内閣委員会

2021-05-26 衆議院 全315発言

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会議録情報#0
令和三年五月二十六日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 木原 誠二君
   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君
   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君
   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君
   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君
      安藤  裕君    池田 佳隆君
      上杉謙太郎君    小田原 潔君
      岡下 昌平君    金子 俊平君
      神田 憲次君    菅家 一郎君
      小寺 裕雄君    繁本  護君
      杉田 水脈君    高木  啓君
      永岡 桂子君    長尾  敬君
      西田 昭二君    本田 太郎君
      牧島かれん君    牧原 秀樹君
      松本 洋平君    宮崎 政久君
      吉川  赳君    和田 義明君
      阿部 知子君    大西 健介君
      玄葉光一郎君    篠原  豪君
      森田 俊和君    森山 浩行君
      柚木 道義君    吉田 統彦君
      江田 康幸君    古屋 範子君
      赤嶺 政賢君    塩川 鉄也君
      足立 康史君    岸本 周平君
      高井 崇志君
    …………………………………
   国務大臣
   (領土問題担当)     小此木八郎君
   防衛副大臣        中山 泰秀君
   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君
   内閣府大臣政務官     和田 義明君
   内閣府大臣政務官     吉川  赳君
   防衛大臣政務官      大西 宏幸君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  川辺英一郎君
   政府参考人
   (内閣官房領土・主権対策企画調整室土地調査検討室長)           中尾  睦君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  木村  聡君
   政府参考人
   (内閣官房領土・主権対策企画調整室土地調査検討室次長)          天河 宏文君
   政府参考人
   (内閣府総合海洋政策推進事務局長)        一見 勝之君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房首席エネルギー・地域政策統括調整官)         小澤 典明君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房技術審議官)         江口 秀二君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       川嶋 貴樹君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 岩元 達弘君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君
   内閣委員会専門員     近藤 博人君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     小田原 潔君
  高木  啓君     上杉謙太郎君
  永岡 桂子君     菅家 一郎君
  吉川  赳君     繁本  護君
  大河原雅子君     篠原  豪君
  塩川 鉄也君     赤嶺 政賢君
  岸本 周平君     高井 崇志君
同日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     高木  啓君
  小田原 潔君     池田 佳隆君
  菅家 一郎君     永岡 桂子君
  繁本  護君     吉川  赳君
  篠原  豪君     大河原雅子君
  赤嶺 政賢君     塩川 鉄也君
  高井 崇志君     岸本 周平君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案(内閣提出第六二号)
     ――――◇―――――
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木原誠二#1
○木原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官川辺英一郎君、内閣官房領土・主権対策企画調整室土地調査検討室長中尾睦君、内閣官房内閣審議官木村聡君、内閣官房領土・主権対策企画調整室土地調査検討室次長天河宏文君、内閣府総合海洋政策推進事務局長一見勝之君、経済産業省大臣官房首席エネルギー・地域政策統括調整官小澤典明君、国土交通省大臣官房技術審議官江口秀二君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官川嶋貴樹君、防衛省大臣官房審議官岩元達弘君及び防衛省地方協力局次長青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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木原誠二#2
○木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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木原誠二#3
○木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮崎政久君。
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宮崎政久#4
○宮崎委員 おはようございます。自由民主党の宮崎政久です。
 本日は、重要土地等調査規制法案についての質問の機会をいただきました。ありがとうございます。
 私の地元沖縄は、米軍基地、自衛隊の施設、海上保安庁の施設など、本法案で言うところの重要施設を多数抱えております。そうしたこともあり、多くの県民の皆さんが本法案について高い関心を持っている、その一方で、本法案について疑問をお持ちの方も少なからずいらっしゃるというのが、地元を歩いた私の印象であります。本日は、この疑問を解消するという観点から質問をしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、立法事実論をちょっとやりたいと思います。
 先日の委員会では、平和安全法制の立案を例に挙げた質疑がありました。東ティモールの日本人の経営するレストランが暴徒に囲まれた際に、自衛隊が当時の法体系では対応が困難だったことや、ゴラン高原のPKOで、日本部隊と一緒の宿営地で活動していたカナダの部隊が襲撃を受けても十分な対応ができなかった、こういった事実があったことを挙げて、こういった事実が駆けつけ警護や宿営地の共同防衛の立法事実になっているんだ、その一方で、本法案ではこうした立法事実に当たるような具体的な事実がないのではないかという指摘がありました。
 しかしながら、事実が発生してから法律を作るというのは、言ってみれば泥縄式の対応でありまして、本来であれば、事前に駆けつけ警護や宿営地の共同防衛のリスクを見積もって、適切に対応できるような条項を加えておくべきであったわけであります。もちろん、その当時の状況に鑑みて、こういう条項を加えることが立法政策上困難であったということは承知をしておりますけれども、安全保障関連の法案を審議するに当たって、具体的な事実が発生するに先立って、想定されるリスク、これを適切に見積もって、少なくとも、発生する蓋然性が高いものについては手当てをしておくということは重要なことだと思います。
 この法案も同様の観点から考えるべきだと私は思います。
 先日のこの委員会の質疑で、我が党の杉田水脈議員から、北海道の陸上自衛隊滝川駐屯地が一望できる山林を中国企業が買収し、倶知安町の陸上自衛隊倶知安駐屯地の隣接地百ヘクタールの土地も中国系の企業に買収をされている、こういう指摘がありました。また、二〇一三年には、対馬の市議会で、韓国人が対馬警備隊の駐屯地の隣接地を購入しているということが報告をされています。外国資本が自衛隊施設の周辺の不動産を購入している、こういう現実があるわけであります。
 もちろん、こうした土地の購入者が具体的に何をすると言うつもりはありませんし、購入者の国籍がどうだということを言うつもりもありません。しかし、本法案が言う重要施設の機能が阻害される潜在的なリスクというのは、今もまさに存在しているわけであります。これに対して、我が国の現行法令では重要施設周辺の不動産の利用状況を十分に調査をするすべがない、これもまた一つの現実なんです。つまり、このような現状にあること自体が、本法案の立法事実になると私は考えています。
 そもそも、立法事実というのは、今日は大学の講義じゃありませんから詳しくはやりませんけれども、私は大学の講師もやっていましたので。そもそも、立法事実というのは、その法律制定の基礎又は背景となる一般的な社会的、経済的、科学的事実をいいます。ここで一般的な事実と言っているのは、一回発生した具体的な事象をいうのではなくて、幅を持った時間軸においてそのような現実になっているという抽象化された状態を指しておりまして、よく、立法事実とは具体的な事件そのものを指すのではないと例えば裁判例であったり講学上の概念などで語られているのは、こういう意味においてでございます。
 そうしますと、考えてみると、現在の厳しい安全保障環境がある、取り返しのつかない事態にすることはできない、具体的にリスクを感じる不動産取引事象の報告がされている、にもかかわらず、我が国では不動産利用状況を調査するすべを持っていない、こういう状態にあるということが社会的な事実と言えるわけであります。これこそが、安全保障上の目的を達成するために一定の範囲の土地について利用調査ができる法律を作る必要を支えている一般的な社会的事実、つまり、これこそが立法事実であると私は考えています。
 我が国をめぐる安全保障上のリスクが高まっている、こういう現状も踏まえまして、本法案の立法事実につきまして、改めて小此木大臣の御見解を伺いたいと思います。
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小此木八郎#5
○小此木国務大臣 おはようございます。
 本法案ですが、土地の利用、取得により安全保障上重要な施設の機能阻害行為が行われるというリスクに対応することを目的として取りまとめたものであります。
 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることに鑑みれば、こうしたリスクが現実のものとなる蓋然性は相当程度あると認識しております。現状、土地の利用実態を十分に把握できる法的枠組みはなく、事後的な対応では安全保障上取り返しがつかない事態となるおそれがある、それを未然に防止し、国民の生命、身体及び財産を守ることは国の重大な責務であると考えていると申してまいりました。
 立法事実があるのかとお尋ねでありますけれども、政府としては、立法事実はあるものと考えています。
 立法事実について、過去にどのような事例が生じたのかと問われることも度々ございました。
 安全保障をめぐる環境は刻々と変化しており、近年、諸外国では、土地取得の事前審査や取引中止命令など、本法案よりも踏み込んだ措置を講じております。安全保障の確保は国の最大の責務であり、政府は、将来の安全保障上のリスクを回避するための対応を行う必要があると考えます。
 その上で、法案で想定している機能阻害行為が過去にあったのかとのお尋ねについては、その有無も含め、いつ、どこで、どのような態様で行われたかをお示しすることは、安全保障上の脆弱性を自ら明らかにし、類似性を誘発しかねないことから、適切ではないと考えております。
 なお、これまで、我が国の防衛関係施設等の周辺や国境離島等で外国資本が土地の買収を行っていることは、安全保障の観点から長年問題視されてきた課題であり、国会や地方議会でも議論がされてまいりました。この旨を繰り返し申し上げてまいりました。これは、安全保障の観点から、土地等の利用について問題意識が持たれ、対応の必要性が広く議論されてきたことを示したものであります。こうした社会的な要請があることも本法案の必要性の一つであると考えています。
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宮崎政久#6
○宮崎委員 大臣、ありがとうございます。
 平和安全法制のときもそうだったんですけれども、よく反対する皆さんの方から、立法事実がない、具体的な事実がどうだという話があるわけですけれども、立法事実というのは、先ほども御説明をしたとおり、社会的事実としてどういったものが考えられているか、今、必要性という言葉が大臣の御答弁の中にありましたけれども、それに類する部分がございます。これは、講学上の概念でもそういうふうに言われている、憲法学の中でもそういう議論はされている。私は、こういった現下の情勢をしっかり踏まえた上でこの法案の審議に入っていく必要があると思っています。
 安全保障待ったなしということもよく言います。こういったことを国民の皆様にも御理解いただいているものでありますので、この国会の審議でもしっかり皆さんと共有してやっていきたいと思っております。
 次に、生活関連施設について質問をさせていただきます。
 重要施設のうち自衛隊施設、海上保安庁の施設などは、言ってみますと、そのものずばりとも言える施設であります。これに対して生活関連施設は、国民生活に関連を有する施設であって、その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体、財産に重大な被害を生ずるおそれがあると認められるもので政令で定めるものと定められているわけであります。
 国民の生命、身体、財産に重大な被害が生じるおそれがあるかどうかというのは、技術の進歩であるとか、国際情勢を含めた内外の情勢の変動に影響を受けることも想定されますので、どういう施設がこれに当たるか、必ずしも明らかではないとも言えます。
 そこで、本法案の生活関連施設とはどういう施設が該当すると考えているか、国民保護法施行令の二十七条に生活関連等施設の規定がありますけれども、国民保護法に関連する生活関連等施設と本法案の生活関連施設を対比するなどして、この対象の範囲などについて分かりやすい御説明をいただきたいと思います。
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木村聡#7
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案に規定いたします生活関連施設、いわゆる重要インフラ施設として政令で指定する類型についてお答え申し上げたいと存じます。
 本法案は、有事を想定いたします武器攻撃事態等における措置を定める国民保護法とは異なりまして、平時を想定してございます。その前提で、防衛関係施設、重要インフラ施設等の周辺の土地等の利用につきまして、必要な措置を講じ、あらかじめそれらの機能を阻害する行為を防止しようとするものでございます。
 平時を想定いたします本法案では、生活関連施設の定義につきまして、国民保護法の生活関連等施設よりも限定的に規定をしているところでございます。具体的には、国民保護法には置かれておりません、その機能を阻害される行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるものといった規定を置いているところでございます。そうした法律の規定の制約の下で、どのような生活関連施設の類型を対象とするかにつきましては、安全保障をめぐる内外情勢などを踏まえまして、迅速かつ適切に対応できるよう、政令で指定することとさせていただいているところでございます。
 現時点では、昨年開催いたしました国土利用の実態把握等に関する有識者会議から提言のございました、原子力関係施設及び自衛隊が共用する空港について政令指定の対象とすることを検討しているところでございます。
 実際にいかなる施設類型を政令で指定するか、また、それらに該当する施設の周辺について、いかなる区域を対象区域として指定するかは、国会での御審議も踏まえ、新設いたします土地等利用状況審議会にお諮りするなど、法定する手続に沿って適切に判断してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
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宮崎政久#8
○宮崎委員 ありがとうございます。
 平時想定という言葉が冒頭あったわけでありますけれども、これ自体は否定しませんけれども、安全保障上の観点からこの法律が制定されるということについては十分御留意をいただいて、是非審議会での審議をしていただきたいと思います。私の地元も、冒頭申し上げたとおり、重要施設が多数ございますので様々な思いがございます。是非しっかりとした対応をしていただきたいと思っています。
 次に、機能阻害行為について質問をしたいと思います。
 これも、前回の委員会で多くの議員の先生方から質問が出ておりました。
 この機能阻害行為ですけれども、安全保障をめぐる国内外の情勢であるとか施設の特性などに応じて、本当に様々な態様が想定されます。私も、条文でこれを網羅的に示すということはやはり困難だと思います。科学技術の進歩に伴って想定し得ないことも起こり得るし、条文に示したら示したで、条文に示していない方法で潜脱的に機能阻害行為に及ぶということも考えられる。その一方で、条文に類型化をしなくても、基本方針には例示することになっております。基本方針はこの法案が成立してから定めるものですから、まず、現時点ではどのような行為が機能阻害行為に当たるのか、その基本的な考え方をお答えいただきたいと思います。
 また、この法案は安全保障の確保のための措置を講ずるものでありますので、一般の人の日常生活や通常の経済活動、こういったものが機能阻害行為に当たることは基本的にはないと考えておりますが、このような理解で妥当するのか、この点もお答えいただきたいと思います。
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木村聡#9
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、想定しております機能阻害行為についてお答え申し上げたいと存じます。
 中止の勧告、命令の対象となり得ます機能阻害行為といたしましては、例えば重要施設の機能に支障を来す構造物の設置でありますとか、あるいは、領海基線の根拠となります低潮線に影響を及ぼすおそれがあるその近傍の土地の形質変更などが該当し得るものと考えているところでございます。
 こうした機能阻害行為につきましては、安全保障をめぐる内外情勢や技術の動向の変化、対象となります様々な防衛関係施設、国境離島等の特性などに応じまして様々な態様が想定されるものと考えてございます。このため、法律の規定といたしまして、特定の行為を代表的あるいは普遍的な機能阻害行為ということで規定をさせていただく、あるいは例示をさせていただくということは必ずしも適切ではないと考えているところでございます。
 その一方で、対象区域の住民や事業者の方々にとって、どのような行為を行えば中止の勧告、命令の対象となり得るのかということにつきまして、できるだけ予見可能性を確保させていただくという観点から、閣議決定させていただきます基本方針では可能な限り具体的に機能阻害行為を例示させていただきたいと考えているところでございます。
 その上で、対象区域の住民や事業者の方々への影響という点で申し上げますと、平穏な日常生活を送っておられる方や一般的な経済活動として事業を営んでおられる方が機能阻害行為に対する中止の勧告、命令の対象となることは想定されないものと考えているところでございます。
 以上でございます。
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宮崎政久#10
○宮崎委員 安全保障上の配慮が必要であるということが前提になりますと、要するに、私権制限なども伴うものですから、市民生活への配慮との関係でせめぎ合いが生じるわけですね。これはもう、言ってみれば個人と個人の人権の衝突のときと同じであります。そうしますと、やはり公共の福祉をどう考えていくのかという観点が非常に重要になるわけであります。
 再三言うようであれですけれども、私たちの国において、重要施設の周辺の土地について利用するすべを持っていないという安全保障上のリスクがあるんだというこの現実に対処していくための法律であるということについても十分御理解いただいて、今御答弁のような形で、予見可能性に配慮することは大切でありますので、しっかりとした定めをまたしていただきたいと思っております。
 次に、第八条、その他関係者のところに質問をさせていただきたいと思います。
 第八条の報告徴収の対象が広範に及んで、普通に生活をしている人が土地に関して政府から質問を受けると理解しているような議論もされていると承知しています。前回の委員会でも、横須賀のマンションの居住者という例をお出しになった質疑がありました。軍艦好きで毎日写真を撮っているような場合に、御近所の人にあの人は何なんですかと聞いたところ、そんなこと言えませんよと対応したら処罰の対象になるんじゃないかという趣旨の御指摘がありました。
 しかし、私としては、御近所の人が第八条の「その他の関係者」に当たるとは到底思えません。条文上も、報告徴収の対象は「注視区域内にある土地等の利用者その他の関係者」となっています。そのため、利用者と何らかの具体的な関係がある関係者、例えば、土地の利用者が法人の場合、法人の役員であれば法人と委任関係がある、社員であれば法人と雇用関係があると言えますけれども、単に近所に住んでいるというだけでは関係性があるとは言えないと考えます。
 そこで、八条のその他関係者の範囲にはどこまでが含まれるのかということについての基本的な考えを御説明いただきたいと思いますし、また、例外的に友人とか知人が含まれるような場合があるのか、あるとすればどういう場合なのかということを示していただきたいと思います。
 前回の委員会での質疑を聞いておりまして、大臣がこの法案を提出をされている思いと随分違う方向感での質疑が、やり取りがされていたというふうに感じましたので、是非ここは小此木大臣に御答弁いただきたいと思います。
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小此木八郎#11
○小此木国務大臣 第八条に規定する報告徴収等の対象となる「その他の関係者」については、土地等の利用者のほか、土地等の利用状況を知り得る者としての、例えば、土地等の利用者が法人である場合、その役員、土地等の利用者との契約等により当該土地等における作業、工事等に従事している者、下請業者等を想定しています。
 一方、報告徴収等は、土地等の利用状況を把握するための調査の一環であることから、単に土地等の利用者の家族や知人であることを理由として報告徴収等の対象とすることは考えておりません。
 なお、家族や知人で、例えば、土地等の利用者と共同で対象となる土地等を利用して重要施設の機能阻害行為を行っている場合には報告徴収等の対象となり得るものと考えております。
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宮崎政久#12
○宮崎委員 ありがとうございます。
 今、最後に触れられた点というのは、まさに、実際、機能阻害行為をやっている人に当たったり、共犯的な立場に立っているというふうにも言えますので、基本的には、その他関係者というところであれば、具体的な関係がある者というようなことになることは当然であるということは、お答えの中からも読み取れるかと思っておりますので、是非、こういったところで、趣旨をちょっと逸脱するような形で、いたずらに不安だけを広げるようなやり取りというのは私は慎むべきじゃないかなと思っております。
 次に、調査内容について伺いたいと思います。
 調査内容としては、思想、信条が調査されることがあるのではないかという誤解があることも承知をしています。さきの本会議でも、不動産登記簿などの公簿情報にとどまらず、職歴、海外渡航歴、思想、信条、家族、交友関係まで調査することになるのではないかという御質問もあったところであります。
 土地利用状況調査の趣旨、目的からすれば、そういうことはない、とても考え難いと思いますけれども、政府の方から、こういう考えで間違いないかどうか、御説明いただきたいと思います。
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木村聡#13
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案に基づく調査は、注視区域内にあります土地等の利用状況を把握するために行うものでございます。
 第七条におきまして、内閣総理大臣が、調査の一環として、関係行政機関の長等に提供を求めることができる情報は、氏名、住所など、土地等の利用者やその利用目的等を特定するために必要な情報に限られているところでございます。
 また、第八条において、内閣総理大臣は、注視区域内にあります土地等の利用者等に対しまして、報告徴収等を行うことができることとなってございますが、報告等を求めることができる事項は、条文上、当該土地等の利用に関するものに限定されているところでございます。
 このため、本法案に基づきます調査は、注視区域内にあります土地等の利用者等につきまして、その土地等の利用に関連しない、例えば、特定の政治思想を持っているか否かを調査するものではなく、御指摘のございました思想、信条等に係る情報を収集することは想定していないということでございます。
 以上でございます。
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宮崎政久#14
○宮崎委員 ありがとうございました。
 次に、収用の件について伺いたいと思います。
 これは、前回の委員会で足立委員からも質疑がされて、かなり充実した、がっちりしたやり取りがされたと記憶しておりますけれども、ちょっともう一回質問したいと思います。
 有識者会議では、土地収用制度を設けることについては、私権制限の程度が大きくて、今般の制度的枠組みの実施状況などを見極めた上で、慎重に検討していくべき、そういう結論であったと承知をしております。
 その一方で、安全保障の問題というのは、あらゆるリスクを見積もった上で、短期的ではなくて、長期的なビジョンを持って取り組んでいくということが絶対に不可欠であります。ただ単に将来の検討課題とするだけでは私は不十分だなと思っています。
 また、収用制度は、公共事業の実施などの具体化された公共の利益の実現のために行われるものでありますけれども、安全保障環境によっては、公共の利益という観点から考えると、より収用の必要性が高い事案というのも発生する可能性は否定できない、そう思います。
 こういった現実もしっかり踏まえた上で考えてみる、そういった場合に、将来どういった検討をするべきなのか、現状、今どういった検討がされているのか、政府の見解をお聞きしたいと思います。
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木村聡#15
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案は、改めての答弁になりますけれども、重要施設等の機能を阻害する行為を防止するために、土地等の利用状況を調査し、必要に応じて利用規制を行わせていただくというものでございます。
 一方、そうした機能阻害行為としての土地等の利用を防止するために、土地等の収用といった私権制限の程度が大きい措置を設けることにつきましては、有識者会議の提言におきまして、「今般の制度的枠組みの実施状況、有効性等を見極めた上で、安全保障を巡る国際情勢、諸外国の取組等も踏まえ、慎重に検討していくべき」ということとされたところでございます。
 このため、まずは、本法案に基づきます調査及び利用規制によって対応させていただくということとし、運用の実態をしっかり確認をさせていただきたいと考えてございます。その上で、附則第二条に基づく五年後の見直しの中で、御指摘のございました措置の要否も含めて、更なる政策対応の在り方についてしっかり検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
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宮崎政久#16
○宮崎委員 ありがとうございます。
 なかなか現時点で、政府答弁としてどこまでいけるかといったところだと思いますけれども。やはり安全保障の問題というのは非常に、先ほども触れましたけれども、機微に触れるところもある、また、ある程度きちっとした将来の我が国の在り方というところもしっかり見据えないといけないと思いますので、五年後見直し、重要だと思っております。きっちり取り組んでいただきたいと思っています。
 次に、公表の件についてお聞きしたいと思います。
 本法案について、やはり国民の皆様の関心、非常に高いと思います。我が国に限りませんけれども、例えば、個人にとって不動産というのは非常に価値の高いものですから、自分が住んでいる場所が注視区域、特別注視区域に含まれるのか否か、含まれるとした場合に勧告、命令などがどのように実施されるのかについては、重要施設周辺にお住まいの方々が関心を持つのは当然のことであります。
 私の地元も、宜野湾市の普天間飛行場、嘉手納町を始めとする三市町村にある嘉手納エアベース、また、補給のキャンプ・キンザーが浦添市にもございます。また、様々な施設もございますので、当然、地元でも関心の高いところです。
 また、国民の皆さんの多くにとっては、この法案は、安全保障の確保をより確実なものにしてもらいたいという期待が高いということも事実であります。経済活動への影響や個人情報の保護などに対する心配の声と安全保障の確保の両立を図るためには、法律の施行状況についてしっかりと取りまとめること、そして、国会を含めて、広く国民の皆様に対して公表をしていくことは不可欠であり、大変重要な点だと思います。民主主義国家である我が国で機微にわたる安全保障に関する法制をつくるわけでありますから、こういった取組をしっかりこれからもやっていく必要があると思っております。
 この点についてはどう取り組むのか、やはり大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
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小此木八郎#17
○小此木国務大臣 本法案に基づく調査ですが、個人情報の収集を含むものであり、また、勧告や命令といった規制を行うものであることから、適正手続に基づく執行と国民への情報開示が重要であると考えています。
 このため、本法案に基づく勧告、命令を行うに当たっては、政府として、対象となる個々の行為について法律の要件や基本方針の内容に照らして適切に評価するとともに、勧告に先立ち、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、それらの要否、内容等について慎重に判断をしてまいります。また、本法案に基づく措置の実施状況については、毎年、国会を含め、広く国民に対して公表することを想定しております。
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宮崎政久#18
○宮崎委員 ありがとうございました。
 私、今日質疑の中で、安全保障上の必要性の方に大分、何度も触れて発問をいたしました。しかし、これは野党の先生方からの御指摘もあったりする、やはり国民の権利利益をしっかり保護をする、こういったことはもちろん大切であります。これをないがしろにしていいなんということは全くありません。
 こういったことをしっかりバランスを取りながら法整備をしていく、そして、国民の安全、そして不安が生じないようにしていく、こういった取組をこの法制はしようとしている、こういったところにも、是非、この審議に関わっていただいている与党、野党の先生方にも共有したいと思っているところでございます。
 今日は気持ちを入れ過ぎて早口でしゃべったものですから、そろそろ終わりそうになっておりますので、濱村さん、よろしくお願いいたします。
 この法案の中心は、気づいたときには手遅れだったということにできないので、安全保障上の観点から、適切な情報収集ができるようにしよう、そういうことだと私は思います。
 私権制限との関係で、沖縄の米軍基地が市街地にあることを指摘する御質疑もありました。私の地元のことですから言いますけれども、まず誤解しちゃいけないのは、通常の生活を送る地域の住民や、地元の企業が行う経済活動、通常の土地の利用、これは制約を受けないということです。
 私の事務所は、沖縄県の宜野湾市にあります。普天間飛行場のすぐ近くにあります。窓からは、オスプレイ始め航空機が離発着をするのが窓から見て取れる、そんな場所にあります。そこで生活をしている者からすると、基地周辺の土地について不安が生じることがないようにしてもらいたいという思いは正直あります。
 例えば、冒頭に紹介したように、基地周辺の土地を広大な面積で外国企業が買いあさっているとしたら、しかもそれが自分が生活する場所の近くでとなったらどうでしょうか。わざわざうちの近所の基地の近くの土地を外国の企業が大規模に購入するというのはどういう趣旨なんだろうか、この先何か不穏なことが起きないだろうか、やはり心配になります。こうなったら政府にはちゃんと調べてほしい、そう思います。
 御審議をいただいている与野党の先生方にも、御自分が生活する場所の近くでこういった指摘をされている事象が起きたと置き換えて考えていただければ、こういった思いも御理解いただけるのではないかなと私は思って、この法案の審議に関わらせていただいております。
 つまり、国家国民の安全保障を脅かしかねない不透明な土地の利用に一定のルールをかけるということは、米軍基地を含めた重要施設周辺の住民の不安を適切に解消するということにもなるわけです。こういったことをしっかり理解をしていただいて、私は、あたら不安だけを広げるというのではなくて、きちんと審議をした上で皆さんの理解をいただきたいと思っています。
 今日、小此木大臣、また政府から丁寧に御説明いただいたと思っております。今日のように今後も是非丁寧な御説明を続けていただきまして、広く国民の皆様の理解を得るように努めていただきたい、これを切にお願いを申し上げまして、私の本日の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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木原誠二#19
○木原委員長 次に、濱村進君。
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濱村進#20
○濱村委員 公明党の濱村進でございます。
 今の宮崎先生の質疑、非常にすばらしい質疑だなと思いました。沖縄選出の先生でいらっしゃいますし、沖縄に住まわれる方々の気持ちをしっかり代弁されておられたんじゃないかということを強く感じたものでございます。私も、そのような熱意をしっかり帯びた上で、今日質疑をさせていただきたいと思っております。
 前回の質疑、五月二十一日の質疑で、ちょっと誤解が生じる発言がございましたので、少し確認的にお話をしたいと思います。
 土地収用の規定ぶりについてでございますが、足立先生から質問があった中で、足立先生からは、「ちょっとどこかに気を遣い過ぎじゃないかと。どこかというのはどこかですけれども。与党でいえば公明党」と名指しをいただいたものでございますので、まず、ここは事実確認をしたいと思います。
 私からすれば、これは事実誤認だろうと思っておりまして、というのは、有識者会議における提言で既に、土地は、買取りを申し出る措置を設けることを検討すべきとされているんですね。これが事実だと思っております。逆に言うと、土地収用については慎重に検討していくべきと明確に記載されておるということでございますので、この点だけちょっと、政府の認識を伺いたいと思います。
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木村聡#21
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案では、御指摘ございましたように、土地等の収用を行う制度を設けていないところでございます。これは、昨年開催いたしました国土利用の実態把握等に関する有識者会議、この提言におきまして、土地等の収用につきまして、「今般の制度的枠組みの実施状況、有効性等を見極めた上で、安全保障を巡る国際情勢、諸外国の取組等も踏まえ、慎重に検討していくべき」とされたことを踏まえたことによるものでございます。
 一方で、有識者会議の提言におきましては、これに先立って、「安全保障の観点から、政府として、リスク顕在化への備えとして前広に対応することが求められる」として、土地の買取りを申し出る措置を設けておくべきとされたことは濱村先生も御案内のとおりかと存じます。
 こうした経緯を踏まえまして、強制性のない措置として、第二十三条におきまして、国による土地の買取り等の措置を盛り込んだところでございます。
 以上でございます。
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濱村進#22
○濱村委員 まず、土地収用について気を遣ったという事実はございません。
 ただし、政府の皆様におかれては、公明党の議論の中で非常に時間がかかって議論を重ねてまいったので、その点において、議論を深めるための御努力として非常にしっかりおつき合いをいただいたという意味では十分な気を遣っていただいておると思いますし、また、自民党さんにも様々、こういう規定ぶりは内容としてどう思っているかということについて確認をさせていただいた点についても感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 公明党の中での議論として少しだけ土地収用に関連する点でつけ加えれば、実は、党の会議の中で、国境離島については収用ができる規定があってもいいんじゃないかというような意見が出ました。実は、この意見について、賛同者はその場においては見受けられなかったというのがございます。その場ということでございますので、党全体の話というわけでは決してございませんが、一応、そういう意見も出たりはしましたけれども、賛同者はいなかった。
 ちなみに、そういう意見を言ったのが私だったんですが、誰一人賛同がいなくて寂しかったということを、個人的感想を述べておきたいと思います。
 その上で言うと、この法案、非常に、極めて常識的といいますかバランスが絶妙だなと思っているんですが、機能阻害行為の防止の点についてもちょっと確認したいんですけれども、不適切な土地の利用について取引中止の命令ができる等の取得規制については措置されておりません。これは既に、あらかじめ規制の基準や要件を明確に定めることが困難であり、慎重に検討すべきという有識者会議の提言に沿ったところなんです。ここも、有識者会議の皆様の提言が非常に、慎重に検討すべきということが要請されているという点です。
 一方で、機能阻害行為について中止の勧告、命令を行うことにはなっておりますが、さらに、必要に応じて国が土地の買取りの申出を行うことができるようになっております。これは機能阻害行為を防止する目的を達成するための措置なんですけれども、取引規制ができるようになっていることと比較して、この実効性についてはどのように評価したらよろしいか、伺いたいと思います。
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木村聡#23
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘ございましたとおり、取引規制につきましては、有識者会議の提言では、あらかじめ規制の基準や要件を明確に定めることが困難であり、慎重に検討すべきとされたことを踏まえまして、本法案では、私権制限の程度が強い取引規制は導入しないということにさせていただいたところでございます。
 本法は、重要施設等の機能阻害行為を防止することを目的といたしまして、その拠点となり得る土地等の利用実態を調査した上で、必要に応じて利用規制を行うものでございます。
 本法案に基づきます調査では、不動産登記簿や住民基本台帳等の公簿収集だけではなくて、土地等の利用者等から報告徴収を行うということも考えているところでございます。
 また、防衛施設等の重要施設を所管する関係省庁でありますとか、あるいは当該施設を管理する事業者などから、機能阻害行為の兆候等に係ります情報提供を受けることも想定しているところでございます。
 申し上げましたような多様な方法を通じまして具体的な実態把握を行い、適時適切に必要な利用規制を発動することによりまして、機能阻害行為を防止するという観点から、取引規制と比較しても遜色のない実効性の確保に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
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濱村進#24
○濱村委員 この法案が極めて絶妙なバランスを持っていてぎりぎりの規定ぶりだというふうに私は思っているんですが、今おっしゃっていただいたとおり取引規制がないということで、法案全体でいえば、狭い意味での私権制限というのは機能阻害行為の中止について命令できるということだと私は思っております。これは十分許容できるレベルなんじゃないかと思っておりますし、法案全体を通して見ても、悪質な者に対して縛りをかけるということは極めて重要なので、そのために必要な規定は、機能阻害行為に対して様々縛りをかけていくことであろうと思っておりますが、このことについては、条文上で類型化してしまっては潜脱的になる、だから基本方針で示すということ、私はこれでいいと思っています。
 その上で、一方の、経済活動としての土地取引というのは大半が善意による経済活動でございますから、違反すると罰則のかかる事前届出や調査については予見可能性を高める努力が必要だと思っております。こういうバランスを持っているかどうかということは非常に重要だと思っております。
 予見可能性を高める努力という意味でいうと、区域指定される防衛施設が類型化されていたり、また、経済的社会的観点から留意することとしております。特別注視区域で事前届出の対象となるのは、所有権や取得を目的とする権利、買戻し権とかですね、こういうもののみであって、賃借権は対象外となっております。非常に私はバランスの取れた法案だと思っております。
 その上で、前回ちょっと聞き切れなかったことで、事前届出について伺いたいと思います。
 これは、大半が善意による経済活動と言える土地取引について関連するものでございますけれども、事前届出しなければ罰則が適用されることになります。
 この罰則が適用されることについていろいろな意見があったりするんですが、例えば国土利用計画法第四十七条では同様の規定があって、六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金が適用されます。ほかの法律においても、公拡法ですね、公有地の拡大の推進に関する法律においても規定があったりするわけですけれども、そうしたほかの法案と比較した上での本法案の事前届出についての罰則適用は妥当性があるのかどうか、どのように評価するべきと考えますか、伺います。
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木村聡#25
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 国土利用計画法に基づきます取引の事前届出は、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るために設けられた措置であるというふうに承知をしてございます。対象区域内の一定面積以上の土地について、取引を随時把握いたしますために都道府県知事への事前届出を義務づけるものとなっているところでございます。
 本法案では、我が国を取り巻きます安全保障環境が厳しさを増しているということを踏まえまして、土地等の利用者を正確かつ適時に把握し、重要施設そして国境離島等の機能を阻害する行為の防止に資する措置として、事前届出を導入しようと考えているところでございます。
 この事前届出につきましては、国土利用計画法のそれとは趣旨、目的は異なるわけでございますけれども、土地に関する取引を随時把握し、機能阻害行為の用に供されることを防止するための手段として、同法の仕組みを参考とすることとさせていただきました。
 事前届出に関する罰則は、事前届出の実効性を担保し、必要な情報を確実に収集するために必要なものと考えているところでございます。
 以上でございます。
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濱村進#26
○濱村委員 事前届出は、対象となる権利は所有権又はその取得を目的とする買戻し権とかの権利に限定されて、賃借権については除外になりました。理由について伺います。
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木村聡#27
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘ございました、事前届出の対象となる権利の種類を所有権又はその取得を目的とする権利に限定し、賃借権を対象としなかった理由でございますけれども、所有権の保障の程度と比較いたしますと、賃借権は、通常はその期限が限定されている時限的なものであること、契約の解除等により消滅し得るものであることなどを勘案したことによるところでございます。
 一方で、重要施設等の機能を阻害する行為を防止するために、所有権のみならず賃借権を含むその他の権利に基づいて土地等を利用している者につきましても、利用状況の調査や勧告や命令等を行うこととさせていただいているところでございます。
 以上でございます。
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濱村進#28
○濱村委員 ありがとうございます。
 今審議官からお答えいただいたとおりで、国土利用計画法とかあるいは公拡法と比較しても妥当なものかなと私は評価しております。
 ちなみに、公拡法について言えば、公共施設の整備が予定されている区域内等に所在します一定規模、二百平米以上の土地等が対象になりますが、この有償譲渡について都道府県知事又は市長への事前届出を義務づけております。それで、地方公共団体等による先買い協議の措置が講じられております。
 ちなみに、平成三十年度の届出件数は四千八百三十一件あったということで、こういう事前届出する行為について、世の中でしっかり運用されているということも含めて、ちゃんと今回のこの法案による事前届出もしっかり運用されていきたいというふうに願うものでございます。
 続いて、不動産取引への影響について伺いたいと思いますが、注視区域や特別注視区域に対して報告徴収あるいは事前届出等の適用を受けることによって、土地等の取引や地価への影響が出るのではないかという意見が出ました。これについてはどのように考えるのか、伺います。
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天河宏文#29
○天河政府参考人 お答えいたします。
 本法案に基づきまして注視区域、特別注視区域が指定されますと、報告徴収、勧告、命令が発出される場合がございます。
 報告徴収につきましては、関係行政機関の長等に情報提供を求めた結果、土地等利用状況調査のためになお必要がある場合、その場合に取れる限定的な措置とされておりますし、勧告、命令につきましては、重要施設等の機能を阻害する行為等を対象とする旨が規定されております。
 また、特別注視区域内の土地等の所有権等の移転等の届出義務につきましては、お話のありました国土利用計画法、公有地拡大の推進に関する法律に設けられております届出制度と異なりまして、届出後の譲渡制限期間が設定されておりません。そういった意味で、この二つの法律の届出制度と比べまして、より権利制限が少ない制度となっております。
 こうしたことに鑑みますと、本法案に基づく報告徴収や事前届出等の措置は、不動産の通常の使用収益あるいは処分を制約する可能性は低く、不動産取引、地価に影響を及ぼす可能性は小さいものと考えております。
 以上でございます。
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