沖縄及び北方問題に関する特別委員会

1998-10-02 参議院 全67発言

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会議録情報#0
平成十年十月二日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         立木  洋君
    理 事
                佐藤 泰三君
                橋本 聖子君
                松崎 俊久君
                福本 潤一君
    委 員
                海老原義彦君
                釜本 邦茂君
                鎌田 要人君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森田 次夫君
                山内 俊夫君
                笹野 貞子君
                竹村 泰子君
                内藤 正光君
                風間  昶君
                木庭健太郎君
                小泉 親司君
                照屋 寛徳君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  太田 誠一君
       国 務 大 臣
       (沖縄開発庁長
       官)       井上 吉夫君
   政府委員
       内閣審議官
       兼中央省庁等改
       革推進本部事務
       局次長      松田 隆利君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛施設庁施設
       部長       守屋 武昌君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       沖縄開発庁振興
       局長       襲田 正徳君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       厚生省保健医療
       局長       伊藤 雅治君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省畜産
       局長       本田 浩次君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       資源エネルギー
       庁石油部長    今井 康夫君
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小川 忠男君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        加藤 一宇君
   説明員
       外務省北米局審
       議官       田中 信明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
調査
 (北方四島周辺水域の安全操業に関する件)
 (日ロ平和条約締結に関する件)
 (北方四島ビザなし交流に関する件)
 (沖縄県の生活環境に関する件)
 (沖縄県の産業振興に関する件)
 (嘉手納基地のPCB汚染問題に関する件)
 (沖縄県の水資源開発に関する件)
 (沖縄問題を一括所掌する官庁の設置に関する
 件)
    ―――――――――――――
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立木洋#1
○委員長(立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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中川義雄#2
○中川義雄君 自民党の新人の中川義雄です。どうぞよろしくお願いいたします。
 実は、私自身北海道出身なものですから、日ロ関係、特に北方四島問題というのは大変関心が多いわけであります。私自身へ道議会議員、その前に道庁の職員をしておりまして、北海道の将来にとって日ロ、当時は日ソ、日ソの経済協力、これが北海道の将来にとってキーワードだということで北方圏構想というものを提唱しまして、今日までずっと関心を持ってきたわけであります。しかし、いろいろ体制の違いや領土問題その他がありまして、なかなかうまくいきそうでもいかなかったのが今日まででございました。
 しかし、五五年体制が崩れ、そしてまた、世界も大きな大きな東西間の対立が雪解けを迎えまして、そういう中でソ連邦がロシア連邦へと移行する。そういう中でロシア自身が市場経済体制の中に組み込まれて、そして我々と対等な立場で自由な経済協力も進められるんだな、そういう期待が非常に多いわけであります。
 しかし、その中でやっぱり領土問題というのは、これを乗り越えて平和条約を締結しなければ真の日ロ関係というのは展望されない、そういう意味からも領土問題の解決が急がれるわけであります。幸い、ここ二、三年の状況というものは、大変日ロ関係が深い、雪解けよりはもっと親密な関係に行ったかのような雰囲気がありまして、特に平成五年の東京宣言、そして昨年のクラスノヤルスクにおける首脳会談、ことしの川奈の会談等を通じて我々は大きな期待を寄せているわけです。
 そういう中で、私たち北海道にとって最も関心を呼んでいたのは、すぐ解決していただきたいと思っていたのは北方四島周辺における安全操業の問題でありました。幸い、このような情勢を反映しまして、ことしの二月に北方四島周辺水域操業枠組み協定が締結されまして、それに基づいてことしの五月に北海道水産会とロシア当局との間で覚書が結ばれた、こう聞いておりますから、その概要について御説明いただきたいと思います。
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西
西村六善#3
○政府委員(西村六善君) 今、御議論がございました北方四島周辺水域操業枠組み協定は、先生がおっしゃられましたとおり本年の二月に署名が行われましたものでございますけれども、この協定は日ロ双方の法律的な立場を害さないという大前提のもとで、長年の懸案でございました北方四島周辺の十二海里水域における安全操業を確保せんとするものでございます。それとともに、同海域におきまして生物資源の保存、合理的な利用及び再生産を確保するために日本とロシアの間で協力を進めるということを内容とするものでございます。
 今、先生がおっしゃられましたとおり了解覚書というものが北海道水産会、ロシア農業食糧省及びロシアの国境警備庁との間で合意されておるわけでございますけれども、ここの了解覚書におきましては、安全操業において漁獲し得る漁獲量及び魚種について定めているものでございます。
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中川義雄#4
○中川義雄君 実は、我々道民がこの問題に大きな期待を寄せているというのは二つ大きな理由がございまして、一つはもちろん安全操業は確保される、そしてその上に相互理解を通じて領土問題の解決にも寄与できると同時に、この地域、北洋における漁業資源の涵養といった意味からも秩序ある漁業体制が組み込まれなければならない、こう思っておるのです。
 というのは、御承知のように日本とロシアとの間には大きな大きな所得格差があるものですから、近ければ近いほど、本当に近いところに大きな所得格差の国が存在するということは、これが無秩序な経済交流を許すと例えば魚を乱獲して北海道へ入れる。北海道の価格でそれが売れるということは、北方四島の島民にとってもまたその周辺に住んでいるロシアの人たちにとってもこれは大変な所得になるわけでして、それはまた一方では乱獲につながるわけであります。ですから、一定の操業秩序も必要ですし、また取引の一定のモラル。
 しかし一方では、今本当に国境の町と言われているところではそれが非常に乱れているような、それも社会問題になっていることも事実であります。そのことはきょうは特に触れるつもりはありませんが、そういう意味でちょっと心配なのは、覚書を締結しましたが、覚書によっていろいろと約束した。約束したが、やっぱり悲しいかな人間がやることですから、お互いに違反したり、それを超えたいろんな誤解を生んだり、そこにまたトラブルのもとが起きるわけですが、このことを私たちは心配しているわけです。
 そのためにちょっと水産庁長官にお聞きしたいんですけれども、十月一日からこの覚書に基づいて操業が開始された。きのう一日実績があったはずでありますが、何か変なトラブルだとか、もう一日でも私はそのことが心配なので、ちょっとその点についてきのうの操業状態、何か報告があったらお聞かせいただきたいと思います。
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中須勇雄#5
○政府委員(中須勇雄君) ただいまお話のございましたとおり、長年の懸案というか悲願でございました北方四島周辺における漁業、昨日十月一日午前五時に船が二十隻出港いたしまして、まさに了解覚書等で定められた方法に従って一定の点で入域通告をして入っていくという形で操業、全くトラブルなく終了したというふうに一日目聞いております。漁獲量を参考までに申し上げますと、二十隻で十三・八トンの漁獲があった、こういうことでございます。続きまして、本日も操業が行われているわけでありますが、海上は若干しけ模様で、出た後早く帰ってきたというふうに聞いておりますが、漁獲量その他についてはまだ報告を受けておりません。
 基本的に現段階で順調に動いている、こういうふうに理解しております。
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中川義雄#6
○中川義雄君 今、聞きますと、本当にすばらしい船出であったと。これがずっと続いてくれればいいわけですが、今言ったようなトラブルが起きた場合、問題はこの協定に違反したり覚書に触れた場合、その取り締まり権限はどこにあるかということが非常に大きな関心でありまして、その辺が我々も見えないわけであります。多分漁民もよく知らないで操業していると思いますが、その点について明らかにしていただきたいと思います。
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西
西村六善#7
○政府委員(西村六善君) この協定のもとで北方四島周辺の水域において操業を行います日本の漁船が、我が国の法令のもとにおきまして北海道水産会が自主的に作成をいたしました指針に基づきまして操業を行います限りにおきましては、この協定の違反というものは生じないわけでございます。この点は、ロシア側と非常にはっきりと明示的に了解している点でございます。
 仮に我が国の法令に照らしまして、そういうことはないわけでございますけれども、万一我が国の法令に照らしまして違法な操業が行われた場合には、我が国の当局におかれまして取り締まりが国内法令に従って行われるということになろうかと思います。現実にはこの船が操業しております場所はロシア側が不法に占拠をしている領域でございますので、現実の取り締まりにつきまして我が国の官憲の権限が行使されるというわけにはいかないわけでございますので、日本の領域ないしは排他的な経済水域においてそれらの措置が行われるということに理論的にはなるというふうに思います。
 しかしながら、何度も申し上げますとおり、この協定におきましては、指針に基づいて漁船におかれて行動されます限りにおきましてはこの協定の違反は構成しないわけでございまして、その点につきましては累次にわたりまして漁業関係者の方々にその趣旨をよくよく御理解をいただいている、あるいは御理解をいただくために政府として最大限の努力をいたしたわけでございますしこれからもいたすわけでございますけれども、そういう前提でこの協定は運営されることになるわけでございます。
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中川義雄#8
○中川義雄君 政府として、今の現実の問題にあってそういう非常に苦しい話になると思うんです。ですから、お互いに約束した秩序を守ってやって、そこで問題が起きなければ一番いいわけですが、問題はそうでない場合もある。
 私自身も、その地域の漁民だとか何かにどうしてそういう問題がすぐ出てくるのかという話をすると、やはり人間のさがみたいなものがあって、生活に追われて、たくさん魚がいる、魚を夢中になって追っているうちに気がついたらどうしてもというような、これは許しがたい話なんですがそういうこともあったり、また絶対違反していないと思っているがロシア側からは違反していると言われて唖然とするというような話もじかに聞いたことがあるんです。
 こういう友好親善に基づいて、協定、覚書に関することですから多分そんなことは避けられると思っていますが、現実にそのことが起きたことを考えますと、私はそれによって日ロ問のいろんな感情的な対立が起きたりすることがまた四島問題の解決から見ても大変問題だと。
 ですから、問題は、我が国の立場に立ってこの秩序を守らせるための措置というものをしっかりさせぬとならない。例えば、北海道にも知事の権限で、取り締まり船だとか何かを持っております。そういったところと業界との話し合いの中で、できれば北海道知事の権限のもとに秩序ある操業といったものも考えていただきたいものだ。このことは今ここで答弁してもまたはっきりしたことは言えないと思いますので、十分知事とも調整をとって、そのことをお願いしたいと思います。
 水産庁長官、もしこのことについて何かありましたら感想でも結構ですが言っていただいて、何か非常に忙しいそうですから、それが終わったらどうぞ退席して結構でございます。
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中須勇雄#9
○政府委員(中須勇雄君) ただいま先生から御指摘のありました点は、私どもも十分心得てやっていかなければならない、そういう基本的な問題だろうと思っております。
 なお、具体的には、今回、この四島周辺水域の操業を開始するに当たりまして、北海道では、北海道海面漁業調整規則を改正いたしまして出漁、その水域で操業する船については北海道知事の承認を要する水域というふうに定めまして、あわせていろいろ守るべき事項についてはその知事の承認の際の条件として明確に付する、こういうようなことを行いまして、万が一にも違反ということが起きないようにいろいろの努力をしているところでございます。
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中川義雄#10
○中川義雄君 じゃ、北方四島周辺の安全操業に関する話はこれで終わらせていただきたいと思います。
 では次に、去年の十一月にクラスノヤルスクで日ロ首脳会談が行われ、その際、橋本・エリツィン・プランを決定したというような話を聞いているわけですが、その合意された内容等について説明していただきたいと思います。
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西
西村六善#11
○政府委員(西村六善君) 橋本・エリツィン・プランの内容につきまして御説明をさせていただきます。
 橋本・エリツィン・プランと申しますものは、日本とロシアの間におきまして経済協力あるいはその他の広い意味での経済面の協力を推進するための一つの枠組みでございます。七つの柱を持っておりまして、全体といたしまして、我が国からロシアに対する協力、それに対しますロシア側の受け入れ体制、それからロシアと日本との同レベルにおける協力といったようなものを推進するための基本的な合意の枠組みを構成するものでございます。
 第一の柱は、投資協力イニシアチブと称するものでございまして、日本からロシアに対しまして投資を促進するためのいろいろな手段、措置を講ずるように努力するということを合意しているわけでございます。具体的に申しますと、投資保護協定を現在ロシア側と交渉している最中でございますけれども、一つにはそういったものが大きな柱でございます。さらに、科学技術センターを通じまして、国際科学技術センターというものがございまして、そこにおきましてロシアのソ連時代において開発をしてきた科学技術を民生のために活用する仕組みをつくっているわけでございますけれども、そういった側面における日ロ間の協力といったようなことを掲げております。
 第二に、ロシア経済の国際経済体制への統合の促進という柱を立てているわけでございますけれども、これは、ロシアが貿易、投資などを通じましてロシア国内の諸制度を国際的なスタンダードといいましょうか基準に近づけるために日本がロシアと一緒になって協力をするという基本的な考え方でございまして、例えばWTOにロシアが参加するに際してそのための条件についてノウハウを提供したり協力したりするといったようなことを内容といたしております。
 三番目に、改革支援の問題でございますけれども、ロシアは、一九九一年にソ連の体制から現在のロシアの体制に変わったわけでございますけれども、それに伴いまして経済改革を諸般の分野において行っているわけでございますけれども、そういう改革を支援するために、具体的に主として技術支援でございますけれども、市場経済、中小企業の育成それから個別のインフラストラクチャーの分野の近代化といったようなものに協力をするものでございます。
 四番目といたしまして、企業経営者の養成計画に対する協力がございます。ロシアは、現代的な市場経済を推進するために企業経営者が非常に不足しているわけでございまして、五千人の企業経営者を二年間で養成するという大きな計画を持っているわけでございますけれども、それに対する協力を柱として掲げているわけでございます。
 五番目に、エネルギーの対話でございますが、エネルギーの将来的な可能性、それから日本とロシアにおける協力の可能性につきまして具体的な対話をするということにいたしておりまして、政府間でそれを行っております。
 最後の二つは、科学技術の関係、原子力の関係でございますけれども、原子力の平和利用のための協力がうたわれております。
 最後の七番目は、日本とロシアの間におきまして宇宙協力についても協力をしていこうということになっておりまして、その分野の協力について言及しているものでございます。
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中川義雄#12
○中川義雄君 このプランによりますと、多岐にわたって将来に希望の持てる内容が非常にたくさんあるわけであります。これから我が国もそのことに大変期待しているわけでありますが、この先鞭をつけるいろんなまたプロジェクトがあったわけであります。
 それは、ソ連時代には日ソ経済委員会とソ日経済委員会との間で民間ベースで話し合って、主にシベリアの極東の資源開発協力の話が進んでいった時代があったんです。その中で、例えばシベリアの森林開発につきましては、既に契約も行われて円満な取引が行われたと。
 その第二段階としまして行われたのがサハリンのオハにおける石油、天然ガスの開発協力の問題でありまして、これはサハリンのオハの天然ガスをパイプラインで北海道まで持ってきて北海道に供給するという壮大な構想でありまして、これがほとんど解決したと思われるぐらいまで進展したんですが、ソ連側から一方的に、資源に自信がなくなったからやめるという通告一本でやめた事実があったんです。
 そして、その後に出てきたのがSODECO、サハリン石油開発協力株式会社というのを日本側につくりまして、SODECOとソ連側の石油開発公団との間で協定を結んで探鉱作業が行われました。北海道としましてはそれに大変な期待を寄せて、SODECOに対して北海道からも出資を仰いでその実現に大きな期待を寄せていたんですが、これもなかなかうまくいかないうちにソ連邦は崩壊してロシアという時代に入りまして、大変な混乱の中で、一体だれを相手に話をし、多額の投資にだれが責任を負うのかという話になったわけであります。これもなかなかうまくいかないうちに新SODECO構想、アメリカのエクソン、そしてソ連との合弁による石油開発、石油、天然ガスの探鉱事業に入ったと、こう聞いているわけですが、これは通産だと思いますが、従来のSODECOと新しいSODECOの間の関連、そしてその債権債務関係についてできるだけわかりやすく説明していただきたいと思います。
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今井康夫#13
○政府委員(今井康夫君) 先生御指摘のサハリンの石油・ガス開発については長い歴史がございますので、簡単に御紹介させていただきますが、最初は石油危機のときでございます。一九七〇年代初めでございますけれども、石油の安定確保ということで、日本国官民挙げて石油開発プロジェクトをナショナルプロジェクトということで進めてまいりました。その一つがこのサハリンの石油の開発プロジェクトでございます。
 当初一ソ連は、自分の領域の中で外国企業が操業するということを認めませんでしたものですから、最初の旧SODECOという案件は融資買油契約、こちらから、日本側からお金を貸して、ソ連側は探鉱して当たった場合には日本側に油でお金を返してもらうという案件でございます。また、一定の報酬もこちらがいただくという案件でございました。
 それで、一九七四年でございますけれども、サハリン石油開発協力、いわゆる旧SODECOでございますけれども、これと石油公団及び民間企業、これは十七社、石油公団と民間企業十七社がつくったのが旧SODECOでございますけれども、それをつくりまして、ソ連側に二・七七億ドルの融資をいたしました。そのお金を使いましてソ連側は探鉱作業をやったわけでございます。
 それで、探鉱作業は八三年まで続きました。十年近く続きましたけれども、その過程で一定の油とガスが出たわけでございます。当たったわけでございますが、実は、当たった後、今度は生産に移行するという議論をして評価をしておりましたときに、いわゆる逆オイルショックということで石油価格が半分になってしまったということがございました。それで、その生産にいっ移行するかとずっと議論をしてまいってきたわけでございまして、融資しました二・七七億ドルはそのままになっておったわけでございます。
 その後、その過程でソ連が崩壊するということになりまして、今度はロシアにこの案件が引き継がれたわけでございます。その後、ロシアは新しい体制で自分の石油鉱区を開放する、海外企業にも開放するという政策をとりましたので、そこで日本側の旧SODECOはロシアとの間で交渉を開始いたしました。探鉱開発の地域をもっと広げるということ。それから、これは寒いところで作業をいたしますのでそういう技術力が非常にすぐれたエクソンを入れる、アメリカのメジャーを入れるということ。それから、融資買油契約というのを改めまして、よその国で行われているのは生産物分与契約というのがございます。みんなが入っていって成功して生産した場合は三対三対四、この場合は日本が三、エクソンが三、ロシアが四でございます、生産を分けてもらうという契約を結ぶように交渉をいたしたわけでございます。その結果、それが功を奏しましてロシア側との間で合意が行われました。
 そのときに旧SODECOは、従来、ロシアが二・七七億ドル債権を、うまくいったらという債権でございます、探鉱が成功したらという債権を持っておりましたが、これを放棄する、そのかわり鉱区をいただくという契約をいたしました。その契約を今度は具体的に実行するときに、先生おっしゃられましたように新SODECOが出てまいります。旧SODECOは今までやってきたわけですけれども、新しい鉱区をもらって探鉱するとまた非常に大きなお金がかかるものですから、古い株主の中で新しいお金を調達して新しいプロジェクトにお金を出すのは大変だという企業が出てまいりましたので、新しい会社をつくりました。それで、新しい会社とエクソンに旧SODECOが持っております権利をいわば売ったわけでございます。
 それは、二・七七億ドルソ連に貸しておったものを放棄しましたので、二・七七億ドルを新しい新SODECOとエクソンからそれがうまくいった場合には将来返してもらうという契約にいたしました。それでエクソンもそれを了承し、新SODECOも了承して、現在、新SODECOがサハリンⅠプロジェクトということで探鉱をしているところでございます。
 今、探鉱に入ったところでございまして、私ども聞いておりますのは、まずまずの成績が出ておるというふうに聞いております。
 以上でございます。
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中川義雄#14
○中川義雄君 もっとこの問題は掘り下げて聞きたいんですけれども、時間がもうなくなりましたので、私から一つだけ。
 旧SODECOの主体になったのは石油開発公団、今有名になっている石油開発公団です。日ソ経済委員会の中の開発協力が民間ベースでほとんどやられていました。今、最後に言われたPS方式でやっていたものですから、民間が直接投資してそしてその対価をいただくというような、そういうPS方式でやっていたんですが、SODECOのやつは御承知のように探鉱という問題だったものですから、リスクマネー、出るか出ないかわからないからリスキーなマネーじゃないとだめだということでリスクマネーを提供できる石油開発公団だと、こうなったと聞いているんですね。そのほかに協力した企業、北海道も含めてありますから、その辺の債権債務がどうなっているか本当は興味を持って細かく聞きたいんですけれども、これは後の機会に譲ります。
 要するに、さきにこんなプロジェクトの推進もあって、橋本・エリツィン・プランというものも現実性を帯びてくるわけでありまして、ですから、さきのこういったプロジェクトを大事にすることがこの新しい時代の幕あけにとって大切だということだけは指摘をさせていただきたいと思います。
 話をもっと前進しまして、この四月に行われた川奈会談におきまして、この参議院の資料の中を見てみましたらこういう資料が出てきたんです。エリツィン大統領から締結を目指している平和条約の名称を一層広い問題を話し合うための平和友好協力条約とすることの提案があったと。非常に具体的な条約の名前の変更みたいな話が出てきて、これはもし差し支えなかったらこの内容について御説明いただきたいと思うわけです。
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西
西村六善#15
○政府委員(西村六善君) 川奈におきます首脳会談におきまして、ロシア側、エリツィン大統領から平和条約の内容、対象とするものを広げるべきではないかという意見があったのはそのとおりでございます。
 ロシア側と協議をいたしまして、来るべき平和条約は二つの要素、一つは四島の帰属の問題を解決する部分でございますけれども、東京宣言の第二項に基づきまして四島の帰属を決めるということを一つの内容とします。それからさらにもう一つ、二十一世紀に向けまして日ロの友好協力に関する原則などを盛り込むということで合意をいたしたわけでございます。
 条約の名称をどういうふうにするかということは、これからロシア側と協議をしなければいけない事項でございまして協議をすることにいたしておりますが、実質的に結びます平和条約ないしはどういう名前になるかは交渉次第であるわけでございます。
 その内容におきまして、四島の帰属の問題とそれから二十一世紀において日本とロシアがどういう協力をするか、どういう精神と原則で協力をしていくのかということを盛り込むことにつきましてはロシア側と日本側で合意をしている次第でございます。
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中川義雄#16
○中川義雄君 また、川奈会談におきまして橋本総理から平和条約を結ぶ大前提として、要するに国境が明らかにならない限り平和条約というのは結べないと。ですから、国境をどこに線引きするかをしっかりしなければならない。そしてその際、択捉島の北にある程度の国境を認めて、それをお互いに認めた上でこれからいろんな経済協力その他の話をすべきだというような話をしたということを新聞等の報道で聞いているわけですが、その点につきまして、わかる内容で御説明いただきたいと思います。
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西
西村六善#17
○政府委員(西村六善君) 川奈の会談におきまして四島の帰属の問題について話を行ったことは事実でございますが、我が国の態度、基本的なこの問題につきまする姿勢は既にいろいろなところで明らかにしているとおりでございまして、あの四島の帰属の問題を両国の間で解決するということが九三年に結ばれました東京宣言の第二項において明確にうたわれているわけでございますので、その帰属の問題を解決すべきであるというのが私どもの基本的な姿勢でございます。
 その姿勢に基づきまして、一定の提案をロシア側に対して行ったところでございまして、その提案に対しまして、ロシア側は現在何らかの回答を十一月に小渕総理大臣がロシアを訪問されますときにしたいということを述べているというのが現状でございます。
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中川義雄#18
○中川義雄君 そしてまた、ロシア時代に市場経済体制にロシアが入った中で、非常に進んだのは日ロの合弁事業。数はたくさん出たんですが、その多数が惨たんたる結果になっている場合が非常に多いわけであります。わけのわからない理由で一方的に権利を放棄させられたり、そういう日ロ間の友好親善にマイナスの話を随分聞く中で、非常に私たちが明るい材料として持っていたのは、ユジノサハリンスクにおけるサンタリゾートホテルの合弁事業でありましたが、これも最近の情報では、ロシア側のパートナーとの間に何かトラブルが起きて裁判になって、一方的な裁判が行われて、ロシア側がその経営権を独占すると。日本側は大変困惑しているという話を聞いたんですが、そのあたりについて御説明いただきたいと思います。
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西
西村六善#19
○政府委員(西村六善君) 今、先生が最初におっしゃられました幾つかの投資案件につきまして、いろいろな問題が起こっているという側面についてまず最初にお答えさせていただきたいと思います。
 もとよりそういう事実はございますものですから、私ども日本政府といたしましては、かねてからでございますけれども、ロシア側に対しまして政府間の貿易経済委員会その他あらゆるチャンネルを使いまして問題を指摘いたしてきているわけでございます。そういったような状況を改善するために、制度や法律の整備改善、法律の正確な正当な執行が必要であるということをロシア政府に対して累次にわたりまして申し入れてきているところでございます。
 今御議論のございましたユジノサハリンスクのサンタリゾートホテルにつきましては、おっしゃられましたとおりの状況が生じているわけでございます。このサンタリゾートホテルは、ロシア側のサハリン船舶公団とそれから日本側からは大陸貿易という会社の合弁会社でございまして、九三年から営業を開始していたわけでございますが、ロシア側のサハリン船舶公団が、公団自身が行いました融資金の返済請求をロシアの法廷に持ち出したわけでございます。返済を求める訴訟をサンクトペテルブルグの裁判所に持ち出した次第でございます。これに対しましてこの裁判所は、サハリン船舶公団の主張をほぼ全面的に認めまして、ホテルの所有権を融資の代物弁済に充てるという決定をいたしたわけでございます。その結果、サハリン船舶公団はこのホテルの所有権を現在自社のものにしているという状況でございます。
 これに対しまして、日本側の大陸貿易は、ユジノサハリンスクの裁判所にこの移転登記の無効・取り消し訴訟を行ったわけでございますけれども、九月二十一日の判決によりますと敗訴しております。しかしながら、大陸貿易の方では控訴する予定にしておりまして、その措置をこれからとることになるというふうに了解しております。
 この問題は、今先生がおっしゃられましたとおり非常に象徴的な重要な案件であるわけでございまして、政府といたしましても、その重要さに着目をいたしております。それに基づきまして、ロシア側に対しましてこういう問題が存在しているんだということを累次にわたって問題提起をしている次第でございます。
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中川義雄#20
○中川義雄君 時間が参りましたが、大臣、いろんな大きな世界の流れの中で、やはり何としても四島問題を解決して日ロの平和条約を結ばなければなりません。そういった意味で、四島問題というものは非常に大事なことでありまして、この解決に向けての大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
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太田誠一#21
○国務大臣(太田誠一君) 今、中川委員の方から具体的な、しかも私どもの知らないようなことを次々と御質問いただきました。
 今、国民運動として北方領土返還に向けてさまざまな試みがなされているわけでございますけれども、いずれにしても平和な時代に平和的な手段で領土を返還するということは、何よりもまず国民全体が一つになってそのような気持ちを持たなければならないことが第一でございます。そういうことに向けて努力を続けてまいりたいと存じます。
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中川義雄#22
○中川義雄君 終わります。
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松崎俊久#23
○松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。
 沖縄といえばすぐ基地の問題ということになりがちでありますが、私は、この基地を背景としてその重圧のもとに生活をしている沖縄県民の実態、生活の問題、健康の問題について伺いたいと思います。
 二十万以上の住民を戦争で失った沖縄、復興が目覚ましいものがあるかのように見えますが、その中身を点検してまいりますと、かなり解決されない問題が残っていることに気がつきます。沖縄といえば観光、さらにその観光の背景には美しい海とそれから長寿の島というイメージがあります。しかし、沖縄の女性は終始一貫高いずば抜けた長寿を維持しておりますが、沖縄の男性の寿命は一九八五年までには第一位を示したものの、以後他県に続々追い抜かれて第五位、第四位というところに低迷し始めました。
 この問題について、厚生省はどのような御意見をお持ちでございましょうか。伺いたいと思います。
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真野章#24
○政府委員(真野章君) 先生御指摘をいただきましたように、都道府県別の生命表によりますと、沖縄の男性の平均寿命は昭和六十年金国一位でございましたが、平成二年第五位、平成七年第四位というふうになっております。女性の平均寿命は、先生おっしゃられたとおり、ずっと全国一位でございます。
 平均寿命の都道府県ごとの違いというのは、なかなか一概にこれだという理由は難しゅうございますが、先生昨日御指摘をいただきました肺がん並びに自殺という点につきまして、平成七年の都道府県別の年齢再調整死亡率、これによりますと、気管支及び肺の悪性新生物は、沖縄県では男子が人口十万対五十八・八ということで第一位でございます。女性は十五・五ということで第二位でございます。また、自殺につきましては、男子は三十五・七ということで全国第二位、一方女性は六・三ということで全国一番低い、そういうような数字になっております。
 ただ、これもそういう状況を御説明するうちの一つでございまして、全体としての気候などの自然環境、食生活、生活水準、衛生水準、そういういろんな要素が複雑に絡み合って平均寿命というものが決まってきているのではないかというふうに考えております。
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松崎俊久#25
○松崎俊久君 今のお答えの中にありました肺がん及び自殺の問題、沖縄はどの病気も本土より低いからこそ長寿なわけでありますが、ただ本土より突出しているものがあります。それは男の肺がん、女の肺がん、さらに男の自殺であります。
 この問題がどこから来ているかというのは大変興味のあるところでありますが、肺がんの問題を特に男に限って追求してまいりますと、ある一定の年齢に固まっていることがわかります。こういう現象は他県には見られません。現在、六十五歳から八十四歳までの間の男性はずば抜けた日本一の肺がんの死亡率を示しております。ということは、恐らくこれは、沖縄が特に大気汚染がひどいとかあるいはたばこが特に多過ぎるとかというような証拠はどこにもございませんし、むしろ大気は本土よりもはるかにきれいであります。となりますと、何らかの環境的要因というものがこれにきいているものというふうに考えざるを得ません。
 それで、私は長年この問題についていろんな角度から見てまいりましたが、学校、公共建築物、米軍基地並びに大きな建物の建設が焼け野原の沖縄に新興したわけでありますが、当時いわゆる建築労働者としてこの工事に関連した世代に非常に肺がんが多い、もちろん一対一の関係を追求したわけではありませんが。そうなってまいりますと、これは一応やはりアスベストを疑わざるを得ません。となりますと、アスベストの規制というものあるいは建築規制というものが恐らく琉球政府のもとではかなり本土とは違った形であったろうと思われます。復帰後もかなり本土よりもおくれたものと考えざるを得ません。
 この問題について、建設省でしょうか、開発庁になりますか、アスベストの規制などについて、いわゆるいつごろからというようなことがもしわかりましたらお教えいただきたい。
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小野邦久#26
○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の官庁等公共的施設におけるアスベストの問題でございますが、昭和四十八年に、作業者の健康安全上の観点から、すべての工事についてアスベストの吹きつけを行わないということにいたしました。これは先生御案内のとおりだと思います。
 昭和六十二年には、空気中に浮遊するアスベストが執務者の中に大変大きな影響を及ぼすというようなこともございまして、既存の官庁施設におけるアスベスト吹きつけ材の使用状況を全国的に調査をいたしました。沖縄県内の所掌施設につきましては、三施設についてのみその使用が判明をいたしました。これら三施設につきましては、そのときの建物の劣化の状況とかいろいろな観点から対応を考えたわけでございますが、緊急に改修を必要とする一施設につきまして改修を行ったわけでございます。
 現在ではアスベストの吹きつけは、先ほどお話をいたしましたとおり、もう一切の吹きつけを行っていないわけでございますけれども、それ以外に、吹きつけでなくてもアスベストが混入されているような材料といったようなものを使うということは、これはある意味では避けるべき事柄でもございますので、そういうアスベストが混入されていない材料等の供給体制の促進状況を見きわめつつ、昭和六十年から、例えばいろいろなそういうものが入ったタイルの採用を禁止しそれ以外のものに転換をするとか、あるいは非飛散性のアスベストについても原則使用禁止にしているとか、これは昭和六十二年でございますけれども、いろいろな対策を講じてきておりまして、今後もこの方向についてきちっとやっていきたい、こう思っているところでございます。
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松崎俊久#27
○松崎俊久君 肺がんの問題は男と女両方に関連しておりますが、その次の、日本で一、二の自殺率が高い沖縄、これは皆さん案外知られておりません。
 この背景には、日本一高い失業率、それから日本一低い所得、日本一高い離婚率、こういうようなものが恐らく社会的背景として存在するからだろうと思いますが、とにかく男の自殺率は働き盛り、二十五歳から四十五歳の間、ここに集中しております。低いところの年齢と老人の自殺は断然低いんです。働き盛りだけが特に多いというこの問題の裏には、失業率、生きがいのなさ、こういうふうなものが沖縄県民の苦しみとして自殺率に表現されているのではないかというふうに私は思っています。
 そういう意味では、雇用の促進ということは大変重要なことでありますが、過日、昨年ですか、一昨年だったか、NTTが沖縄北部に一〇四の交換センターをつくられたために沖縄の雇用に非常に明るいものを与えました。今後とも雇用というものが、あそこに重工業が進出するわけではなし、そうなりますと観光業以外にはやはり情報産業の移転しかないのではないかというふうに思います。そういう意味で、開発庁が今後いろいろな予算の要求の場合に具体的に情報産業の進出を頭に置いて、ぜひ沖縄の雇用問題に一石を投じていただきたいというふうに思います。
 その次に、民力水準についてちょっとお尋ねします。
 朝日新聞がつくっております民力水準は沖縄は全国一〇〇に対し七五、所得は全国一〇〇に対し五五・〇という数字が出ております。政府から出されております数字は七十幾つという数字になっておりますが、調査法によって違うのでしょう。とにかく、このように異常に低い数字というもの、これをやはり何とかしなければいけません。そのためには、沖縄というところが特殊的に地上戦に巻き込まれ、現在も軍事基地の重圧下にあるという事情にかんがみて手厚い援助を行わなければこの問題は解決しないと思います。
 その中でちょっと気になりますのは、出生率が第一位、子供が日本で物すごく多いところ、日本の現状とは逆行する。ところが、学校の校舎面積は最悪、全国四十七番目、それから進学率も最低。こういうような事情は、やはり離島という条件もありますでしょう、航空運賃という問題もありますでしょう、しかし何よりも経済が背景にあってこういう事態になっているのではないかと思います。しかも、子供がいっぱいいるのに家屋面積一人当たりはやはり最悪という状況であります。
 こういうような沖縄県の状況に対して、開発庁はどのように、ことしの予算の概算要求などを拝見しましたが、非常にここら辺が薄いという感じを受けておりますが、いかがでございましょうか。長官、お願いします。
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井上吉夫#28
○国務大臣(井上吉夫君) 松崎議員から大変広範な角度から沖縄の置かれていろいろんな問題を御指摘いただきました。
 私は、この中で用意をいたしておりましたのは、とりわけそれが影響いたします一戸当たりの住居面積というくだりについては私が答弁する内容と思っておりましたが、その前に雇用の問題があるなと。そしてそのためには、二次産業がそんなにあるわけでもないので、観光であるとか情報産業であるとか、沖縄で新しく雇用を創出できる期待の持てるそういう分野にうんと力を入れる必要があるなということもお触れいただきました。私もそのように考えます。
 したがって、法律の改正によって、御承知のような形で特別自由貿易制度あるいは情報産業関係あるいは観光の振興対策等については全国に例のない特別の税制の制度を用意して、できるだけこういうことが実現できるように進めつつあるところであります。まだそれがかなり実を結んだという段階に至っておりませんので、そのことを目指して全力を挙げて頑張っていきたいなと思います。
 そういう中で、指摘のありました一世帯当たりの住宅の面積でございますが、昭和四十八年に五十三・七平方メートルでありましたのが、平成五年には七十四・五平米と一・三九倍にまで一世帯当たりの住宅面積が伸びました。しかし、これは全国平均に比べればまだ八割ぐらいであります。それから、学校との絡みでいう学校建築も、いずれもお話しありましたような沖縄が抱えるもろもろの問題の理由の一つであることは間違いないと思います。
 したがって、今お話のありましたようなことを含めて、住宅建設につきましては第七期の住宅建設五カ年計画で公営住宅を二千七百戸、それから沖縄振興開発公庫の融資によります住宅を含めまして公的資金によって三万五千八百戸を予定いたしております。これは全国平均のいわば公的住宅の伸び率よりもかなり手厚く計画を組んだつもりであります。
 こういうことを、新しい五カ年計画の目標を達成するために全力を挙げて頑張っていきたい。追加補正などを含め、平成十一年度に向けましても、今ほどお話しございました各問題点の認識の上にいろんなことを勉強させていただきました。しっかりやっていきたいと思います。
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松崎俊久#29
○松崎俊久君 最後に、農水並びに厚生省に質問をいたします。
 沖縄の子供を見ておりますと、いまだに戦後が続いているという印象を私は強く受けております。その理由は、日本四十七都道府県の中で唯一いまだに粉ミルクが学校給食に支給されているという現実であります。
 こういうような例は沖縄だけでありまして、それにはいろいろな原因があるだろうと思います。徐々に少しずつ生乳をまぜて、今五〇%か六〇%になってきたらしいのですが、こういう手間をかけてまで何で粉乳をいまだに。その結果、私は本土の十数カ所並びに沖縄の三カ所の高等学校で全女生徒の牛乳に対する好き嫌い、飲用率、実際に飲んでいる率を調べますと、学校給食が外れた途端に、おいしくない粉ミルクを飲まされてきた沖縄の子供たちは牛乳嫌いになって、このことがいわゆる育ち盛りの子供に牛乳を飲ませない場合には、将来、必ずこれが骨粗鬆症の対象者となることはもう学問的にもはっきりしております。骨粗鬆症になるかどうかは高等学校のときに決まると言われているぐらいであります。それを考えますと、やはり重大な問題であろうというふうに思います。
 それからもう一つは、牛乳をあそこで大量に生産しようと思えば乳牛に対する暑熱対策というものがあの亜熱帯の土地では必要であります。この暑熱対策にはやはりほかの九州、北海道よりもはるかに多くのお金がかかるわけでありますから、当然これは農水省としても酪農家に対する補助という問題が必要かと思います。そういう問題をどのようにお考えになるか。
 それから最後に、時間がありませんのでもう一つ質問申し上げますが、沖縄が本当に観光という面で収入を得たいと思うなら、従来のような観光のやり方ではなく、寒い土地の東北農民を三カ月ないし四カ月間沖縄へ移すこと、私はそれを前から考えてきて、沖縄県も最近はそれを真剣に追求しております。いわゆる長期滞在型保養施設であります。こたつに半年いて、体をみすみすだめにしていく雪国の老人たちをそっくり移していく、そのモデル事業を私は既に試験的に二つの自治体を結んでやっております。それに対して農水が別な、それに似た名目でありますが、いわゆる農村・都市交流という名目で調査費めいたものを出していただきました。
 いよいよこれを実践段階に移し、近い将来これを実行に移す予定でおりますが、そのためには、いわゆるハードの設備を長期的な目で国が出していただかなければなりません。ところが、農水省の予算の内容を拝見いたしますと、いわゆる都市と農村の交流というだけで、寒い国の老人たちの健康、そしてその生活費が沖縄にそっくり落ちるという、こういう相対的なものを考えていないわけでありまして、こうなりますと、厚生省がやはり国民の健康という視点からぜひともこの問題について考えていただかなければなりません。この点についてお伺いいたします。
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