決算委員会

1986-04-21 衆議院 全236発言

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会議録情報#0
昭和六十一年四月二十一日(月曜日)
    午後三時六分開議
出席委員
  委員長 角屋堅次郎君
   理事 糸山英太郎君 理事 上草 義輝君
   理事 林  大幹君 理事 新村 勝雄君
   理事 渡部 行雄君 理事 貝沼 次郎君
   理事 玉置 一弥君
      有馬 元治君    臼井日出男君
      金子 一平君    古屋  亨君
      松野 頼三君    森下 元晴君
      小川 国彦君    斉藤  節君
      春田 重昭君    中川利三郎君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
 出席政府委員
        皇室経済主管  勝山  亮君
        法務大臣官房会
        計課長     清水  湛君
        大蔵政務次官  熊川 次男君
        大蔵大臣官房会
        計課長     田中 誠二君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    北村 恭二君
        大蔵大臣官房審
        議官      大山 綱明君
        大蔵省主計局次
        長       角谷 正彦君
        大蔵省関税局長 佐藤 光夫君
        大蔵省理財局次
        長       足立 和基君
        大蔵省国博金融
        局長      行天 豊雄君
        国税庁次長
        国税庁直税部長
        事務取扱    塚越 則男君
        国税庁調査査察
        部長      日向  隆君
        農林水産大臣官
        房審議官    吉國  隆君
        農林水産大臣官
        房経理課長   松下 一弘君
        運輸大臣官房会
        計課長     近藤 憲輔君
        郵政省貯金局長 塩谷  稔君
        労働大臣官房会
        計課長     石岡愼太郎君
 委員外の出席者
        宮内庁長官官房
        主計課長    山本 孝之君
        総務庁行政管理
        局監理官    菊地 徳彌君
        経済企画庁調整
        局経済協力第一
        課長      小川 修司君
        法務省刑事局刑
        事課長     原田 明夫君
        外務大臣官房審
        議官      太田  博君
        大蔵省主計局司
        計課長     西津  裕君
        厚生省保健医療
        局結核難病感染
        症課長     草刈  隆君
        厚生省薬務局企
        画課長     森  仁美君
        農林水産大臣官
        房技術総括審議
        官       芦澤 利彰君
        通商産業省生活
        産業局原料紡績
        課長      江崎  格君
        労働省労働基準
        局労災管理課長 松本 邦宏君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       中地  洌君
        会計検査院事務
        総局第一局長  三原 英孝君
        会計検査院事務
        総局第五局長  秋本 勝彦君
        国民金融公庫総
        裁       田中  敬君
        日本開発銀行総
        裁       吉瀬 維哉君
        日本輸出入銀行
        総裁      大倉 真隆君
        参  考  人
        (日本たばこ産
        業株式会社社
        長)      長岡  實君
        決算委員会調査
        室長      大谷  強君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任        補欠選任
  小坂御三郎君    有馬 元治君
  藤尾 正行君    臼井日出男君
  阿部 昭吾君    江田 五月君
同日
 辞任        補欠選任
  有馬 元治君    小坂徳三郎君
  臼井日出男君    藤尾 正行君
  江田 五月君    阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十八年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その一)
 昭和五十八年度特別会計予備費使 (承諾を求
 用総調書及び各省各庁所管使用調 めるの件)
 書(その1)          (第百一回
 昭和五十八年度特別会計予算総則 国会、内閣
 第十一条に基づく経費増額総調書 提出)
 及び各省各庁所管経費増額調書
 (その1)
 昭和五十八年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和五十八年度特別会計予備費使 (承諾を求
 用総調書反び各省各庁所管使同調 めるの件)
 書(その2)          (第百二回
 昭和五十八年度特別会計予算総則 国会、内閣
 第十一条に基づく経費増額総調書 提出)
 及び各省各庁所管経費増額調書
 (その2)
 昭和五十八年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十八年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十八年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十八年度政府関係機関決算書
 昭和五十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、
 日本開発銀行、日本輸出入銀行)
     ――――◇―――――
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角屋堅次郎#1
○角屋委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調審(その一)、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。
 この際、大蔵政務次官から各件について趣旨の説明を求めます。熊川大蔵政務次官。
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熊川次男#2
○熊川政府委員 ただいま議題となりました昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十八年度一般会計予備費予算額二千百億円のうち、昭和五十八年四月二十六日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、七百二十一億九千百二十八万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の七件。その他の経費として、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十三件であります。
 次に、昭和五十八年度各特別会計予備費予算総額三兆九千百三十四億六百九十九万円余のうち、昭和五十八年十月七日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、十七億一千二十四万円余であります。
 その内訳は、農業共済再保険特別会計農業勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費等三特別会計の三件であります。
 次に、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十八年七月二十九日から同年十二月二十三日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、八十八億二千六百九十六万円余であります。
 その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業の調整に必要な経費の増額等六特別会計の十件であります。
 次に、昭和五十八年度一般会計予備費予算額二千百億円のうち、昭和五十九年一月十日から何年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千百二十五億二千四十九万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、災害救助等に必要な経費等の五件、その他の経費として、雇用保険の求職者給付に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の二十一件であります。
 次に、昭和五十八年度各特別会計予備費予算総額三兆九千百三十四億六百九十九万円余のうち、昭和五十九年二月四日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千七百十五億五千五百四十二万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における調整勘定へ繰り入れに必要な経費等四特別会計の六件であります。
 次に、昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十九年三月十三日から同年三月三十日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、九百六十八億三千三百二十四万円余であります。
 その内訳は、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額及び道路整備特別会計における豪雪に伴う道路事業に必要な経費の増額の二件であります。
 以上が、昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件及び昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
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角屋堅次郎#3
○角屋委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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角屋堅次郎#4
○角屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次てれを許します。小川国彦君。
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小川国彦#5
○小川(国)委員 最初に、予備費に関しまして質問をいたしたいと思います。
 最近数年間の予備費の使用調書を一覧してみますと、数年間連続して、しかもほぼ同額の予備費の支出が目につくわけであります。予備費とは、憲法第八十七条に規定されておりますように、予見しがたい予算の不足に充てる支出である。予見しがたい支出であるからこそ、内閣の責任でこれを支出できるということになっておりまして、したがって、事後に国会の承認を得なければならないというふうにも規定されているわけです。ところが、今申し上げましたように、毎年継続して同額程度の予備費が使用されているという実態については、政府としてはこれはどういう事情に基づくものでありますか。
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角谷正彦#6
○角谷政府委員 今御指摘のように、予備費は、予見しがたい経費の不足に充てるために、憲法の規定に基づきまして歳出予算の中に組んでいるわけでございます。ただ、この予見しがたい経費の不足といいますのは、その支出時期、内容、目的がはっきりしていないもののみならず、ある程度支出の必要性がはっきりしているものでありましても、その金額等はっきりしないものも含むというふうに解釈されているわけでございます。
 今小川委員御指摘の件につきましては、社会保障等の各義務的費目につきまして毎年度予備費を支出する例が多いことは、確かにおっしゃるとおりでございます。これは御指摘の点につきましては、予算編成の時点におきまして、例えば医療費で申しますと、件数でございますとか単価でございますとか、予算編成時点における最新のデータに基づきまして予算を組んでいるわけでございますけれども、それがその後、例えば冬になりますとインフルエンザが流行するとか、あるいは老人の割合が予測と違いまして若干老人医療費の割合がふえる、そういうこともございまして、特定の費目につきまして毎年度ある程度の予備費を支出するという例もないわけではございません。
 そういった点につきまして、私ども、当初予算の段階でなるたけ積算の明確化を期してまいりたいと思いますけれども、現在そういった点につきまして予備費を支出しておりますのは、以上のような事情であるということについて御理解をいただきたいと思います。
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小川国彦#7
○小川(国)委員 費目を見てまいりますと、例えば皇族費で寛仁親王第一女子御誕生による必要な経費、あるいは寛仁親王第二女子御誕生による経費、容子内親王殿下に対し支出する一時金、こういうようなことで、出産とかそういうことはまさにこれは予備費でなければならないということもわかるわけでありますが、例えば内閣官房に参りまして、各内閣総理大臣が外遊をされる、これは五十六、五十七、五十八で鈴木内閣総理大臣の外遊、あるいは中曽根総理になってからの外遊、これも例えば内閣の庁費で見てまいりますと、二億九千四百六十一万五千円、あるいは五十七年度は二億四千四百九十二万六千円、五十八年度は一億四千九十五万一千円。
 大体、総理の外遊というものも、恐らく年度で何回程度というふうに決まっているのではないかというふうに思いますが、これは予備費として出すのが適切なのか、あるいはこういう外遊日程というものは、およそ内閣が、総理が年間のうちに国会の合間を縫って何回くらい外遊できるという予見ができるのかどうか、できないとすればその理由はどういうことなのか。
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角谷正彦#8
○角谷政府委員 内閣総理大臣の外遊の問題でございますけれども、確かに総理は毎年何回か外国に行かれ、外国の元首の方々と交歓され、いろいろ外交的な儀礼としてまた訪問されるということが多いわけでございます。ただ、どこの国にどういう形で行かれるかということにつきましては、当初予算編成段階では全くわかっておりません。しかも、実際の予備費の内容になりますと、例えば外国に行かれるための飛行機のチャーター料でございますとか、あるいはそれに伴います招宴のためのいろいろな経費とかということでございますけれども、それも直前まで、どういう形で何人ほどどこに行かれるかということはわからないわけでございます。そういった意味で、こういった経費につきましては、そのときどきの実態に応じ、その情勢によりまして、具体的にそれが明らかになった時点におきまして予備費を支出しているわけでございまして、これにつきましては予備費の条件に該当しているものと私どもは理解いたしております。
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小川国彦#9
○小川(国)委員 この点は深く議論してもあれですから、次に社会保障関係の予備費の支出でございますが、例えば三年間毎年支出されているもので厚生省の生活保護費補助金、これは五十六年で百四十八億、五十七年で六十五億、五十八年で六十九億、それから療養給付費等補助金、これは五十六年で六百三億、五十七年で二百二十二億、五十八年で二百一億、こういうふうに見てまいりますと、これらの補助金のおよその最低額というものは、それぞれ六十億とか二百億とか抑えられるのではないか。毎年継続して出されているものでありますから、この辺は予見できなかったのですか。
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角谷正彦#10
○角谷政府委員 今、生活保護費補助金とそれから国民健康保険の助成費についてのお尋ねがございました。
 具体的な予算編成について申し上げますと、医療費につきましては、やはり個別のそれぞれ一人当たりの医療費単価、それからその時点におきます医療給付見込みの人員との積数が予算の主体をなしているわけでございますけれども、例えば国民健康保険助成費で申しますと、予算編成段階で得られる一番最近のデータというのは、前の年の七月ぐらいまでのデータが一番直近の時点でございます。したがいまして、その時点におきますところのいろいろ過去の趨勢というものを考えながら実は予算を編成しているわけでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、その時点におきますいろいろな情勢の変化、例えばインフルエンザの流行でございますとかそういったものもございますし、あるいはその他老人の数その他の見込みというものも若干狂ってくるという点もございまして、その狂いの仕方というのはわずかほんの一%かそんな少ないものでございますけれども、何せ全体の金額が大きいものでございますので、そこら辺を加えますと、今御指摘のような予備費といったことに最終的には依存せざるを得ないというのが状況でございます。
 生活保護費につきましても、同様に直近におきますところの扶助人員の件数、単価ということから、当該年度のいろいろな保護動向を予測いたしまして予算を組んでいるわけでございますけれども、その後、雇用情勢でございますとかあるいは賃金の状況でございますといったような社会経済情勢のいろいろな変化あるいは停滞といったものから、予算の不足といったものが出てくるわけでございまして、そういった点を補正予算あるいは予備費で対応しているということでございます。
 こういった点の積算の正確さという問題につきましては、今後とも私ども予算編成段階を通じて極力直していかなければならぬ、あるいは実勢に合うようにしていかなければならないもの、こういうふうに理解いたしております。
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小川国彦#11
○小川(国)委員 そういういろいろな状況、経済変動なり社会状況の変動はわかるのですが、最後に御答弁なさったように、今はいろいろな数値を予測していくのにはそういう研究が非常に発達している時代でありますから、そういう点は十分そういうものを駆使されて、こういうものができるだけ経常経費の中で国会の承認を経てから予算が支出されるという大原則に基づくように取り組んでもらいたいと思うのです。
 次に、郵政省の郵便貯金の支払い利息なんですが、これは五十六年百二十五億、五十七年百二十五億、五十八年百二十五億と、毎年支払い利息が同額三カ年継続して計上されているわけですね。これは予備費じゃなくて、こういう同額の支払い利息であれば当然予見できたのではないかというふうに思うのでありますが、この点はどういう理由に基づくものですか。
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角谷正彦#12
○角谷政府委員 郵政省につきましては、毎年支払い利息につきまして弾力条項あるいは予備費の支出といったことを行っております。この予備費の支出を行いましたその原因は、大きく分けて二つあろうかと思います。一つは、郵便貯金につきましては、御案内のように、毎年郵貯の増加目標額というものを定めてやっておるわけでございますけれども、このところ連年その当初増加目標額を実績が上回って郵便貯金に集まっているということに伴いまして、支払い利息がふえてくるという点が一つでございます。
 それからもう一つは、郵便貯金もそのときどきの金利情勢によりまして金利が上がったり下がったりするわけでございますけれども、とかく金利が高いときに預けられた預金というものが平均よりも歩どまりがいいといいますか、そういった情勢もございまして、私ども予算を積算した段階に比べまして、その二つの要因から支払い利息がふえてくるといったことから、予備費を支出しているわけでございます。
 他方、その予備費につきましては、連年、昭和五十六年から三年間続けて百二十五億円ということを計上しているわけでございまして、私どもといたしましては、そういった予備費のほかに、弾力条項の適用でございますとか移流用とかいうことで、その支払い利息の不足に対応しているというのが現状でございます。
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小川国彦#13
○小川(国)委員 予備費の問題はその程度にしまして、次に私は、今国会の一つの焦点になっておりますし、毎年政策減税ということが国会で取り上げられてきているわけでありますけれども、その実行状況を毎年見てまいりますと、必ずしも国会が期待したような減税というものが国民のために行われていないという不満感というものを非常に強く感じているわけであります。
 そういう中で、本年度は前年度に引き続いて教育減税あるいは住宅減税、パート減税というものが政策減税として要求されているわけでありますが、こうした問題との絡みで政府税調の結論というものはいつごろどういう形で出されてくるのか、その点の見通しについて伺いたいと思います。
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大山綱明#14
○大山政府委員 お答え申し上げます。
 税制改革の問題につきましては、目下政府税調で鋭意検討が進められているところでございますが、負担の軽減、合理化に資するものについては四月にも中間的な報告を、それも含んだ全体的な諸改革事項については秋に入ってまとめて、こういうような諮問が昨年総理からございまして、その手順に従いまして目下審議が行われているところでございます。最終的にはこの秋にまとめて税制改革に関する答申が行われるものと期待いたしております。
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小川国彦#15
○小川(国)委員 その中で先回二回、予算委員会あるいは決算委員会で、私の提起していますパートの減税問題に対して、大蔵大臣からは政府税調の中に国会の議論を正確に伝えるということが言われておりますが、そのことについてはどのような措置がとられておりましょうか。
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大山綱明#16
○大山政府委員 国会での御論議につきましては、ある程度取りまとめまして税調に私ども事務当局が御報告を申し上げております。パートの問題につきましても、その一環として当然のことながら御報告を申し上げているところでございますが、具体的にパートそのものについてどうすべきだというような御議論はまださほど深まっているわけではございませんけれども、学者をもって構成されますところの専門小委員会というのがございますが、ここにおきまして学問的、理論的な問題の検討をなさいまして、そこから税調の部会に報告されました事柄の一つに課税単位につきましての報告がございます。その中に、例えば配偶者に対する特別控除を今の配偶者控除とは別に設けてはどうかといった議論がございます。そういったものも、パート問題を税調としてある程度念頭に置いた一つの議論、こんなふうに考えられるところでございます。
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小川国彦#17
○小川(国)委員 その中で、私、先般来申し上げているわけでありますが、基礎控除が三十三万、配偶者控除が三十三万、それから扶養者控除が三十三万、こうした一連の控除があるわけでありますが、現在パートの主婦は九十万円を超えて働きますと、そのために夫の配偶者控除が受けられなくなる、それから妻はみずから国民年金なり国民健康保険に加入しなければならなくなる、それからまた、夫の扶養者手当がなくなる、所得税がアップされるということで、先般来申し上げているように、パートの主婦が九十万円から仮にもう十万円ふやして百万円働いた、そうしますと、これは東京都のサラリーマンの計算でありますけれども、夫婦で子供二人の四人家庭で、九十万円からもう十万円余計に働いて百万円に主婦の収入がなった。十万円収入がふえたところが、夫と妻の所得税あるいは配偶者控除がなくなること、扶養者手当がなくなること、妻が新たに年金、保険に加入するということでかかる費用が四十三万円、そうすると、妻がたまたまパートで九十万円から十万円収入がふえたけれども、片や夫婦で四十三万円の減になる、こういう事態があるわけでありますが、こういう事態の解消について大蔵省としては何らかの見解を持っておられましょうか。
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大山綱明#18
○大山政府委員 ある段階で扶養控除の適用がないあるいは配偶者控除の適用がないということになりますと、どうしてもそこに一つのがけみたいなものが生じてしまうのが現在の制度でございます。一つには、この金額が、配偶者控除の適用を受け得る所得の限度額、この金額がやや大きくなり過ぎたところで、その段階といいますかがけと申しましょうか、それが非常に大きなものになってしまって、今先生御指摘のような問題が生じてきているわけでございます。
 さりとて、この少額不追求の金額を下げるというのも現実的では全くございませんし、いかがいたしたものかということにつきましては、税制調査会にもいろいろ御議論をいただいているところでございます。その一つの答えとして、これはまだ税制調査会の専門小委員会の報告の段階でございますが、配偶者に対する特別の控除を認めて、妻の方の所得がふえていくにつれてそれを減らしていく、消失控除という言い方をしておりますが、そうした形をとることによって、がけと申しましょうか、そういったものをなだらかにしていくという考え方をとったらどうか、これが学者による専門小委員会の報告の一つのポイントでございます。それにつきまして税制調査会としてどのようなスタンスをとるか、これはまだこれからの議論によるところが多うございますが、一つの方向を示唆したものとしてただいま申しましたような専門小委員会の報告があるということは御報告申し上げられるところでございます。
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小川国彦#19
○小川(国)委員 何か配偶者について、専従配偶者というような表現と、私どもが言っておりますパートの配偶者、これを延長線上に置くようなお考えのように今承るのですが、新聞等で報じられているところは、専従の妻というのですか、専従配偶者という表現がよくわかりにくいのですが、いわば家庭にいる主婦に対して特別控除を認めようという考え方は出ているわけです。その上で、パートで働いたりして収入を得ている主婦に対して、収入がふえるに従って控除額を減らしていく消失控除、それは一つの延長線上にあるのですか。それからもう一つは、どの辺の収入のところまでをこの消失控除の対象としてお考えになっていらっしゃるのか。
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大山綱明#20
○大山政府委員 専門小委員会の報告でございますが、専業主婦に着目した夫婦に対する特別控除というような表現をとっているわけでございますが、この特別控除を専業主婦のみならず、少額の所得を有する配偶者の場合にも適用することとし、かつ消失控除として仕組むことはどうか、正確に申しますとこういう表現をとっております。したがいまして、専門小委員会の報告では、ただいま先生のおっしゃいますような、専業主婦だけではなくその延長線上にあるようなものを、こういった考え方であろうかと存じます。
 もう一点、どの辺の所得あるいは収入の階層までと考えておるのかということでございますが、まだこの報告には具体的な金額、数字は入っておりませんで、何とも私の方から申し上げるお答えを持ち合わせておらないわけでございますが、今の三十三万円、収入で申しますと九十万円以下の方々には、当然のこととして何がしかの適用があるのかと思いますが、もっとも仕組み方によってどうなるか、まだ私どもも具体的にどう仕組むのか具体的な検討をいたしておりませんが、三十三万円、あるいは収入金額で九十万円を超す方々についても何らかのこういう特別控除が認められ、それが収入に応じてバニッシュする、消失していく、こんな姿がこの報告では考えられているのではないか、こういったことはある程度推測ができるところでございます。
 なお、専門小委員会の報告を私どもある種の解釈をいたしまして今のようなお答えを申し上げておりますので、まだ最終的な答申でないという点を念のため申し上げさせていただきます。
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小川国彦#21
○小川(国)委員 これが先ほどお話のように四月中に中間報告が出るということでございますけれども、政府としてはこれを受けてどういう対応をなさるお考えですか。
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大山綱明#22
○大山政府委員 税制調査会の答申が出ますと、政府としては最大限その意を酌み取りまして、例年でございますと、年度改正の中に盛り込んでいくという努力をいたしておるところでございます。
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小川国彦#23
○小川(国)委員 当然これが出てくる。それから、この国会中にパートの減税に対しても一定の結論を得るということになっているわけですが、それに関連しまして、先般来私が提案いたしております所得税法の中で、控除対象配偶者三十三万円となっております。夫が妻の配偶者控除を得られる限度額が今三十三万円になっております。これが非常に混同しやすいのですが、基礎控除が三十三万あり、配偶者控除が三十三万あり、扶養者控除が三十三万あり、それから夫が妻の配偶者控除を受けられる限度額が三十三万。だから私どもは、夫が妻の配偶者控除を得られる限度額という所得税法の二条三十三号口の規定の三十三万円を六十三万円ということにしても、政府の実質的な税収には影響を与えない、しかも基礎控除や配偶者控除を動かすわけではないので、今考えられているような大きな国の税収減にはならないという考え方で提案をしているわけであります。
 それに対しまして、大蔵省の過去二回の委員会答弁の中では、配偶者控除と扶養者控除を同額にしなければならないとする少額不追求という考え方が出ているわけです。私どもは、配偶者控除の三十三万円を六十三万円にまですれば、今九十万のパートが百二十万まで働いても夫の配偶者控除は依然として残せる、そこだけを改正できるではないかということを言っているわけですが、大蔵省の方は、扶養者控除の方も三十三万から六十三万に変えなければならないという考え方を述べているのです。私は、どうも同額でなければならないという答弁については納得できないでいるわけです。
 大山審議官は去る三月六日の分科会で、私の質問に対して、
 あるところまでの所得については宥恕して、扶養控除あるいは配偶者控除、同じような性格のものでありますが、その対象にしてあげましょうというのが、この所得税法第二条の規定の背後にある考え方でございますので、金額としてはやはり同じ水準にあるのが適当なのだろうと考えます。確かに条文の号は別々に書いてありますから、一方を直したらいいじゃないか、それは技術的には可能でございますけれども、背後にある考え方からしてやはりそうはまいらないというのが私どもの立場でございます。また、少額不追求という考え方からできている制度でございますので、それが同額でなくなるということは、なぜ配偶者控除の場合にはたくさん所得があってもそれを追求しないでおいて、扶養親族つまり子供か親なんかの場合には少しの所得であっても追求されるのかという点でおかしいということになります。それをまた分ける合理性というものも私どもないのではないかと、率直にそう感じます。こういうふうに答えられているわけなんです。
 少額不追求という考え方はわかりますが、だから配偶者控除と扶養控除の額が全く同じでなければならないということには、私ども大いに納得がいかないわけであります。また、少額不追求という考え方があるにしましても、それは全く理論上のものであって、この問題は、パートの主婦が苦しい立場に置かれている現状を解決しようという、いわば政策的な判断でなし得るものではないのか。過去においても住宅減税、単身赴任減税、それからパート減税、いずれも同じ立場でこうした問題を考えて、政策的な措置としてなされてきているというふうに思うわけでありまして、その点からはこれは切り離す。
 特に扶養者控除というのは、子供さんの控除であるとか親の控除であります。今世の中は、大体夫婦が共働きをしている。それでそれが夫婦とも高い給与を得ていればいいわけでありますが、夫の収入が主であって、それを補助する立場で妻がパート収入を得ている、こういう場合には、やはり生活費なりあるいはローンの返済なり子供の教育費なりというものを得なければならないという勤労者家庭の生活の問題から来て働いている。そういう立場に置かれている妻の配偶者控除というものを面倒見てあげようという問題と、扶養者という子供とか親とかの問題は切り離すことが可能なのではないかというふうに私は考えるわけですが、この点、どういうふうにお考えになられるか、伺いたいと思います。
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大山綱明#24
○大山政府委員 前回と同じような御答弁の繰り返しになることをお許しいただきたいのでありますが、少額不追求という観点からの三十三万円でございますので、やはりこの金額が扶養控除あるいは配偶者控除、この間で違いが出てくるというのは、税制としておかしいのではないかと思います。
 それから第二点は、パートの問題、九十万円の中身でございますが、御案内のように三十三万円の部分と、給与所得控除の最低限度額五十七万円と、この二つの部分から成っているわけでございますが、この給与所得控除の最低限度額の五十七万円が余り高いものになるというのも、給与所得控除の性格づけからいきましてやや問題がある。また、この三十三万円につきましても、これが先ほど来申しておりますような少額不追求というような観点から設けられているものでございますが、これが三十三万円であるということ自身、かなり大きな数字になっているように私ども考えるわけでございますが、これをさらに引き上げるというようなことが少額不追求という制度の趣旨になじむものかどうか、ふさわしいものか、そんな点につきましても疑問を感ぜざるを得ないわけでございます。
 先生いろいろ御研究をなさっていらっしゃるということを私どもよく承っておりますし、何度がお話をさせていただいておりますので、今さら申し上げることもないのでございますが、パート税制というものがあるのではなくて、パート税制が、今申しました給与所縄控除と少額不追求の三十三万円の最低控除、こういう枠組みの中で、この金額それぞれにそれなりの理由があってでき上がっているものでございますので、パートだけどうこうということではなく、所得税法の全体の整合性の中で考えられるべき問題ではないか、かように考える次第でございます。
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小川国彦#25
○小川(国)委員 昭和五十九年のパート減税は、政府は百億円の減税を行ったわけです。このときは、おっしゃるように所得税法の給与所得控除の最低限度、五十五万円を二万円引き上げた。これは租税特別措置法という形で引き上げているわけですね。この所得税法の給与所得控除の最低限度、これを何か一万円上げると、政府としては五十億ですかの大変な財政支出を伴うということであります。ですから私は、そこの部分を動かすと言っているわけではなくて、さっき申し上げた所得税法の中の配偶者控除を受けられる限度額という、いわば架空ではないですが、考え方としては架空の枠のようなものを三十三万から六十三万までにするということでありますから、これは政策的にとり得るのじゃないか。
 それからもう一つ、少額不適追求いうこと。少額だからまあこれは細かいことは追求しないのだということで、配偶者控除と扶養者控除というのがあるというのですけれども、パートについて考えてみれば、今まで教育減税もしかりですし、それから単身赴任者の減税もそうですし、住宅減税もそうですが、これはやはりある一定の階層、ある部分に向けての政策減税をやっているわけで、だから、所得税法とかなんかの全体を動かすのじゃない。所得税法の大きな問題でなくて、これは部分減税だ、それこそパート減税だと思うのですね。だからそれは、私に言わしむれば、所得税法の二条三十三号のロの項を変えるだけでできることであって、それは配偶者控除と扶養者控除を何も一緒に置かなくてもいいのじゃないか。
 扶養者控除の中で、何かこの前の議論の中にあったのでしょうか、子供が、例えば娘が働いている場合もある、それから親が働いている場合もあると言っておりますが、配偶者控除の対象になっている主婦以外のそういうパートというのは、もう本当にわずかしかない。パートの中で主婦がもう八割を占めているわけでありますかられ。だから、扶養者控除の中で子供とか親とかが働いている例というのは本当にごく微々たるものではないか。そういう実態から見ましても、配偶者控除を受けられる枠を六十三万にしても決して不公正にはならないのではないかというふうに私は思うのですね。
 だから、現実的な政策減税のやり方というのは、今おっしゃるように、少額不追求の原則とかそういうような一つの理論だけで大蔵省は今までの政策減税をやってきているのじゃない。やはり具体的な部分部分に一つずつでも減税の光を当てていこうとやってきた。住宅なら住宅を購入して苦しんでいる人に今度は光を当てよう。子供の入学金が非常に多額になっている、教育費が多額になっている、じゃあ、その入学金のところだけにひとつ光を当ててやろうと言ってやっているのです。
 パートの主婦は、九十万以上働きたい、けれども、月十万円ずつ収入を得ていって、九月で九十万円になった、もうこれ以上一円たりと超したら、さっき言ったように、ちょっと十万超したら逆に四十三万のマイナスになるのだから、もうみんな九十万円のところでとまっちゃっているわけですよ。これはひとり大蔵省が少額不追求の理論だけでこの問題を律するのではなくて、大きな社会問題として考えてみれば、パートの主婦がもう九十万円の限界のところへ行ってとまっちゃっているというところを、せめて月十万、年間百二十万までこの枠を広げるということは、扶養者控除の問題と配偶者控除の問題を切り離してできるのじゃないか。
 それで夫も、妻が百二十万まで働いても、自分の配偶者控除がなくならないということならば、妻に月十万ぐらいずつ働いてもらうことには喜んで歓迎するわけなんですが、今は、九十万以上働かれて――この間も私、この問題を街頭で演説していました。そうしたら、ある運転手さんが来まして、私の妻がうっかりして九十七万円働いてしまった、そのために私の配偶者控除がなくなる、それから所得税が上がる、さっき言ったことのマイナスが全部あって、夫婦げんかになったというのですね。だから、うっかりして、ちょっとして九十万円を超してしまったためにえらいマイナスになったということを嘆いておられましたけれども、やはりそういう実態。
 それから、中小企業で経営者が、もうみんな九十万円のところになったらパートが途端に来なくなる、その後がまをどうするかというのは、結局主人や奥さんが今度は労働過重の中でカバーするとか、中小企業が一番悩んでいるのは、パートが九十万の収入になったらもうあと来てくれない、これも一つの大きな社会問題になっているわけですね。
 それからもっと、ここまで言っていいかどうかわからないのですが、もう中小企業では、パートといっても季節的なパートではない。二年も三年も続いて来てもらっているパートだ、常用労働者と同じだという考え方でいる。その労働者が来られなくなったら困るから、出勤カードを二枚つくってみたり、あるいはこういうことはあってはならないことなんだけれども、本人以外の人に払ったような形にして間に合わせなければならない、そういう現実もあるのです。
 私は、そういう不公正な形でパートの主婦を働かせることもおかしいと思うし、九十万円でやめなければならぬという今の現状というものも厳し過ぎると思いますし、やはりこの辺で私は、大きな政策的な見地から考えれば、少額不追求という理論だけにこだわるのではなくて、もっと大局的な政策的な見地でこの問題を考えられないだろうかと思うのですが、いかがでございますか。
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大山綱明#26
○大山政府委員 まず、従来の税調の御議論を御紹介申し上げますと、税制の簡素化等の観点から、当面は現行制度の枠内で対応する、つまり給与所得控除の最低控除額と少額不追求の三十三万円、「現行制度の枠内で対応することが適当であると考える。」こういうふうに基本的に述べておられるわけでございます。税の世界がまずしゃしゃり出てと申しますか、まず先頭に立ってということはなかなか難しゅうございます。
 そんなこともございまして、税制調査会の答申、別の部分で「基本的には、まず、主婦のパートや主婦の内職を雇用政策上あるいは労働法制上どう位置づけるかという視点から取り上げて議論すべき事柄であり、更に税制上の問題としても、例えば配偶者控除のあり方や課税単位といった所得税制の基本的枠組みのあり方との関連において慎重に検討を行う必要があると考える。」こんなふうに述べておられるわけでございますが、前段は、やはり労働政策としてこれをどういうふうに扱っていくのか、定義を初めとしてまだ皆目ないわけでございますが、労働政策上、まず位置づけをどうするかという一つ重要な問題があるのではないか、その上に立って、税制としても配偶者控除のあり方や課税単位の問題としてどう扱っていくかということを考えるべき問題である、これが五十九年十二月の答申でございます。
 その後の税制調査会の作業の状況は、先ほども申し上げましたが、学者グループの専門小委員会におきまして、やはりこれだけ大きな問題になっておりますパートの税制をどうするかと申しますか、先生がおっしゃいますところのパートに光を当てた税制も考えられてしかるべきではないか、こういった御議論、私どもが御報告を申し上げ、そういった観点をも踏まえまして、専門小委員会の報告では、先ほど申しましたような特別の控除、それを消失控除のような形でという報告が出てきているところは従来とは少し変わってきているところかと存じます。
 さはさりながら、パートに特別な光を当てるべきかどうか、その基本論はちょっと別にいたしまして、今の仕組みは現行制度の枠組みの中で対応する、こういう仕組みでございますので、配偶者控除をどういう人に適用していくのが適当なのか、それからまた、扶養控除はどういう人に適用していくのが適当なのか、そのバランスはいかにあるべきと考えるのか、それから、その金額の三十三万円というのは少額不追求の観点でございますが、それは現行税制の枠組みということになりますと少額不追求ということでございますので、少額不追求ということでございますとおのずから限度がある、こんなようなとらえ方で現行の税制ができているわけでございます。
 現行税制の枠内にということでございますので、全体としての整合性を私ども無視するわけにはまいらないわけでございまして、そういった点で先生の過日来の御提案、一つの御見識だと私ども拝聴いたしておりますが、現行の枠組みの中で考える限りにおいて、私ども税制を考える者にとりましていろいろ難しい問題があるということも、過日来申し上げておりますとおり事実でございます。
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小川国彦#27
○小川(国)委員 今御答弁になった中で、先般もお話しございましたが、なかなか税制度が先頭に立ってこういうことの改革をしていくことは難しい、労働法制上、雇用法制上の問題としても考えてもらわなければならぬということなんですが、私ども、この問題を調べてまいりますと、雇用保険を見ましても、あるいは国民年金を見ましても、全部大蔵省が決めている配偶者控除の三十二万ですね。それから五十七万の所得控除、それで九十万というものに右へ倣えしているわけですね。税制上、妻が九十万円を超えれば夫の配偶者控除がなくなると同じように、労働省は雇用保険において九十万円を超えれば社会保険に入らなければならぬ、それから厚生省は、国民年金も同様に九十万を超えたら入らなければならぬ。どうもその流れを見ていると、労働省や厚生省の考え方が先行しているのじゃなくて、大蔵省のこの税制の仕組みが先行しているのですよ。
 現実に、今統計では、主婦のパートは約三百五十万人と言われていますが、これはもう労働法学者の推定では八百万人、日本の労働者の四割が婦人の労働者ですが、その半分近くがパートになっている、八百万人と推定されているわけですね。だから大変な社会問題で、労働問題として解決でき得ないところ、従来の労働法なり労働基準法の観点からはもうパートをとらえ切れないところに実態は来ていると思うのです。
 今お話しの五十九年十二月の答申のときから見ますと、日本の社会情勢や経済情勢も欠きぐ変わってきている。ある意味では、今大企業であろうと中小企業であろうと、パート労働者がかなり重要な、企業の一つの主要な部分を占めつつあるという実態にあるし、北欧でもこういう実態はどんどん進んできているわけですね。
 だからそういう点では、私は残念ながら、労働法制上の問題が先行しなければならないのに、そういうものが決めている基準は、大蔵省の方は税法は所得税法で決めているのですが、厚生省の方はたしかこれは通達なんですよね。通達であるということは、法律のよりどころは所得税法にあるから、ほかの国民年金や国民健康保険の方は通達でいいということになっているんじゃないか、法制上から見ると所得税法が先行しているのですよ。
 だから、そういう意味では私は、大蔵省の方々が、この辺で政府税調の動向もにらみながらも、この辺はパートの実態というもの、もう九十万円のところで立ちどまっちゃっているたくさんのパートの主婦群の実態というものに目を当てて、それと皆さん方が主張される現行の枠組みというものとをどこでどうかみ合わせるかということをもう一段検討いただきたいと思うのですが、いかがでございます。
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大山綱明#28
○大山政府委員 パートとは何ぞやという定義を見ましても、労働省の定義と、例えば総理府統計局の定義なども違っておるようでございまして、それぞれの定義によりまして、ある者は百四十六万人と言い、ある者は三百九十万人と言うというふうに随分違っております。そのような現状のもとでパートだけを取り上げて、パート税制というようなものをつくれと言われましても、税制というのは先んじて何かやれるものかといいますと、社会経済の実態というものがあってでき上がってくるものでございますので、これはなかなか難しい面がございます。
 ただいまも国民年金あるいは健康保険で扶養家族になっている、あるいはどういう手当があるというのが税法の基準に乗っかっているという御指摘がございましたけれども、税は税でございまして、税の定義の上に随分いろいろなものがおぶさってと申しましょうか、おんぶしてきていて、何か税の基準があるから、それでみんなほかのものも律せられてしまうものだから税の方を変えよ、こう言うのは、やや税に過重な重みがかけられ過ぎているような感がいたします。
 国民健康保険をどうするか等の問題、あるいは扶養手当をどうするかというような問題というのは、税がいかにあっても別の観点から考えられてもしかるべき事柄ではないか、実はそんなふうにも思うわけでございますが、たまたま同じような基準を採用していらっしゃるということで、何か税だけが一つ悪者と申しますか、いろいろ問題視されているようなところがございますことは、いささか荷が重過まるという感を持つわけでございますが、税制調査会の答申を先ほど引用させていただきましたように、やはり現行の枠組みの中で所得をどういうふうに課税対象に入れていくかというような観点から税としては考えていかざるを得ないと思います。
 そういった中で、先ほど来御紹介申し上げておりますような専門小委員会のレポート、こういった工夫をどのように取り入れ、それがパート問題の何らかの解決の一助になればという気持ちも同時に持ちつつ、今後税制調査会において検討される事項を私どもはよく勉強いたしまして、適切な対応をすべきものと考えております。
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小川国彦#29
○小川(国)委員 私は、税を悪者だけというふうには考えているわけじゃありませんで、税法学者の中には租税国家論というのがありまして、国家というのは租税の上に成り立っているという考え方もあるし、ある意味では、そういう租税のあり方というものは国家の成り立ちの基本じゃないかというふうにも考えるわけですから、それは一概に悪者視をして考えているわけではないのです。ただ、税のあり方といいますかそういうものは、社会情勢なり経済状況なり、そういうものの日々進歩していく実態に合わせて、そういうものの組み方というのはやはりどんどん変えて考えていかなければならないのじゃないかというふうに思うわけです。
 特に私は、税収という面から見ますと、今四百万というふうに大山審議官がお答えになった、三百九十万ですか、と言われるパートでございますね、大まかに四百万と見てもいいのですが、その中の八割が主婦で三百万というふうに考えますと、仮にその百万のパートの人が三十万円余計に働かせてもらえば三百億。主婦が一年間で百二十万までパートで働いても配偶者控除は大丈夫ですよとなれば、恐らく皆さん三十万円働くと思うんですね。そうすると、その中から上がってくる税収というものは非常に大きいものがある。一〇・五%ですから、三十万円余計に働いてその一〇・五%、三万円何がしかですね。その税金を納めてもらうと、百万人のパートの奥さんに三万円納めてもらえば三百億、二百万人の奥さんに納めてもらえば六百億の税収になってくると私は思うんですね。奥さんたちにも満足して働いてもらって、九十万までが百二十万まで働けると喜び勇む、中小企業の人にも喜んでもらえる、それでなおかつ国の税収もふえる。
 私は、今まで議論したように、大蔵省の皆さんが民間所得の実態等から出している、この百二十万までやって配偶者控除の枠を六十三万にしてやった、所得税法二条三十三号のロを変えてあげたということによるマイナスの収入よりも、どうも私どもが推定するこの収入の方が大きく上回るのじゃないか。国の税収から見ても減らないで、なおかつ働いてもらって喜んでもらえる、そういうことは、税を預かる大蔵省の方でやはり前向きに考えていただける問題じゃないのかというふうに思うのですが、その税収の見通しの点はいかがですか。
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