国民生活・経済に関する調査会

2002-02-13 参議院 全118発言

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会議録情報#0
平成十四年二月十三日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         勝木 健司君
    理 事         魚住 汎英君
    理 事         北岡 秀二君
    理 事         鶴保 庸介君
    理 事         内藤 正光君
    理 事         西山登紀子君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                山東 昭子君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                中島 啓雄君
                藤井 基之君
                松山 政司君
                朝日 俊弘君
                榛葉賀津也君
                辻  泰弘君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                松 あきら君
                畑野 君枝君
                森 ゆうこ君
                山本 正和君
                大渕 絹子君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     島袋 宗康君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         勝木 健司君
    理 事
                北岡 秀二君
                鶴保 庸介君
                内藤 正光君
                日笠 勝之君
                西山登紀子君
                島袋 宗康君
    委 員
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                山東 昭子君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                中島 啓雄君
                藤井 基之君
                松山 政司君
                朝日 俊弘君
                榛葉賀津也君
                辻  泰弘君
                本田 良一君
                松 あきら君
                畑野 君枝君
                森 ゆうこ君
                山本 正和君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村松  帝君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      薦田 隆成君
       内閣府政策統括
       官        坂  篤郎君
       内閣府政策統括
       官        岩田 一政君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       法務省民事局長  房村 精一君
       財務大臣官房総
       括審議官     藤井 秀人君
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
       文部科学省研究
       振興局長     遠藤 昭雄君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済に関する調査
 (「真に豊かな社会の構築」のうち、「構造改
 革と経済財政の中期展望」と経済の活性化策、
 雇用政策及び社会保障制度の在り方について)
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件

    ─────────────
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勝木健司#1
○会長(勝木健司君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る平成十三年十二月二十五日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。
 また、去る一月十八日、松岡滿壽男君が委員を辞任され、その補欠として山本正和君が選任されました。
 また、去る一月二十一日、大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として島袋宗康君が選任されました。
    ─────────────
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勝木健司#2
○会長(勝木健司君) 理事の選任を行います。
 新会派の結成により、今期国会における理事の数が六名から七名に増えておりますので、その一名の理事の選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝木健司#3
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に島袋宗康君を指名いたします。拍手
    ─────────────
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勝木健司#4
○会長(勝木健司君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝木健司#5
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に日笠勝之君を指名いたします。拍手
    ─────────────
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勝木健司#6
○会長(勝木健司君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、本日の調査会に内閣府大臣官房審議官薦田隆成君、内閣府政策統括官坂篤郎君、内閣府政策統括官岩田一政君、内閣府国民生活局長永谷安賢君、法務省民事局長房村精一君、財務大臣官房総括審議官藤井秀人君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君及び厚生労働省保険局長大塚義治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝木健司#7
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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勝木健司#8
○会長(勝木健司君) 次に、国民生活・経済に関する調査を議題とし、「真に豊かな社会の構築」のうち、「「構造改革と経済財政の中期展望」と経済の活性化策、雇用政策及び社会保障制度の在り方」について調査を行います。
 まず、内閣府より構造改革と経済財政の中期展望について説明を聴取いたします。松下内閣府副大臣。
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松下忠洋#9
○副大臣(松下忠洋君) 内閣府の副大臣をしております松下忠洋でございます。御説明を申し上げます。
 構造改革と経済財政の中期展望は、経済財政諮問会議において審議を重ねてまいりまして、一月十八日に同会議の答申となり、更に一月二十五日に閣議決定されたものであります。この「改革と展望」は、我が国が目指す経済社会の姿と、それを実現するための構造改革を中心とした中期的な経済財政運営についての明確な将来展望を示しております。
 詳細な内容は坂統括官から説明させますけれども、私からは以下の点を御説明申し上げます。
 まず、構造改革が目指すのは人を重視する国であり、人の能力と個性の発揮を大切にする国づくりを進めること、また、こうしたことは経済の活性化にも大いに寄与するものであることなどが示されております。
 次に、中期的な経済財政運営については、今後二年程度の集中調整期間はゼロ近傍の成長を甘受せざるを得ないが、活力にあふれる民間部門と簡素で効率的な政府を目指した構造改革に継続的に取り組むことによって、民間需要主導の着実な成長を実現すること、財政を持続可能なものとしていくことなどが示されております。
 また、こうしたことを実現するために、再挑戦が可能な社会の構築、活力ある高齢社会や循環型経済社会に向けた対応等を含む新たな成長エンジンの始動など、それぞれの分野で具体的な構造改革の方向性が示されております。なお、「改革と展望」は、経済の変動等に適切に対応するため、毎年度改定することとしております。
 また、本日は、経済財政諮問会議における「改革と展望」の審議に資することを目的に、内閣府が同会議に参考資料として提出いたしました中期的な経済財政の試算も併せて配付させていただいております。この試算は閣議決定の対象ではございませんが、概要につきまして事務方から説明をさせることにいたします。
 よろしくお願いいたします。
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勝木健司#10
○会長(勝木健司君) 内閣府坂政策統括官。
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坂篤郎#11
○政府参考人(坂篤郎君) 坂でございます。
 若干の御説明をさせていただきたいと存じます。
 ただいま副大臣から御説明がございましたように、申し上げましたように、この構造改革と経済財政の中期展望でございますが、大きく分けまして二つのパートから成り立っておりまして、一つがその参考資料というものを、代表されるようないろいろな数値的な計算あるいは財政経済全般にわたるマクロ的な計算というか、試算をいろいろしてみて、そういったことも踏まえて作ったというそういう側面と、それからもう一つは、今後経済あるいは財政につきましてどういうふうにしていくかということについての、言わば政策についていろいろ記述があるということでございます。
 政策につきましては先ほど副大臣が概要を御説明申し上げたわけですが、この参考資料につきましてごく簡単に説明させていただきますと、これは閣議決定したものでもございませんし、単なる参考資料でございます。
 御承知のように、宮澤前財務大臣が、いろいろなことを研究するのにモデルというものも使って参考にして検討をしてみたらどうかという御示唆、御指示がございまして、それで私どもでモデルを作りましていろいろな検討をしてみた、こういうことでございます。
 モデルを使って参考にしている関係上、その数字を言わばいろいろ外から入れないといけない、入れないとというか、外生変数と申しますが、というふうにいろいろ入れなきゃいけない数字がございます。例えば、その政府がどういう歳出をするかといったことを、中身まではそう詳しく決められる必要はないんですが、特に数字的なものはある程度決めて算入しているわけでございます。
 そのために、例えば投資的経費につきましては、一つの仮定で想定でございますが、二〇〇三年度以降投資的経費を前年度比三%減で機械的に削減するということでございますとか、あるいは社会保障の関係につきましても、幾つかの前提を、特に財政に直接関係あるような部分につきましては幾つかの前提を置いたといったようなことがございます。あるいは、ケースを二つ計算しておりまして、基礎年金の国庫負担割合が三分の一の場合というのと二分の一の場合というのと、これも何か決めないと計算ができないのでそういうふうにしてあるわけですが、そういったことをやっております。
 繰り返しになりますが、そういった前提は計算の都合上置いたわけでございまして、その前提が政府の政策になっているとか、そういうことではないわけでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
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勝木健司#12
○会長(勝木健司君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。
 これより、「真に豊かな社会の構築」のうち、「「構造改革と経済財政の中期展望」と経済の活性化策、雇用政策及び社会保障制度の在り方」について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中島啓雄#13
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。
 ただいま、副大臣、それから坂統括官から御説明をいただきまして、ありがとうございました。私は、今、試算に示されたような数字の根拠等について、若干質問をさせていただきたいと思います。
 まず、現在の不況の原因というのをどういうふうに考えておられるのか。一刻も早く、中期計画が想定するような強靱な経済、着実な成長が望まれるわけでございますけれども、現実には、名目成長率は二年連続でマイナスとか、最近の株安、円安、債券安というトリプル安とか、なかなか不況の出口が見えてこない。二年間ぐらいは調整期間であって、その先に明かりが見えるんだと、こういうことでしょうが、明かりも多少見える感じになってこないと真に豊かな社会の構築というのが本当にできるのかどうかという感じになると思いますが、当面の不況の原因ということをどういうふうに考えておられるのか。
 長期的には、雇用、高齢化、財政赤字等による将来不安とか、非効率な社会システムとか、こういうことで構造改革をやっていかなければならぬということはそのとおりなんでございましょうが、短期的には、やはりデフレ問題とか不良債権問題等が重要な問題になってくるんじゃないかと思いますが、その辺、特に短期的な要因としてどういったウエート付けをされているのか、その辺についてお考えを聞かせていただければと思います。
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薦田隆成#14
○政府参考人(薦田隆成君) お答え申し上げます。
 現在の不況の要因についてのお尋ねでございます。短期を主としてというようなお話でございます。
 私ども、昨年十二月に、経済財政白書の第一回の号というものを公表させていただきましたが、その際に、景気回復が短命に終わった理由というものを分析いたしております。そこでは、今回の回復が外需に依存したということ、それから、経済全体というよりはIT部門への依存が大きかったこと、そういうことがあったがために、アメリカにおけるITバブルの壊れたというようなことが大きく影響するということになってしまったのではないかというふうなことを言っております。また、設備投資も、そういう意味で全般的なものという形でなくて、比較的IT中心に限られていたということでございます。
 また、所得が伸び悩むということから消費が低迷する。経済の構造が変わっていく中で、雇用がこれまでの職から離れて新しい仕事に適合していくというところでの不一致といいますか、不整合といいますか、ミスマッチというものが拡大して、大体五%の失業率の大体四%ぐらいが構造的失業だというようなこと、そういうことが消費の低迷につながっている。さらに、先生もおっしゃられた不良債権、過剰債務というものが日本経済のおもしとなっている。そういうことのために景気回復が短命に終わったというのが現在の局面だというふうに理解をしております。
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中島啓雄#15
○中島啓雄君 総括的な説明は分かりましたけれども、今、当面最大の問題はデフレをいかにして解消するかと。要するに、デフレが続いておりますと、一般的な物価下落ということだとやはり消費を抑制しますし、投資も抑制する、それから、資産価格の下落に伴ってバランスシートが悪化して、またそれが縮小の悪循環に陥るというようなことで、昨日の財政諮問会議でもデフレ問題というのは非常にトピックになったように聞いておりますけれども、内閣府の試算によりますと、GDPデフレーターは二〇〇四年にはプラスの〇・八%だと、それから二〇〇五年以降、プラスの一%とか一・一%とか、そういうプラスの状況を見込んでおられますけれども、現実は消費者物価指数で見ると三年連続のマイナスはほぼ確実だと、それから卸売物価は四年連続というようなことで、ここで二〇〇四年度からプラスにするというのはかなりいろいろな政策を考えていかないと難しいのではないかという感じがいたしますが、モデルの中ではどのような要因を見込んで一%以上の物価のプラスということを見込んでおられるのか、その辺のお考えをお聞かせいただければと思います。
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坂篤郎#16
○政府参考人(坂篤郎君) デフレというのは様々な要因があろうかと存じますけれども、当然、経済成長率でございますとかあるいは金融政策でございますとかそういったもの、例えばM2がどうなるかといったものが影響するわけでございます。
 まず中期的に見ますと、成長率が重要なわけでございますけれども、成長率につきましては、中期的に見ますと、短期的にはともかく、中期的に見ますと、やはり生産性が上がってくるということが重要かということでございます。それが言わば構造改革ということではないかと思うのでございますけれども、構造改革が進むことによって生産性が上がってまいる、日本経済全体が言わば力を取り戻す、こういうことでございますが、それに当然のことながら、日本銀行も言わばそれを助けるような金融政策の運営をしていただくということかと存じます。
 そのほかに、それが基本ということなんだろうと存じますけれども、デフレにつきましては、短期的にはやはり、昨日の、今、先生お触れになりました昨日の諮問会議なんかでも、うちの大臣が記者会見で言っていたところによりますと、そういう中期的かつ基本的な問題とともに、短期的には例えば、短期的といいますか、基本的な問題なのかもしれませんが、不良債権というものがネックになって金融というものがなかなかうまく回っていない、これをやはり基本的には何とかしていかなくちゃいかぬといったようなこと、あるいはデフレの一つの現れは資産価格が下がっているということだろうと思いますが、この資産市場をいかに活性化していくかといったようなこと、そういったことも含めまして全般に考えていかなくちゃいけない、こういうことではなかろうかというふうに考えております。
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中島啓雄#17
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 もう少し何かパンチの利いた決定的要因はと、こう欲しいところでございますが、特に日銀との関係では、九九年二月以来、名目上ゼロ金利政策というようなことで、最近においては当座預金残高を十ないし十五兆円供給するというようなことで金融調整を行っているわけでございますが、なかなか、資金はじゃぶじゃぶだといいつつも、デフレ解消までたどり着いていないということで、一方ではインフレターゲット論とか、私は物価安定ターゲットと言った方がいいと思いますが、そういった提案も出ているわけでございますが、日銀との政策協調、あるいはインフレターゲット論についての政府の見解といったものをお聞かせいただければと思います。
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薦田隆成#18
○政府参考人(薦田隆成君) 日銀と政府との関係についてのお尋ねでございます。
 デフレの阻止につきましては、正に本日御説明させていただきました「改革と展望」におきましても、デフレの克服というのを集中調整期間の最重要課題と位置付けておりますが、この「改革と展望」を審議あるいは答申をいたしました経済財政諮問会議では、日銀総裁が一員として加わっていただいておるところでございます。総理の今回の施政方針演説の中でも、日銀と一緒になって、一致協力してデフレ阻止に向けて強い決意で臨みますということをおっしゃっておられるところでございます。
 私どもも、政府側も、日銀の政策決定会合におきましては、竹中大臣ないしは大臣の指名する職員が出席をいたしまして意見を申し上げますし、昨日の経済諮問会議で御説明、公表いたしましたデフレ問題についての作業グループのレポートというようなものも日銀と政府の協力した作業の成果というようなことで、協力して今取り組んでおるつもりでございます。
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中島啓雄#19
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 次に、成長率の予測について伺いたいと思いますが、二〇〇四年度以降は実質で一・五%以上の成長率を見込むということが試算では出ておりますけれども、国民にとってみるとどういう仕掛けで一・五%の成長ができるのかなというのがもう一つ分かりにくいということがございますので、モデルの中でどういうふうに取り組まれたということなのか、もう少し具体的にこういうことをやるとこうなるんだというような例示でも結構でございますが、今後の成長率の見通しをどういう根拠から算出されたのか、教えていただきたいと思います。
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坂篤郎#20
○政府参考人(坂篤郎君) モデル的に申しますと、先ほど申し上げましたように生産性が、トータルな生産性がどういうふうに上がっていくかということでございますが、そこから先はモデルというよりは言わば人間の考えでございますけれども、この「改革と展望」の中に沿って御説明いたしますと、非常に大きく申しますと、今後二年程度の集中調整期間というのは調整期間でございますからゼロ近傍の成長ということにならざるを得ないけれども、改革の結果、活力にあふれる民間部門、あるいはそれを邪魔しない簡素で効率的な政府というものができてくると。また、改革というのは、この「改革と展望」の中に書いてあることでは、あるところに来ると峠を越えたように至るとか、何かそういうふうにぱっと展望が開けると。これは経済学的に申しますと、制度の補完制とかといったようなことをよく言うわけでございますが、いろいろなことが組み合わさって世の中というのは動いているんで、いろいろなことを少しずつ変えていくとあるところでそれが補完的に働き出すと、そういったことがあるだろうということでございます。
 そういうふうにすると二〇〇四年度以降は成長率も上がると、こういうことなんでございますが、若干具体的に、もう少し具体的に申し上げますと、例えばまず、先ほども申し上げましたが、不良債権の処理が促進される、それからあるいは証券市場の構造改革あるいは様々な規制改革、そういったものが進展しますと、例えば規制改革が進展しますと、政府がやっていたことがこれからは例えば民間がやるようになると。あるいは、PFIなんというようなのもそういったような観点の一つでございますが、そういったことによって、言わば民業の部分が、今まで民間でやっていなかったようなことが拡大してくると。そうしますと、当然、投資が拡大をいたしますし、あるいは新しい仕事を起こす方、起業と申しますか起こす業でございますね、といったものが促進されると。それからまた、そういったような大きな流れというのができてくるだろうと。
 それから、次に財政赤字につきまして、この「改革と展望」の言わば財政的なことというのもかなり大きな部分を占めているわけでございますが、財政赤字が削減をしていく、あるいは財政は規律をもって展開をしていく、と同時に社会保障制度につきましてもなかなか持続可能性というものを必ずしも国民の方々に完全には御納得いただいていないというところがあるんではないかと思うのでございますけれども、そこをちゃんと持続可能な社会保障制度をきちんと構築していくというようなことをやっていきますと将来に対する不安が軽減される、そうしますと消費も拡大すると。逆に申しますと、消費が今伸びていない理由の一つにやはり将来に対する不安というのがあるんではなかろうか、その不安の中には財政赤字でございますとか社会保障制度の将来性といったようなこともあるんではなかろうかということでございます。
 それから三番目でございますが、歳出の中身も大事だろうと。その歳出の中身を合理化していくことによりまして雇用とかあるいは民間企業のいろいろな仕事が増えていくといったようなこと、それから先ほど申し上げました規制改革なんかが進むことによりまして、特に労働力需給のミスマッチと申しますけれども、こういう仕事があってこういう人が必要なんだよねということは片一方であるわけですが、片一方で必ずしもそれに合った人たちがなかなかうまくはいないと。あるいは両方側にいるんだけれども、そこの連絡がうまくいかないといったようなことをミスマッチと申しますが、こういったことがいろいろな手段によって解消していく、縮小していくと。
 それから四番目に、先ほど全体として申し上げましたけれども、生産性が基本的には上昇していくと。
 それから、実は重要なことは、今後の日本というのは労働力が増えていかない、あるいはむしろ場合によっては減っていってしまうということがあるわけでございますが、こういうふうな場合に、結局、今まだ何というか、これからもよりたくさん働いていただける可能性があるのというのは、今の社会の仕組みからしますと女性とか高齢者の方々の言わば就業率あるいは労働力率というふうに申しますけれども、そういったものが上昇すると。そのためにもやはりそういった仕組みに社会をしていかなくちゃいけないというようなことがございます。
 例えば、この「改革と展望」の中には生涯現役社会というものを目指すんだといったようなことも、それから男女共同参画社会というのを目指すんだということも書いてございます。これはもちろん高齢者の方々や女性の方々のためということも当然あるわけでございますが、経済成長という観点から見ましてもそういうことが重要だということでございます。
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伊達忠一#21
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。
 私は、厚生労働常任委員会にも所属しているものですから、この問題については割かし厚労委員会でやっておられまして、随分お聞きもいたしておりますし、ほかの人たちも経済、雇用の問題をやられるでしょうから、私はちょっと角度を変えて質問してみたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず、先ほど松下副大臣、また坂統括官に御説明いただきました。先般の説明の資料も私もいただいたわけでございますが、これは閣議決定、一月二十五日の構造改革と経済財政の中期展望でございますね。そして参考資料、そしてまた元で言います大蔵といいますかが出している十四年度の予算の後年度の歳出・歳入への影響試算、それからこれは閣議決定されているんですが、十四年度からの経済見通し、前で言う経済企画庁でしょう、こういういろんなものが出てきているんですが、要するに財政諮問会議、経済財政諮問会議のメンバーにはこの人たちは入っているわけですね。それが各々の業で内閣を通して出してくる。非常に分かりにくいといいますか、我々にしてみると、その手順と整合性というのは一体どうなっているのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思うんです。
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坂篤郎#22
○政府参考人(坂篤郎君) 先ほどちょっと御説明いたしましたけれども、内閣府の試算と申しますのは、「改革と展望」を経済財政諮問会議で審議をするための参考として私たちが言わば作成したものでございまして、先ほど申し上げましたように、いろんな前提やなんかを置いております。
 基本的にはその前提というのは、「改革と展望」の中に示された構造改革という方向性の中で、ただ、その「改革と展望」の中は基本的には文章で書いてございますので、それを数字にしようがないから置き換えているわけでございますが、いろいろなあり得る数字の中から一つを前提として便宜選びまして、それでモデルを回してというようなことをやっておるわけでございます。それからもう一つは、例えば、財政と経済の関係もモデルの中である程度自動的にリンクするようになっておりまして、財政がこういうふうになっている、やっていくということは恐らくマクロ的な成長率なんかにも影響を及ぼす、こういう具合になっております。
 他方、財務省で作成しております「平成十四年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」と、名前からしても「平成十四年度予算の」というふうになっておりますけれども、これは、経済につきましては二種類やっているようでございますけれども、一定の前提を置きまして、かつ歳出につきましては前提というか前提がないというか、十四年度予算の制度とか政策、施策をそのまま今後も延ばして同じようにやっていった場合、その場合、十七年度までの予算につきまして歳出とか歳入がどういうふうになるかということを積み上げ的に試算をしているということかというふうに理解しております。
 したがいまして、両者は元々、何といいますかやっている試算の前提でございますとか目的でございますとか手法とかがかなり違うものでございます。ただ、私ども、当然役所同士で連絡は取っておりますので、基本的には同じようなやり方をしている部分もございますが、ただ基本的な発想やなんかが違うということでございます。
 したがいまして、これからのいわば両方の資料をどういうふうに使うかということでございますけれども、それぞれの特質、つまりやり方が違うわけで特質があるわけでございますが、それに応じまして中期的な今後の経済財政運営の在り方を検討する際に一つの参考あるいは手掛かりといったものとして活用していくんではないかなというふうに思っておるわけでございます。
 また、先生お触れになりました政府経済見通しとの関係でございますが、内閣府試算の平成十三年度及び十四年度の数値は、これは政府経済見通しをそのまま使っております。したがいまして、そういう意味では両者は整合的になっているということでございます。
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伊達忠一#23
○伊達忠一君 できるだけ、正直言って簡素で分かりやすく私どもはしてもらえれば、そんなに何冊も資料を集めて検討しなきゃならぬということになると非常に難しくなってしまうのでよろしくお願いしたい、こう思っております。
 それで、先ほど申し上げましたように、実はこの構造改革と経済財政の中期展望ですか、これの人材大国の実現、いわゆる競争力のある大学の実現に向けた改革と、それからその次のグローバル化の進展の前提に大学改革や規制改革など全般にわたって見直すんだということをここで言っておられますが、このことについてちょっとお聞きをいたしたい、こう思っております。
 要するに、これからの大学の改革ということなんですが、いわゆるずっと、学問ですから戦後設置された学部学科というのはこれはずっと踏襲して継承していくことも私は必要だ、こう思っておりますけれども、しかし、戦後五十数年たってやっぱり時代が相当変化してきますし、科学ももう日進月歩でどんどんどんどん進んできている。この状況にあって、私はやはり時代のニーズに合った学科の対応というようなことも私はやっぱり必要だろうと。対応ですとか見直しがやっぱり私はする必要があるんではなかろうか、こう思っております。
 一例を挙げれば、大変かつてお医者さんが少ないときに、日本の国民の健康、医療に大変大きな影響を与えるということで各県に医科大学を作りまして、今離島を抜かせば大体充足されたのではないかというような時代にまで迎えておりますが、逆に、一方では今度歯科医さんが、官立でもやる、私立でも教育をするというようなことでどんどんどんどんもうあふれて、今やもう二三%だか四%の、文部省のあれによりますと就職がこの程度になってしまって、もうあふれてしまっているというような状況のようでございます。
 それで、また一方では今度、隣に藤井先生おられますが、薬剤師さん、薬学部を出てくる薬剤師さんが少なくて、大変どんどんどんどん調剤薬局だとかなんとか進んでいく中において引き抜き合いをやっているというような、その需要と供給のあれが非常に悪いということがあるようでございまして、私はやっぱりこういう時代時代にあって、今、まして医療改革を抜本的にしようというようなときに、医師だとか薬剤師だとか看護婦だとか、そういう医療技術者がやっぱりしっかりと充足をされた中でやっぱり改革を抜本的にやるんならやっていくというようなことにならないと、いわゆる医療過誤の問題でやっぱり結構大きいのは、薬剤師さんの要するに不足による医療過誤というものが結構起きております。そんなことから、是非ひとつ、私はこういう見直し、学科に対する見直し、大学改革をするときに、特にやっぱりこれを速やかにやれるような、そんな改革というものを私はしていかなきゃならぬのじゃないか、こう思っているんです。
 かつて聞いたことがあるんですが、大学の制度を変えるといったら、昔はトラックに一台ぐらい書類を持っていかなかったら大変だったんだというような時代があったようでございますけれども、やはりこういう一律にそれを、すべてを改革を求めるということになると、私立歯科大学なんというのはやっぱり経営を主としてやっておりますから、国がそれまで足りない分を私学が補ってきてくれていたという経緯もあるわけでございますから、その辺の改革に向けた取り組みというのをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
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工藤智規#24
○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、大学には教育という機能で人材を、社会に有為な人材を輩出するという機能、それから国境も県境もないわけでございますが、人類普遍の原理を追求する研究面の振興、さらにはその教育研究の成果を社会に還元する、人材輩出とか技術移転とかを含めた社会貢献とかいう役割はあるわけでございまして、日本の場合に国公私の大学でそれぞれいろいろな特色を持ちながらこれまで発展してきているわけでございますが、それぞれの大学がさらにその個性を発揮して光り輝く生き生きした大学になるように私どももいろいろな大学改革を進めているところでございます。
 そういう中で、御指摘のありましたような、ある程度目的養成が必要な人材養成の分野はどうするかというのは御指摘のような問題があるわけでございます。ただ、御承知のように短大あるいは大学の場合にある程度入学してから卒業するまでタイムラグがございますので、人材を育てるまでに若干の時間差があるのはやむを得ない部分はありますけれども、いずれにしても社会が求める人材をどう輩出していくかというのは大変大事な観点でございます。
 その点、私ども、国公私立大学については、その水準の維持向上等を図りますために設置認可という仕組みが日本では取られているわけでございますが、その設置認可の仕組みも近年相当弾力化してまいりまして、例えば学部を作る場合には、二年間にわたりまして、ちゃんと校舎などが整っているか、あるいは先生なりカリキュラムがしっかりしているか等々を審査して認可するわけでございますが、審査委員の方々の御協力も仰ぎまして、それを精力的に審査する仕組みにいたしまして、学部の場合ですと二年掛けていたのを一年、実質八か月ぐらいでございますが、それから学科を新しく作ります場合には、これも一年ほど掛けておりましたのを三、四か月で大体審査する。しかも、年間四回ほど随時受け付けをいたしまして、その大学の検討状況に応じた対応をするということをしてまいっております。
 ただ、これで終わりじゃございませんで、先ほどの中期展望などにもありましたような御指摘、あるいは政府内の意思決定もございますので、これを受けまして、更なる設置の在り方について今中央教育審議会の関係の分科会で大臣からの諮問を申し上げまして検討中のところでございます。その検討を経まして、私ども速やかに更なる改善に努めてまいりたいと思っております。
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伊達忠一#25
○伊達忠一君 是非ひとつ検討して、そしてそれを改革の中に生かしていただきたい、こう思っております。
 足りないところの学科をどんどんどんどん養成して、そしてそれがやっぱり今こういう騒がれている雇用の問題、需要があるところをどんどんどんどん私は積極的に取り組んでいく、このことがやはり私は今求められていることだろう、こう思っておりますし、先ほど副大臣が発言趣旨のことを言っておりまして、二番目に、構造改革を目指すのは人だと、こう言っておりました。人は教育でございますし、そして教育は人であり、人が国を造るということになるわけでございますから。今、薬学が八年、いや六年ですか、六年制を十八年からしたいというような要望で自民党も大変これに力を入れているところでございますから、そうなりますとますます足りなくなっていってしまうということにもなりますので、是非ひとつ見直しを入れていただきたい、こう思っております。
 それから次に、改革における中で、八ページにも「グローバルな活躍、貢献」ですか、要するに大学のあれをうたっておりますが、小泉政権になって、財政上の非常に今の厳しい状況の中から各省庁カット一〇%ずつされている状況でございますが、しかし一方では、小泉総理も文化だとか芸術だとか研究開発、これについてやっぱり諸外国から見ればかなり劣っているということから、こういう面はやっぱりきちっとしていかなきゃならぬというようなことで力を入れているようでございますが、それが要するに構造改革の中の八ページにも載っておりますけれども、これらをやっぱりきちっとやっていくことが私は必要だろう、こう思っております。
 今大変日本の優秀な方がどんどんどんどん諸外国に行って研究して、その成果を上げて、ノーベル賞をもらっている人もたくさんおりますし、それを製品化されて産業を興して、その国が大変経済的に活性化になっているという話も聞いているわけでございますが、今正しく空洞化が叫ばれている昨今でございますので、産学官という非常にいい制度を今打ち出しているわけでございますが、今朝の部会でもちょっとこれ製薬関係から出たんですが、どうもまだまだよそから比べれば日本の産学官というのは進めにくいと。場合によっては非常に、何というのか、贈収賄事件に発展しやすいようなことにもなっておりますし、年にそういうことが何回か起きております。しかし、そういうところが非常に、研究的には非常に重要な分野を占めておりまして、いい成果を上げることができるわけでして、そしてそういうものがやっぱり国内でいい成果を上げて、産業に結び付いていけば、私は空洞化の問題も多少解消されるでしょうし、雇用の問題にも大きく貢献するだろう、こう思っているわけでございまして、是非その辺をこれからどういうふうに制度的に改めて考えていくのか、ちょっとお聞かせをいただきたい。
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遠藤昭雄#26
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、産学官連携につきましてはアメリカなどと比べましてもかなり正直言って遅れているという面があると思います。産学官連携につきましては、大学が社会貢献をしていくという上でも重要ですし、それから学術の進展を図るという上でももちろん重要なことでございますが、とりわけこれからの我が国の経済の活性化を図っていくという観点から見ましても、大学の様々な研究成果を十分世の中に活用していくということが極めて大切になってきているというふうに考えております。
 このため、我々としては、これまで企業との共同研究を進めようとか、あるいは大学に共同研究センターというものを作ってやりやすくしようとか、それから兼職、兼業がしやすくできるようにしようとか、いろんな取組をして、その実績は過去十年間と比べましてもかなり伸びてきております。
 しかしながら、更にこれを、やっぱり取組を進めていかなければいけないというふうに思っておりまして、昨年の六月に大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プランというものを発表させていただきまして、その中でも産官学連携を重要な項目の一つに位置付けて、取組を更に進めたいというふうに考えております。
 十四年度予算案でも、特に大学発ベンチャー創出を力付けようということで予算も講じておりますし、また現在国立大学の改革の議論も行われておりますけれども、その中でも、将来に向かって産学官連携をやりやすくするにはどうしたらいいかという観点を頭の中に置いて検討していただいておりますので、こういったことも含めながら、更に産学官連携がやりやすく、そして我が国の活性化に少しでも力になるように頑張っていきたいというふうに思っております。
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伊達忠一#27
○伊達忠一君 よろしくお願いをします。
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辻泰弘#28
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 構造改革と財政の中期展望に指摘されました政策課題について質問をさせていただきたいと思います。以下、この文案にもございますように、「改革と展望」という略称で呼ばせていただきたいと思う次第でございます。
 まず、雇用、労働に関することについてお伺いしたいと思います。
 この「改革と展望」におきましては、二ページ、三ページにございますけれども、この「改革と展望」の閣議決定により、平成十一年七月閣議決定の経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針は終了することとするということになっているわけでございます。すなわち、経済計画が改まったということになるわけでございます。
 雇用対策法は、第四条におきまして、国は雇用対策基本計画を策定しなければならない、また雇用対策基本計画は、政府の策定する経済全般に関する計画と調和するものでなければならないと定めているところでございます。
 現に、現在の第九次雇用対策基本計画は、この間までありました経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針、平成十一年七月八日の閣議決定を受けて同年八月十三日に閣議決定されているところでございます。その現行の雇用対策基本計画の決定以降時間が経過する中で、私たちを取り巻く環境、経済・雇用情勢は大変大きく変化いたしまして、計画策定時における失業率の見通しやワークシェアリングの位置付けなどの面で著しい乖離が生じている。そのような中で、新たな労働情勢に即した雇用対策基本計画の策定というものが求められているのではないかと思うわけでございます。
 この「改革と展望」の閣議決定という事態を受けて、厚生労働省は新たな雇用対策基本計画の策定に早急に当たるべきだと考えるんですが、御見解をお伺いしたいと思います。
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澤田陽太郎#29
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今回閣議決定されました「改革と展望」の雇用関係の内容を見ますと、民需主導の持続的な経済成長が雇用創出のかぎであると、こうしておりまして、「規制改革などの構造改革を進め、雇用を創出するとともに、労働力需給のミスマッチを縮小し、失業率をできる限り低くするよう努め、雇用不安の軽減を目指す。」という考え方が出ております。
 こうした考え方は、先生御指摘の現行の雇用対策基本計画の基本的な課題認識と一致しておりまして、この点で、政府の策定する経済全般に関する計画と調和するものでなければならないという御指摘の雇対法第四条三項の規定に照らしましても、「改革と展望」との関係で調和は保たれているというふうに私どもは考えております。
 したがいまして、今般廃止されました従前の経済計画が新しい「改革と展望」に変わったという形式的な理由とのリンクで現行雇用対策基本計画を直ちに改定することは考えておりません。
 また、内容の話でございますが、現在私どもは、現行雇用対策基本計画及び「改革と展望」にありますように、完全失業率をできる限り低くするという考え方、そして雇対基本計画にのっとります雇用対策の基本方向に従いまして、厳しい雇用情勢に対応するための諸般の政策を推進しているところであります。
 例えば、ワークシェアリングにつきましても、現行雇用対策基本計画におきまして、政労使一体となった雇用創出・安定の取組の推進、ワークシェアリングも視野に入れた雇用創出ということで言及しておりまして、現在、政労使によるワークシェアリングの検討会議を進めているところでございます。
 失業率の問題等々ございますが、現行の雇用対策基本計画も「改革と展望」も、この失業率につきましてはいずれも閣議決定本体ではなくて参考資料という形で位置づけられておりまして、二〇一〇年の失業率は両計画とも四・二%ということで一致をしているところでございます。
 したがいまして、るる申し上げましたが、国が講じようとする施策の基本方向という実質的な側面におきましても、直ちに現在の雇用対策基本計画を改定する必要があるとは考えておらないというところでございます。
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