厚生労働委員会

2017-04-11 衆議院 全72発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月十一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      青山 周平君    赤枝 恒雄君
      秋葉 賢也君    穴見 陽一君
      江渡 聡徳君    大隈 和英君
      大野敬太郎君    大見  正君
      神谷  昇君    木原 誠二君
      小松  裕君    白須賀貴樹君
      新谷 正義君    田中 英之君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      冨岡  勉君    中村 裕之君
      長尾  敬君    丹羽 雄哉君
      福山  守君    堀内 詔子君
      前田 一男君    務台 俊介君
      山下 貴司君    阿部 知子君
      大西 健介君    岡本 充功君
      郡  和子君    田嶋  要君
      中島 克仁君    長妻  昭君
      初鹿 明博君    升田世喜男君
      伊佐 進一君    角田 秀穂君
      中野 洋昌君    高橋千鶴子君
      堀内 照文君    宮本  徹君
      河野 正美君
    …………………………………
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   参考人
   (公益社団法人日本医師会常任理事)        鈴木 邦彦君
   参考人
   (公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事)  田部井康夫君
   参考人
   (国立社会保障・人口問題研究所所長)       遠藤 久夫君
   参考人
   (社会医療法人社団健友会理事長)
   (全日本民主医療機関連合会副会長)        山田  智君
   参考人
   (一般社団法人日本慢性期医療協会会長)
   (医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長)     武久 洋三君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    —————————————
委員の異動
四月十一日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     大見  正君
  豊田真由子君     青山 周平君
  中川 郁子君     神谷  昇君
  村井 英樹君     大野敬太郎君
  郡  和子君     田嶋  要君
  水戸 将史君     升田世喜男君
  高橋千鶴子君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     豊田真由子君
  大野敬太郎君     村井 英樹君
  大見  正君     穴見 陽一君
  神谷  昇君     前田 一男君
  田嶋  要君     郡  和子君
  升田世喜男君     水戸 将史君
  宮本  徹君     高橋千鶴子君
同日
 辞任         補欠選任
  前田 一男君     中村 裕之君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 裕之君     中川 郁子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案(初鹿明博君外六名提出、衆法第七号)
 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(初鹿明博君外六名提出、衆法第八号)
     ————◇—————
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丹羽秀樹#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案、初鹿明博君外六名提出、将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案及び初鹿明博君外六名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
 本日は、各案審査のため、参考人として、公益社団法人日本医師会常任理事鈴木邦彦君、公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事田部井康夫君、国立社会保障・人口問題研究所所長遠藤久夫君、社会医療法人社団健友会理事長・全日本民主医療機関連合会副会長山田智君、一般社団法人日本慢性期医療協会会長・医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長武久洋三君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から御忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず鈴木参考人にお願いいたします。
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鈴木邦彦#2
○鈴木参考人 日本医師会の鈴木邦彦でございます。
 本日は、参考人として発言させていただく機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私は、公益社団法人日本医師会の常任理事を務めながら、地元茨城県北西部の常陸大宮市では、中小病院、介護保険施設、通所・訪問サービス事業所などの経営を行っております。
 常陸大宮市は、人口約四万二千人ですが、この五年間に約二千人減少し、高齢化率は約三三%と、これから我が国が迎える超高齢社会が一足先にやってきている地域です。
 農業を中心に古くからこの地で暮らす方がほとんどで、年金生活者の中で基礎年金だけの方が三分の二を占める地域の中で、かかりつけ医機能を持つ中小病院を中心とした法人として、地域に密着した医療、介護を提供させていただきながら、市の地域包括ケアシステムの構築に協力するとともに、少子化対策、人口減少対策、地域活性化対策を通じ、町づくりにも貢献させていただきたいと考え、積極的な取り組みを行っております。
 また、日本医師会では、地域包括ケアシステムの構築には、地域住民を支えるかかりつけ医の役割が重要であると考えています。かかりつけ医は、従来より地域の中で診療などの医療的機能と健康相談や各種健診などの社会的機能を持つものですが、日本医師会としても、かかりつけ医が地域において、みずからが有する機能をさらに発揮していただくために、さまざまな取り組みを行っております。
 本日は、こうした立場から、今国会に提出されている、いわゆる地域包括ケア強化法案について意見を述べさせていただきます。
 まず、在宅医療・介護連携の推進について、資料右下の一ページ目をごらんください。
 超高齢社会が進展していく中で、地域で暮らす高齢者を支えるためには、医療と介護は一体的かつスムーズに提供されなければなりません。地域包括ケアシステムを構築するためには、まず医療と介護が連携する仕組みを構築し、さらにきめ細かい対応をするため、自助、互助の取り組みを活発化させていくことが重要です。
 資料二ページをごらんください。
 介護保険制度においては、平成二十六年介護保険法改正により、在宅医療・介護連携推進事業として市町村が取り組むこととなりましたが、これまで地域の医療行政は都道府県が主体となって行われてきたことから、これらの経験や郡市区医師会との連携が進んでいない市町村もあり、こちらの資料に示されたデータを見ても、都道府県ごとに進捗状況に差があることがわかります。
 資料三ページをごらんください。
 在宅医療・介護連携推進事業では、八つの事業を全て郡市区医師会などへ委託することも可能であり、こちらの資料の右のグラフのように、委託先の八割前後が郡市区医師会、または一部病院・診療所というデータも示されております。
 日本医師会では、市町村と地域の医療体制を担ってきた郡市区医師会が連携することがこの事業を進めるポイントであると考えておりますが、取り組みのおくれている市町村では、郡市区医師会など関係者との連携について、まだ手探りの状況ではないかと考えられます。こうした状況を改善するためには、都道府県と都道府県医師会が連携し、市町村と郡市区医師会をしっかりと支援していくことが重要です。
 資料四ページをごらんください。
 また、元気な高齢者をふやすため、高齢者の自立支援に向け、介護予防・日常生活支援総合事業の充実が必要です。これらの事業においても医療と介護の連携が必須ですが、例えばこちらの資料のように、地域リハビリテーション支援体制について、都道府県と都道府県医師会がリハビリ専門職の派遣体制を構築し市町村を支援することで、市町村において円滑に事業実施が可能となります。
 資料五ページをごらんください。
 かかりつけ医には、医療や介護だけでなく、保健や福祉など幅広く対応するとともに、元気な高齢者の就労や社会参加とともに、仕事と子育ての両立による次世代の育成まで、より地域や社会に目を向けることが求められております。
 資料六ページをごらんください。
 日本医師会では、かかりつけ医機能を充実強化するため、昨年四月より日医かかりつけ医機能研修制度を開始しましたが、初年度は延べ九千三百九十一名の医師が研修を受講しております。
 資料七ページをごらんください。
 このように、都道府県、市町村において、医療と介護の連携を進めるには、行政と医師会が車の両輪となって、お互いに連携しながら取り組んでいくことが必要であると考えております。
 今回の法案では、都道府県による市町村支援を努力義務とすることが明記されました。制度的に位置づけられることで、都道府県が都道府県医師会と緊密に連携して、市町村における在宅医療と介護の連携を支援し、地域包括ケアシステムの構築が推進されることを期待しております。
 次に、介護医療院について、資料八ページをごらんください。
 二〇二五年に向け、慢性期の医療と介護の必要性の高い方の増加が見込まれる中、入院については、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能分化が進められております。
 また、在宅医療や介護の分野においても、中重度の要介護者を支えるサービスの整備が進みつつある状況の中で、現行の制度では、入院医療と在宅医療の中間に当たる、医療の提供を受けながら長期に療養できる生活施設がないと感じておりました。
 例えば、特養や有料老人ホーム、サービスつき高齢者向け住宅については、生活施設であるものの、医療への対応は困難であり、老健施設については、医療提供に一定の制限が設けられているとともに、在宅復帰を目的とする施設であるため、長期療養を目的とすることは困難であります。
 こうした状況の中、昨年七回にわたり開催された社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会においては、私も委員として参加させていただきましたが、喀たん吸引や経管栄養、褥瘡の管理などといった日常的な医学管理やみとりやターミナルケアなどの医療提供施設としての機能と、長期療養が必要とする方にふさわしい環境である生活施設としての機能を兼ね備えた新たな介護保険施設として、介護医療院が提案されました。
 慢性期の医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者への対応、そして地域包括ケアシステムの理念でもある住みなれた地域で最期まで暮らし続けることを真に実現するためにも、この介護医療院の創設が大いに期待されており、今国会に提出されている法案の成立が望まれています。
 最後に、地域共生社会の実現について意見を申し上げ、終わりにさせていただきたいと思います。
 資料九ページをごらんください。
 冒頭にも申し上げましたが、私は地域医療を実践する中で、医療機関を中心とした町づくりを進めることは地域の活性化にも有用であると感じております。
 世界でもトップクラスの長寿大国となり、国を挙げて健康寿命の延伸に向けた取り組みが進められている現在では、高齢者イコール弱者という考え方ではなく、地域住民として、みずからが町づくりを担う一員であるという意識のもと、住みなれた地域で暮らし続けるために、みずからの自立に向けた活動へ積極的に参加していただくとともに、さらに、元気な高齢者には支える側に回っていただくことは、超高齢社会を乗り切るために重要な視点であると思います。そのためにも、医療、介護といった公的なサービスのみならず、プロとアマチュアの中間のプロボノやボランティアを育成して、地域の拠点を中心に、創意工夫によるさまざまな取り組みを行っていくことが求められます。
 例えば、私の法人には、医療や介護サービスの提供に加え、こちらの資料のように、職員の町づくりのためのプロボノ組織や地域住民に気軽に利用してもらえるコミュニティーカフェがあります。このカフェは、憩いの場としてだけでなく、さまざまなネットワークの構築や、保健事業や介護予防の場としても機能しており、何よりも、ここに来れば地域の人と交流できるという気持ちが人々の生きがいになり、健康で自立した生活を送ろうというモチベーションにつながっています。
 資料十ページをごらんください。
 こうした地域の拠点を提供することで、高齢者や障害者も一緒に町づくりに参加していただいたり、医療や介護といった分野以外とのさまざまなネットワークの構築により、起業する人の増加やさまざまなイベントの開催による地域の活性化、高齢者が最期まで安心して暮らせる町づくりが進んでほしいと願っております。高齢者が住みやすい町は全ての人が住みやすい町でもあります。
 ところで、日本の最大の課題は少子化がとまらないことだと考えております。
 資料十一ページをごらんください。
 医療機関や介護施設は、地方でもまだ若い人材が集まりやすく、我々の分野は、資格が同一であれば男女平等で女性が働きやすい職場ですので、積極的に産休、育休、保育所、短時間勤務による仕事と子育ての両立に取り組み、少子化対策にも貢献したいと考えております。ただし、我々の職場は人員基準が決められている場合が多く、常に人手不足の専門職を補充する必要があり、事業者の負担も重いため、事業者への支援も必要です。
 資料十二ページをごらんください。
 このように、地域包括ケアシステムは、人口減少社会から仕事と子育ての両立を通じた少子化対策、障害児者の支援、子供の貧困対策など、高齢者だけでなく、子供や障害者も対象とした全世代、全対象型へと深化させていき、高齢者にあと二十年頑張っていただいている間に次世代を育成する再生を目指す社会づくりが必要であり、それこそが地域共生社会であると考えています。
 今回の法案では、地域共生社会の実現に向けて、我が事・丸ごとの理念に基づき、地域の課題について住民や関係者が把握し、その解決に向けて行政や関係機関との連携が積極的に行われることを目指すことや、市町村が包括的な支援体制づくりに努めることが明記されております。これらの法律の整備により、地域の医療機関などがこれまで行ってきた町づくりのための取り組みがより一層進むこととともに、多くの地域でこのような取り組みが始まることを期待しております。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#3
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、田部井参考人にお願いいたします。
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田部井康夫#4
○田部井参考人 認知症の人と家族の会の田部井と申します。
 認知症の人本人及び介護家族の立場から意見を述べさせていただきます。
 まず、前提といたしまして、二〇一五年の改定というのが、利用者あるいは家族の生活には極めて厳しい状況をもたらしているということを御理解いただきたいというふうに思います。
 家族の会は、二〇一五年の改定が非常に厳しいものになるということは十分予測しておりました。そこで、二割負担となった人あるいは補足給付から外れた人の利用料支払いが始まった時点で、この二割負担と補足給付を中心とした実態調査を行いました。
 その結果、二割負担と補足給付から外れたことが重なった場合に、一挙に五万円から十万円に近い負担増となって、生活が成り立たない、あるいは、いつまで生きられるのか、サービスを減らさざるを得なかった、つましくやりくりしてやっと人並みの生活をしているのに、食費を削るしかない、介護を続ける気力さえ失わせる、そういった非常に厳しい状況に追い詰められている利用者が相当数いることがわかりました。これは、私どもが当初想像した以上の影響であったと言うことができます。
 そこで、家族の会では二〇一六年四月に、次の四項目の要望書を塩崎厚生労働大臣宛てに提出いたしました。資料につきましては、ページを打っていない一枚物の資料、撤回を求める要望書をごらんいただきたいというふうに思います。
 まず第一に、要支援の人に対する訪問介護、通所介護を介護保険給付から外すことを撤回し、引き続き介護保険給付の対象とすること。二番目、利用料の二割負担への引き上げを撤回すること。三番目、特別養護老人ホーム入所対象者を要介護三以上に限定しないこと。四、施設入所者の食費、部屋代の補足給付の要件を二〇一五年の七月以前に戻すこと。私どもの願いは、今もこの四項目を中心にしてあるというふうに言って過言ではないというふうに思います。
 また、先ほど紹介をいたしました実態調査の結果を、二〇一六年六月、二〇一五介護保険改定についての当事者の生の声として取りまとめ、公表いたしました。これにつきましては、資料のページを打っております一から十八、つづりになっている資料をごらんいただきたいと思います。先ほど紹介をいたしました声は、わずかこの資料の一ページだけから拾ってでも、これだけの声が出てきているというのが実態でございます。そのことを十分踏まえていただければありがたいというふうに思います。
 私どもはそのような願いを持っておりますけれども、残念ながら、その後も、利用者負担増あるいは利用控えを強いるような動きというのは、とどまるところを知らないものがあります。今審議中の法案も、その流れの中で出てきているというふうに捉えております。
 それを踏まえまして、次の三点に絞って意見を申し述べたいというふうに思います。
 まず第一番目に、負担増による利用控えは本当にないのかということ、ないとすれば、その根拠はどこに求められるのかということについてであります。
 国会の審議の中で、負担増によるサービスの利用控えが起きているのではないかとの質問に対して、安倍首相は繰り返し、二割負担導入の前後において、サービスの受給者数の伸び率は、これまでの傾向と比較して顕著な差は見られないことをもって利用控えはないのであるというふうに述べておられます。
 しかし、よく考えてみていただければすぐわかりますように、受給者数に顕著な差が見られないことをもって、利用控えがないということの証明、証拠とすることはできないというふうに思います。利用者、家族は、もし利用料金が払えなければ、それを減らしてでもサービスは利用せざるを得ないわけです。ですから、減らしてでも使っていかなければ、生活は成り立っていかないわけですね。ですから、困難になっても、何とか少しでも利用して生活を成り立たせていこうというふうに考えていきますので、利用回数が減るということはあっても、利用者の数として減るということはあり得ませんので、それは、受給者数が変わらないということをもって利用控えがないということの証拠にはならないというふうに言うことができると思います。
 ですから、もし利用控えがないというのであれば、サービスの利用時間、例えばヘルパーさんの時間を短くするとか、あるいはデイサービスの時間を短くするとか、そういうことというのは十分あり得ますので、そこまで踏み込んで、サービスの種類と利用時間、あるいは利用回数まで踏み込んだ調査をやって、その上で結論を出さなければ、利用控えの有無の実態というのは明らかにすることができないというふうに思います。ですから、もしその調査をしておられるのであれば、その資料をぜひすぐに示していただきたいというふうに思います。もし調査をしていないのであれば、早急にその実態を明らかにして、次の施策を進めていく上で反映していただきたいというふうに考えております。
 一つの資料としまして、認定者全体の利用率よりも二割負担認定者の利用率というのは四%低い、全体として数的には二割負担者の中で十四万人の人がまだ利用していないという実態の資料がございます。これは、利用控えの一つのあらわれと言うことができるのではないでしょうか。利用者、家族の実態をきちんと踏まえた上で、政策を丁寧に進めていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 二割負担というのは、生活をしていけるかどうかのぎりぎりの人までを二割負担の中に含んでしまったという意味で、非常に私どもは罪が深いというふうに考えています。それをそのままにして次の政策に行くというのは、どうしても納得することができません。
 また、先ほど言いましたように、利用の実態調査のいかんにかかわらず、相当数の人に、私たちの調査結果に示されているような大きくかつ急激な負担増を強いる結果になっているという事実は何ら変わるところがないわけですね。その上に、さらに三割負担までを進めようという今のこの法案には、到底私ども利用者、家族としては賛成をすることはできません。
 二番目といたしまして、通所介護、訪問介護の市町村事業への移行ということについてであります。
 市町村総合事業の実施に伴いまして、要支援の人の通所また訪問介護が総合事業に移行されております。しかし、その影響はまだ十分に検証されていないというのが実態ではないかというふうに思います。にもかかわらず、結果的には撤回をされたんですけれども、まだ実態が十分検証されていないのに、さらに要支援を超えて要介護一、二の人のサービスまで総合事業に移行しようとする案がかなり強くあるということが、図らずも明らかにされたというふうに思います。
 一つ資料をお示ししておりますけれども、「まとめ」ということから始まっていて、ちょっと中途半端なんですけれども、ページが七十四からというページになっておりますが、これは、私どもがつい最近公表いたしました、認知症初期の暮らしと必要な支援、認知症の人と家族からの提言ということで、認知症の人の初期支援のあり方について、アンケートによる実態調査の結果でございます。
 家族の会が行ったこの調査によれば、要支援から要介護一、二の人のサービスの適切な利用が認知症の人のひとり暮らしを支え、また家族の就労をも支えているというふうな実態が明らかになっております。これらのサービスは、既に認知症の人あるいは家族にとって欠かせないものになっております。この実態調査に基づく提言、この提言も今お示ししました資料の中に含まれておりますので、後でよくごらんいただきたいというふうに思うんですけれども、この提言の中でも、要支援あるいは要介護一、二の人にこそ、専門職による柔軟な支援を願うというふうにされております。
 また、総合事業につきましては、これは私も直接、介護給付費分科会の中で、利用の手続について、非常に認知症の人が十分なサービスに結びつかないおそれがあるということで指摘をさせていただきましたけれども、手続的にも、基本チェックリストの利用、導入によって認知症の人が要介護認定から遠ざけられたり、あるいは、認知症があるにもかかわらず総合事業の対象とされているという例は散見されております。また、認定率を下げることが奨励されましたり、卒業ということが勧奨されていることも、認知症の家族あるいは本人にとっては大きな不安材料でもあります。
 こうした観点から、家族の会は、改めて、要支援から要介護一、二までのサービスを一体的に介護保険給付の対象とするべきであるということを要望したいというふうに思います。そして、その願いに沿わない本法案については、やはり私どもは賛成することはできません。
 それから、三つ目に、訪問介護の人員基準、報酬の見直しについてでありますけれども、まず、訪問介護は在宅介護の三本柱であることは、介護保険制度創設以来の何ら変わることのない原則であるということを確認しておきたいと思います。
 その中の家事援助につきましては、先ほど紹介をいたしました調査によれば、ADLの低下していない初期の認知症の人にとって、日常生活を変化なく送る上で不可欠の支援になっていることが明らかになっております。
 訪問介護、特に家事援助については、自立支援に資するところがないまま、だらだらと提供されているなどの批判もございますけれども、ここに表現される意味について、家族あるいは認知症の人にとっては少し違う理解を持っておりまして、だらだらということは、認知症の人に当てはめてみれば、余り状況が変わることなく過ごすということができている、つまり、病状は余り進行していないということをあらわしているというふうに思います。それは、まさに支援が適切に提供されていることのあかしであるというふうに言っていいというふうに思います。
 また、高齢の人も、徐々にではあれ低下していくのが通例でございますけれども、状況が変わらないとすれば、また援助は適切に役割を果たしているというふうに考えるのが自然であるというふうに思われます。
 認知症初期の人や超高齢の人の支援については、言葉がけ一つをとりましても、重度の人とはまた別の専門的な配慮が求められることは言うまでもありません。訪問介護が認知症初期の人に適切な役割を果たしてもらうために、訪問介護の人員基準の緩和や報酬の引き下げ、また安易に総合事業に移行することについては賛成することはできません。
 全体として法律案の基調となっております負担増、給付抑制の方向性というのは、利用者、家族の生活に困難を強いているだけではないというふうに考えます。この負担増の流れは、介護家庭以外の多くの人に今後の生活への不安を与えています。その不安が、消費性向をも停滞させたり、結果的に給付費削減以上のマイナスを生じさせていると言うべきではないでしょうか。
 今こそ私たちの生活の不安をなくす方向に政策を抜本的に転換していただくようお願いをいたしまして、私どもの意見とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#5
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、遠藤参考人にお願いいたします。
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遠藤久夫#6
○遠藤参考人 国立社会保障・人口問題研究所の遠藤でございます。
 本日は、このような場で発言をさせていただく機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
 私は、社会保障審議会の介護保険部会及び療養病床の在り方等に関する特別部会の二つの部会の部会長を務めておりますが、本日議題となっている法案の内容は、この二つの部会で行われた議論の内容と非常に関連の高いものであります。
 そこで、本日は、この二つの部会での議論の状況をも紹介しつつ、今般の政府からの提案された法律案に関する私の考え方を述べさせていただきたいと思います。
 まず、総括的なお話をさせていただきます。
 言うまでもありませんが、介護保険制度に対する認識ですが、介護保険制度は、創設から十七年がたちまして、サービスの利用者も大幅に増加するなど、介護が必要な高齢者の生活の支えとして定着、発展してきております。今や高齢者の生活を支える制度としては、なくてはならない仕組みになっているわけであります。その一方で、介護費用の総額や保険料も増加してきており、制度の持続可能性の確保も非常に重要な課題となってきております。
 今後は、二〇二五年、いわゆる団塊の世代が全て七十五歳以上になりますし、二〇四〇年には、いわゆる団塊ジュニアが六十五歳以上になります。このような状況にあるため、引き続き、高齢者がその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう支援することや、要介護状態になることの予防、あるいは要介護状態等の軽減、悪化の防止といった制度の理念、この制度の理念を堅持しつつ、質が高い必要なサービスは提供していくということはもちろんでありますが、同時に、制度の持続可能性を確保する、財源と人材をより重点的、効率的に活用する仕組みを考えるということも非常に重要であるというふうに考えております。このことは、介護保険部会の報告書の冒頭に明確に記されております。
 また、この点に関連して、介護保険部会の報告書では、介護保険の保険者である市町村の保険者機能を強化していくことが必要であることや、制度の持続性を確保するために、利用者負担のあり方あるいは保険料負担のあり方について、世代内、世代間の公平性を踏まえて必要な見直しに取り組むことが重要である、このこともまた明記してあるわけであります。
 今般政府から提案されました法案につきましては、このような介護保険部会の考え方が十分に盛り込まれており、妥当な内容だと私は考えております。
 次に、法案の具体的な内容についてお話をさせていただきます。
 まずは、自立支援、重度化防止に向けた保険者機能の強化に関してでございます。
 介護保険の保険者は市町村になりますが、この市町村の状況を見ますと、地域によって、高齢化の状況、あるいはそれに伴う介護需要は当然違っているわけであります。また、要介護認定率や一人当たりの介護費用、施設サービスと居宅サービスの比率、これらも地域差が存在している、これも事実でございます。
 このような状況を踏まえますと、今後は地域の実情に応じた対策が非常に重要になってくるわけであります。そのため、各市町村が、それぞれの地域の実態把握や課題分析を行い、その結果を踏まえて地域における共通の目標を設定し、関係者間でそれを共有するとともに、その達成に向けた具体的な計画を作成していく。そして、この計画に基づいて、地域の介護資源の発掘や基盤整備あるいは他職種連携の推進などを視野に入れながら、自立支援や介護予防に向けたさまざまな取り組みを推進していくこと、このことが非常に重要だ。さらには、これらのさまざまな取り組みの実績を評価した上で計画について必要な見直しを行うという、いわゆるPDCAサイクルを導入することが重要となります。
 このような保険者機能の強化の仕組みが必要であるということについては、介護保険部会でもほぼ意見の一致を見たものであり、今般の法案にも、この趣旨が盛り込まれていると考えております。
 一方、この問題に関連しまして介護保険部会で議論になったのが、財政的なインセンティブのあり方に関することでございます。
 インセンティブを設定することについてはおおむね賛同が得られたと思いますが、具体的な事柄についてはいろいろな意見が出ました。
 まずは、インセンティブの基準となる評価指標についてでありますが、アウトカム指標を誤ると要介護認定が過度に抑制されかねないではないか、あるいは、自治体間の人材やノウハウ、地域資源などにそもそもが大きな差異がある中で、インセンティブの導入によって自治体間の格差が拡大するのではないだろうか、そのような意見が出されました。
 また、インセンティブ自体につきましても、追加財源を確保した上で実施すべきだという意見があった一方で、ディスインセンティブも組み合わせた上で、財政中立的に実施すべきであるという意見もございました。
 私としても、適切な評価指標を設定するということが、このインセンティブを有効に機能させる上での重要なポイントだと考えております。適正なサービス利用の阻害につながらないようにすることは当然のことでありますけれども、各保険者における高齢化率あるいは地域資源の違い、各保険者の努力で改善できないものでありますね、これらのことも踏まえながら、アウトカム指標とプロセス指標を適切に組み合わせて、公平かつ有効な指標が設定されることを強く期待いたしております。
 次に、医療と介護の連携についてでございます。
 療養病床の在り方等に関する特別部会では、平成二十九年度末で設置期限が到来する介護療養病床の取り扱いについても議論がなされました。介護療養病床の存続あるいは経過措置の再延長を強く求める声もありました。しかし、日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れあるいはみとりやターミナルケア等の機能、これらを維持しつつ、一方で、入院生活が長期にわたり、実質的な生活の場になっている実態を踏まえて、生活施設としての機能を兼ね備えた施設、このような施設が必要であるという点については、部会関係者の共通の理解があったというふうに私は理解しております。
 特別部会の報告では、新しい施設として、生活施設としての視点からは老健施設を参考にした一人当たりのスペースを考え、また、医療機能につきましては、必要となる医療の程度に応じて、介護療養病床相当の医療の機能を有する類型と、老健施設相当以上の医療の機能を有する類型の二つが提案されております。具体的な基準は、今後、介護給付費分科会で検討されますが、これにより、現在、介護療養病床等で受け入れられている利用者の受け皿となることが期待されております。
 今後、ますますの高齢化の進展を考えますと、慢性期の医療・介護ニーズへの受け皿を充実させていくことは、地域包括ケアシステムを構築する上で重要な課題ではないかというふうに考えております。
 次に、介護保険制度の持続可能性の確保についてお話をさせていただきます。
 先ほども述べましたが、介護保険制度は、高齢者の生活を支える制度としてはなくてはならないものになっている一方で、費用総額は制度発足時から約三倍の約十兆円になるとともに、保険料も全国平均は現在五千円を超えて、二〇二五年には八千円を超えるということが見込まれております。
 こうした状況の中で、高齢者に対する自立支援や要介護状態の軽減あるいは悪化の防止といったこの制度の理念でございますが、この制度の理念を堅持して必要なサービスを提供していくと同時に、給付と負担のバランスを図りつつ、保険料、公費及び利用者負担、この適切な組み合わせにより、制度の持続可能性を高めていくことが重要な課題となっておるわけであります。
 介護保険部会では、このような認識のもと、利用者負担や費用負担のあり方について検討が行われました。
 まず、利用者負担の見直しについてでございますが、利用者負担を引き上げるということについては、低所得者に配慮した上で原則二割負担にすべきだ、あるいは、二割負担となる者の範囲を拡大すべきであるといった負担増に積極的な意見があった一方で、サービスの利用控えや家計の負担を考慮して慎重に検討すべきだ、平成二十六年の二割負担の導入の影響を検証する必要があるといった、見直しに消極的な意見もございました。
 このように、見直しに積極、消極の両方の立場からさまざまな意見が出されましたが、事務局から提示のあった、現役並み所得者の利用者負担割合を三割とする、このことについては、賛同ないしは容認する意見が多かったというふうに私は理解しております。
 なお、私自身、部会長の立場を離れて申し上げれば、公平性の視点から、現役並み所得の利用者の負担割合を三割に引き上げることについては賛成をいたします。
 もっとも、介護保険は利用が長期化することを考慮しまして、自己負担の上限を設定することは重要ですが、今回の改定では、三割適用者の上限は変更しないということになっておるわけであります。と同時に、利用者の負担引き上げということの影響については、これは今後精査する必要がある、その影響調査ということは必要だろうということは考えております。
 次に、四十から六十四歳までの方の加入する医療保険者が負担する介護納付金についてであります。
 介護保険部会では、これまでも、被用者保険の保険者が負担する介護納付金について、保険者の総報酬額に応じたものとしていくこと、つまり、いわゆる総報酬割を導入することについては議論がされてきました。今般の審議におきましても、長い時間をかけて丁寧な議論が行われたと理解しております。
 その結果、介護納付金への総報酬割の導入については、現役世代にとって受益を伴わない負担ではないか、順番として給付の効率化が先ではないか、あるいは、四十代、五十代は子育てや親の介護が必要な世代で負担を強く求めるべきではないなどと、強く反対する意見も相当数ありました。しかし一方で、報酬額に大きな差があるのに同額の負担をするのは不合理である、能力に応じた負担は利用者負担だけでなくて保険料負担にも当てはまる話である、負担減になる人が多いことにも目を向けるべきであるという意見も多く、多くの委員からは賛同を得たというふうに了解しております。
 私自身も、次のような理由で、総報酬割の導入は妥当だと考えております。
 第一に、負担能力に応じて応分の負担を求めるという考えが、現在の社会保障制度の基本的な路線となっていることであります。
 第二に、介護離職を防止することの重要性が高まっており、介護保険制度の持続可能性を高めることは、企業や、あるいは現役世代にとってもメリットがあるということであります。
 第三は、社会保障・税一体改革の議論でも総報酬割導入の検討が求められており、医療保険制度においても既に総報酬割は導入されている。
 第四に、主として中小企業の従業員が加入する協会けんぽと健保組合、共済組合とでは総報酬額に差があり、特に、第二号被保険者に該当する四十から六十四歳の間の方々の総報酬額の差は大きく、人数割では公平性の視点から問題がある。
 このようなことから、私は、総報酬割の導入は妥当であるというふうに考えております。
 以上のように、利用者負担の見直し及び介護納付金の総報酬割については、それぞれ反対意見がありましたが、全体として言えば、能力に応じて負担することは適切である、そういう考えに基づいた意見が多かったというふうに考えます。
 この点について申し上げれば、世代間あるいは世代内の公平性を確保しつつ、介護保険制度の持続可能性を高める観点から、さまざまな関係者が、それぞれの立場の違いを超えて共通認識を形成できたと理解しており、これは大変有意義なことだったというふうに思っております。
 以上、関連の審議会での議論を御紹介しつつ、私の考えを述べさせていただきました。
 言うまでもありませんが、介護保険制度は、高齢者がその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう支援することや、要介護状態となることの予防、あるいは要介護状態の軽減、悪化の防止を理念とするものであります。
 介護保険部会では、この介護保険制度の理念を堅持し、制度の持続可能性を確保するとともに、地域包括ケアシステムの強化推進を図ることにより、制度をよりよいものにするという観点から、昨年の二月以降、十六回にわたって審議を重ねてまいりました。審議の場では、さまざまな立場の専門家の方、あるいは現実の実情を踏まえた地に足のついた議論を精力的に行っていただき、その内容を部会の意見書として取りまとめることができたと思います。
 そして、今般政府から提出された法律案は、このようなプロセスを経て取りまとめられた介護保険部会の意見書に沿ったものであり、妥当なものであるということを改めて申し上げたいと思います。
 私の意見陳述は以上でございます。御清聴ありがとうございます。拍手
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丹羽秀樹#7
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、山田参考人にお願いいたします。
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山田智#8
○山田参考人 民医連の副会長の山田でございます。
 東京・中野にあります中野共立病院の理事長で、回復期リハ病棟に勤務しているリハ医でございます。
 委員長、それから委員の諸先生方に発言の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。よろしくお願いします。
 タイトルをめくって、「はじめに」と書いてありますスライド、原稿を見てください。
 三月二十八日、衆議院本会議において、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法の一部を改正する法律案の趣旨説明を行い、現在、スライドにありますような内容で審議中です。これらに対し、一五年改定の影響をまず明らかにすべきでは、また、事業者に支払われる、影響が、引き下げられることで要支援者に適切なサービスが提供されなくなるのではなどの懸念も出されています。そこで、今回、まず一五年改定の影響調査を報告し、その結果をもとに改定法案への意見を述べさせていただきます。
 スライド、次をお願いします。特養入所者に関して一五年改定の影響です。二十一世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の調査結果です。
 左、円グラフをごらんください。特養の入所申し込みが原則要介護三以上になりましたが、一五年改定以降、要介護一、二の方の申し込みに変化がありましたかの問いに対し、特養の入所申し込みが以前より減ったが五六%と最も多く、待機者数が減少したと言われていますが、要介護一、二をカウントしなくなった結果と思われました。要介護一、二の申し込みは受け付けていないの一九%は見過ごせませんが、受ければ経営的に困難がある、手続が難しいなどが背景にあります。
 右上段。具体的な影響では、半数に影響が出ていました。利用料の滞納、二百六名。支払い困難で退所、百一名。配偶者の生活苦、三百十一名も重大です。多床室への移動、その結果、個室が埋まらないなど、ベッド管理に影響を与えていました。
 右下、ごらんください。この影響は、負担が二割や、補足給付など、これまで低所得者が排除されない仕組みが維持されていたものが、改定により脅かされる結果となりました。補足給付を受けるために二組の高齢者夫婦が離婚せざるを得なかったことも報告し、補足給付の制度はもとに戻すようにお願いいたします。
 スライド、次をごらんください。次に、老人福祉・介護事業所の倒産です。
 ごらんになってわかりますように、マイナス改定のたびに倒産がふえているのがわかると思います。特に一五年の影響で、二〇一六年の一年で過去最高の百八カ所が倒産となりました。加算中心の改定であったため、取得できない小規模事業所が多く、倒産件数の七割となりました。
 左上段を御注目ください。これまでの改定を合わせますと、額面どおりの場合でも、また、実質改定をとればさらにマイナスです。介護事業の維持なくして介護保険の維持は困難です。改善をお願いしたいと思います。
 次、スライドをお願いします。軽度者に関連し、介護給付費実態調査から見た介護保険利用者の割合と、居宅サービス利用者別の要支援、要介護の割合です。
 現在、介護保険のサービス利用者は単月で約五百万人であり、施設と居住施設を除いた三百五十三万五千人が居宅介護サービスを利用しています。介護度別では、要支援一から要介護二までが七三%であり、これらを市町村事業に移せば、利用者の混乱、事業者の経営悪化ははかり知れないものになるのでは。最も多い要介護一は、認知症の自立度が二以上か、半年以内に悪化が明らかな不安定、がん末期などであり、二番目に多い要介護二は、一人で外出できない人、入浴の困難な方です。悪化することが予想される要介護者は、ボランティアでないプロフェッショナルの介護が必要と考えます。
 次をごらんください。厚労省の要介護、要支援状態区分別に見た年間継続受給者の変化の割合です。
 平成二十六年四月と平成二十七年三月の比較で、調査は七割が変化なかったとしていますが、介護度の軽いものほど重度化しやすい傾向にあるのではないでしょうか。地域包括ケアシステムの深化、推進においては、重度化防止は重要な課題にもなっています。重度化防止のためにも、リハスタッフなどの専門職の介入が必要と考えます。
 次をごらんください。私たち民医連介護困難事例調査です。
 目的ですが、介護保険制度の見直しのターゲットとされていますいわゆる軽度、要介護一、二問題、利用料の引き上げに焦点を当て、見直しが実施に移され、生活援助、福祉用具、通所介護の利用が制限されたり、自己負担化や総合事業、ボランティアへの移行のことです、利用料が引き上げられた場合、本人、家族にどのような影響、困難を生じるのか、現状で抱えている困難、予測される事態を明らかにすることを目的としました。
 対象と方法です。利用者の性、年齢、世帯構成、要介護度、上記の四つの予想される困難、そして影響に関しては状態の悪化など、そして抱えている困難などについて、ケアマネジャー、ヘルパー、相談員に回答を得ました。抱えている困難に関しましては、利用者、家族、ケアマネに一言カードに記入してもらいました。
 調査期間は、二〇一六年の十月から二〇一七年二月末日としました。
 スライドをごらんください。結果です。
 小さくて済みませんけれども、平均年齢八十・八歳、男性三百四十七名、女性五百九十八名、計九百四十名であり、後期高齢者が、女性八割、全体の七五・四%。要介護一、二を合わせると八〇%となっていました。
 スライドです。影響が出ると考えられるサービス内容の影響者数と、利用料二割へ増加の影響者数です。
 これは複数回答です。生活援助が自己負担になったり、回数や内容が減らされることが考えられる、四百六名。福祉用具が自己負担になり利用できなくなる、四百二十二名。通所介護が総合事業に移った場合、回数が減ったりボランティアにかわる、三百九十三名。現在の利用料が一割から二割になった場合、サービスの利用や家計への影響が出る、四百二十二名でした。
 スライドにはありませんが、最も多かった二割になった場合の困難として、八十歳男性、要介護一、夫婦のみ、利用料が二割負担になり、妻のショートステイ利用を中止した。九十歳男性、要介護二、既婚子と同居、高齢者住宅、有料老人ホームへの入居を希望していたが、利用料が二割で諦めた。九十歳女性、要介護二、未婚子と同居、家屋を処分し、収入が三百万円程度あり、二〇一六年八月から介護保険負担割合が二割へ、デイサービスと特殊寝台レンタルが困難となった。今回の調査は、二割負担の影響の重大さを最も明らかにする結果になりました。このような中で、給付削減と負担増は困難と考えられます。
 次のスライドをごらんください。
 影響三千九十四件の内容は、「状態の悪化」、これは重度化につながるのではないでしょうか。「会話・コミュニケーションの減少」、認知症の進行につながると思います。「外出の機会の減少」、フレイルの進行になるのではないでしょうか。「家族介護負担」、介護離職につながるなどが挙げられていました。介護離職ゼロとは反対の内容でした。調査が明らかにしたもう一つの特徴となりました。
 次のスライドをごらんください。
 利用者本人四百九十六名、利用者家族百九十六件、事業所職員百二十五件の一言カードですけれども、カードの中で多いものは、経済的困難、介護の質低下が気になる、サービスを減量せざるを得ない、介護負担などでした。
 福祉用具にかかわる共通事例を紹介します。九十歳女性、年金収入のみの低所得者。福祉用具があるからこそ、身の回りのことが自立しています。自己負担サービスになると支払えなくなります。レンタルだからこそ、状態に合わせて機種の変更もできるし、定期的なメンテナンスも受けることができて、安全に実用的に使っています。介護保険で対応させてほしいです。
 次のスライドをごらんください。二〇一三年十一月の結果ですが、介護保険利用者の収入状況です。
 低所得対策の対象となる第一段階—第三段階の所得層は、全集計で半数を超え、五四・一%でした。特に独居、男性四八・六%、女性六六・八%と高率で、ひとり暮らしの女性が経済的により厳しい状態にある結果でした。介護保険利用者は経済的な困難者で、さらに困難が広がるのではないでしょうか。
 スライド、次をごらんください。
 総合事業の一部をボランティアなどに委託するための講習会が始まっています。ボランティアのなり手が少ないことが心配です。自治体によって講習会の回数ややり方も異なり、質の担保も問題です。医師を含む専門家の講義も義務づけてはいかがでしょうか。
 スライドです。
 介護医療院の施設基準に関してのお願いです。介護医療院は、要介護者の心身の状況などに応じて適切なサービスを提供するとともに、みずからサービスの質の評価を行う、その他の措置を講ずることにより、常にサービスを受ける側の立場に立ってこれを提供するように努めなくてはならないとしていますが、介護の現場では、人が足りない、医療密度のアップに追いつかない。そのため、表に示しますように介護事故が多くなり、賠償の費用は医療を超えるとも言われています。安全な施設基準づくりをぜひお願いしたいと思います。
 スライドです。
 地域包括ケアの主戦場となる在宅医療に関し、東京都の在宅患者の推計値です。二〇一五年から二〇四〇年に大幅に増加します。
 スライドの次です。
 これに対して、在宅の支援診療所のない自治体が三割、支援病院は七割が準備できていません。訪問看護も三割です。
 スライド、次です。
 訪問診療を行う診療所、病院はふえましたが、十分ではありません。
 スライド、次をお願いします。
 在宅みとりを行う医療機関は、病院、診療所とも五%にとどまっています。
 スライド、次です。少し古いですが、私ども民医連の在宅医療調査の結果です。
 一事業所当たり六十四・六件を三・一名の医師で訪問。みとりは年間平均八・四件。連携型のみとりありの施設が、全体数が当然多いのですけれども、平均すると単独型の方が多く、連携の機能を強めなくてはいけない、そういう結果になっておりました。
 次のスライドです。
 年齢別に見た在宅患者さんの割合です。若年者の在宅療養者が多くなると考えます。対応できるスタッフづくりが必要です。
 次のスライドです。
 地域包括ケアは住まいが重要になります。一般財団法人高齢者住宅財団が行った医療・介護ニーズがある高齢者等の地域居住のあり方に関する調査結果です。入院後、退院先は持っているお金で決まってしまう。
 次のスライドです。
 低所得者が安心して入所できる特養はやはり必要なのではないでしょうか。
 次のスライドです。
 地域共生社会に関連して、就労を支援し、自立を目指す共同作業所全国連絡会の調査結果です。一万四千七百四十五名を対象にしています。昨年五月の調査結果です。
 障害者の支援は介護保険だけでは間に合いません。上限まで使い、さらに支給を受けている方が七割です。この方たちに応益負担を願うのでしょうか。本人、家族の不安は強くなっています。
 次のスライドです。
 障害者の方の多くは低所得者です。一律に応益負担を求めれば、むしろ障害者の自立阻害につながるのではないでしょうか。個人の多様性が尊重される社会を目指すのが地域包括ケアではないでしょうか。
 次のスライドです。
 四十歳を過ぎても、生活を親に頼らなくてはいけないのが実態です。地域共生社会なら親に頼らなくとも生きていける社会を実現していきたいと思います。
 最後になりますが、今回の改定法案に対し、私の見解を述べさせていただきます。
 改定内容は、制度の維持のため、給付の適正化の名のもと、介護保険の将来像として、要介護三以上を全国一律の基準による給付に、要介護二以下は総合事業へ移行し、全体として介護費を削減する提供体制づくりと考えますが、認定者の七割が要介護の二以下のもとで、これらの人が総合事業になれば、在宅生活は困難と考えます。また、事業所の経営困難は必至だと考えます。そのため、制度そのものが成り立たなくなるのではないでしょうか。よりよい制度の見直しをお願いします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#9
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、武久参考人にお願いいたします。
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武久洋三#10
○武久参考人 丹羽委員長、委員の皆様、参考人にお呼びいただきまして、ありがとうございます。私で最後ですから、もうしばらく御辛抱をお願いしたいと思います。
 私は、日本慢性期医療協会の会長をさせていただいておりますけれども、慢性期医療ということで、医療と介護のちょうど接合部のところを担当している現場からの現場感というものもお話をしたいと思っております。
 基本的に、このたび上程されました介護保険の改正については賛成でございますけれども、皆さん御存じのように、二割を三割にするとか総報酬制にするとか収支を小手先でさわっても、将来どうなるか。きょうの日経のトップにありますように、どおんと人口は減るわけですよね。だから、何かもっと大きなことをしないといけないのではないかなというふうに私は常に思っております。
 私は、四国の徳島という地方でも病院をやっておりますし、東京でもやっておりますので、地方と都会の違いというのは非常によくわかっているつもりでいます。また、病院も、介護施設、特養もやっておりますので、その辺の関連も、現場からの感じとして、データとしてお出ししたいと思っております。
 それでは、参考資料の、ブルーの表紙のものに沿ってお話をしたいと思います。
 一ページからです。当たり前ですけれども、医療の後に介護があり、介護の後に医療があり、一人の人が医療から介護の間を行ったり来たりしているということでございます。
 二ページのように、基本的に、今、一般病床と言われる病床が九十万床ぐらいありまして、慢性期と言われる病床が三十万。平均在院日数が短い急性期が、平均日数の長い慢性期の三倍もあるということは一体どういうことか。これは、やはり急性期と言われるところに慢性期がいっぱい入っているんじゃないかということが言えると思います。
 医療保険と介護保険のスムーズな連携というのが常に必要ですけれども、四ページのように、後期高齢者は、千六百四十一万人でございましたけれども、これからどんどんふえていきまして二千四百万を超えるということであります。このうちの四・二%が今現在入院されております。この四・二%の入院がそのまま続くとしますと、二〇五五年には百万人の後期高齢者の入院がある。
 精神病床を除きますと約百二十万の病床がございまして、そのうちの九十何万床に入院されておりますけれども、そのうちの七十万人が後期高齢者。これは約八割ですね。これはどんどんどんどんふえて九割になるでしょう。だから、医療はまさに後期高齢者のための施設になってしまうんじゃないか。
 五ページのように、医療費をどんどんどんどんふやしていきますと、とてもじゃないけれども、ちょっと収支が難しいんじゃないか。
 六ページに介護のことも書いてございますけれども、二〇二五年には、何と二〇一五年の約倍ぐらいになっちゃう。これでいいのかなと。
 そうなってきて、いろいろなことで皆さん方も御苦労されて、官僚の方も御苦労されていろいろお考えいただいておりますけれども、例えば、医療保険の財政が減額されても、その分が介護保険に行くのであれば、介護保険料が高くなる。介護保険の担当の人は、これは嫌だと言う。お互いに嫌だと言っているような暇はないので、八ページのように、やはり総額としていかに効率化するかということですから、今回の来年の同時改定のまさにテーマでございます。
 九ページのように、一人の患者さんが医療保険と介護保険を行ったり来たり、また、同時併用するわけですから、より効率的なシステムが必要で、使いやすいということも必要です。
 十ページ、グラフにしてみますとまさに象徴的で、六十五歳の人はまだ二百二十万人いらっしゃるんですね。八年後には七十八万人しか生まれない、こういうような時代。
 そうすると、税金を払う人が減って、税金を使う人がふえる。単純に言うと、日本の予算はどうなるのか。一国民として心配する次第でございます。
 十二ページのように、自己負担率を上げたり介護保険料を上げたりして介護保険の収支を安定させるには限度があるので、どこをどう変えないといけないか。
 十三ページにございますように、明らかに日本は寝たきりが多いんですね。何とアメリカの五倍。ほかの文明諸国に比べても五倍から六倍。これは一体どうするのか。寝たきりが多ければ、特養や老健も要るし、介護保険料も要るし、医療保険料も要りますよね。どこに原因があるのか、皆さんはどう思っているかと思いますけれども。
 十五ページを見ていただくと、病院に入院している平均在院日数がこんな状態なんですね。二〇一二年ということは、御存じかと思いますが、特定除外患者というのがありますが、一般病床に三カ月以上入院していると、ある一定の条件を満たせば何年でも七対一に入院できている、こういう制度がまだこのときはございましたので、このときは平均在院日数に入れなくていいということでございました。これを見ても、やはり五倍から六倍、ほかの国に比べて入院している期間が長い。これは、アメリカの五倍というと、日本の寝たきりの患者と何か似ているんじゃないですか。
 かつて、一般病床の中の特定除外の患者さんの状態は、介護療養病床の患者さんよりも重症の人が少なくて、軽症が多かった。
 十七ページが、ゼロ歳から百歳までの一人当たりの国民の医療費ですけれども、七十五歳ぐらいから、このブルーの入院の部分が多くなってきております。
 これが医療保険部会に提出されましたので、私が、この入院医療費は急性期病院の分と慢性期の病院ではどのぐらいの割合ですかと御質問をさせていただきましたところ、十八ページのようなデータが厚労省から出てまいりました。八十歳までは、何と五万円以上かかっているのが非常に多いわけですね。大体、九十歳までが数としては多いんですけれども、健康保険では、何と八割までが四万円以上ぐらいの医療費がかかっている。
 十九ページのように、ちょっと概算をしてみましたところ、平均すると、後期高齢者、七十五歳以上の入院患者さん一人当たり、一日当たり四万五千円以上かかっている。これはどうしたことか。療養病床では、慢性期の病床では一日二万円です。地域包括ケア病棟では三万円です。だから、半分ずつ入ったとしても二万五千円で済むんです。
 二十ページのように、我が国における七十五歳以上の後期高齢者人口は千六百四十一万で、七十万人が入院している。これは、超慢性期から急性期の病床に現在入院している数ですね。こうなってくると、七十万人のうち二十万人が高度急性期というふうにして、のけてみても、この五十万人掛ける差額の二万円掛ける三百六十五日で、何と三兆六千五百億円の効率化ができる、しかも、よりよい治療効果が出てくる。
 ということを考えますと、どうやら、寝たきりは急性期医療の治療中と治療後の継続入院中に主につくられるんじゃないか。
 そこで、二十二ページのように、調べてみました。そうすると、急性期病院で一カ月未満しか入院していない人は、その後のリハビリ病院等でも、やはり一カ月以上入院している人より早く退院することができるということがわかりました。しかも、リハビリの点数も高い。
 二十三ページのように、寝たきりを、アメリカ並みにしなくても、せめて半分にすれば、特養、老健も半分になり、介護保険も、オーバーに言えば半分になるんじゃないかということが想定されます。
 また、二十四ページのように、急性期病院での平均在院日数を減らすということは、寝たきりをつくらないという意味でも、また、医療費の効率化という面でもプラスではないか。
 この効率化した費用は、高度急性期や医学研究、在宅医療や居宅介護をさらに評価するというふうに持っていけばいかがかと提案する次第でございます。
 後期高齢者の患者は、多臓器の身体合併症を抱えているために、高度急性期の臓器別専門医の治療より、むしろ総合診療医が必要となってきます。入院患者の九割近くが後期高齢者となっていこうということですから、総合診療医が大量に必要になってくるということでございます。
 残念ながら、私は地方と都会で地域急性期と慢性期の病院をやっていますけれども、急性期病院から紹介の患者は状態が悪くて、多くは低栄養と脱水ですね、これらが改善できぬまま慢性期にやってくる。
 二十九ページのように、今はやりのフレイル、体重減少、これは全部、水分不足と栄養不足からくる。
 三十ページのように、老化に伴って慢性的に徐々に進行するというよりは、むしろ、急性期治療、病気になったときに十分な対応ができずに急速にフレイルに陥る場合が結構多い。したがって、いかにこのフレイルを回復させるかということが個人の回復にはプラスです。
 三十三ページです。というのは、ターミナルということが盛んに言われます。治療しても見込みがない人にいつまでも治療しても仕方がないというのはわかりますけれども、ではこのターミナルの定義は何かということになってきます。
 国のきちんとしたターミナルの定義を決めないと、単に低栄養、脱水でもターミナルにされてしまうのではないか。
 三十五ページのように、三万七千人の入院患者の初日の検査値でも、脱水が四割、低栄養が六割、血糖値が高いのが六割、貧血が五割以上と非常に重症の人がある。その分析は三十六、三十七にございますので、またごらんになっておいていただければ。これらの患者さんは、ほとんどが急性期からの紹介であります。
 我々現場の医師は、三十八ページのように、治る病気は治してさしあげるのが我々の仕事だ。そのためには、どうも急性期にリハビリが少な過ぎる。病気になったすぐその段階でリハビリを集中的にやっていただければ、我々の慢性期の現場では非常に短期間な入院で済むのではないか。
 三十九ページのように、急性期リハビリや、がんリハビリについて提案をしております。
 四十ページのように、私は、介護医療院への病床転換、病床転換を介護医療院にするということは適切な政策と思います。
 四十一、四十二にあるように、介護療養病床は、医療の必要度は少なくても、非常に高度な要介護度、右端でも四・五近くですね。特養、老健とは明らかに差がある。医療区分については多少軽いですけれども、そういう意味で、この機能をそのまま対応してほしい。要するに、介護医療院は重度障害者を継続的に入院できるようにしてほしいなということでございます。
 介護医療院の三つのパターンは、いずれも病院内なので、病状急変の場合にも非常に安心であるし、院内には医療設備と医療スタッフがすぐそこにいる。
 我々現場では、在宅療養患者が入院すると、できるだけ三日から五日で帰すようにしているんですね。長くても一週間。そうでないと、家族が患者のいないことになれてしまって、いや、もうちょっと病院に入院させてくださいといって、在宅療養がもうできなくなっちゃうんですね。誰でも家が一番いいわけですし。
 在宅療養を進めるためには、逆に、病状が悪化したらすぐ病院に入院して、すぐ治療して、すぐ帰る。在宅モンロー主義は私は不適切だと思います。というのは、在宅が一番であって、病院なんかに入ったら大変だと言う人も一部いらっしゃいます。
 要介護状態の改善についてより評価していただけたらと思うんですが、残念ながら、要介護認定審査会を私は十七年もやっていますけれども、要介護状態が軽くなると御家族、本人が悲しむんですね、サービスが受けられなくなると。それで、周りの認定審査会の委員も、この人はヘルパーを何回もやっているから、これはちょっと、よくする、軽くするのは悪いんじゃないか、そんな感じで認定審査会をやっているようなこともありまして。これはやはり、よくなるということはいいことだということで、それに対するインセンティブなんかをつけていただけたら非常にありがたいかなと思います。
 良質な慢性期医療がなければ医療も介護も十分でないと思いますので、皆さん方の適切な御配慮をお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#11
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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丹羽秀樹#12
○丹羽委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白須賀貴樹君。
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白須賀貴樹#13
○白須賀委員 自民党の白須賀でございます。
 参考人の皆様方、本当にすばらしい御意見、ありがとうございました。
 私の考えは、どちらかというと、遠藤先生に近い。内容を話しますと、それは、人口問題をされている遠藤先生ですから、私、団塊ジュニア、一九七五年、昭和五十年生まれでございますので、まさにこれから一番つらい世代でございます。そしてまた、鈴木先生、私はもともと歯医者ですから、恐らく医療人の夢は、ああいうふうに、地域であのような関係をつくるというのは本当に夢だと思っております。また、武久先生の先ほどの問題意識、まさにすごく大切だなと。また、田部井先生、そして山田先生からも貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 まず、参考人の皆様方に共通の認識を持っていただきたいんです。私は、日本で社会保障をやっておりますが、日本の社会保障以上、ほかの世界は多分できない、そういうふうに思っているんです。
 なぜかというと、これは経済規模です。世界全体のGDPを一〇〇だとしますと、世界一はアメリカですね、世界全体の二四%を占めている。第二位は中国、一二%を占めている。第三位は日本、六%。世界第三位の我が国は、世界のGDPの六%を占めております。
 次に、人口規模。世界一の人口は中国です、十三億七千万人。第二位がインド、十二億七千万人。第三位がアメリカで三億四千万人。第四位がインドネシアの二億五千万人で、第九位がロシアの一億四千万人。第十位は、日本の一億二千七百万人です。
 つまり、世界第三位の経済規模であって、世界十位の人口規模だ。
 例えばEUは、二十八カ国全部足しても、経済規模は、GDP総額の二二パーぐらいしかありません。人口も五億人弱です。
 よくコメンテーターさんとか政治家さんが、スウェーデンとかノルウェーとかフィンランドをいろいろと例に挙げますけれども、私はそれはずるいと思っているんです。スウェーデンの人口で一千万人ぐらいで、経済規模は神奈川県と一緒ですよ。ほぼ神奈川県と同じ人口と経済規模です。そこの政策と一億二千七百万人の日本の政策は全く違ってくる。また、ノルウェーは五百五十万人ぐらいで、フィンランドも五百五十万人ぐらいですけれども、これは千葉県と一緒。千葉県は六百二十万人ですから千葉県よりも少ないんですよ。そこで行われている政策と一億二千七百万人でする政策というのは全く変わってきます。
 ですから、世界と比べて日本だという、そういう議論は私は余りよくないと思っていて、日本がこれだけの経済規模で、この人口で支えているからこそできること。つまり、日本でできないことは、恐らく世界じゃできません。それぐらいまで私は思っています。
 そしてまた、この日本の社会保障を支えるものというのは、財源は三つしかないんですね。一つは税金で、二つ目が社会保険料、これは働いている方々からいただいています。そして三つ目が、窓口で負担していただく利用者負担の分です。この三つしかありませんが、この世界第三位の我が国、世界の六%のGDPを持っている我が国のほぼ五〇%近く、半分近くの国費を社会保障にまず突っ込んでおります。これ以上の税金の投入を、またこれからますます厳しい時代が来るに当たって、先にそれを利食いしていいのか。そのことも考えれば、これ以上の税の投入はどうなのか。まず一つ目の私の考え方です。
 二つ目に、やはり働いている方々、この方々の社会保険料ももうじきアッパーが来ると思います。だんだん負担が厳しくなってきます。そうすると、やはり窓口の負担をお願いしていくということは避けられないことじゃないのかな、そのように思っていることが、私が皆様方に聞きたいことの一つであります。これは最後にまとめて皆様方に聞きますので。
 そして、今二〇二五年問題とかよく言っていますが、団塊の世代の方々が皆さん七十五歳以上になられる。二〇三〇年からは、皆さん八十歳以上になられますから、恐らく、この国のほぼ全ての国力、それを介護とか医療に突っ込まなくちゃいけない時代というのは、わずかあと十何年後に来るんですよ。
 団塊の世代の方々というのはまだ幸せなんです。支える人間が、団塊ジュニアがごそっといますから。でも、その団塊ジュニアが、次に自分たちが介護を受けるときには、それを支える人間がいないんですよ。ですから、団塊ジュニアというのは、基本的には全ての……ヤジうるさい。全ての業を背負っていくような形になるんです。
 私たち団塊ジュニアは、最初に、中学のころにバブルが崩壊して、大学を卒業するころには就職の氷河期、失われた何十年と言われ続けて、そして景気がよくなってきたなと思ったらリーマン・ショックがあって、最後に介護を受けるときには、自分たちを支えてくれる人間がほとんどいない。恐らく、全ての業を団塊ジュニアが背負う、そのように私は考えているぐらいなんですね。
 ですから、今すごく手厚くしてしまった結果、その先がどうなるか、そのこともやはり冷静に議論しなくちゃいけないと思います。これが本当に、世代間でどう議論をしていくかということだと思っております。
 今回、介護を受けられている方々、総数で四百九十六万人です。三割になる方、十二万人です、パーセンテージでいえば二・四%の方々です。二割負担の方、四十五万人です、約九%です。四百九十六万人のうち、一一・四%の方に負担をお願いしているんです。しかも、これは御年配の方々全ての総数ではなくて、介護を受けられる方、四百九十六万人のうちの話です。全体で比べれば、もっともっとパーセントは少なくなるはずなんです。
 また、二割負担は二百八十万円以上、そして三割負担は三百四十万円以上です。
 三百四十万円以上の方で、例えば毎日毎日働いて、働いた結果、三百四十万円の所得がある、その方は、万が一介護を受けるときには、その所得がなくなりますので、恐らくタイムラグはあります、一年先になりますが、負担率は一割か二割になります。つまり、三百四十万円で三割負担をされる方は、もともと高所得で年金をすごくいただいている方か、もしくは会社とかのオーナーの方で働かなくても収入がある方、または家賃収入とかほかの副収入があってトータルで三百四十万円になる方、こういう方々が恐らく三割負担になります。
 この方々に負担をお願いすることが、私たち団塊ジュニアから見て、本当にこれが悪いことなのか、正しいことなのか。五人の参考人の皆様方に聞きますが、この介護保険に関する負担料、二割、三割について、皆様方は本当にどう思われているかを率直に聞きたいと思います。お願いいたします。
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鈴木邦彦#14
○鈴木参考人 御質問ありがとうございます。
 まず、二割負担でございますが、事前に質問も想定されましたので、私どもちょっと確認してまいりましたけれども、我々の利用者、在宅それから施設系ですね、老健、特養、介護療養型がございますけれども、二割になったからといって利用負担を控えたという方はいらっしゃらないということでございました。
 また、二割負担に変更になった方は、ケアマネジャーより、介護保険制度の持続可能性を高めるためにということをお伝えして、御理解をいただいているということを確認しております。
 また、二十七年八月以降は、介護サービス利用時に最初から二割負担というふうになったわけですが、負担が大きいといった意見もなく、負担額の影響で介護サービスの利用は控えるというような事象も起こっていないということでございます。
 また、三割負担でございますけれども、この三割負担になる方は現役並みの所得がある方でありますので、さらに高額介護サービス費制度もございますので、上限金額が決まっており、現在の上限金額であれば影響はないというふうに思います。
 それよりも、介護保険制度の持続可能性が危うい状況である方が、利用者や御家族には不安を与えるのではないかというふうに考えております。
 そもそも、私どもの病院のある地域の二割負担の方というのは元公務員の方、教員とか市役所、元の町役場、村役場の職員とか、一部自営業の方もいますが、そういった方で、我々のところでは恵まれた富裕層というふうに呼んでおりますので、そういう方々は特に問題なく、我々も協力しなきゃというような方がほとんどだということでございます。
 以上でございます。
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田部井康夫#15
○田部井参考人 もし日本が戦争に負けた直後でしたら、私は、みんな貧乏だから、ともに耐え忍んで頑張りましょうと言えば誰もが納得した、そのように取り組んできて今日の日本があるというふうに思います。
 それから、大分時間がたっておりますけれども、介護保険が成立をしたときにも、そこにはやはり、利用者あるいはその対象となる可能性が十分な人たちが、負担をしてでもいい制度をつくろうというふうに思った。ですから、新たな負担を受け入れて、介護保険制度というのが生まれたというふうに思います。そこにはやはり、今後大変だから、いい制度をつくっていかなければ、そのためには応分の負担をするということは受け入れようというコンセンサスがあったというふうに思います。
 今はどうでしょうか。私は、一方で経済がいい方向に進んでいるという情報がある中で、一方で介護負担できゅうきゅうとしている国民がいる、戦争直後や介護保険が成立したときと比べたら格差が明らかに拡大している。その中で、みんなで一緒に頑張ろうということは必ずしも成立しない。ですから、私は、そこで、最低でも介護保険が成立したときのコンセンサスを得るあれに戻るべきであろうというふうに思います。
 ですから、私がどう考えるというよりも、どういう提案をして、そのことをどうやって守っていくか、これだけの負担をしたらこれだけの制度をつくりますよというふうに約束をしたらば、その制度をきちんとつくって、その上で、さらによいものにするためにはこれだけの負担が必要だから、さらに負担をお願いしますといって、そこに納得が生まれるような提案をしていただきたい。その上で、私は、ガラガラポンをして応分の負担をしていく。
 私はたかだか十万円の年金で生活をしている者ですけれども、それでも私は、今以上の負担をしてでも、いい制度をつくりたい、安心を得たい、そのことによって、自分が使いたいお金というのも生み出されるだろうというふうに考えています。
 その政策を提案する方と、皆さん、先生方にぜひ、お願いしたいのは、ぜひ、これでいくから一緒に頑張ろうというふうに言って、私たちを納得させてくれる提案を出していただきたい。それに応える力は、私は日本人には十分あるだろうというふうに考えております。
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遠藤久夫#16
○遠藤参考人 結論から言えば、所得のある人からの自己負担を高めるという政策については、私は適切な政策だと理解しております。
 理由は、先ほど来申し上げておりますが、財源。まず、介護費そのものは、医療の伸び率よりも増加率は高い、こういう流れが続いておる中で、財源をどうしていくのかという問題が出てくるわけでありますが、公費につきましては、言うなれば、国の財政事情から見てどこまでそれに依存できるのかという問題はありますし、保険料につきましても、保険料水準はヨーロッパと比べると安いという議論もありますけれども、ただ、明らかに少子高齢化が進んでおりますので、負担をする現役世代が相対的に減ってくるという中で、どこまで保険料に依存できるのかという問題も一方であります。
 そうなりますと、自己負担ということになりますが、これも全ての人に自己負担増というのではなくて、ある水準以上の所得の人に対して応分の負担をということの流れで進んでおりますし、実は、医療も同じような形で進んできておるわけでありますので、医療と介護、サービスの性格からいって同じだとは言えないところもありますけれども、基本的には、そのような考え方で進むことは適切な方向だというふうに考えております。
 以上でございます。
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山田智#17
○山田参考人 山田でございます。
 私の場合は、一律にいかない、それがやはり基本でございます。
 と申しますのが、地域包括ケア研究会の委員をなさっております近藤克則先生の、スライドにもありますように、要介護者は貧しい人の方がなりやすい、御存じのとおりであります。
 それと、あともう一つ、きょう、二十一・老福連のスライドにも示しましたように、やはり半数近い方が影響を受けているということもまた事実ですし、一番最後にも示させていただきました、障害者の方たちになりますと、一律に応益という形になると困難を来す方もいらっしゃると思いますので、そのあたりのところを丁寧に見ていただいて案をつくっていただければと思っております。
 以上でございます。
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武久洋三#18
○武久参考人 私も、委員のおっしゃるとおり、受益者負担は当然だと思っております。一〇%程度が適切かどうかわかりませんが、高齢者自身は、例えば、何千万か持っていて、家も土地も持っていても、資産がこのぐらいあるとわかっていても、いつまで生きるかわからないので、どうも年金だけでは大変だということで、資産を残したまま亡くなってしまって、全然訪ねてこない子供が遺産を相続するという、ちょっとおかしな理屈もありまして、ここはちょっと、そういう高齢者の考え方というか思いというものも大事にして、やはりリバースモーゲージのようなものをつくってあげた方が私はいいかなというふうな感じもしております。
 現実に、ヘルパーですね、訪問介護にしても生活支援が八割以上でして、現場でも、大体改善されてきておりますけれども、いろいろな用事をさせて、家族がその間じっとしているというような状況もまだまだあると思いますので、改善をしていくということも必要だと思いますけれども、ある程度受益者負担を今回のようにふやすということは、私としてはやむを得ないというふうに思っております。
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白須賀貴樹#19
○白須賀委員 時間が来ましたから終わりにしますが、きょう、参考人の皆様方、本当にすばらしいですよ。本当にありがとうございました。お考えを聞けてうれしいです。
 ありがとうございました。
 以上です。
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丹羽秀樹#20
○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。
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初鹿明博#21
○初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。
 きょうは、参考人の皆様、すばらしい御意見をありがとうございます。それぞれの立場で真剣にこの国の介護の問題を考えているということを実感させていただきまして、本当に心から感謝申し上げます。
 私は、民進党を代表して、きょう質問させていただきますが、我々民進党は、今回のこの介護保険法の改正に当たって対案を出させていただいております。
 その対案には五つの柱がありまして、その五つの柱というのはどういうものかというと、まず一つは、安易な軽度者切りには防止をかけなければいけないということです。そしてもう一つは、利用者負担を安易に拡大していくことも防止をしていく。そして、介護従事者が働き続けられる環境をつくるためにしっかりとした処遇改善を行う。そして、その処遇改善を確実に行うためにも事業所が安定して事業を継続できなければならないわけでありますから、介護報酬の引き上げをするということです。そして最後は、家族の皆さんが安心して介護を行えるように介護休業の見直しを行う。この五つを柱としております。
 その五つの柱に沿って、皆様方からの御意見を拝聴させていただきたいというふうに思います。
 今、白須賀委員から利用負担のお話がありました。この利用負担の問題ですけれども、先ほど遠藤参考人から、所得の高い人には応分の負担をしてもらうべきだという御意見がありましたし、武久参考人も同意見だったと思います。
 その考え方は私も一定程度理解をするんですけれども、我々が今回の質疑の中で政府に対して質問をしていた中に、所得だけで本当に判断していいのかという指摘をさせていただきました。資産を持っている持っていないということや、また世帯構成によっても同一所得で生活の状況は随分違うんじゃないか、世帯の中で介護が必要な人がある場合はもっと違うんじゃないかとか、また住んでいる地域によっても随分と差が出るんじゃないかという御指摘をさせていただいてきております。
 そういうことを考えると、単純に所得水準だけで今回引き上げる対象者を決めているということには非常に違和感があるんですね。
 それと同時に、二割の負担の影響、先ほど鈴木参考人のお話ですと、今のところ利用抑制がないということですが、この利用抑制というのも、一年たったところで急にやめるということではなくて、やはり今は貯金を切り崩して何とか乗り越えているけれども、それがどこまでもつのかということも考えなければいけないんじゃないかと思います。それによって、実は五年後に利用抑制というのは影響が出てくるんじゃないか、十年後なのかもしれないし、そういうこともしっかり勘案した上で利用負担の問題というのは私は考えなければいけないと思います。
 そういう面では、三割に引き上げるのを今回提案しておりますけれども、二割に引き上げた影響が十分になされないうちに三割の提案がされているということには、私は非常に拙速ではないかというふうに感じているんですが、参考人の皆さん、それぞれ、この点についていかがでしょうか。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
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鈴木邦彦#22
○鈴木参考人 ありがとうございます。
 二割導入が入って間もない時期に三割になったことについてでございましょうか。
 介護保険部会の議論、私も参加させていただいておりましたけれども、利用者負担の議論の中で、財源が厳しい状況の中、当初、要介護一、二といった軽度者の方の利用者負担や生活援助サービスを見直したらどうかという議論もあったと思います。しかしながら、その場合、低所得の方にも負担を求めることになり、サービスの利用ができなくなる方が出ることがそれこそ想定されました。また、今回は介護支援金の総報酬割の導入も議論されましたけれども、現役世代にのみ負担増を求めることや負担増の先送りをすることは、世代間の対立を呼ぶ可能性もありました。
 こうしたことから、高齢者の中でも現役並みの所得のある方にさらに負担していただくことはやむを得ないというふうに考えて、まとめたところでございます。
 以上です。
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田部井康夫#23
○田部井参考人 これは家族の会でコンセンサスを得られているということではないんですけれども、私は、基本的には、多くの人が自分の力に応じてまず制度をつくるということがベースにあるのが一番いいだろうというふうに思うんですね。
 ですから、そのベースをつくるためのあれというのは、基本的には誰もが負担する税金ということになると思うんです。利用するかしないかわからないですけれども、制度をつくるために負担をして、自分はもし使わないまま終わったとしても、自分の提供した何らかの税金的な負担が誰かの役に立ってこの世の中が回っていっているというような形でできていくのが私は一番いい形ではないかと。
 実際に利用する段になったときに負担が大きくなるというよりも、まずベースで小さな負担をしておいていい制度をつくって、利用する段階ではそれほど大きな負担がなくて済むという形が一番望ましいというふうに思っているんですね。そういう点でいくと、制度をつくるところで累進的な負担をして制度を形づくっていくということが一番いいのではないかというふうに考えています。
 ですので、初鹿先生が今おっしゃったように、二割負担の検証がない、明らかに利用している人に負担を負わせることで今この制度の危機を乗り切っていこうというふうな考えだと思うんですけれども、そこには私は基本的な間違いがあるのではないかというふうに考えています。
 やはり制度的に、まずこの制度をどうやってつくるかというところで、政策の提案と、それから、制度をつくるためにであれば、私は、所得だけではなくて、資産というのは十分考慮に値するもので、そこまで含めてまず制度をつくるということがベースにあって、実際の利用料の負担については、現状のように、とにかく利用者に負担を負わせる形ではない形で乗り切っていくという形が望ましいのではないかと。
 ですから、先ほど来申し上げていますように、繰り返しになりますけれども、二割負担の検証がないまま、また利用者にその負担を強いていくという形での繰り返しというのは、単に利用者を追い詰めるだけではなくて、社会的な亀裂も生んでいくというふうな危険があるというふうに考えています。ちょっとまとまりませんけれども。
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遠藤久夫#24
○遠藤参考人 二割への引き上げの効果がはっきりしないにもかかわらず三割の議論は拙速ではないか、こういうお話だと思います。
 それにつきまして、まず今回、三割、所得の高い人を対象にするということの議論の背景は、これは、もう言うまでもなく、財政的に非常に厳しい中で需要がどんどんふえていく、その中でどういうふうな対応が最も適切かということの議論の中で出てきた、したがって所得の高い人に限定をし、しかも自己負担上限はちゃんとつけておく、こういう流れの中で出てきたことであるというふうに考えておりますので、そういう意味では、二〇二五年までもう余り時間もないという中では、こういう議論が進んでいるということは、私は一定の合理性があると思います。
 一方で、二割の効果が、特に先ほど委員御指摘のとおり、長期的な効果ということまでも見定めていないではないかというお話でありますので、私は、二割、それから三割を導入した場合には三割の、それぞれの効果の精査はするべきだと思います。それはそれとして行うべき話であると思いますので、二割増についてもやるべきだと。先ほど、人数は把握したけれどもサービスの量については把握していないではないかというような御指摘もありましたように、いろいろな視点から分析をするということは大変重要なことだと思います。
 それがある程度明らかになった段階でまた議論をすればいいかと思いますけれども、ただ問題は、明らかに需要が減ったといったときに、その減った需要が社会的に容認できるのかできないのかという社会的な価値判断の問題と、事実が明らかになっていないという問題は若干違う話で、あくまでも調査で明らかになるのは、事実を明らかにするというところまででありまして、そこから先は、財源制約の中でどこまで認めるかというのは、まさにこういったところは先生方の御議論、価値判断になるわけで、そこを分けた議論は当然必要だというふうには思っております。
 以上でございます。
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山田智#25
○山田参考人 初鹿先生、ありがとうございます。
 先ほども紹介しましたように、例えば、たまたま三百万円入ったということで変更せざるを得ないような例とか、それから、私たち、一言カードということで八百十六件の意見をいただいています。まだまだいろいろな方たちがいて、それを十分に分析できていません。
 二割負担の内容が本当に、今おっしゃられましたとおり、どういう内容で、では、それをどういうふうな形でその困難を乗り越えていくかというようなところになると、それを政策提言するみたいなところまでまだいっていません。ですから、ぜひ、先生おっしゃられるように、どういう困難が起こっているかということを調べた上で、それが終わって次の三割に進むというような意見というのも当然だというふうに思っております。
 以上です。
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武久洋三#26
○武久参考人 何の制度でも、どこかで切りますと、その境界域の方、非常によく調べないと非常に困っている方がいらっしゃいます。だから、そのあたりの配慮がなされる。要するに、負担金の問題もそうですけれども、例えば、一人っ子同士の結婚をされますと、ある時期になると四人の両親が同時にぐあいが悪くなる、例えばユニットケアの特養に入りましても一人大体十五万円ぐらい要りまして、それだけで六十万要るんですね。相当お金があってもとてもじゃないけれども対応できないというような事態も起こりますから、やはり、ここら辺のところをよく配慮してあげるということが大事ですけれども、本当に所得があって余裕がある方はきちっと御負担いただくというのが、これは受益者負担としては当然と思います。
 以上でございます。
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初鹿明博#27
○初鹿委員 それぞれの皆さん、どうもありがとうございます。
 いずれにしても、今回導入したとしてもしなかったとしても、やはりしっかりした検証はする必要があるという御意見だったというふうに思います。
 あと、私が一つ気になるのは、この負担の話をするときにいつも介護保険で払う負担でとどまっているんですよね。先ほどもどなたかおっしゃっていたと思いますが、高額介護サービス費があったとしてもいわゆる施設に入った場合のホテルコストは別途払わなければならないわけで、今くしくも武久参考人がおっしゃったとおり、それぞれで特養に入ったら、ホテルコストを加味したら四人入ったら本当に六十万とかになってしまう。では、それを所得があるから耐えられるのか、三百万あるから耐えられるのかといったら、なかなか難しいというふうにも思えてきますので、そこはやはり十分な検証は必要かなというふうに思います。
 では次に、ちょっと視点を変えて、処遇改善についてお伺いをいたします。
 我々民進党は、この処遇改善、今の制度だとヘルパーだけに支給がされるという制度になっていて、その他の職種の人に対してはそれが対象にならないため事業所が非常に運営しづらいという指摘があるということで、ヘルパーにだけ出したいという事業所の処遇改善の交付金と、金額はどうしても下がってしまうんですが、対象者を広げた交付金等を出せる、そういう提案をさせていただいているんですが、この処遇改善について、現状のようにこの対象を絞っている方がいいのか、それとも、やはり対象を広げて、職種に関係なく、福祉の仕事は全体的に給料が安いわけですから、底上げを図った方がいいと考えるのか。
 それともう一つ、加算というやり方だと、どうしても利用者の負担にはね返っていくという問題があります。我々はそこも考え、交付金という形で利用者には負担が寄らないような制度にしたいと思っておるんですが、その点について、鈴木参考人、そして山田参考人、武久参考人、それぞれ事業者の立場であると思いますので、お伺いしたいと思います。
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鈴木邦彦#28
○鈴木参考人 ありがとうございます。
 処遇改善につきましては、これまで厚労省が行ってきたもの、交付金、加算合わせて今回の改定も含めて四回対応しておりますけれども、介護従事者処遇状況等調査を見ても効果はあったというふうに思います。しかしながら、恒久的な介護職員の職場定着を考えるならば、職場環境や教育研修制度、仕事と子育ての両立支援の充実なども必要ですので、今後、社会保障審議会介護給付費分科会等において議論をしていくべきだというふうに思います。
 なお、さらなる処遇改善を図る場合は、その財源を十分に確保していただき、我々としては本体報酬を引き上げることが必要ではないかというふうに考えております。
 以上です。
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とかしきなおみ#29
○とかしき委員長代理 質疑時間がオーバーしておりますので、簡略にお願いいたします。
 山田参考人、お願いいたします。
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