。本当にありがとうございました。
 豚熱とアフリカ豚熱は、全く違うウイルスによる、全く異なる家畜伝染病です。既に我が国で発生してしまった豚熱については、現在二十一の都府県がワクチン接種推奨地域に指定されていることからもわかるとおり、ワクチンが効きます。しかし、アフリカ豚熱に効くワクチンは今のところありません。
 アフリカ豚熱に罹患した豚は、体じゅうの皮膚がただれて、血便を垂れ流して、甚急性の場合にはわずか四、五日で死にます。
 幸いなことに、アフリカ豚熱は人間にはうつりません。近い将来、突然変異で人間にうつるようになる可能性も低いとされています。しかしながら、一たびこれが蔓延すれば、養豚業への影響は壊滅的です。
 次のパネルをごらんください。
 アフリカ豚熱の発生状況です。既に世界じゅうで猛威を振るっています。中国の農業農村部の発表によれば、アフリカ豚熱の蔓延により、中国の飼養豚の約四割が死にました。その結果、中国国内の豚肉価格が約二倍にはね上がりました。このため、今まさに、中国十四億人が、世界じゅうから、豚肉はもちろん、高価になった豚肉のかわりに牛肉や鶏肉を猛烈な勢いで輸入しようとしています。世界は大変なインパクトを覚悟しなければなりません。
 我が国でアフリカ豚熱が発生することはぜひとも回避したいし、万が一発生したら、何としても一例目で防圧するために、関係者が総力を結集して努力を続けています。
 ということで、国民の先頭に立って、アフリカ豚熱などの脅威と戦っておられる江藤大臣、今国会で予定されている内閣提出の家畜伝染病予防法改正により、飼養衛生管理、野生動物対策、蔓延防止対策、動物検疫など各分野をどのように強化するつもりか、お答えください。
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江藤拓#22
○江藤国務大臣 まず、赤澤先生におかれましては、大変、年末年始、休みもなく法案と向き合い、本当にぎりぎりのタイミングだったというふうに聞いておりますが、二月の五日に施行されました議法によって、野党の先生方にも広く御理解をいただいたことに、本当に感謝いたします。
 これがなければ、お願いベースで殺処分をするという覚悟を決めなきゃならぬというふうに私は思っておりました。そのときには、法的根拠はありませんから、首を差し出す覚悟でやらざるを得ぬ、そして、その後の補償についても、これまた法的根拠はありませんから、大変なところに追い込まれるところでしたが、本当に先生方が御苦労いただいて、そしてこれから閣法に向かわれるということで、本当に、皆様方の危機感を持っていただいていることに心から感謝をするばかりであります。
 これからの閣法につきましては、議法を受けて、しっかりこれを踏まえてやった上で、まず、国の指針におきまして、都道府県が計画を定めていただいて、農業者の飼養衛生管理を指導する制度、これをまずつくります。飼養衛生管理基準を守るということが、やはり何といっても基本であります。
 それから、異常豚の早期通報、これがやはりなされていなかったという事例が多々見られました、残念ながら。これについては罰則を強化させていただこうと思っております。
 それから、家畜防疫官の権限も今まだ弱いですから、これももうちょっとしっかりとした権限を持たせてあげたいと思っております。
 そして、違法な畜産物の持込みに対する罰則も引き上げる。そして、郵便物につきましても、今までは送った人に対して確認をしなきゃ廃棄処分ができませんでしたけれども、もうこれは違法であるということがわかった時点で一方的に廃棄をしてしまうというふうにしたいというふうに思っております。
 経口ワクチンにつきましても、通行制限といった野生動物に対する蔓延防止対策も、これまた法制化させていただこうと思っています。
 その他いろいろ、まだたくさんありますけれども、これによる総合的な対策を講じることによって、ASFと戦っていきたいと思っています。今後もまたいろいろと御意見を賜る場面がたくさん出てくると思いますので、これからもまたよろしくお願いいたします。
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赤澤亮正#23
○赤澤委員 一日も早い成立、公布、施行を目指していただきたいと思います。
 なお、パネルで御紹介した議員立法、成立させる過程で、与野党を問わず、多くの議員の皆様から貴重な御指摘をいただきました。特に重要な御指摘は、入国管理の厳格化や野生動物捕獲の取組の大幅な強化など。
 ここで、入国管理の厳格化についてお尋ねをします。
 森大臣、再三にわたり申告せずに肉製品を日本国内に持ち込もうとするなどの悪質な違反者については入国拒否するなど、入国管理を厳格化すべきであるという指摘について、今後どのように取り組みますか。
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森まさこ#24
○森国務大臣 入管法第五条に記載されております上陸拒否事由の中には輸入禁止畜産物を所持する外国人であることは含まれていないので、一般的には、所持することのみをもって上陸拒否することは困難であります。
 しかしながら、上陸を拒否することが可能である場合があります。例えば、上陸審査の過程で輸入禁止畜産物を違法に持ち込んで売買しようとしていることが判明したような場合でありますとか、また、同五条の一項十四号において「日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある」場合と規定しておりますところ、アフリカ豚熱ウイルス等を本邦内で拡散するなどの目的で同ウイルスに感染した畜産物を持ち込もうとする外国人については、これに該当する場合には、上陸を拒否することが可能です。
 いずれにしても、この脅威については十分認識しているところでありますので、関係省庁と連携して、しっかりと水際対策に万全を期してまいりたいと思います。
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赤澤亮正#25
○赤澤委員 現行法でも対応できるというお答えだったかと思いますので、今後、一段と厳格な入国管理を徹底していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 最後のパネルをごらんいただきたいと思います。
 ウイルス、感染症の専門家である医師や獣医師の先生方にお話を聞くと、この分野のキーワードはワンヘルスであるとのことであります。何やら、昨年の流行語大賞、ワンチームに似ていて印象深い言葉なんですが、その意味は、ウイルス、感染症への対応に当たっては、人間、動物、植物、環境の全てが結びついていることをよく考えて対策を立てることが重要であるという考え方であります。
 我が党の政務調査会が、感染症への対応をするための部局の統合、格上げを二月六日に提言をしております。専門家による適時適切なリスク評価ができる新たな体制を整備することという項目があります。この新たな体制整備を、ぜひワンヘルスの考え方で行っていただきたいと思います。
 以上を踏まえて、最後、安倍総理にお尋ねをいたします。
 きょう、農林水産業が直面する危機について議論をしてまいりました。本当に厳しい状況があります。農林水産業が直面する危機は、枚挙にいとまがありません。
 本日の質疑の締めくくりとして、危機に直面する我が国の農林水産業を支える総理の思い、それに触れていただくとともに、ワンヘルスの考え方に基づく我が国のウイルス、感染症対策の新たな体制の整備について、お考えを伺いたいと思います。
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安倍晋三#26
○安倍内閣総理大臣 まさに委員がおっしゃったように、農林水産業、そして農は国の基であります。近年、農業従事者が高齢化する中にあって、若い皆さんがこの分野に飛び込んでいける分野に変えていきたい、こう思っておりますが、その中で、我が国農林水産業は、近年、相次ぐ自然災害やCSFを始めとする家畜伝染病などにより、生産現場に大きな影響が生じています。
 こうした困難に直面している農林漁業者の経営再開や経営安定をしっかりと支援するとともに、生産基盤の強化を図り、災害にも負けない強い農林水産業を構築をしていく考えであります。
 その上で、ウイルス、感染症対策については、御指摘のとおり、人、動物、環境は相互に密接な関係があることから、ワンヘルスの考え方に基づき、総合的に対応していくことが重要であると我々も考えています。
 今般の新型コロナウイルスに関連した感染症についても、関係省庁が連携して対応することができるよう、私を本部長とする対策本部や関係閣僚会議の開催により、政府一丸として対応できるようにしているところであります。
 このような、内閣総理大臣である私の指揮のもと、目下、内閣危機管理監を始め内閣官房が中心となって省庁横断的な取組を行ってきていますが、御指摘のとおり、組織を強化していくことは重要な視点であることから、今般の事案対応を踏まえつつ、今後、感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、危機管理への対応力を一層高めてまいりたい、このように考えております。
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赤澤亮正#27
○赤澤委員 終わります。
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棚橋泰文#28
○棚橋委員長 この際、堀内詔子君から関連質疑の申出があります。赤澤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。堀内詔子君。
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堀内詔子#29
○堀内委員 自由民主党の堀内詔子です。
 本日は、衆議院の予算委員会で質問させていただく機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。諸先輩方に厚く御礼申し上げます。
 初めに、新型コロナ肺炎、このたび、WHOでCOVID―19、そういったお名前をつけられたそうでございますが、そのCOVID―19について、政府を始め関係各位の皆様方が水際対策や国内対策で感染防止に全力を挙げて取り組んでくださっておりますことに心から深い敬意を表します。国民の皆様方とともに、新型コロナ肺炎の猛威を我々は冷静に受けとめ、そして適切に対処していかなくてはならないと思っております。
 一方、この新型コロナ肺炎の流行により影響を受けている産業などが出てきている、これも事実であります。世界規模の会社、そういったものでは、中国に拠点のあるサプライチェーン、その中で密接な関係を築いているところは、その停止でさまざまな影響を受けておりますし、また、小売業などで中国に出店している、そういったところは、休業をやむなくされ、厳しい経営環境に入っている、そういったところもございます。
 また、私が地元に戻りますと、ふだんはにぎやかな旅館街のそのともしびが消えてひっそりと静まり返っている、そういったところを多く見かけます。特に旅館などを経営なさる方々は中小又は小規模で、一生懸命頑張っているところも大勢ありますが、そういったところにも深刻な影響が出ている、それを肌で感じている毎日でございます。
 厳しいいろいろな影響が予想される中、今回の被害を受けて頑張っている企業や中小企業、そして小規模事業者の方々のために、何らかの経済政策が必要ではないかと思いますが、総理の御所見をお聞かせください。
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