予算委員会

1957-03-07 衆議院 全226発言

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会議録情報#0
昭和三十二年三月七日(木曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 山崎  巖君
   理事 江崎 真澄君 理事 川崎 秀二君
   理事 河野 金昇君 理事 小坂善太郎君
   理当 重政 誠之君 理事 川俣 清音君
   理事 柳田 秀一君
      今井  耕君    植木庚子郎君
      宇都宮徳馬君    太田 正孝君
      大橋 武夫君    小川 半次君
      荻野 豊平君    上林山榮吉君
      北村徳太郎君    小泉 純也君
      河本 敏夫君    坂田 道太君
      周東 英雄君    中曽根康弘君
      楢橋  渡君    野田 卯一君
      橋本 龍伍君    福田 赳夫君
      船田  中君    古井 喜實君
      三浦 一雄君    南  好雄君
      山本 勝市君    山本 猛夫君
      石橋 政嗣君    井手 以誠君
      井堀 繁雄君    今澄  勇君
      岡  良一君    勝間田清一君
      河野  密君    小平  忠君
      島上善五郎君    辻原 弘市君
      成田 知巳君    西村 榮一君
      古屋 貞雄君    森 三樹二君
      矢尾喜三郎君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  岸  信介君
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
        農 林 大 臣 井出一太郎君
        通商産業大臣  水田三喜男君
        運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君
        労 働 大 臣 松浦周太郎君
        建 設 大 臣 南條 徳男君
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
       国 務 大 臣 大久保留次郎君
        国 務 大 臣 田中伊三次君
        国 務 大 臣 小滝  彬君
 出席政府委員
        内閣官房長官  石田 博英君
        法制局長官   林  修三君
        人事院総裁   淺井  清君
        公正取引委員会
        委員長     横田 正俊君
        大蔵事務官
        (主計局長)  森永貞一郎君
        食糧庁長官   小倉 武一君
 委員外の出席者
        専  門  員 岡林 清英君
    —————————————
三月七日
 委員松本瀧藏君、石橋政嗣君、井堀繁雄君、岡
 良一君及び横路節雄君辞任につき、その補欠と
 して橋本龍伍君、小松幹君、滝井義高君、田原
 春次君及び矢尾喜三郎君が議長の指名で委員に
 選任された。
同 日
 委員滝井義高君辞任につき、その補欠として井
 堀繁雄君が議長の指名で委員に選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和三十二年度一般会計予算
 昭和三十二年度特別会計予算
 昭和三十二年度政府関係機関予算
 昭和三十一年度一般会計予算補正(第1号)
 昭和三十一年度特別会計予算補正算(特第1号)
    —————————————
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山崎巖#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十二年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。小平忠君。
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小平忠#2
○小平(忠)委員 外務大臣にお伺いいたしますが、昨日も本委員会におきまして井出農林大臣から御答弁ありましたその結果によりますと、目下会談中の日ソ漁業問題についての見通しも、近くその結論が出るやにうかがわれるのであります。私は、日ソの国交回復が一応軌道に乗りまして、問題は、一日も早く日本とソ連との完全なる平和条約の締結を全国民は念願をいたしておると思うのであります。特に一応暫定協定といいますか、領土問題はたな上げになっておりますし、歯舞、色丹等につきましても、一日も早き復帰を念願いたしておるのであります。こういうことから、外務大臣は就任早々この問題を真剣にお考えになっておられると思いますが、一体現在の見通しからいいまして、日ソの正式なる平和条約締結の見通し、大体いつごろに想定されておられるか、まず外務大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。
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岸信介#3
○岸国務大臣 かねてお答え申し上げましたように、日ソの平和条約締結の問題は、日ソ間において最も困難なる領土問題の解決を含んでおるわけであります。しかしこの領土問題に関する両国の主張は、御承知のように真正面に衝突をいたしておりまして、これについての妥結を見るを得なくて、そうしてこの問題を継続審議の形で将来に残したわけであります。今日国交正常化しまして、大使館を交換して、そうして両国の友好関係、親善関係をこれから増進していく、それには具体的に言いますと、まだソ連国内において抑留されておるあるいは消息不明の者、日本に帰りたいという希望を持って帰ることのできない相当数の人がおる。この事情を一日も早く明らかにする、あるいは今東京において交渉中の漁業交渉、さらに進んで通商協定をやる等、こういうものを積み重ねて参りまして、彼我両国の間において友好関係が一そう増進され、またソ連側におきましても、日本国民の要望であり、国民の気持であるというようなこともわかってくるということになって、初めて領土問題というむずかしい問題に取り組むのが適当じゃないか、すぐいきなり領土問題に取り組んでみましても、ちょうどロンドン及びモスクワの会議をただ繰り返すだけの結果に終るおそれが多分にある。従ってまず今申したようなことをこの際は早急に解決をしていく、そうして両国の友好関係と親善関係の基礎を作って、そうしてこの領土問題の話をしたい、こういうのが私の大体の考え方でございます。今、いついかなる時期にやるかということを明確に申し上げることはできませんけれども、私はそれを非常に長い将来に置くつもりはございません。
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小平忠#4
○小平(忠)委員 ただいま官房長官から、きわめて重要な用事がありますために、ぜひ先にというお話がありまして、外務大臣非常に恐縮でございますが、外務大臣にお伺いしますのを割愛願っておきます。
 実は官房長官にお伺いいたしてあきたいと思いますことは、内閣に一応所管されております公正取引委員会であります。この公正取引委員会の最近におきまする運営につきまし、いろいろな情報をわれわれは耳にいたすのであります。特に最近の事例といたしましては、酪農の問題を中心にいたしまして、青森県の三八地区、この集約酪農地区設定をめぐりまして、この問題が独占禁止法に抵触するやの事件が起りまして、これに公正取引委員会が関与し、これをめぐる明治、森永あるいは雪印等々のこれらの会社が非常に動揺をいたし、現地の酪農民もまたこれに端を発しまして、全国の酪農民が非常に動揺いたしております。従いまして一体この公正取引委員会というものはだれが任命し、だれが監督をし、だれが所管しておるのか、私は少くとも内閣の官房長官は、特に内閣がこれを任命するという立場に置かれておるので、人事権についてはおありになると思うのでありますが、そういう心について官房長官の所見をまず承わっておきたいと思うのであります。
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石田博英#5
○石田(博)政府委員 お答えを申し上げます。公正取引委員会と内閣の関係でありますが、公正取引委員会は内閣の所轄に属します。しかしこれは司法機関でありまして、私どもが所轄いたしておりまする権限の内容は、委員の任命と予算関係の事項に限られておるのであります。従って業務に関して干渉、監督その他はいたさない建前になっておりますので、詳細は横田委員長からお聞き取りを願いたいと思います。
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小平忠#6
○小平(忠)委員 官房長官にお伺いをいたしますが、そういたしますと、かりにその公正取引委員会の運営がきわめて非民主的である、また委員長の考え方がどうも国民といたしまして理解し得ないというような、妥当性を欠く委員会の運営あるいは処理等があった場合に、これは任期が来なければその委員をかえるとか、あるいはそういった問題はできない仕組みになっているのですか。
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石田博英#7
○石田(博)政府委員 法律上の詳細の規定は、ちょっと私明確にはお答えできません。法制局長官なりに答えていただきますが、司法機関でありますから、任期が来た場合に、これは更迭させるという建前になっていると思います。
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小平忠#8
○小平(忠)委員 それらの問題は後刻お伺いいたしますが、それで、官房長官は、一応内閣に所属している、人事権は一応内閣にあるということですが、昨年から全国的に起きておりますこの集約酪農地区設定をめぐりまして、公取が独禁法違反であるというようなことから、いろいろ全国的に酪農民の間で重大なる関心と、今後の成り行きについて非常に心配をいたしております。この問題について、御存じでありますか。
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石田博英#9
○石田(博)政府委員 詳細なこと、さらに全部にわたっては存じておりませんが、一部分について酪農関係の事件に公正取引委員会が審査を開始しているという事実は承知いたしております。
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小平忠#10
○小平(忠)委員 内容につきましては後刻公正取引委員長からお伺いいたしますが、それによってはまた別な機会に官房長官にお伺いいたしたいと思いますからこれで終ります。
 外務大臣、大へん失礼いたしました。先ほど日ソの平和条約締結の見通し、時期につきまして、大臣はなるべく早く、そう遠くない機会にという一つのめどを持ってと、おっしゃられたのでありますが、これは相手があることでありますから断定はできませんけれども、遠くない時期といいましても、一応そのめどが年内かあるいは来年か、こういった大まかなめどはいかがなものでございましょうか。
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岸信介#11
○岸国務大臣 今、両国で大使館を交換して、私の方も大使を任命いたしまして向うに着任したばかりでございます。従って大使館をこれからある程度整備しなければなりませんし、今申しましたような非常に急ぐ問題すなわち消息不明、引揚者の問題というものは、こちらの遺族やあるいは留守家族の人々の気持から申しましても急いでやらなければならない。また漁業の問題は今東京で何しておりますが、これがどういうふうに解決するかということ。それからさらに続いて通商関係についての話し合いが行われると思います。こういうことをいろいろ考えてみますと、私は年内に今申したようなこと、平和条約についての話し合いを始めるということはとうてい考えられないのではないか、もう少し先の問題である。それなら来年春にやるか夏にやるかというふうなことにつきましては、いろいろな国際情勢また向うの国の様子等もにらみ合せなければなりませんから、私としては段階的に、まず第一段は今申したようなことに本年中に着手し、相当のめどを立てていきたい、こう思っておりますから、そのあとで引き続いて考えたい、こういうのが私の大体の心づもりであります。
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小平忠#12
○小平(忠)委員 日ソの平和条約締結の大きな懸案の事項として、問題はやはり領土問題にしぼられると思うのでありますが、その領土問題の中での問題点はやはり南千島であります、国後、択捉の返還問題、これはきわめて重大な問題であろうと思うのであります。国後、択捉につきましては、歴史的にもあるいは過去のあらゆる観点から見ても、日本固有の領土であるということは、これは全国民がひとしく認識をいたしておる点であります。従いましてこの点について、外務大臣は、今後やはり日本の固有の領土であるという観点から、最後までこの復帰について主張なさる考えか、あるいはサンフランシスコ条約の関係もあるから成り行きを見る以外にないというようなお考えなのか。この点について、きわめて重要な点でありますから、外務大臣就任早々の機会でありますけれども、お伺いしておきたいと思うのであります。
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岸信介#13
○岸国務大臣 領土問題につきまして、特に国後、択捉の問題はこれは今小平君の言われる通り、日本国民の日本領土としての確信は動かざる強いものがございます。これは歴史的にもいろいろな点からこれが裏づけられると思いますが、その主張はロンドン及びモスクワで一貫して日本も主張して参っております。私自身もその点においては国民の一致しておる確信の上に立って、将来領土問題の交渉におきましては、南千島の日本への帰属というものをはっきりさしてこれを解決しなければならぬという信念に立っております。
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小平忠#14
○小平(忠)委員 この点は特に鳩山前総理が病躯、老体をひっさげてモスクワまで行かれて一応妥結を見て、日ソの国交回復の一つの新段階をお作りになった、岸さんがその跡を継がれての今度は総理であり、外務大臣としまして、ぜひこれはほんとうに誠意、熱意を持ってこの問題解決のために努力されることを特に私は期待いたしたいのであります。
 あわせまして、単に南千島だけでなく、われわれの主張は北千島であり、あるいは南樺太、非常に主張は多いのでありますが、今日の世界の二大陣営、その中にありまするわが国の地位等々を考えてみますると、それはなかなか困難な問題だろうと思うのです。その中で、これは外務大臣の所管する事項でないかもしれません。しかし総理大臣として、最近日本海あるいはオホーツク海等の魚族の関係が非常に変ってきております。特に間宮海峡の埋め立て問題が数年前からいろいろ議論されております。一昨年は正式に、間宮海峡の沿海州側と樺太側からの防波堤がだんだん接近して、あと二マイル近くになったという報道があり、現に見てきたという人があります。さらに最近におきましては、木材船の船長が、完全につながれた、こういうことも新聞に報道されたことがあるのであります。従いまして、この関係は一体政府がどの程度現実に把握されておるのか、もし完全にこの防波堤が両方から接近して、つながれておる場合に、一体日本海というものに海洋上、気象上影響はないのか、こういう点についてお調べになっておりますならば、この機会に私はお聞かせ願いたいと思うわけです。
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岸信介#15
○岸国務大臣 私どもの承知しておるところでは、今いろいろな新聞その他に現われておる情報以外に正確な資料はまだ持ち合せておりません。しかしソ連内においてこれは相当前から研究されておる問題でありまして、この間宮海峡の埋め立てとか、あるいはトンネルでつなぐとか、あるいは橋梁をかけるとか、いろいろな計画が従来からあったことも伝えられておるのでありますが、それがもしも両方がつながれたというような場合におきましては、海流に相当な変化を起し、従って気象やあるいは魚族等の関係にも非常な影響のある問題だと思います。今までのところは正確なものを持ちませんので、十分一つ調べてみたいと思います。
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小平忠#16
○小平(忠)委員 これは確かに関宮海峡がもし完全に沿海州側と樺太側が接続されて、埋立が完成したという場合におきましては、私は北洋から日本海に参ります寒流が、こういうことによって魚族の変化は当然だと思う。これは気象上にも大きな変更がありましょうし、現に戦後北海道沿岸のニシンというものがだんだんとれなくなって、北へ北へと進んでいる状態あるいは鮭鱒の問題にいたしましても、これは非常に変りつつある。こういうことから私は、日ソの関係も御承知のようなきわめてよき段階に進みつつあるのでありますから、的確な調査をされまして、もし間宮海峡がもう完全に埋め立てられておるということならば、それによってすみやかに海流あるいは気象その他の問題に関しましても対策を講ずべきである。こう考えますので、一つ善処方を願いたいと思うのであります。
 次にお伺いをいたしたいのは岸さんは外交の基調として自主独立外交を、特に施政演説の中にも、所信表明の中にも表明されたわけであります。これは岸さん流に自主独立外交というものを進めていくという場合に、アメリカに対しましても、ソ連に対しましても同一の考え方でいこうとなさるのであるか。それは違うんだ、従来の保守党としては、サンフランシスコ条約を契機に、明確に自由主義陣営、自由主義国家群に参加しているのであるから、共産主義国家群に対しましてはこれは別だという、一つの基本的な考え方のもとに自主独立の外交を進めていくというのでありますか。それはきはめて重要な点だと思うのであります。この予算委員会におきましても、日中の国交回復、あるいは東南アジアの貿易の振興、こういった問題等を今後推進していく場合にきわめて量要な問題だろうと思うのでありまして、この点に関するあなたの所信のほどを承わっておきたいと思うのであります。
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岸信介#17
○岸国務大臣 私が自主独立の外交を強調いたしているのは、これは言うまでもなく、国際的立場に立って日本の進んでいく道をあくまでも自主独立の見地から切り開いていこうという考え方であります。従いまして、その態度の根本につきましては、ソ連に対するも、アメリカに対するも、これは変ってはおりません。あくまでも日本の自主独立の立場から、日本の主張すべきものは主張し、日本の要求すべきところは要求し、親善を進めていくべきものは親善を進めていくというこの根本につきましては、何らの変りはございません。しかしながら、日本が現実に各種の具体的な問題を処理していく上におきまして、いろいろな問題がございます。また国際的の立場も日本は一つの何があると思う。というのは、私どもの政治の信念としては、やはり民主主義国家として日本を完成することにあり、自由と平和をわれわれの念願といたすものでありますから、そういう見地に立って、われわれは平和を愛好し、自由を愛好する国々との間の関係を一そう緊密ならしめていくことは当然であります。また日米の関係におきましては、御承知の通り、ここでもずいぶん議論になりました日米共同安全保障の体制が今日はサンフランシスコ条約及びこれに関連している安保条約等の一連のものからできております。これは現実にそういう事態を持っているわけです。そうしてしかも日本の国際的立場を将来進めていく上において望ましくない点もございますけれども、大きくいえばそれが一つの日本の安全保障の機関になっておるという現実に基きまして、アメリカとの関係におきましては、これらの問題を処理していかなければならぬ。しかしそれはやはり自主独立の考え方でいくということでございまして、考え方の心組みは同じでありますけれども、いろいろなものを処理していき、また問題点はそういうふうにおのずから違ってくることは当然であると思っております。
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小平忠#18
○小平(忠)委員 そういたしますと、あえてサンフランシスコ平和条約等に拘束されずに、アメリカに対しましてもソ連に対しましても、いずれの陣営に対しましても、同じ立場、ほんとうに自主的な立場に立った外交を進めていくと解釈してよろしゅうございますか。
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岸信介#19
○岸国務大臣 ちょっと誤解があってはいけませんけれども、サンフランシスコ条約にもとらわれずという考え方ではございません。われわれはやはり国際間の条約というものは、これを守っていくという国際信義の上に立たなければなりませんし、従いまして今すべての国に対する心がまえは、自主独立で同じであるけれども、今あるいろいろな条約体制はこれを尊重し、これに基いての一つの国際関係というものは当然あるということは言うを待たないのであります。
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小平忠#20
○小平(忠)委員 私は外務大臣の御答弁を承わっておりますと、結局あなたの自主独立外交というのは詭弁にすぎないと思うわけです。なぜならば、それは現在国際的な立場に立って、外国とそれぞれ条約等の締結をされることは当然なことなんです。ですから私はあえてサンフランシスコ条約にとらわれず、それに縛られず、やはり基本的なものは、いずれの陣営に対しましても同じ立場でもって自主独立の外交を進めていくということを伺ったのですが、あなたはやはりそれにこだわっているということは、今までこの委員会におきましても、二つの中国を認める、認めないの問題が論争され、日中の国交回復の推進についてもいろいろ疑惑がある。さらに日米間におけるところのいわゆる条約の改廃につきましても問題があるのであります。ですからやはりあなたが真に自主独立外交を推進されるとお思いになるならば、現在締結されておる条約は条約として、新たな真に何ものにも拘束されない自主的な立場に立っての外交を推進されることが望ましいと思う。その点はどうもきわめてあいまいでありますが、いかがでございましょう。
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岸信介#21
○岸国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、日本のこれから進むべき道というものは、一つは立国の根本であるさっき申しました民主国家の完成にございますし、また国際的には今日まで結んでおり、また有効であるところの幾多の国際条約というものを尊重していくというのが当然である。またそうしなければならぬ。自主独立ということは、決して今までの関係が日本に望ましくないから、すべて国際関係、国際条約というものを無視して、そうしてこれは自主独立だという考え方ではなくして、日本としてはあくまでも日本のイニシアチブ、日本の考えで日本の進んでいく道を決定するのは日本みずからが決定するという考え方のもとに、すべての国際諸国との交際をしていくということに結局なると思うのです。従って今自由主義国との間におけるところのいろんな条約においても、また日本自身が自主独立だといっても、私はかねて申し上げているように、中立主義をとるものではなくして、日本はあくまで自由主義の立場を堅持して、自由主義国として民主政治を完成するということを考えておりますから、それらの同じような体制にあり、同じような気持で世界平和を考えている国々との間に協力関係が一そう強化されていくということは、私は当然であると、かように考えております。
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小平忠#22
○小平(忠)委員 この問題は、外務大臣としては決して中立的立場をとるものではない、やはり自主独立外交を旗じるしにするけれども、自由主義国家群に対するところの従来の考え方は変えないということになりますと、これは一つのイデオロギー、世界観の相違でもありましょうから、この論争は私はこのくらいにいたしておきたいと思います。そこで私は岸外務大臣としてでなく、岸総理大臣にお伺いいたしたいのでありますが、予算委員会もいよいよ大詰めに来ております。そこでこの委員会を通じて見ただけでも、実にあなたは誠実にお勤めになっております。さらに外務委員会にも出ておられる。総理大臣であるあなたが外務大臣を兼ねておられる、そこに非常にいい場合もあるけれどもあまた反面非常に工合の悪い場合もある。特に国会の審議を通じまして、これは野党であるわれわれもあなたはよくお勤めになっておられると思う、かりに予算委員会の場合でも、結局一般質問ですから、従来の慣例から申しますと一応総理の出席は求めないが、外務大臣のあなたに出席を願って外交問題について伺っておる、こういう形なんだが、やはりこれが予算全般でありますから、必ずその外交問題から総理大臣のあなたにお伺いするという事項が非常に多くなってくる。それもあなたは、それは外務大臣でなくて総理大臣のことだからといって決して拒否されずに、まじめに答弁されておる。その非常に真摯な態度について私は敬意を表するわけであります。しかし今後国会の会期もまだまだ相当長期間であります。特に国際情勢は御承知のようにきわめて重大なる段階に来ております。こういったことを思いあわせますときに、あなたは専任の外務大臣を置いて、ほんとうにこの外交の問題に取っ組んでいくという体制をお作りになるというお考えなのか、いやそれはやはりおれが外務大臣を兼ねた方がいいのだというようにお考えなのか、その点はいかがでございましょうか。
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岸信介#23
○岸国務大臣 私が外務大臣を兼ねておりますことは、これは言うまでもなく臨時的な性質のものであります。私は内閣が続く限りこれを兼ねるという意思はもちろん持っておりません。しかし私は石橋内閣の外務大臣として、私の外交方針を国会に明らかにし、またそれに基いて私の外交のいろいろな進み方を始めようとしておるときに、石橋前総理大臣が病気でおやめになるということがございました。私としては、あるいは国会の運営上二つを兼ねていることは、審議される方に御迷惑をかけ、それを妨げるおそれはないかということを一面には心配いたしておりますが、一面におきましては、今申したような事情で、しばらく私が兼ねておることが外交上も国策上も適当であるという見地に立っておるわけであります。しかし、制度の上から申しまして、外務大臣は専任を置くのが原則でございます。私はこれはあくまでも例外的な臨時的な措置と考えておるのであります。
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小平忠#24
○小平(忠)委員 あくまでも臨時的なものである。しかし、一応従来の行きがかりから兼ねておるのである。そうしますと、今国会の会期中はこのままの体制でいった方がいいというように理解してよろしゅうございますか。
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岸信介#25
○岸国務大臣 大体この国会は兼任をして、そうして御審議に応ずるつもりでおります。
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小平忠#26
○小平(忠)委員 次に私は外務大臣並びに防衛庁長官に、最近自衛隊の頻発する事故、事件について若干お伺いをいたしたいと思うのであります。四日の未明、御承知のように自衛隊の輸送機C46型、この墜落、十七名絶望という問題は新聞にも大きく報道されておりますし、特にこの委員会におきましても松本瀧臧君があなに質問され、また内閣委員会でも質問されております。この事件はまさに航空自衛隊発足以来最大のものでもありますし、日本の航空史上から見ましても、御承知のようにもく星号事件に次ぐ大きな事故であります。これにつきましては新聞には札つきの不良機であるとか全然危険なものであるとか、いろいろ報道されておるのでありますが、あなたは今回墜落しましたこの輸送機は、決してそういうものではないということをいろいろ説明をされております。しかしいろいろ新聞に報道されております内容を見ましても、確かに米国から給付されております二十九機ですか、そのうち現在一体何機使っておるのか、現在どれだけ使用できるのか、使用できないのか、あるいはその整備関係はどうなのか、こういう点につきまして精細に御調査されておると思うのですが、その点はいかがでございましょう。
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小滝彬#27
○小滝国務大臣 この前にも松本君にお答えいたしましたように、非常にこういう事件が起ったのは遺憾でございますが、この問題のC46は昭和二十九年に購入したものでございまして、これまで飛行いたしました時間も七千八百時間であったと記憶いたしております。大体日航あたりにおきましても、それよりもずっと長く使っておるものもございますので、今後の調査の結果によりますけれども、これまでも申しましたように、私はこれが特に性能が悪いとか古くなって工合が悪いというのではなくして、そのときの天候が非常に異常なものであって、そこに災いのもとがあったように思いますが、今御質問の点の現有のC46の現状は、全部で三十機でございます、そのうち現在可動し得るものが十六機、内部で整備しておる、部隊整備に回しておるのが五機、それから野外整備、他の工場で整備しなければならないものが七機、そのほかに学校で教材川に使っておるものが二機ございます。従いまして現在二十八機のうち可動しておるものが十六機というのでございますから大体六〇%近くはあるという実情であります。しかもこの部品につきましても、なるほど今は製作しておりませんからこの整備にはときに時間を要することもありますけれども、現在におきましては美保に十分なる部品を整えてあるのでございまして、私どもはこのC46が特に現状において使用に耐えない、あるいはその点で特にC46の方が危険性が多いというふうには考えておらない次第でございます。
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小平忠#28
○小平(忠)委員 これは防衛庁長官、非常に大事なところで、五日の読売新聞にはこう出ている。このC46機は昭和十九年製で防衛庁でもその処置に困り抜いているほどの老朽機で、航空自衛隊でも飛行は危険であると精密検査を行なっているほど。昨年三月九州で新聞記者団を乗せたところ片方のエンジンから火をふき片肺でやっと羽田にたどりついたこともある。自衛隊パイロット間でも乗務拒否を求めており、安全なのはたった四機というありさまで、昨年三月の衆院決算委でこの点を追及されたいわくつきの飛行機である。しかも部分品を取りかえたくとも、この飛行機の製造会社であるアメリカのカーチス会社は現在すでにつぶれてなくなっている、防衛庁でもとほうにくれている、こういう新聞の報道であります。これを国民が見たら何と言いますか。それかと思うと、今度の事故につきまして、これは翌五日の朝日新聞ですが、小雨が降っていたが航空天候としてはそう悪い条件ではなかったと、これは同隊の副隊長が語っている。こういうように、雨が降っておったけれども実際に航空天候としては悪い条件ではなかったのに、なぜ着陸直前にこのような事故が起きたのか。あなたはそれは整備されているとおっしゃいますけれども、実際問題としてとうとい人命を乗せて訓練し輸送をするという場合に、私はきわめて重要な問題であろうと思うのでありますが、一体この新聞に出ているような報道通りではないと具体的に説明される点がありましたら、この際やはり国会を通じてあなたから明白にされておいた方がよろしいと思うわけであります。
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小滝彬#29
○小滝国務大臣 今回このような犠牲者を出しましたことは非常に遺憾でありまして、今後の処置をいかにすべきかということを考えますには、まず原因の調査を十分いたさなければならないと考えまして、すでに申し上げておりますように、航空幕僚監部の副長を委員長といたしまして教育部長その他現地において今鋭意調査に当っているのであります。その調査の結果を持たなければはっきりしたことを申し上げることはできないのでございますが、私は新聞報道が出ます日にも朝の二時、三時ごろまでお請いたしまして、この整備状況なども説明申し上げたのであります。しかしなるほどこの前、ちょうど新聞の人たちが乗っておられまして築城からこちらへ帰ってくるときに事故が起ったのは事実でございます。そういう点で特にその点が強く思い出されたことであろうかと考えます。しかしC46をこれまで相当数相当長く使っております間に起りました事故は、美保の航空基地の方に胴体着陸をしたことが一回ありますのと、さっき御指摘がありましたエンジンの一つが発火いたしまして——これは線の接触が悪くてそういうことが起ったようでありますが、この二つの事故と今度と三回でございます。私自身も海外へ行きまして、エンジンを落しながらバーレン島に不時着したこともございますが、これは全然ないという事故でもないし、私は特にC46が御指摘のように悪いという結論は、非常に早計ではなかろうかと思いますし、ことに乗務員がもう搭乗することを拒否したというようなことは、私どもまだ聞き及んでおらないところでございまして、もちろん今後の調査の結果によりましては、考究しなければならないことがありましたならば十分考究いたしますけれども、現在まだどうしようということは考えておりません。少くともその新聞に出ているところは相当実際よりも、こういうショックを受けた際でありますから、ここに原因があったのじゃないかというので、誇張されておるのではないかという感がいたすのであります。なお天候はそう悪くなかったと航空隊のだれかが申したようにおっしゃいますが、なるほどあの際最初誘導装置を使いまして、GCAを使って誘導した。ところが西の力へ回らなければならないという際にきまして、相当低空になりまして、そこで西側においては誘導装置を使わなかったのは事実でございますが、しかしその際でも、大体状況といたしまして、雲の高さが五百フィート、視界が三マイルというところでありましたので、そこで有視界飛行に移って着陸しようとしたが、その際は夕方でありまして、そこへ急にシャワーがきたために急に暗くなりまして、計器を見なければならぬという状態になりましたため、そこに何秒かの時間をかけなければ、すべての計器を見てそれによって判断することができないというような点から、急であり、しかも高さがもうすでに百二十フィート程度のところへきておりましたために、十分前を見ることができなかったというような関係があったようでございまして、そうしたにわか雨がやって参りましたためにこういう事件が起ったのではないか、こういうふうに考えます。なるほど最初着陸するときには着陸し得るという状態であったけれども、こういうようなとっさの風、そして横流しされる、また午後の六時半ごろに至って急に雨が降ってきたということが今度の事故の非常に重大な原因ではなかろうかというように、一応これまでの調査のところでは見受けられますので、私はこの点についてはさらに十分検討させてみたいと考えておりますけれども、これまでの状況は今申し上げたような次第でございます。
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