法務委員会

1960-12-21 参議院 全109発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和三十五年十二月二十一日(水曜
日)
   午後一時四十一分開会
  —————————————
  委員の異動
十二月二十日委員後藤義隆君辞任につ
き、その補欠として木暮武太夫君を議
長において指名した。
本日委員木暮武太夫君、林田正治君及
び大森創造君辞任につき、その補欠と
して後藤義隆君、山本杉君及び武内五
郎君を議長において指名した。
  —————————————
 出席者は左の通り。
   委員長     松村 秀逸君
   理事
           井川 伊平君
           大川 光三君
           高田なほ子君
           大谷 瑩潤君
   委員
           後藤 義隆君
           野上  進君
           野田 俊作君
           山本  杉君
           江田 三郎君
           大森 創造君
           武内 五郎君
           千葉  信君
           赤松 常子君
           市川 房枝君
           辻  武壽君
  衆議院議員
   法務委員長   池田 清志君
  国務大臣
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
  政府委員
   法務省政務次官 古川 丈吉君
   法務大臣官房司
  法法制調査部長  津田  実君
  最高裁判所長官代理者
   事 務 次 長 内藤 頼博君
   人 事 局 長 守田  直君
   総務局第一課長 長井  澄君
   人事局給与課長 牧  圭次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  —————————————
  本日の会議に付した案件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○裁判所職員定員法の一部を改正する
 法律案(衆議院提出)
○滋賀刑務所移転促進に関する請願
 (第二号)
○岡山市南方緑地帯に岡山検察庁庁舎
 建設反対の請願(第九四号)
○大分地方裁判所庁舎改築促進に関す
 る請願(第二〇八号)
○裁判所法附則第三項改正に関する請
 願(第二〇九号)(第二一〇号)
 (第二一号)(第二一二号)(第二
 一三号)(第二一四号)(第二一九
 号)(第二二〇号)(第二二一号)
 (第二二二号)(第二二三号)(第
 二二四号)(第二五八号)(第二五
 九号)(第二六〇号)
○継続調査要求に関する件
  —————————————
この発言だけを見る →
松村秀逸#1
○委員長(松村秀逸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 十二月二十日付、後藤義隆君辞任、木暮武太夫君選任。
 十二月二十一日、木暮武太夫君辞任、後藤義隆君選任。
 以上であります。
  —————————————
この発言だけを見る →
松村秀逸#2
○委員長(松村秀逸君) 昨日の委員長及び理事打合会において裁判官の報酬及び検察官の俸給に関する法律案の提案理由の説明者は法務大臣であるか、それとも大蔵大臣であるかについて意見がかわされたのでありますが、結局本問題は今後の検討に待つこととし、今回は従来通り法務大臣から説明を求めることとなりました。つきましては、千葉委員から特に発言を求められておりますので、これを許可いたします。
この発言だけを見る →
千葉信#3
○千葉信君 私の申し上げたい問題に、ただいま委員長発言で若干触れられましたが、私は今回この裁判官あるいは検察官の報酬、俸給等に関する法律案の審議にあたりまして、第一点は、この法律案を審議する所管の委員会として法務委員会が審議をするという点に疑点を有し、さらにまた、昨日問題となりましたこの法律案の提案理由の説明者、いわば特別職の給与の決定等に関する権限はどこにあるのかという問題に関連しまして、私の意見としては国家行政組織法なり、あるいは各省設置法、なかんずく総理府、大蔵両省設置法等の関連から見て、担当者は大蔵大臣だという見解に立っており、従ってこの法律案の提案理由の説明者は大蔵大臣でなくてはならないという立場を今でもとっている次第ですが、しかし、きょうは国会の会期の関係もありますので、この問題点についての最終結論を今直ちに得ることが非常に困難だという段階を了承しまして、今回は当法務委員会で審議をし、さらに、今委員長からお話がありましたように、とりあえず今回は法務大臣の説明を了承して委員会の審議に入るということを私は納得して、これからこの法律案の審議に入りたいと存じます。しかし、ただ私は一言私の主張に関してここで明らかに申し上げておいて、そうして今委員長が言われたように、機会をあらためてこの問題の適正な解決をはかるというその前提とするために、私は若干この私の意見について触れておきたいと思う次第でございます。
 政府の方では、一般職の職員に対する給与の改定等の関係についての専任大臣としては、閣議の決定によりまして、現在迫水国務大臣がこれを担当する形になっています。こういう形をとらざるを得なかったのは、総理府設置法によるところの他の所掌事務に属せざる事項として、総理府が担当しているその事務の中に、この一般職の職員の給与に関する事務なるものが含まれておりまして、従って総理府設置法によりましてこれは総務長官の担当ということになっておりまするけれども、総務長官は国務大臣でないという現実の問題がありますために、どうしても国会における提案理由の説明なり質疑応答に対処するためには、閣議に発言する資格のある者がこれを担当しなければならぬという意味で、国務大臣の迫水君がそれを担当することになっているのでございます。従ってそういう総理府の担当ということになりました各省分担事項に該当せざる事項が、一般職の職員に関する給与の問題でありますが、特別職の関係になりますと、これは大蔵省設置法に規定されておりまして、大蔵省設置法の定めるところによって大蔵大臣の担当ということになっている。従って、一般職の給与の改定の問題ないしは特別職の給与の改定等の問題については、他の平常における一般的な行政事務と違って、非常に高度の変革を要する、いわば政治的な解決を要する重大な問題だという建前で、本来ならば総理大臣の所掌すべき問題なのでありまするけれども、今申し上げたように二つの機関にこれは分けられております、分担されておりまして、これは大きな問題に関連して、他の一般行政事務と全く同じような解釈をとるということは、それ自体が問題の重要性を認識していない考え方になると私は判断しております。私は時間がありませんから、簡略に申し上げますが、昨日委員長理事打合会で問題となりましたこの担当大臣の解明の問題に関しまして、委員部長あるいは法制局の担当者ないしは内閣の法制局の担当者の主張によりますと、まあ私の意見もかなり重要視されている状態でございましたが、しかし結論としては大蔵省設置法にいうところの特別職の給与を管理するという大蔵省設置法の建前と、この際は法務省設置法の第二条第九号の「司法制度及び法務に関する法令案の作成に関する事項」、こういう分担事項があるから、裁判官であるとかあるいは検察官に関する俸給改定等の仕事もこれは法務大臣の所管だというこういう解釈でございます。一方では、大蔵省設置法によりますと、第八条の第十九号で「特別職である国家公務員等に関する給与制度を管理すること。」この二つの権限が競合しているんだ、従って法務省設置法によると、第二条第九号に基づいて、はっきり権限がある、そうして従来の国会における慣行もあることだから、この際は法務大臣が提案理由の説明に当たることもあえて異とするに当たらないというそういう意見が開陳されました。しかし、私はこの法務省設置法に言うところの「司法制度及び法務に関する法令案の作成」云々という条項が、非常に大きな問題であるところの給与の改定等の問題に関する条項を規定したものとは、どうしても解釈することができない。他の一般的ないわゆる司法制度に関するものないしは法務に関するという問題であれば、それは当然法務大臣の所掌であるけれども、給与改定のごとき、利害関係者はもちろんのこと、場合によれば非常に多額の国費を必要とする給与制度そのものの改定等に関して、法務大臣にその改定の権限ありなどという解釈は、この条文からは絶対出てこない。まあそういう立場からしますと、当然これは私の解釈によりますと、国会に対する法律案の提案権そのものは、行政府の中には内閣総理大臣一人しかない。それを内閣法に基づいて所掌事務を分担している各大臣がその提案理由の説明なり質疑応答に対処するという、こういう点については、国家行政組織法に基づいて各大臣の所掌事務は明確でなければならないし、従ってまた、その権限においても責任においても、完全に区分されたものでなくてはならないというのが、行政組織法、根拠法の命ずるところだ。そういう点から見まして、私は、どうも現実の問題としても、たとえば裁判官なりあるいは検察官の俸給改定についての権限を法務大臣が持っているなどという、はなはだ非現実的な解釈の上に立って、しかも、その根拠とする法律の条文のごときは、法務省設置法の第二条第九号などというのは、私はおおよそナンセンスだと判断している。
 私は、きのうの委員長理事打合会も経過しましたけれども、私のこの意見はどうしても変更できない。疑点ははっきり残っておりますから、この点については、将来もこの主張を貫くつもりですけれども、ただ今回の場合におきましては、国会の会期の関係もあり、先ほど委員長発言もありました通り、適正な解決の時期を次の機会に求めることにして、私は委員長が議事を進行されることに賛成いたします。
この発言だけを見る →
大川光三#4
○大川光三君 議事進行について。ただいまの千葉委員の御発言は非常に参考になろうと存じますが、これは千葉委員の私見として承っておきまして、議事進行をお願いいたします。
この発言だけを見る →
千葉信#5
○千葉信君 大川委員から発言がありましたから、私はそのままでは済まないかっこうになっては困りますので発言いたしますが、私は、むしろ先ほどの委員長発言がなければ、今回の問題について、理事会のお話し合いでも委員長としても相当責任をもって今後この問題の解決に当たるというお話でございましたから、私はそれを了承して委員会の審議を進展させることに賛成をしたのでございます。従って、私は先ほどの委員長発言に関連して私が発言したこと自体によって、委員長は、きのうのお話し合いの通りこの問題の解決のために積極的に責任をとろうとされるのだというように了解いたしておりました。
 今の大川委員の発言によりますと、私が先ほど申し上げたことは、単なる私見として、委員会としてお互いに責任をもってこの問題の解決のために将来当たられるということは非常に不明瞭なかっこうになりましたので、この際、あらためて委員長からお考えのほどを承りたいと思います。
この発言だけを見る →
松村秀逸#6
○委員長(松村秀逸君) 本問題につきましては、さっきも発言いたしました通り、今後の検討に待つこととしまして、今回は従来通り法務大臣から説明を受けることにいたします。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題に供します。
 当局からの出席者は、法務省植木法務大臣、古川政務次官、津田司法法制調査部長、最高裁内藤事務次長、守田人事局長、長井第一課長、牧給与課長の諸君であります。
 まず、当局から法律案の御説明を願います。
この発言だけを見る →
植木庚子郎#7
○国務大臣(植木庚子郎君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して説明いたします。
 政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に閲する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたことは、御承知の通りであります。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第であります。
 この両法律案は、右の趣旨に従い、裁判官の報酬等に関する法律の別表及び第十五条に定める裁判官の報酬並びに検察官の俸給等に関する法律の別表及び第九条に定める検察官の俸給の各月額を増加しようとするものでありまして、改正後の裁判官の報酬及び検察官の俸給の各月額を現行のそれに比較いたしますと、その増加比率は、一般の政府職員についてのこれらに対応する各俸給月額の増加比率と同様となっております。
 なお、両法律案の附則におきましては、一般の政府職員の場合と同様、この報酬及び俸給の月額の改定を、本年十月一日にさかのぼって適用すること等、必要な措置を定めております。
 以上が裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
この発言だけを見る →
松村秀逸#8
○委員長(松村秀逸君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 これより本二件に対する質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →
千葉信#9
○千葉信君 一般職の職員あるいは特別職の一括した職員の給与法等に関する改正案が先ほど本会議を通過しましたし、またそれに関連する内閣委員会の質疑等も承知をしておりますので、私はできるだけこの委員会として特殊な二つの法律案の関係事項について御質問を申し上げたい。まず一番最初にお尋ねしたいのは、これは新聞にも報道されていることですし、私どもも大体承知をしておりますが、補正予算の最終的な政府としての決定なりないしはまたそれに関連する俸給、報酬等の改定にあたって、行政府内で最後まで問題として解決がおくれたのは裁判官の報酬と検察官の俸給の二つでございます。まず最初その大体の経過を承っておきたいと思います。
この発言だけを見る →
津田実#10
○政府委員(津田実君) ただいまの御質疑の点でございますが、新聞にも報道されておりましたと思いますが、この法律案立案の過程、同時にこの法律案の関係する補正予算の関係におきまして、行政府内でいろいろ討議をいたしたことは事実であります。この法律案が定まりますれば、当然それに見合う補正予算は定まるわけでございますので、問題は、法律案の関係において御説明を申し上げます。御承知の通り裁判官の報酬等に関する法律には、第十条の規定がございまして、一般の政府職員について生計費及び一般賃金の事情の著しい変動によりまして、その俸給その他の給与が増額される場合には、裁判官についても一般官吏の例に準じてその報酬あるいは給与を増加する、こういう規定でございます。そこで、今回の人事院勧告に基づきまして政府が決定いたしましたところの一般職につきましての増加は、人事院勧告の趣旨に従いますると、まさしく一般賃金事情の著しい変動、若干部分生計費の変動もあります。主としての部分は一般賃金事情の著しい変動にあるわけであります。従いまして、この点につきましてはもちろんいずれも異論はなかった。そういいたしますると、当然裁判官報酬法の十条が適用されるわけです。十条と申しまするのは、これはこの報酬法ができました当初から存在する条文でございまして、この規定の趣旨そのものは、何と申しますか、文義上はやや明確を欠く点がございますけれども、この法律案の当委員会におきましてと申しますか、参議院の法務委員会におきまするところの御審議の経過等にかんがみまして、しかも、この法律案が政府提案より若干修正された点から考えますると、要するに「別に法律の定めるところにより、裁判官について、一般の官吏の例に準じて、報酬を増加する」ということは、これは立法に対する拘束の趣旨を表わした法律であるという趣旨に解釈せざるを得ないわけであります。このことにつきまして、立法の拘束を政府は受ける、こういう観点のもとから、裁判官報酬法を改正する必要が出てきたのであります。そこで第十条の解釈といたしまして、「一般の官吏の例に準じて」ということは、いかなることを意味するものであろうか、こういうことであります。これにつきまして、この準じ方の問題について両論があり得る。こまかく言えばいろいろ議論があり得ると思いますが、大きく分けますと再論があり得るわけです。その一つは、「一般官吏の例に準じて」ということではあるが、この法律の当委員会における修正の経過を考えますると、もとは、「別に法律の定めるところにより、」ということではなくして、一般官吏につきまして生計費及び賃金事情の著しい変動があれば、自動的に最高裁判所はこの報酬を増加することができるという趣旨が政府提出原案の趣旨であったわけであります。そうしますと、自動的にできるということは、すなわち最高裁判所にその判断をまかされているということのみならず、自動的ということになりますと、非常にそこは、単純に考えるべき性質のものであるという考え方が出て参ります。元来一般の行政職と裁判官との間につきましては、その報酬、俸給の定める当初から、一定の格差がありまして、たとえば五万円の一般の行政職の職員の給与を受ける者と、五万円の裁判官の報酬を受ける者とは、金額においてまさに同額である。この同額に給与を定められた趣旨を考えてみますと、これは一般職の職員の給与に関する法律の趣旨から見ましても、職務の複雑、困難、あるいは責任の度合い、勤務年限というようなもののいろいろな要素を、あるいは勤務環境というようないろいろな要素を参酌して定められるものでありまして、その点につきましては、裁判官報酬法には何ら規定はありませんけれども、これは給与の一般大原則として同じ趣旨できめられるべきであると考えます。しかしながら、裁判官の報酬と一般行政職の給与との給与の段階のきめ方というものが非常に違っているのは何ゆえであるかと申しますと、それは、そこにおけるところの給与をきめる根拠となる要素、すなわち責任の度合いとか、職務の複雑性とかという要素に与える比重が、裁判官の場合と、一般行政職の場合とは違うという、こういうふうに解釈するわけです。しかしながら、違うのであるが、それを総合して判断しましたときには、給与としては五万円が相当である、裁判官についても五万円が至当であるというわけで、その意味では、五万円の一般職の給与が七万円になった場合に、あるいは六万五千円になった場合には、裁判官についても五万円の人が六万五千円になるのが相当である。第十条の「一般の官吏の例に準じて、」しかも最高裁判所の専権にまかしてやろうという政府の趣旨からいえば、まさにその通りに運用さるべき性質のものである。ところが、これが国会にいって修正を受けた理由は、必ずしも明確でないのでございますが、要するに、そういう場合でも、最高裁判所が独自に行なうべきものではなく、法律で定めるべきものだという御趣旨のように、当時の審議録によって承知しているわけです。従いまして、この別の法律というものは、本来いえば、最高裁判所がやっていいことだけれども、事柄を、一度国会の御審議を仰いでする、こういう建前であったということになりますれば、この十条の趣旨は、まさに五万円が六万五千円に一般職がなれば、五万円は六万五千円に裁判官もすべきだ、こういう趣旨に解釈をせざるを得ない、こういう判断でございます。これがまあ俗に申しますれば対等額スライド方式とでも言うものでございます。ところがこれに反しまして、先ほど申し上げましたその給与を定める要素の勤務年限を中心にしてものを考える場合には、たとえば採用されてから何年たった人は幾ら、それを行政職と裁判官と比較した場合に、どれだけの差があるかというような問題が出て参る。そこで勤務年限を中心にして考えますと、これは勤務年限による、すなわちアップ率を適用する。たとえば一般行政職におきまして、十年たった人が二〇%上がるものなら、裁判官の十年たった人も二〇%上げる、こういう場合、つまりアップ率スライド方式とでも言いますか、そういうものが相当ではないか。こういう論議をいたしましたが、それでいろいろ論議をいたし、検討いたしました結果、最終的には、先ほど最初に申し上げました第十条の解釈に従って、対等領スライド方式によるという結論になりました。それによって補正予算を組まれ、それによってこの法律案が立案された次第でございます。
この発言だけを見る →
千葉信#11
○千葉信君 私のお尋ねしたいのは、経過の大要でございましたが、かなり詳しく法務省の考えておられるところを述べていただきましたが、私のお尋ねしたいのは、俗に言えば最後までもみにもんだ、ほかの方は割合にすらすらときまった、どうして裁判官あるいは検察官の報酬、俸給改定の問題だけが、法律上も、同時にまた予算上も最後までごたごたして結着を見なかったかという理由は、私は一口に言えば、裁判官なり検察官の給与水準そのものが、一般職の職員の行政職の諸君に比べて高いからということが、私は問題の紛糾する原因だったと把握している。この点は法務省も御存じだろうと思います。そこで私の確かめたい点は、大蔵省は一体そういうふうに一般行政職等に対してどれくらい高いという判断の上に立ったのか、法務省として今お話の、十条に基づく給与改定の原則を主張されたことは、私はわかりますが、その大蔵省の主張の根拠は、一体、具体的にはどうだったのか、場合によればこれは大蔵省の方からも出席を求めて、ここで私は明らかにする必要があると思います。その点を、もしはっきりおっしゃれれば、おっしゃって下さい。
この発言だけを見る →
津田実#12
○政府委員(津田実君) 大蔵省の事務当局の最終決定は別といたしまして、その最終決定に至るまでの段階におきましては、御指摘のような事実は確かにございました。で、その主張の根拠とするところは、要するに、裁判官、検察官の給与と、一般行政職との給与の格差の問題、しかしこの格差の問題と申しましても、これはこの対等額で上げていく場合には、比率は変わらない。問題は、その絶対額についての——これはだんだん大きくなるということは当然であります。比率でいけば絶対額の差が大きい。そこでその絶対額の差が大きいことは、はっきり言えばよくないのではないか。もう少し絶対額の差は縮めた方がいいのではないかというような判断に立っての、基礎に立っての大蔵省における事務当局の最終決定以前の主張であったというふうに考えられます。これに対しまして裁判所あるいは法務省側におきましては、それは裁判官の報酬法の十条によることでもあると同時に、第三十一国会におきます当法務委員会のこの両法律案に対する附帯決議の御趣旨によりましても、裁判官、検察官についてはできるだけ待遇をよくし、優遇しなければならないという御趣旨もございます。そういうところもございますし、裁判官、検察官の俸給——俸給と申しますか、待遇をなるべくよくして、憂いなく働かせたいという意味からも、裁判所、法務省当局におきましては、第十条の解釈からも正当と思われる主張をいたし続けてきたわけであります。
この発言だけを見る →
千葉信#13
○千葉信君 どうも僕の質問の仕方がへたなのか、聞きたい答弁がなかなか簡単に得られなかった。私の聞きたいと思う点は、今絶対額云々という言葉がございましたが、現在の国家公務員の給与の状態というのは、大体が、あまり正確な方法ではありませんけれども、平均給与額で比較している。一般職の職員の場合の平均給与額というものを直ちに皆さんの場合に当てはめることはこれは全然筋が通りません。しかし、大体たとえば判事であるとか、あるいは検事の構成メンバーと同等程度の行政職の職員の場合も、限られた平均給与というものがあるわけです。それと判検事の場合の平均給与額が違うというところに、私は大蔵省の主張の根拠があったと思います。私はそれを聞きたい。そういう比較において、結局高いとか安いとかいうことは比較の問題ですから、そういう比較の根拠に立って大蔵省が一体どれくらい高いという判断の上に立ったのか、あるいはその割合にすればどれくらい高いという判断の上に立ったのか。この点を私は聞きたい。
この発言だけを見る →
津田実#14
○政府委員(津田実君) ただいま御指摘の点でございますが、そういう面からの検討という問題は当然あり得ると思う。しかしながら、この問題につきましては、平均給与額の問題と申しますと、これは比較の問題が非常にむずかしい、先ほど申し上げましたように、従来五万円の俸給額を取る一般行政職と五万円の報酬を受ける裁判官と何で比較したかということになるわけであります。これは私どもの考えから申しますと、そのいろいろ給与をきめる要素——責任の度合いとか、職務の複雑困難とか、勤務年数とか勤務環境とかいろいろのものが両方に出て参りまして、それに与えるウエートは、裁判官の場合と行政職の場合は違うが、その総合で出てきた給与の相当額というものはどちらも五万円、こういうことになる。そういたしますと、あとで比較する問題は、両方どちらも大学を出て一定の試験を受けて、何年たった者が一体幾らになっているか、こういうことの比較ということが考えられる。そういたしますと、これは比較すれば裁判官の方が高いということは当然出て参りますが、先ほど最初にできましたところの五万円なら五万円の者に与えたウエートの違いということを検討するということになりますと、これは非常に根本的な問題までさかのぼらなければならない。そこで、その合理化をはかるということは当然必要だと思うので、これはいつでもやらなければならない問題でございますけれども、今回は非常に切迫している事情もございますので、その中身の合理化までに立ち入って検討するいとまがないということによりまして、この第十条に従ったそのままの形で法律案を立案した、こういう次第でございます。
この発言だけを見る →
千葉信#15
○千葉信君 あなたの言っておられるように給与額が高いとか低いとかいう問題は、学歴の問題、勤続年数の問題、あるいはまた能率の問題、こういうような問題を比較検討しなければ、高いとか安いとかいう比較は正確にはこれはできません。それはあなたの言っておる通り、私もその意見なんです。ところが遺憾ながら国会ではその論理が通らないのです。政府自身が間違った方向で給与の比較をやってきているのが今日の現実です。政府の比較の根拠としているのは、総体の人員に対してその平均価値をもって高いとか安いとかいう検討をしている。これは私はやり方としては賛成できません。しかしそういう格好での比較が行なわれている。そして今回の場合の大蔵省の主張というのは、おそらくそういう一般職の職員全体ということになりますと、これは年令も違えば勤続年数も違う。学歴も違う。能率も違う。雑多の要素が含まれておりますから、それらの平均給与額では、これは当然比較にはならぬ。そういうことで、おそらく大蔵省としては大体判事なり検事なりの構成職員と同等の条件を持つ一般職の職員の一つの分布ですね、それとの比較において高いとか安いとかいうことを私は言ったものと判断しています。おそらくその点についてはあなたも聞いておられると思う。その点を私は聞きたい。
この発言だけを見る →
津田実#16
○政府委員(津田実君) 確かに御指摘のような考え方は当然あり得るし、また、そういう検討も遂げなきゃならぬということは、私ども十分考えております。しかしながら、大蔵省当局におきまして、一般行政職と申しましても行政職俸給表の(一)でありますが、その(一)の中におきましても、かりに裁判官、検察官に該当する人といいますか、同種の職種、責任の度合いが同じ人というものを抜き出して、それの平均給与を出すということは非常に困難が伴っておるので、大蔵省としてはいたしてはおらぬと思います。私自身も大蔵省からかつて平均給与額の話を聞いたことはありませんから、それはおそらくいたしてないでしょう。
この発言だけを見る →
千葉信#17
○千葉信君 そうするとあれですか、結論として、大蔵省の方とあなたの方の最後までもみにもんだ原因というのは、一般職の職員に比べて判事なり検事なりの給与額が高いということが最後まで解決しなかった原因ではなかったという、こういう御答弁ですか。
この発言だけを見る →
津田実#18
○政府委員(津田実君) これは現在の法律におきます格差があるわけです。その格差の承認をむろんするわけです。そこで、大蔵省といたしましては、今度の改正案によりまして対等額のスライド方式をとりますると、絶対額の差が非常に出て参ります。この絶対額の差が大きくなるということは、大蔵省の表現をもってすれば、常識的でないんではないかと、こういう議論に終始しておったわけです。それ以上の理論というものは私は聞いておりません。
この発言だけを見る →
千葉信#19
○千葉信君 じゃ別な角度からお尋ねいたしますが、たしか給与法が新しい国会で決定されました当時、これはまあ占領軍もおりました関係も若干あるようですが、その一方には憲法上の要請もあり、裁判官に対する俸給の基準というのは、他の職員に比べて三割ないし四割程度高い水準できめられたと思うのですが、その点はどうですか。
この発言だけを見る →
津田実#20
○政府委員(津田実君) それはただいま御説の通りでございまして、大体におきまして、第二国会におきましては、裁判官の報酬の、つまり判事あるいは検事の俸給の最高額は一万四千円と定められておるのに対しまして、一般行政職の最高額は一万円、つまり四割優位といたしておりますが、これはあくまでも最高のところの比較でありまして、中間の比較は必ずしもこれによっておりません。最高の比較は四割優位ということになっております。
この発言だけを見る →
千葉信#21
○千葉信君 そうしますと、最高の分だけ四割高かったけれども、他は必ずしもそうではなかったという御答弁ですか。
この発言だけを見る →
津田実#22
○政府委員(津田実君) こまかくただいまちょっと記憶をいたしておりませんが、常に私どもは最高比較をいたしておったものですから、最高につきましては四割優位であるということで、これは数年貫いておるわけであります。
この発言だけを見る →
千葉信#23
○千葉信君 最高だけをにらんで、最高だけをつかんでいるのじゃ、これじゃ全然問題を究明する対象にならぬと思うのですが、しかし、まあ答弁のいかんにかかわらず、おおむねその最高で保証されている四割程度に、それと同率でなくても若干それに近い優位性というか、そういう条件というものはあったと思うのですが、その点はいかがですか。
この発言だけを見る →
津田実#24
○政府委員(津田実君) 第二回国会において最初にきまりましたときには、まさにその通りでございます。その後、裁判官の報酬の、つまり号数をふやすとかいうような問題もありまして、いろいろそこに複雑な問題がずっと何回か経過いたしまして、一般職につきましても最高が上がって参り、現在におきましては、今回の改正案でも御承知のように、あるいは現行法でも御承知のように、一般職の最高と裁判官の通常の最高と検察官の最高と同じ。裁判官につきましては特号がございますが……。そういうふうになったわけであります。そこに至ります経過におきましては、いろいろあるわけでございまして、問題は、結局上の方は従来から見れば一般行政職の比較においては下がってきた。現在におきましては管理職手当がない、あるいは管理職手当のついております者についてのパーセンテージが低いということから、最上級に近い裁判官は、一般行政職よりも不利な扱い、しかしながら、中間層におきましては非常に有利な扱いを受けておるというようなことになってきましたのは、そういうふうないろいろな間に号数をつけ足したという段階を経てきた産物と申しますか、そういうものであります。
この発言だけを見る →
千葉信#25
○千葉信君 あなたはいつごろから今の仕事を担当されるようになりましたか。
この発言だけを見る →
津田実#26
○政府委員(津田実君) 私は約二年前からであります。
この発言だけを見る →
千葉信#27
○千葉信君 裁判官の四割くらいの優位、これはもうもちろん戎判官の職務の性賢に基づくものだし、同作にまた、憲法の条章にもよることですが、そういう格好で最初出発したのが、いつの間にか行政職との格差はもちろんのこと、検事との関係についても、その格差は大幅に解消してきています。あなたが、その一般行政職の場合は別として、判事と検事とのこういう格差が解消された経過を御承知ですか。
この発言だけを見る →
津田実#28
○政府委員(津田実君) 第二国会におきましては裁判官の一号が一万四千円、検察官の特号が一万四千円、号俸の呼称は別といたしまして、最高は同額なんです。白米、この判事、検事の号俸の呼称は別といたしまして、これはすっと同じに参ったわけであります。そこで昭和三十四年四月、第三十一国会におきまして、この号俸の呼称を改めまして、判事、検事ともに一号を最高といたすとともに、判事につきましては当時八万円という特別号俸を認めたわけであります。それで現在におきましても現行法のもとにおきましても、最高裁長官と検事総長との間には大きな開きがあります。また検事長と高等裁判所長官の間におきましても、五千円ずつの開きがあることは御承知の通りであります。その点はずっと変わってこないのでありまして、従来の呼称の改めが三十一回であり、呼称改めと同時に判事の方は符号という実質的に高い号俸を一つ持ったということでありまして、多少の違いは出て参りましたが、むしろ判事と検事の格差は、そのときにできた、最高号俸については格差ができたというふうに考えます。
この発言だけを見る →
千葉信#29
○千葉信君 判検事の賃金水準の問題を私が問題にしようとしているのは、こういうところにあることをまず御理解願っていただきたい。それは概略的に言と、最初裁判官の報酬というものは、他の一般行政職なりあるいは検事諸君の俸給等に比べると、四割程度の格差があった。大体平均においても四割程度の格差があったのです。これはさっきも言った通り憲法上優位性を認められていることが一つと、それからその職務の責任の度合いに応じてそういう措置がとられたのです。ところがその途中で、どうもその判事の方の賃金は高過ぎる、検事だって判事と同じような司法行政の中で重要な仕事を担当しているはずだ、従って検事の方の俸給額をもっと改正しろという陳情というか運動が起きて、そうしていつの間にか検事諸君の給与は非常によくなってきた、非常に有利になってきた。ところがそこで問題が起こったことは、今度はその検事と検察庁の事務官、つまり検察事務官との給与がそこで大きくアンバランスを生じてしまって、そこでそのアンバランスをどうして解消するかというときにあたって、そんなことを言ったって、今度は検察事務官と他の一般職の職員との均衡の問題があるものですから、なかなか政府部内でも問題の解決はできなかった。そこでその窮余の一策というか、最後に考え出された手というのが、検察事務官の勤務時間を五十二時間に延長して、そうして勤務時間が長くなったという理由で検察事務官の給与の改善が行なわれた。現在私はその勤務時間が実施されているかどうか調査をさせたけれども、はっきりしません。言いたがらないです。言いたがらない理由はどこにあるか、私はそこまでは少し酷だから究明しませんけれども、とにかくそういう措置がとられておる。給与の問題は、そういう格好で検察事務官の希望通りにいったかもしれないが、問題は、その勤務時間を延長するという理由で勤務時間の延長が行なわれ、人事院またこれに対して承認を与えました。給与法上の承認を与えました。検察事務官の場合には、労働基準法によるあるいは公務員法に言うところの制限された勤務時間のワクをこえて勤務することを認めるという承認です。この人事院の承認は、今日まだ生きていますか、およそこれほど不当に人事院として大失態をやった承認はないと私は考えています。この問題で人事院が国会に呼び出されて質問されたら、人事院としてはたちどころに窮するはずであります。また、人事院の諸君もそれを認めざるを得ない格好です。こういう経過があったことを御承知ですか。
この発言だけを見る →
← 戻る