環境委員会

2003-06-12 参議院 全142発言

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会議録情報#0
平成十五年六月十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         海野  徹君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                段本 幸男君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                真鍋 賢二君
                山下 英利君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
                田  英夫君
   国務大臣
       環境大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       水産庁長官    木下 寛之君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
       環境省自然環境
       局長       岩尾總一郎君
   参考人
       国際協力銀行理
       事        森田 嘉彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
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海野徹#1
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、水産庁長官木下寛之君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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海野徹#2
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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海野徹#3
○委員長(海野徹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国際協力銀行理事森田嘉彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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海野徹#4
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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海野徹#5
○委員長(海野徹君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小泉顕雄#6
○小泉顕雄君 おはようございます。よろしくお願いをいたします。
 環境問題が大変深刻な中で、種の保存ということを通して生物の多様性を維持をしていこうということにかかわって、今回この種の保存の法案改正につきまして質問をさせていただけることを大変私は大きな喜びと感じております。
 まず最初に、一点お聞きをしたいと思うんですけれども、この改正のポイントであります国際希少野生動植物に係る登録認定関係事務というものを国が指定をする公益法人から登録機関によって行わせるというふうに変更をするということでありますけれども、行政が公益法人にどのようにかかわっていくかということについていろいろ改革をするということは、これは当然必要なことであろうと思いますけれども、しかし問題によれば、常にやはり行政が主導的な立場を保ちつつ、何といいましょうか、働き掛けをしていかなければいけない分野もあるのではないかと思ったりするわけですけれども、今回、こういうふうに改正をされることにつきまして、改正をして大丈夫という言い方は大変失礼な言い方かもしれませんけれども、大丈夫なのか、まずそれについてお伺いをしたいと思います。
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岩尾總一郎#7
○政府参考人(岩尾總一郎君) 我が国がワシントン条約の責務を果たしていく上で、適正に実施していく必要がある業務がございます。今回のこの種の保存法に基づく登録認定関係の業務の改正案におきましても、こういう責務を果たすために必要な措置を盛り込んでおります。
 具体的には、登録認定を行う機関は、必要な専門性、公正中立性を確保するための登録基準を満たさなきゃならないこととし、かつ登録後は事務の実施体制、方法等を記載した業務規定について慎重に確認された上で認可を受けなければならないとしております。また、報告徴収、立入検査を的確に実施するとともに、適正な業務運営が行われないと認められる場合には、業務の停止命令あるいは登録の取消し、罰則などによる担保等の措置を講ずることにしております。
 このような措置によりまして、登録認定関係業務の公正性は担保できるものと考えております。
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小泉顕雄#8
○小泉顕雄君 ありがとうございました。厳正な執行というか、監視といいましょうか、お願いをしておきたいというふうに思います。
 さて、非常に日本の自然、自然というものは基本的にそうなんでしょうけれども、非常に多様なものであります。自然というものが持っているこういう多様性というものを維持するということは、単に自然の保全とかあるいは保護という問題にとどまらず、我々人間の人生観であるとかあるいは自然観といったものを豊かに育成をしていくためにも非常に大きな私は価値のあるものだというふうに考えております。
 言うまでもなく、そういう多様性を維持するというためには、種の保存といいましょうか種の維持ということが大切な課題になってくるわけでありますけれども、例えば現在よく話題になるわけでありますけれども、淡水魚の世界を見てみますと、淡水魚の世界というのはなかなか直接目に入りませんので認識を共有するということが難しい面もあるわけですけれども、河川環境の悪化、さらには外来魚の食害というか、いろんな悪影響がありまして、もう本当に猛烈なスピードで従来の魚類相というものが非常に貧弱になってきているというふうに印象を私は持っております。
 何も淡水魚だけではなく、これはもう国の内外を問わず、生物の本来持っている生物界の多様性というものが貧弱化し単純化をしているということは、そういう傾向というのははっきり指摘ができるというふうに思っておるわけですけれども、多様であるということは非常に豊かであるということでありますし、また非常に安定をしているということでもありますし、また非常に美しいということでもあります。非常に調和の取れた非常にすばらしい世界だというふうに思います。逆に、そういう生物界が持っている多様性というものが貧弱化をしていくということは、もろさを持つことにもなりますし、非常に不安定な状況であるというふうに言えると思います。
 生き物というのは、非常に積極的にそういう多様性というものを作り上げることによって、自らの調和あるいは自らの安定というものを生み出すように私は進化をしてきたというふうに思いますし、そういう実態に触れるということが我々の自然観というものを非常に豊かにしてくれるんだというふうに私は思っております。
 そういう意味で、大臣にお伺いをしたいわけですけれども、こういう生物界が持っている特有の多様性というものを維持するためには、どうしても個々の種というものもきちんと保存、保全、維持していくということが必要になるわけでありますけれども、こういう多様性とのかかわりにおいて、種の保存というものの大切さについての基本的な御認識をお伺いできればと思います。
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鈴木俊一#9
○国務大臣(鈴木俊一君) 小泉先生の御指摘のとおりに、種の保存を通じまして生物の多様性を守っていくということは、これは単に自然環境の保全だけにとどまらず、こうした豊かな生物の多様性というのは人間生活の基礎であって、また豊かな文化を形成するための根源になっているのではないかと思います。今日、人類がこうした文化そして文明を持っているわけでありますが、これも歴史的にそうした生物の多様性の中で人類がそれに触れながら作ってきた文化であり文明であると、そんなふうにも思うわけであります。
 昨年の三月に新生物多様性国家戦略を策定したわけでありますが、その中におきまして生物多様性の保全の意味が書かれているわけでありまして、人間生存の基盤、それから世代を超えた安全性・効率性の基礎、有用性の源泉、豊かな文化の根源という基本的な考えをこの生物多様性保全の意味として掲げているところでございます。
 こうした生物多様性の保全を図るためには、先生がおっしゃるとおり、個々の種の保護が図られていくということが大前提であるわけでありまして、その意味におきましても、人の影響によります野生動植物の絶滅というものを防止をして種の保存を図ること、これは現在と将来の人類の豊かな生活文化を維持する上で、人類にとって緊急、そして極めて大切な課題であると、そのように認識をしているところであります。
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小泉顕雄#10
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 さて、多様性を維持する、あるいはそれぞれの個々の種というものの保全あるいは維持というものを図っていくということと、公益というものを優先をしていろんな課題に取り組む場合に、非常に難しい問題が生じることが多々あるわけでありますけれども、大臣は種の保存ということと公益との調整ということについてどのようなお考えをお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
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鈴木俊一#11
○国務大臣(鈴木俊一君) 種の保存でありますけれども、これは国土の保全その他の公益との調整を図られつつ推進するということが必要であると認識しておりますけれども、これは種の保存が他の公益に譲るということでは決してなくて、むしろ生物多様性の保全、それから種の保存に配慮した国土の持続的可能な利用が行われるという、そういう形で調整が図られるべきものであると、そういうふうに考えております。
 したがいまして、国土の保全その他の公益のために事業を実施しようとする人は、環境影響評価の実施などを通じまして自らの社会経済活動の各段階、各局面におきまして、種の保存に対する影響、提言などの環境配慮を盛り込んでいくことが重要であると、そのように考えておりまして、今後そうした考え方が広く浸透していくように努めてまいりたいと考えております。
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小泉顕雄#12
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。そのような方向でのお取組を是非お願いをしたいというふうに思います。
 結局、公益というものがどうしても優先をされなければならないということが私は当然あると思います。それは仕方のないことでありまして、やはり公平な行政サービスというものを提供していく上では、例えば道路を新設するあるいは河川の改修を行うということは、これは必要なことであります。ただ、むしろその場合には、公益との調整を図りながらそういう事業が推進をされていかなければいけないというふうに思いますけれども、その場合に、例えばその当該地域に、中に絶滅を危惧されるような生物種が存在をするとすれば、やはりそこではその遺伝子でありますとかあるいは系統というものがきちんとどこかで保存をされるような必要があるというふうに私は思います。
 もちろん、その生息地そのものをそのまま保存をしろ、保全をしろという考え方の方もおられるわけですけれども、しかし、やはり行政サービスというものは公平に執行されなければならないし、足らないところはやっぱり補う形でいろいろ施策が充実をされなければいけないことでありますし、公平な行政サービスが保障されないということは、これはあってはならないことであるというふうに思っています。
 したがって、そういうふうに考えてくると、仮に当該地域にそういう、どうしても保護をしなければならない対象生物種がいるとすれば、その保護あるいは増殖ということをどういうふうに、どこで図っていくのかということがやっぱり十分私は議論されなければならないと思いますし、やがて将来に条件が整えれば、自然に復帰をさせてやるというような体制を整えておくということが私は大切だというふうに思っております。
 この保護増殖事業というのは、この法律あるいはこの法律に基づく基本方針の非常に大きな柱であるというふうに私は考えておるわけですけれども、我が国におきます絶滅のおそれのある野生生物の種類が、昨年九月現在では二千六百六十三種、二〇〇六年をめどに見直される予定のこのレッドリストでは、この委員会でもよく名前が出てきますジュゴンを始めとする海生哺乳類なども更に加えられて、この二千六百六十三よりもかなり大きな数字になるんではないかというふうに今から予想をされております。
 日本では、バリ島のカンムリシロムクという鳥の、これも希少種だそうですけれども、増殖に成功して、この秋には何か二十羽ほど原産国の方に返すことができるというような事例がありましたり、あるいは小笠原のアカガシラカラスバトという鳥、これも絶滅危惧種だそうですけれども、そういうようなものの繁殖、増殖の事例がありまして、我が国における増殖事業というかあるいは増殖技術というものにはかなり私は高いものがあるのではないかというふうに思っておるわけでありますけれども、全体として、先ほど言いましたように現在でも二千六百六十三という膨大な数があるわけですけれども、この絶滅が危惧される生物種についての保護増殖についての取組というのはどのようなものなのか、概要で結構ですのでお教えをいただきたいと思います。
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岩尾總一郎#13
○政府参考人(岩尾總一郎君) 種の保存法は、野生動植物が生態系の重要な構成要素であることにかんがみまして、絶滅のおそれのある種の保存を図ることによって良好な自然環境を保全することとしております。まずは、それらが生息する自然環境を保全することで種の保全を図ることが重要と認識しております。
 先生御指摘の、絶滅のおそれのある種に関して、何らかの原因により一斉に絶滅のおそれが高いという場合には、それに備えて、私ども生息地の保全に加えて動物園、水族館など生息地以外で保全することも重要であると考えています。現在、環境省が実施している保護増殖事業の中では、ツシマヤマネコの動物園での飼育、繁殖、それからミヤコタナゴの流域系統ごとの水槽飼育などを進めるほか、トキなどについては将来の不測の事態に備えまして遺伝子を含む組織を冷凍保存しております。今後とも、必要に応じ生息地以外での保全ということにも取り組んでまいりたいと考えております。
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小泉顕雄#14
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 いろんな取組がされているというふうには、それは評価をしておるわけですけれども、ただ、私は二千六百六十三というこの種類数の多さを思うときに、必ずしも、何といいましょうか、それぞれの種の保存ということについての取組は十分ではあるとは言い切れないというふうに思っております。
 今、博物館あるいは水族館、動物園の話題も触れていただきましたが、また後ほどそれについても少しお聞きをしていきたいと思います。
 この法律は、私が言うまでもありませんけれども、ワシントン条約の締結ということをきっかけにして成立をしまして、その成立の背景にはいろいろな国際的な問題への対応ということもあったということは承知をしておるわけですけれども、以後は国内の希少生物の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 生物種によりましては、絶滅が明らかに危惧されていると思われる種でありましても、天然記念物あるいは特別天然記念物というふうな指定は受けているものの、この法律に言うところの国内希少野生動植物種としては指定をされていないという例があります。
 例えば、私の地元であります、私は京都の丹波というところに住んでおるわけですけれども、琵琶湖・淀川水系の上流の方に当たるわけですが、コイ科の魚類でアユモドキという特別天然記念物の魚が生息をいたしております。これは琵琶湖・淀川水系とそれから岡山の吉井川、旭川水系にしかすんでいないということで、動物地理学の上でも非常に学術的な価値の高い魚種ではないかというふうに思うわけでありますけれども、明らかに少ない。本当にもう絶滅に瀕しておるような状態でありまして、私自身の感触としては、もう近いうちに本当にいなくなってしまうだろうというふうに思っているわけですけれども。
 本当に今心配をされる魚種が特別天然記念物ではありながら、この法に言う希少野生動物種には該当していないというところは非常に分かりにくいのではないかというふうに思うわけですけれども、このような分かりにくさというものはどういうところから起こってくるのか、あるいはこの分かりにくさを解消するためにはどのような見解をお持ちなのか、御紹介をいただければありがたいと思います。
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岩尾總一郎#15
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のアユモドキでございますが、淀川水系及び岡山県下の数河川にのみ不連続に分布する我が国の固有種でありまして、生息域が縮小を続けており、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種のⅠA類に分類されております。
 種の保存法に基づく国内希少種の指定という行為でございますが、これは捕獲の禁止、譲渡しの禁止に加えまして、鳥獣保護法の保護区よりも厳しい規制、例えば土地の形質変更の禁止などを内容とする保護区の指定措置も伴うことになります。したがいまして、その指定に当たりましては、分布状況、生息数などについて詳細に把握した上で、関係機関あるいは関係自治体との合意形成が必要であるわけです。
 このような中で、環境省としては、現在出先の機関を通じましてアユモドキの生息状況の収集を行っているところでございます。今後、更に詳細な生息状況の把握に努める方針でございますが、これと同時に、保護の重要性については関係地域、関係機関の理解を得るように努めて、アユモドキの国内希少種の指定及び保護増殖事業の実施に向けては努力してまいりたいと考えております。
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小泉顕雄#16
○小泉顕雄君 本当に是非よろしくお願いをしておきたいと思います。本当に、早晩いなくなってしまうと思います。
 先ほども少し言いましたけれども、私は、もちろんそれは地域を指定いただくことも大切なことでありますし、その自然の状況そのままで保護、保全ということを図っていただくことも大切なことだと思っていますけれども、しかし、どうしてもやむを得ない事情というものはいろいろあるわけであります。だから少なくとも、公益を優先する場合には、その代償的な考え方として、どこかで遺伝子をきちっとプールをしておきます、系統だけはきちっとどこかに保存しておきますというような取組が私は大切だというふうに思っております。
 さて、先日、文部科学省から公立博物館の設置及び運営上の好ましい基準というものが告示をされまして、博物館の設置につきまして条件が緩和をされ、造りやすくなったというふうに聞いております。これは、大変私の方も不勉強で申し訳ないわけでありますけれども、ここで言う博物館という範疇の中には、先ほどもありましたけれども、動物園であるとかあるいは水族館というものも入ってくるのかどうか、それについてお伺いをしたいと思います。
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近藤信司#17
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 博物館の定義につきましては、博物館法第二条に規定がございまして、お尋ねの動物園、水族館におきましても、この規定に基づきまして、動物や魚類等を収集、育成し、教育的配慮の下に一般公衆の利用に供するとともに、必要な事業を行い、これらの資料に関する調査研究を行い、都道府県教育委員会の登録を受けているものでありますならば、博物館法における博物館に含まれるものでございます。
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小泉顕雄#18
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 その基準の第二条におきましては、都道府県や市町村は多様な分野にわたる資料を扱うよう努めるというふうに規定をされております。もし仮に、その多様な資料の中で、ある資料が学術上あるいはその他の理由から非常に貴重なものであるというふうに判断をされるとすれば、私は、単に市町村は博物館を設置するように努めるというのではなしに、むしろ積極的に博物館などを設置をし情報を提供していくというような責任が生じてくるのではないかというふうに思うわけですけれども、このような私の考えは健全なものかどうか、御見解をお伺いをしたいと思います。
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近藤信司#19
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 国民の文化的な向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すると、こういう観点から、動物、植物のうち特に学術上の価値の高いものにつきまして保護していくということは極めて大切なことだと考えております。
 こういった学術上価値の高いものをどうやって保護、保存をしていくかと。その方策につきましてはいろいろあるんだろうと思っております。例えば、私どもでは文化財保護法に基づきまして天然記念物に指定し保護をすると、あるいは当該動植物が生息する区域を保護する、いろんな方策が考えられるわけでございます。また、今、先生がおっしゃったような、博物館を設置をして対処すると、これもまた当該地方公共団体の判断ではございますけれども、一つの有力な方策であると、このように考えております。
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小泉顕雄#20
○小泉顕雄君 ありがとうございます。不健全ではないようでありますので、感謝をいたします。
 私は、もっと本当は積極的に、やっぱり当該地域の中に貴重な考古的な遺産であるとかあるいは自然科学的な資料があるとすれば、私はやっぱり地方自治体の責任で積極的にこれは博物館というようなものを運営をしながらその啓蒙に努めていかなければいけないというふうに思っておりますので、どうぞ文部科学省の方からもそういうような御指導をいただければ大変うれしいと思います。
 先ほど申しましたけれども、私が住んでおります丹波というところは琵琶湖・淀川水系の上流に当たるということもありまして、非常に豊かな魚類相というものが残されております。具体的には、五十種類を超えるような淡水魚が生息をしておりまして、さきにも触れましたけれども、特別天然記念物のアユモドキを始めとしまして、ここに京都府のレッドデータブックがあるわけですが、この中に淡水魚が十六種記載をされておりますけれども、その十六種のうちの十種が私のふるさとには生息をしています。本当に豊かな魚類相であって、地域の住民にとっては大きな誇りであるというふうにも思っておるわけですけれども、私は、こういうような地域にこそ、それぞれの種の遺伝子であるとかあるいは系統というものを確実に保存をして、保護増殖を目指す博物館のような施設が必要であるというふうにかねてから考えてまいりました。
 文部科学省は、やはり環境省さんとも積極的に連携をしていただいて、公益に配慮をするためにどうしてもある種に対して圧力が掛かる、その圧力を加える代償としてどこかで増殖あるいは保護という取組をするように、何とか種の保存のために連携を強めていただきたいというふうに思いますし、種の保存という観点からも博物館の設置者に対して指導あるいは助言をしてほしいというふうに思うわけであります。
 仮に、環境省がこの法律に基づいてある魚種を指定をしたとすれば、やはりその指定をしたという事実を文部科学省も共有をしていただいて、実際にそういうものの保護とか増殖にかかわっていくのは水族館であり動物園であり博物館でしかないわけでありますから、やはりそういう環境省の指定を受けた速やかな対応というものを文部科学省に取っていただきたいと思います。
 また、こういう事業を進めていく上では人的な問題もたくさんあるわけですけれども、この法では希少野生動植物種保存推進員という制度も規定をされているわけですけれども、私は、博物館あるいは水族館、動物園といったものを拠点としてこういう推進員さんなどとも連携をしながら、地域の自然というもの、あるいはそれぞれの種というものの保存が図れるような仕組みを是非ともお取り組みをいただきたいというふうに思います。
 これについての御見解をいただければ有り難いと思います。
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岩尾總一郎#21
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省の方からまずお話しさせていただきます。
 この種の保存法で現在指定しております魚類、ミヤコタナゴ、イタセンパラというのがございますが、この種の保存法の指定を受け、かつ国の天然記念物である魚類などにつきましては、環境省、文部科学省共同いたしまして保護増殖事業計画を策定しております。これまで、両省間での連携を図っておるほか、事業の実施に関しても地方の博物館の学芸員の協力を得るなど実績を重ねております。
 環境省として、先生の地元のアユモドキなど絶滅のおそれのある魚類の保護増殖を進める場合、まずは関係機関との合意形成に努め、種指定ができますれば、文部科学省など関係省庁と連携して博物館等既存の施設を活用しながら保護増殖を進めることを検討してまいりたいと考えております。
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小泉顕雄#22
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。もうどうも時間が余りなくなってまいりました。
 アユモドキという具体的な魚種の名前を挙げていろいろお尋ねもさせていただいたわけでありますけれども、質問の中でも申し上げましたように、私は、こういう本当に絶滅に瀕しておる魚種というものの遺伝子、系統というものをどこかできちんとプールをしておいて、もし自然に復帰させてやれる条件が整ったときにはきちんと復帰がさせられるという体制を取っていただきたいと思いますし、これはアユモドキにとどまらず、二千六百六十三のそれぞれの種についてもやっぱり同様の措置というものを講じていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 なお、この委員会には京都の御出身の福山先生もおいでになるわけでありますが、私のアユモドキへの思い入れというものを御理解をいただきまして、何とぞよろしくお力添えをお願いをしたいと思います。
 いずれにしても、環境問題についての国民の関心というものを高め、やはり自然を愛する心情を培うためにも、かねてから申し上げておりますけれども、環境問題について国民が一斉に考えられるような日というものを設けることが私は大切ではないかというふうに思っております。別に六月五日にこだわるつもりもありません。祝日のありようというものを見直す中で、環境というものについて国民みんなが考えられる日が一日是非あればという願いを最後に申し添えまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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小川勝也#23
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 今日は、この種の保存法に関して六十分質問させていただきますが、実際、今回の改正に関することは大したボリュームじゃありませんので、種の保存あるいは生物多様性の意義、あるいは野生生物をどう保護していくのか、幅広い観点から質問させていただきたいと思います。
 ただいま小泉委員からも質問の中で言葉が使われました、生物多様性という言葉について大臣の御見解をお伺いをしたいと思うわけでありますが、私なりにとらえておりますこの言葉の意義につきましては、一つ印象に非常に残っている図、図案というのがあります。それは、生物相がピラミッド型になっている図相でありまして、例えば、人間とか猛獣とか猛禽類がそのピラミッドの頂点にいる。そして、一番下にはバクテリアとかプランクトンとかカビとか菌とか。で、その間に哺乳類とか鳥類とか両生類とか様々な生物、そして植物も入っているというピラミッドの図であります。で、どれが欠けてもバランスが崩れるんだよということを教えてくれる図でありました。
 ああ、なるほどなと、生物多様性という言葉もよく言葉を耳にするし我々も演説の中で使ったりするけれどもそういうことなのかということを、私はその図を見て改めて理解をさせていただいたつもりになりました。そして、種の保存ということに関しますと、どれか欠けてはいけないんだよということを明確に法律にするというのが今回の法律なんだろうなと、私の理解でございます。
 大臣の中での生物多様性の理解について、一言御答弁をいただきたいと思います。
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鈴木俊一#24
○国務大臣(鈴木俊一君) 地球上のいろいろな環境を考えてみますと、地球上にはこれは熱帯、それから寒帯ございます。それから、海の底から山の上まで様々な場所もございます。そういう中で、この地球上には三千万種の種があると、そういうふうに言われているわけでありますけれども、それらは今先生が御指摘になられたとおり、それぞれの種が独立をしてそこに存在するのではなしに、それが集まって生態系の中でお互いに関係し合ってその中で初めて存在をしていると、そういうような認識をしております。
 そして、我々人類もまたそういう大きな生態系の中で、その上に立って存在をしているわけでありまして、今日築いておりますこの文化でありますとか社会経済、そういうものもそういう豊かな生態系の中で初めて作り上げられているものであると、そういうふうに認識しておりまして、そういう中でその生態系全体の一つである種というものを個々に守りながらそれによって形成される生態系を守っていくということが大切なことであると、そのように認識をいたしております。
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小川勝也#25
○小川勝也君 言わずもがなのことを確認をさせていただきたいと思いますが、どの種が欠けてもいけないんだという御認識、共通の理解でございます。例えば、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ、哺乳類の中で絶滅が危惧されるということで指定をされています。そして、ただいま小泉委員からお話がありましたように、アユモドキもジュゴンもこれは大変大事なので守っていかなきゃならない。
 しかしながら、私たちがこの生物多様性ということを考えていくときにもっと身近で気付かなければならないことというのはないだろうかと私常々思っているんですけれども、例えば、私が子供のとき、家のすぐ近くに田んぼがありました。季節になるともうカエルの声がうるさくてうるさくてしようがないと、今は懐かしい響きであります。そして、秋になるとコオロギの声あるいは蛍の光。で、身近な環境が失われていっているというのは、日本全国の共通理解であろうというふうに思います。
 今私が挙げたいわゆる昆虫や生物のほかにも、例えばメダカとかドジョウなんというのはどこにでもいたよというのが、最近はメダカやドジョウを探すのはえらい大変なことになってきています。その身近な環境がこの生物多様性ということを考えさせてくれるとするならば、大臣だったらどんな御感想をお持ちになるでしょうか。
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鈴木俊一#26
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど地球全体の中での思いを述べさせていただきましたけれども、それをこう身近な問題、例えば我が国に目を落としましたときを考えてみますと、やはり最近は人間活動、そういうものを通じまして種の絶滅のおそれというものが増大をしておりますし、先生御指摘のとおり自然環境というものも減少をしていると思います。
 それから、里地里山、また水田というようなお話が、例挙げられましたけれども、そうした身近な自然が減少している。それから最近はまたよく御指摘受けるわけでありますけれども、外来種等の影響、そういうものもあるわけでありまして、我が国のこの豊かな自然相、生態系、特に我が国は南北に細長いわけでありますし、四季というものが明確にある国でありますから、本当に豊かな自然相があり、そこに豊かな生態系があるわけでありますけれども、そういうものが先生の御指摘のとおり今危機になっていると、そういうふうに感じているところでございます。
 そうした状況の中で、昨年新生物多様性国家戦略、これが策定されたわけでありますけれども、その中におきましても種の絶滅を防いで国土全体の生物多様性を保全、そして回復させるための方向性を明らかにいたしましたし、それとともに実効性のある施策の展開のための基本方針といたしまして、野生生物の絶滅防止、それから生態系保全、里地里山の保全、自然の再生、移入種対策の推進、そういうものを掲げているわけでありまして、こうした生物多様性、新生物多様性国家戦略に基づいたそういう基本方針を踏まえまして、これから生物多様性の保全のための取組、そういうものを問題意識を持ってしっかり進めていきたいと思っております。
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小川勝也#27
○小川勝也君 大臣から御答弁をいただいたとおりだろうというふうに思います。しかしながら、今回のこの種の保存に関する法律の一部改正にはどうやってその生物多様性を確保するか、種の保存をもっと効果的にするための改正という観点はほとんど盛り込まれておりません。この法の改正がこういう形で終わったいきさつ、あるいはどうしてこういう法律が提出されたのか、御説明をいただきたいと思います。
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岩尾總一郎#28
○政府参考人(岩尾總一郎君) 今回の法改正は、平成十四年三月に閣議決定された公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画によりまして、検査・登録等の事務事業を国の委託を受けて公益法人が行うとしている制度につきまして規制改革の観点から政府全体で見直すことの一環として行うものでございます。同計画におきましては、当該改革のうち法改正を要するものについては原則として平成十五年度中に措置することとされておりまして、他省庁からも同様の改正案が今国会に提出されているところであると承知しております。
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小川勝也#29
○小川勝也君 各省庁、規制改革に向けてやりなさいと言われてやっているということで、積極的にこのことをやりたかったというふうに私も把握しているわけではありません。そして、規制改革、規制緩和という方向性は全体の流れだろうというふうに思うわけでありますけれども、今回のこの改正の部分というのは最も規制緩和になじまない分野だろうというふうに思います。この規制緩和かどうかということは別にして、開放に向かっているわけでありますので、その辺の懸念を払拭するための御答弁をいただきたいと思います。
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